JP4522510B2 - ランフラットタイヤ中で用いられるインサートの加硫もどり防止剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、周囲の大気圧以外の全ての空気圧が失われた後でも使用することができるランフラットタイヤに関する。言い換えれば、このタイヤは、パンクした後のような空気が抜けた状態でも使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
空気入りランフラットゴムタイヤ、即ち空気が抜けている(周囲の大気圧以外の全ての空気圧が失われている)間でも使用できるタイヤについて、様々なタイヤ構造が提案されて来た。このようなタイヤを備えた乗物は、そのタイヤが、パンクやバルブの破損に起因する空気圧の消失などの、空気圧の消失に遭遇した後も運転を続けることができる。これは、このようなランフラットタイヤを備えた乗物をして、そのタイヤを修理若しくは交換できる場所に行くまで運転を続けることを可能にするので、非常に望ましいことである。このタイプのタイヤは、拡張移動性タイヤ[extended mobility tires(EMT)]と呼ばれることもある。
【0003】
空気入りランフラットゴムタイヤを製造する一つの方法が、“バンド付きタイヤ(Banded Tire)”という名称の米国特許第4,111,249号明細書中で説明されている。この方法は、トレッドの直下に、トレッドと大体同じ幅のフープ、即ち帯鋼もしくは環状バンドを設けるものである。フープは、タイヤ構造の残りの部分と共同して、そのタイヤの空気が抜けた状態の間、その乗物の重量を支持することができると報告されている。このバンド付きタイヤは、空気が抜けた状態でもそのプライコードが実際にぴんと張っている。
【0004】
欧州特許公開第0−475−258 A1号明細書に説明されているもう一つの方法は、タイヤのサイドウォールを、その断面厚さを厚くすることで単に強化する方法である。このようなタイヤが空気の抜けた状態で運転される場合、そのタイヤのサイドウォールは圧縮状態におかれる。この方法を採用する場合、そのサイドウォールを丈夫にするために大量のゴムが必要になるので、このようなタイヤでは熱の蓄積がタイヤを破損に導くことがあり得る。これは、そのタイヤが空気の抜けた状態で高速で長時間運転される場合、特に現実になる。
【0005】
米国特許第5,368,082号明細書には、グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー社(Goodyear Tire & Rubber Company)により導入され、初めて市場に受け入れられたランフラット空気入りラジアル・プライタイヤであるイーグル(Eagle:登録商標)GSC-EMTタイヤが開示されている。このタイヤは、1994年型自動車であるシェブロレット・コルベット(Chevrolet Corvette)にオプション装備として受け入れられた。米国特許第5,368,082号明細書には、剛さを改善するために特別のサイドウォール・インサートを使用することが教示されている。この空気の抜けたタイヤ上の800ポンド(363kg)の荷重を支持するために、タイヤ一つ当たり大体6ポンド(6.7kg)の重量の追加が必要とされた。これらのランフラットタイヤの縦横比は非常に小さかった。この初期の発明は従来の試みより優れてはいるが、それでもタイヤ1個当たりに対して重量の負担を強いるものであったが、それはスペア・タイヤとタイヤ用ジャッキを積まなくてもよいことで相殺することができた。この重量上の不利は、技術者が大型の豪華なツーリングセダン用により大きい縦横比のタイヤを造ろうとした時、さらに大きな問題になった。空気の抜けた豪華な自動車タイヤでの所要支持重量は、荷重として大体1400ポンド(610kg)である。これらの55パーセントから65パーセントの範囲またはそれ以上の縦横比を有する、高さがより高いサイドウォールの付いたタイヤは、運転時荷重が、初期の上記コルベット車用に開発された縦横比40パーセントのランフラットタイヤの数倍であったことを意味する。このような荷重は、サイドウォールおよびタイヤ全体が妥協できる乗り心地の点まで剛くならざるを得なかったことを意味する。豪華な車の所有者は、簡単には、乗り心地の質をランフラット能のために犠牲にしないであろう。
【0006】
エンジニアリングの目標は、乗り心地もしくは性能を落とすことなしにランフラットタイヤを開発することである。比較的剛いサスペンション特性を有するスポーツカーでは、このようなランフラットタイヤを装備する能力は、より柔らかい乗り心地特性が要求される豪華セダン用にこのようなタイヤを装備するのに比べて、比較的容易であった。軽トラックと実用的スポーツ車(sport utility vehicles)では、乗り心地性能にそれほど敏感ではないので、ランフラットタイヤに対する必要条件をより魅力的にする、縦横比が比較的大きいタイヤが一般に用いられる。
【0007】
ランフラットタイヤの開発において等しく重要な設計上の考慮要件は、空気の抜けたタイヤがそのリム上に乗って留まることを保証することである。その解決のために、ビード束縛デバイスの使用と、さらにまたこの必要条件を満たす特別のリムが開発された。或いは、また、イーグルGSC-EMTタイヤでは、追加のビード束縛デバイスを必要とすることなく、標準リム上でそのタイヤを機能させる新しいビード立体配置構造が用いらた。
【0008】
米国特許第5,427,166号および同第5,511,599号明細書には、そのサイドウォール中で第3プライと第3インサートを用いて、米国特許第5,368,082号明細書に開示されている基本設計以上にランフラット性能をさらに高めているタイヤが開示されている。これらの特許明細書には、改善されたランフラット性能特性を得るために、タイヤサイドウォール中に追加のプライおよびインサートを含めるという着想が明らかにされている。
【0009】
米国特許第5,685,927号明細書には、タイヤのトレッドベルト・パッケージの直下に置かれた、荷重支持用ビード・コアを使用している、より大きい縦横比を提供するランフラットタイヤが開示されている。この方法を用いて造られたランフラットタイヤは、荷重支持性と乗り心地性の点で非常に有望である。しかしこの方法は、ころがり抵抗性をより大きくし、そのタイヤが標準の空気圧での正常な条件下で用いられる期間中でも燃費を悪化させる。
【0010】
米国特許第5,535,800号明細書には、ラジアル・プライと組み合わせると、広い範囲のタイヤの用途で卓越したランフラット能を与え得る、エラストマーで被覆された複合材料リブの使用が開示されている。
【0011】
剛いインサートを用いて造られているランフラットタイヤの場合、そのインサートが空気圧の抜けた後の運転期間中にタイヤ上の荷重の大半を担っている。これは熱を発生させることになる。熱の蓄積は、次いでそのインサート中に熱分解をもたらす可能性がある。橋架け密度の低下と架橋タイプの分布の変化は、この熱分解の結果である。熱分解は従ってインサートを破壊する可能性がある。破壊は、空気消失後の運転期間中に、そのランフラットタイヤが使用できる範囲を制限することになる。
【0012】
米国特許第5,623,007号明細書には、航空機用タイヤ中の硫黄硬化カーカスゴムコンパウンドの加硫もどり抵抗性が、加硫もどり防止剤として一種または二種以上の脂肪族カルボン酸の亜鉛塩と一種または二種以上の単環式芳香族酸との混合物1.5‐6phrと、ビス‐シトラコンイミド化合物0.8‐2phrを混和することにより著しく改善され得ることが開示されている。どちらかの加硫もどり防止剤単独の場合より、この二種の加硫もどり防止剤を組み合わせると、非常に大きい加硫もどり抵抗性が得られることが報告されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の主たる目的は、ランフラットタイヤ用のインサートに用いられる硫黄硬化ゴム用の優れた加硫もどり防止剤を提供し、サービス寿命(荷重下でおよび/または内部空気圧なしで走行する場合の寿命)の長いランフラットタイヤを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
発明の概要
本発明は、ランフラットタイヤのインサートにおける熱分解が、インサート中に1,3‐ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンのようなビス‐シトラコンイミド化合物を加硫もどり防止剤として含めることにより防止することができるという発見に基づく。これは、このランフラットタイヤが空気の抜けた状態で運転される間のサービス寿命が延びることを可能にする。
【0015】
このインサートは、一般に、外側の円周方向周囲を取り巻いているトレッドの下から、サイドウォールが延在しているビードに向かって、ラジアル方向でかつ内部に延在している。普通、このインサートは、硬化ポリジエンゴムと、言うまでもなく、加硫もどり防止剤としてのビス‐シトラコンイミド化合物を含んでなるのが望ましい。硬化ポリジエンゴムは、勿論、二種または三種以上のゴム状重合体のブレンドであってもよい。例えば、この硬化ポリジエンゴムは、天然ゴムと高シス‐1,4‐ポリブタジエンゴムとのブレンドであることができる。
【0016】
本発明は、さらに具体的に述べると、外側の円周方向周囲を取り囲むトレッドを有する概ねトロイド形状のカーカス、二つの離間したビード、ビードからビードまで延在している少なくとも一つのプライ、およびそのトレッドからビードまでラジアル方向に延在し、そしてそのトレッドを上記ビードに連結しているサイドウォールを含んでなるランフラットタイヤにして、上記トレッドは接地するようにされており、上記サイドウォールは上記プライからラジアル方向でかつ内部に少なくとも一つのインサートを含み、そしてそのインサートは(1)硬化ポリジエンゴム、(2)充填材および(3)ビス‐シトラコンイミド化合物を含んでなる、上記のランフラットタイヤを開示するものである。
【0017】
本発明は、さらに、トレッド、二つの非伸張性環状ビード、少なくとも一つのラジアルプライを有するラジアルプライ構造物を含んでなるカーカス、トレッドとそのラジアルプライ構造物との間に位置するベルト構造物、および一つまたは二つ以上のインサートで強化されている二つのサイドウォールを有しているラジアルプライ・ランフラット空気入りゴムタイヤにして、それらインサートは(1)硬化ポリジエンゴム、(2)充填材および(3)ビス‐シトラコンイミド化合物を含んでなり;そしてタイヤは(a)トレッドリブが測方に配置されているトレッド;(b)ランフラット運転中は駆動表面と接触するようにされており、そして正常空気圧での運転中は駆動表面と接触しないようにされている、各サイドウォールのラジアル方向でかつ最外領域の近くに配置されているサイドウォールリブ;(c)そのサイドウォールリブと隣接トレッドリブとの間で、かつ円周方向周囲に配置されている第1デカップリング・グルーブ(decoupling groove:減結合溝);および(d)そのトレッドリブとそのトレッドの隣接中心領域との間でかつ円周方向周囲に配置されている第2デカップリング・グルーブを有することを特徴とする、上記のラジアルプライ・ランフラット空気入りゴムタイヤを開示するものである。
【0018】
本発明は、また、トロイド形状のカーカス、接地用に設計されている外側の円周方向周囲を取り囲むトレッドを含んでなるランフラット空気入りタイヤにして、そのカーカスが二つの離間した非伸張性ビード部分、二つの離間した、各々が個々に上記トレッドから上記ビード部分までラジアル方向でかつ内側に延在し、そしてそのトレッドを上記ビード部分に連結しているサイドウォール、およびビードからビードまでサイドウォールを通して延在している少なくとも一つのコード強化プライを含んでなり;実質的に三日月形状であるゴムインサートが、タイヤの上記サイドウォールの各々の中の上記カーカスの少なくとも一つの内部でかつ軸方向に並置されており;そしてそのインサートのゴム組成物は(1)硬化ポリジエンゴム、(2)充填材および(3)ビス‐シトラコンイミド化合物を含んでなる、上記のランフラット空気入りゴムタイヤも開示するものである。
用語の定義
“軸方向の”および“軸方向に”という用語が用いられる場合、それはタイヤの回転軸に平行な方向を意味する。
【0019】
“ビード部分”とは、一般に、エラストマー組成物(一つまたは複数)により取り囲まれている、多数の環状ワイヤのような、環状、非伸張性の抗張部材を含んでなるタイヤのその部分を意味し、そしてそれは、プライコードで包まれ、賦形されたリムに、フリッパー(flippers)、チッパー(chippers)、アペックス(apexes)或いはフィラー(fillers)、トウ・ガード(tou guards)およびチエ−ファー(chaffers)などの他の強化用構成要素を有し、または有しないそのタイヤを保持することに携わっている。ビード・コアは、通常、そのビード部分のワイヤ・ビードを意味するが、時にはビード部分自身を意味することもある。
【0020】
“ベルト構造物”もしくは“強化用ベルト”という用語が用いられる場合、それは少なくとも二つの環状の層もしくは平行なコードのプライを意味し、織られている場合も、織られていない場合もあり、トレッドの下層にあり、ビードに締結されておらず、そのタイヤの赤道面に対して約17から約27度の範囲に左および右の両コード角を有する。
【0021】
“円周方向周囲を取り囲む(circumferential)”は、例えばカーカスの上でかつ円周方向の周囲を取り囲むトレッドというように、タイヤカーカスの表面の外周辺に沿って(の回りに)延在する方向に関係する説明で用いられることがある。
【0022】
“カーカス”は、トレッドは含まないが、支持用プライ、サイドウォールおよびビードあるいはビード部分を含めたタイヤ構造物を意味する。
“チェ−ファー(chafers)”という用語が用いられる場合、それは、コード・プライをリムから保護するために、そしてそのリムの上での屈曲を分散させるために、ビードの外側の回りに置かれた幅の狭いストリップ材のことである。
【0023】
“コード”とは、タイヤ中のプライを構成している強化用ストランドの一つを意味する。
“インナーライナー”という用語が用いられる場合、それは、チューブレス・タイヤの内表面を形成し、そしてタイヤ内に膨張用流体を含んでいる、エラストマーもしくは他の材料の一層或いは複数の層を意味する。
【0024】
“プライ”とは、ゴムで被覆された平行なコードの層を意味する。
“ラジアル(radial)”および“ラジアリー(radially)”は、普通、タイヤの回転軸に向かう、もしくはその回転軸から離れる放射方向を意味する。
【0025】
“ラジアルプライタイヤ”という用語が用いられる場合、それは、ビードからビードまで延在する少なくとも一つのプライがタイヤの赤道面に対して65゜と90゜の間のコード角度で置かれている、ベルトで締め付けられた、もしくは円周方向周囲を取り囲んで束縛されている空気入りゴムタイヤを意味する。
【0026】
“ショルダー”という用語が用いられる場合、それは、トレッド縁部のすぐ下、サイドウォールの上部を意味する。
“サイドウォール”とは、トレッドとビードの間の、タイヤのその部分を意味する。
【0027】
発明の詳しい説明
本発明のタイヤインサートは、少なくとも一種の硬化ゴム状重合体と、加硫もどり防止剤としてのビス‐シトラコンイミド化合物を含んでなる。このタイヤインサートは、一般に、カーボンブラックもしくはシリカのような少なくとも一種の充填材も含んでいる。ビス‐シトラコンイミド化合物は、典型的には、約0.1phrから約10phrの範囲内の量で存在する。普通、ビス‐シトラコンイミド化合物は約0.5phrから約5phrの範囲内の量で存在するのが望ましい。ビス‐シトラコンイミド化合物は約1phrから約3phrの範囲内の量で存在するのが最も望ましい。
【0028】
ゴム状重合体は、典型的には、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、イソプレン‐ブタジエンゴム、スチレン‐ブタジエンゴム、スチレン‐イソプレン‐ブタジエンゴムもしくはスチレン‐イソプレンゴムのような一種または二種以上のポリジエンゴム類である。場合によっては、天然ゴムと高シス‐1,4‐ポリブタジエンゴムとのブレンドを使用するのが望ましい。このようなブレンドは、典型的には、60phrから90phrの天然ゴムと10phrから40phrの高シス‐1,4‐ポリブタジエンを含んでいる。このタイプのブレンドは、75phrから85phrの天然ゴムと15phrから25phrの高シス‐1,4‐ポリブタジエンゴムを含んでいるのが好ましい。
【0029】
使用できるビス‐シトラコンイミド化合物は、典型的には、構造式:A-T-(R)nを有する。但し、式中のnは1から3の整数であり、Tは少なくとも一個の炭素原子を含む二価、三価もしくは四価の基であり、そしてAおよびRは同一でも異なっていてもよく、そして次の二つより成る群から選ばれる構造式を有している:
【0030】
【化1】
Figure 0004522510
【0031】
但し、式中のZ1、Z2およびZ3は同一でも異なっていてもよく、そして水素原子、1から約18個の炭素原子を含むアルキル基、3から約18個の炭素原子を含むシクロアルキル基、6から約18個の炭素原子を含むアリール基および7から約30個の炭素原子を含むアルカリール基より成る群から選ばれ;そしてD1およびD2は同一でも異なっていてもよく、そして酸素原子と硫黄原子より成る群から選ばれる。ここで、Z1が水素原子である場合、Z2およびZ3は結合して環を形成していてもよいことに留意されたい。
【0032】
構造式:A-T-(R)nのビス‐シトラコンイミド化合物において、nは2であるのが好ましく、この場合Tはアルキレン基、アリーレン基もしくはアラルキレン基のような炭素原子と水素原子だけを含む二価の炭化水素基である。Tは、一般的には、約4個から約12個の炭素原子を含むのが好ましく、1,3‐フェニレン基であるのが非常に好ましい。AとRは同一であるのが好ましく、そしてAとRは次の構造式であるのが好ましい:
【0033】
【化2】
Figure 0004522510
【0034】
但し、上記の式中においてD1とD2は酸素原子を表す。Z1、Z2およびZ3は、典型的には、水素原子もしくは1個から約4個の炭素原子を含むアルキル基を表す。Z1、Z2およびZ3は、水素原子もしくはメチル基であるのが非常に好ましい。
【0035】
本発明の実施においては、ビス‐シトラコンイミド化合物として1,3‐ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンを使用するのが非常に好ましい。これはフレクシス社(Flexsys)から、パーカリンク(Perkalink:登録商標)900という商標名で販売されており、融点が87℃で、次の構造式を有する:
【0036】
【化3】
Figure 0004522510
【0037】
本発明の1つの好ましい態様では、インサートは、(1)スズ、鉛、ゲルマニウムまたはケイ素で連結されている硬化ポリジエンゴム、(2)充填材、(3)脂肪酸および(4)ビス‐シトラコンイミド化合物を含んでなる。このようなタイヤインサート組成物は、普通、約20phr(ゴム100部当たりの重量部数)から約130phrの充填材、0.1phrから約5phrの脂肪酸および0.1phrから10phrのビス‐シトラコンイミド化合物を含んでいる。このようなタイヤインサート・コンパウンドは、典型的には、約30phrから約110phrの充填材、約0.4phrから約3phrの脂肪酸および0.5phrから4phrのビス‐シトラコンイミド化合物を含んでいるのが一般的には好ましい。このタイヤインサートは、70phrから90phrの充填材、0.5phrから1.5phrの脂肪酸および1から3phrのビス‐シトラコンイミド化合物を含んでいるのが一般により好ましい。
【0038】
充填材は、普通、カーボンブラック、シリカもしくはカーボンブラックとシリカとの組み合わせである。脂肪酸は、事実上、この連結ゴムに溶けるものであればいかなる脂肪酸でもよい。ほとんどの場合、経済的理由から脂肪酸の混合物を使用することが推奨される。脂肪酸の推奨される混合物は、40パーセントから50パーセントのオレイン酸、30パーセントから40パーセントのリノール酸、2パーセントから6パーセントのステアリン酸、2パーセントから6パーセントのロジン酸および10パーセントから20パーセントの他の脂肪酸を含んでいる。このような脂肪酸は、普通、式:RCOOHの酸で、式中Rは、約16から約20個の炭素原子を含むアルキル基もしくは不飽和炭化水素である。インサートは、連結ポリジエンゴムに加えて、天然ゴムをさらに含んいることもできる。ある場合には、ブレンド中のゴムの総量を基に約10phrから約70phrの天然ゴムを含んでいるそのようなブレンドを利用するのが有利である。
【0039】
上記連結ポリジエンゴムはアニオン重合により製造することができ、この場合重合は四塩化スズのような第IVa族の金属系連結剤の添加によって停止される。このアニオン重合は、単量体の実質的に完全な重合を可能にするのに十分な長さの時間行われる。言い換えれば、この重合は、普通、高転化率が達成されるまで行われる。次いで、その連結剤が、そのリビングゴム状重合体を連結するために加えられが、それは勿論その重合を停止させる。
【0040】
この連結剤は、標準的には、ハロゲン化スズ、ハロゲン化鉛、ハロゲン化ゲルマニウムもしくはハロゲン化ケイ素のような第IVa族の金属のハロゲン化物である。連結剤中のハロゲンは、典型的には、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素である。ほとんどの場合、ハロゲンはフッ素、塩素および臭素より成る群から選ばれるが、塩素が好ましい。普通、四塩化スズ、四臭化スズ、四フッ化スズおよび四ヨウ化スズのようなスズ連結剤が推奨される。連結剤は、普通、四ハロゲン化物である。しかし三ハロゲン化物もしくは二ハロゲン化物も用いることができる。二ハロゲン化スズが用いられる場合、分岐重合体ではなく線状重合体が得られる。より高水準の枝分かれを誘起させるには、四塩化スズが普通推奨される。
【0041】
大まかに且つ例示的言えば、ゴム用単量体の100グラム当たり、約0.01から4.5ミリ当量の連結剤が用いられる。通常、希望のムーニー粘度を得るには、単量体100グラム当たり約0.01から約1.5ミリ当量の連結剤を使用するのが好ましい。量がより多いと、末端に反応性の基を含む重合体が生成するか、または不十分なカップリング、即ち連結が不十分になる傾向がある。リチウム1当量当たり1当量のスズ連結剤が最高の枝分かれを達成する最適量であると考えられる。例えば、連結剤として四ハロゲン化スズを用いる場合、4モルのリビング・リチウム末端当たり1モルの四ハロゲン化スズが用いられるであろう。連結剤として三ハロゲン化スズが用いられる場合には、1モルの三ハロゲン化スズがリビング・リチウム末端の各3モルのために用いられるのが最適である。このスズ連結剤は、炭化水素溶液、例えばシクロヘキサン中で、分散と反応のために適切に混合しながら、リビング・ゴム状重合体を含むポリマー・セメントに添加することができる。
【0042】
本発明のタイヤインサート組成物中では、場合によっては、用いることができる連結ゴム状重合体は対称的または非対称的に連結されていることができる。スズで非対称的に連結されたゴム状重合体を合成する技術は、1998年1月19日出願の米国特許出願第09/008,716号明細書に開示されている。この米国特許出願の教示全体をここに引用、参照することによって、それが本明細書に含まれるものとする。この方法では、改善された安定性を有する非対称スズ‐連結ゴム状重合体は、(1)第1反応器中で、少なくとも一種のジエン単量体を、アニオン系開始剤を用いて、少なくとも約90パーセントの転化率まで連続的に重合してリビングポリジエンゴム分子鎖を含むポリマー・セメントを製造する工程;(2)第1反応器で製造されたポリマー・セメントを第2の反応器に連続的に供給する工程;(3)第2の反応器中のポリマー・セメントに撹拌条件下でハロゲン化スズを添加して、そのハロゲン化スズが均一に分散されているポリマー・セメントを製造する工程(ここで、第2反応器中の滞留時間は約15分から約4時間の範囲内である);(4)ハロゲン化スズが均一に分散されている上記ポリマー・セメントを、滞留時間が約15分から約1時間とされる栓流反応器中に連続的に供給して、非対称スズ‐連結ゴム状重合体のポリマー・セメントを製造する工程;および(5)上記非対称スズ‐連結ゴム状重合体のポリマー・セメントを上記栓流反応器から連続的に取り出す工程を含んでなる方法により製造される。
【0043】
非対称的にスズで連結され得るゴム状重合体の数種の代表例に、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン‐ブタジエンゴム(SBR)、α‐メチルスチレン‐ブタジエンゴム、α‐メチルスチレン‐イソプレンゴム、スチレン‐イソプレン‐ブタジエンゴム(SIBR)、スチレン‐イソプレンゴム(SIR)、イソプレン‐ブタジエンゴム(IBR)、α‐メチルスチレン‐イソプレン‐ブタジエンゴムおよびα‐メチルスチレン‐スチレン‐イソプレン‐ブタジエンゴムがある。
【0044】
本発明のインサートを含むタイヤは、トロイド形状のカーカスと、地面と接触するように設計された外側の円周方向周囲を取り囲むトレッドを含み、ここでそのカーカスは、二つの離間した非伸張性ビード部分、各々が個々にトレッドからビード部分までラジアル方向、内側に延在し、そのトレッドをそれらビード部分に連結している二つの離間したサイドウォール、およびビードからビードまでサイドウォールを通して延在している少なくとも一つのコード強化プライを含んでなり;このタイヤの改善点は、実質的に三日月形のゴムインサートが、タイヤのサイドウォールの各々の中のカーカスプライの少なくとも一つに並列して、そして軸方向、内側に存在していることである。
【0045】
インサートは、トレッドとカーカスのタイヤ・アセンブリーと共に、全体として硫黄で同時硬化されることを理解すべきである。インサート(一つまたは複数)は、タイヤのサイドウォール領域中のビード部分とトレッドとの大体中程のところで厚さが最大になっているのが好ましい。
【0046】
本発明の実施において、タイヤのサイドウォール部分中の、このゴム組成物をベースとするフィラーの重要な機能は、そのタイヤが空気圧のない状態で運転される時に、そのサイドウォール構造物を剛くし/支持することである。
【0047】
このゴム組成物をベースとするインサートは実質的に三日月形断面形状を有し、タイヤのランフラット耐久性を促進する一方で、空気が入っている時の乗り心地性能を高めるように選ばれた材料特性を有する事実上の弾性体である。希望により、これらインサートは個々にコードもしくは短い繊維で強化されていてもよい。かくして、一つまたはそれ以上のこのようなインサートがそのように強化されていることができる。
【0048】
これらフィラーの形状は実質的に三日月形であるものとして説明されている。これは先端が切り取られた三日月形も含むものであって、特にその三日月形フィラーの切頭部分はタイヤのビード部分に並置されている。
【0049】
本発明のさらなる態様では、タイヤカーカスは、軸方向、内側の第1プライおよび、場合によっては、それぞれ、第2プライおよび第3プライとしての一つまたは二つの追加のプライを含む、一つから三つのプライを有していることができ;追加の各プライは、タイヤのサイドウォール領域中で、第1プライから軸方向、外側に向かって次々と配置されている。
【0050】
従って、本発明によれば、タイヤは、そのカーカス中に一つのプライを含み、この場合インサートは、タイヤのサイドウォール領域中で、そのプライに対してその軸方向、内側に並置されている。
【0051】
本発明によれば、さらに、タイヤは、そのカーカス中に、軸方向、内側の第1プライとこの第1プライの軸方向、外側に第2プライを含んでおり;この場合インサートは、タイヤのサイドウォール領域中で、第1プライに対して軸方向、内側に並置されている。
【0052】
本発明によれば、さらに、タイヤは、そのカーカス中に、軸方向、内側の第1プライと軸方向、外側の第2プライを含んでおり;この場合インサートは、タイヤのサイドウォール領域中で、第1および第2プライに対して並置され、かつ両プライ間に挟まれている。
【0053】
本発明によれば、さらに、タイヤは、そのカーカス中に、軸方向、内側の第1プライと軸方向、外側の第2プライを含んでおり:この場合インサートの一つは、タイヤのサイドウォール領域中で、第1および第2プライに対して並置され、かつ両プライ間に挟まれ、そしてインサートのもう一つが、タイヤのサイドウォール領域中で、第1プライに対して軸方向、内側に並置されている。
【0054】
本発明によれば、さらに、タイヤは、そのカーカス中に、軸方向、内側の第1プライ、その第1プライから軸方向、外側の第2プライおよびその第2プライから軸方向、外側の第3プライを含んでおり;この場合インサートは、タイヤのサイドウォール領域中で、第1プライに対して軸方向、内側に並置されている。
【0055】
本発明によれば、さらに、タイヤは、そのカーカス中に、軸方向、内側の第1プライ、その第1プライから軸方向、外側の第2プライおよびその第2プライから軸方向、外側の第3プライを含んでおり;この場合インサートは、タイヤのサイドウォール領域中で、(a)第1プライおよび第2プライおよび/または(b)第2プライおよび第3プライに対して並置され、かつ(a)および/または(b)各々の両プライ間に挟まれている。
【0056】
本発明によれば、さらに、タイヤは、そのカーカス中に、軸方向、内側の第1プライ、その第1プライから軸方向、外側の第2プライおよびその第2プライから軸方向、外側の第3プライを含んでおり;この場合インサートは、タイヤのサイドウォール領域中で、(a)第1プライおよび第2プライおよび/または(b)第2プライおよび第3プライに対して並置され、かつ(a)および/または(b)各々の両プライ間に挟まれており、そして、また、一つのインサートがそれらプライの最も内側のプライに対してその軸方向、内側に並置されいる。
【0057】
一つの態様では、この最内層の一つもしくは複数のプライはポリエステル、ナイロン、レーヨンもしくはアラミド、好ましくはナイロンの合成繊維材料コード強化材もしくは他の再生繊維コード強化材を有し、一方最外層のプライはアラミド、炭素繊維、ガラス繊維もしくは金属コード強化材、好ましくは真鍮および/または亜鉛被覆スチール・コードを含んでいるのが好ましい。
【0058】
かくして、1つの好ましい態様では、第1プライはナイロンやアラミド繊維の強化用コードを有し、そして第2および追加のプライはスチール・コードである。
【0059】
“プライ”という用語は、一つのビード・コアから反対側のビード・コアまで完全には延在していないコード強化インサートを包含するものとする。但し、少なくとも一つのプライ、好ましくはラジアル・プライはビード・コアから反対側のビード・コアまで延在していなければならないものとする。第2のプライは、ベルト構造物の一つまたはそれ以上の強化用ベルトの下を、一つのビード・コアから真横に延在していることができる。
【0060】
一つの態様では、最外層のプライは高モジュラスのコード(即ち、スチール・コード)を、そして最内層の一つもしくは複数のプライは低モジュラスのコード(即ち、ナイロンまたはレーヨン)を有しているのが好ましい。
【0061】
少なくとも一つのプライ、好ましくは最外層のプライはビード・コアからビード・コードまで延在し、そしてそのビード・コアの回りを取り巻いている。或いは、また、二つまたは三つ以上のプライが用いられる場合、追加プライの少なくとも一つはビード・コアからビード・コードまで延在しているが、そのプライは、実際には、そのビード・コアの回りを取り巻いていない。
【0062】
図面を参照して説明すると、図1、2および3は、タイヤ1、そのトレッド2、ビード部分3、サイドウォールもしくはサイドウォール領域4、非伸張性ワイヤ・ビードコア5、ゴムチェーファー6、ゴムトウガード7、ゴム組成物よりなるインナライナー8、トレッド2の一部分の下に位置するベルト構造物9、カーカス・プライ10、カーカス・プライの折返し11、インサート12およびアペックス13の分割断面が示されている。
【0063】
カーカス・プライで使用するためのコードは、一本のフィラメント(モノフィラメント)から構成されていてもよいし、加撚されたマルチフィラメントから構成されていてもよい。コード中の総フィラメント数は1から13本の範囲であることができる。このカーカスプライのコード、特に金属コードは、一般に、本発明によるタイヤが、普通ラジアルと呼ばれているタイヤとなるように配向されている。
【0064】
カーカス・プライのスチール・コードは、そのタイヤの赤道面(EP)と75゜から105゜の範囲の角度で交差する。スチール・コードは82゜から98゜の範囲の角度で交差するのが好ましい。より好ましい範囲は89゜から91゜である。
【0065】
第1および第2強化用プライ構造物はそれぞれ単一のプライ層から成ることができるが、任意の数のカーカス・プライを用いることもできる。図にさらに例示されているように、第1プライ構造物はカーカスのビード部分3の各ビードコア5の回りをそれぞれ取り巻く一対の折返し端を有している。第2プライ10の端11は、ビードコア5に近接しており、そしてそのビードコア5の上方で、ビードコア5のどちらかの側面にラジアル方向に隣接して終わっているか、もしくはそのビード・コア5の回りを取り巻いていてもよく、そして図示される第1プライ10の折返し端11のラジアル方向、下方で終わっている。第1プライ10の折返し端11は、第2プライの端およびビード・コア5の回りを取り巻いている。第1プライの折返し端11は、タイヤの最大断面幅のラジアル方向位置のすぐ近くに、このタイヤ1の公称リム直径以上のラジアル方向距離で終わっている。好ましい1つの態様では、この折返し端は、最大断面幅のラジアル方向の場所から、タイヤ断面の高さの20パーセント以内に所在し、最大断面幅のラジアル方向の場所で終わっているのが最も好ましい。
【0066】
ビード・コア5は、連続的に取り巻かれた単一の、即ちモノフィラメント・スチールワイヤで構成されているのが好ましい。ビード領域3と、サイドウォール部分4のラジアル方向、内側の部分の内部に、カーカス強化構造物10とその折返し端11との間に、高モジュラス弾性体のアペックス・インサートがそれぞれは位置し、所在する。弾性体アペックス・インサート13は、それぞれ、ビード部分のラジアル方向、外側の部分から、サイドウォール部分内まで断面幅が徐々に小さくなりつつ延在している。この弾性体アペックス・インサート13はラジアル方向、外側の端で終わっている。
【0067】
インサート12は、各ビード領域からトレッドの端までラジアル方向に、普通は強化用ベルト構造物9の真下まで延在していることができる。図に例示されているように、サイドウォール部分は、それぞれ、第1インサート12と第2インサート12を含んでいることができ、また第3インサート12をも含んでいることができる。第1インサート12は上記のような位置を占めている。第2インサート12は、第1と第2プライ10の間にそれぞれ位置する(挟まれている)。第2インサート12は各ビードの領域(もしくは部分)3からラジアル方向、外側にトレッド2の端まで、即ち強化用ベルト構造物9の真下まで延在している。
【0068】
一つの態様で、第1インサート12は、それぞれ、タイヤの最大断面幅に対して大体ラジアル方向に整列された位置で、その最大厚さが、最大断面高さ“SH”の少なくとも3%の厚さを有している。
【0069】
第2インサートおよび第3インサートを用いる場合、それらは、タイヤの最大断面幅のラジアル方向、上方の位置で、その最大厚さが、タイヤの最大断面高さの少なくとも1.5%の厚さを有している。1つの好ましい態様では、エラストマーの第2インサートおよび第3インサートを用いる場合、それらはそれぞれ断面高さSHの約75パーセントのラジアル方向位置で、タイヤの最大断面高さSHの大体1.5%の厚さを有している。例えば、P275/40ZR17‐サイズの高性能タイヤでは、そのタイヤの第2インサートのこの厚さは0.08インチ(2mm)である。このタイヤの最大断面幅のその位置と大体ラジアル方向に整列された位置において、第2インサートの厚さは0.05インチ(1.3mm)である。
【0070】
ビード部分から先の、最大断面幅(SW)のラジアル方向位置に至るまでのエラストマー性インサートの組み合わせの総断面厚さは、一定の厚さであるのが好ましい。サイドウォールとカーカスの総厚さは、最大断面幅の場所で少なくとも0.45インチ(11.5mm)で、トレッド横方向両端縁の近くのショルダーに潜る領域での総厚さまで増加する。タイヤのショルダー領域におけるサイドウォールの総厚さは、最大断面幅(SW)のところでのサイドウォールの総厚さの少なくとも100%であるのが好ましい。この比率は、サイドウォールを従来タイプのランフラットタイヤより実質的に薄く作り得ることを意味する。
【0071】
前に考察したように、本発明のタイヤは、(ビード・コア5の回りを取り巻いた)折返し端11を有する少なくとも一つのプライを持っており、一方もう一つのプライは、ビード・コア5の回りを実際には取り巻くことなく、単にビード・コア5に隣接して終わっていてもよい。
【0072】
第1インサート12はエラストマー材料から作られているのが好ましい。第1インサート12は、空気圧がない状態で運転する時にタイヤのサイドウォールが潰れるのを防ぐように設計されている。インサート12の硬さは、比較的軟らかい約50のショアAから、非常に硬い約85のショアAまでの広い範囲であることができ、その材料の形状および断面形状は、従って、乗り心地性能およびサイドウォールのスプリング率(spring rate)を確実に許容できるものにするように、変えられる。このインサートの断面積は、インサート中でより剛い材料を使用することにより、性能を犠牲にすることなしに減らすことができる。かくして、インサート中で剛い材料を用いることにより、重量を減らすことができる。
【0073】
第2インサート12および第3インサート12を用いる場合、その材料の物理的性質は、第1インサートと同じであってもよいし、あるいは異なっていてもよい。これには、硬い第2インサート12および/または第3インサート12(使用される場合)とそれらより軟らかい第1インサート12との組み合わせが、さらにまた硬い第1インサート12とそれより軟らかい第2インサートおよび/または第3インサート12との組み合わせが考えられることを意味する。第2インサートのこれらエラストマー材料の硬度は、同様に、50から85ショアAの範囲であることができる。
【0074】
図に示されているように、第2インサート12および第3インサート12が用いられる場合、それらはエラストマー材料で作られる。これらインサート12は、三つ以上のプライがカーカス構造物中で用いられる場合、隣接するプライ間に挟まれた複数のインサート中で用いることができる。
【0075】
複数の第2インサート12と複数の第3インサート12が用いられる時、それらは、隣接プライ間でスペーサとして作用する。これらのプライ、特にラジアル方向、外側のプライのコードには、タイヤが空気の抜けた状態で運転される時に、張力が掛かる。
【0076】
実際には、本発明で上記の空気入りゴムタイヤを組み立てるために用いられるインサート12用のゴム組成物は、本発明におけるそれらの有用性を高める物理的性質、総括的に言えば、特に、似ていない若しくは似ている大きい剛さと、しかも本質的に低いヒステリシス特性の組み合わせ有するプライ10とインサート12との組み合わせのような、空気入りゴムタイヤのサイドウォールで普通に用いられるゴム組成物の性質から逸脱していると考えられる物理的性質で特徴付けられるのが好ましい。
【0077】
特に、本発明の目的には、上記のインサート12は高度の剛性を有し、しかもそのような大きい剛性にしては比較的小さいヒステリシスを有するように設計されている。このことは、強化用コードのモジュラスにおける変化の利点を十分に評価することを可能にする。
【0078】
インサート12用のゴム組成物が剛いことは、タイヤ・サイドウォール4の剛さと寸法安定性のために望ましいことである。一つまたは二つ以上のプライのためのプライコート用ゴム組成物が同様に剛いことも、そのプライが両サイドウォールを通り、そしてタイヤのクラウン部分を横断して延在しているから、そのサイドウォールを含めてタイヤ・カーカス全体としての寸法安定性のために望ましいことである。
【0079】
しかし、空気入りゴムタイヤ中の、高度の剛性を有するゴムは、特にそのゴムの剛性が、カーボンブラックの含有量を単純に増やすというむしろ普通の方法によって達成されている場合には、普通、サービス条件(荷重下および/または内部空気圧なしで走行している乗物でのタイヤとして作動している条件)中に過剰の内部熱を発生することが予想されることを理解すべきである。ゴム組成物中でのこのような内部熱の発生は、典型的には、剛いゴムとそれに関連したタイヤ構造物の温度を上昇させるもので、これは、タイヤ1の使用寿命に潜在的に有害である。
【0080】
ゴム組成物のヒステリシスは、サービス条件下での内部熱発生傾向の尺度である。相対的に言えば、ヒステリシス性の小さいゴムは、サービス条件下で、ヒステリシスが実質的により大きいが他は同等であるゴム組成物より、内部熱の発生が少ない。かくして、一つの態様では、フィラーおよび一つまたは二つ以上のプライ10用のプライコート(一つまたは複数)のためのゴム組成物には、比較的低いヒステリシスが望まれる。
【0081】
ヒステリシスという用語は、加えた仕事量によってある材料(例えば、硬化ゴム組成物)中で消費される熱エネルギーを表す用語で、ゴム組成物のヒステリシスが低いことは、比較的大きい反発性と比較的小さい誘電正接(タンデルタ)の値により示される。
【0082】
従って、一つまたは二つ以上のインサート12用のゴム組成物、および一つまたは二つ以上のプライ10用のポライコートは、比較的大きい剛さと小さいヒステリシスの両方の性質を持っていることが重要である。
【0083】
この技術分野の習熟者であれば容易に理解されるように、空気入りゴムタイヤの、フィラーを含めて諸成分のためのゴム組成物は、ゴム混練技術分野で一般に知られている方法、例えば各種の硫黄硬化性成分ゴムを、例えば硫黄、活性化剤、遅延剤および促進剤のような硬化助剤、ゴム用プロセスオイル、粘着性付与樹脂を含めて樹脂類、シリカおよび可塑剤のような加工用添加剤、充填材、顔料、またはタル油樹脂、酸化亜鉛、ワックス、酸化防止剤、オゾン亀裂防止剤、素練り促進剤、および例えばカーボンブラックなどの強化用材料のような他の材料等の、普通に用いられている各種の添加材料と混合する方法によって混練することができる。この技術分野の習熟者には知られているように、この硫黄硬化性の、および硫黄硬化した材料(ゴム)の意図される用途に応じて、上記の一定の添加物を選び、普通、常用の量で使用する。
【0084】
カーボンブラックの典型的添加量はジエンゴムに対して約20から約100重量部(phr)であるが、本発明で用いられる前記のフィラーおよびプライコート(一層または複数層)に望まれる剛さの大きいゴムでは、約30phrから最大約110phrのカーボンブラックが望ましい。ほとんどの場合、本発明のインサート・コンパウンド中では、約70から約90phrの充填材を使用するのが好ましい。粘着性付与樹脂および剛性樹脂(stiffness resins)を含めて樹脂類(これには、例えば非反応性のフェノール・ホルムアルデヒド系粘着性付与樹脂、また反応性のフェノール・ホルムアルデヒド樹脂とレゾルシノール、またはレゾルシノールとヘキサメチレンテトラミン系のスチフナー樹脂(stiffener resins)がある)を使用する場合、これら樹脂の典型的量は併せて約1から10phrであり、粘着性付与樹脂を使用する場合は最低1phrであり、そしてスチフナー樹脂を使用する場合は最低3phrである。この樹脂はフェノール・ホルムアルデヒド系樹脂と呼ばれるときもある。加工助剤の典型的量は約4から約10.0phrである。シリカを使用する場合、その典型量は約5から約50phrであるが、5から約15phrであるのが望ましく、そしてシリカ・カップリング剤を使用する場合、その量はシリカ1部当たり約0.05から約0.25重量部である。代表的シリカは、例えば水和非晶性シリカである。代表的カップリング剤は、例えばビス‐(3‐トリエトキシ‐シリルプロピル)テトラスルフィド、ビス‐(3‐トリメトキシ‐シリルプロピル)テトラスルフィド、およびデグッサ社(DeGussa AG.)からのビス‐(3‐トリメトキシ‐シリルプロピル)テトラスルフィドをグラフトしたシリカのような二官能性硫黄含有有機シランであることができる。酸化防止剤の典型量は約1から約5phrである。代表的酸化防止剤は、例えばジフェニル‐p‐フェニレンジアミン、および例えばヴァンデルビルトのゴムハンドブック(Vanderbilt Rubber Handbook)(1978年)、344−346頁に記載されているような他の酸化防止剤であることができる。適したオゾン亀裂防止剤(一種または複数種)およびワックス、特にマイクロクリスタリンワックスは、ヴァンデルビルトのゴムハンドブック(1978年)、346−347頁に示されているタイプのものであることができる。オゾン亀裂防止剤の典型量は約1から約5phrである。ステアリン酸および/またはタル油脂肪酸の典型量は約1から約3phrであることができる。酸化亜鉛の典型量は約2から約8または10phrまでである。ワックスの典型量は約1から約5phrである。素練り促進剤の典型量は約0.1から約1phrである。上記の添加剤の存在とその相対量は、本発明の実施における、タイヤ・サイドウォール中に用いられるフィラー(一つまたは複数)の硬さとモジュラス値への要求に関する限り、本発明の特徴でない。
【0085】
ゴム組成物(一種または複数種)の硬化は、硫黄系硬化剤の存在下で行われる。適した硫黄系硬化剤の例に、元素硫黄(フリー硫黄)もしくは硫黄供与性硬化剤、例えばアミンジスルフィド、高分子ポリスルフィドおよび硫黄−オレフィン付加体がある。硫黄系硬化剤は元素硫黄であるのが好ましい。この技術分野の習熟者には知られているように、硫黄系硬化剤は約0.5から約8phrの範囲の量で用いられ、本発明での使用が望まれる剛いゴムでは2から約5phrの範囲が好ましい。
【0086】
硬化促進剤は、硬化に必要な時間および/または温度を調節し、硬化物の性質を向上させるために用いられる。一つの態様では、単一の促進剤系、即ち一次促進剤を用いることができる。普通、一次促進剤は約0.5から約3phrの範囲の量で用いられる。もう一つの態様では、硬化を活性化し、硬化物の性質を向上させるために、二種または三種以上の促進剤の組み合わせが用いられ、その場合一次促進剤の方が一般により大量(0.5から約2phr)で、二次促進剤の方が一般により少量(0.05から0.50phr)で用いられる。このような促進剤の組み合わせには、硫黄‐硬化ゴムの最終の性質に対して相乗効果を与えることが歴史的に知られており、いずれかの促進剤を単独で用いて製造された製品より幾分良い性質が得られることが多い。さらに、標準の加工温度では影響が少ないが、常用の硬化温度では満足な硬化ができる遅効型促進剤も用いることができる。促進剤の代表的な例に、アミン類、ジスルフィド類、グアニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、チウラム類、スルフェンアミド類、ジチオカーバメート類およびザンテート類がある。一次促進剤はスルフェンアミドであるのが好ましい。二次促進剤が用いられる場合、それはグアニジン類、ジチオカーバメート類またはチウラム類の各化合物であるのが好ましいが、第2のスルフェンアミド系促進剤を用いてもよい。本発明の実施において、剛さの大きいゴムのために、一種、そしてときには二種または三種以上の促進剤が推奨される。
【0087】
本発明のインサートを含むランフラットタイヤは、この技術分野での習熟者には容易に明かになる種々の方法で組み立てられ、賦形され、成形され、そして硬化され得る。一般に、本発明のランフラットタイヤは、標準的な技術を用いて製造することができるが、勿論、その中のインサートがゴム状重合体に加えて1,3‐ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンを硫黄加硫もどり防止剤として含むことは別である。
【0088】
好ましい一つの態様において、本発明のインサートは、グッドイヤー・ドケット(Goodyear Docket)No.DN1998‐091(1998年6月19日)に記載されているデザインのランフラットタイヤに組み込まれる。このグッドイヤー・ドケットNo.DN1998‐091の教示全体をここに引用、参照することによって、その教示が本明細書に含まれるものとする。上記デザインは、トレッド、少なくとも一つのラジアルプライを有するラジアルプライ構造物を含んでなるカーカス、そのトレッドとそのラジアルプライ構造物との間に所在するベルト構造、一つまたは二つ以上のインサートで強化されている二つのサイドウォール、および横方向に配置されているトレッドリブが大きい曲率半径を有する円曲線で画成されているトレッド輪郭を有する空気入りラジアルプライ・ランフラットタイヤに関するものである。その最外層プライもしくは単一プライは、非伸張性金属コードで強化されている。そのサイドウォールはそれぞれラアジアル方向、最外領域近くにリブを有する。そのトレッドの中央部分の断面輪郭を画成する円曲線と横方向に配置されているトレッドリブは、非接線的に交差している。円周方向周囲を取り囲んで配置されているデカップリング・グルーブは、トレッドの断面輪郭を画成している複数の円曲線の非接線的交差点それぞれの各非接線的軌跡の下にある。ラジアル方向で、最も外側の各サイドウォールリブの輪郭を画成している円曲線は、側面に配置された各トレッドリブの輪郭を画成している円曲線と非接線的に交差している。第2組のデカップリング・グルーブは、一つのグルーブが各ショルダー領域中で円周方向周囲を取り囲むように所在し、そこでその輪郭を画成している複数の曲線が、ラジアル方向に配置されている各サイドウォールリブおよび横方向に隣接配置されているトレッドリブとの間で非接線的に交差している。この側面に配置されているトレッドリブとサイドウォールリブとの間の最側面のデカップリング・グルーブは、円周方向周囲を取り囲んで連続しているか、または円周方向周囲を取り囲んでいるが、連続していない。側面に配置されているトレッドリブとそのトレッドの中央部分との間のデカップリング・グルーブは、円周方向周囲を取り囲んでいて、デザインは直線であるか、あるいはジグザグ・パターンを有している。1つの好ましい態様では、このランフラットタイヤは、縦‐横比の小さい(約30パーセントから約60パーセントの範囲)デザインの空気入りラジアルゴムタイヤである。この態様には、高性能スポーツ・タイプ車または軽トラックでのランフラット用に利用できる可能性がある。この低縦‐横比のラジアルプライ・ランフラット空気入りゴムタイヤの独特の特徴は、ランフラット・トレッドリフト(tread lift)が最小限に抑えられ、かつランフラット運転中はトレッドの踏み跡、即ちトレッド・フットプリント(tread footprint)が広がることである。
【0089】
もう一つの好ましい態様では、本発明のインサートはグッドイヤー・ドケットNo.DN1998‐065(1998年7月6日)に記載されているデザインのランフラットタイヤに組み込まれる。上記グッドイヤー・ドケットNo.DN1998‐065の教示全体をここに引用、参照することによって、その教示が本明細書に含まれるものとする。上記のデザインは、トレッド、二つのサイドウォールを有するケーシング、二つの環状ビードから延在している二つのラジアル・プライ、およびそのトレッドとプライとの間にラジアル方向に所在するベルト強化構造物を有する空気入りラジアルプライ・ランフラットタイヤに関する。そのランフラット・サイドウォールのデザインは、強化用金属コードを有する内側ラジアルプライおよび強化用有機繊維コードを有する外側ラジアルプライを有することを特徴とする。トレッド・ショルダーに隣接する各サイドウォールの領域中のこの内側と外側のプライ間に一つのインサートが円周方向周囲を取り囲むように配置されている。各サイドウォール中のこのインサートは、引張強さが大きく、ヒステリシスが小さく、しかも軽量であることが特徴である性質を有する。このインサートの強さと剛さは、そのインサート内にラジアル方向に有機繊維を多少とも整列させて組み込むことにより調節することができる。内側のラジアル・プライ中の強化用金属コードは、高い弾性率、ランフラット運転中に圧縮荷重をインサート上に担持する剛性、およびランフラット運転中にインサート内に発生する熱を分散させる良好な熱伝導性を特徴とする性質を有する。ランフラット運転中、内側プライのモジュラスの大きい強化用金属コードが実質的な圧縮荷重を支え、それによって各サイドウォール中の単一インサートにより支えられる圧縮荷重を低減させる。また、ランフラット運転中、外側の有機繊維強化プライは、引張応力を支える大きな能力と同時に良好な可撓性を有していることにも留意すべきである。この設計では、内側のラジアル・プライがタイヤの赤道面に対して約75゜から約105゜の角度で金属コードを含んでいるのが好ましい。また、このインサートには、インサートの引張り応力に耐える能力を高めるために、主としてラジアル方向に整列されている短い強化用繊維が充填されていることも望ましい。
【0090】
本発明のさらにもう一つの好ましい態様では、インサートは1997年5月29日出願の米国特許出願08/865,489号明細書に記載されているデザインのランフラットタイヤに組み込まれる。この米国特許出願の教示全体をここに引用、参照することによって、その教示が本明細書に含まれるものとする。上記のデザインは、トレッド、ベルト構造物およびカーカスを有するタイヤに関する。そのカーカスは一対のサイドウォールを有し、各サイドウォールは少なくとも一つのプライを有するか、または少なくとも10GPaのモジュラスを有するコードで強化されている。このタイヤ設計では、少なくとも一つのプライが、一対の非伸張性ビード・コアの回りを取り巻いた一対の折返し端を有している。各サイドウォール構造物は、第1プライと少なくとも各ビード・コアに延在している第2プライのラジアル方向、内側に少なくとも一つのインサートを有している。この構造物では、第2プライは、サイドウォール中の第2インサートによって第1プライから隔てられている。このタイヤ構造中の少なくとも一つのプライは、他のプライのモジュラスより大きいモジュラスを有する実質的に非伸張性のコードで強化されている。荷重が掛かった場合、このタイヤは、小さいモジュラスのコードで強化されたプライによりも、より大きいモジュラスのコードで強化されたプライにより近接したサイドウォール構造物の曲げの中立軸を有している。一つの非常に好ましい態様では、第1プライは、ポリエステル、ナイロン、レーヨンもしくはアラミドの合成繊維材料コードもしくはその他の繊維材料コードを有しており;一方、第2プライはアラミドコードもしくは金属コード、最も好ましくはスチール・コードを有しているのが最も好ましい。第1および第2インサートは、ランフラット耐久性を保証しながら、空気が入っている時の乗り心地性能を高めるように選ばれた断面形状と材料特性を有するのが好ましい。これらのインサートはコードまたは短い繊維で強化されることもある。
【0091】
【実施例】
本発明を、以下の実施例により例示、説明するが、これらは単に例示の目的のためであり、本発明の範囲、または本発明を実施し得る方法を限定するものと見做すべきではない。特に断わらない限りは、部およびパーセントは重量で与えられる。
【0092】
実施例1
この実施例では、本発明のタイヤインサート中で使用するのに適した連結イソプレン‐ブタジエンゴム(IRB)が、1‐ガロン(3.8リットル)のバッチ式反応器中で70℃において合成された。使用したこの方法では、1‐ガロン(3.8リットル)の反応器に、シリカ/分子ふるい/アルミニウムで乾燥した、ヘキサン中にイソプレンと1,3‐ブタジエンの10:90比混合物を19.0重量パーセントの濃度で含むプレミックス2,000グラムを装填した。このプレミックス中の不純物の量を測定した後、n‐ブチルリチウムの(ヘキサン中)1.0M溶液4.0mLを反応器に添加した。目標Mn(数平均分子量)は100,000であった。重合を70℃で3時間進行させた。残存単量体の分析結果は、単量体が全て消費されたことを示した。次いで、四塩化スズの1M(ヘキサン中)溶液1.0mLを上記反応器に添加し、同じ温度で30分間カップリング反応、即ち連結反応を行った。この時点で、重合を停止させ、そして重合体を安定化させるために、1.5phr(ゴム100重量部当たりの部数)の4‐t‐ブチルカテコールと0.5phrのTMEDAをその反応器に加えた。
【0093】
ヘキサン溶媒を蒸発させた後、得られたIBRを真空乾燥機中で50℃において乾燥した。連結IBRのガラス転移温度(Tg)を測定すると、−95℃であった。また、微細構造を測定すると、7パーセントの1,2‐ポリブタジエン単位、87パーセントの1,4‐ポリブタジエン単位、1パーセントの3,4‐ポリイソプレン単位および9パーセントの1,4‐ポリイソプレン単位を含むことが示さえれた。この連結IBRのムーニー粘度(ML‐4)の測定値は99であった。
【0094】
実施例2
この実験では、2phrのパーカリンク900なる1,3‐ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンを含むインサートを用いて、二つのP225/60R16ランフラットタイヤを組み立て、1,3‐ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンを含まない同じランフラットタイヤと比較した。これらのタイヤに用いられたインサートは、80phr(ゴム100重量部当たりの重量部数)の天然ゴムと20phrのブデン(Buden:登録商標)1207なる高シス‐1,4‐ポリブタジエンゴムを含むものであった。これらのタイヤを、1995年型フォード・クラウン・ビクトリア(1995 Ford Crown Victoria)に取り付け、空気を抜いた後、ランフラット耐久性を試験した。それらのインサート中で1,3‐ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンを使用して作ったタイヤは、破損前に514マイル(827km)および516マイル(830km)走行した。1,3‐ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンなしで造ったタイヤでは、破損が起こるまでの走行距離が150マイル(241km)および200マイル(322km)に過ぎなかった。かくして、インサート中にビス‐シトラコンイミド化合物を使用すると、空気圧が全部なくなった後のそのランフラットタイヤの拡張移動性範囲が2倍以上になった。
【0095】
本明細書中に与えられたその記述に照らして、本発明には様々な変形が可能である。本発明を例示する目的から、特定の代表的態様とその細部を示したが、この技術分野の習熟者には、本発明の範囲から逸脱することなしに、その中で様々な変更や修正がなされ得ることが明らかであろう。従って、これら変更は前記の特許請求の範囲により規定される、十分意図された本発明の範囲内に入る記載された特定の態様の中でなされ得ると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一つの実施態様としての、トレッド、並びにタイヤのサイドウォール領域中に一つのプライおよびそのプライの軸方向、内側に一つのインサートを有するカーカスを示しているタイヤの分割断面図である。
【図2】図2は、本発明の一つの実施態様としての、トレッド、並びにタイヤのサイドウォール領域中に二つのプライ、これらプライ間に挟まれた第2のインサートおよび最内層プライの軸方向、外側に第2のプライを有するカーカスを示しているタイヤの分割断面図である。
【図3】図3は、本発明の一つの実施態様としての、トレッド、並びにタイヤのサイドウォール領域中に三つのプライ、それらプライ間の複数のインサートおよび最内層プライの軸方向、内側のもう一つのインサートを有するカーカスを示しているタイヤの分割断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ
2 トレッド
3 ビード部分
4 サイドウォールまたはサイドウォール部分
5 ビード・コード
6 ゴムチェーファー
7 トウガード
8 インナライナー
9 ベルト構造物
10 カーカスプライ
11 カーカスプライの折返し
12 インサート
13 アペックス

Claims (3)

  1. 外側の円周方向周囲を取り囲むトレッドを有する概ねトロイド‐形状のカーカス、二つの離間したビード、ビードからビードまで延在している少なくとも一つのプライ、および該トレッドから該ビードまでラジアル方向に延在し、且つ該トレッドを該ビードに連結しているサイドウォールを含んでなるランフラットタイヤにして、該トレッドは接地するようにされており、該サイドウォールは該プライからラジアル方向でかつ内部に少なくとも一つのインサートを含み、そして該インサートは、スズ、鉛、ゲルマニウムおよびケイ素より成る群から選ばれる第IVa族の金属で連結されているイソプレン−ブタジエンゴムであるゴム状重合体と0.1phrから10phrの1,3‐ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンを含んでなる、上記のランフラットタイヤ。
  2. インサートが(1)スズ、鉛、ゲルマニウムおよびケイ素より成る群から選ばれる第IVa族の金属で連結されている硬化イソプレン−ブタジエンゴム、(2)20phrから130phrの充填材、(3)0.1phrから5phrの脂肪酸および(4)0.1phrから10phrの1,3‐ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼンを含んでなる、請求項1に記載のランフラットタイヤ。
  3. 充填材がカーボンブラックであり、脂肪酸がステアリン酸であり、該カーボンブラックは30phrから110phrの範囲内のレベルで存在し、該脂肪酸は0.4phrから3phrの範囲内のレベルで存在し、そして硬化イソプレン−ブタジエンゴムがスズで連結されている、請求項2に記載のランフラットタイヤ。
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