JP5133858B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技者の始動操作によって抽選が実行され、図柄の変動後の停止図柄によって、前記抽選結果の当たり役又は外れを報知する図柄変動表示装置とを備え、複数設定された当たり役の何れかに当選し、かつ当該当たり役に対応する図柄が揃った場合には所定の配当を獲得することができる遊技機に関するものである。
従来より、回胴式遊技機、特にパチスロ機又はパロット(登録商標)機では、遊技媒体であるメダル又はパチンコ球を所定数ベットした後、始動レバーを操作することで、抽選を実行し、周面に複数の図柄が表示された複数列(通常3列)の図柄変動リール(表示装置)を回転させるようにしている。
なお、パロット機の有利な点は、ホール内において、パチンコ機と混在する場合、管理する遊技媒体(パチンコ球)の統合を図ることができ、遊技媒体の管理設備の簡略化を図ることができる。
上記パチスロ機及びパロット機に代表される回胴式遊技機において、遊技機本体の前面には表示窓が取り付けられ、前記図柄変動リールの一部が、この表示窓から遊技者が視認可能となっている。視認される図柄の形態としては、変動、停止等がある。
メダル又はパチンコ球のベット数は、図柄の配列の有効ライン数と対応しており、1枚(5球)ベット(1ライン)又はMAX(3枚又は15球)ベット(5ライン)で遊技が行われる。
この種の回胴式遊技機はMAXベット専用機と呼ばれ、通常遊技状態ではMAXベット専用で遊技され、大役中の所謂ジャックイン後に1枚(5球)ベット専用で遊技される。
このMAXベット専用機の他に、通常遊技状態に遊技者の所望により1枚(5球、或いは遊技仕様によって1球乃至5球の何れか)乃至3枚(15球)の任意ベット数で遊技可能な機種もある。この種の遊技にあっても上述したジャックイン後に1枚(5球、或いは遊技仕様によって1球乃至5球の何れか)ベット専用で遊技される。
前記始動レバーの操作時には、内部抽選が実行され、その時点で当/外が決められており、内部抽選に当選している状態で、当たり図柄を引き当てると、当該当たり図柄が揃うことで当該当たり図柄に対応した配当を獲得することができる。なお、当りには、大役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、小役があり、大役では、小役の当たりを飛躍的に増大し、短期間で多くのメダルの獲得が可能となる。なお、大役は、内部抽選に当選すると、その遊技で当たり図柄が揃わなくても、次の遊技以降も有効であるが、小役は、内部抽選に当選したときの遊技で当たり図柄が揃わないと、当たりの権利が消滅する。また、大役当選中に小役(リプレイ含む)に当選したり、別の大役が当選することもあり得る。さらに、大役当選中に所定期間(ゲーム数、時間経過)を超えた場合に当該大役当選が無効になったり、所定タイミングで予め定められた手順を実行しない場合に当該大役権利が消滅する遊技仕様もある。
ここで、従来の回胴式遊技機において、遊技者に何らかの特典、例えば、確率変動等の特典を与える場合、適宜遊技者介入のゲームを実行し、その結果に基づいて、当該特典を付与するか否かを決めることが提案されている。
例えば、特許文献1には、ホールの係員が鍵の操作で抽選確率テーブルの設定変更可能としたことが開示されている。
また、特許文献2には、一連の遊技中に大役等、特定の条件が成就したときに、遊技者が複数のモデルの中から1人のモデルを指名し、そのモデルの容貌と撮像手段で撮像した遊技者の容貌との類似度を判定し、複数の入賞確率テーブルの中からそのモデルに対する遊技の類似度に対応させた1つの入賞確率テーブル(抽選確率テーブル)を選択して有効とすることが開示されている。
このような特許文献1及び特許文献2を含み、従来の回胴式遊技機では、一般的に基本の抽選確率テーブルと、特別の抽選確率テーブルとを備え、各抽選確率テーブルに全ての当たり役(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、AT(アシストタイム)権利、小役等)が包含されている。
それぞれの当たり役の当選確率は、各抽選確率テーブル毎に異ならせており、抽選確率テーブルの変更毎に、それぞれの当たり役の当選の度合いが変化し、それぞれの遊技状態に特徴を持たせている。
なお、前記抽選確率テーブルの移行の契機は、ビッグボーナス遊技の終了後、或いはAT権利消滅後等、通常遊技とは異なる遊技の終了後が一般的であり、通常遊技へ戻るときの遊技者の遊技意欲減退を解消することができる。
特開2002−224392公報 特開2001−70532公報
しかしながら、上記従来技術で説明したように、抽選確率テーブルは、それぞれの全ての当たり役に対応しているため、それぞれの抽選確率テーブル間での確率の相対バランス、並びに合成バランスを良好に維持する必要があり、それぞれの抽選確率テーブルの設定の自由度が制限されることになる。このため、実際の遊技においては、極端な遊技性の違いが出にくくなり、遊技者の期待感を損ねる結果となる。
また、この限られた範囲での抽選確率テーブルの設定では、遊技者を満足させるための開発、研究に時間を要し、ひいては回胴式遊技機自体の開発の遅れを助長することになる。
本発明は上記事実を考慮し、確率の相対バランス並びに合成バランスを良好に維持しつつ、かつ遊技者の期待感が増大する複数種の抽選確率テーブルの設定の自由度を拡大することができ、開発期間を短縮することができる遊技機を得ることが目的である。
本発明は、複数の当たり役及び外れが設定された抽選テーブルを複数有し、遊技者の始動操作によって前記抽選テーブルの内の予め選択されたいずれか1つの抽選テーブルに基づき役の抽選を実行する抽選手段と、図柄の変動後の停止図柄によって、前記抽選結果の当たり役又は外れを報知する図柄変動表示装置とを備え、複数設定された当たり役の何れかに当選し、かつ当該当たり役に対応する図柄が揃った場合には、所定の配当又は遊技者に有利な状態を獲得することができる遊技機であって、前記当たり役には、当選して入賞することにより遊技者に有利な状態となる大役を複数有し、前記複数の抽選テーブルはそれぞれ前記複数の大役のいずれかを、相互に同種の大役が重複しないように備えて構成され、前記遊技者の始動操作に基づく抽選で前記大役に当選した場合、前記複数の抽選テーブルの内のいずれか1つを選択する抽選テーブル抽選部を有し、前記抽選手段は、前記複数の抽選テーブルのいずれにおいても前記遊技者の始動操作に基づく抽選で前記大役に当選した場合、当該大役実行の後、前記抽選テーブル抽選部により予め選択された1つの抽選テーブルに基づき次の遊技における役の抽選を実行することを特徴としている。
本発明において、前記複数の抽選テーブルは、小役とレギュラー大役の抽選が実行される抽選テーブルを持つ通常遊技モードの第1の抽選テーブルと、前記小役とレギュラー大役を持たず、前記レギュラー大役よりも遊技者に有利なビッグ大役の抽選が実行される抽選テーブルを持つ特別遊技モードの第2の抽選テーブルとを持ち、前記抽選テーブル抽選部が、前記レギュラー大役、ビッグ大役の何れかに当選し、権利行使が終了した時点で前記第1の抽選テーブル又は前記第2の抽選テーブルのいずれかの選択が実行されるモード移行抽選手段を有することを特徴としている。
本発明では、複数の抽選テーブルのそれぞれに大役を備え、遊技者の始動操作に基づく抽選で大役に当選した場合、いずれの抽選テーブルのモードにおいても、抽選手段は、その大役実行の後、抽選テーブル抽選部により選択された1つの抽選テーブルに基づき次の遊技における役の抽選を実行することにより、確率の相対バランス並びに合成バランスを維持しつつ、かつ遊技者の期待感が増大する複数種の抽選テーブルの設定の自由度を拡大することができ、開発期間を短縮することができる。
以上説明した如く本発明では、確率の相対バランス並びに合成バランスを良好に維持しつつ、かつ遊技者の期待感が増大する複数種の抽選確率テーブルの設定の自由度を拡大することができ、開発期間を短縮することができるという優れた効果を有する。
図1には、本実施の形態に係るパロット機300が示されている。
パロット機300は、パチスロ機と同等の遊技仕様であるが、パチスロ機の遊技媒体がメダルであるのに対し、パロット機300の遊技媒体がパチンコ球P(図2参照)であることが異なる点である。
パロット機300の正面に位置する操作兼装飾部303は、本体に対して図1の左端を上下方向に配置された軸線を中心に回動することで開閉可能となっている。
操作兼装飾部303は、上から装飾部304、操作部306、払出部310とに分類することができる。
装飾部304は、内部でバックライト部(図示省略)が点灯することで、印刷された絵や文字が透過照明される表示パネル部312が取り付けられている。
装飾部304の表示パネル部312の中央は、表示窓314とされている。表示窓314は、前記表示パネル部312と一体成型される透明領域で構成されている。
この表示窓314の内部には、図柄変動部316が設けられ、3組のリール350A、350B、350Cが駆動するようになっている。
表示パネル部312における表示窓314の左部には、指標部318となっており、表示窓314に揃う図柄の状態(列数等)を案内表示している。
操作部306は、その上部が手前に突き出ており、この突き出し部分の上面部にはパチンコ球P(図2参照)を投入する受け皿320が設けられ、また受け皿320の図1の左側には、左から順に1ベットボタン352A、マックスベットボタン352Bが設けられ、受け皿320の図1の右側には、ベット数の設定等を行う設定キー353A、353B、353Cが設けられている。また、突き出し部分の前面部の図1の左端部からは、順に始動レバー354、停止ボタン356A、356B、356C等が設けられている。
払出部310は、パチンコ球排出口326と、このパチンコ球排出口326から排出されるパチンコ球Pを受取る下皿328とで構成されている。また、前記受け皿320の底部には、蓋体(図示省略)が設けられており、この蓋体を開放することで、受け皿320に貯留されたパチンコ球Pが球転送路(図2参照)を介して、下皿328へ転送されるようになっている。
図柄変動部316は、3個のリール350A、350B、350Cが駆動することで、リール周面に記録された図柄が順次前記表示窓314から見えるようになり、表示窓314の横並びの中央の行に停止した図柄が基本停止図柄となる。なお、この基本停止図柄は、1回の遊技分のパチンコ球Pを投入した場合であり、最大1回のゲームで3回分のパチンコ球を投入でき、この場合は、上行と下行に沿って停止している図柄、並びに2本の対角線上に停止している図柄が順次パチンコ球Pの投入数に応じて組み合わせ停止図柄として採用されるようになっている。
前記停止ボタン356A、356B、356Cは、図柄変動部316下部に設けられており、各リール350A、350B、350Cに対応している。すなわち、対応するそれぞれのリール350A、350B、350Cの回転を遊技者による停止ボタン356A、356B、356Cの操作で停止させることができる。
また、この停止ボタン356A、356B、356Cの左側に設けられた始動レバー20を操作(傾倒)することで、各リール350A、350B、350Cが駆動を開始するようになっている。
また、この始動レバー354による操作タイミングは、当たり抽選のタイミングとなっており、始動レバー354の操作によって、内部のコントローラでは当たり/外れが決定するようになっている。
ここで、抽選が当たりの場合は、フラグ成立となり、その後に当たり図柄が揃うと、当たりとなって、遊技者に有利な状態となる。なお、当たりにはビッグボーナスとレギュラーボーナスとがあり、それぞれ遊技者に有利な状態の度合いが異なる。当然ビッグボーナスの方がレギュラーボーナスよりも有利である。また、ビッグボーナスとレギュラーボーナスとを総称して大役という。
ここで、本実施の形態では、前述したように、遊技媒体としてパチンコ球Pを用いている。このパチンコ球の価値は、パチスロ機の1ゲーム分の価値を持つメダルに換算して、メダル:パチンコ球=1:5と定め、本実施の形態では4球以下のパチンコ球Pの投入に基づく遊技は無効な仕様になっている。従って、上記パロット機300で1ゲーム(1ラインベット)分の遊技を行うために5球単位でパチンコ球Pを回収する必要がある。
そこで、パロット機300には、パチンコ球回収装置100(図2参照)が備えられている。図2には、遊技者がパチンコ球の貸し出し、或いは賞球(払い出し)を受けてから、パチンコ球回収装置100によって5個単位で回収されるまでのパチンコ球案内路の概略図が示されている。
図2に示される如く、図示しない払出装置からは、パチンコ球Pが、球払出路102に案内されて、受け皿320へ送り出される。
受け皿320の底部には、この受け皿320の下方に設けられた下皿328との間を連通する球転送路104の一端開口部が連通している。この球転送路104は比較的大径であり、受け皿320の前記球転送路104の一端開口に設けられた図示しない蓋体を開放することで、短時間で多くのパチンコ球Pを下皿328へ転送することができるようになっている。
また、受け皿320の図2の右側部内周面には、受け皿320から前記パチンコ球回収装置100へパチンコ球Pを案内する球受取路106の一端開口部が連通している。
球受取路106は、受け皿320側が上位で、パチンコ球回収装置100側が下位となる傾斜路(スロープ)となっており、受け皿320に貯留されたパチンコ球Pが、自重によって1列に整列されて、パチンコ球回収装置100へと流動する構造となっている。
パチンコ球回収装置100は、その筐体108の内方にパチンコ球Pを5個単位でストックする複数(本実施の形態ではの6個の)収容部110を備えた所謂リボルバー式のホルダ112が設けられている。
このホルダ112の収容部110に収容されたパチンコ球(5個)Pが回収されることで、1ベット分のゲームが可能となる。すなわち、最大5ライン仕様の遊技でのマックスベットの場合には、収容部110からの回収が3回行われることになる。
なお、パチンコ球回収装置100には、遊技を終了する場合には、球受取路106以降のパチンコ球Pを回収するための球返却路130の一端が接続され、この球返却路30の他端は、前記下皿328に連通されている。
図3には、前記パロット機300における遊技の進行を制御する制御系の概略が示されている。
本実施の形態のパロット機300の制御系は、遊技主制御回路150を中心として構成されている。遊技主制御回路150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この遊技主制御回路150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
この遊技主制御回路150には、始動・停止操作装置152、ベットボタンユニット154、遊技情報表示装置156、操作スイッチユニット158及びリール駆動装置160が接続されている。
始動・停止操作装置152には、前述の始動レバー354、停止ボタン356A、356B、356Cが含まれる。また、ベットボタンユニット154には、1ベットボタン352A、マックスベットボタン(設定されたベット数)352Bが含まれる。
また、遊技情報表示装置158には、図示は省略したが、遊技可否、遊技停止、再遊技、遊技開始、エラー等のメッセージを表示する表示部が含まれる。
さらに、操作スイッチユニット158には、設定キー353A、353B、33Cが含まれ、設定変更、リセット、演算/電源投入、ベット数設定、1ベット当たりの球数設定等の操作がなされるようになっている。
また、リール駆動装置160には、前述のリール350A、350B、350Cを含み、さらに、このリール350A、350B、350Cを駆動するためのリールモータ162A、162B、162C(図4参照)並びにリール350A、350B、350Cの位置を検出するためのセンサ164A、164B、164Cを含んで構成されている。
また、遊技主制御回路150からは図示しない盤用外部端子を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報が出力されるようになっている。
一方、この遊技主制御回路150には、遊技副制御回路166と、演出用サブ制御回路168とが接続されている。
遊技副制御回路166には、遊技媒体取込装置170、遊技媒体払出装置172が接続され、遊技媒体であるパチンコ球Pの取込み、払出しをそれぞれ制御する。
また、遊技副制御回路166には、情報表示装置174が接続されており、図示しない表示部(表示パネル部312の前面下部に配置)へ遊技媒体(パチンコ球P)の払出し数を表示するように制御する。なお、この情報表示装置174では、パチンコ球Pの投入数(5個単位のベット数の場合もある)、取込数(クレジット数)、当選役の配当数等も表示するように制御する。
演出用サブ制御回路168には、前記表示パネル312等に各当選役の配当数を表示するための配当表表示装置176、液晶表示装置等によって構成され、当たりの予告等の表示を行う演出表示装置178、図示しないスピーカからの出力を制御するための効果音発生装置180が接続されている。
上記遊技主制御回路150では、始動レバー354の操作に同期して、当/外の抽選制御、並びにリール350A、350B、350Cの駆動開始制御がなされ、抽選結果が当たりの場合は、フラグ成立となり、その後の停止ボタン356A、356B、356Cの操作により、当たり図柄が揃うと、当たり権利行使となって、遊技者に有利な状態となる。
ここで、遊技主制御回路150では、前記停止ボタン356A、356B、356Cによる停止操作の際、内部抽選の当/外に応じて、所定コマ数の滑り制御を実行するようになっている。
すなわち、内部抽選が外れのとき、当りの場合のみ停止する図柄の停止タイミングで停止ボタン356A、356B、356Cが操作された場合、意図的にこの図柄での停止を回避するため、停止位置をずらす(蹴飛ばし)。
一方、内部抽選が当たりのとき、遊技者が操作した停止タイミングでは当たり図柄が停止しない範囲に位置する場合、停止ボタン356A、356B、356Cの操作時点で有効ラインから数えて所定コマ数(例えば4コマ)内に、当たり図柄があれば、この図柄出て意志するように停止請求項1に記載の発明は、をずらし(引き込み)、所定コマ数から外れた位置に当たり図柄があれば、所定コマ数を超えて当たり図柄を引き込めない仕様であるため、当選役の図柄の種類に不都合が生じないように上記蹴飛ばし処理、言い換えれば該当する役に無関係な図柄(外れ図柄)、別の当たり図柄)を上記引き込み処理を施す。
上記蹴飛ばし制御、引き込み制御(総称して滑り制御)を行うことで、抽選の結果との統一性を持たせることができると共に、若干停止操作タイミングがずれても当たり図柄を揃えることが可能となる。
ここで、本実施の形態では、上記のように役に当選すると、遊技モードが変更する場合がある。遊技モードとしては、通常遊技モードと特別遊技モードとを設定している。
通常モードは、小役(リプレイを含む)とRB(レギュラーボーナス)の抽選が実行され、BB(ビッグボーナス)の抽選は行われないモードである。
一方、特別遊技モードは、BBのみの抽選が実行されるモードである。
この遊技モード切替(移行)条件は、まず、役(小役、ビッグボーナス、レギュラーボーナス)に当選し、配当或いは権利行使が終了した時点で行われるモード移行抽選如何にかかっている。
図4(A)及び(B)には、それぞれの遊技モードにおいて適用される抽選確率テーブルの模式図が示されている。なお、この抽選確率テーブルの帯の長さは、乱数値を示しており、例えば、0〜65000までの数を繰り返しカウントしており、前記始動レバー354の操作時に取得した乱数値によって当/外の判断を行うようになっている。
図4(A)に示される如く、通常モードの抽選確率テーブルは、当選役を2群に分けた内の小役(リプレイを除く)、リプレイ、RB、外れの4種類によって全ての乱数を占めており、それぞれの帯の長さがその占有する乱数値の量に相当している。
一方、図4(B)に示される如く、特別モードの抽選確率テーブルは、当選役を2群に分けた内のBBと外れの2種類によって全ての乱数を占めており、それぞれの帯の長さがその占有する乱数値の量に相当している。
上記のように、通常遊技モードでは小役(リプレイを含む)とRBとの相対バランスのみを考慮して抽選確率テーブルを設定すればよく、特別遊技モードでは、BBのみであるため、通常遊技モード用の抽選確率テーブルとのバランスを考慮して設定すればよい。
言い換えれば、従来は、図4(C)に示される如く、設計上の出球率を視野に入れて、全ての当選役の1つの帯(乱数値)の中でバランスよく配分しなければならなかったため、短期間ではメリハリのない(おもしろ味のない)遊技仕様を打破することができなかったのに対し、本実施の形態では、図4(A)及び(B)に示される如く、複数(本実施の形態では、2種類)の抽選乱数テーブルを準備し、それぞれをモード間の移行を抽選によって行うことで、全体(複数の抽選乱数テーブル)の出球率を維持しつつ、短期間で集中してBBが当選する可能性を増やすことが可能となる。
図5には、遊技主制御回路150における、上記特別遊技モード/通常遊技モードへの移行制御に関する機能的なブロック図が示されている。
始動レバー354は、抽選部10に接続されており、この抽選部10では、前述のように始動レバー354の操作の時点で抽選が実行される。
抽選部10による抽選結果は、抽選結果判定部12へ送出され、抽選結果を判定する。この抽選結果判定部12は、リール駆動制御コマンド出力部14と接続されている。このリール駆動制御コマンド出力部14には、前記始動レバー354も接続されており、始動レバー354の操作時にリール350A、350B、350Cの駆動を制御するべくコマンドを出力し、リール駆動制御部16を介してリールモータ162A、162B、162Cを制御して、リール350A、350B、350Cを駆動させる。
なお、リール350A、350B、350Cには、それぞれ位置検出用のセンサ164A、164B、164Cが設けられ、回転位置を検出するための信号(例えば、1回転で1パルスの信号や停止した図柄を認識する信号)を停止位置検出部18へ送出するようになっている。
前記リール駆動制御コマンド出力部14には、前記停止ボタン356A、356B、356Cが接続されており、この停止ボタン356A、356B、356Cの操作時にリール350A、350B、350Cの駆動を停止させるコマンドを生成されるが、このとき、前記蹴飛ばし制御、引き込み制御(総称して滑り制御)が加味された状態でコマンドが生成され、リール駆動制御部16において、滑り制御が実行される。
これにより、リール350A、350B、350Cは停止ボタン356A、356B、356Cの操作に基づき、かつ蹴飛ばし、滑り制御が加味された状態で所定の図柄が表示されるように停止される。
前記停止位置検出部18によって検出された停止位置(停止図柄)は、当/外判定部20へ送出され、抽選結果に合致した図柄が揃ったか否かが判定され、その判定結果を遊技副遊技制御回路166へ送出する。これにより、小役当たりの場合には、その配当分のパチンコ球Pが払い出される。
また、当/外判定部20の判定結果は、遊技状態認識部22へ送出され、遊技状態(役の種類、配当或いは権利行使の状況等)を認識し、小役の場合は配当が終了した時点、RBやBBの場合には権利行使が終了した時点で、モード移行抽選指示信号をモ−ド移行抽選部30へ送出する。
モード移行抽選部30では、予め定められた確率下でモードを移行するか否かの抽選が実行され、抽選の結果、モード移行となると、モード移行指示信号をモード移行実行部32へ送出する。
モード移行実行部32には、抽選確率テーブルメモリ34が接続されている。抽選確率テーブル34には、前記図4(A)及び(B)に示した通常遊技モード用抽選確率テーブル34A、特別遊技モード用抽選確率テーブル34Bがそれぞれ記憶されている。
モード移行実行部32では、前記モード移行指示信号の入力の度に、交互に通常遊技モード用抽選確率テーブル34A又は特別遊技モード用抽選確率テーブル34Bを読み出し、当該何れかの抽選確率テーブルデータを書換信号と共に実行用抽選確率テーブルメモリ36へ送出する。
これにより、実行用抽選確率テーブルメモリ36には、常にモード移行実行部32で読み出した抽選確率テーブルデータが記憶されることになる。
前記抽選部10では、この実行用抽選確率テーブルメモリ36に現在記憶されている抽選確率テーブルに基づいて役抽選が実行される。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
(遊技の流れ)
遊技の手順は、まず、パチンコ球Pが投入済であり、1回分の投入による遊技である1ベットボタン352A(1ラインゲーム)、3回分の投入による遊技であるマックスベットボタン352B(5ラインゲーム)によるベットが完了すると、始動レバー354を操作する。この時点で当り/外れの抽選がなされ、当りの場合には内部制御的にフラグの成立となる。また、既に、フラグが成立している場合は抽選は実行されない。
この始動レバー354の操作後は、リール350A、350B、350Cが駆動を開始する。
遊技者は、停止ボタン356A、356B、356Cを操作することで、リール350A、350B、350Cの回転を停止させるが、前記フラグが成立している場合には、的確な目押しタイミングによって当たり図柄を停止させることができる。また、多少の停止操作タイミングのずれは「引き込み制御」によって矯正される。逆に、フラグが成立していない場合には、目押しを行っても、リール350A、350B、350Cの回転停止に「蹴飛ばし制御」を実行し、当り図柄では停止しないようにする。
前記停止操作によって停止したリール350A、350B、350Cの表示図柄が、当たり図柄で揃った場合には、ボーナスゲーム制御を実行する。
ここで、本実施の形態では、遊技モードとして通常遊技モードと特別遊技モードとを設定し、当選役を2群に分類して、それぞれの群を前記遊技モードに割り当てている。すなわち、通常遊技モードは小役、リプレイ、RBに対応した抽選確率テーブルによって役抽選を実行し、特別遊技モードはBBに対応した抽選確率テーブルによって役抽選を実行する。
遊技モードの移行は、役当選後(小役であれば配当後、ボーナスゲームであれば権利行使後)に、モード移行抽選が実行され、このモード移行抽選の抽選結果に基づいて、移行がなされる。
図6には、通常遊技モード/特別遊技モードの遊技モード切替制御のためのフローチャートが示されている。
ステップ400では、現在の遊技モードを確認し、通常遊技モードの場合にはステップ402へ移行してRB及び小役(リプレイを含む)の抽選が実行される。すなわち、実行用抽選確率テーブルメモリ36には、図4(A)に示す抽選確率テーブルが記憶されている状態であるため、実質的にBBの抽選が実行されないことになる。
次のステップ404では、RBに当選したか(内部抽選に当選し、かつ図柄が揃ったか)が判断され、肯定判定されるとステップ406へ移行してRBゲームが実行され、ステップ412へ移行する。また、ステップ406で否定判定の場合には、ステップ408へ移行する。
ステップ408では、小役(リプレイを含む)に当選したか(内部抽選に当選し、かつ図柄が揃ったか)が判断され、肯定判定されるとステップ410へ移行して配当処理が実行され、ステップ412へ移行する。また、ステップ408で否定判定された場合は、このルーチンは終了し、現在の遊技モードが維持される。
ステップ412では、モード移行抽選が実行され、次のステップ414ではモード移行抽選に当選したか否かが判断される。
このステップ414で当選したと判断されると(肯定判定)、ステップ416へ移行してモード移行実行部32において、抽選確率テーブル34から特別遊技抽選確率テーブル34Bを読み出して、実行用抽選確率テーブルメモリ36内のデータを書き換える。なお、ステップ414で否定判定(落選)された場合には、このルーチンは終了し、現在の遊技モードが維持される。
次のステップ418では、遊技モードを特別遊技モードに設定し、このルーチンは終了する。
また、前記ステップ400において、特別遊技モードであると判定された場合には、ステップ420へ移行する。
ステップ420では、BBの抽選が実行される。すなわち、実行用抽選確率テーブルメモリ36には、図4(B)に示す抽選確率テーブルが記憶されている状態であるため、実質的にRB及び小役(リプレイを含む)の抽選が実行されないことになる。
次のステップ422では、BBに当選したか(内部抽選に当選し、かつ図柄が揃ったか)が判断され、肯定判定されるとステップ424へ移行してBBゲームが実行され、ステップ426へ移行する。また、ステップ422で否定判定の場合には、このルーチンは終了し、現在の遊技モードが維持される。
ステップ426では、モード移行抽選が実行され、次のステップ428ではモード移行抽選に当選したか否かが判断される。
このステップ428で当選したと判断されると(肯定判定)、ステップ430へ移行してモード移行実行部32において、抽選確率テーブル34から通常遊技抽選確率テーブル34Aを読み出して、実行用抽選確率テーブルメモリ36内のデータを書き換える。なお、ステップ428で否定判定(落選)された場合には、このルーチンは終了し、現在の遊技モードが維持される。
次のステップ432では、遊技モードを通常遊技モードに設定し、このルーチンは終了する。
このように本実施の形態では、予め当選役を2群に分類し、それぞれの群に対応して通常遊技モード用抽選確率テーブル34A、特別遊技モード用抽選確率テーブル34Bを準備した。この2種類の抽選確率テーブルは、所定の契機(小役であれば配当後、ボーナスゲームであれば権利行使後)にモード移行抽選がなされ、当選すると遊技モードを移行させる。これにより、例えば特別遊技モードではBBの抽選のみが実行されるため、短期にBBに当選する確率を増やすことができる。また、モード移行抽選確率の設定により、従来の出球確率を維持することができるため、長いスパンでは、設計上の出球確率を維持でき、短いスパンでは遊技にメリハリをつけることができ、遊技者の遊技意欲を増加でき、店側の営業方針もたてやすくなる。
なお、本実施の形態では、従来、1つであった抽選確率テーブル(図4(C)参照)を、2種類(図4(A)及び(B)参照)とし、BBのみの抽選を行う期間を特別遊技モードとして設定したが、AT(アシストタイム)に関する抽選についても加味してもよい.
すなわち、図7(D)は従来のAT搭載機種の抽選確率テーブルであり、これを、図7(A)乃至(C)の3群に分類し、それぞれのモード抽選によって抽選して、各抽選確率テーブル下での遊技を実行する。この場合、図7(C)の全てを小役(AT)とすれば、1ゲーム当たりの配当を従来の倍以上とすることができる。
なお、本実施の形態では、分類したそれぞれの抽選確率テーブル間において、当選役が重複しないようにし、設計上の出球率の演算の簡便化を図ったが、小役の一部を同じ抽選確率で重複させて現在のモードをわかりにくくしたり、いずれのモードであってもBB当選のチャンスを形成するように重複させてもよい。
また、上記実施の形態では、遊技機としてパチンコ球Pを遊技媒体とするパロット機300を例にとり説明したが、メダルを遊技媒体とする一般的なパチスロ機にも適用可能である。なお、パチスロ機とパロット機300との遊技仕様はほとんど同じであり、ベットするときに投入する遊技媒体が異なるのみである。
本実施の形態に係るパロット機の正面図である。 本実施の形態に係るパチンコ球の流動路の概略構成図である。 本実施の形態に係るパロット機の制御ブロック図である。 抽選確率テーブルの模式図であり、(A)及び(B)が本実施の形態、(C)が従来を示す. 本実施の形態に係る遊技主制御回路における遊技モード切替制御のための機能を示すブロック図である。 本実施の形態に係る遊技主制御回路における遊技モード切替制御のためのフロチャートである。 変形例に係る抽選確率テーブルの模式図である。
符号の説明
10 抽選部(抽選実行制御手段)
12 抽選結果判定部
14 リール駆動制御コマンド出力部
16 リール駆動制御部
18 停止位置検出部
20 当/外判定部
22 遊技状態認識部
30 モード移行抽選部
32 モード移行実行部
34 抽選確率テーブルメモリ(抽選確率テーブル記憶手段)
34A 通常遊技モード用抽選確率テーブル(役分類手段)
34B 特別遊技モード用抽選確率テーブル(役分類手段)
36 実行用抽選確率テーブルメモリ(抽選実行制御手段)
150 遊技主制御回路
166 遊技副制御回路
300 パロット機(遊技機)
350A、350B、350C リール
354 始動レバー
356A、356B、356C 停止ボタン

Claims (2)

  1. 複数の当たり役及び外れが設定された抽選テーブルを複数有し、遊技者の始動操作によって前記抽選テーブルの内の予め選択されたいずれか1つの抽選テーブルに基づき役の抽選を実行する抽選手段と、図柄の変動後の停止図柄によって、前記抽選結果の当たり役又は外れを報知する図柄変動表示装置とを備え、複数設定された当たり役の何れかに当選し、かつ当該当たり役に対応する図柄が揃った場合には、所定の配当又は遊技者に有利な状態を獲得することができる遊技機であって、
    前記当たり役には、当選して入賞することにより遊技者に有利な状態となる大役を複数有し、
    前記複数の抽選テーブルはそれぞれ前記複数の大役のいずれかを、相互に同種の大役が重複しないように備えて構成され、
    前記遊技者の始動操作に基づく抽選で前記大役に当選した場合、前記複数の抽選テーブルの内のいずれか1つを選択する抽選テーブル抽選部を有し、
    前記抽選手段は、前記複数の抽選テーブルのいずれにおいても前記遊技者の始動操作に基づく抽選で前記大役に当選した場合、当該大役実行の後、前記抽選テーブル抽選部により予め選択された1つの抽選テーブルに基づき次の遊技における役の抽選を実行することを特徴とする遊技機。
  2. 前記複数の抽選テーブルは、小役とレギュラー大役の抽選が実行される抽選テーブルを持つ通常遊技モードの第1の抽選テーブルと、前記小役とレギュラー大役を持たず、前記レギュラー大役よりも遊技者に有利なビッグ大役の抽選が実行される抽選テーブルを持つ特別遊技モードの第2の抽選テーブルとを持ち、
    前記抽選テーブル抽選部が、前記レギュラー大役、ビッグ大役の何れかに当選し、権利行使が終了した時点で前記第1の抽選テーブル又は前記第2の抽選テーブルのいずれかの選択が実行されるモード移行抽選手段を有することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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