JP4594828B2 - エンジン駆動作業機の燃料タンク着脱構造 - Google Patents
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Description
また、燃料タンクが端側の、例えば、フロントフレーム側のベースに設置されているエンジン駆動作業機(例えば、特許文献1参照)の場合であっても、燃料タンクや固定バンド及び配管関係の取り外しのため、前かがみなどの不自然な取出し姿勢を要することが多く、特に、燃料タンクが大型で重量があったり、燃料タンク内に多量の燃料が残っている場合には、燃料タンクの取出しで作業者の腰を痛めるおそれがあった。その他、狭い場所で作業ができなかったり、リフト等を使わなければならないこともあった。
しかしながら、この燃料タンクT’は、可搬式のエンジン駆動作業機内における滑りや配設位置のずれなどを防止するため、実際には、ベースB’の底板と燃料タンクT’との間にはラバーパッドやラバーシートが数箇所に敷設されており、これが燃料タンクT’を引き摺り出す時の摩擦抵抗になって、引き出し作業が困難で、しかも、大型タンク等で重量がある程、作業者の腰等への負担が大きいものとなっていた。
したがって、この燃料タンクの取り出しに際し、作業者が従来のように燃料タンクを引き摺り出したりするために要する過度な負担で腰等を痛めたり、不自然な姿勢を強いられたりすることがなく、燃料タンクは、置き去りにされた蓋板の上から極めて簡単、かつ、容易に取り出すことができる。
なお、前記した燃料ホースやドレンコックを閉じ、ドレンホース等の配管関係の切り離しは、エンジン駆動作業機を一時的に持ち上げた後で降ろしたときに行っても勿論構わない。また、燃料タンクの着脱作業において、前記地上設置状態では、前記蓋板の固着具を取り外す際には、エンジン駆動作業機と地面との間に隙間を作るための枕木等を設置すると便利である。
1.本発明によれば、エンジン駆動作業機のケース内に収容されたエンジンや作業機本体等の主要部のコンパクトな配置構造を損なうことなく、エンジン駆動作業機の燃料タンク着脱構造を提供することができる。また、部品点数の少ない極めて簡単な構造で構成することができるので、低コストの燃料タンク着脱構造を提供することができる。
2.本発明によれば、燃料タンクの着脱作業は、エンジンや作業機本体等の主要部には一切触れることなく燃料タンクの着脱が一人の作業者で十分に取り扱えるので、多くの人手を要することがない。
3.本発明において、前記ベースの下側に少なくとも二つの脚部材を配設した構成を備える発明によれば、この脚部材をフォークリフトのフォーク等が係止可能となり、したがって、クレーン等の吊り上げ機械以外に、フォークリフトによっても、エンジン駆動作業機の持ち上げを容易とすることができるとともに、地上に降ろしたときには、前記底板及び蓋板との間に前記固着具の取り外しが可能な空間が形成されるようになっているので、前記固着具の取り外しを容易に行うことができる。
4.本発明において、前記ブラケット部材及び前記抑え部材及びタンク係止片を設けた構成を備える発明によれば、ケース内における燃料タンクの位置決めと安定で確実な収容と保持が図れるほか、ケース内における燃料タンクの前後方向、上方向、左右方向のずれ移動や搖動の確実な規制を行うことができるので、燃料タンクとホース類の配管関係との外れ防止と、ホース外れによる燃料タンクからの燃料漏れを確実に防止することができる。
5.本発明において、前記バンド部材を含む抑え部材を設けた構成を備える発明によれば、その端部に設けられる固定金具を前記ブラケットに対してボルト等で固定するだけの簡単な構成で、燃料タンクを上面から確実に保持することができ、さらに、燃料タンクの取り出しの際においても、前記ケースと共に上昇させられて、燃料タンクの上面から離脱するので、その都度、前記抑え部材の固定金具を取り外すような面倒な作業を省略することができる。
6.本発明によれば、既に使用中の従来のエンジン駆動作業機であっても、従来の引き摺り出し式の燃料タンクの着脱構造を大きく変更することなく、取出し容易な本発明の燃料タンクの着脱構造に改良することも可能で簡単である。
図1に示すように、本実施形態のエンジン駆動作業機は、エンジンや圧縮機等の主要機械を覆うケースKと、これらを設置する基台としてのベースBとを備えている。このエンジン駆動作業機(以下、作業機という)は、図2(a)に示すように、本実施形態では、作業機を圧縮機とした例について以下説明する。以下の説明において、前後及び左右の方向は、作業機の圧縮機からエンジンを見た方向と対応するものである。
図1に示すように、作業機のケースKは、フロントフレーム3及びリアフレーム4と、吊り係止具Lを有するルーフパネル1と左側のサイドパネル5、右側のサイドドア6とから構成されている。ここで、フロントフレーム3とは、ケースKの前部を形成するフレーム部材(構造部材)をいい、リアフレーム4とは、同じく、ケースKの後部を形成するフレーム部材をいう。右側のサイドドア6は、前部側サイドドア6aと後部側サイドドア6bとを備えている。この前部側サイドドア6a及び後部側サイドドア6bは、蝶番により観音開き可能に設置されており、閉鎖状態において、通常はロック装置により施錠されるようになっている。
図1に示すように、フロントフレーム3には、フロントフレーム3に形成された窓部3a(図2(b)参照)を覆ってボルト等の固着具で着脱可能に取り付けられたフロントパネルPが設けられている。フロントパネルPには、係止バーPaが水平状に配設されており、リアフレーム4の図示しないリアパネルにも、同様に係止バーが水平状に配設されている。また、フロントフレーム3の右側面3bには、燃料タンクTの給油キャップを臨ませた給油ブラケット3cが設けられている。
吸気口7b及び吸気口7cから吸気された外気は、図2(a)に示すエンジンEの前端に直接装着されて駆動されるエンジンファン8の回転により吸引され、また、リアフレーム4の図示しないリアパネルやサイドパネルに形成された吸気口からも外気が吸気されて、ケースK内に流入するようになっている。ケースK内に流入した空気は、前記エンジン及び圧縮機等の機械室を通り、排気マフラ室等のケースK内に形成される空気通路を経由して排気口7aから機外へと排出される。そして、この空気通路を通流する空気により、ケースK内部のエンジンE、作業機等の各種機械及び機器が冷却されるように構成されている。ケースKは、前記した各吸気口及び排気口以外には開口部を有しない構造に形成されている。したがって、前記隔壁又は仕切板により区画されたケースK内部の仕切り構造は、機外への騒音を低減する防音構造となっている。
図2(a)に示すように、ケースK内の中央部には、エンジンEが配設されており、その後方(図の左側)にはエンジンEの出力軸に連結された圧縮機Cが直列状に配設されている。また、エンジンEの前方(図の右側)にはラジエータRが配設されており、さらに、前方のラジエータRとフロントフレーム3に設けられたフロントパネルPとの間には、排気マフラMが配設されている。これらのエンジンE、圧縮機C等は、ベースBの中央部及び後部において、底板Baに設けられた図示を省略する基台ブラケット上に固定されている。フロントフレーム3に設けられた給油ブラケット3cには、燃料タンクTの給油パイプがラバーフィラを介して挿通され、その先端に給油キャップCpが取り付けられている。
図2(b)に示すように、燃料タンクTの上面には、ベースBの左右の幅方向に適宜の間隔を置いて抑え部材としての2本の抑えバンド11,11(図3参照)が配設されており、この抑えバンド11,11により燃料タンクTを上方から押さえつけるように設けられている。フロントフレーム3の窓部3aに取り付けられた内部点検用のフロントパネルPは、この窓部3aの周縁に螺着されたボルト等の固着具を取り外すことにより取り外し可能となっている。
この底板開口Sは、前記ベースBの外方からあてがわれるように形成された着脱可能な蓋板Aで覆われており、この蓋板Aは、前記ベースBの下側からその底板開口Sの周縁に対して螺着される複数のボルト等の固着具により着脱可能に固着されている。
燃料タンクTの取付け拡大部分の構造概要を図3に示す分解説明図を利用して説明する。図3では、ケースの部分を省略して示している。
図3に示すように、ベースBは、矩形状の底板Baの周囲から立ち上がるベースブラケットBbを備えており、このベースブラケットBbの頂部はベースBの内方に向けて折り返されてベースフランジBfが形成されている。前記底板Baに形成された底板開口Sの開口縁に沿って、フロント側の前記ベースブラケットBbに対峙して、補助ブラケット10が設けられている。この補助ブラケット10の頂部に形成されるフランジ10aは、前記ベースフランジBfと対応する高さに形成されており、必ずしも面一でなくてもよい。このベースフランジBfとフランジ10aとに跨るように、前記した2本の抑えバンド11,11が取り付けられている。なお、この2本の抑えバンド11,11に代えて一枚の板状の抑え部材を取り付けるようにしてもよい。ここで、前記ベースブラケットBb及び前記補助ブラケット10は、請求項の「ブラケット部材」に相当する。前記補助ブラケット10は、ベースの補強を兼ねることも可能である。
前記抑えバンド11は、前記蓋板A上に載置した燃料タンクTの上面形状に合わせて、燃料タンクTの上方から押さえ、燃料タンクTの上方向の搖動又はずれ移動を制限可能に保持できる形状とし、湾曲状等の形状に形成されている。
図3に示すように、燃料タンクTは、補助ブラケット10からベースブラケットBbを見て前方右側の隅部分の位置に略垂直に立設された給油パイプTaを有し、その後方隅部分の右側の位置に間隔を置いてサクションパイプ12とリターンパイプ13とを有している。給油パイプTaは、図1及び図2に示す前記給油ブラケット3cに形成された開口を通過する長さに形成されており、その先端に給油キャップCpが取り付けられるようになっている。この給油パイプTaは、略垂直に立設することで、燃料タンクTを着脱する時に、何の障害物もなくなるので、給油ブラケット3cを従来のように外すようにしていた構造にする必要がなくなる。また、サクションパイプ12は、図示しない燃料ホースに接続されて燃料ポンプを介しエンジンEの燃料供給部に燃料を供給するものであり、リターンパイプ13は、同様に図示しない燃料ホースに接続され、エンジンへ給油した余分の燃料を燃料タンクT内に戻すためのものである。前記サクションパイプ12の下側には、図示しないドレンコックが燃料タンクTの底部側面に突設されている。
なお、前記給油パイプTaは、傾斜状に立設して形成したものでもよい。この場合、前記給油ブラケット3cの開口を長円状に形成するか、前記給油ブラケット3cを着脱可能に付設して用いるようにしてもよい。また、図示の本実施形態とは別の形態として、例えば、燃料タンクTがベースBの中央部に配置される形態の場合は、前記給油パイプTaを図1に示すサイドドア6内に配置されるようにするとよい。このサイドドア6を開けて燃料が給油される位置に給油パイプTaを配置すると、前記給油ブラケット3cを省略して形成することができる。
燃料タンクTを載置する蓋板Aは、矩形状の板部材で形成されており、周縁にボルト16等の固着具のための取付用の穴15,15・・・が穿設されている。なお、蓋板Aの上面の左右両端部に、燃料タンクTの左右方向又は前後方向の位置ずれ等を規制するためのタンク係止片14,14を適宜必要に応じて設けてもよい。この蓋板Aの上に燃料タンクTを載置するに際しては、蓋板Aと燃料タンクTとの間に滑り止め用のラバーシート又はラバー片を敷設してもよい。また、蓋板Aの形状は、矩形状にこだわるものではない。
次に、燃料タンクTを着脱する際の操作について説明する。燃料タンクT内に溜まったスラッジ又は外観等の清掃のため、作業機内に装着した燃料タンクTを取り出す場合、まず、作業機を地上に設置した状態で、図1に示す前部側サイドドア6aを開放して、燃料タンクTに接続されたエンジンEとの燃料ホース類、燃料ゲージ等の配線類及びドレンコックを閉じ、ドレンホース等をすべて取り外して燃料タンクT本体から切り離す。そして、給油ブラケット3c内の給油キャップCp(図2(a)参照)も取り外しておく。なお、このとき、燃料タンクTの上面を押さえるために設けられた図3に示す抑えバンド11,11の固定具は取り外す必要はない。
なお、燃料タンクTを装着する場合は、前記した取り外しの操作と逆の操作を行えばよいことは勿論である。
また、図1に示した作業機において、フロントフレーム3の下方に形成された複数の穴は水抜き穴であり、作業機のルーフパネル1の排気口7aから浸入する雨水等を排出可能なように形成したものである。この水抜き穴は、フロントパネルPの下方において、図示しない前記排気マフラ室の仕切り壁底部に対応する箇所に形成されている。
3 フロントフレーム
4 リアフレーム
5 左側のサイドパネル
6 右側のサイドドア
6a 前部側サイドドア
6b 後部側サイドドア
10 補助ブラケット(ブラケット部材)
11 抑えバンド
14 タンク係止片
A 蓋板
B ベース
Ba 底板
Bb ベースブラケット(ブラケット部材)
Cp 給油キャップ
F 脚部材
K ケース
L 吊り係止具
S 底板開口
T 燃料タンク
Claims (5)
- ケース内に、少なくともエンジンと、前記エンジンで駆動される作業機本体と、前記ケース内の矩形状の枠体で形成されたベースの底部に配置した燃料タンクと、を収納したエンジン駆動作業機において、
前記ケース内で前記ベースの底部全面に設けられた底板に前記燃料タンクが通過可能な開口部を形成し、
前記開口部を下方側から覆う蓋板を着脱可能な固着具により固着するとともに、該蓋板上に前記燃料タンクを載置したことを特徴とするエンジン駆動作業機の燃料タンク着脱構造。 - 前記ベースの下側に少なくとも二つの脚部材を設け、そのうちの一つの脚部材を前記蓋板の下側で前記燃料タンクを支える位置に配設したことを特徴とする請求項1に記載のエンジン駆動作業機の燃料タンク着脱構造。
- 前記蓋板の上側に載置される前記燃料タンクの移動を規制するためのタンク係止片を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエンジン駆動作業機の燃料タンク着脱構造。
- 前記燃料タンクの移動を規制するブラケット部材を前記ベースの底板の開口部の縁部に沿って設け、
対峙する前記ブラケット部材間に前記燃料タンクの上面を抑える抑え部材を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のエンジン駆動作業機の燃料タンク着脱構造。 - 前記抑え部材は、その端部に固定金具を備えるバンド部材であることを特徴とする請求項4に記載のエンジン駆動作業機の燃料タンク着脱構造。
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