JP5126410B2 - 火花点火式内燃機関 - Google Patents

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、特開2007−303423号公報において、機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と、吸気弁の閉弁時期を変更可能な可変バルブタイミング機構とを具備し、機関低負荷運転時には機関高負荷運転時に比べて機械圧縮比を高くして膨張比を20以上とする火花点火式内燃機関を提案している。
斯かる火花点火式内燃機関では、機関低負荷運転時には機械圧縮比(膨張比)を20以上とすると共に吸気弁の閉弁時期を吸気下死点から離れた時期とすることで機械圧縮比に対して実圧縮比を比較的低く維持し、実圧縮比が高くなることによるノッキングの発生を抑制しつつ、極めて高い熱効率を実現している。
ところで、特開2007−303423号公報に記載されたような可変圧縮比機構を用いた場合、機械圧縮比が高くなるほど、ピストンが上死点にある時の燃焼室容積が小さくなり、したがってサーフェイスボリュームレシオ(燃焼室の表面積と容積との比。以下、「S/V比」という)が大きくなる。このようにS/V比が大きくなると、クエンチ領域(消炎領域。燃焼室の壁面近くなどで火炎が到達し得ない領域)が相対的に大きくなる。このクエンチ領域内に含まれていた混合気中のHCは、燃焼室内の混合気が燃焼しても火炎が到達しないことから、燃焼しない。一方で、このクエンチ領域内に含まれていた混合気中のHCは、混合気の燃焼に伴って高温に曝されることから、一部が水素(H)に変換される。すなわち、可変圧縮比機構を用いて機械圧縮比を高めるとS/V比が増大し、これにより排気ガス中のHが増大することになる。
一方、多くの内燃機関では、燃焼の効率化及び排気エミッションの向上を目的として、燃焼室内に供給される混合気の空燃比を目標空燃比(例えば、理論空燃比)に維持すべく、酸素センサや空燃比センサを用いている。ところが、酸素センサや空燃比センサは、Hに対する感度が高く、Hの発生量が多くなると出力値がリッチ側にずれてしまう傾向にある。
特に、上述したような機械圧縮比が20以上となるような火花点火式内燃機関では、S/V比が極端に大きくなり、これに伴って燃焼室から排出されるHの量も多くなる。このため、酸素センサや空燃比センサの出力値が無視できない程度に大きくリッチ側にずれてしまい、排気ガス中の酸素濃度等を正確に検出することができなくなってしまう。この結果、空燃比を適切に制御することができなくなり、燃焼効率の悪化や排気エミッションの悪化を招いてしまう場合がある。
【発明の開示】
【0003】
そこで、上記問題に鑑みて、本発明の目的は、S/V比の増大に伴って排気ガス中の水素濃度が増大しても、内燃機関を適切に制御することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求の範囲の各請求項に記載された火花点火式内燃機関を提供する。
本発明の1番目の態様では、燃焼室のS/V比を変更可能なS/V比変更機構と、S/V比の増大に伴って増大する排気ガス中の水素濃度に応じて出力値が変化する、水素濃度以外のパラメータの検出装置とを具備し、該検出装置の出力値に基づいて内燃機関を制御する、内燃機関の制御装置において、上記S/V比変更機構のS/V比に応じて、上記検出装置の出力値又は内燃機関の運転に関するパラメータを補正するようにした。
本発明の2番目の態様では、上記検出装置の出力値又は内燃機関の運転に関するパラメータの補正は、S/V比の増大に伴って増大する排気ガス中の水素濃度の影響が小さくなるように行われる。
本発明の3番目の態様では、上記検出装置は、水素以外の排気ガス中の特定の成分の濃度を検出する装置であり、上記S/V比変更機構のS/V比に応じて、上記検出装置によって検出された特定の成分の濃度を補正するようにした。
本発明の4番目の態様では、上記検出装置は、水素以外の排気ガス中の特定の成分の濃度を検出する装置であり、上記S/V比変更機構のS/V比に応じて、内燃機関の運転に関するパラメータを補正するようにした。
本発明の5番目の態様では、上記検出装置は排気ガス中の酸素濃度又は空燃比を検出する酸素センサ又は空燃比センサである。
本発明の6番目の態様では、上記内燃機関の運転に関するパラメータは目標空燃比である。
本発明の7番目の態様では、上記検出装置は排気ガス中のNO濃度を検出するNOセンサである。
本発明の8番目の態様では、吸気弁の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構を更に具備し、上記S/V比変更機構のS/V比に加えて吸気弁の閉弁時期に応じて、上記検出装置の出力値又は内燃機関の運転に関するパラメータを補正するようにした。
本発明の9番目の態様では、機関吸気通路と機関排気通路とを連通させるEGR通路と、該EGR通路を開閉するEGR弁とをさらに具備し、上記S/V比変更機構のS/V比に加えてEGR弁の開度に応じて、上記検出装置の出力値又は内燃機関の運転に関するパラメータを補正するようにした。
本発明の10番目の態様では、機関排気通路内に配置された排気浄化触媒を更に具備し、上記検出装置は上記排気浄化触媒の上流側に配置された上流側の酸素センサ又は空燃比センサと、該排気浄化触媒の下流側に配置された下流側の酸素センサ又は空燃比センサとを有し、上記上流側の酸素センサ又は空燃比センサの出力値に基づいて排気空燃比が目標空燃比となるように燃料供給量が制御され、上記上流側の酸素センサ又は空燃比センサの出力値が実際の排気空燃比からずれている場合に、上記下流側の酸素センサ又は空燃比センサの出力値に基づいて上流側の酸素センサ若しくは空燃比センサの出力値又は燃料供給量を補正し、上記S/V比変更機構のS/V比に応じて、上記下流側の酸素センサ又は空燃比センサの出力値に基づく上記上流側の酸素センサ若しくは空燃比センサの出力値又は燃料供給量の補正量を補正するようにした。
本発明の11番目の態様では、上記S/V比変更機構は、機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構である。
本発明の12番目の態様では、吸気弁の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構を更に具備し、燃焼室内に供給される吸入空気量が主に吸気弁の閉弁時期を変えることによって制御され、機関低負荷運転時には機関高負荷運転時に比べて機械圧縮比が高くされる。
本発明の13番目の態様では、機関低負荷運転時には機械圧縮比が最大機械圧縮比とされる。
本発明の14番目の態様では、機関低負荷運転時には膨張比が20以上とされる。
以下、添付図面と本発明の好適な実施形態の記載から、本発明を一層十分に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1は、火花点火式内燃機関の全体図である。
図2は、可変圧縮比機構の分解斜視図である。
図3A及び図3Bは、図解的に表した内燃機関の側面断面図である。
図4は、可変バルブタイミング機構を示す図である。
図5A及び図5Bは、吸気弁および排気弁のリフト量を示す図である。
図6A〜図6Cは、機械圧縮比、実圧縮比および膨張比を説明するための図である。
図7は、理論熱効率と膨張比との関係を示す図である。
図8A及び図8Bは、通常のサイクルおよび超高膨張比サイクルを説明するための図である。
図9は、機関負荷に応じた機械圧縮比等の変化を示す図である。
図10は、燃料噴射弁からの目標燃料供給量を算出する制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
図11は、燃料補正量を算出するF/B制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
図12は、機械圧縮比と目標空燃比との関係を示す図である。
図13は、機械圧縮比と目標空燃比との関係を示す図である。
図14は、機械圧縮比と目標空燃比との関係を示す図である。
図15は、目標空燃比を設定する制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
図16A〜図16Cは、各パラメータと目標空燃比の補正量とのマップを示す図である。
図17は、機械圧縮比と空燃比センサの出力値のリーン側への補正量との関係を示す図である。
図18は、機械圧縮比と空燃比センサの出力値のリーン側への補正量との関係を示す図である。
図19は、第四実施形態の火花点火式内燃機関の全体図である。
図20は、実際の排気空燃比と、酸素センサの出力値と、空燃比センサの出力補正値のタイムチャートである。
図21は、機械圧縮比と嵩上げ補正値との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0005】
1…クランクケース
2…シリンダブロック
3…シリンダヘッド
4…ピストン
5…燃焼室
7…吸気弁
70…吸気弁駆動用カムシャフト
A…可変圧縮比機構
B…可変バルブタイミング機構
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明による実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
図1に火花点火式内燃機関の側面断面図を示す。
図1を参照すると、1はクランクケース、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は燃焼室5の頂面中央部に配置された点火プラグ、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートをそれぞれ示す。吸気ポート8は吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、各吸気枝管11にはそれぞれ対応する吸気ポート8内に向けて燃料を噴射するための燃料噴射弁13が配置される。なお、燃料噴射弁13は各吸気枝管11に取付ける代りに各燃焼室5内に配置してもよい。
サージタンク12は吸気ダクト14を介してエアクリーナ15に連結され、吸気ダクト14内にはアクチュエータ16によって駆動されるスロットル弁17と例えば熱線を用いた吸入空気量検出器18とが配置される。一方、排気ポート10は排気マニホルド19を介して例えば三元触媒21を内蔵した触媒コンバータ20に連結され、排気マニホルド19内には空燃比センサ22が配置される。
排気マニホルド19と吸気枝管11(または、吸気ポート8、サージタンク12)とは再循環排気ガス(以下、EGRガスという)用のEGR通路23を介して互いに連結され、このEGR通路23内にはEGR制御弁24が配置される。またEGR通路23周りにはEGR通路23内を流れるEGRガスを冷却するためのEGR冷却装置25が配置される。図1に示した内燃機関ではEGR冷却装置25内に機関冷却水が導かれ、この機関冷却水によりEGRガスが冷却される。なお、以下の説明では、吸気ポート8、吸気枝管11、サージタンク12、吸気ダクト14をまとめて機関吸気通路と称する。
一方、図1に示される実施形態ではクランクケース1とシリンダブロック2との連結部にクランクケース1とシリンダブロック2のシリンダ軸線方向の相対位置を変化させることによりピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を変更可能な可変圧縮比機構Aが設けられており、さらに吸気弁7の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構Bが設けられている。
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。吸入空気量検出器18の出力信号、空燃比センサ22の出力信号はそれぞれ対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。さらに入力ポート35にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して点火プラグ6、燃料噴射弁13、スロットル弁駆動用アクチュエータ16、EGR制御弁24、可変圧縮比機構Aおよび可変バルブタイミング機構Bに接続される。
図2は図1に示す可変圧縮比機構Aの分解斜視図を示しており、図3A及び図3Bは図解的に表した内燃機関の側面断面図を示している。図2を参照すると、シリンダブロック2の両側壁の下方には互いに間隔を隔てた複数個の突出部50が形成されており、各突出部50内にはそれぞれ断面円形のカム挿入孔51が形成されている。一方、クランクケース1の上壁面上には互いに間隔を隔ててそれぞれ対応する突出部50の間に嵌合せしめられる複数個の突出部52が形成されており、これらの各突出部52内にもそれぞれ断面円形のカム挿入孔53が形成されている。
図2に示されるように一対のカムシャフト54、55が設けられており、各カムシャフト54、55上には一つおきに各カム挿入孔51内に回転可能に挿入される円形カム56が固定されている。これらの円形カム56は各カムシャフト54、55の回転軸線と共軸をなす。一方、各円形カム56間には図3A及び図3Bにおいてハッチングで示すように各カムシャフト54、55の回転軸線に対して偏心配置された偏心軸57が延びており、この偏心軸57上に別の円形カム58が偏心して回転可能に取付けられている。図2に示されるようにこれら円形カム58は各円形カム56間に配置されており、これら円形カム58は対応する各カム挿入孔53内に回転可能に挿入されている。
図3Aに示すような状態から各カムシャフト54、55上に固定された円形カム56を図3Aにおいて実線の矢印で示されるように互いに反対方向に回転させると偏心軸57が下方中央に向けて移動するために円形カム58がカム挿入孔53内において図3Aの破線の矢印に示すように円形カム56とは反対方向に回転し、図3Bに示されるように偏心軸57が下方中央まで移動すると円形カム58の中心が偏心軸57の下方へ移動する。
図3Aと図3Bとを比較するとわかるようにクランクケース1とシリンダブロック2の相対位置は円形カム56の中心と円形カム58の中心との距離によって定まり、円形カム56の中心と円形カム58の中心との距離が大きくなるほどシリンダブロック2はクランクケース1から離れる。シリンダブロック2がクランクケース1から離れるとピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積は増大し、したがって各カムシャフト54、55を回転させることによってピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を変更することができる。
図2に示されるように各カムシャフト54、55をそれぞれ反対方向に回転させるために駆動モータ59の回転軸にはそれぞれ螺旋方向が逆向きの一対のウォームギア61、62が取付けられており、これらウォームギア61、62と噛合する歯車63、64がそれぞれ各カムシャフト54、55の端部に固定されている。本実施形態では駆動モータ59を駆動することによってピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を広い範囲に亘って変更することができる。なお、図1から図3Bに示される可変圧縮比機構Aは一例を示すものであっていかなる形式の可変圧縮比機構でも用いることができる。
一方、図4は図1において吸気弁7を駆動するためのカムシャフト70に対して設けられている可変バルブタイミング機構Bを示している。図4に示したように可変バルブタイミング機構Bはカムシャフト70の一端に取付けられてカムシャフト70のカムの位相を変更するためのカム位相変更部B1と、カムシャフト70と吸気弁7のバルブリフタ26との間に配置されてカムシャフト70のカムの作用角を異なる作用角に変更して吸気弁7に伝達するカム作用角変更部B2から構成されている。なお、カム作用角変更部B2については図4に側面断面図と平面図とが示されている。
まず初めに可変バルブタイミング機構Bのカム位相変更部B1について説明すると、このカム位相変更部B1は機関のクランク軸によりタイミングベルトを介して矢印方向に回転せしめられるタイミングプーリ71と、タイミングプーリ71と一緒に回転する円筒状ハウジング72と、カムシャフト70と一緒に回転し且つ円筒状ハウジング72に対して相対回転可能な回転軸73と、円筒状ハウジング72の内周面から回転軸73の外周面まで延びる複数の仕切壁74と、各仕切壁74の間で回転軸73の外周面から円筒状ハウジング72の内周面まで延びるベーン75とを具備しており、各ベーン75の両側にはそれぞれ進角用油圧室76と遅角用油圧室77とが形成されている。
各油圧室76、77への作動油の供給制御は作動油供給制御弁78によって行われる。この作動油供給制御弁78は各油圧室76、77にそれぞれ連結された油圧ポート79、80と、油圧ポンプ81から吐出された作動油の供給ポート82と、一対のドレインポート83、84と、各ポート79、80、82、83、84間の連通遮断制御を行うスプール弁85とを具備している。
カムシャフト70のカムの位相を進角すべきときは図4においてスプール弁85が下方に移動せしめられ、供給ポート82から供給された作動油が油圧ポート79を介して進角用油圧室76に供給されると共に遅角用油圧室77内の作動油がドレインポート84から排出される。このとき回転軸73は円筒状ハウジング72に対して矢印X方向に相対回転せしめられる。
これに対し、カムシャフト70のカムの位相を遅角すべきときは図4においてスプール弁85が上方に移動せしめられ、供給ポート82から供給された作動油が油圧ポート80を介して遅角用油圧室77に供給されると共に進角用油圧室76内の作動油がドレインポート83から排出される。このとき回転軸73は円筒状ハウジング72に対して矢印Xと反対方向に相対回転せしめられる。
回転軸73が円筒状ハウジング72に対して相対回転せしめられているときにスプール弁85が図4に示した中立位置に戻されると回転軸73の相対回転動作は停止せしめられ、回転軸73はそのときの相対回転位置に保持される。したがってカム位相変更部B1によって図5Aに示したようにカムシャフト70のカムの位相を所望の量だけ進角又は遅角させることができる。すなわち、カム位相変更部B1によって吸気弁7の開弁時期を任意に進角又は遅角させることができることになる。
次に可変バルブタイミング機構Bのカム作用角変更部B2について説明すると、このカム作用角変更部B2はカムシャフト70と平行に並列配置され且つアクチュエータ91によって軸線方向に移動せしめられる制御ロッド90と、カムシャフト70のカム92と係合し且つ制御ロッド90上に形成された軸線方向に延びるスプライン93に摺動可能に嵌合せしめられている中間カム94と、吸気弁7を駆動するためにバルブリフタ26と係合し且つ制御ロッド90上に形成された螺旋状に延びるスプライン95に摺動可能に嵌合する揺動カム96とを具備しており、揺動カム96上にはカム97が形成されている。
カムシャフト70が回転するとカム92によって中間カム94が常に一定の角度だけ揺動せしめられ、このとき揺動カム96も一定の角度だけ揺動せしめられる。一方、中間カム94及び揺動カム96は制御ロッド90の軸線方向には移動不能に支持されており、したがって制御ロッド90がアクチュエータ91によって軸線方向に移動せしめられたときに揺動カム96は中間カム94に対して相対回転せしめられることになる。
中間カム94と揺動カム96との相対回転位置関係によりカムシャフト70のカム92が中間カム94と係合し始めたときに揺動カム96のカム97がバルブリフタ26と係合し始める場合には図5Bにおいてaで示したように吸気弁7の開弁期間及びリフトは最も大きくなる。これに対し、アクチュエータ91によって揺動カム96が中間カム94に対して図4の矢印Y方向に相対回転せしめられると、カムシャフト70のカム92が中間カム94に係合した後、暫らくしてから揺動カム96のカム97がバルブリフタ26と係合する。この場合には図5Bにおいてbで示したように吸気弁7の開弁期間及びリフト量はaに比べて小さくなる。
揺動カム96が中間カム94に対して図4の矢印Y方向にさらに相対回転せしめられると図5Bにおいてcで示したように吸気弁7の開弁期間及びリフト量はさらに小さくなる。すなわち、アクチュエータ91により中間カム94と揺動カム96の相対回転位置を変更することによって吸気弁7の開弁期間(作用角)を任意に変えることができる。ただし、この場合、吸気弁7のリフト量は吸気弁7の開弁期間が短くなるほど小さくなる。
このようにカム位相変更部B1によって吸気弁7の開弁時期を任意に変更することができ、カム作用角変更部B2によって吸気弁7の開弁期間を任意に変更することができるのでカム位相変更部B1とカム作用角変更部B2との双方によって、すなわち可変バルブタイミング機構Bによって吸気弁7の開弁時期と開弁期間とを、すなわち吸気弁7の開弁時期と閉弁時期とを任意に変更することができることになる。
なお、図1および図4に示した可変バルブタイミング機構Bは一例を示すものであって、図1および図4に示した例以外の種々の形式の可変バルブタイミング機構を用いることができる。特に、本発明による実施形態では、吸気弁7の閉弁時期を変更可能な可変閉弁時期機構であれば、如何なる形式の機構を用いてもよい。また、排気弁9に対しても吸気弁7の可変バルブタイミング機構Bと同様な可変バルブタイミング機構を設けてもよい。
次に図6A〜図6Cを参照しつつ本願において使用されている用語の意味について説明する。なお、図6A〜図6Cには説明のために燃焼室容積が50mlでピストンの行程容積が500mlであるエンジンが示されており、これら図6A〜図6Cにおいて燃焼室容積とはピストンが圧縮上死点に位置するときの燃焼室の容積を表している。
図6Aは機械圧縮比について説明している。機械圧縮比は圧縮行程時のピストンの行程容積と燃焼室容積のみから機械的に定まる値であってこの機械圧縮比は(燃焼室容積+行程容積)/燃焼室容積で表される。図6Aに示される例ではこの機械圧縮比は(50ml+500ml)/50ml=11となる。
図6Bは実圧縮比について説明している。この実圧縮比は実際に圧縮作用が開始されたときからピストンが上死点に達するまでの実際のピストン行程容積と燃焼室容積から定まる値であってこの実圧縮比は(燃焼室容積+実際の行程容積)/燃焼室容積で表される。すなわち、図6Bに示されるように圧縮行程においてピストンが上昇を開始しても吸気弁が開弁している間は圧縮作用は行われず、吸気弁が閉弁したときから実際の圧縮作用が開始される。したがって実圧縮比は実際の行程容積を用いて上記のように表される。図6Bに示される例では実圧縮比は(50ml+450ml)/50ml=10となる。
図6Cは膨張比について説明している。膨張比は膨張行程時のピストンの行程容積と燃焼室容積から定まる値であってこの膨張比は(燃焼室容積+行程容積)/燃焼室容積で表される。図6Cに示される例ではこの膨張比は(50ml+500ml)/50ml=11となる。
次に図7、図8A及び図8Bを参照しつつ本発明において最も基本となっている特徴について説明する。なお、図7は理論熱効率と膨張比との関係を示しており、図8A及び図8Bは本発明において負荷に応じ使い分けられている通常のサイクルと超高膨張比サイクルとの比較を示している。
図8Aは吸気弁が下死点近傍で閉弁し、ほぼ圧縮下死点付近からピストンによる圧縮作用が開始される場合の通常のサイクルを示している。この図8Aに示す例でも図6A〜図6Cに示す例と同様に燃焼室容積が50mlとされ、ピストンの行程容積が500mlとされている。図8Aからわかるように通常のサイクルでは機械圧縮比は(50ml+500ml)/50ml=11であり、実圧縮比もほぼ11であり、膨張比も(50ml+500ml)/50ml=11となる。すなわち、通常の内燃機関では機械圧縮比と実圧縮比と膨張比とがほぼ等しくなる。
図7における実線は実圧縮比と膨張比とがほぼ等しい場合の、すなわち通常のサイクルにおける理論熱効率の変化を示している。この場合には膨張比が大きくなるほど、すなわち実圧縮比が高くなるほど理論熱効率が高くなることがわかる。したがって通常のサイクルにおいて理論熱効率を高めるには実圧縮比を高くすればよいことになる。しかしながら機関高負荷運転時におけるノッキングの発生の制約により実圧縮比は最大でも12程度までしか高くすることができず、斯くして通常のサイクルにおいては理論熱効率を十分に高くすることはできない。
一方、機械圧縮比と実圧縮比とを厳密に区分して理論熱効率を高めることについて検討すると、理論熱効率は膨張比が支配し、理論熱効率に対して実圧縮比はほとんど影響を与えない。すなわち、実圧縮比を高くすると爆発力は高まるが圧縮するために大きなエネルギーが必要となり、斯くして実圧縮比を高めても理論熱効率はほとんど高くならない。
これに対し、膨張比を大きくすると膨張行程時にピストンに対し押下げ力が作用する期間が長くなり、斯くしてピストンがクランクシャフトに回転力を与えている期間が長くなる。したがって膨張比は大きくすれば大きくするほど理論熱効率が高くなる。図7の破線ε=10は実圧縮比を10に固定した状態で膨張比を高くしていった場合の理論熱効率を示している。このように実圧縮比を低い値に維持した状態で膨張比を高くしたときの理論熱効率の上昇量と、図7の実線で示したように実圧縮比も膨張比と共に増大せしめられる場合の理論熱効率の上昇量とは大きな差がないことがわかる。
このように実圧縮比が低い値に維持されているとノッキングが発生することがなく、したがって実圧縮比を低い値に維持した状態で膨張比を高くするとノッキングの発生を阻止しつつ理論熱効率を大幅に高めることができる。図8Bは可変圧縮比機構Aおよび可変バルブタイミング機構Bを用いて、実圧縮比を低い値に維持しつつ膨張比を高めるようにした場合の一例を示している。
図8Bを参照すると、この例では可変圧縮比機構Aにより燃焼室容積が50mlから20mlまで減少せしめられる。一方、可変バルブタイミング機構Bによって実際のピストン行程容積が500mlから200mlになるまで吸気弁の閉弁時期が遅らされる。その結果、この例では実圧縮比は(20ml+200ml)/20ml=11となり、膨張比は(20ml+500ml)/20ml=26となる。図8Aに示される通常のサイクルでは前述したように実圧縮比がほぼ11で膨張比が11であり、この場合に比べると図8Bに示される場合には膨張比のみが26まで高められていることがわかる。このため、図8Bに示したサイクルを超高膨張比サイクルと称する。
前述したように一般的に言って内燃機関では機関負荷が低いほど熱効率が悪くなり、したがって車両走行時における熱効率を向上させるためには、すなわち燃費を向上させるには機関低負荷運転時における熱効率を向上させることが必要となる。一方、図8Bに示される超高膨張比サイクルでは圧縮行程時の実際のピストン行程容積が小さくされるために燃焼室5内に吸入しうる吸入空気量は少なくなり、したがってこの超高膨張比サイクルは機関負荷が比較的低いときにしか採用できないことになる。したがって本発明では機関低負荷運転時には図8Bに示す超高膨張比サイクルとし、機関高負荷運転時には図8Aに示す通常のサイクルとするようにしている。
次に図9を参照しつつ運転制御全般について説明する。
図9には或る機関回転数における機関負荷に応じた機械圧縮比、膨張比、吸気弁7の閉弁時期、実圧縮比、吸入空気量、スロットル弁17の開度およびポンピング損失の各変化が示されている。なお、本発明による実施形態では触媒コンバータ20内の三元触媒21によって排気ガス中の未燃炭化水素(未燃HC)、一酸化炭素(CO)および窒素酸化物(NO)を同時に低減しうるように通常燃焼室5内における平均空燃比は空燃比センサ22の出力信号に基づいて理論空燃比にフィードバック制御されている。
さて、前述したように機関高負荷運転時には図8Aに示される通常のサイクルが実行される。したがって図9に示されるようにこのときには機械圧縮比は低くされるために膨張比は低く、図9において実線で示されるように吸気弁7の閉弁時期は早められている。また、このときには吸入空気量は多く、このときスロットル弁17の開度は全開又はほぼ全開に保持されているのでポンピング損失は零となっている。
一方、図9に実線で示されるように機関負荷が低くなるとそれに伴って吸入空気量を減少すべく吸気弁7の閉弁時期が遅くされる。またこのときには実圧縮比がほぼ一定に保持されるように図9に示される如く機関負荷が低くなるにつれて機械圧縮比が増大され、したがって機関負荷が低くなるにつれて膨張比も増大される。なお、このときにもスロットル弁17は全開又はほぼ全開状態に保持されており、したがって燃焼室5内に供給される吸入空気量はスロットル弁17によらずに吸気弁7の閉弁時期を変えることによって制御されている。このときにもポンピング損失は零となる。
このように機関高負荷運転状態から機関負荷が低くなるときには実圧縮比がほぼ一定のもとで吸入空気量が減少するにつれて機械圧縮比が増大せしめられる。すなわち、吸入空気量の減少に比例してピストン4が圧縮上死点に達したときの燃焼室5の容積が減少せしめられる。したがってピストン4が圧縮上死点に達したときの燃焼室5の容積は吸入空気量に比例して変化していることになる。なお、このとき燃焼室5内の空燃比は理論空燃比となっているのでピストン4が圧縮上死点に達したときの燃焼室5の容積は燃料量に比例して変化していることになる。
機関負荷がさらに低くなると機械圧縮比はさらに増大せしめられ、機関負荷がやや低負荷よりの中負荷Lまで低下すると、機械圧縮比は燃焼室5の構造上限界となる限界機械圧縮比に達する。機械圧縮比が限界機械圧縮比に達すると、機械圧縮比が限界機械圧縮比に達したときの機関負荷Lよりも負荷の低い領域では機械圧縮比が限界機械圧縮比に保持される。したがって低負荷側の機関中負荷運転時及び機関低負荷運転時には機械圧縮比は最大となり、膨張比も最大となる。別の言い方をすると低負荷側の機関中負荷運転時及び機関低負荷運転時に最大の膨張比が得られるように機械圧縮比が最大にされる。
一方、図9に示される実施形態では、機関負荷がLよりも低くなっても図9に実線で示されるように吸気弁7の閉弁時期は機関負荷が低くなるにつれて遅らされ、機関負荷がLまで低下すると吸気弁7の閉弁時期が燃焼室5内に供給される吸入空気量を制御しうる限界閉弁時期となる。吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に達すると、吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に達したときの機関負荷Lよりも負荷の低い領域では吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に保持される。
吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に保持されるともはや吸気弁7の閉弁時期の変化によっては吸入空気量を制御することができない。図9に示される実施形態ではこのとき、すなわち吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に達したときの機関負荷Lよりも負荷の低い領域では、スロットル弁17によって燃焼室5内に供給される吸入空気量が制御される。ただし、スロットル弁17による吸入空気量の制御が行われると図9に示されるようにポンピング損失が増大する。
なお、このようなポンピング損失が発生しないように吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に達したときの機関負荷Lよりも負荷の低い領域ではスロットル弁17を全開又はほぼ全開に保持した状態で機関負荷が低くなるほど空燃比を大きくすることもできる。このときには燃料噴射弁13を燃焼室5内に配置して成層燃焼させることが好ましい。或いは、吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に達したときの機関負荷Lよりも負荷の低い領域において、スロットル弁17を全開又はほぼ全開に保持した状態で機関負荷が低くなるほどEGR弁24の開度を大きくすることもできる。
また、機械圧縮比が限界機械圧縮比に達したときの機関負荷Lよりも負荷の低い運転領域では、必ずしも上述したように吸気弁7の閉弁時期及びスロットル弁17の開度を制御しなくてもよく、斯かる運転領域では、吸気弁7の閉弁時期及びスロットル弁17の開度のいずれか一方を制御することにより吸入空気量を制御すればよい。
一方、図9に示されるように機関負荷がLよりも高いとき、すなわち高負荷側の機関中負荷運転時および機関高負荷運転時には実圧縮比は同一の機関回転数に対してはほぼ同一の実圧縮比に維持される。これに対し、機関負荷がLよりも低いとき、すなわち機械圧縮比が限界機械圧縮比に保持されているときには実圧縮比は吸気弁7の閉弁時期によって決まり、機関負荷がLとLの間におけるように吸気弁7の閉弁時期が遅らされると実圧縮比は低下し、機関負荷がLよりも低い運転領域におけるように吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に保持されると実圧縮比は一定に維持される。
なお、機関回転数が高くなると燃焼室5内の混合気に乱れが発生するためにノッキングが発生しにくくなり、したがって本発明による実施形態では機関回転数が高くなるほど実圧縮比が高くされる。
一方、前述したように図8Bに示す超高膨張比サイクルでは膨張比が26とされる。この膨張比は高いほど好ましいが図7からわかるように実用上使用可能な下限実圧縮比ε=5に対しても20以上であればかなり高い理論熱効率を得ることができる。したがって本発明では膨張比が20以上となるように可変圧縮比機構Aが形成されている。
また、図9に示される例では機械圧縮比は機関負荷に応じて連続的に変化せしめられている。しかしながら機械圧縮比は機関負荷に応じて段階的に変化させることもできる。
一方、図9において破線で示すように機関負荷が低くなるにつれて吸気弁7の閉弁時期を早めることによってもスロットル弁17によらずに吸入空気量を制御することができる。従って、図9において実線で示した場合と破線で示した場合とをいずれも包含しうるように表現すると、本発明による実施形態では吸気弁7の閉弁時期は、機関負荷が低くなるにつれて、燃焼室内に供給される吸入空気量を制御しうる限界閉弁時期Lまで圧縮下死点から離れる方向に移動せしめられることになる。
ところで、本発明による実施形態では、上述したように、三元触媒21によって排気ガス中の未燃HC、COおよびNOを同時に低減しうるように、燃焼室5内における平均空燃比は空燃比センサ22の出力信号に基づいて理論空燃比にフィードバック制御(以下、「F/B制御」という)されている。すなわち、本実施形態では、三元触媒21よりも排気上流側に配置された空燃比センサ22によって排気空燃比(三元触媒21上流側の排気通路、燃焼室5および吸気通路に供給された空気と燃料との比率)を検出すると共に、空燃比センサ22の出力値が理論空燃比に対応した値となるように燃料噴射弁13からの燃料供給量についてF/B制御を行うこととしている。
以下、F/B制御について具体的に説明する。まず、本実施形態では、燃料噴射弁13から各気筒へと供給すべき燃料量(以下、「目標燃料供給量」と称す)Qft(n)は下記式(1)によって算出される。
Qft(n)=Mc(n)/AFT+DQf(n−1) …(1)
ここで、上記式(1)においてnはECU30における計算回数を示す値であり、例えばQft(n)は第n回目の計算によって(すなわち時刻nにおいて)算出された目標燃料供給量を表している。また、Mc(n)は、吸気弁7の閉弁時までに各気筒の筒内に吸入されたと予想される空気量(以下、「筒内吸入空気量」と称す)を示している。筒内吸入空気量Mc(n)は、例えば機関回転数Neと吸入空気量検出器18によって検出された空気流量mtとを引数としたマップ又は計算式を予め実験的に又は計算によって求め、このマップ又は計算式をECU30のROM32に保存し、機関運転中に機関回転数Ne及び空気流量mtを検出して、これら検出値に基づいて上記マップ又は計算式により算出される。また、AFTは、目標空燃比であり、本実施形態では理論空燃比である。さらに、DQfは、後述するF/B制御に関して算出される燃料補正量である。燃料噴射弁13では、このようにして算出された目標燃料供給量に対応する量の燃料が噴射される。
なお、上記説明では、筒内吸入空気量Mc(n)は、機関回転数Neと空気流量mtとを引数としたマップ等に基づいて算出されるとしているが、例えば吸気弁7の閉弁時期、スロットル弁17の開度及び大気圧等に基づいた計算式等、他の方法によって求められてもよい。
図10は、燃料噴射弁13からの目標燃料供給量Qft(n)を算出する目標燃料供給量算出制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは所定時間間隔の割り込みによって行われる。
まず、ステップ11において、クランク角センサ42及び吸入空気量検出器18によって機関回転数Ne及び空気流量mtが検出される。次いで、ステップ12では、ステップ11において検出された機関回転数Ne及び吸気管通過空気流量mtに基づいてマップにより又は計算式により時刻nにおける筒内吸入空気量Mc(n)が算出される。次いで、ステップ13では、ステップ12で算出された筒内吸入空気量Mc(n)及び後述するF/B制御において算出された時刻n−1における燃料補正量DQf(n−1)に基づいて上記式(1)により目標燃料供給量Qft(n)が算出され、制御ルーチンが終了せしめられる。燃料噴射弁13ではこのように算出された目標燃料供給量Qft(n)に相当する量の燃料が噴射せしめられる。
次に、F/B制御について説明する。本実施形態では、F/B制御として、空燃比センサ22の出力値に基づいて算出された実際の燃料供給量と、上述した目標燃料供給量Qftとの燃料偏差量ΔQfを各計算時毎に算出し、この燃料偏差量ΔQfがゼロになるように燃料補正量DQfを算出している。具体的には、燃料補正量DQfは下記式(2)により算出される。なお、下記式(2)においてDQf(n−1)は、第n−1回目の計算、すなわち前回の計算における燃料補正量であり、Kmpは比例ゲイン、Kmiは積分ゲインをそれぞれ示している。これら比例ゲインKmp、積分ゲインKmiは予め定められた一定の値であってもよいし、機関運転状態に応じて変化する値であってもよい。
Figure 0005126410
図11は、燃料補正量DQfを算出するF/B制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。図示した制御ルーチンは所定時間間隔の割り込みによって行われる。
まず、ステップS21では、F/B制御の実行条件が成立しているか否かが判定される。F/B制御の実行条件が成立している場合とは、例えば内燃機関の冷間始動中ではないこと(すなわち、機関冷却水温が一定温度以上であって始動時燃料増量等が行われていないこと)や、機関運転中に燃料噴射弁からの燃料噴射を停止する燃料カット制御中ではないこと等が挙げられる。ステップS21においてF/B制御の実行条件が成立していると判定された場合には、ステップS22へと進む。
ステップS22では、第n回目の計算時における空燃比センサ22の出力値VAF(n)が検出される。次いで、ステップS23では、ステップ22で検出された出力値VAF(n)に基づいて時刻nにおける実空燃比AFR(n)が算出される。このようにして算出された実空燃比AFR(n)は、通常、第n回目の計算時における三元触媒21に流入する排気ガスの実際の空燃比にほぼ一致した値となっている。
次いで、ステップS24では、下記式(3)により、空燃比センサ22の出力値に基づいて算出された燃料供給量と目標燃料供給量Qftとの燃料偏差量ΔQfが算出される。なお、下記式(3)において、筒内吸入空気量Mc及び目標燃料供給量Qftについては第n回目の計算時における値が用いられているが、第n回目の計算時よりも前の値が用いられてもよい。
ΔQf(n)=Mc(n)/AFR(n)−Qft(n) …(3)
ステップS25では、上記式(2)により時刻nにおける燃料補正量DQf(n)が算出され、制御ルーチンが終了せしめられる。算出された燃料補正量DQf(n)は、目標燃料供給量を算出するにあたり上記式(1)において用いられる。一方、ステップS21においてF/B制御の実行条件が成立していないと判定された場合には、燃料補正量DQf(n)が更新されることなく制御ルーチンが終了せしめられる。
なお、上記実施形態では、空燃比センサ22の出力信号に基づく理論空燃比へのF/B制御として、PI制御を行った場合を示しているが、F/B制御は上記制御に限られず、様々な制御を行うことが可能である。
ところで、上述したような可変圧縮比機構Aを用いた場合、機械圧縮比が高くなるほど、ピストンが圧縮上死点に位置する時の燃焼室容積が小さくなり、その結果、サーフェイスボリュームレシオ(ピストンが圧縮上死点に位置する時の燃焼室5の表面積と容積の比。以下、「S/V比」という)が大きくなる。このようにS/V比が大きくなると、燃焼室5全体に占めるクエンチ領域(消炎領域。燃焼室の壁面近くなどで火炎が到達し得ない領域)が相対的に大きくなる。このクエンチ領域内の混合気中に含まれるHCは、基本的に燃焼室5内の混合気が燃焼しても火炎が到達しないことから、燃焼しない。したがって、機械圧縮比が高くなってS/V比が増大すると、燃焼室5内での混合気の燃焼が生じても燃焼しないHCの量が相対的に増大する。
一方、燃焼室5内での混合気の燃焼が生じると、燃焼室5内は高温となる。クエンチ領域内のHCは、このように高温に曝されると、一部が水素(H)に変換される。このHは、その後燃焼室5内で燃焼されることなく燃焼室5から排出される。したがって、可変圧縮比機構Aにより機械圧縮比を高めると、S/V比が増大し、その結果、排気ガス中に含まれるHの量が増大することになる。特に、本実施形態では、機械圧縮比が20以上もの高い圧縮比とされるため、通常の内燃機関(機械圧縮比が12程度に制御される内燃機関)に比べてS/V比が極端に大きくなり、これに伴って排気ガス中に含まれるHの量も多くなる。
一方、本実施形態では、空燃比をF/B制御するにあたって、空燃比センサ22の出力値を用いている。ところが、この空燃比センサ22は、Hに対する感度が高い。このため、排気ガス中のH濃度が高いと、空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれてしまう傾向にある。
このように空燃比センサ22の出力値がずれたとしても、可変圧縮比機構Aを用いていなければ、排気ガス中に含まれるHの割合は常にほぼ均一であり、よって空燃比センサ22の出力値のずれの程度は常にほぼ均一であるため、予め一定の補正を行うことで適切に補償することができる。しかしながら、可変圧縮比機構Aを用いると、排気ガス中に含まれるHの割合は機械圧縮比に応じて、すなわちS/V比に応じて変化するため、一定の補正を行っても適切な補償を行うことができない。
また、通常の内燃機関では排気ガス中に含まれるHの量はそれほど多くなく、よって空燃比センサ22の出力値のずれも無視できる程度のものである。しかしながら、機械圧縮比が20以上もの高い圧縮比となるような火花点火式内燃機関では、S/V比が極端に大きくなる場合があり、これに伴って排気ガス中に含まれるHの割合も高くなる。このため、空燃比センサ22の出力値が無視できない程度に大きくリッチ側にずれてしまい、排気ガスの空燃比を正確に検出することができなくなってしまう。この結果、空燃比を適切に制御することができなくなり、燃焼効率の悪化や排気エミッションの悪化を招いてしまう場合がある。
そこで、本発明による第一実施形態では、機械圧縮比に応じて目標空燃比を制御することとしている。
図12は、機械圧縮比と目標空燃比との関係を示す図である。図12からわかるように、機械圧縮比が高いときには低いときに比べて目標空燃比が低く(リッチ側に)設定される。より詳細には、機械圧縮比が高くなるにつれて、目標空燃比が低く設定される。換言すると、本実施形態では、S/V比が高くなるにつれて、目標空燃比が低く設定される。
ここで、上述したように、排気ガス中に含まれるHの量は、機械圧縮比が高くなるにつれて多くなる。また、排気ガス中に含まれるHの量が多くなるほど、空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれる程度が大きくなる。したがって、機械圧縮比が高くなるにつれて、空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれる程度が大きくなる。
本実施形態では、機械圧縮比が高くなるにつれて、目標空燃比がリッチ側に設定される。したがって、機械圧縮比が高くなって空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれても、その分だけ目標空燃比がリッチ側に設定されることになるため、結果的に、排気ガスの空燃比が実際の目標空燃比(すなわち理論空燃比)となるようにF/B制御されることになる。すなわち、本実施形態によれば、機械圧縮比が高くなったことによって空燃比センサ22の出力値に生じるずれの分だけ目標空燃比が補正されることにより、空燃比センサ22の出力値に生じるずれが補償される。換言すると、本実施形態では、機械圧縮比を変更することによって変化するH濃度の影響が小さくなるように、内燃機関の運転に関するパラメータである目標空燃比を補正していると言える。
また、本発明による第一実施形態では、吸気弁7の閉弁時期に応じて目標空燃比を制御することとしている。
図13は、機械圧縮比と目標空燃比との関係を示す図である。図中の実線は吸気弁7の閉弁時期が遅角側に設定されている場合、図中の破線は吸気弁7の閉弁時期が進角側に設定されている場合、図中の一点鎖線は吸気弁7の閉弁時期が中程度の時期に設定されている場合をそれぞれ示している。図13からわかるように、吸気弁7の閉弁時期が進角側にあるときには遅角側にあるときに比べて、目標空燃比が低く(リッチ側に)設定される。より詳細には、吸気弁7の閉弁時期が早くなるにつれて、目標空燃比が低く設定される。
ところで、吸気弁7の閉弁時期が進角されると、実際の圧縮作用が開始されるのが早くなり、この結果、実圧縮比が高くなる。実圧縮比が高くなると、ピストンが圧縮上死点に位置するときの燃焼室5内の混合気の密度が高くなる。このため、クエンチ領域内に存在するHCの量が増大し、よって燃焼室5内で発生するHの量も増大する。このようにHの量が増大すると、空燃比センサ22に生じるずれが大きくなる。以上を総合すると、吸気弁7の閉弁時期が進角されると、空燃比センサ22に生じるずれが大きくなる。
ここで、本実施形態では、吸気弁7の閉弁時期が進角されるにつれて、目標空燃比がリッチ側に設定される。したがって、吸気弁7の閉弁時期が進角されて空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれても、その分だけ目標空燃比がリッチ側に設定されることになるため、結果的に、排気ガスの空燃比が実際の目標空燃比(すなわち、理論空燃比)となるようにF/B制御されることになる。すなわち、本実施形態によれば、吸気弁7の閉弁時期が進角されたことによって空燃比センサ22の出力値に生じるずれの分だけ目標空燃比が補正されることにより、空燃比センサ22の出力値に生じるずれが補償される。換言すると、本実施形態では、吸気弁7の閉弁時期を変更することによって変化するH濃度の影響が小さくなるように、内燃機関の運転に関するパラメータである目標空燃比を補正していると言える。
さらに、本発明による第一実施形態では、EGR弁24の開度に応じて目標空燃比を制御することとしている。
図14は、機械圧縮比と目標空燃比との関係を示す図である。図中の実線はEGR弁24の開度が大きい場合、図中の破線はEGR弁の開度が小さい場合、図中の一点鎖線はEGR弁24の開度が中程度の場合をそれぞれ示している。図14からわかるように、EGR弁24の開度が小さいときには大きいときに比べて、目標空燃比が低く(リッチ側に)設定される。より詳細には、EGR弁24の開度が小さくなるにつれて、目標空燃比が低く設定される。
ところで、EGR弁24の開度が大きくされると、燃焼室5内に供給されるEGRガスの量が増大する。このように燃焼室5内に供給されるEGRガスの量が増大すると、相対的に燃焼室5内に供給される空気と燃料との混合気の量が減少し、燃焼室5内の混合気の密度が低下する。このため、クエンチ領域内に存在するHCの量が減少し、よって燃焼室5内で発生するHの量も減少する。このようにHの量が減少すると、空燃比センサ22に生じるずれが小さくなる。以上を総合すると、EGR弁24の開度が大きくされると、空燃比センサ22に生じるずれが小さくなる。逆に言うと、EGR弁24の開度が小さくされると、空燃比センサ22に生じるずれが大きくなる。
ここで、本実施形態では、EGR弁24の開度が小さくなるにつれて、目標空燃比がリッチ側に設定される。したがって、EGR弁24の開度が小さくされて空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれても、その分だけ目標空燃比がリッチ側に設定されることになるため、結果的に、排気ガスの空燃比が実際の目標空燃比(すなわち、理論空燃比)となるようにF/B制御されることになる。すなわち、本実施形態によれば、EGR弁24の開度が小さくされたことによって空燃比センサ22の出力値に生じるずれの分だけ目標空燃比が補正されることにより、空燃比センサ22の出力値に生じるずれが補償される。換言すると、本実施形態では、EGR弁24の開度を変更することによって変化するH濃度の影響が小さくなるように、内燃機関の運転に関するパラメータである目標空燃比を補正していると言える。
なお、上記実施形態では、F/B制御を実行するにあたり、空燃比センサ22を用いている。しかしながら、空燃比センサ22の代わりに酸素センサを用いることによってもF/B制御を実行することも可能である。また、酸素センサも空燃比センサ22と同様にHに対する感度が高い。したがって空燃比センサ22の代わりに酸素センサを用いてもよく、この場合にも上記空燃比センサ22を用いた場合と同様な制御が行われる。
また、空燃比センサや酸素センサ以外にも、Hに対する感度の高いセンサは存在する。このようなセンサの例としては、例えば、排気ガス中のNOの濃度を検出するNOセンサが挙げられる。NOセンサでは、排気ガス中のH濃度が高いほど、NO濃度が低く検出される傾向にある。
そこで、NOセンサの出力値に基づいて内燃機関の運転を制御するような場合には、機械圧縮比が高いほどNOセンサで検出されたNO濃度よりもNO濃度が高いときに行われる内燃機関の運転制御が行われるように内燃機関の運転に関するパラメータが補正される。例えば、機械圧縮比が高いときには、目標空燃比が低く(リッチ側に)補正されたり、排気空燃比を一時的にリッチにさせるリッチスパイク制御を実行する頻度が多くなるように補正されたりする。
これらをまとめると、本発明の実施形態では、機械圧縮比の増大に伴って増大する排気ガス中のH濃度の影響が小さくなるように、機械圧縮比に応じて内燃機関の運転に関するパラメータを補正するようにしていると言える。
なお、上記実施形態では、機械圧縮比に応じて目標空燃比を制御するようにしている。しかしながら、S/V比が変更されると排気ガス中のHの濃度が変化して同様な問題が生じることから、上述したような制御は、可変圧縮比機構Aに限らず、S/V比を変更可能なS/V比変更機構を有する内燃機関に適用することができる。
また、上記実施形態では、排気浄化触媒として三元触媒を用いているが、NO吸蔵還元触媒等、他の排気浄化触媒を用いても良い。また、上記実施形態では、目標空燃比は理論空燃比とされているが、目標空燃比は必ずしも理論空燃比でなくてもよく、例えば理論空燃比よりもリーン側の空燃比を目標空燃比としてもよい。
図15は、目標空燃比を設定する制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。図15に示したように、まず、ステップS31では、機械圧縮比が検出される。次いで、ステップS32では吸気弁7の閉弁時期が検出される。次いで、ステップS33では、EGR弁24の開度が検出される。ステップS34では、ステップS31で検出された機械圧縮比に基づいて図16Aに示したようなマップを用いて機械圧縮比に基づく目標空燃比の補正量kεmが算出される。次いで、ステップS35では、ステップS32で検出された吸気弁7の閉弁時期に基づいて図16Bに示したようなマップを用いて吸気弁閉弁時期に基づく目標空燃比の補正量kivcが算出される。ステップS36では、ステップS33で検出されたEGR弁24の開度に基づいて図16Cに示したようなマップを用いてEGR弁開度に基づく目標空燃比の補正量kegrが算出される。次いで、ステップS37では、実際の目標空燃比AFTbaseからステップS34〜ステップS36において算出された補正量を減算した値が目標空燃比AFTとされる。このようにして算出された目標空燃比AFTは、図10のステップS13において用いられる。
なお、上記実施形態では、吸気弁7の閉弁時期及びEGR弁24の開度に基づいて目標空燃比の補正量を算出しているが、吸気弁7の閉弁時期及びEGR弁24の開度に基づいて目標空燃比の補正係数を算出し、このようにして算出された補正係数を機械圧縮比に基づいて算出された目標空燃比の補正量に乗算するようにしてもよい。
次に、本発明による第二実施形態の内燃機関の制御装置について説明する。第二実施形態の内燃機関の制御装置の構成は基本的に第一実施形態の内燃機関の制御装置の構成と同様である。ただし、第一実施形態の内燃機関の制御装置では、機械圧縮比等に応じて内燃機関の運転に関するパラメータの値を変更しているのに対して、第二実施形態の内燃機関の制御装置では、機械圧縮比等に応じて検出装置の出力値を補正するようにしている。
図17は、機械圧縮比と空燃比センサ22の出力値のリーン側への補正量との関係を示す図である。図中の実線は吸気弁7の閉弁時期が遅角側に設定されている場合、図中の破線は吸気弁7の閉弁時期が進角側に設定されている場合、図中の一点鎖線は吸気弁7の閉弁時期が中程度の時期に設定されている場合をそれぞれ示している。
図17からわかるように、機械圧縮比が高いときには低いときに比べて空燃比センサ22のリーン側への補正量が大きくされる。より詳細には、機械圧縮比が高くなるにつれて、空燃比センサ22のリーン側への補正量が大きくされる。換言すると、本実施形態では、S/V比が高くなるにつれて、空燃比センサ22のリーン側への補正量が大きくされる。
本実施形態によれば、機械圧縮比が高くなって空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれても、その分だけ空燃比センサ22の出力値がリーン側へ補正されることになるため、結果的に、空燃比センサ22の補正された出力値は実際の排気ガスの空燃比を示すことになる。すなわち、本実施形態によれば、機械圧縮比が高くなったことによって空燃比センサ22の出力値に生じるずれの分だけ空燃比センサ22の出力値が補正されることにより、空燃比センサ22の出力値に生じるずれが補償される。換言すると、本実施形態では、機械圧縮比を変更することによって変化するH濃度の影響が小さくなるように、H濃度に応じて出力値が変化する検出装置の出力値を補正していると言える。
また、図17からわかるように、吸気弁7の閉弁時期が進角側にあるときには遅角側にあるときに比べて、空燃比センサ22のリーン側への補正量が大きくされる。より詳細には、吸気弁7の閉弁時期が早くなるにつれて、空燃比センサ22のリーン側への補正量が大きくされる。
本実施形態によれば、吸気弁7の閉弁時期が進角されて空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれても、その分だけ空燃比センサ22の出力値がリーン側に補正されることになるため、結果的に、空燃比センサ22の補正された出力値は実際の排気ガスの空燃比を示すことになる。すなわち、本実施形態によれば、吸気弁7の閉弁時期が進角されたことによって空燃比センサ22の出力値に生じるずれの分だけ空燃比センサ22の出力値が補正されることにより、空燃比センサ22の出力値に生じるずれが補償される。換言すると、本実施形態では、吸気弁7の閉弁時期を変更することによって変化するH濃度の影響が小さくなるように、H濃度に応じて出力値が変化する検出装置の出力値が補正されると言える。
また、EGR弁24の開度が小さいときには大きいときに比べて、空燃比センサ22のリーン側への補正量を大きくするようにしてもよい。この場合、より詳細には、EGR弁24の開度が小さくなるにつれて、空燃比センサ22のリーン側への補正量が大きくされる。これにより、EGR弁24の開度が小さくされて空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれても、その分だけ空燃比センサ22の出力値がリーン側に補正されることになるため、空燃比センサ22の補正された出力値は実際の排気ガスの空燃比を示すことになる。
なお、本実施形態でも、上記第一実施形態と同様に、空燃比センサ22の代わりに酸素センサやNOセンサを用いた場合にも同様な制御が行われる。したがって、これらをまとめると、本発明の実施形態では、排気ガス中の特定の成分の濃度を検出する検出装置であって排気ガス中の水素濃度に応じて出力値が変化する検出装置の出力値(すなわち、排気ガス中の特定の成分の濃度)を、機械圧縮比に応じて補正するようにしていると言える。
次に、本発明による第三実施形態の内燃機関の制御装置について説明する。第三実施形態の内燃機関の制御装置の構成は基本的に第二実施形態の内燃機関の制御装置の構成と同様である。ただし、本実施形態の内燃機関の制御装置では、空燃比センサ22の出力値が目標空燃比に応じて補正される。
ところで、上記実施形態の内燃機関では、目標空燃比が理論空燃比でほぼ一定とされている。これに対して、本実施形態の内燃機関では、機関運転状態に応じて目標空燃比が変更せしめられる。例えば、本実施形態では、排気浄化触媒としてNO吸蔵還元触媒が用いられ、通常運転時には目標空燃比がリーンとされると共に、NO吸蔵還元触媒に吸蔵されているNOを離脱させるときには目標空燃比がリッチとされる。このように、機関運転状態に応じて目標空燃比が変化する内燃機関に対して、第三実施形態の内燃機関の制御装置では、目標空燃比に応じて空燃比センサ22のリーン側への補正量が変更せしめられる。
図18は、機械圧縮比と空燃比センサ22の出力値のリーン側への補正量との関係を示す図である。図中の実線は目標空燃比がリーン側に設定されている場合、図中の破線は目標空燃比がリッチ側に設定されている場合、図中の一点鎖線は目標空燃比がほぼ理論空燃比に設定されている場合をそれぞれ示している。
図18からわかるように、目標空燃比が低い(リッチ側にある)ときには高い(リーン側にある)ときに比べて空燃比センサ22のリーン側への補正量が大きくされる。より詳細には、目標空燃比が低くなるにつれて、空燃比センサ22のリーン側への補正量が大きくされる。
ここで、燃焼室5内の混合気の空燃比が低くなると、混合気中のHC濃度が増大する。混合気中のHC濃度が高くなると、クエンチ領域内に存在するHCの量が増大し、よって燃焼室5内で発生するHの量も増大する。このようにHの量が増大すると、空燃比センサ22生じるずれが大きくなる。以上を総合すると、燃焼室5内の混合気の空燃比が低くなると、空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれる。
ここで、本実施形態では、目標空燃比が低くなるにつれて、空燃比センサ22のリーン側への補正量が大きくされる。このため、目標空燃比が低くなって、空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれても、その分だけ空燃比センサ22の出力値がリーン側へ補正されることになるため、結果的に、空燃比センサ22の補正された出力値は実際の排気ガスの空燃比を示すことになる。すなわち、本実施形態によれば、目標空燃比が低くなったことによって空燃比センサ22の出力値に生じるずれの分だけ空燃比センサ22の出力値が補正されることにより、空燃比センサ22の出力値に生じるずれが補償される。換言すると、本実施形態では、目標空燃比を変更することによって変化するH濃度の影響が小さくなるように、H濃度に応じて出力値が変化する検出装置の出力値を補正していると言える。
次に、本発明による第四実施形態の内燃機関の制御装置について説明する。第四実施形態の火花点火式内燃機関は、図19に示したように、三元触媒21の排気上流側に配置された空燃比センサ22に加えて、三元触媒21の排気下流側に配置された酸素センサ22’を備える。
ところで、排気ガスの熱により空燃比センサ22が劣化すること等により空燃比センサ22の出力値にはずれが生じる場合がある。このように空燃比センサ22の出力値にずれが生じると、空燃比センサ22は例えば本来であれば排気空燃比が理論空燃比になっているときに発生させる出力電圧を、理論空燃比よりもリーンであるときに発生させてしまう。そこで、本実施形態では、下流側の酸素センサ22’を用いたサブF/B制御により空燃比センサ22の出力値に生じたずれを補償して、空燃比センサ22の出力値が実際の排気空燃比に対応した値となるようにすることとしている。
すなわち、酸素センサ22’は、排気空燃比が理論空燃比よりもリッチであるかリーンであるかを検出することができ、実際の排気空燃比がリーンとなっているときには酸素センサ24の出力電圧は低い値となり、実際の排気空燃比がリッチとなっているときには酸素センサ24の出力電圧は高い値となる。したがって、実際の排気空燃比がほぼ理論空燃比となっているとき、すなわち理論空燃比付近で上下を繰り返しているときには、酸素センサ22’の出力電圧は高い値と低い値との間で反転を繰り返す。このような観点から、本実施形態では、酸素センサ22’の出力電圧が高い値と低い値との間で反転を繰り返すように空燃比センサ22の出力値を補正することとしている。
図20は、実際の排気空燃比と、酸素センサの出力値と、空燃比センサ22の出力補正値efsfbのタイムチャートである。図20のタイムチャートは、実際の排気空燃比が理論空燃比になるように制御しているにも関わらず、空燃比センサ22にずれが生じていて実際の排気空燃比が理論空燃比となっていない場合に、空燃比センサ22に生じているずれが補償されていく様子を示している。
図20に示した例では、時刻tにおいて、実際の排気空燃比は理論空燃比となっておらず、理論空燃比よりもリーンとなっている。これは、空燃比センサ22にずれが生じていて、実際の排気空燃比が理論空燃比よりもリーンである空燃比となっているときに空燃比センサ22により理論空燃比に対応する出力値が出力されているためである。このとき酸素センサ22’の出力値は低い値となっている。
空燃比センサ22の出力補正値efsfbは、図11のステップS22で算出された出力値VAFに加算される補正値であり、図11のステップS23では、ステップS22で算出された出力値VAFにこの出力補正値efsfbを加算した値に基づいて実空燃比AFR(n)が算出される。従って、この出力補正値efsfbが正の値となっている場合には空燃比センサ22の出力値はリーン側に補正され、負の値となっている場合には空燃比センサ22の出力値はリッチ側に補正される。そして出力補正値efsfbの絶対値が大きいほど空燃比センサ22の出力値が大きく補正される。
空燃比センサ22の出力値がほぼ理論空燃比となっているにも関わらず酸素センサ22’の出力値が低い値となっているときには、空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれていることを意味する。そこで、本実施形態では、酸素センサ22’の出力値が低い値となっているときには、図20に示したように、出力補正値efsfbの値を増大させて、空燃比センサ22の出力値をリーン側へ補正することとしている。一方、空燃比センサ22の出力値がほぼ理論空燃比となっているにも関わらず酸素センサ24の出力値が高い値となっているときには、出力補正値efsfbの値を減少させて、空燃比センサ22の出力値をリッチ側へ補正することとしている。
具体的には出力補正値efsfbの値は下記式(4)により計算される。なお、下記式(4)において、efsfb(n−1)は、第n−1回目、すなわち前回の計算時における出力補正値であり、Kspは比例ゲイン、Ksiは積分ゲインをそれぞれ示している。また、ΔVO(n)は、第n回目の計算時における酸素センサ22’の出力値と目標出力値(本実施形態では、理論空燃比に対応する値)との出力偏差を示している。
Figure 0005126410
このように、図20に示した例では、空燃比センサ22の出力補正値efsfbの値が増大するにつれて、空燃比センサ22の出力値に生じているずれが補正され、実際の排気空燃比が徐々に理論空燃比に近づいていく。
ところで、燃焼室5から排出された排気ガス中に含まれているHは三元触媒21内で燃焼するため、三元触媒21の排気下流側を流れる排気ガス中にはHがほとんど含まれていない。一方、上述したように、酸素センサ22’は、三元触媒21の排気下流側に配置されている。このため、酸素センサ22’は排気ガス中のHの影響をほとんど受けない。したがって、燃焼室5から排出された排気ガス中にHが含まれていても、酸素センサ22’では比較的正確に酸素濃度を検出することができる。このため、上流側に空燃比センサ22の出力値にずれが生じていても、下流側の酸素センサ22’の出力値に基づくサブF/B制御を行うことで上流側の空燃比センサ22の出力値のずれを或る程度補償することができる。
ところが、下流側の酸素センサ22’の出力値に基づくサブF/B制御は、機械圧縮比等の変化速度に対して応答速度が遅く、機械圧縮比等が変化してもサブF/B制御によって空燃比センサ22の出力値のずれを補償するまでには時間がかかってしまう。このため、上述したようなサブF/B制御によっては空燃比センサ22の出力値のずれを迅速に補償することができない。
そこで、本実施形態では、サブF/B制御において、上述した出力補正値efsfbに加えて、機械圧縮比等に基づいて算出された嵩上げ補正値efsfbhを算出し、図11のステップS22で算出された出力値VAFにこれら出力補正値efsfb及び嵩上げ補正値efsfbhを加算することとしている。
図21は、機械圧縮比と嵩上げ補正値efsfbhとの関係を示す図である。図中の実線は吸気弁7の閉弁時期が遅角側に設定されている場合、図中の破線は吸気弁7の閉弁時期が進角側に設定されている場合、図中の一点鎖線は吸気弁7の閉弁時期が中程度の時期に設定されている場合をそれぞれ示している。
図21からわかるように、機械圧縮比が高いときには低いときに比べて嵩上げ補正値efsfbhが大きくされる。より詳細には、機械圧縮比が高くなるにつれて、嵩上げ補正値efsfbhが大きくされる。換言すると、本実施形態では、S/V比が高くなるにつれて嵩上げ補正値efsfbhが大きくされる。
本実施形態によれば、機械圧縮比が高くなって空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれても、その分だけ嵩上げ補正値efsfbhが大きくされて、サブF/B制御による空燃比センサ22の出力値の補正量が増大され、結果的に空燃比センサ22の補正された出力値は実際の排気ガスの空燃比を示すことになる。また、嵩上げ補正値efsfbhは、機械圧縮比に応じて変化するため、機械圧縮比の変化に対して迅速に応答することができる。すなわち、本実施形態によれば、機械圧縮比が高くなったことによって空燃比センサ22の出力値に生じるずれの分だけサブF/B制御で迅速に補正されることにより、空燃比センサ22の出力値に生じるずれが迅速に補償される。
また、図21からわかるように、吸気弁7の閉弁時期が進角側にあるときには遅角側にあるときに比べて、嵩上げ補正値efsfbhが大きくされる。より詳細には、吸気弁7の閉弁時期が早くなるにつれて、嵩上げ補正値efsfbhが大きくされる。
本実施形態によれば、吸気弁7の閉弁時期が進角されて空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれても、その分だけ嵩上げ補正値efsfbhが大きくされて、サブF/B制御による空燃比センサ22の出力値の補正量が増大され、結果的に空燃比センサ22の出力値は実際の排気ガスの空燃比を示すことになる。また、嵩上げ補正値efsfbhは、吸気弁7の閉弁時期に応じて変化するため、吸気弁7の閉弁時期の変化に対して迅速に応答することができる。すなわち、本実施形態によれば、吸気弁7の閉弁時期が進角されたことによって空燃比センサ22の出力値に生じるずれの分だけ空燃比センサ22の出力値が補正されることにより、空燃比センサ22の出力値に生じるずれが補償される。
また、EGR弁24の開度が小さいときには大きいときに比べて嵩上げ補正値efsfbhを大きくするようにしてもよい。この場合、より詳細には、EGR弁24の開度が小さくなるにつれて、嵩上げ補正値efsfbhが大きくされる。これにより、EGR弁24の開度が小さくされて空燃比センサ22の出力値がリッチ側にずれても、その分だけ嵩上げ補正値efsfbhが大きくされるため、結果的に空燃比センサ22の出力値は実際の排気ガスの空燃比を示すことになる。
なお、上記実施形態では、三元触媒21の上流側に空燃比センサ22を、下流側に酸素センサ22’を配置した場合について説明したが、上流側に酸素センサを用いた場合や、下流側に空燃比センサを用いた場合にも同様な制御を行うことができる。
なお、本発明について特定の実施形態に基づいて詳述しているが、当業者であれば本発明の請求の範囲及び思想から逸脱することなく、様々な変更、修正等が可能である。

Claims (14)

  1. 燃焼室のS/V比を変更可能なS/V比変更機構と、S/V比の増大に伴って増大する排気ガス中の水素濃度に応じて出力値が変化する、水素濃度以外のパラメータの検出装置とを具備し、該検出装置の出力値に基づいて内燃機関を制御する、内燃機関の制御装置において、
    上記S/V比変更機構のS/V比に応じて、上記検出装置の出力値又は内燃機関の運転に関するパラメータを補正するようにした、内燃機関の制御装置。
  2. 上記検出装置の出力値又は内燃機関の運転に関するパラメータの補正は、S/V比の増大に伴って増大する排気ガス中の水素濃度の影響が小さくなるように行われる、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 上記検出装置は、水素以外の排気ガス中の特定の成分の濃度を検出する装置であり、上記S/V比変更機構のS/V比に応じて、上記検出装置によって検出された特定の成分の濃度を補正するようにした、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 上記検出装置は、水素以外の排気ガス中の特定の成分の濃度を検出する装置であり、上記S/V比変更機構のS/V比に応じて、内燃機関の運転に関するパラメータを補正するようにした、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 上記検出装置は排気ガス中の酸素濃度又は空燃比を検出する酸素センサ又は空燃比センサである、請求項3又は4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 上記内燃機関の運転に関するパラメータは目標空燃比である、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 上記検出装置は排気ガス中のNO濃度を検出するNOセンサである、請求項3又は4に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 吸気弁の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構を更に具備し、上記S/V比変更機構のS/V比に加えて吸気弁の閉弁時期に応じて、上記検出装置の出力値又は内燃機関の運転に関するパラメータを補正するようにした、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  9. 機関吸気通路と機関排気通路とを連通させるEGR通路と、該EGR通路を開閉するEGR弁とをさらに具備し、上記S/V比変更機構のS/V比に加えてEGR弁の開度に応じて、上記検出装置の出力値又は内燃機関の運転に関するパラメータを補正するようにした、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 機関排気通路内に配置された排気浄化触媒を更に具備し、上記検出装置は上記排気浄化触媒の上流側に配置された上流側の酸素センサ又は空燃比センサと、該排気浄化触媒の下流側に配置された下流側の酸素センサ又は空燃比センサとを有し、上記上流側の酸素センサ又は空燃比センサの出力値に基づいて排気空燃比が目標空燃比となるように燃料供給量が制御され、上記上流側の酸素センサ又は空燃比センサの出力値が実際の排気空燃比からずれている場合に、上記下流側の酸素センサ又は空燃比センサの出力値に基づいて上流側の酸素センサ若しくは空燃比センサの出力値又は燃料供給量を補正し、
    上記S/V比変更機構のS/V比に応じて、上記下流側の酸素センサ又は空燃比センサの出力値に基づく上記上流側の酸素センサ若しくは空燃比センサの出力値又は燃料供給量の補正量を補正するようにした、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  11. 上記S/V比変更機構は、機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構である、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  12. 吸気弁の閉弁時期を制御可能な可変バルブタイミング機構を更に具備し、燃焼室内に供給される吸入空気量が主に吸気弁の閉弁時期を変えることによって制御され、機関低負荷運転時には機関高負荷運転時に比べて機械圧縮比が高くされる、請求項11に記載の内燃機関の制御装置。
  13. 機関低負荷運転時には機械圧縮比が最大機械圧縮比とされる、請求項11に記載の内燃機関の制御装置。
  14. 機関低負荷運転時には膨張比が20以上とされる、請求項11に記載の内燃機関の制御装置。
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