JP5134249B2 - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、パンク等によりタイヤ内の空気が抜けたデフレート状態においても比較的長距離を走行しうるランフラットタイに関する。
デフレート状態においても比較的長距離を走行しうるランフラットタイヤとして、タイヤの骨格をなすカーカスの内側(内腔側)かつサイドウォール部に、断面三日月状のサイド補強ゴム層を設け、デフレート状態におけるタイヤの負荷荷重をこのサイド補強ゴム層で支えることによりランフラット走行を可能とした所謂サイド補強タイプのものが知られている(例えば特許文献1など参照)。
他方、本出願人は、通過騒音を低減しながらハイドロプレーニング性能を向上したタイヤとして、図7に略示するように、タイヤ赤道面Cから、タイヤ最大断面巾SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点Pに至るまでの間で、タイヤ外面の曲率半径RCが、タイヤ赤道点CPから前記点Pまで徐々に減少するとともに、前記タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90及びX100 を夫々隔てるタイヤ外面上の各点と、タイヤ赤道点CPとの間の各半径方向距離をそれぞれY60、Y75、Y90及びY100 とし、かつタイヤ断面高さをSHとするとき、
0.05< Y60 /SH ≦0.1
0.1< Y75 /SH ≦0.2
0.2< Y90 /SH ≦0.4
0.4< Y100 /SH ≦0.7
の関係を満足させた特殊プロファイルのタイヤを提案している(特許文献2参照)。この特殊プロファイルのタイヤでは、トレッドが非常に丸くなり、接地形状において、接地巾が小さくかつ接地長さが大きくなるため、騒音性能及びハイドロプレーニング性能の向上に役立つ。
そして本発明者の研究の結果、この特殊プロファイルは、サイドウォール部の領域が短いため、前記サイド補強タイプのランフラットタイヤに採用した場合には、サイド補強ゴム層のゴムボリュームを低減でき、タイヤ質量の増加や乗り心地性の低下を低く抑えうるとともに、サイド補強ゴム層の発熱量や蓄熱量が減じうるためランフラット性能(ランフラット耐久性)の向上にも効果的であることを見出し得た。
しかし、このランフラット耐久性の向上のためには、カーカス折返し部におけるカーカスコードルースを同時に抑制することがさらに重要であることも判明した。これは、前記特殊プロファイルを採用したランフラットタイヤでは、サイドウォール部の領域が短いため、ランフラット走行時のビード部の変形の度合いが大きく、前記サイド補強ゴム層の発熱量や蓄熱量を減じたとしても、カーカス折返し部におけるカーカスコードルースがネックとなり、そのままではランフラット性能の向上効果が充分に発揮されないためと推測される。
そこで本発明は、カーカス折返し部に隣接するリムずれ防止用のクリンチゴムに、損失正接(tan δ)が0.065以下と従来よりも低発熱でありかつ硫黄配合量が2.0〜3.0phrと従来よりも高配合であるゴム組成物を用いることを基本として、カーカス折返し部におけるカーカスコードルースを効果的に抑制でき、ランフラット耐久性を向上させうるランフラットタイを提供することを目的としている。
特開平2000−351307号公報 特許第2994989号公報
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスプライからなるカーカスと、前記サイドウォール部の前記カーカスの内側に配されかつ中央部分から半径方向内外に厚さを減じてのびる断面略三日月状のサイド補強ゴムと、前記ビード部のタイヤ軸方向外面をなすクリンチゴムとを具えるランフラットタイヤであって、
正規リムに装着されかつ正規内圧を充填した正規内圧状態におけるタイヤ子午断面において、
タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき、
タイヤ外面の曲率半径RCが、タイヤ赤道点CPから前記点Pに至るまでの間で徐々に減少するとともに、
前記タイヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面巾の半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90及びX100 を夫々隔てるタイヤ外面上の各点と、タイヤ赤道点CPとの間の各半径方向距離をそれぞれY60、Y75、Y90及びY100 とし、かつタイヤ断面高さをSHとするとき、
0.05< Y60 /SH ≦0.1
0.1< Y75 /SH ≦0.2
0.2< Y90 /SH ≦0.4
0.4< Y100 /SH ≦0.7
の関係を満足し、
しかも前記クリンチゴムは、ゴム成分100質量部に対して、硫黄を2.0〜3.0質量部含有するとともに、粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、初期伸張歪10%、動歪の振幅±2%の条件で測定した損失正接(tan δ)を0.065以下としたゴム組成物からなることを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記クリンチゴムは、リチウム開始剤により重合され、スズ原子の含有量が50〜3000ppm、ビニル結合量が5〜50質量%、及び分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下であるスズ変性ポリブタジエンゴムを、ゴム成分中に3〜40質量%含むことを特徴とし、又請求項3の発明では、前記クリンチゴムは、ゴム成分がスズ変性ポリブタジエンゴム以外のジエン系ゴムからなり、しかも前記ゴム成分100質量部に対して加硫促進剤を2.5〜4.5質量部、かつ酸化亜鉛を1.3〜2.9質量部含有させたことを特徴としている。
又請求項4の発明では、請求項3において、前記ゴム成分は、高シスポリブタジエンゴムを50質量%以上、かつ天然ゴム又は高シスイソプレンゴムを30質量%以上含むことを特徴としている。
又請求項5の発明では、前記カーカスの半径方向外側かつトレッド部内に1以上のベルトプライからなるベルト層を具えるとともに、最も幅広のベルトプライのタイヤ軸方向のプライ巾BWは、前記タイヤ最大断面巾SWの0.70〜0.95倍であることを特徴としている。
又請求項6の発明では、前記正規内圧状態のタイヤに正規荷重の80%の荷重を負荷した状態において、前記タイヤ外面が接地するタイヤ軸方向最外端間のタイヤ軸方向距離である接地巾CWは、前記タイヤ最大断面巾SWの50%〜85%であることを特徴としている。
なお本明細書において、ゴムの損失正接(tan δ)は、測定試料を粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、初期伸張歪10%、動歪の振幅±2%の条件で測定した値とする。
又前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。また前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" を意味するが、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。また前記「正規荷重」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"である。
本発明は叙上の如く、前記特殊プロファイルを、サイド補強タイプのランフラットタイヤに採用しているため、サイドウォール部の領域が短くなるなどサイド補強ゴム層のゴムボリュームを低減でき、タイヤ質量増加や乗り心地性低下を抑えながら、サイド補強ゴム層の発熱や蓄熱を減じ、サイド補強ゴム層の破壊を抑制しうる。
又クリンチゴムとして、従来に比して損失正接(tan δ)が小かつ硫黄配合量が大なゴム組成物を用い手いるため、前記クリンチゴムに隣接するカーカス折返し部におけるカーカスコードルースを抑制できる。
ここで、カーカスプライに用いるトッピングゴムは、通常、カーカスコードとの接着性を確保するため、3.0〜3.3phrの硫黄が配合されている。この硫黄は、ゴムの架橋密度を高める以外に、硫黄と亜鉛成分とによりコード表面に高硬度の接着層を形成し、コードとゴムとのモジュラス差を減じて接着性を向上させうる。しかし、本発明者の実験の結果、タイヤ加硫成型時、トッピングゴム中の硫黄の一部が、硫黄配合量が1.8phr程度と低いクリンチゴムに流出する傾向があり、その結果、前記接着層の形成が不充分となって接着性が充分高められていないことが判明した。そこで、クリンチゴムの硫黄配合量を従来よりも多い2.0〜3.0phrの範囲に高めてトッピングゴムでの硫黄配合量に近づける。これにより、タイヤ加硫成型時におけるトッピングゴムからクリンチゴムへの硫黄の流出を抑制でき、カーカスコードの接着性を向上することが可能となる。なお、トッピングゴムの硫黄配合量を直接高めた場合には、トッピングゴムの硬化を招き、接着性向上効果が不充分となる。又カーカスコードルースの抑制のためには、前記接着性の向上以外に、発熱によるゴム劣化を抑えることも重要であり、そのために本願ではクリンチゴムの損失正接(tan δ)を0.065以下に減じている。
このように、クリンチゴムの損失正接(tan δ)及び硫黄配合量を特定することにより、その相互作用によってカーカスコードルースを効果的に抑制することができ、特に前述の特殊プロファイルを採用したサイド補強タイプのランフラットタイヤにおいて、ランフラット耐久性の向上効果を有効に発揮させることが可能となる。
又クリンチゴムに要求される耐リムずれ性能を高く確保しながら、損失正接(tan δ)を前記範囲に減じるためには、ゴム成分中に、スズ変性ポリブタジエンゴムを3〜40質量%含有させたゴム組成物を採用するか、又はゴム成分としてスズ変性ポリブタジエンゴム以外のジエン系ゴムを用いしかも前記ゴム成分100質量部中に加硫促進剤を2.5〜4.5質量部かつ酸化亜鉛を1.3〜2.9質量部含有させたゴム組成物を採用することが好ましい。これにより耐リムずれ性能の維持、若しくは向上も図られ、ランフラット耐久性を含むタイヤ耐久性を向上することができる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明のランフラットタイヤの正規内圧状態を示す子午断面図である。
図1において、本実施形態のランフラットタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内部かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7と、サイドウォール部3かつ前記カーカス6の内側に配されるサイド補強ゴム層10とを具える。
前記カーカス6は、タイヤ周方向に対して例えば70〜90°の角度で配列するカーカスコードをトッピングゴムで被覆した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。カーカスコードとしては、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミドなどの有機繊維コードが好適に使用される。また前記カーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両側に、前記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。
そしてこのプライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、ゴム硬度が65〜95°の硬質のゴムからなり、前記ビードコア5から半径方向外側に先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム8が配される。このビードエーペックスゴム8のビードベースラインBLからのタイヤ半径方向の高さhaは、特に限定はされないが、小さすぎるとランフラット耐久性が低下しやすく、逆に大きすぎてもタイヤ質量の過度の増加や乗り心地の悪化を招くおそれがある。このような観点より、ビードエーペックスゴム8の前記高さhaは、タイヤ断面高さSHの10〜60%、より好ましくは20〜40%程度が望ましい。
また本例では、前記カーカス6のプライ折返し部6bが、前記ビードエーペックスゴム8を半径方向外側に超えて巻き上がり、その外端部6beが、プライ本体部6aと前記ベルト層7との間に挟まれて終端する超ハイターンアップのカーカス構造を具える。これにより、1枚のカーカスプライ6Aを用いて、サイドウォール部3を効果的に補強しうる。また前記プライ折返し部6bの外端部6beが、ランフラット走行時に大きく撓むサイドウォール部3から離れるため、該外端部6beを起点とした損傷を好適に抑制しうる。なおプライ折返し部6bとベルト層7との重なり部のタイヤ軸方向巾EWは、5mm以上、さらには10mm以上が好ましく、その上限は、軽量化の観点から25mm以下が好ましい。なおカーカス6が複数枚のカーカスプライから形成される場合には、少なくとも1枚のカーカスプライがこの態様をなすのが好ましい。
次に、前記ベルト層7は、タイヤ周方向に対して例えば10〜35゜の角度で配列するベルトコードをトッピングゴムで被覆した半径方向内外のベルトプライ7A、7Bから形成され、各ベルトコードがプライ間相互で交差することにより、ベルト剛性を高め、タガ効果を有してトレッド部2を強固に補強する。ここで、前記ベルト層7は、内のベルトプライ7Aが最も幅広であり、このベルトプライ7Aのタイヤ軸方向のプライ巾BWを、タイヤ最大断面巾SWの0.70〜0.95倍の範囲とすることにより、トレッド部2のほぼ全域に亘ってタガ効果を付与し、後述するタイヤ外面の特殊プロファイルを保持する。なおこのベルト層7の半径方向外側には、高速耐久性を高める目的で、例えばナイロン等の有機繊維のバンドコードを周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻回させたバンド層9を設けることができる。
ここで、前記「タイヤ最大断面巾SW」とは、タイヤ外面の基準輪郭線jにおける最大巾であり、この基準輪郭線jは、タイヤ外面に局部的に形成される例えば文字、図形、記号等を示す装飾用、情報用等の微細なリブや溝、リム外れ防止用のリムプロテクトリブ、カット傷防止用のサイドプロテクトリブなどの局部的凹凸部を除外した滑らかな輪郭線を意味する。
なお本例では、前記ビード部4には、リムプロテクトリブ11が凸設される場合が例示される。このリムプロテクトリブ11は、図2に示すように、リムフランジJFを覆うように基準輪郭線jから突出するリブ体であり、タイヤ軸方向外側に最も突出する突出面部11cと、この突出面部11cからビード外側面に滑らかに連なる半径方向内側の斜面部11iと、前記突出面部11cからタイヤ最大巾点M近傍位置で前記基準輪郭線jに滑らかに連なる半径方向外側の斜面部11oとで囲まれる断面台形状をなす。なお前記内側の斜面部11iは、リムフランジJFの円弧部よりも大きい曲率半径rで形成された凹円弧面で形成され、通常走行時においては、縁石等からリムフランジJFを保護する。またランフラット走行時には、内側の斜面部11iがリムフランジJFの円弧部に寄りかかって接触するため、タイヤの縦たわみ量を軽減でき、ランフラット性能及びランフラット耐久性の向上に役立つ。
次に、前記サイド補強ゴム層10は、最大厚さを有する中央部分10aから、タイヤ半径方向内端10i及び外端10oに向かってそれぞれ厚さを徐々に減じてのびる断面三日月状をなす。前記内端10iは、ビードエーペックスゴム8の外端よりもタイヤ半径方向内側に位置し、前記外端10oは、ベルト層7の外端7eよりもタイヤ軸方向内側に位置する。このときサイド補強ゴム層10とビードエーペックスゴム8とのタイヤ半径方向の重なり巾Wiを5〜50mm、かつサイド補強ゴム層10とベルト層7とのタイヤ軸方向の重なり巾Woを0〜50mmとするのが好ましく、これにより前記外端10o及び内端10iでの剛性段差の発生を抑える。
このサイド補強ゴム層10は、カーカス6のプライ本体部6aのタイヤ軸方向内側(タイヤ内腔側)に配されるため、サイドウォール部3の曲げ変形時には、サイド補強ゴム層10には主として圧縮荷重が、またコード材を有するカーカスプライ6Aには主として引張荷重が作用する。ゴムは圧縮荷重に強く、かつコード材は引張荷重に強いため、上記のようなサイド補強ゴム層10の配設構造は、サイドウォール部3の曲げ剛性を効率良く高め、ランフラット走行時のタイヤの縦撓みを効果的に低減しうる。なおサイド補強ゴム層10のゴム硬度は、60゜以上、さらには65°以上であるのが好ましい。前記ゴム硬度が60゜未満であると、ランフラット走行時の圧縮歪が大きくなって、ランフラット性能が不充分となる。逆にゴム硬度が高すぎても、タイヤの縦バネ定数が過度に上昇し、本発明によっても乗り心地性を改善し得なくなる。このような観点より、前記サイド補強ゴム層10のゴム硬度の上限は80゜以下、さらには75゜以下が好ましい。またサイド補強ゴム層10の最大厚さtは、タイヤサイズや、タイヤのカテゴリ等によって適宜設定されるが、乗用車用タイヤの場合5〜20mmが一般的である。
そして本発明では、前記サイド補強ゴム層10のゴムボリュームを最小限に抑え、タイヤの軽量化及び乗り心地性の向上を図りながらランフラット耐久性を向上させるために、タイヤ外面2Aを、特許第2994989号公報で提案する如き特殊プロファイルで形成している。
詳しくは、タイヤ1を正規リムに装着しかつ正規内圧を充填した正規内圧状態でのタイヤ子午断面におけるタイヤ外面2Aを以下のように定める。
先ず図4に示すように、タイヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面巾SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面2A上の点をPとし、タイヤ赤道面Cとタイヤ外面2Aとが交わる点をタイヤ赤道点CPとするとき、タイヤ外面2Aの曲率半径RCは、前記タイヤ赤道点CPから前記点Pに至るまでの間で徐々に減少するように設定される。
また前記タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90及びX100 を夫々隔てる各タイヤ外面2A上の点をP60、P75、P90及びP100 とする。またこの各タイヤ外面2A上の点P60、P75、P90及びP100 と、前記タイヤ赤道点CPとの間の半径方向の距離をY60、Y75、Y90及びY100 とする。
そして、前記正規内圧状態においてビードベースラインBLから前記タイヤ赤道点CPまでの半径方向高さであるタイヤ断面高さをSHとするとき、前記半径方向距離Y60、Y75、Y90及びY100 は、それぞれ以下の関係を満足することを特徴としている。
0.05< Y60 /SH ≦0.1
0.1< Y75 /SH ≦0.2
0.2< Y90 /SH ≦0.4

0.4< Y100 /SH ≦0.7
ここで、RY60=Y60/SH
RY75=Y75/SH
RY90=Y90/SH
RY100 =Y100 /SH
として前記関係を満足する範囲RYiを図5に例示する。図4、5のように前記関係を満足するプロファイルは、トレッドが非常に丸くなるため、接地形状において、接地巾が小かつ接地長さが大となり、騒音性能とハイドロプレーニング性能とを向上しうることが、前記特許第2994989号公報で報告されている。なお前記RY60、RY75、RY90及びRY100 の値が、各下限値を下回ると、トレッド部2を中心としてタイヤ外面2Aが平坦化するため、従来タイヤとのプロファイルの差が少なくなる。逆に各上限値を上回ると、トレッド部2を中心としてタイヤ外面2Aが著しく凸状をなすため、接地巾が過小となり、通常走行において必要な走行性能を確保することができなくなる。
なおタイヤでは、予めタイヤサイズを定めることにより、JATMA、ETRTOなどのタイヤの規格から、タイヤ偏平率、タイヤ最大断面巾、タイヤ最大高さなどを概ね定め得るため、前記RY60、RY75、RY90及びRY100 の範囲を容易に算出できる。従って、前記タイヤ外面2Aは、前記各位置におけるRY60、RY75、RY90及びRY100 の範囲を満たすように、かつ曲率半径RCが徐々に減少するように、前記タイヤ赤道点CPから前記点Pまで滑らかな曲線で描くことにより適宜定めうる。
また前記タイヤは、前記正規内圧状態のタイヤに正規荷重の80%の荷重を負荷した状態において、前記タイヤ外面2Aが接地するタイヤ軸方向最外端間のタイヤ軸方向距離である接地巾CWを、前記タイヤ最大断面巾SWの50%〜85%の範囲とするのが好ましい。これは、前記接地巾CWが、前記タイヤ最大断面巾SWの50%未満の場合、通常走行において轍でふらつきやすくなるなどワンダリング性能が低下し、かつ接地圧の不均一化により偏摩耗しやすくなる。逆に、接地巾CWが、タイヤ最大断面巾SWの85%を超える場合には、接地巾が過大となって前述の通過騒音とハイドロプレーニング性能との両立が難しくなる。
しかし本発明では、前記特殊プロファイルによる前述の作用効果以外に、該特殊プロファイが有する「サイドウォール部の領域が短い」という他の特徴に着目して達成された。即ち、前記「サイドウォール部の領域が短い」という特徴を活かし、該特殊プロファイルをランフラットタイヤに採用することにより、サイド補強ゴム層10のゴムボリュームを低減でき、タイヤ質量の増加や乗り心地性の低下を低く抑えうると同時に、サイド補強ゴム層10の発熱量や蓄熱量を減じうるためサイド補強ゴム層10の破壊を抑制でき、ランフラット耐久性の向上も可能となる。
しかし、このランフラット耐久性の向上のためには、前記カーカス6のプライ折返し部6bにおけるカーカスコードルースを抑制することが特に重要となる。これは、前記特殊プロファイルを採用したランフラットタイヤでは、ランフラット走行時のビード部の変形の度合いが大きく、前記サイド補強ゴム層10の発熱量や蓄熱量を減じたとしても、プライ折返し部6bにおけるカーカスコードルースがネックとなり、ランフラット性能の向上効果が充分に発揮されないためと推測される。
そこで本願では、プライ折返し部6bにおけるカーカスコードルースを抑制するため、このプライ折返し部6bに隣接するクリンチゴム13として、ゴム成分100質量部に対して、硫黄を2.0〜3.0質量部含有するとともに、損失正接(tan δ)を0.065以下としたゴム組成物Xを採用している。硫黄としては、ゴム工業において加硫剤として一般的に用いられるものが採用できる。
ここで、前記クリンチゴム13は、前記図2に示すように、ビード部4のタイヤ軸方向外面をなすビード外皮ゴムであり、前記プライ折返し部6bの半径方向外側に配されるとともに、少なくともビードヒール4aからリムフランジJFの半径方向外端を越える領域範囲を半径方向内外に延在している。なおビード部4の底面は、本例では、例えば耐摩耗性に優れるキャンバス等の薄いチェーファ14によって被覆されるとともに、このチェーファ14は、前記プライ折返し部6bとクリンチゴム13の間に挟まれて係止される小高さの立ち上げ部14aを有する。この立ち上げ部14aは、前記クリンチゴム13の半径方向外端よりも半径方向内方で終端し、従って、クリンチゴム13は、前記立ち上げ部14aより半径方向外側に、プライ折返し部6bと隣接する隣接面13Sを具える。
次に、クリンチゴム13における硫黄配合量を、ゴム成分100質量部に対して2.0〜3.0質量部の範囲と、従来に比して高めた理由は、タイヤ加硫成型時に、カーカス6のトッピングゴム中の硫黄の一部が、硫黄配合量の低いクリンチゴム13に流出するのを抑えるためである。これにより、トッピングゴム中の硫黄がカーカスコード表面のメッキ成分と反応して高硬度の接着層を充分に形成でき、カーカスコードとトッピングゴムとの接着強度(接着性)を向上させることができる。なお硫黄配合量が2.0質量部未満では、トッピングゴムからの硫黄流出を充分抑制しえず、接着層の形成が不充分なものとなる。逆に、硫黄配合量が3.0質量部を越えると、クリンチゴム13が硬質化し、クリンチゴム13自体の耐亀裂損傷性を損ねる。又クリンチゴム13からトッピングゴム内への硫黄流入傾向となってトッピングゴムの硬質化を招き、接着性の向上効果を減じる傾向となる。このような観点から、クリンチゴム13の硫黄配合量は、トッピングゴムの硫黄配合量より小であり、又その差を0.5質量部以下とするのがより好ましい。なおトッピングゴムの硫黄配合量は、従来と同様2.5〜5.0質量部の範囲が好適に採用しうる。
又前記カーカスコードルースを抑制するためには、前記接着性の向上と同時に、熱によるゴムの劣化を抑えることが不可欠である。そのために、クリンチゴム13の損失正接(tan δ)を0.065以下に減じている。これにより、クリンチゴム13の発熱を減じて、クリンチゴム13及びトッピングゴムの熱劣化を抑え、前記接着性の向上と相俟ってカーカスコードルースを抑制できる。なおクリンチゴムには、従来、損失正接(tan δ)が0.15程度のゴムが使用されている。
次に前記クリンチゴム13では、耐リムずれ性能を高く確保しながら、損失正接(tan δ)を前記範囲に減じることが重要であり、そのためには、
(1)ゴム成分中に、スズ変性ポリブタジエンゴムを3〜40質量%含有させたゴム組成物X1(便宜上、第1実施形態のゴム組成物X1という)を用いる;
或いは
(2)ゴム成分がスズ変性ポリブタジエンゴム以外のジエン系ゴムからなり、しかも前記ゴム成分100質量部に対して加硫促進剤を2.5〜4.5質量部、かつ酸化亜鉛を1.3〜2.9質量部含有させたゴム組成物X2(便宜上、第2実施形態のゴム組成物というX2)を用いる;
ことが好ましい。
前記第1実施形態のゴム組成物X1を詳しく説明すると、前記スズ変性ポリブタジエンゴムは、リチウム開始剤により1,3−ブタジエンの重合をおこなった後、スズ化合物を添加することにより得られ、さらにスズ変性ポリブタジエンゴム分子の末端がスズ−炭素結合で結合されていることが好ましい。このスズ変性ポリブタジエンゴムは、ゴム補強剤として添加されるカーボンブラックとゴムポリマーとの結合力をアップさせるため、ヒステリシスロスが小さくなり、ゴムの低損失正接化に特に有効となる。
前記リチウム開始剤としては、アルキルリチウム、アリールリチウム、アリルリチウム、ビニルリチウム、有機スズリチウム、有機窒素リチウム化合物などのリチウム系化合物やリチウム金属などがあげられる。リチウム系化合物を開始剤とすることで、Highビニル、lowシス含有のスズ変性ポリブタジエンゴムを作成できる。
スズ化合物としては、四塩化スズ、ブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、ジオクチルスズジクロライド、トリブチルスズクロライド、トリフェニルスズクロライド、ジフェニルジブチルスズ、トリフェニルスズエトキシド、ジフェニルジメチルスズ、ジトリルスズジクロライド、ジフェニルスズジオクタノエート、ジビニルジエチルスズ、テトラベンジルスズ、ジブチルスズジステアレート、テトラアリルスズ、p−トリブチルスズスチレンなどが上げられ、このうちの一種又は二種以上を選択して使用することができる。
前記スズ変性ポリブタジエンゴム中において、スズ原子の含有量は50ppm以上、好ましくは60ppm以上である。含有量が50ppm未満では、ゴム補強剤としてカーボンブラックを添加したとき、このカーボンブラックの分散を促進する効果が小さくなり、エネルギーのロスファクタが増えて損失正接(tan δ)の増加を招く。又、スズ原子の含有量は3000ppm以下、好ましくは2500ppm以下、さらに好ましくは250ppm以下である。含有量が3000ppmを越えると、混練り物のまとまりが悪く、ゴム押出し性や加工性が悪化する。
又、スズ変性ポリブタジエンゴムの分子量分布Mw/Mn(Mw:質量平均分子量、Mn:数平均分子量)は、2.0以下、好ましくは1.5以下であり、前記分子量分布Mw/Mnが2.0を越えると、カーボンブラックの分散性が悪くなり損失正接(tan δ)の増加を招く。
又、スズ変性ポリブタジエンゴムのビニル結合量は、5質量%以上、好ましくは7質量%以上であり、ビニル結合量が5質量%未満では、リチウム開始剤によるブタジエンの重合が困難となる。又ビニル結合量は、50質量%以下、好ましくは20質量%以下であり、ビニル結合量が50質量%を越えると、耐摩耗性が著しく悪化し、優れた耐リムずれ性が得られなくなる。
前記第1実施形態X1では、このようなスズ変性ポリブタジエンゴムを、ゴム成分中に3質量%以上、好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上含む。3質量%未満では、損失正接(tan δ)を低減させる効果が充分に得られない。またスズ変性ポリブタジエンゴムの含有量は、40質量%以下、好ましくは35質量%以下であり、40質量%を越えると、引張り強度や耐カット性を充分に確保することが難しくなる。なおスズ変性ポリブタジエンゴムとブレンドして使用する他のゴムとしては、天然ゴム(NR)、高シスイソプレンゴム(高シスIR))、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、及び高シスポリブタジエンゴム(高シスBR)などがあげられる。なかでも、低損失正接としながら必要な破断強度を確保するために、天然ゴム(NR)又は高シスイソプレンゴム(高シスIR)を30質量部以上含むことが好ましく、又耐亀裂成長性の観点からポリブタジエンゴム(BR)を10質量部以上含むことが好ましい。
次に、第2実施形態のゴム組成物X2を説明する。第2実施形態では、ゴム成分として、前記スズ変性ポリブタジエンゴム以外のジエン系ゴム、例えば天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、及び高シスポリブタジエンゴム(BR)などで形成している。そして、ゴム組成物の損失正接(tan δ)を下げるため、加硫促進剤を、ゴム成分100質量部に対して2.5〜4.5質量部と従来よりも高配合としている。加硫促進剤を高配合とすることで、硫黄結合密度が高まり損失正接(tan δ)を下げることができる。しかしその半面、耐リムずれ性が低下する傾向を招く。そのため酸化亜鉛を、逆にゴム成分100質量部に対して1.3〜2.9質量部と従来よりも低高配合として、耐リムずれ性の低下を抑えている。
前記加硫促進剤が2.5質量部未満では、損失正接(tan δ)を0.065以下に下げることが難しくなり、又4.5質量部を越えると、酸化亜鉛の減量によっても耐リムずれ性の低下を抑えることができなくなり、又割れなどの耐亀裂損傷性を損ねる。又酸化亜鉛が2.9質量部を越えると、耐リムずれ性の低下抑制が不充分となり、1.3質量部を下回ると破断伸度などの伸び特性の低下を招く。このような観点から、加硫促進剤の含有量の下限値は、2.75質量部以上が好ましく、又上限値は4.25質量部以下が好ましい。又酸化亜鉛の含有量の下限値は、1.5質量部以上が好ましく、又上限値は、2.5質量部以下、さらには2.2質量部以下、さらには2.0質量部以下が好ましい。
又第2実施形態X2では、ゴム成分として、耐リムずれ性に優れる高シスポリブタジエンゴム(BR)を50質量%以上、かつ破断強度に優れる天然ゴム(NR)又は高シスイソプレンゴム(高シスIR)を30質量%以上含むことが好ましい。このような、第2実施形態のゴム組成物X2は、第1実施形態のゴム組成物X1と同様に、耐リムずれ性能を高く確保しながら、損失正接(tan δ)を0.065以下に下げることができるため、空気入りタイヤ1のクリンチゴム13に好適に採用しうる。なおスズ変性ポリブタジエンゴムは高価であるため、それを含有しない第2実施形態のゴム組成物X2は、コスト的にも有利なものとなる。
なお前記第1、第2実施形態のゴム組成物X1、X2には、他にカーボンブラック等のゴム補強剤、アロマオイル等の軟化剤、老化防止剤、ステアリン酸、加硫遅延剤などの周知のゴム用充填剤を必要に応じてその適量を添加させることができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す構造をなすタイヤサイズ245/40R18の乗用車用タイヤを表1の仕様で試作するとともに、各試供タイヤのランフラット耐久性をテストし、その結果を表1に記載した。なお表1のタイヤに用いたタイヤプロファイルA,Bの詳細は表2に示す。又クリンチゴムのゴム組成物の詳細は表3に示す。
なお表1に記載のクリンチゴムの硫黄配合量、及びゴム硬度は、クリンチゴムと他のゴム部材との臨界面から2.0mm以上離れた部位から採取したゴムにおける測定値である。この測定値は、前記部位が、隣接する他のゴム部材からの硫黄の移行等の影響を殆ど受けないため、表3の組成のゴムのみを加硫温度170℃、加硫時間12分で加硫したときの設計値と、実質的に一致している。なおゴム硬度は、JIS−K6253に基づき、温度28℃にて測定したデュロメータA硬さである。
表中、
・NR−−RSS#3グレード
・高シスBR−−−宇部興産(株)製のBR150B、
・スズ変性BR−−−日本ゼオン(株)製のBR1250(開始剤としてリチウムを用いて重合、スズ原子の含有量250ppm、ビニル結合量10〜13質量部、分子量分布(Mw/Mn)が1.5)
・加硫促進剤−−−大内新興化学工業(株)製のノクセラ−NS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
・酸化亜鉛−−−三井金属工業(株)製の亜鉛華1号
・硫黄−−−日本乾溜工業(株)セイミサルファ
又組成X1は、請求項2に係わる第1実施形態のゴム組成物X1であり、又組成X2は、請求項3に係わる第2実施形態のゴム組成物X2を意味する。
(1)ランフラット耐久性
各供試タイヤをバルブコアを取り去ったリム(18×8.5JJ)にリム組し、デフレート状態でドラム試験機上を速度(80km/h)、縦荷重(4.14kN:正規荷重の65%の荷重)、室温(38±2℃)の条件にて、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。結果は実施例5を100とする指数により表示し、数値が大きいほどランフラット耐久性に優れている。
(2)コード接着性
温度180℃の条件下で40分間加硫し、表3に示すゴム組成物とカーカスプライとを加硫接着した貼合わせ体のサンプルを作成するとともに、このサンプルを用い、引張試験機(インストロン社製)により、カーカスコードの引抜き抗力(接着力)を測定した。結果は、実施例5を100とする指数で表示し、値が大なほど接着力に優れている。
(3)耐リムずれ性

各供試タイヤをリム(18×8.5JJ)、かつ正規内圧にてドラム試験機上を速度(20km/h)、縦荷重(14.6kN:正規荷重の230%の荷重)、室温(38±2℃)の条件にて、600時間走行させた後、リムフランジ接触部の摩耗深さを指数表示した。結果は実施例5を100とする指数により表示し、数値が大きいほど耐リムずれ性に優れている。
(4)破断伸度
表3に示すゴム組成物を温度180℃の条件下で40分間加硫してサンプルを作成し、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引っ張り特性の求め方」に準じて、破断時伸びを測定した。破断時伸びが大きいほど引張り特性に優れている。
Figure 0005134249
Figure 0005134249
Figure 0005134249
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表1の如く、クリンチゴムに、損失正接(tan δ)が0.065以下と従来よりも低発熱かつ硫黄配合量が2.0〜3.0phrと従来よりも高配合のゴム組成物を用いてた実施例のタイヤは、従来的なゴム配合とした比較例5のタイヤに比してコード接着性が高く、カーカスコードルースの抑制を効果的に抑制でき、前記特殊プロファイルを採用したランフラットタイヤにおいてそのランフラット耐久性の向上効果を有効に発揮しうるのが確認できる。
本発明のランフラットタイヤの一実施例を示す断面図である。 そのビード部を拡大して示す断面図である。 トレッド部を拡大して示す断面図である。 タイヤ外面のプロファイルを示す線図である。 タイヤ外面の各位置におけるRYiの範囲を示す線図である。 表1の比較例1、2のタイヤプロファイルを示す線図である。 従来のタイヤプロファイルの一例を示す線図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
7 ベルト層
7A、7B ベルトプライ
10 サイド補強ゴム層
13 クリンチゴム

Claims (6)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスプライからなるカーカスと、前記サイドウォール部の前記カーカスの内側に配されかつ中央部分から半径方向内外に厚さを減じてのびる断面略三日月状のサイド補強ゴムと、前記ビード部のタイヤ軸方向外面をなすクリンチゴムとを具えるランフラットタイヤであって、
    正規リムに装着されかつ正規内圧を充填した正規内圧状態におけるタイヤ子午断面において、
    タイヤ赤道面Cからタイヤ最大断面巾SWの45%の距離SPを隔てるタイヤ外面上の点をPとするとき、
    タイヤ外面の曲率半径RCが、タイヤ赤道点CPから前記点Pに至るまでの間で徐々に減少するとともに、
    前記タイヤ赤道面Cから前記タイヤ最大断面巾の半巾(SW/2)の60%、75%、90%及び100%の距離X60、X75、X90及びX100 を夫々隔てるタイヤ外面上の各点と、タイヤ赤道点CPとの間の各半径方向距離をそれぞれY60、Y75、Y90及びY100 とし、かつタイヤ断面高さをSHとするとき、
    0.05< Y60 /SH ≦0.1
    0.1< Y75 /SH ≦0.2
    0.2< Y90 /SH ≦0.4
    0.4< Y100 /SH ≦0.7
    の関係を満足し、
    しかも前記クリンチゴムは、ゴム成分100質量部に対して、硫黄を2.0〜3.0質量部含有するとともに、粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、初期伸張歪10%、動歪の振幅±2%の条件で測定した損失正接(tan δ)を0.065以下としたゴム組成物からなることを特徴とするランフラットタイヤ。
  2. 前記クリンチゴムは、リチウム開始剤により重合され、スズ原子の含有量が50〜3000ppm、ビニル結合量が5〜50質量%、及び分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下であるスズ変性ポリブタジエンゴムを、ゴム成分中に3〜40質量%含むことを特徴とする請求項1記載のランフラットタイヤ。
  3. 前記クリンチゴムは、ゴム成分がスズ変性ポリブタジエンゴム以外のジエン系ゴムからなり、しかも前記ゴム成分100質量部に対して加硫促進剤を2.5〜4.5質量部、かつ酸化亜鉛を1.3〜2.9質量部含有させたことを特徴とする請求項1記載のランフラットタイヤ。
  4. 前記ゴム成分は、高シスポリブタジエンゴムを50質量%以上、かつ天然ゴム又は高シスイソプレンゴムを30質量%以上含むことを特徴とする請求項3記載のランフラットタイヤ。
  5. 前記カーカスの半径方向外側かつトレッド部内に1以上のベルトプライからなるベルト層を具えるとともに、最も幅広のベルトプライのタイヤ軸方向のプライ巾BWは、前記タイヤ最大断面巾SWの0.70〜0.95倍であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のランフラットタイヤ。
  6. 前記正規内圧状態のタイヤに正規荷重の80%の荷重を負荷した状態において、前記タイヤ外面が接地するタイヤ軸方向最外端間のタイヤ軸方向距離である接地巾CWは、前記タイヤ最大断面巾SWの50%〜85%であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のランフラットタイヤ。
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