JP5147245B2 - 圧縮機用ピストンおよび圧縮機用ピストンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダボア内で往復道される圧縮機用ピストンおよびその製造方法に関する。
従来より、車両用空調装置などの冷凍サイクルに用いられる圧縮機が知られている。この圧縮機は、シリンダブロックに形成したシリンダボア内でピストンを往復動させることにより、吸入室から吸入した冷媒ガスを圧縮し、その圧縮した冷媒ガスを吐出室に吐出させている。
圧縮機に用いられる圧縮機用ピストンとしては、シリンダボア内に収容される円筒形状の本体部と、駆動機構に連結される連結部とを互いに嵌合させて電子ビーム溶接によって両者を一体的に接合することにより、内部に中空部を備える構成が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。ところで、電子ビーム溶接は真空下で行われるため、ピストン内部の中空部についても真空状態にする必要がある。そのため、この類の圧縮機用ピストンでは、本体部の内周面と連結部の外周面との間に嵌合クリアランスを持たせた上で、これらを嵌合し電子ビーム溶接を行っている。
特開2001−159391号公報 特開2001−153046号公報 特開2000−38987号公報
しかしながら、本体部と連結部とを嵌合した上で溶接を行う場合、その嵌合領域において本体部と連結部とがオーバーラップしているため、嵌合クリアランスの全体に亘って溶接が行われず、その一部のみが溶接領域に含まれ、溶接端部が嵌合クリアランスにかかった格好となってしまう虞がある。圧縮機用ピストンには、曲げや引張り等の複合的な力が作用するため、たわみやねじれ等に起因して、溶接端部に応力が集中し、ピストンを破損してしまうといった可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、本体部と連結部との接合部の応力集中を緩和することにより、圧縮機用ピストンの耐久性および品質の向上を図ることである。
かかる課題を解決するために、第1の発明は、シリンダボア内で往復動する圧縮機用ピストンを提供する。この圧縮用ピストンは、前端部が開放されて後端部が有底の中空円筒形状を有し、シリンダボア内に収容される本体部と、外周形状が本体部の内周形状と対応する突出端部を備え、駆動機構に連結される連結部と、本体部の前端部と連結部の突出端部とを嵌合させて円周方向に沿って溶接を行うことで形成され、本体部と連結部とを一体的に接合する溶接部とを有し、溶接部は、本体部の内周面と突出端部の外周面との間の嵌合クリアランスの全てを含むとともに、本体部の前端部の位置よりも突出端部との嵌合領域側へとシフトさせた位置を基準として溶接を行うことによって形成される。
また、第1の発明において、溶接部は、溶接端部が突出端部の端面角部を含むように形成されている。
また、第1の発明において、連結部は、突出端部の端面角部がテーパー状に面取りされており、溶接部は、溶接端部が突出端部のテーパー面の一部を含むように形成されている。
また、第2の発明は、シリンダボア内で往復動する圧縮機用ピストンの製造方法を提供する。この圧縮機用ピストンの製造方法は、前端部が開放されて後端部が有底の中空円筒形状を有し、シリンダボア内に収容される本体部と、外周形状が本体部の内周形状と対応する突出端部を備え、駆動機構に連結される連結部とを、本体部の前端部と連結部の突出端部とで嵌合させることによって仮組みを行う第1の工程と、本体部の前端部の位置よりも突出端部との嵌合領域側へとシフトさせた位置を基準として、円周方向に沿って溶接を行い、溶接部を、本体部の内周面と突出端部の外周面との間の嵌合クリアランスを全て含むものとする第2の工程とを有する。
本発明によれば、本体部の前端部よりも連結部の突出端部との嵌合領域側へとシフトさせた位置を基準として溶接が行われる。そのため、溶接端部の曲率が大きくなり、当該部位における切欠き係数が低くなる傾向となるので、応力集中を緩和することができる。これにより、圧縮機用ピストンに作用する力によるたわみやねじれ等に起因して、圧縮機用ピストンの破損を招くといった事態を抑制することができる。その結果、圧縮機用ピストンの耐久性および品質の向上を図ることができる。
図1は、本発明の実施形態にかかる圧縮機1の全体構成を示す模式図である。圧縮機1は、斜板式の可変容量の圧縮機であり、例えば車両用空調装置の冷却サイクルに用いられ、冷凍サイクルで気化した冷媒ガスを断熱圧縮する。この圧縮機1は、複数のシリンダボア3を有するシリンダブロック2と、フロントハウジング4と、リヤハウジング6とを備えている。フロントハウジング4は、シリンダブロック2の前端面に設けられ、このシリンダブロック2との間にクランク室5を形成している。リヤハウジング6は、シリンダブロック2の後端面にバルブプレート9を介して設けられ、吸入室7及び吐出室8を形成している。これらシリンダブロック2、フロントハウジング4及びリヤハウジング6は、シリンダブロック2に設けられた貫通孔を介してスルーボルトBによって締結固定されている。
バルブプレート9は、シリンダボア3と吸入室7とを連通する吸入孔(図示せず)と、シリンダボア3と吐出室8とを連通する吐出孔12とを備えている。バルブプレート9のシリンダブロック2側には、吸入孔を開閉する吸入弁13が設けられている。一方、バルブプレート9のリヤハウジング6側には、吐出孔12を開閉する吐出弁(図示せず)と、この吐出弁を保持するリテーナ15とが設けられている。これらバルブプレート9、吐出弁14及びリテーナ15は、リベットRによって一体的に固定されている。そして、バルブプレート9とリヤハウジング6との間には、ガスケット(図示せず)が介在し、吸入室7と吐出室8の密閉性を保持している。また、バルブプレート9の周縁には、Oリングが介在し、圧縮機1の外部への冷媒ガスの漏れを抑制している。
シリンダブロック2の中心部には、シャフト支持孔19が設けられており、このシャフト支持孔19には、ベアリング17,37が設けられている。また、フロントハウジング4の中心部には、シャフト支持孔20が設けられており、このシャフト支持孔19には、ベアリング18が設けられている。シリンダブロック2側のシャフト支持孔19およびフロントハウジング4側のシャフト支持孔20には、駆動軸10が挿入されており、この駆動軸10は、個々のベアリング17,18,37によって回転自在に支持されている。
クランク室5内には、駆動軸10に固定されたドライブプレート21と、駆動軸10に摺動自在に取り付けられたスリーブ22と、ピン23によってスリーブ22に摺動自在に連結されたジャーナル24と、ジャーナル24のボス部25に固定した斜板26とが設けられている。ドライブプレート側21のヒンジアーム21hとジャーナル24側のヒンジアーム24hとは、トラック形状の長孔が開口されたリング部材27とピン28とによって連結されており、斜板26の揺動を規制している。
個々のシリンダボア3には、ピストン29がそれぞれ収容されている。それぞれのピストン29は、斜板26を挟んだ一対のシュー30を介して斜板26に連結されていて、駆動軸10の回転運動を原動力としてシリンダボア3内を往復動する。
このような圧縮機1は、ピストン29の往復動により、バルブプレート9の吸入孔を介して吸入室7からシリンダボア3内へと冷媒ガスを吸入するとともに、この冷媒ガスを圧縮する。そして、圧縮機1は、バルブプレート9の吐出孔12を介してシリンダボア3から吐出室8へと圧縮した冷媒ガスを吐出する。
圧縮機1は、吐出容量を可変とするために、抽気通路31と、給気通路32と、圧力制御手段33とで構成される圧力制御機構とを備えている。抽気通路31は、図中矢印で示すように、クランク室5と吸入室7とを常時連通しており、クランク室5内の冷媒ガス圧力に応じてクランク室5内の冷媒ガスを吸入室7へ帰還させる。具体的には、抽気通路31は、駆動軸10に設けられた抽気孔10sと、シリンダブロック2に設けられたシャフト支持孔19と、バルブプレート9に設けられた抽気孔9sと、これらシャフト支持孔19と抽気孔9sとを連通するシリンダブロック2の後端面に設けられた抽気溝(図示せず)とから構成されている。ここで、駆動軸10内に設けられた抽気孔10sは、駆動軸10の後端10bから前端10a側に向けてこの駆動軸10の軸心に沿って延在する軸方向通路35と、軸方向通路35と連通しクランク室5に直接開放して抽気通路31の入口部を構成する径方向通路36とで構成されている。抽気通路31の入口部を構成する径方向通路36は、スリーブ22の移動範囲外に形成されていたため、クランク室5に常時開放するようになっている。
給気通路32は、図中矢印で示すように、クランク室5と吐出室8とを連通しており、その通路は圧力制御手段33によって開閉される。圧力制御手段33は、給気通路32を開閉して、吐出室8からクランク室5に向けて流れる冷媒ガス量を制御することで、クランク室5の圧力を調整する。この圧力調整によって斜板26の傾斜角を変化させることで、ピストンストロークが変化し、圧縮機1の吐出容量を変えることができる。具体的には、圧力制御手段33は、低負荷時におけるエバポレータの凍結を避けるため、圧縮機1に帰還する冷媒の吸入圧が一定に保たれるように、圧縮機1に帰還する冷媒の吸入圧に応じて圧縮機1の吐出量を変化させる。
図2は、本実施形態にかかるピストン29を模式的に示す断面図である。ここで、同図(a)は、ピストン29の全体断面図であり、同図(b)は、(a)の破線で示す領域Aの拡大断面図である。個々のピストン29は、本体部29bと、連結部29aとを主体に構成されている。
本体部29bは、中空円筒形状を有しており、シリンダボア3内に収容される。この本体部29bは、前端部29fが開放されて後端部が有底となっており、この前端部29fには、連結部29aが嵌合される。
連結部29aは、ピストン29の駆動機構の一部である斜板26に連結される。この連結部29aは、その後端側に、連結部本体の外径よりも小さい外径とされた突出端部29dを備えている。この突出端部29dは、その外周形状が本体部29bの内周形状と対応しており、本体部29bの前端部29fと嵌合する機能を担っている。本実施形態において、突出端部29dは、その外径が本体部29bの内径よりも若干小さな値に設定されている。そのため、本体部29bの前端部29fと連結部29aの突出端部29dとを嵌合させた場合には、本体部29bの内周面と突出端部29dの外周面との間に、嵌合クリアランスが生じることとなる(図中の二点鎖線参照)。また、突出端部29dの端面には、頂部が切り落とされた略円錐形状の凹部が形成されており(図2参照)、この凹部は、本体部29bのとともにピストン29内部の中空部を構成する。
本実施形態の特徴の一つとして、ピストン29は、連結部29aの突出端部29dを本体部29bの前端部29fに嵌合させて、円周方向に沿って溶接を行うことにより形成される溶接部29cをさらに有しており、この溶接部29cにより、本体部29b連結部29aとが一体的に接合されている。溶接部29cは、本体部29bの内周面と突出端部29dの外周面との間の嵌合クリアランスを含み、その溶接端部29eが突出端部29dの端面角部を含むように形成されている。
図3は、本実施形態にかかるピストン29の製造方法を説明する説明図である。第1の実施形態にかかるピストン29は、つぎに示すような工程から作成される。まず、第1の工程として、連結部29aの突出端部29dと、本体部29bの前端部29fとを嵌合させて、本体部29b連結部29aとの仮組みを行う。そして、第2の工程として、この嵌合領域を対象として、円周方向に沿って電子ビーム溶接を行う。具体的には、連結部29aの外周縁部と突き合う本体部29bの前端部29fの位置よりも、突出端部29dとの嵌合領域側へとシフトさせた位置を基準として電子ビームを照射し、同図に示す領域Bの範囲において溶接を行う。これにより、溶接後において、本体部29bの内周面と連結部29aの突出端部29dの外周面との間の嵌合クリアランスを含むとともに、溶接端部29eが突出端部29dの端面角部を含むように溶接部29cを形成する。
なお、これらの第1から第2の工程は、真空下で行われる。このような真空下で本体部29b連結部29aとを接合する場合には、ピストン29の中空部についても真空状態にする必要がある。そのため、本体部29bの内周面と突出端部29dの外周面との間に嵌合クリアランスを持たせることにより、ピストン29の中空部を真空状態にしている。
図4は、本実施形態におけるピストン29との比較例としてのピストン39を示す概念図である。同図に示すピストン39は、上述したピストン29と同様に、連結部39aの突出端部39dと本体部39bの内周面とを嵌合させて、円周方向に沿って溶接を行うことによって形成される溶接部39cを有している。同図に示す例において、溶接部39cは、連結部39aの外周縁部と突き合う本体部39bの前端部39fの位置を基準して電子ビームを照射し、図3に示す領域Bよりも本体部39bの39f側へとシフトした領域Cの範囲おいて溶接が行われている。
ところで、本体部39b連結部39aとの間の嵌合領域は、ピストン39の軸方向にかけてオーバーラップしている。そのため、本体部39bの前端部39fを基準として溶接を行った場合には、嵌合クリアランスの一部のみが溶接領域に含まれて、その溶接端部39eが、突出端部39dの端面角部を含まずに嵌合クリアランスにかかった格好となってしまう。このケースでは、嵌合クリアランスにおける溶接端部39eの曲率が小さく、換言すれば、溶接端部39eと連結部39aの突出端部39dの外周面とによって形成される角が鋭角となる傾向がある。そのため、当該部位における切欠き係数が高くなり、応力集中を招いてしまう。ピストン39には、曲げや引張り等の複合的な力が作用するため、たわみやねじれ等に起因して、ピストン39の破損を招く可能性がある。
この点、本実施形態によれば、本体部29bの29fよりも連結部29aの突出端部29dとの嵌合領域側へとシフトさせた位置を基準として溶接が行われる。そのため、この溶接によって形成される溶接部29cが、本体部29bの内周面と突出端部29dの外周面との間の嵌合クリアランスを含むとともに、溶接端部29eが突出端部29dの端面角部を含むように形成される。このため、溶接端部29eが突出端部29dの端面にかかり、その曲率が大きく、換言すれば、溶接端部29eと突出端部29dの端面とによって形成される角が鈍角となりやすい。よって、当該部位における切欠き係数が低くなる傾向となるので、応力集中を緩和することができる。これにより、ピストン29に作用する力によるたわみやねじれ等に起因して、ピストン29の破損を招くといった事態を抑制することができる。その結果、ピストン29の耐久性および品質の向上を図ることができる。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態にかかるピストン29を模式的に示す断面図である。ここで、同図(a)は、ピストン29の全体断面図であり、同図(b)は、(a)において破線で示す領域Aの拡大断面図である。この第2の実施形態にかかるピストン29が第1の実施形態のそれと相違する点は、突出端部29dの形状である。なお、本実施形態では、第1の実施形態との相違点を中心に説明を行うこととし、重複する構成については符号を引用することにより、その詳細な説明は省略する。
本実施形態にかかるピストン29も、第1の実施形態と同様、圧縮機1に適用可能であり、個々のシリンダボア3にそれぞれ収容されている。それぞれのピストン29は、斜板26を挟んだ一対のシュー30を介して斜板26に連結されていて、駆動軸10の回転運動を原動力として往復動する。個々のピストン29は、本体部29bと、連結部29aとを主体に構成されている。
本実施形態の特徴の一つとして、連結部29aの後端側には突出端部29d形成されており、この突出端部29dは、本体部29b連結部29aとの嵌合時の位置合わせを容易にするため、円周方向に沿って端面角部がテーパー状に面取りされたテーパー面29gを備えている。
また、本実施形態のピストン29は、連結部29aの突出端部29dを本体部29bの前端部29fに嵌合させて、円周方向に沿って溶接を行うことによって形成される溶接部29cをさらに有しており、この溶接部29cにより、本体部29b連結部29aとが一体的に接合される。溶接部29cは、本体部29bの内周面と連結部29aの突出端部29dの外周面との間の嵌合クリアランスを含み、その溶接端部29eが突出端部29dのテーパー面29gの一部を含むように形成されている。
図6は、本実施形態にかかるピストン29の製造方法を説明する説明図である。第2の実施形態にかかるピストン29は、つぎに示すような工程から作成される。まず、第1の工程として、連結部29aの突出端部29dと、本体部29bの前端部29fとを嵌合させて、本体部29b連結部29aとの仮組みを行う。そして、第2の工程として、この嵌合領域を対象として、円周方向に沿って電子ビーム溶接を行う。具体的には、連結部29aの外周縁部と突き合う本体部29bの前端部29fよりも、突出端部29dとの嵌合領域側へとシフトさせた位置を基準として電子ビームを照射し、同図に示す領域Bの範囲において溶接を行う。これにより、溶接後において、本体部29bの内周面と連結部29aの突出端部29dの外周面との間の嵌合クリアランスを含むとともに、溶接端部29eが突出端部29dのテーパー面29gの一部を含むように溶接部29cを形成する。
図7は、本実施形態におけるピストン29との比較例としてのピストン39を示す概念図である。同図に示すピストン39は、上述したピストン29と同様に、連結部39aの突出端部39dと本体部39bの内周面とを嵌合させて、円周方向に沿って溶接を行うことによって形成される溶接部39cを有している。同図に示す例において、溶接部39cは、連結部29aの外周縁部と突き合う本体部39bの前端部39fを基準として電子ビームを照射し、図6に示す領域Bよりも本体部39bの前端部39f側へとシフトした領域Cの範囲において溶接が行われている。このケースでも、溶接端部39eが、テーパー面39gを含まずに嵌合クリアランスにかかった格好となってしまい、ピストン39の破損を招く可能性がある。
この点、本実施形態によれば、本体部29bの前端部29fよりも連結部29aの突出端部29dとの嵌合領域側へとシフトさせた位置を基準として溶接が行われる。そのため、この溶接によって形成される溶接部29cが、本体部29bの内周面と突出端部29dの外周面との間の嵌合クリアランスを含むとともに、溶接端部29eが突出端部29dのテーパー面29gの一部を含むように溶接部29cが形成される。このため、溶接端部29eが突出端部29dのテーパー面29gにかかり、その曲率が大きく、換言すれば、溶接端部29eと突出端部29dのテーパー面29gとによって形成される角が鈍角となりやすい。よって、当該部位における切欠き係数が低くなり、応力集中を緩和することができる。これにより、ピストン39に作用する力によるたわみやねじれ等に起因して、ピストン29の破損を招くといった事態を抑制することができる。その結果、ピストン29の耐久性および品質の向上を図ることができる。
本発明の実施形態にかかる圧縮機1の全体構成を示す模式図 第1の実施形態にかかるピストン29を模式的に示す断面図 第1の実施形態にかかるピストン29の製造方法を説明する説明図 第1の実施形態におけるピストン29との比較例としてのピストン39を示す概念図 第2の実施形態にかかるピストン29を模式的に示す断面図 第2の実施形態にかかるピストン29の製造方法を説明する説明図 第2の実施形態におけるピストン29との比較例としてのピストン39を示す概念図
符号の説明
1 圧縮機
2 シリンダブロック
3 シリンダボア
4 フロントハウジング
5 クランク室
6 リヤハウジング
7 吸入室
8 吐出室
10 駆動軸
29 ピストン
29a 連結部
29b 本体部
29c 溶接部
29d 突出端部
29e 溶接端部
29f 前端部
29g テーパー面

Claims (4)

  1. シリンダボア(3)内で往復動する圧縮機用ピストン(29)において、
    前端部(29f)が開放されて後端部が有底の中空円筒形状を有し、前記シリンダボア(3)内に収容される本体部(29b)と、
    外周形状が前記本体部(29b)の内周形状と対応する突出端部(29d)を備え、駆動機構に連結される連結部(29a)と、
    前記本体部の前端部(29f)と前記連結部(29a)の突出端部(29d)とを嵌合させて円周方向に沿って溶接を行うことで形成され、前記本体部(29b)と前記連結部(29a)とを一体的に接合する溶接部(29c)とを有し、
    前記溶接部(29c)は、前記本体部(29b)の内周面と前記突出端部(29d)の外周面との間の嵌合クリアランスの全てを含むとともに、前記本体部の前端部(29f)の位置よりも前記突出端部(29d)との嵌合領域側へとシフトさせた位置を基準として溶接を行うことによって形成されることを特徴とする圧縮機用ピストン。
  2. 前記溶接部(29c)は、溶接端部(29e)が前記突出端部の端面角部を含むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載された圧縮機用ピストン。
  3. 前記連結部(29a)は、前記突出端部(29d)の端面角部がテーパー状に面取りされたテーパー面(29g)を有し、
    前記溶接部(29c)は、溶接端部(29e)が前記突出端部のテーパー面(29g)の一部を含むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載された圧縮機用ピストン。
  4. シリンダボア(3)内で往復動する圧縮機用ピストン(29)の製造方法において、
    前端部(29f)が開放されて後端部が有底の中空円筒形状を有し、シリンダボア(3)内に収容される本体部(29b)と、外周形状が前記本体部(29b)の内周形状と対応する突出端部(29d)を備え、駆動機構に連結される連結部(29a)とを、前記本体部(29b)の前端部(29f)と前記連結部(29a)の突出端部(29d)とで嵌合させることによって仮組みを行う第1の工程と、
    前記本体部(29b)の前端部(29f)の位置よりも前記突出端部(29d)との嵌合領域側へとシフトさせた位置を基準として、円周方向に沿って溶接を行い、溶接部(29c)を、本体部(29b)の内周面と突出端部(29d)の外周面との間の嵌合クリアランスを全て含むものとする第2の工程とを有する圧縮機用ピストンの製造方法。
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