JP5123716B2 - 雨水浸入防止構造 - Google Patents
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Description
エンジン駆動型作業機は、エンジンファンによって外部の空気を吸気し、その空気をラジエータ等の熱交換器に送風して冷却空気としていることから、例えば天候が急変して降雨になっても、熱交換器における冷却が終了するまでエンジン駆動型作業機を停止できない。
そして、降雨の状況でエンジン駆動型作業機の運転を継続すると、筐体に形成される空気の排風口などの開口部、及び筐体の開閉部や板金の合わせ面に形成される隙間から雨水が浸入する場合がある。
そして、漏洩物貯留部から溢れた漏洩物がエンジン駆動型作業機から漏出し、外部環境に影響を与えることがある。
なお、作業機本体1cは、例えば発電機である。
なお、以下の説明において、エンジン駆動型作業機1は、エンジン1aが配置される側、すなわち、請求項に記載の一方の側を正面Frとし、作業機本体1cが配置される側、すなわち、請求項に記載の他方の側を背面Rrとする。
ここで、環境対応型ベース2においても、エンジン駆動型作業機1(図1参照)と同様にエンジン1a(図1参照)が配置される側を正面Fr、作業機本体1c(図1参照)が配置される側を背面Rrとする。また、正面Frの側からみて、左面Le及び右面Riを設定する。さらに、右面Riと左面Leとをまとめて、両側面と称する場合もある。そして、両側面の間の長さを幅、正面Frから背面Rrに向かった長さを奥行きと称する。
なお、側面部34の両端部を曲げ起こして浅い箱型を形成し、側面部34の強度を高める構成としてもよい。
そして、本実施形態において、正面部32の上面部32a、及び背面部33の上面部33aは、側面部34の上面部34aより上下方向に低く形成されている。
エンジン固定台座22は、2つの側面部34、34の間に、正面部32及び背面部33と略平行に、例えば断面がコ字型の棒材を横架し、コ字型の開口部を下に向けて固定して形成される。エンジン1aは、エンジン固定台座22に載置され、例えば、防振ゴムを介して図示しないボルトとナットで固定するなどの適当な手段で固定される。
または、エンジン固定台座22、及び作業機本体固定台座23を、溶接やねじ止めなどで、側面部34に直接固定する構成であってもよい。
図3は、図2の(a)におけるX2−X2断面図である。ドレンコック35の構造は限定するものではないが、例えば図3に示すように、正面部32を貫通する円筒状の排出管35cに備わる弁体35bの回転によって、排出管35cを開閉する構造が考えられる。弁体35bは、排出管35cの外部に備わるコックレバー35aと一体に回転する構造とすれば、例えば手動でコックレバー35aを操作することで、排出管35cを開閉できる。そして、排出管35cを開くことで、漏洩物貯留部3aと外部とが開通し、漏洩物貯留部3aに貯留する漏洩物を、環境対応型ベース2の外部に排出できる。
本実施形態に係る環境対応型ベース2は、従来の基台とベースを一体に構成した場合と同等の機能を有している。
そして、フロントフレーム40とリアフレーム41の左面Le、右面Riの側に、それぞれ左フレーム42、右フレーム43が配設される。
さらに、フロントフレーム40、リアフレーム41、左フレーム42、及び右フレーム43を上方から覆うように、アッパフレーム44が備わる。
排風口44aは上方に向けて開口していることから、雨水は排風口44aからフロントフレーム40の中空部に浸入し、フロントフレーム40の中空部を介して筐体10の内部に浸入する。
排水ガイド401は、環境対応型ベース2の漏洩物貯留部3a(図2の(a)参照)に、雨水が浸入するのを防止する機能を有する。
図5に示すように、排水ガイド401は平面形状が略矩形の浅い箱型の部材であって、底部401dは平面形状が略矩形に形成される。
底部401dの左右方向の幅は、環境対応型ベース2の2つの側面部34、34(図2の(a)参照)の間隔に等しく形成され、幅方向の端部の一方が起立して側壁401aが形成される。
さらに、側壁401aの平坦部401d1側の端部には、少なくとも1つの排水口401fが形成される。
このように排水ガイド401を形成し、側壁401aと側壁401c、401cとの間に切欠部401e、401eを設ける。
または、平坦部401d1は、溶接などで上面部32aに固定されてもよい。
または、側壁401c、401cは、溶接などで側面部34、34に固定されてもよい。
または、側壁401bは、溶接などで起立部37cに固定されてもよい。
図5に示すように、フロントフレーム40は、上下が貫通した中空の角筒状の部材であって、幅W1は、環境対応型ベース2の幅(側面部34、34の上面部34a、34aの端部間の長さ)と略等しく、奥行きD1は、側面部34の前端部から、ガイドベース37の起立部37aまでの長さと略等しく形成される。
すなわち、ガイドベース37、及び排水ガイド401はフロントフレーム40の下方に配設される。さらに、図4に示すように、アッパフレーム44には、フロントフレーム40の上方に対応する位置に排風口44aが開口し、フロントフレーム40の上方に開口部を形成することから、排水部材であるガイドベース37、及び排水ガイド401は、開口部の下方に配設されることになる。
そのため、フロントフレーム40の上端部は完全に遮蔽することができず、図4に示すように、フロントフレーム40の上方には、アッパフレーム44に排風口44aが開口している。このことによって、例えば雨水がアッパフレーム44の排風口44aからフロントフレーム40の中空部に浸入し、フロントフレーム40の中空部を介して筐体10(図4参照)の内部に浸入する場合がある。
図6に示すように、ガイドベース37及び排水ガイド401は、フロントフレーム40の下方に配設されることから、フロントフレーム40の中空部から筐体の内部に浸入した雨水などの水Waは、ガイドベース37の平面部37b、または排水ガイド401の底部401d(平坦部401d1、傾斜部401d2)に受止められる。
すなわち、ガイドベース37の平面部37b、排水ガイド401の底部401d(平坦部401d1、傾斜部401d2)は、請求項に記載の受水部となる。
そして、ガイドベース37の平面部37bから、排水ガイド401に流れ込む水Wa、及び傾斜部401d2が受止める水Waは、傾斜部401d2を流れ、平坦部401d1に到達する。傾斜部401d2の両端には、側壁401c、401cが形成されることから、傾斜部401d2を流れる水Waは、傾斜部401d2の両端と側面部34との間に浸入しない。
リアフレーム41は、例えば略コ字型の部材からなり、コ字型の開口側が正面Frの側になるように起立して固定され、その高さはフロントフレーム40と同等の高さに形成される。
図7に示すように、リアフレーム41の幅W1は、環境対応型ベース2の幅と略等しく形成される。そして、コ字型の側面を下端の側で内側に折り曲げ、固定部41aを形成する。
リアフレーム41は、固定部41aが側面部34の上面部34aに載置されるように配置され、固定部41aと上面部34aを、例えばボルトBと図示しないナットで締結して固定される。
このように、固定部41b1と上面部401a1を固定することで、リアフレーム41は環境対応型ベース2に確実に固定できる。
すなわち、排水部材である排水ガイド401は、リアフレーム41と、筐体10(図4参照)を構成する他の部材(例えば、アッパフレーム44(図4参照)、左フレーム42(図4参照)、右フレーム43(図4参照))との連結部に形成される図示しない隙間の下方に配設される。そして、筐体10の連結部に形成される隙間から浸入する雨水などの水Waは、その全てが排水ガイド401に受止められ、排水口401fから排水として、背面Rrの側に排出される。この構造により、筐体10の連結部に形成される隙間から筐体10の内部に浸入する雨水などの水Waが、漏洩物貯留部3aに流入することを防止できる。
左フレーム42は、例えば、正面Frの側の端部をフロントフレーム40に、図示しないボルトとナットなどの締結部材で固定され、背面Rrの側の端部をリアフレーム41に、図示しないボルトとナットなどの締結部材で固定される。
アッパフレーム44は、フロントフレーム40、リアフレーム41、右フレーム42を上方から覆うように、環境対応型ベース2と対向して備わり、エンジン駆動型作業機1(図1参照)の筐体10の天井部を形成する。
凹溝440dの上面には、例えば鋼材からなるつなぎ部材440eが掛け渡されて補強されている。
そして、凹溝440dには図示しないフック部材が配設され、エンジン駆動型作業機1を運搬する時に例えばロープを掛けるフックとして機能する。
図8は、給油部を示す図である。
図8に示すように、給油部440は、アッパフレーム44が略矩形にへこんで形成される凹部440aに、給油口部材440cが固定されて形成される。
凹部440aには、アッパフレーム44を貫通する給油口440bが形成され、給油口部材440cは、給油口440bを上方から覆うように凹部440aに固定される。
そして、給油口部材440cは、給油開口部440c1と凹部440aの給油口440bが連通するように凹部440aに固定される。
給油口部材440cを凹部440aに固定する方法は、例えば給油口部材440cの周囲を連続溶接して、給油口部材440cとアッパフレーム44の間に水密構造を形成する。
そして、例えば、給油開口部440c1は、燃料タンク1b(図1参照)の給油口と図示しない管路を介して連通する。
さらに、例えば給油口部材440cの深さは、凹部440aの深さと略等しく形成すればよい。すなわち、給油口部材440cの浅い箱型を形成する側壁の高さは、後記する隔壁440fと略等しい高さとする。
なお、隔壁440fを形成せずに、凹部440aと凹溝440dが連通するように構成してもよい。
なお、排水口440gを、凹部440aの底部に接するように形成することで、凹部440aからの排水の効率を向上できる。
そして、アッパフレーム44の端部まで凹溝440dを流れた水Waは、アッパフレーム44の端部から落下する。
したがって、凹部440aから溢れた水Waが排風口44a(図4参照)に到達して排風口44aに流れ込み、フロントフレーム40(図4参照)の中空部を介して筐体10(図4参照)の内部に浸入する場合がある。
この構成により、給油部440の凹部440a(図8参照)から溢れ出て排風口44aの側に向かう水Waは、凹溝440dに流れ込み、排風口44aに到達しない。したがって、凹部440aから溢れ出た水Waが排風口44aからフロントフレーム40の中空部を介して筐体10の内部に浸入することがない。
この構成によって、凹部440aに流入する雨水などの水Waは、凹溝440dに流れ込み、凹部440aに滞留する水量が少なくなる。そして、凹部440aから溢れ出る水Waの量を減らすことができる。
すなわち、アッパフレーム44から水Waが落下する位置を特定できない。
このような構成により、アッパフレーム44から水Waが落下する位置を特定できる。
したがって、例えば凹溝440dの下方に連結部が形成されないように筐体10を構成する、凹溝440dの下方にある筐体10の連結部のみコーキングを施して水密構造にする、などの方法で、水Waが筐体10(図4参照)の連結部に形成される隙間から筐体10の内部に浸入することを抑制できる。
図8に二点鎖線で示すように、アッパフレーム44のコ字型を形成する側壁の、凹溝440dより下方に、たとえば断面形状が略半円型の部材を上側が開口するように、正面Frの側の端部から、背面Rrの側の端部まで、アッパフレーム44の長手方向に沿って取り付け、樋状の受水部材44bを形成する。
受水部材44bは、例えば、断面が略半円型の樹脂からなる部材を、両面テープ等でアッパフレーム44の長手方向に沿って固定して形成される。
そして、受水部材44bに落下した水Waは、受水部材44bによって、アッパフレーム44の正面Frの側の端部、または背面Rrの側の端部まで流れて落下する。
そして、アッパフレーム44に凹部440aを形成して、給油口部材440cを固定することで、給油口部材440cがアッパフレーム44の天井部に突出することなく、開閉蓋441を備えることができる。
そして、環境対応型ベース2には、右面Riの側の側面部34の上面部34aに、右フレーム43の回転を係止する係止部38が備わる。
右フレーム43は、浅い箱型の部材からなり、その平面部43dの幅W2は、フロントフレーム40とリアフレーム41の間に形成される開口部の幅と略等しく、高さH2は、アッパフレーム44のコ字型を形成する側壁の下端と、側面部34の上面部34aの距離に略等しい。
図10に示すように、係止部38は断面が略U字型であり、上側が開口するように、側面部34の上面部34aに固定される。
係止部38を上面部34aに固定する方法は、限定するものではないが、例えば連続溶接で固定することにより、側面部34と係止部38の間に水密構造を形成できる。
なお、係止面38aに、例えばゴムからなるシール材38bを貼り付けると、右フレーム43と係止部38との間の密封性を向上できる。
なお、係止部38の断面形状は略U字型に限定されず、略半円形、略J字型などであってもよい。
ガイドベース37は、受水部である平面部37b(図2の(a)参照)を有し、平面部37bで受止めた水Waを排水ガイド401の傾斜部401d2(図5参照)に流すことができる。
また、排水ガイド401は、受水部である傾斜部401d2と平坦部401d1(図5参照)、及び排水口401f(図5参照)を有し、傾斜部401d2で受止めた水Wa、及びガイドベース37の平面部37bから傾斜部401d2に流れ込んだ水Waを平坦部401d1に流すことができる。
そして、平坦部401d1に流れ込んだ水Waを排水口401fから、排水として正面Frの側に排出できる。
この構成によって、例えばフロントフレーム40(図4参照)の中空部から筐体の内部に浸入する雨水などの水Waを、漏洩物貯留部3a(図4参照)に流入させることなく排水として排出できる。
したがって、漏洩物貯留部3aの漏洩物の貯留量を増やすことがなく、漏洩物の漏出を防止できるという優れた効果を奏する。
この構成によって、リアフレーム41(図4参照)と、例えば左フレーム42(図4参照)など他の部材との隙間から筐体の内部に浸入する雨水などの水Waを、漏洩物貯留部3a(図4参照)に流入させることなく、背面Rrの側に排出できる。
したがって、漏洩物貯留部3aの漏洩物の貯留量を増やすことがなく、漏洩物の漏出を防止できるという優れた効果を奏する。
この構成によって、凹部440aに滞留する雨水などの水Waを、凹溝440dを介して排水として排出できる。
したがって、アッパフレーム44の凹部440aに滞留する雨水など水Waが、筐体の内部に浸入することを抑制でき、漏洩物貯留部3a(図4参照)に流入させることなく排出できる。したがって、漏洩物貯留部3aの漏洩物の貯留量を増やすことがなく、漏洩物の漏出を防止できるという優れた効果を奏する。
この構成により、右フレーム43を介して浸入する雨水などの水Waを、U字型の開口に滞留できる。さらに、水Waが係止部38を流れても、排水ガイド401を介して、漏洩物貯留部3a(図4参照)に流入させることなく排出できる。
したがって、漏洩物貯留部3aの漏洩物の貯留量を増やすことがなく、漏洩物の漏出を防止できるという優れた効果を奏する。
1a エンジン
1b 燃料タンク
1c 作業機本体
2 環境対応型ベース(ベース)
3a 漏洩物貯留部
10 筐体
31 底面部(床板)
32 正面部(枠部材)
33 背面部(枠部材)
34 側面部(枠部材)
37 ガイドベース(排水部材)
37b 平面部(受水部)
38 係止部
40 フロントフレーム
41 リアフレーム
42 左フレーム
43 右フレーム(開閉扉)
44 アッパフレーム(天井部)
401 排水ガイド(排水部材)
401d 底部(受水部)
401d1 平坦部(受水部)
401d2 傾斜部(受水部)
401f 排水口
440 給油部
440a 凹部
440b 給油口
440d 凹溝
440e つなぎ部材
Fr 正面
Rr 背面
Claims (5)
- 床板、及び前記床板の周囲に設けられる枠部材に囲まれた凹部からなる漏洩物貯留部を有して上方が開口し、前記枠部材に横架されるエンジン固定台座と、前記枠部材に横架される作業機本体固定台座と、を有する環境対応型ベースと、
前記エンジン固定台座に固定されるエンジンと、
前記作業機本体固定台座に固定され、前記エンジンによって駆動される作業機本体と、
前記環境対応型ベースに固定されて前記エンジンおよび前記作業機本体を収納する筐体と、を有するエンジン駆動型作業機の雨水浸入防止構造であって、
前記筐体に形成される開口部及び/又は隙間から前記筐体の内部に浸入する雨水を前記漏洩物貯留部に流入させることなく、前記筐体の外部に排水する排水部材を、前記開口部及び/又は前記隙間の下方に備えることを特徴とする雨水浸入防止構造。 - 前記排水部材は、
前記開口部及び/又は前記隙間から前記筐体の内部に浸入する雨水を、前記漏洩物貯留部に流入させないように受止める受水部と、
前記受水部が受止めた雨水を前記筐体の外部に排出する排水口と、を有することを特徴とする請求項1に記載の雨水浸入防止構造。 - 前記排水部材は、前記環境対応型ベースの前記一方の側の前記開口部及び/又は前記隙間の下方に配設され、
前記排水口は、前記受水部が受止めた雨水を、前記環境対応型ベースの前記一方の側に向けて排水することを特徴とする請求項2に記載の雨水浸入防止構造。 - 前記排水部材は、前記環境対応型ベースの前記他方の側の前記開口部及び/又は前記隙間の下方に配設され、
前記排水口は、前記受水部が受止めた雨水を、前記環境対応型ベースの前記他方の側に向けて排水することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の雨水浸入防止構造。 - 前記筐体は、前記環境対応型ベースの前記一方の側と前記他方の側の間の側面が、前記枠部材の上方で開閉して開閉扉を形成し、
前記枠部材には、略U字型の断面形状を呈する部材が上方を開口するとともに、前記環境対応型ベースの前記一方の側から前記他方の側に向かって延設されて、前記開閉扉を閉位置で係止する係止部が形成され、
前記係止部の少なくとも1つの端部は、前記排水部材の前記受水部の上方に位置することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の雨水浸入防止構造。
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