以下、本発明の遊技機であるスロットマシンSの第1の実施形態及び第2の実施形態を、添付図面を参照しながら詳述する。なお、これらの実施形態は、本発明を限定するものではない。なお、以下の説明においてスロットマシンSの各部の基準となる方向は、そのスロットマシンSの正面に対面する遊技者の視点(正面視)に合わせて説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態のスロットマシンSは、遊技者に有利な遊技状態(有利遊技状態)として後述するボーナス状態のみを搭載したものである。
(スロットマシンSの外部構成)
本実施形態のスロットマシンSは、遊技媒体(例えばメダル)を投入又は払出し可能であって、図1に示すように、箱型の筐体1と、筐体1の前側の開口部を開閉可能な前扉2と、筐体1内に収容され複数種類の図柄が付された左リール3L、中リール3C、及び右リール3R(以下、まとめてリール3L〜3Rともいう)とを備えている。
前扉2の前面には、リール3L〜3Rの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を、前方から視認可能とする表示窓4と、表示窓4の下方にあって後述するクレジットメダルの数(最大で50枚に制限)を表示するクレジット数表示器、及び入賞時の払出しメダル数を表示する払出表示器等を有する7セグメント表示器から構成される遊技情報表示部8とが設けられている。
前扉2の前面から前方へ突出する操作部OPの上面には、メダルを投入可能であって、投入されたメダルの通過によりオン状態に切り替わるメダル検出スイッチ10a(図3参照)を内蔵したメダル投入口10と、押下操作により内蔵されたベットスイッチ11a(図3参照)がオン状態に切り替わることに基づいて、後述するクレジットメダルから1回の遊技を行うためのメダルの枚数(以下、規定投入数という)を設定(以下、ベットという)して、遊技開始準備状態とするベットボタン11と、後述する演出表示装置5に表示させたメニュー画面から所定の操作により、任意の機能を呼び出すことができるジョグダイヤルJDとが設けられている。
ここで、クレジットメダルとは、メダルのクレジットが許可されている場合において、メダル投入口10にメダルが投入されたこと等に基づいて、後述するメインメモリ200(図3参照)のクレジットメダル記憶手段(図示省略)に記憶されるメダル情報(メダル1枚につき1クレジット)のことである。
また、図1に示すように、操作部OPの前面には前方に突出するように設けられ、遊技開始準備状態において、押下操作により内蔵されたスタートスイッチ15a(図3参照)がオン状態に切り替わることに基づいて、リール3L〜3Rの回転を始動可能とするスタートレバー15と、リール3L〜3Rのそれぞれに対応し、押下操作により内蔵されたストップスイッチ16a(図3参照)がオン状態に切り替わることに基づいて、リール3L〜3Rの回転をそれぞれ停止可能とする左ストップボタン16L、中ストップボタン16C、及び右ストップボタン16R(以下、まとめてストップボタン16L〜16Rともいう)とが設けられる。また、操作部OPの下方には、メダル払出口18から払い出されたメダルを溜めておくためのメダル受皿19が設けられる。
前扉2における表示窓4の上方には、演出装置600(図3参照)を構成する複数種類の動画又は静止画像を表示可能な演出表示装置5と、複数種類の効果音や楽曲が出力されるスピーカ6と、複数種類の点滅パターンを有する演出ランプ7とが設けられており、遊技に係る情報の報知や演出の実行が可能となっている。
表示窓4には、左右方向に1本の入賞判定ラインLが設定されている。入賞判定ラインLは、規定投入数(例えば1枚又は3枚)のメダルが投入されることにより有効となる。入賞判定ラインL上に、役に対応する図柄の組合せが停止表示されると、入賞と判定されて当該役の入賞に対応する処理が後述のように実行される。
(スロットマシンSの内部構成)
筐体1の内部には、リール3L〜3R及びリール3L〜3Rを回転させるための駆動源(例えばステッピングモータ(図示省略))を含むリールユニット31(図3参照)と、投入されたメダルを貯留するメダル貯蔵タンク(図示省略)と、貯留しているメダルを1枚単位で払い出し可能なホッパーユニット32(図3参照)と、スロットマシンSに対して外部からの電力を供給可能な電源装置(図示省略)と、後述するメイン基板100と、サブ基板500(ともに図3参照)とが設けられる。メイン基板100とサブ基板500は、メイン基板100のみからの信号が送信可能な単方向通信で接続されている。
図2に示すように、リールユニット31におけるリール3L〜3Rは、外周面が回転方向へ20の領域(当該領域を「コマ」という)に区画され、当該区画された領域には複数種類の図柄(例えば2種類のリプレイ図柄(RP1、RP2)、ベル図柄(BL)、チェリー図柄(CH)、赤7図柄(R7)、白7図柄(W7)、黒7図柄(B7)、2種類のBAR図柄(BR1、BR2)、ダミー図柄(DM))が予め定められた順番で配列されている。
(メイン基板100)
次に、図3を参照してスロットマシンSの機能及び制御について説明する。
メイン基板100は、遊技を統括的に制御する制御基板であって、メダル検出スイッチ10a、ベットスイッチ11a、スタートスイッチ15a又はストップスイッチ16aからのオン信号(オン状態に切り替わった際の信号)を受信することにより、遊技を進行させるための各種の演算処理を行うとともに、演算処理の結果に基づいて、リールユニット31やホッパーユニット32等の出力動作の制御を行う。
このメイン基板100の機能は、CPUが所定のメモリに格納されたプログラムからなるソフトウエアを実行することにより実現される。
具体的には、図3に示すように、メイン基板100は、設定変更手段105と遊技制御手段110とメインメモリ200とを含んで構成される。
ここで、メインメモリ200は、本実施形態のスロットマシンSにおけるシステムプログラムが記憶されたROMと、メイン基板100で生成されるシステムプログラムで使用するフラグや演算した値等の各種データが記憶されるとともに、ワークエリアとして使用されるRAMとによって構成される。具体的にメインメモリ200には、遊技制御手段110等が処理に要する情報を格納したり、参照するための記憶領域として、例えば、内部抽選テーブル記憶手段201、メインフラグ記憶手段202等が設定されている。
(設定変更手段105)
設定変更手段105は、メインメモリ200に設定されている設定値記憶手段(図示省略)に記憶されている設定値(例えば「1」〜「6」)を、スロットマシンSの電源装置(図示省略)に設けられているスイッチに対する所定の操作により変更可能とする制御を行う。
当該設定値を変更することにより、後述する通常状態における小役の当選確率を変動させたり、ボーナスの当選確率等を変動させることによって、スロットマシンSの出玉率(遊技機へのメダル投入数に対する払出数の比率)等を変更させることができる。
本実施形態のスロットマシンSは、電源装置の電源スイッチ(図示省略)がオンにされて、電源が投入されたときに、所定の電源投入時処理が行われる。この電源投入時処理では、上述のRAMのリードライトチェック処理等の各種のイニシャル処理が行われる。電源投入時処理が終了すると、スロットマシンSは遊技可能な状態(メダルの投入又はベットが有効)となる。
(遊技制御手段110)
遊技制御手段110は、電源投入時処理後において規定投入数(例えば3枚)のメダルがメダル投入口9に投入されたこと又はクレジットメダルがベットされたことに基づいて、スタートレバー15への操作及び入賞判定ラインLを有効にするメダル受付処理を行い、スロットマシンSを遊技準備状態とする。続いて、スタートレバー15の押下操作(開始操作)を契機に、遊技が開始され、リール3L〜3Rを回転制御するとともに、後述する内部抽選を実行し、リール3L〜3Rの回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件として、ストップボタン16L〜16Rへの操作を有効化する処理を行う。続いて、ストップボタン16L〜16Rが押下操作(停止操作)されると、内部抽選の結果に応じた停止位置にリール3L〜3Rが停止するように、メインメモリ200に記憶された停止制御テーブル(図示省略)を参照等して停止制御する。そして、メインメモリ200に記憶された入賞判定テーブル(図示省略)を参照して当選した役の入賞形態を示す図柄の組合せ(以下、単に図柄組合せという)が入賞判定ラインL上に表示されたか否かを判定し、当選した役の図柄組合せが表示されたことに基づいて当該役が入賞したと判定した場合は、メダルをメダル払出口18からメダル受皿19へ払い出させる等の処理を行い遊技が終了する。
遊技制御手段110は、内部抽選や遊技状態等に係る上記処理の結果に係る情報等をコマンド信号としてサブ基板500へ送信する。
なお、本明細書において、スタートレバー15の押下操作によりリール3L〜3Rが回転してから、ストップボタン16L〜16Rの押下操作によりリール3L〜3Rが停止した結果、入賞判定ラインL上に表示された図柄組合せに基づく処理が完了するまでを単位遊技、すなわち1遊技(1ゲーム、以下単位を「G」とする)として説明する。
以下、遊技制御手段110が行う主な処理及び制御について詳説する。
(メダル受付処理)
メダル受付処理では、規定投入数(例えば1枚又は3枚)のメダルがメダル投入口9に投入されたこと又はクレジットメダルがベットされたことに基づいて、スタートレバー15への操作及び入賞判定ラインLを有効にする処理を行い、スロットマシンSを遊技準備状態とする。
また、メダルが投入されていない状態で、3枚を超えるメダルを投入する場合、最初の3枚をベットし、それ以降のメダルについては、メインメモリ200のクレジットメダル記憶手段にメダル情報(クレジットメダル)として記憶する。また、メダル情報が規定投入数(例えば3枚)分以上記憶されているときにベットボタン11が押下されると、遊技制御手段110は、規定投入数(例えば3枚)をベットするとともに、クレジットメダル記憶手段から3枚分のメダル情報を削除する処理を行う。
(内部抽選)
遊技制御手段110は、メイン基板100に設定された乱数発生手段(図示省略)により生成された乱数値(0〜65535:「0」を値として含む)を取得し、内部抽選テーブル記憶手段201に記憶された複数の内部抽選テーブル1〜5(図6参照)から後述する遊技状態に応じた1の内部抽選テーブルを参照し、取得した乱数値に応じた役(小役、リプレイ、ボーナス及びこれらの役等に当選しないはずれ(不当選)のいずれか)を決定する内部抽選を行う。
ここで、小役(配当があり、後述する払出処理が行われる役)には、図4に示すように、左リール3L、中リール3C、右リール3Rの順で入賞判定ラインL上に表示される図柄として(以下同じ)「BL・BL・BL」の図柄組み合わせからなる「ベル役1(第2役、通常役)」と、「BAR図柄(BR1又は2)・BL・BR1」の図柄組合せからなる「ベル役2(第2役、通常役)」、左リール3Lにおいては赤7図柄(R7)、白7図柄(W7)、黒7図柄(B7)又はダミー図柄(DM)のいずれかが表示され、中リール3C及び右リール3Rにおいてはベル図柄(BL)がそれぞれ表示される図柄組合せからなる「チェリー役1」と、左リール3Lにおいてはチェリー図柄(CH)が表示され、中リール3C及び右リール3Rにおいては赤7図柄(R7)、白7図柄(W7)、黒7図柄(B7)を除く図柄(中リール3Cにおいては更にダミー図柄(DM)を除く)のいずれかが表示される図柄組合せからなる「チェリー役2」(以下、チェリー役1及び2を単にチェリー役ともいう)が設定されている。ベル役1,2及びチェリー役1,2は3枚ベットの場合、配当が8枚に設定されているが、1枚ベットの場合は配当が1枚に設定されている。
また、左リール3LにおいてはBAR図柄(BR1又はBR2)が表示され、中リール3CにおいてはBAR図柄(BR1)、リプレイ図柄(RP)、ダミー図柄(DM)のいずれかが表示され、右リール3Rにおいては白7図柄(W7)、リプレイ図柄(RP)、ダミー図柄(DM)のいずれかが表示される図柄組合せからなる1枚配当(1枚又は3枚ベット時)の複数の「特殊小役(第1役)1〜8(以下、単に特殊小役ともいう)」が設定されている。
リプレイ(配当がなく、後述する払出処理の代わりにリプレイ処理が行われる役)は、1種類のリプレイ1が設定されており、図4に示すように、「BL・リプレイ図柄(RP1又は2)・BL」の図柄組み合わせからなるように設定されており、表示窓4内において右上がりでリプレイ図柄が揃う態様となっている。
ボーナス(配当がなく、入賞を契機に所定期間小役の当選確率が上昇した遊技が実行される役物)には3種類設定されており、図4に示すように、「R7・R7・R7」の図柄組み合わせからなるビッグボーナス(RBB)、「BL・BL・リプレイ図柄(RP1又は2)」の図柄組み合わせからなるレギュラーボーナス(RB)、左リール3LにおいてはBAR図柄(BR1)が表示され、中リール3C、右リール3Rにおいてはリプレイ図柄(RP1又は2)又はベル図柄(BL)のいずれかが表示される図柄組合せと、左リール3Lにおいてはベル図柄(BL)が表示され、中リール3C、右リール3Rにおいてはリプレイ図柄(RP1又は2)が表示される図柄組合せとからなるシングルボーナス(SB、特殊役)が設定されている。なお、本実施形態におけるレギュラーボーナス(RB)は、後述する遊技状態のRBB中通常状態にのみ成立(当選、入賞)する役となっている。
なお、ボーナス及びリプレイについてはいずれも配当は設定されておらず、3枚ベットしたときのみボーナスやリプレイの抽選が行われるようになっている。
図5に示すように、小役の当選態様としては、シングルボーナス(SB)と複数の小役が重複して当選するSB付打順小役1〜6、SB無し打順小役1〜6、共通ベル及びチェリーが設定されている。
具体的には、小役の当選態様であるSB付打順小役1〜6は、1回の内部抽選で、シングルボーナス(SB)と複数種類(例えば4種類)の特殊小役とベル役(例えば1種類)とがそれぞれの組み合わせが異なるように重複して当選する態様となっており、SB無し打順小役1〜6は、SB付打順小役1〜6からシングルボーナス(SB)を抽選対象から除いたものである。
また、共通ベルはベル役1,2が重複して当選する態様となっており、チェリーはチェリー役1,2が重複して当選する態様となっている。
本実施形態のスロットマシンSでは、当選したSB付打順小役の種類によって、ストップボタン16L〜16Rの押し順に応じて入賞する小役が異なるよう(ベル役又は特殊小役のいずれか一方が入賞するか、入賞させることができない場合、シングルボーナス(SB)を入賞させるよう)に設定されている。
遊技制御手段110は、内部抽選で決定した当選役について、メインメモリ200に設定されているメインフラグ記憶手段202に、当該当選役に対応する当選フラグをセットする。ここで当選フラグには、入賞するまで当選を維持する維持フラグと、入賞の有無にかかわらず役が当選したゲームの終了時に消滅する一時フラグとがあり、シングルボーナス(SB)を除くボーナスには維持フラグが用いられ、小役やリプレイやシングルボーナス(SB)には一時フラグが用いられる。
図6に示すように、内部抽選テーブル記憶手段201に記憶されている内部抽選テーブル1〜5には、上述の乱数値に対応するテーブル値(0〜65535)が設定されており、このテーブル値に対して、内部抽選の対象である小役、リプレイ、ボーナス及びこれらの役等に当選しないはずれ(不当選)のいずれかが対応するように設定されている。
内部抽選テーブル1〜5は、設定値(1〜6)毎にそれぞれ設けられており、設定値により、内部抽選の際に参照される内部抽選テーブルが異なるように制御されている。当該設定値が高いほど、出玉率が高くなるように、例えば所定の役が当選し易いようにテーブル値が役に対して設定されている。
また、内部抽選テーブル1〜5は、後述する遊技状態に応じてそれぞれ設けられており、設定中(滞在中)の遊技状態に応じて内部抽選の際に参照される内部抽選テーブルが異なるように制御されている。
図6に示すように、内部抽選テーブル1〜5には、小役の当選態様としてSB付打順小役1〜6、共通ベル、及びチェリーがテーブル値に対応するように設定されている。
小役の当選確率は、内部抽選テーブル1〜4において同一であり、内部抽選テーブル5では共通ベルが必ず当選するようになっており、内部抽選テーブル1〜4よりも高く設定されている。
また、リプレイの当選確率は、内部抽選テーブル1,2及び4において同一で、それらよりも内部抽選テーブル3が高くなるように設定されているが、内部抽選テーブル5ではリプレイが内部抽選の対象から除外されている。
また、ビッグボーナス(RBB)は、内部抽選テーブル1,2にそれぞれ設定されているが、内部抽選テーブル3〜5のいずれにも設定されていない。
(リール制御処理)
遊技制御手段110は、リール3L〜3Rの回転及び停止を制御するリール制御処理を行う。
リール制御処理では、主に、遊技準備状態において、スタートレバー15の押下操作に基づいて、リール3L〜3Rを所定の回転速度(例えば約80rpm)で定常回転させるリール回転制御と、ストップボタン16L〜16Rの押下操作に基づいて、定常回転中のリール3L〜3Rを内部抽選の結果に応じた態様で停止させるリール停止制御とを行うことで、リール3L〜3Rに付された図柄を変動、停止させている。リール停止制御において回転中のリール3L〜3Rの停止位置は、ストップボタン16L〜16Rの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマから4コマ(5コマ)の範囲で決定される。したがって、図2に示す各リール3L〜3Rの外周面において5コマ以内(引き込み範囲内)に配列されている図柄については、どのタイミングでストップボタンが押下されたとしても、入賞判定ラインL上に表示させることができるようになっている。したがって、ベル役1,2とリプレイ1は、各役を構成する図柄が引き込み範囲内に配置されているため、当選すれば必ず入賞させることでできるように、各役を構成する各図柄がリール3L〜3Rに配列されている。
また、遊技制御手段110は、役毎に定められた優先順位データに従って、ストップスイッチ16aが作動してストップボタン16L〜16Rの押下操作が検出された時点におけるリール3L〜3Rの位置である押下検出位置から5コマの範囲内で停止位置の候補に対して優先度を求め、最も優先度の高い候補を停止位置として決定するロジック演算処理と、ロジック演算処理の結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合に、メインメモリ200の停止制御テーブル記憶手段(図示省略)に記憶された停止制御テーブルを参照して、回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理を行う。
ロジック演算処理においては、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補について、入賞判定ラインL上に表示可能な図柄組合せの個数に応じて優先度を求める場合(個数優先処理)と、小役の配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める場合(払出優先処理)とがある。
個数優先処理の場合には、入賞判定ラインL上に表示可能な図柄組合せの個数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように、停止位置の候補についての優先度を求める。
また、払出優先処理の場合には、入賞判定ラインL上の表示位置に表示される図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求める。
本実施形態のスロットマシンSにおいて遊技制御手段110は、SB付打順小役1〜6のいずれかが当選した際、遊技状態及びストップボタン16L〜16Rの押下順序に応じてロジック演算処理(個数優先処理、払出優先処理)を切り替えて優先度を求め、停止位置を決定して入賞する役が異なるようにリール停止制御を行なっている。
例えば、遊技状態が後述する通常状態においてSB付打順小役1〜6のいずれかが当選した場合は、ストップボタン16L〜16Rの押下順序に応じて、ロジック演算処理(個数優先処理、払出優先処理)を切り替えて優先度を求め、リール停止制御を行っている。なお、前提として、小役とボーナスが同時当選した場合には、小役を入賞させる小役優先が採用されている。
図7(a)に示すように、後述する遊技状態が通常状態又はRBB内部状態において、打順小役1〜6は、予め正解押し順と不正解押し順とがそれぞれ設定されており、内部抽選で打順小役1〜6のいずれかが当選、すなわち、シングルボーナス(SB)(3種類の図柄組合せ、配当なし)、特殊小役(4種類の図柄組合せ、配当1枚)及びベル役(2種類の図柄組合せ、配当15枚)が重複して同時に当選した場合は、正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、払出優先処理が行われ、ストップボタン16L〜16Rの押下タイミングにかかわらず、より配当が高い打順正解役であるベル役1又はベル役2に係る図柄組合せが表示されるように優先度を求め、リール3L〜3Rの停止位置を決定して、ベル役1又はベル役2が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御される。
一方、不正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、個数優先処理が行われ、入賞判定ラインL上に表示可能な図柄組合せの個数が最も多い、換言すると最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを有し配当が低い特殊小役に係る図柄組合せが表示されるように優先度を求め、リール3L〜3Rの停止位置を決定して、特殊小役が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御される。
また、押下タイミングに応じて、特殊小役を入賞させることができなかった場合には、入賞判定ラインL上に表示可能な図柄組合せの個数が特殊小役の次に多いシングルボーナス(SB)に係る図柄組合せが表示されるように優先度を求め、リール3L〜3Rの停止位置を決定して、シングルボーナス(SB)が入賞するようにリール停止制御を行う。
したがって、遊技状態が通常状態又はRBB内部状態において、打順小役1〜6のいずれかが当選した際に不正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、必ず特殊小役又はシングルボーナス(SB)のいずれかが入賞するようになっている。
ここで、遊技状態が後述するRBB内部状態又はRBB中通常状態においては、シングルボーナス(SB)は抽選されないため、SB付打順小役1〜6の代わりにSB付打順小役1〜6からシングルボーナス(SB)が抽選対象から除外されたSB無し打順小役1〜6が当選するようになっている。
図7(b)に示すように、遊技状態がRBB内部状態又はRBB中通常状態においては、上述の通りシングルボーナス(SB)が抽選対象から除外されたSB無し打順小役1〜6のいずれかが当選した場合は、ロジック演算処理を払出優先処理に切り替えて、リール3L〜3Rの押し順にかかわらずメダルの払出数が最も多いベル役の図柄組合わせが表示されるように停止位置を決定し、ベル役1又は2が入賞するようにリール停止制御を行う。
したがって、遊技状態が通常状態は、SB付打順小役が当選した場合には、その1/3が正解押し順で配当が高いベル役を入賞させることができるが、2/3は不正解押し順で配当が低い特殊小役又は後述するようにボーナスとしては払出性能が低いSBが入賞するため、SB無し打順小役が当選した場合には常にベル役を入賞させることができるRBB中通常状態よりも出玉率を低く設定することができる。
(入賞判定処理)
遊技制御手段110は、リール3L〜3Rが停止制御された際の、入賞判定ラインL上に表示された図柄の組み合わせに基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。入賞判定処理では、メインメモリ200に記憶された入賞判定テーブル(図示省略)を参照して、ビッグボーナス(RBB)、レギュラーボーナス(RB)、特殊小役、ベル役、チェリー役、リプレイの入賞の有無を、図4に示す入賞役を示す図柄組合せか否かにより判定する。
本実施形態のスロットマシンSでは、入賞判定処理の判定の結果に基づいて、入賞時処理が行われる。この入賞時処理として、後述するリプレイ処理、メダルの払出処理、遊技状態移行処理が行われる。
(リプレイ処理)
遊技制御手段110は、リプレイが入賞したことに基づいて、遊技者が所持するメダル(クレジットメダルを含む)を投入せずに前回の遊技の際の投入数又はベット数と同じ枚数分のメダルを自動的に投入状態とするリプレイ処理を行う。
(払出処理)
遊技制御手段110は、小役が入賞した場合に、入賞した小役の配当(図4参照)に基づいて、メダルの払出数を決定し、決定された払出数分の枚数をホッパーユニット32に払出させる払出制御を行う。
なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、当該払出処理の代わりに、メインメモリ200のクレジットメダル記憶手段に記憶されているクレジット数(メダル情報)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行い仮想的にメダルを払出す処理を行う。
(遊技状態移行処理)
遊技制御手段110は、所定の移行条件が満たされたことに基づいて、通常状態、SB作動状態、RBB内部状態、RBB中通常状態(通常中、特定遊技状態)及びRBB中RB作動状態(シフト中、特別遊技状態)を含むRBB状態(有利遊技状態)の間でそれぞれ遊技状態を移行させる(開始させ、終了させる)遊技状態移行処理を行う。
図8に示すように、遊技状態移行制御は、初期状態である通常状態おいてビッグボーナス(RBB)の当選(RBB当選)を契機にRBB内部状態に移行させ、さらに、RBB内部状態においてビッグボーナス(RBB)の入賞(RBB入賞)を契機にRBB状態のうちのRBB中RB作動状態に移行させ、RBB中RB作動状態において所定の条件が満たされたことに基づいて、RBB状態のうちのRBB中通常状態に移行させ、RBB中通常状態においてレギュラーボーナス(RB)に当選、入賞したことに基づいてRBB中RB作動状態に移行させるようにして、RBB状態(RBB中通常状態及びRBB中RB作動状態)においてメダルの払出数の合計が予め定められた所定枚数を超えたことを契機としてRBB状態を終了させて、通常状態に移行させる制御を行う。
また、遊技状態移行制御は、シングルボーナス(SB)に当選、入賞した場合には、SB作動状態へ移行させる制御を行う。なお、シングルボーナス(SB)を抽選対象とする内部抽選は、遊技状態が通常状態又はSB作動状態でのみ行われる(図6参照)。
具体的に、通常状態では、ビッグボーナス(RBB)及びシングルボーナス(SB)が内部抽選の対象となっている内部抽選テーブル1(図6参照)に基づいて内部抽選が行われる。通常状態においてビッグボーナス(RBB)に当選することにより、遊技状態はRBB内部状態に移行し、シングルボーナス(SB)に当選することにより、遊技状態はSB作動状態に移行する。
SB作動状態では、小役のうちの共通ベルの当選確率を通常状態(SB非作動中)よりもわずかに上昇させ、シングルボーナス(SB)を含むボーナスが内部抽選の対象となっている内部抽選テーブル2(図6参照)に基づいて内部抽選が行われる。SB作動状態は1遊技で終了し、SB作動状態前の遊技状態に移行する。また上述のように、シングルボーナス(SB)は入賞を契機に(作動時)払出処理は行われない(配当は設定されていない)。このようにシングルボーナス(SB)は、SB作動中ではないSB非作動中よりも小役の当選確率を大きく上昇させたものではない(通常状態と小役の当選確率が殆ど変わらない)払出性能が低いボーナスである。
したがって、打順小役が当選した場合にはシングルボーナス(SB)よりもベル役を入賞させた方が多くのメダルを獲得することができる。
RBB内部状態では、通常状態と小役の当選確率が同じであって、通常状態よりもリプレイの当選確率を上昇させ、ビッグボーナス(RBB)及びシングルボーナス(SB)が内部抽選の対象から除外された内部抽選テーブル3(図6参照)に基づいて内部抽選が行われる。RBB内部状態においてビッグボーナス(RBB)に入賞することを契機に、遊技状態はRBB中RB作動状態に移行する。
RBB中RB作動状態(シフト中、特別遊技状態)では、共通ベル以外の役等が内部抽選の対象から除外された内部抽選テーブル5(図6参照)に基づいて内部抽選が行われる。したがって、RBB中RB作動状態は、他の遊技状態よりも小役が頻繁に当選する点で、遊技者に有利な遊技状態となっている。
RBB中RB作動状態は、ビッグボーナス(RBB)又はレギュラーボーナス(RB)に入賞したことを契機に移行する遊技状態であって、RBB中RB作動状態において、所定の終了条件、例えば、2回入賞すること又は4回遊技が行われたことを契機に、遊技状態はRBB中通常状態に移行する。
RBB中通常状態(通常中、特定遊技状態)では、レギュラーボーナス(RB)を内部抽選の対象に含み、通常状態と小役及びリプレイの当選確率が同じであって、ビッグボーナス(RBB)、シングルボーナス(SB)及び不当選が内部抽選の対象から除外される内部抽選テーブル4(図6参照)に基づいて内部抽選が行われる。
RBB中通常状態は、RBB中RB作動状態において終了条件が満たされたことを契機に移行する遊技状態であって、RBB中通常状態においてレギュラーボーナス(RB)の入賞を契機に、遊技状態はRBB中RB作動状態に移行する。
したがって、図9に示すように、RBB中通常状態(通常中)とRBB中RB作動状態(シフト中)は上述の所定枚数(例えば465枚)のメダルが払出されるまで交互に繰返し移行する。
なお、遊技制御手段110は、メインメモリ200に設定されたメインフラグ記憶手段202に、遊技状態に対応するフラグをセット又はクリアすることによって、各遊技状態を移行(設定)する制御を行っており、当該フラグに基づいて、各遊技状態において行われる内部抽選の際に参照される内部抽選テーブル1〜5が決定されるようになっている。
(サブ基板500)
サブ基板500は、メイン基板100からのコマンド信号の入力に基づいて、遊技の進行状況に応じた演出を実行するための各種の演算処理を行い、演算処理の結果に基づいて、演出装置600である演出表示装置5、スピーカ6と、演出ランプ7等(図1,3参照)による演出等の出力動作の制御を行う。
具体的に、図3に示すように、サブ基板500は、演出制御手段510と、サブメモリ590とを含んで構成されている。
ここで、サブメモリ590は、本実施形態のスロットマシンSにおける演出に係るプログラムが記憶されたROMと、サブ基板500で生成される演出に係るプログラムで使用するフラグや演算した値等の各種データが記憶されるとともに、ワークエリアとして使用されるRAMとによって構成される。具体的に、サブメモリ590は、サブ基板500に設けられた各手段がそれぞれの処理に要する情報や、処理の結果に係る情報等を記憶するためのテーブル等が設定されている。
(演出制御手段510)
演出制御手段510は、遊技の進行状況に合わせて演出を実行するために、所定の契機で複数種類の演出状態から遊技状態に応じた演出状態を設定(移行)する制御を行う。
演出状態には、通常状態に対応する通常演出状態と、RBB内部状態に対応するRBB内部演出状態と、RBB中通常状態に対応するRBB通常演出状態と、RBB中RB作動状態に対応するRBB作動演出状態等がそれぞれ設定されている。
例えば、演出制御手段510は、演出状態が通常演出状態の場合、本実施形態のスロットマシンSのキャラクタ等を用いて役の当選、入賞等を示唆したり、ビッグボーナス(RBB)当選の確定を表示する確定演出等を実行する制御を行う。
また、演出制御手段510は、演出状態がRBB内部演出状態の場合、通常演出状態とは異なる特別な演出態様で、ビッグボーナス(RBB)が入賞するまで小役等の当選の報知を優先しつつ継続的にビッグボーナス(RBB)の当選を報知し、演出状態がRBB通常演出状態の場合、レギュラーボーナス(RB)が入賞するまで小役の当選を報知し、演出状態がRBB作動演出状態の場合、通常演出状態とは異なる特別な演出態様で小役の当選等を報知するとともに、終了条件に係る情報を報知し、RBB通常演出状態及びRBB作動演出状態においてビッグボーナス(RBB)で獲得したメダルの払出数を報知する演出を実行する制御を行う。
演出制御手段510は、メイン基板100からの遊技状態等に係るコマンド信号に基づいて、サブメモリ590に設定されたサブフラグ記憶手段(図示省略)に、演出状態に対応するフラグをセット又はクリアすることによって、コマンド信号に対応した演出状態に移行(設定)する制御を行う。
演出制御手段510は、メイン基板100からの役の当選や入賞等に係るコマンド信号、及び設定されている演出状態に基づいて、演出データが記憶されているサブメモリ790の演出データ記憶領域(図示省略)を参照して、演出表示装置5を介して行う表示演出、スピーカ6を介して行う音響演出又は演出ランプ7等を介して行う照明演出に係る具体的な演出制御を行う。
(第1の実施形態のスロットマシンSの効果について)
本実施形態のスロットマシンSの効果を、以下の例として挙げる遊技機(以下、遊技機Aという)と対比して説明する。
なお、遊技機Aは、通常状態の挙動や内部抽選の態様が本実施形態のスロットマシンSと同様であるが、RBB中RB作動状態において、打順小役が当選した場合も、通常状態と同様、正解押し順でストップボタンを操作したことを条件に払出しの最も多いベル役を入賞させることができる仕様となっている。
例えば、遊技機Aにおいて、メダルの最大数が獲得されることとした型式試験を行った場合、打順小役が当選した際、1枚配当の特殊小役ではなく必ず15枚配当のベル役を入賞させるため、通常状態における払出数が大きくなる。したがって、遊技機Aは、役物以外での払出しが多くなるため役物比率が低い。
一方、遊技機Aで遊技を行う市場の遊技者(以下、単に市場という)は、通常状態において打順小役が当選した際に、毎回正解押し順でストップボタンを操作することが困難でありベル役を入賞させることができない場合が多い。したがって、遊技機Aの通常状態は、型式試験よりも市場の方が出玉率が低下するが、例えばボーナスの当選確率を高く設定して、型式試験の出玉率を高めに設計する(例えば、遊技機の設定値が1で106%)。ことにより、市場の出玉率を適正範囲(例えば設定1で96%)としている。
これにより、遊技機Aでは、市場において低ベースでかつボーナス確率の高い遊技機の設計が実現可能となる。
さらに遊技機Aは、RBB中通常状態においても払出しが見込めるため、型式試験の役物比率が低下する。
しかしながら、この場合、型式試験と市場とのRBB中通常状態のベースに差が生じるため、結果的に、市場の方が純増枚数が少ないというようにRBB全体の純増枚数に差が生じる。
これに対し、本実施形態のスロットマシンSでは、上述のようにRBB中通常状態において打順小役が当選した際に、通常状態とはリールの制御を変更して、必ずベル役を入賞させることにより、RBB中通常状態のベースを型式試験と同一とすることにより、型式試験の役物比率を更に低下させるとともに、RBBの純増の差、及びこのRBBの純増の差による市場と型式試験の出玉率の差を生じないようにすることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明のスロットマシンSに係る第2の実施形態について説明する。
本実施形態のスロットマシンSは、第1の実施形態と外観構成は同一であるが、遊技者に有利な遊技状態としてボーナス以外に後述する有利区間において発揮される後述するアシスト機能及びそれに付随する機能(チャンスゾーン)を搭載したものである。
以下に、第1の実施形態の構成要件と同一名称(符号は異なる場合がある)の構成要件について同等の機能を有する場合はその説明を省略し、主に第1の実施形態と相違する点について説明する。
図10に示すように、メイン基板300には、第1の実施形態にも設けられていた設定変更手段305、遊技制御手段310及びメインメモリ400以外に、新たにRT制御手段345、CZ管理手段350、AT管理手段355、及び有利区間管理手段360が設けられている。メインメモリ400には、第1の実施形態にも設けられていた内部抽選テーブル記憶手段401及びメインフラグ記憶手段402以外に、新たにチャンスゾーンカウンタ403、AT終了判定カウンタ404及び有利区間カウンタ405が設けられている。
本実施形態のスロットマシンSでは、設定変更手段305により定められた設定値に応じて当選確率が異なる小役及びボーナスが設けられている。
また、設定変更手段305により設定値を変更した場合、遊技状態、演出状態、各種カウンタ(遊技回数を計数するものを含む)等が初期化されるようになっている。
(内部抽選)
図11,12に示すように、本実施形態では、遊技制御手段310による内部抽選の対象となる役として、第1ビッグボーナス(RBB1、特定遊技)、第2ビッグボーナス(RBB2、特定遊技)、レギュラーボーナス(RB)、シングルボーナス(SB)、リプレイ1〜5、ベル役(通常役)1,2、チェリー役1,2、特殊小役1〜8がそれぞれ設定されており、一部の役についての種類の数や図柄組合せが第1の実施形態とは異なる。具体的には、ビッグボーナス(RBB)が2種類、リプレイが5種類、シングルボーナス(SB)が1種類設定されている。なお、特殊小役を入賞させることができない場合には、RT変動ブランクが表示されるようになっている。
具体的に、図11に示すように、ビッグボーナスは、「R7・R7・R7」の図柄組み合わせからなりスロットマシンSの設定値に応じて当選確率が変動しない第1ビッグボーナス(RBB1)と、「W7・W7・W7」の図柄組み合わせからなりスロットマシンSの設定値に応じて当選確率が変動する第2ビッグボーナス(RBB2)とから構成される。なお、第2ビッグボーナス(RBB2)は、スロットマシンSの設定値が高いほど、当選確率が高くなるように設定されている。
シングルボーナス(SB、特殊役)は、「R7・BR1・CH」の図柄組合せからなっている。
また、リプレイは、左リール3Lにおいてはベル図柄(BL)又はリプレイ図柄(RP1)が表示され、中リール3C又は右リール3Rにおいてはリプレイ図柄(RP1又はRP2)又はベル図柄(BL)のいずれかが表示される図柄組合せ(RBの図柄組合せである「BL・BL・リプレイ図柄(RP1又はRP2)」を除く)からなるリプレイ1〜5から構成される。
RT変動ブランクは、「リプレイ図柄(RP1)・リプレイ図柄(RP1又はRP2)・BAR図柄(BR2)」の図柄組合せからなっている。なお、RT変動ブランクは役ではないため配当が設定されていない。
なお、図12に示すチェリー役(特別役)1,2を含んで構成されるチェリーは、スロットマシンSの設定値に応じて当選確率が変動しない当選態様である。
図13に示すように、小役の当選態様である「打順小役」は、1回の内部抽選で、複数種類(例えば4種類)の特殊小役とベル役(例えば1種類)とがそれぞれの組み合わせが異なるように重複して当選する態様となっている。また、「チェリー」はチェリー役(特別役)1,2が重複して当選する態様となっており、「SB付特別役」はチェリーとベル役1(通常役)とシングルボーナス(SB、特殊役)とが重複して当選する態様、「SB無し特別役」はチェリーとベル役1とが重複して当選する態様となっている。
またリプレイ1〜5の組合せから構成されるリプレイの当選態様として、通常リプレイ1,2と打順リプレイ1〜6とが設定されている。
図13に示すように、通常リプレイ1はリプレイ1とリプレイ4、通常リプレイ2はリプレイ1とリプレイ5の組み合わせが重複して当選する態様となっており、打順リプレイ1〜3は、リプレイ1,2を含む複数のリプレイが、打順リプレイ4〜6は、リプレイ1及び3を含む複数のリプレイが、それぞれの組み合わせが異なるように重複して当選する態様となっている。
内部抽選テーブル記憶手段401には内部抽選テーブル6〜13が設定されている。
図14,15に示すように、小役の当選態様として共通ベルが内部抽選テーブル6〜13に設定されており、打順小役1〜6及びSB付特別役が内部抽選テーブル6〜11,13に設定されている。小役の当選確率は、内部抽選テーブル6〜11において同一であり、内部抽選テーブル13は内部抽選テーブル6〜11よりも僅かに高く設定されており、内部抽選テーブル12は最も高く(共通ベルが確実に当選するように)設定されている。
リプレイの当選確率は、内部抽選テーブル6,7,11,13において同一に設定されており、内部抽選テーブル6,7,11,13よりも内部抽選テーブル8〜10が(内部抽選テーブル10<内部抽選テーブル8<内部抽選テーブル9の順で)それぞれ高くなるように設定されているが、内部抽選テーブル12ではリプレイが内部抽選の対象から除外されている。
また、第1ビッグボーナス(RBB1)及び第2ビッグボーナス(RBB2)及びシングルボーナス(SB)は、内部抽選テーブル6〜9,13にそれぞれ設定されているが、内部抽選テーブル10〜12のいずれにも設定されていない。
(リール停止制御)
遊技制御手段310は、役の当選態様等に応じて払出優先処理又は個数優先処理に基づいてリール3L〜3Rの停止位置の候補についての優先度を求め、当該優先度に基づいてリール3L〜3Rに対するリール停止制御を行う。
具体的に、図16に示すように、内部抽選で打順小役に当選した際、正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には払出優先処理が行われ、ストップボタン16L〜16Rの押下タイミングに関わらず重複して当選した他の役よりも配当(払出数)多いベル役1又はベル役2が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御され、不正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には個数優先処理が行われ、ストップボタン16L〜16Rの押下タイミングに応じて重複して当選した他の役よりも図柄組合せの個数が多い特殊小役が入賞したり、特殊小役が入賞させることができない場合にはRT変動ブランクが表示されるようにリール3L〜3Rが停止制御される。
上述のように、ベル役は、特殊小役よりも配当が多く設定されているため、遊技者は、打順小役当選時に正解押し順でストップボタン16L〜16Rを押下操作することによって、不正解押し順で操作した場合よりもメダルを多く獲得することができるようになっている。一方、RT変動ブランクが表示されると、後述するRT状態が比較的良い状態から悪い状態へ転落するようになっている。
また、内部抽選でSB付特別役に当選した場合は、遊技状態、ストップボタン16L〜16Rの押し順や押下タイミングに応じてチェリー役1,2又はベル役1等が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御される。
これは、シングルボーナス(SB)を内部抽選の対象から除外した第1ビッグボーナス(RBB1)又は第2ビッグボーナス(RBB2)におけるRBB内部状態及びRBB中通常状態(特定遊技状態)と、シングルボーナス(SB)を内部抽選の対象とする通常状態及びSB作動状態とにおいて、SB付特別役が当選した際のリール停止制御を異なる態様で行うことにより、入賞役を互いに異ならせるようにしているものである。
具体的には、図16に示すように、遊技状態が通常状態又はSB作動状態において、内部抽選でSB付特別役に当選した際、チェリー役に係る図柄がリール3L〜3Rの引き込み範囲内にあるときであって、左1st(押し順1又は押し順2)でストップボタン16L〜16Rを押下操作した場合には、チェリー役が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御され、チェリー役に係る図柄がリール3L〜3Rの引き込み範囲外にあるときにストップボタン16L〜16Rを押下操作した場合には、ベル役2が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御され、中1st(押し順3又は4)又は右1st(押し順5又は6)でストップボタン16L〜16Rを押下操作した場合には、ベル役に係る図柄以外の図柄を優先的に停止させ、シングルボーナス(SB)に係る図柄が引き込み範囲内にある場合には、優先してシングルボーナス(SB)が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御される。
このように、チェリー役を入賞させるようにすることにより、遊技者に対して、チェリー役が後述するAT状態に係る処理(AT抽選等)の実行契機役であるという印象を付けることができる。
ここで、遊技状態がRBB内部状態又はRBB中通常状態においては、シングルボーナス(SB)は抽選されないため、SB付特別役の代わりにSB付特別役からシングルボーナス(SB)が抽選対象から除外されたSB無し特別役が当選するようになっている。
一方、図16に示すように、遊技状態がRBB内部状態又はRBB中通常状態(特定遊技状態)においては、上述の通りシングルボーナス(SB)が抽選対象から除外されたSB無し特別役が当選した(チェリー役1,2(チェリー)とベル役1が重複して当選する当選態様となった)場合は、通常状態又はSB作動状態におけるSB付特別役に当選した場合のリール3L〜3Rの停止制御を変更して、ストップボタン16L〜16Rの押し順や押下タイミングにかかわらず必ずベル役1(通常役)が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御される。
なお、ベル役とチェリー役の配当は同じであるため、このように遊技状態に応じて入賞役を変更することによる払出数の変動はない(変則押し順(中1st、右1st)の場合を除く)。
また、図17に示すように、内部抽選で打順リプレイ1〜3のいずれかが当選した際、正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、リプレイ2(昇格リプレイ)が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御され、不正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、リプレイ1(維持リプレイ)が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御される。
また、内部抽選で、打順リプレイ4〜6のいずれかが当選した際、正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、リプレイ3(昇格リプレイ)が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御され、不正解押し順でストップボタン16L〜16Rが押下操作された場合には、リプレイ1(維持リプレイ)が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御される。
なお、通常リプレイ1,2のいずれかが当選した際には、押し順にかかわらずリプレイ1が入賞するようにリール3L〜3Rが停止制御される。
(遊技状態)
遊技状態が通常状態においては、内部抽選テーブル6〜9のうち、後述するリプレイタイム状態に応じた一の内部抽選テーブルを参照した内部抽選が行われる。
RBB内部状態では、通常状態と小役の当選確率が同じであって、通常状態よりもリプレイの当選確率を上昇させ、ビッグボーナス(RBB)及びシングルボーナス(SB)が内部抽選の対象から除外された内部抽選テーブル10(図15参照)に基づく内部抽選が行われる。
RBB状態のうちのRBB中通常状態(通常中、特定遊技状態)では、レギュラーボーナス(RB)を内部抽選の対象に含み、通常状態と小役及びリプレイの当選確率が同じであって、ビッグボーナス(RBB)、シングルボーナス(SB)及び不当選が内部抽選の対象から除外される内部抽選テーブル11(図15参照)に基づく内部抽選が行われる。
RBB状態のうちのRBB中RB作動状態(シフト中、特別遊技状態)では、共通ベル以外の役等が内部抽選の対象から除外された内部抽選テーブル12(図15参照)に基づく内部抽選が行われる。
SB作動状態では、小役の当選確率を通常状態よりもわずかに上昇させ、シングルボーナス(SB)を含むボーナスが内部抽選の対象となっている内部抽選テーブル13(図15参照)に基づく内部抽選が行われる。
次にメイン基板300に設けられている新たな構成要素(手段)について説明する。
(RT制御手段345)
RT制御手段345は、所定の移行条件の成立に基づいて、遊技状態が通常状態において、非RT状態、RT1状態、RT2状態、及びRT3状態の間でそれぞれリプレイタイム状態(以下、RT状態という)を移行させる(開始させ、終了させる)RT移行制御を行う。各RT状態では、リプレイの当選確率が互いに異なる場合があるように設定されたり、内部抽選の対象となるリプレイの種類が異なる場合があるように設定されている。
図18に示すように、RT移行制御では、非RT状態を初期状態として、非RT状態においてRT変動ブランクが表示されたことを契機にRT1状態へ移行させ、RT1状態においてリプレイ2に入賞したことを契機にRT2状態へ移行させ、RT2状態においてリプレイ3に入賞したことを契機にリプレイの当選確率が最も高いRT3状態へ移行させる制御を行う。
また、RT移行制御では、RT2状態及びRT3状態において、RT変動ブランクが表示されたことを契機にRT1状態へ移行させ、RT1状態、RT2状態及びRT3状態において、特殊小役が入賞したことを契機に非RT状態へ移行させる制御を行う。また、RBB中RB作動状態終了後も非RT状態へ移行させる制御を行う。
具体的に、非RT状態では、リプレイの当選態様として通常リプレイ1,2が設定され、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定された内部抽選テーブル6(図14参照)に基づく内部抽選が行われる。
RT1状態では、リプレイの当選態様として打順リプレイ1〜3が設定され、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定された内部抽選テーブル7(図14参照)に基づく内部抽選が行われる。
RT2状態では、リプレイの当選態様として打順リプレイ4〜6が設定され、リプレイの当選確率が約1/2.5に設定された内部抽選テーブル8(図14参照)に基づく内部抽選が行われる。
RT3状態では、リプレイの当選態様として通常リプレイ1,2が設定され、リプレイの当選確率が約1/2.0に設定された内部抽選テーブル9(図14参照)に基づく内部抽選が行われる。
(チャンスゾーン管理手段350)
チャンスゾーン管理手段(以下CZ管理手段ともいう)350は、後述する有利区間において実行されうるAT抽選の当選確率が上昇するチャンスゾーン状態(以下、CZ状態という)を管理する。
CZ状態では、抽選条件である内部抽選の当選態様であるSB付特別役の当選に基づくAT抽選の当選確率が、N倍(例えば2倍)に上昇し、その他の役(例えばベル役やリプレイ)でもAT抽選を行うことができるように設定されており、通常状態(非CZ状態)よりも後述するAT状態に移行し易い遊技者に有利な有利遊技状態となっている。
CZ管理手段350は、遊技状態が通常状態(非CZ状態)において、SB付特別役の当選を契機に、CZ状態に移行する(当選)か否(非当選)かを決定するためのチャンスゾーン抽選(以下CZ抽選という)を、メインメモリ400に記憶されたCZ抽選テーブル(図示省略)を参照して行う。なお、CZ抽選は、RBB内部状態又はRBB中通常状態においてSB付特別役の当選した場合には実行されることはない。
CZ管理手段350は、CZ抽選の当選に基づいて、有利区間への移行とともに又は有利区間中に、遊技状態をCZ状態に移行(設定)し、チャンスゾーンカウンタ403に例えば「20」をセットし、CZ状態に係る遊技(CZ遊技)を開始して、CZ遊技が行われる毎にチャンスゾーンカウンタ403のカウント値をデクリメントする処理を行う。CZ管理手段350は、終了条件として、チャンスゾーンカウンタ403のカウント値が「0」となったことを契機に、CZ遊技を終了させてCZ状態移行前の遊技状態へ復帰させる制御を行う。
CZ管理手段350は、メインメモリ400のメインフラグ記憶手段402に対するCZフラグのセット及びクリアにより、CZ状態及び非CZ状態の切替え(CZ状態の開始及び終了)を行う。
(AT管理手段355)
AT管理手段355は、AT準備状態やAT状態(アシストタイム状態、有利遊技状態、特殊遊技状態)に係る管理を行う。
ここでアシスト機能が発揮されたAT準備状態及びAT状態は、打順小役や打順リプレイに当選した遊技において、第1特別演出又は第2特別演出を実行して正解押し順を報知することによって、重複して当選している特殊小役よりも配当が高いベル役の入賞を容易とするとともに、リプレイの当選確率を上昇させ、高確率に維持されるため、メダルを消費し難く、かつメダルを獲得し易い遊技者に有利な有利遊技状態となっている。
ここで、本実施形態のアシスト機能は、後述するように特別演出の実行により、出玉率に変化を与え得るものであるため、役物にとして取り扱われ、また、遊技上の規則では、スロットマシンSの設定値に応じて当選確率が変動するボーナスに係る状態において、ATに係る処理(後述するAT抽選等)は制限されている。
したがって、上述の第2ビッグボーナス(RBB2)は、スロットマシンSの設定値に応じて当選確率が変動するボーナスであるため、当該ボーナスの当選〜終了まで(RBB2に係る状態において)は、アシスト機能に係る処理は制限される。
AT管理手段355は、第2ビッグボーナス(RBB2)に係る状態を除く非AT状態かつ非ボーナス状態(例えば通常状態)において、抽選条件である内部抽選の当選態様であるチェリーを含むSB付特別役の当選を契機に、非AT状態からAT準備状態に移行させる(当選)か否(非当選)かを決定するためのAT抽選(特殊遊技状態に係る処理)を行う。なお、AT抽選は、RBB内部状態又はRBB中通常状態においてSB無し特別役の当選した場合には実行されることはない。
ここで、AT準備状態は、遊技状態をAT状態へ移行するためのAT状態の直前の遊技状態であって、打順リプレイが当選した遊技において、第2特別演出として、正解押し順を報知することによって、昇格リプレイ(リプレイ2や3)の入賞を補助して、上述のRT状態をRT3状態へ移行させ易い状態となっている。
また、AT準備状態では、AT状態と同様、打順小役に当選した遊技において、ベル役を入賞させ易いように、第1特別演出を行うようになっているが、AT準備状態における非RT状態においては、RT3状態へ誘導するために、まずRT1状態へ移行させるべくRT変動ブランクを表示させる必要がある。したがって、非RT状態においては、不正解押し順でリール3L〜3Rを停止させ、RT変動ブランクが表示されるようにするために、第1特別演出を行わない(正解押し順を報知しない)ように演出が制限されている。なお、AT状態において押し順ミス等で不正解押し順で操作したことにより非RT状態となった場合にも同様の処理が行われる。
具体的に、AT管理手段355は、AT準備状態において、RT状態がRT1状態の場合には、打順リプレイ1〜3が当選した際にリプレイ2(昇格リプレイ)を入賞させることができるように、また、RT2状態の場合には打順リプレイ4〜6が当選した際にリプレイ3(昇格リプレイ)を入賞させることができるように、正解押し順を報知(第2特別演出を実行)させるためのコマンド信号を、後述するサブ基板700の演出制御手段710に送信する。これにより、RT状態をRT3状態に誘導させるようになっている。
AT管理手段355は、メインメモリ400のメインフラグ記憶手段402に対するATフラグのセット及びクリアにより、AT状態及びAT準備状態と非AT状態の切替え、換言するとAT準備状態を開始、及びAT状態を終了させる制御を行う。
AT管理手段355は、ATフラグをセットして遊技状態をAT準備状態とし、RT状態がRT3状態へ移行したことに基づいて遊技状態をAT準備状態からAT状態へ移行させる(AT遊技を開始する)。
AT管理手段355は、AT準備状態に移行後の所定の契機(例えばAT遊技開始ゲーム)で、AT遊技の初期遊技回数を決定するために、メインメモリ400に記憶されている初期回数テーブル(図示省略)を参照して初期回数抽選を行い、AT遊技を開始する際に、初期回数抽選により決定した初期遊技回数に対応する値(例えば「50」)をメインメモリ400に記憶されたAT終了判定カウンタ404のカウント値に設定する。
AT管理手段355は、AT遊技開始ゲームから、AT遊技が行われる毎にAT終了判定カウンタ404のカウント値をデクリメントする処理を行う。そして、AT管理手段355は、AT終了判定カウンタ404のカウント値が「0」に達したことに基づいて、ATフラグをクリアしてAT状態を終了させてAT遊技を終了させる。
このようにAT遊技は、AT遊技開始から、初期回数抽選により決定した初期遊技回数(後述する上乗せ抽選に当選した場合には上乗せ処理された遊技を含む)を消化して終了するまでを1セットとして管理されている。
なお、AT管理手段355は、AT状態において第1ビッグボーナス(RBB1)又は第2ビッグボーナス(RBB2)が入賞した場合にはAT状態を一旦終了(中断)させる。この場合、AT状態終了前のAT終了判定カウンタ404の値を持ち越すようにして、第1ビッグボーナス(RBB1)又は第2ビッグボーナス(RBB2)終了後に再びAT準備状態を経てAT遊技を開始させ、残りのカウント値分の遊技回数を行うことが可能となっている。但し、第1ビッグボーナス(RBB1)又は第2ビッグボーナス(RBB2)中に後述する有利区間が終了した場合は、後述の初期化処理としてATフラグはクリアされるため、第1ビッグボーナス(RBB1)又は第2ビッグボーナス(RBB2)終了後、AT遊技は再び行われることなく終了する。
AT管理手段355は、後述する有利区間におけるAT準備状態又はAT状態において、AT遊技回数を上乗せするために、チェリーを含むSB付特別役や第1ビッグボーナス(RBB1)の当選を契機に、メインメモリ400に設定された上乗せ抽選テーブル(図示省略)を参照して上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選した値をAT終了判定カウンタ404のカウント値に加算する上乗せ処理を行う。
また、AT管理手段355は、後述する有利区間におけるAT準備状態又はAT状態において、セット数を上乗せするために、チェリーを含むSB付特別役や第1ビッグボーナス(RBB1)の当選を契機に、メインメモリ400に設定されたセット数抽選テーブル(図示省略)を参照してセット単位でAT遊技を増加させるセット数抽選を行い、セット数抽選に当選したセット値を、メインメモリ400に設定されたセット数記憶手段(図示省略)に加算するセット数加算処理を行う。
なお、上乗せ抽選及びセット数抽選は、SB作動状態時にSB付特別役に当選した場合であっても実行される。
AT管理手段355は、AT終了判定カウンタ404のカウント値が「0」に達した際に、セット数記憶手段に記憶されたセット値の有無を判断し、セット値が「1」以上と判断した場合には、セット数記憶手段からセット値をデクリメントするとともに、初期回数抽選を行い、初期回数抽選により決定した初期遊技回数に対応する値(例えば「50」)をAT終了判定カウンタ404のカウント値に設定する。
AT管理手段355は、後述する演出制御手段710がAT状態に係る演出を行うために必要なコマンド信号を適時にサブ基板700へ送信する。
(有利区間制御手段360)
有利区間制御手段360は、AT状態やCZ状態への移行の条件となる有利区間を管理し、有利区間と、有利区間ではない通常区間(非有利区間)及び内部中待機区間とを設定可能としている。有利区間制御手段360は、メインメモリ400に設定されているメインフラグ記憶手段402に有利フラグをセットすることによって有利区間を設定し、有利フラグをクリアすることによって、状況に応じて通常区間や内部中待機区間に設定している。
有利区間制御手段360は、有利フラグをセットしていない通常区間で上述のAT抽選やCZ抽選に当選したことを契機に、これらの抽選に当選した次の遊技において有利フラグをセットして有利区間を開始させる制御を行う。この通常区間は、遊技状態がAT状態(AT準備状態)に移行することが制限されているため、非AT状態が維持される。
また、有利区間制御手段360は、第1ビッグボーナス(RBB1)の当選を契機にAT抽選やCZ抽選に当選した場合には、通常フラグを維持して、非有利区間として、便宜上、内部中待機区間を設定(開始)する。この内部中待機区間は、RBB内部状態と並行して設定される有利区間への移行(設定)が制限される区間であって、当該区間で遊技を行っても後述する有利区間カウンタ405のカウント値に対するインクリメントは停止制御されるようになっている(開始されない)。
有利区間制御手段360は、内部中待機区間であるRBB内部状態において第1ビッグボーナス(RBB1)に入賞したことに基づいて、メインフラグ記憶手段402に有利フラグをセットして有利区間(開始)を設定する。この有利区間は、AT状態やCZ状態へ移行可能な区間であって、具体的には、第1特別演出や第2特別演出等の有利な役(例えばメダルの払出しが多い役)の入賞を容易とする指示演出を行ったり、上乗せ抽選やセット数抽選を行うことができる期間である。
本実施形態のスロットマシンSでは、有利フラグをクリアして有利区間が終了したことを契機に、スロットマシンSの設定値を変更した場合と同様、遊技状態、演出状態、各種カウンタ(遊技回数を計数するものを含む)等が初期化される初期化処理が行われる。具体的には、遊技状態は通常状態、通常区間、演出状態は通常演出状態、各種カウンタのカウント値は「0」に設定される。したがって、たとえAT状態やCZ状態において残り遊技回数がある場合であっても、AT状態やCZ状態は強制的に終了する。
具体的には、有利区間制御手段160が有利フラグをクリアすると、AT状態においては、ATフラグやAT終了判定カウンタ204のカウント値はクリア(初期化)され、CZ状態においては、CZフラグやチャンスゾーンカウンタ203のカウント値はクリア(初期化)され、演出状態が通常演出状態へ移行する。
有利区間制御手段360は、以下の終了条件を満たした場合に有利フラグをクリアして有利区間を終了させるように管理している。
有利区間の終了条件は2つ設定されており、第1の終了条件として、有利区間の遊技回数をカウントして、所定回数(例えば1500G)に到達した場合に、有利フラグをクリアして有利区間を解除(終了)して通常区間を設定(開始)する。具体的には、有利区間制御手段360は、有利区間において1遊技が行われる毎にメインメモリ400に設定されている有利区間カウンタ405(初期値=0)のカウント値をインクリメントする処理を行う。そして、所定の閾値(例えば1500)に達したことに基づいて、有利区間制御手段360は、有利フラグをクリアして有利区間を解除(終了)して通常区間を設定(開始)する。
また、上記の所定の遊技回数の到達以外で有利区間を終了させるためには、第2の終了条件として、打順小役1〜6のいずれかが当選した際に、重複して当選する小役のうち最大払出しに係る役であるベル役を入賞させるように、第1特別演出が1回以上行われる必要がある。ただし、有利区間においてビッグボーナス(RBB)やレギュラーボーナス(RB)に入賞した場合には、第2の終了条件が満たされ、第1特別演出を行うことなく有利区間を終了させることができる。
したがって、有利区間制御手段360は、有利区間における非AT状態(例えばCZ状態)において打順小役が当選した際に、サブ基板700に対して当選した打順小役に係るコマンド情報を少なくとも1回送信して、演出装置600に第1特別演出を行わせる指示制御を行う。
有利区間制御手段360は、当該指示制御の実行又はビッグボーナス(RBB)若しくはレギュラーボーナス(RB)の入賞(以下、指示制御等という)を契機に、メインフラグ記憶手段402に終了条件を満たしたことを示す指示制御フラグをセットする。
有利区間制御手段360は、指示制御フラグがセットされている際に有利区間においてCZ状態が終了した場合は、有利フラグをクリアして有利区間を解除(終了)し、通常区間を設定(開始)する。なお、CZ状態において、指示制御フラグがセットされていない状態でCZ状態の終了条件が満たされた場合は、CZ状態は維持され指示制御フラグが設定された後に、有利フラグをクリアして有利区間を解除(終了)し、CZ状態を終了し、通常区間を設定(開始)する。
有利区間制御手段360は、指示制御フラグがセットされている有利区間においてAT状態が終了した場合は、有利フラグをクリアして有利区間を解除(終了)し、通常区間を設定(開始)する。
次に図10に示すサブ基板700について説明する。
演出制御手段710は、演出状態が通常演出状態の場合、役の当選、入賞等を示唆する等の演出以外に、上述のCZ抽選やAT抽選等に当選したことを示唆する前兆演出をさらに行う。
具体的に、演出制御手段710は、遊技状態が通常状態又は有利区間でSBが入賞したことによるSB作動状態において、SB付特別役が当選した場合には、チェリーをAT状態に係る処理(AT抽選等)の実行契機役であるという印象を付けるためチェリー役1又はチェリー役2が当選したことを示唆する演出制御を行い、遊技状態がRBB内部状態又はRBB中通常状態においてSB無し特別役が当選した場合には、ベル役1が当選したことを示唆する演出制御を行う。これにより、SB付特別役が当選した際に、ストップボタン16L〜16Rの押し順や押下タイミングによって、チェリーを入賞させることができなかった場合であっても、チェリーが当選したことを遊技者が認識することができる。
演出制御手段710が管理する演出状態には、通常状態やボーナスに対応する演出状態の他に、CZ状態に対応するCZ演出状態と、AT準備状態に対応するAT準備演出状態と、AT状態に対応するAT演出状態等がそれぞれ設定されている。
演出制御手段710は、演出状態がCZ演出状態の場合、AT抽選の当選確率が高いことを示唆する特殊演出を実行するとともに、CZ遊技の残り遊技回数を示唆する演出を実行する制御を行う。
また、演出制御手段710は、演出状態がAT準備演出状態の場合、上述のようにRT状態をRT3状態へ誘導させるように、メイン基板300からの打順リプレイの当選に係るコマンド信号に基づいて、当選した打順リプレイに係る正解押し順(昇格リプレイを入賞させることができるストップボタン16L〜16Rの押し順)を演出装置600である演出表示装置5やスピーカ6や演出ランプ7に報知させる第2特別演出を行う。
また、演出制御手段710は、演出状態がAT準備演出状態の場合であってRT状態が非RT状態ではない場合には、メイン基板300からの打順小役の当選に係るコマンド信号に基づいて、当選した打順小役に係る正解押し順(ベル役を入賞させることができるストップボタン16L〜16Rの押し順)を演出装置600である演出表示装置5やスピーカ6や演出ランプ7に報知させる第1特別演出を行う。
一方、演出制御手段710は、演出状態がAT準備演出状態の場合であってもRT状態が非RT状態においては、打順小役が当選したとしても、RT状態を昇格させるために打順小役のはずれ表示(不正解押し順時に表示されるもの)であるRT変動ブランクを表示させるべく、正解押し順を報知させる第1特別演出を行わない。
演出制御手段710は、演出状態がAT演出状態の場合、AT準備演出状態と同様、メイン基板300からのコマンド信号に基づいて当選した打順小役に係る第1特別演出を行うが、RT状態がRT3状態であり、RT3状態に対応する内部抽選テーブル4はリプレイとして押し順に依存しない通常リプレイ1,2が設定されているため第2特別演出は行わない。
また、演出制御手段710は、通常演出状態と同様、特別演出以外にもリプレイ、小役又はビッグボーナスの当選を示唆する演出、AT遊技の残り遊技回数等を実行する制御を行う。
また、演出制御手段710は、AT演出状態では、初期回数抽選により決定した初期遊技回数、上乗せ抽選、セット数抽選等に当選した旨を演出表示装置5に表示させる制御を行う。
(第2の実施形態のスロットマシンSにおけるSB付特別役当選時の一連の処理について)
遊技状態が通常状態又は有利区間でSBが入賞したことによるSB作動状態において、内部抽選でSB付特別役が当選した場合には、遊技制御手段310は、チェリーを契機役として印象付けるためチェリー役1又はチェリー役2を入賞させるようにリール停止制御を行い、演出制御手段710は、契機役であるチェリー役1又は2が当選したことを示唆する演出制御を行う。
また、遊技状態がRBB内部状態又はRBB中通常状態において、内部抽選でSB付特別役が当選した場合には、遊技制御手段310は、ベル役1を入賞させるようにリール停止制御を行い、演出制御手段710は、ベル役1が当選したことを示唆する演出制御を行う。
これにより、ATに係る処理(AT抽選等)が制限されていない通常状態又は有利区間でSBが入賞したことによるSB作動状態において、SB付特別役に当選した場合には、当選確率が低いチェリー役をAT抽選等の契機役として印象付けるために当該チェリー役が当選した旨を報知するとともに、チェリー役を入賞(表示)させるが、ATに係る処理(後述するAT抽選等)は制限されている第2ビッグボーナス(RBB2)に係る状態(RBB内部状態又はRBB中通常状態)においては、AT抽選等の契機役であるチェリー役を入賞(表示)させずに、ベル役が当選した旨を報知するとともに、ベル役を入賞させることにより、第2ビッグボーナス(RBB2)に係る状態において、当選確率が低いのにもかかわらずAT抽選等の契機役として印象付けたチェリー役が当選したことによる喪失感(いわゆる無駄引き感)を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、これらの実施形態に対して、次のような変形や変更を施すことが可能である。また、上記の本発明の一実施形態、及び下記変形例におけるそれぞれの構成部材や処理や条件等を適宜組み合わせることが可能である。
(変形例1)
上述の実施形態では、遊技制御手段110,310が、メダル受付処理、内部抽選、リール制御処理、入賞判定処理、リプレイ処理、払出処理、遊技状態移行処理等を行っているが、それに限定されず、処理毎に手段を対応するように設けてもよい。例えば、メダル受付処理は投入受付手段が行い、内部抽選は内部抽選手段が行い、リール制御処理はリール制御手段が行い、入賞判定処理は入賞判定手段が行い、リプレイ処理はリプレイ処理手段が行い、払出処理は払出制御手段が行い、遊技状態移行処理は遊技状態制御手段が行うようにする。
(変形例2)
上述の実施形態では、RBB中RB作動状態(特別遊技状態)においては、共通ベルが必ず当選するように設定されているが、それに限定されず、SB付打順小役やSB付特別役を内部抽選の対象とするようにして、RBB中RB作動状態において、例えば通常状態で当選した場合に入賞する役(例えば特殊小役又はSB)と異なる役(例えばベル役)を入賞させるようにしてもよい。
(変形例3)
上述の実施形態では、メイン基板100,300とサブ基板500,700とを分けてスロットマシンSを制御しているが、メイン基板100,300及びサブ基板500,700の機能を一つにまとめた単一の制御基板で制御するようにしてもよい。
(変形例4)
第1の実施形態では、遊技状態が通常状態においてSB付打順小役1〜6のいずれかが当選した場合は、払出性能が低い特殊小役又はSBのいずれかが入賞するようにリール停止制御を行い、また、RBB中通常状態においてSB付打順小役1〜6のいずれかが当選した場合は、払出性能が高いベル役が入賞するようにリール停止制御を行うようになっているが、これに限定されず、通常状態においては払出性能が高い役が入賞するように、RBB中通常状態等のRBB状態においては払出性能が低い役が入賞するようにリール停止制御を行うようにしてもよい。
(変形例5)
第2の実施形態では、AT遊技は終期を遊技回数で管理されているが、それに限定されるものではなく、例えば、メダルの払出数で管理するようにしてもよい。その場合、遊技回数に係る抽選に代えて、払出数に係る抽選を行うようにし、演出状態がAT演出状態の場合には、残りの可能払出数について報知する演出を行うようにする。
(変形例6)
第2の実施形態では、AT管理手段355は、有利区間におけるAT準備状態又はAT状態において、チェリーを含むSB付特別役や第1ビッグボーナス(RBB1)の当選を契機に、上乗せ抽選やセット数抽選を行っているが、それに限定されるものではない。
例えば、第1ビッグボーナス(RBB1)は、他の役と重複せずに単一で当選する当選態様となっており、かつ全設定値で同一の当選確率であるため、AT状態に係る処理は可能である。したがって、有利区間におけるAT準備状態又はAT状態で、かつ遊技状態が第1ビッグボーナス(RBB1)におけるRBB中通常状態においても、SB無し特別役の当選を契機に、上乗せ抽選やセット数抽選を行うようにしてもよい。
(変形例7)
第2の実施形態では、第2ビッグボーナス(RBB2)は、設定値に応じて当選確率が変動するボーナスであるため、当該ボーナスの当選〜終了まで(RBB2に係る状態において)は、アシスト機能に係る処理(例えばAT抽選や上乗せ抽選等)は制限されるようになっており、第1ビッグボーナス(RBB1)は、そのような制限が課されないように設定されているが、それに限定されるものではない。
例えば、第1ビッグボーナス(RBB1)を他の役と重複して当選させる新たな当選態様として設定するとともに、当該当選態様をスロットマシンSの設定値に応じて変化させるようにすることにより、当該第1ビッグボーナス(RBB1)を含む当選態様となった場合には、当該第1ビッグボーナス(RBB1)の当選〜終了までアシスト機能に係る処理を制限するようにしてもよい。