JP2013124623A - 可変圧縮比機構を備える内燃機関 - Google Patents

可変圧縮比機構を備える内燃機関 Download PDF

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Abstract

【課題】機械圧縮比を可変とする可変圧縮比機構を備える内燃機関であって、機械圧縮比が低くされるときに、バルブオーバーラップ期間を長くしても、ノッキングの発生を抑制可能とする。
【解決手段】可変圧縮比機構により機械圧縮比が設定値以下とされるときには、可変圧縮比機構により機械圧縮比が設定値より高くされるとき(EVC1)に比較して、排気弁閉弁時期を遅角して(EVC2)バルブオーバーラップ期間が長くされる。
【選択図】図8

Description

本発明は、可変圧縮比機構を備える内燃機関に関する。
機械圧縮比を可変とする可変圧縮比機構を備える内燃機関が公知である。(特許文献1参照)。
一般的に、バルブオーバーラップ期間を長くすると、吸気系へ流出して気筒内へ逆流する排気ガス量及び排気系から気筒内へ逆流する排気ガス量の合計である気筒内へ内部的に再循環される排気ガス(以下、内部EGR)量が増加する。こうして、内部EGRによりEGR率が高くされると、その分の気筒内へ供給される吸気量が減少するために、ポンピング損失を低減することができる。
特開2007−303423 特開2003−232233 特開2004−218551 特開2009−138638
しかしながら、内部EGRによりEGR率が高くされると、燃焼悪化に伴って燃焼速度が低下するために、ノッキングが発生し易くなり、これを抑制するために点火時期を遅角しなければならないことがある。前述の可変圧縮比機構を備える内燃機関においては、機械圧縮比が高くされるときには、膨張比が高くされて熱効率が高まるために、ポンピング損失が増加してもバルブオーバーラップ期間を短くして点火時期を遅角させない方が燃料消費率を低下させることができる。
こうして、可変圧縮比機構を備える内燃機関において、機械圧縮比が設定値より高くされるときには、バルブオーバーラップ期間を短くし、機械圧縮比が設定値以下とされるときには、設定値より高くされるときに比較して、バルブオーバーラップ期間を長くすることが好ましいが、単にバルブオーバーラップ期間が長くされてEGR率を高くすると、燃焼速度の低下により点火時期が遅角されてもノッキングが発生することがある。
従って、本発明の目的は、機械圧縮比を可変とする可変圧縮比機構を備える内燃機関であって、機械圧縮比が低くされるときに、バルブオーバーラップ期間を長くしても、ノッキングの発生を抑制可能とすることである。
本発明による請求項1に記載の可変圧縮比機構を備える内燃機関は、可変圧縮比機構により機械圧縮比が設定値以下とされるときには、前記可変圧縮比機構により前記機械圧縮比が前記設定値より高くされるときに比較して、排気弁閉弁時期を遅角してバルブオーバーラップ期間が長くされることを特徴とする。
本発明による請求項2に記載の可変圧縮比機構を備える内燃機関は、請求項1に記載の可変圧縮比機構を備える内燃機関において、前記可変圧縮比機構により前記機械圧縮比が低くされるほど、前記排気弁閉弁時期が遅角されて前記バルブオーバーラップ期間が長くされることを特徴とする。
本発明による請求項1に記載の可変圧縮比機構を備える内燃機関によれば、可変圧縮比機構により機械圧縮比が設定値以下とされるときには、可変圧縮比機構により機械圧縮比が設定値より高くされるときに比較して、排気弁閉弁時期を遅角してバルブオーバーラップ期間が長くされるようになっている。バルブオーバーラップ期間中に排気系から気筒内へ逆流する排気ガスは吸気系から逆流する排気ガスに比較して高温であるために、排気弁閉弁時期を遅角してバルブオーバーラップ期間が長くされて排気系から気筒内へ逆流する排気ガスを増量してEGR率が高くされると、気筒内の混合気の温度が高くなって燃焼速度を速くすることができ、ノッキングの発生を抑制することができる。
本発明による請求項2に記載の可変圧縮比機構を備える内燃機関によれば、請求項1に記載の可変圧縮比機構を備える内燃機関において、可変圧縮比機構により機械圧縮比が低くされるほど、排気弁閉弁時期が遅角されてバルブオーバーラップ期間が長くされるようになっており、それにより、機械圧縮比が低くされて膨張比低下に伴って熱効率が低下するほど、ノッキングの発生を抑制しながらEGR率の増加に伴ってポンピング損失を低減することができる。
内燃機関の全体図である。 可変圧縮比機構の分解斜視図である。 図解的に表した内燃機関の側面断面図である。 機械圧縮比、実圧縮比および膨張比を説明するための図である。 理論熱効率と膨張比との関係を示す図である。 通常のサイクルおよび超高膨張比サイクルを説明するための図である。 機関負荷に応じた機械圧縮比等の変化を示す図である。 機械圧縮比が設定値以下とされるときの排気弁閉弁時期と機械圧縮比が設定値より高くされるときの排気弁閉弁時期とを示す図である。 機械圧縮比と排気弁閉弁時期との関係を示すマップである。
図1は本発明による可変圧縮比機構を備える内燃機関の側面断面図を示す。図1を参照すると、1はクランクケース、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は燃焼室5の頂面中央部に配置された点火栓、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8は吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、各吸気枝管11には夫々対応する吸気ポート8内に向けて燃料を噴射するための燃料噴射弁13が配置される。なお、燃料噴射弁13は各吸気枝管11に取付ける代りに各燃焼室5内に配置してもよい。
サージタンク12は吸気ダクト14を介してエアクリーナ15に連結され、吸気ダクト14内にはアクチュエータ16によって駆動されるスロットル弁17と例えば熱線を用いた吸入空気量検出器18とが配置される。一方、排気ポート10は排気マニホルド19を介して例えば三元触媒を内蔵した触媒装置20に連結され、排気マニホルド19内には空燃比センサ21が配置される。燃焼空燃比が理論空燃比である場合には、触媒装置20には前述のように三元触媒を内蔵することが好ましいが、燃焼空燃比を理論空燃比よりリーンとすることがある場合には、触媒装置20にはNOX吸蔵還元触媒を内蔵するか又はNOX吸蔵還元触媒を内蔵する別の触媒装置を触媒装置20の下流側に配置することが好ましい。
一方、図1に示される実施例ではクランクケース1とシリンダブロック2との連結部にクランクケース1とシリンダブロック2のシリンダ軸線方向の相対位置を変化させることによりピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を変更可能な可変圧縮比機構Aが設けられており、更に実際の圧縮作用の開始時期を変更可能な実圧縮作用開始時期変更機構Bが設けられている。なお、図1に示される実施例ではこの実圧縮作用開始時期変更機構Bは吸気弁7の閉弁時期を制御可能な吸気弁開閉アクチュエータである。
図1に示されるようにクランクケース1とシリンダブロック2にはクランクケース1とシリンダブロック2間の相対位置関係を検出するための相対位置センサ22が取付けられており、この相対位置センサ22からはクランクケース1とシリンダブロック2との間隔の変化を示す出力信号が出力される。また、吸気弁開閉アクチュエータBは、電磁又は油圧アクチュエータとして構成され、任意の時期に吸気弁7を開閉させることを可能とする。排気弁開閉アクチュエータCも同様に電磁又は油圧アクチュエータであり、任意の時期に排気弁9を開閉させることを可能とする。スロットル弁駆動用のアクチュエータ16にはスロットル弁開度を示す出力信号を発生するスロットル開度センサ24が取付けられている。
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。吸入空気量検出器18、空燃比センサ21、相対位置センサ22、バルブタイミングセンサ23およびスロットル開度センサ24の出力信号は夫々対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して点火栓6、燃料噴射弁13、スロットル弁駆動用アクチュエータ16、可変圧縮比機構A、吸気弁開閉アクチュエータBおよび排気弁開閉アクチュエータCに接続される。
図2は図1に示す可変圧縮比機構Aの分解斜視図を示しており、図3は図解的に表した内燃機関の側面断面図を示している。図2を参照すると、シリンダブロック2の両側壁の下方には互いに間隔を隔てた複数個の突出部50が形成されており、各突出部50内には夫々断面円形のカム挿入孔51が形成されている。一方、クランクケース1の上壁面上には互いに間隔を隔てて夫々対応する突出部50の間に嵌合せしめられる複数個の突出部52が形成されており、これらの各突出部52内にも夫々断面円形のカム挿入孔53が形成されている。
図2に示されるように一対のカムシャフト54,55が設けられており、各カムシャフト54,55上には一つおきに各カム挿入孔53内に回転可能に挿入される円形カム58が固定されている。これらの円形カム58は各カムシャフト54,55の回転軸線と共軸をなす。一方、各円形カム58の両側には図3に示すように各カムシャフト54,55の回転軸線に対して偏心配置された偏心軸57が延びており、この偏心軸57上に別の円形カム56が偏心して回転可能に取付けられている。図2に示されるようにこれら円形カム56は各円形カム58の両側に配置されており、これら円形カム56は対応する各カム挿入孔51内に回転可能に挿入されている。また、図2に示されるようにカムシャフト55にはカムシャフト55の回転角度を表す出力信号を発生するカム回転角度センサ25が取付けられている。
図3(A)に示すような状態から各カムシャフト54,55上に固定された円形カム58を図3(A)において矢印で示される如く互いに反対方向に回転させると偏心軸57が互いに離れる方向に移動するために円形カム56がカム挿入孔51内において円形カム58とは反対方向に回転し、図3(B)に示されるように偏心軸57の位置が高い位置から中間高さ位置となる。次いで更に円形カム58を矢印で示される方向に回転させると図3(C)に示されるように偏心軸57は最も低い位置となる。
なお、図3(A)、図3(B)、図3(C)には夫々の状態における円形カム58の中心aと偏心軸57の中心bと円形カム56の中心cとの位置関係が示されている。
図3(A)から図3(C)とを比較するとわかるようにクランクケース1とシリンダブロック2の相対位置は円形カム58の中心aと円形カム56の中心cとの距離によって定まり、円形カム58の中心aと円形カム56の中心cとの距離が大きくなるほどシリンダブロック2はクランクケース1から離間側に移動する。即ち、可変圧縮比機構Aは回転するカムを用いたクランク機構によりクランクケース1とシリンダブロック2間の相対位置を変化させていることになる。シリンダブロック2がクランクケース1から離れるとピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積は増大し、従って各カムシャフト54,55を回転させることによってピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を変更することができる。
図2に示されるように各カムシャフト54,55を夫々反対方向に回転させるために駆動モータ59の回転軸には夫々螺旋方向が逆向きの一対のウォーム61,62が取付けられており、これらウォーム61,62と噛合するウォームホイール63,64が夫々各カムシャフト54,55の端部に固定されている。この実施例では駆動モータ59を駆動することによってピストン4が圧縮上死点に位置するときの燃焼室5の容積を広い範囲に亘って変更することができる。
次に図4を参照しつつ本願において使用されている用語の意味について説明する。なお、図4の(A),(B),(C)には説明のために燃焼室容積が50mlでピストンの行程容積が500mlであるエンジンが示されており、これら図4の(A),(B),(C)において燃焼室容積とはピストンが圧縮上死点に位置するときの燃焼室の容積を表している。
図4(A)は機械圧縮比について説明している。機械圧縮比は圧縮行程時のピストンの行程容積と燃焼室容積のみから機械的に定まる値であってこの機械圧縮比は(燃焼室容積+行程容積)/燃焼室容積で表される。図4(A)に示される例ではこの機械圧縮比は(50ml+500ml)/50ml=11となる。
図4(B)は実圧縮比について説明している。この実圧縮比は実際に圧縮作用が開始されたときからピストンが上死点に達するまでの実際のピストン行程容積と燃焼室容積から定まる値であってこの実圧縮比は(燃焼室容積+実際の行程容積)/燃焼室容積で表される。即ち、図4(B)に示されるように圧縮行程においてピストンが上昇を開始しても吸気弁が開弁している間は圧縮作用は行われず、吸気弁が閉弁したときから実際の圧縮作用が開始される。従って実圧縮比は実際の行程容積を用いて上記の如く表される。図4(B)に示される例では実圧縮比は(50ml+450ml)/50ml=10となる。
図4(C)は膨張比について説明している。膨張比は膨張行程時のピストンの行程容積と燃焼室容積から定まる値であってこの膨張比は(燃焼室容積+行程容積)/燃焼室容積で表される。図4(C)に示される例ではこの膨張比は(50ml+500ml)/50ml=11となる。
次に図5および図7を参照しつつ本発明において用いられている超膨張比サイクルについて説明する。なお、図5は理論熱効率と膨張比との関係を示しており、図6は本発明において負荷に応じ使い分けられている通常のサイクルと超高膨張比サイクルとの比較を示している。
図6(A)は吸気弁が下死点近傍で閉弁し、ほぼ吸気下死点付近からピストンによる圧縮作用が開始される場合の通常のサイクルを示している。この図6(A)に示す例でも図4の(A),(B),(C)に示す例と同様に燃焼室容積が50mlとされ、ピストンの行程容積が500mlとされている。図6(A)からわかるように通常のサイクルでは機械圧縮比は(50ml+500ml)/50ml=11であり、実圧縮比もほぼ11であり、膨張比も(50ml+500ml)/50ml=11となる。即ち、通常の内燃機関では機械圧縮比と実圧縮比と膨張比とがほぼ等しくなる。
図5における実線は実圧縮比と膨張比とがほぼ等しい場合の、即ち通常のサイクルにおける理論熱効率の変化を示している。この場合には膨張比が大きくなるほど、即ち実圧縮比が高くなるほど理論熱効率が高くなることがわかる。従って通常のサイクルにおいて理論熱効率を高めるには実圧縮比を高くすればよいことになる。しかしながら機関高負荷運転時におけるノッキングの発生の制約により実圧縮比は最大でも12程度までしか高くすることができず、斯くして通常のサイクルにおいては理論熱効率を十分に高くすることはできない。
一方、このような状況下で機械圧縮比と実圧縮比とを厳密に区分しつつ理論熱効率を高めることが検討され、その結果理論熱効率は膨張比が支配し、理論熱効率に対して実圧縮比はほとんど影響を与えないことが見い出されたのである。即ち、実圧縮比を高くすると爆発力は高まるが圧縮するために大きなエネルギーが必要となり、斯くして実圧縮比を高めても理論熱効率はほとんど高くならない。
これに対し、膨張比を大きくすると膨張行程時にピストンに対し押下げ力が作用する期間が長くなり、斯くしてピストンがクランクシャフトに回転力を与えている期間が長くなる。従って膨張比は大きくすれば大きくするほど理論熱効率が高くなる。図5の破線ε=10は実圧縮比を10に固定した状態で膨張比を高くしていった場合の理論熱効率を示している。このように実圧縮比εを低い値に維持した状態で膨張比を高くしたときの理論熱効率の上昇量と、図5の実線で示す如く実圧縮比も膨張比と共に増大せしめられる場合の理論熱効率の上昇量とは大きな差がないことがわかる。
このように実圧縮比が低い値に維持されているとノッキングが発生することがなく、従って実圧縮比を低い値に維持した状態で膨張比を高くするとノッキングの発生を阻止しつつ理論熱効率を大巾に高めることができる。図6(B)は可変圧縮比機構Aおよび可変バルブタイミング機構Bを用いて、実圧縮比を低い値に維持しつつ膨張比を高めるようにした場合の一例を示している。
図6(B)を参照すると、この例では可変圧縮比機構Aにより燃焼室容積が50mlから20mlまで減少せしめられる。一方、可変バルブタイミング機構Bによって実際のピストン行程容積が500mlから200mlになるまで吸気弁の閉弁時期が遅らされる。その結果、この例では実圧縮比は(20ml+200ml)/20ml=11となり、膨張比は(20ml+500ml)/20ml=26となる。図6(A)に示される通常のサイクルでは前述したように実圧縮比がほぼ11で膨張比が11であり、この場合に比べると図6(B)に示される場合には膨張比のみが26まで高められていることがわかる。これが超高膨張比サイクルと称される所以である。
一般的に言って内燃機関では機関負荷が低いほど熱効率が悪くなり、従って機関運転時における熱効率を向上させるためには、即ち燃費を向上させるには機関負荷が低いときの熱効率を向上させることが必要となる。一方、図6(B)に示される超高膨張比サイクルでは圧縮行程時の実際のピストン行程容積が小さくされるために燃焼室5内に吸入しうる吸入空気量は少なくなり、従ってこの超高膨張比サイクルは機関負荷が比較的低いときにしか採用できないことになる。従って本発明では機関負荷が比較的低いときには図6(B)に示す超高膨張比サイクルとし、機関高負荷運転時には図6(A)に示す通常のサイクルとするようにしている。
次に図7を参照しつつ運転制御全般について概略的に説明する。図7には或る機関回転数における機関負荷に応じた吸入空気量、吸気弁閉弁時期、機械圧縮比、膨張比、実圧縮比およびスロットル弁17の開度の各変化が示されている。なお、図7は、触媒装置20内の三元触媒によって排気ガス中の未燃HC,COおよびNOXを同時に低減しうるように燃焼室5内における平均空燃比が空燃比センサ21の出力信号に基いて理論空燃比にフィードバック制御されている場合を示している。
さて、前述したように機関高負荷運転時には図6(A)に示される通常のサイクルが実行される。従って図7に示されるようにこのときには機械圧縮比は低くされるために膨張比は低く、図7において実線で示されるように吸気弁7の閉弁時期は図5において実線で示される如く早められている。また、このときには吸入空気量は多く、このときスロットル弁17の開度は全開に保持されているのでポンピング損失は小さくされている。
一方、図7において実線で示されるように機関負荷が低くなるとそれに伴って吸入空気量を減少すべく吸気弁7の閉弁時期が遅くされる。またこのときには実圧縮比がほぼ一定に保持されるように図7に示される如く機関負荷が低くなるにつれて機械圧縮比が増大され、従って機関負荷が低くなるにつれて膨張比も増大される。なお、このときにもスロットル弁17は全開状態に保持されており、従って燃焼室5内に供給される吸入空気量はスロットル弁17によらずに吸気弁7の閉弁時期を変えることによって制御されている。
このように機関高負荷運転状態から機関負荷が低くなるときには実圧縮比がほぼ一定のもとで吸入空気量が減少するにつれて機械圧縮比が増大せしめられる。即ち、吸入空気量の減少に比例してピストン4が圧縮上死点に達したときの燃焼室5の容積が減少せしめられる。従ってピストン4が圧縮上死点に達したときの燃焼室5の容積は吸入空気量に比例して変化していることになる。なお、このとき図7に示される例では燃焼室5内の空燃比は理論空燃比となっているのでピストン4が圧縮上死点に達したときの燃焼室5の容積は燃料量に比例して変化していることになる。
機関負荷が更に低くなると機械圧縮比は更に増大せしめられ、機関負荷がやや低負荷寄りの中負荷L1まで低下すると機械圧縮比は燃焼室5の構造上限界となる限界機械圧縮比(上限機械圧縮比)に達する。機械圧縮比が限界機械圧縮比に達すると、機械圧縮比が限界機械圧縮比に達したときの機関負荷L1よりも負荷の低い領域では機械圧縮比が限界機械圧縮比に保持される。従って低負荷側の機関中負荷運転時および機関低負荷運転時には即ち、機関低負荷運転側では機械圧縮比は最大となり、膨張比も最大となる。別の言い方をすると機関低負荷運転側では最大の膨張比が得られるように機械圧縮比が最大にされる。
一方、図7に示される実施例では機関負荷がL1まで低下すると吸気弁7の閉弁時期が燃焼室5内に供給される吸入空気量を制御しうる限界閉弁時期となる。吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に達すると吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に達したときの機関負荷L1よりも負荷の低い領域では吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に保持される。
吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に保持されるともはや吸気弁7の閉弁時期の変化によっては吸入空気量を制御することができない。図7に示される実施例ではこのとき、即ち吸気弁7の閉弁時期が限界閉弁時期に達したときの機関負荷L1よりも負荷の低い領域ではスロットル弁17によって燃焼室5内に供給される吸入空気量が制御され、機関負荷が低くなるほどスロットル弁17の開度は小さくされる。
一方、図7において破線で示すように機関負荷が低くなるにつれて吸気弁7の閉弁時期を早めることによってもスロットル弁17によらずに吸入空気量を制御することができる。従って、図7において実線で示される場合と破線で示される場合とをいずれも包含しうるように表現すると、本発明による実施例では吸気弁7の閉弁時期は、機関負荷が低くなるにつれて、燃焼室内に供給される吸入空気量を制御しうる限界閉弁時期L1まで吸気下死点BDCから離れる方向に移動せしめられることになる。このように吸入空気量は吸気弁7の閉弁時期を図7において実線で示すように変化させても制御することができるし、破線に示すように変化させても制御することができる。
前述したように図6(B)に示す超高膨張比サイクルでは膨張比が26とされる。この膨張比は高いほど好ましいが図5からわかるように実用上使用可能な下限実圧縮比ε=5に対しても20以上であればかなり高い理論熱効率を得ることができる。従って本実施例では膨張比が20以上となるように可変圧縮比機構Aが形成されている。
ところで、吸排気効率を高めるために、吸気弁7は吸気上死点(TDC)前に開弁され、排気弁9は吸気上死点後に閉弁される。それにより、吸気上死点近傍には、吸気弁7及び排気弁9の両方が開弁しているバルブオーバーラップ期間が設けられている。このようなバルブオーバーラップ期間を長くすると、吸気系へ流出して気筒内へ逆流する排気ガス量及び排気系から気筒内へ逆流する排気ガス量の合計である気筒内へ内部的に再循環される排気ガス(以下、内部EGR)量も増加する。
スロットル弁17が全開されていても、スロットル弁17は多少の吸気抵抗となるために、ポンピング損失を完全に無くすことはできない。内部EGRによりEGR率が高くされれば、その分のスロットル弁17を通過して気筒内へ供給される吸気量が減少するために、ポンピング損失を低減することができる。図7において説明した実施例では、機関負荷がL1以上のときにはスロットル弁17は全開としたが、もちろん、最大機関負荷時のみスロットル弁17を全開として、機関負荷が低くなるほどスロットル弁17の開度を小さくすることも考えられ、この場合には、内部EGRによりEGR率を高めれば、ポンピング損失を十分に低減することができる。
しかしながら、内部EGRによりEGR率が高くされると、燃焼悪化に伴って燃焼速度が低下するために、ノッキングが発生し易くなり、これを抑制するために点火時期を遅角しなければならない。可変圧縮比機構Aを備える内燃機関においては、機械圧縮比が高くされるときには、膨張比が高くされて熱効率が高まるために、ポンピング損失が増加してもバルブオーバーラップ期間を短くして点火時期を遅角させない方が燃料消費率を低下させることができる。
こうして、可変圧縮比機構Aを備える内燃機関において、機械圧縮比が設定値より高くされるときには、バルブオーバーラップ期間を短くし、機械圧縮比が設定値以下とされるときには、設定値より高くされるときに比較して、バルブオーバーラップ期間を長くすることが好ましいが、単にバルブオーバーラップ期間が長くされてEGR率を高くすると、燃焼速度の低下により点火時期が遅角されてもノッキングが発生することがある。
本実施例の可変圧縮比機構Aを備える内燃機関は、図8に示すように、機械圧縮比が設定値ESより高くされるときには、排気弁開閉アクチュエータCによって排気弁9の閉弁時期はEVC1とされ、機械圧縮比が設定値ES以下とされるときには、排気弁閉弁アクチュエータCによって排気弁9の閉弁時期はEVC1より遅角側のEVC2とされる。ここで、図7において説明したように、機械圧縮比が高くされるほど、吸気弁開閉アクチュエータBによって吸気弁7の閉弁時期は遅角されるが、吸気弁開閉アクチュエータBは開弁時期と閉弁時期とを独立して制御することができ、図8に示すように、吸気弁7の開弁時期は吸気上死点前のIVOに固定される。機械圧縮比の設定値ESは、例えば、上限機械圧縮比(図7における機関負荷がL1以下のときの機械圧縮比)より低くされ、機関負荷が中負荷のときの機械圧縮比とされる。
こうして、本実施例では、可変圧縮比機構Aにより機械圧縮比が設定値ES以下とされるときには、設定値ESより高くされるときに比較して、吸気弁開弁時期はIVOとして変化させずに、排気弁閉弁時期をEVC1からEVC2へ遅角してバルブオーバーラップ期間が長くされるようになっている。
バルブオーバーラップ期間中に排気系から気筒内へ逆流する排気ガスは吸気系から逆流する排気ガスに比較して高温であるために、本実施例のように、排気弁閉弁時期を遅角してバルブオーバーラップ期間が長くされて排気系から気筒内へ逆流する排気ガスを増量してEGR率が高くされると、気筒内の混合気の温度が高くなって燃焼速度を速くすることができ、ノッキングの発生を抑制することができる。こうして、点火時期を遅角すれば確実にノッキングを防止することができる。
また、機械圧縮比の変化に対して吸気弁7の開弁時期IVOは一定に維持されるが、図9に示すマップのように、可変圧縮比機構Aにより機械圧縮比が低くされるほど、排気弁9の閉弁時期EVCを遅角して、バルブオーバーラップ期間を長くするようにしても良い。それにより、機械圧縮比が低くされて膨張比低下に伴って熱効率が低下するほど、ノッキングの発生を抑制しながらEGR率の増加に伴ってポンピング損失を低減することができる。図9に示すマップでは、上限機械圧縮比とされるときには、排気弁閉弁時期EVCは、図8に示す進角側の閉弁時期EVC1よりさらに進角側とされ、また、機械圧縮比を非常に低くするときには、図8に示す遅角側の閉弁時期EVC2よりさらに遅角側とされるようになっている。
図9に示すマップは、機械圧縮比が変化しない定常時において現在の機械圧縮比に対して排気弁9の閉弁時期の設定に使用されるだけでなく、機械圧縮比を変化させている過渡時において、排気弁9の閉弁時期を変化中の機械圧縮比に対応させて変化させるのにも使用することができる。また、本発明において、バルブオーバーラップ期間を長くするときには、排気弁閉弁時期EVCを遅角することに加えて、排気弁閉弁時期の遅角量より小さく吸気弁開弁時期IVOを遅角しても良い。
1 クランクケース
2 シリンダブロック
A 可変圧縮比機構
B 吸気弁開閉アクチュエータ
C 排気弁開閉アクチュエータ

Claims (2)

  1. 可変圧縮比機構により機械圧縮比が設定値以下とされるときには、前記可変圧縮比機構により前記機械圧縮比が前記設定値より高くされるときに比較して、排気弁閉弁時期を遅角してバルブオーバーラップ期間が長くされることを特徴とする可変圧縮比機構を備える内燃機関。
  2. 前記可変圧縮比機構により前記機械圧縮比が低くされるほど、前記排気弁閉弁時期が遅角されて前記バルブオーバーラップ期間が長くされることを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比機構を備える内燃機関。
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