JP2006046260A - 建設機械のドレン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却系の水抜き作業が容易かつ安全に行える建設機械のドレン装置を提供する。
【解決手段】エンジン20を冷却する冷却水の放熱を行うラジエータ27のドレンコック33を、エンジン室19の側面に開閉自在に設けられた側面カバー19cと対向する面に設けると共に、ドレンコック33に一端が接続された排水管35の他端を、エンジン室19の底面を覆うアンダカバー34に形成された小孔34aよりエンジン室19外へ延出させたもので、冷却系の水抜き作業が容易かつ安全に行えると共に、アンダカバー34には排水管35を延出するための小孔34aを形成するだけでよいため、冷却ファン24の送風音やエンジン音が外部へ漏れて騒音の原因となることがない上、アンダカバー34の強度が低下することもない。
【選択図】図5

Description

本発明は、ラジエータの水抜きが容易に行える建設機械のドレン装置に関する。
従来油圧ショベルのような建設機械に搭載されたエンジンの多くは、水冷式エンジンが使用されており、この水冷式エンジンは、エンジンの冷却系に冷却水を循環させてエンジン全体を冷却する構造となっていて、エンジンを冷却したことにより高温となった冷却水は、冷却系に設けられたラジエータにより放熱(冷却)された後再びエンジン側へ循環されるようになっている。
またラジエータの近傍には、エンジンにより回転駆動される冷却ファンが設けられていて、この冷却ファンによりエンジン室内に吸入した空気をラジエータへ通過させることにより、ラジエータ内を流通する冷却水を効率よく冷却できるようになっている。
一方建設機械に搭載された水冷式エンジンは、メンテナンス時冷却系の冷却水を交換したり、不凍液と交換することがよくある。
このためラジエータの下部には、冷却系の冷却水を抜き出すためのドレンコックが設けられている(例えば特許文献1)。
前記特許文献1に記載された作業車では、ラジエータの下部に突設したフロントアクセルブラケットの下端にドレンコックを設けると共に、このドレンコックとラジエータのドレン口との間を排水管で接続した構造となっている。
また油圧ショベルのような建設機械に搭載されたエンジンの冷却系には、図7及び図8に示すようにエンジンaにより回転駆動される冷却ファンbの前方に、ラジエータcとオイルクーラ及びインタクーラeを設置したものがある。
図7に示す建設機械では、冷却ファンbによる送風方向(矢印f)と直交する方向にラジエータcとオイルクーラd及びインタクーラeが並列に設置されていて、冷却ファンbによりエンジン室g内に吸入した空気をラジエータcやオイルクーラd、インタクーラeへ通過させることにより、これらを冷却するようになっている。
図8に示す建設機械では、冷却ファンbの前方にラジエータcとオイルクーラd及びインタクーラeが直列に設置されていて、冷却ファンbによりエンジン室g内に吸入した空気をインタクーラeやオイルクーラd、ラジエータcへ通過させることにより、これらを冷却するようになっている。
そして図7に示す建設機械の場合は、ラジエータcの前面側を取り付けフレームkによりエンジン室g内に取り付けているため、冷却系の水を抜くドレンコックhはラジエータcの後面、すなわち冷却ファンb側の下部に設けられていて、冷却系の水を抜く場合、エンジン室gの下面を覆うアンダカバーiに開口された操作孔jより手を挿入することにより、ドレンコックhが開閉操作できるようになっている。
図8に示す建設機械では、ラジエータcの前にオイルクーラdが設置されているため、冷却系の水を抜くドレンコックhは図7の場合と同様にラジエータcの冷却ファンb側下部に設けられていて、冷却系の水を抜く場合、アンダカバーiに開口された操作孔jより手を挿入することにより、ドレンコックhが開閉操作できるようになっている。
特開2001−295649号公報
しかし前記特許文献1に記載された作業車のように、フロントアクセルブラケットの先端に設けたドレンコックとラジエータのドレン口を排水管で接続した構造のものでは、油圧ショベルのように過酷な条件かで作業を行うことが多い建設機械に採用した場合、作業中の振動や衝撃により排水管が外れたり、損傷することがあり、その結果オペレータが気が付かない間に冷却系の冷却水が漏出して、エンジンが過熱したり、使用不能になる問題がある。
また図7や図8に示す建設機械のように、ラジエータcの冷却ファンb側下部にドレンコックを設けたものでは、アンダカバーiの下側に作業員が入った状態で、操作孔jより手を挿入してドレンコックhを開閉操作しなければならないため、作業性が悪い上、これら操作はブラインド作業となるため、冷却水が加熱されている場合、誤って手や顔等に熱湯を浴びる心配がある。
さらにアンダカバーiに手を挿入するための操作孔jを開口した場合、操作孔jより冷却ファンの送風音やエンジン音が外部へ漏れて騒音の原因となったり、操作孔jがアンダカバーiの強度を低下させる等の問題もある。
本発明はかかる問題を改善するためになされたもので、冷却系の水抜き作業が容易かつ安全に行える建設機械のドレン装置を提供することを目的とするものである。
本発明の建設機械のドレン装置は、動力用エンジンが収容されたエンジン室と、エンジン室の側面を覆う開閉自在な側面カバーと、エンジン室内に設けられ、かつエンジンを冷却する冷却水の放熱を行うラジエータと、ラジエータの下部に設けられた水抜き用のドレンコックとを備えた建設機械のドレン装置であって、ドレンコックを側面カバーと対向する面に設けると共に、ドレンコックに一端が接続された排水管の他端を、エンジン室の底面を覆うアンダカバーに形成された小孔よりエンジン室外へ延出させたものである。
前記構成により、メンテナンス時冷却系の冷却水を交換したり、不凍液と交換するため冷却系の冷却水を抜く場合は、側面カバーを開放してドレンコックを解放することにより、冷却系の冷却水はドレンコックより排水管を経てアンダカバーの下方へ排出されるため、冷却系の水抜き作業が短時間で容易に行えると共に、立位姿勢でドレンコックを目視しながら水抜き作業が行えるため、冷却水が加熱状態にあっても誤って手や顔等にかかる心配がないので、冷却系の水抜き作業が安全に行える。
またアンダカバーには排水管を延出するための小孔を形成するだけでよいため、アンダカバーの加工が容易な上、冷却ファンの送風音やエンジン音が外部へ漏れて騒音の原因となることがなく、アンダカバーの強度が低下することもない。
本発明の建設機械のドレン装置は、ラジエータを固定する取り付けフレームの下部フレームに切り欠きを形成し、かつ切り欠きよりドレンコックを側面カバー側へ突出させたものである。
前記構成により、操作しやすい位置にドレンコックを設けることできる上、別部材を必要としないため、安価に実施することができる。
本発明の建設機械のドレン装置は、自走自在な走行体と、走行体上に旋回自在に設けられた旋回体と、旋回体に設けられ、かつ動力用エンジンが収容されたエンジン室と、エンジン室の側面を覆う開閉自在な側面カバーと、エンジン室内に設けられ、かつエンジンを冷却する冷却水の放熱を行うラジエータと、ラジエータの下部に設けられた水抜き用のドレンコックとを備えた建設機械のドレン装置であって、ドレンコックを側面カバーと対向する面に設け、かつラジエータを固定する取り付けフレームの下部フレームに切り欠きを形成して、切り欠きよりドレンコックを側面カバー側へ突出させると共に、ドレンコックに一端が接続された排水管の他端を、エンジン室の底面を覆うアンダカバーに形成された小孔よりエンジン室外へ延出させたものである。
前記構成により、メンテナンス時冷却系の冷却水を交換したり、不凍液と交換するため冷却系の冷却水を抜く場合は、側面カバーを開放してドレンコックを解放することにより、冷却系の冷却水はドレンコックより排水管を経てアンダカバーの下方へ排出されるため、冷却系の水抜き作業が短時間で容易に行えると共に、立位姿勢でドレンコックを目視しながら水抜き作業が行えるため、冷却水が加熱状態にあっても誤って手や顔等にかかる心配がないので、冷却系の水抜き作業が安全に行える。
またアンダカバーには排水管を延出するための小孔を形成するだけでよいため、アンダカバーの加工が容易な上、冷却ファンの送風音やエンジン音が外部へ漏れて騒音の原因となることがなく、アンダカバーの強度が低下することもない。
本発明の建設機械のドレン装置によれば、立位姿勢でドレンコックを目視しながら水抜き作業が行えるため、冷却系の水抜き作業が容易かつ安全に行えると共に、アンダカバーには排水管を延出するための小孔を形成するだけでよいため、アンダカバーの加工が容易な上、冷却ファンの送風音やエンジン音が外部へ漏れて騒音の原因となることがなく、アンダカバーの強度が低下することもない。
本発明の実施の形態を、図面を参照して詳述する。
図1は油圧ショベルよりなる建設機械の側面図、図2はラジエータ付近の斜視図、図3は同正面図、図4は同平面図、図5は同断面図、図6は図5のA円内の拡大図である。
図1に示す油圧ショベルよりなる建設機械は、自走自在な走行体1と、走行体1上に旋回自在に設置された旋回体2とよりなる。
走行体1は、センタフレーム3aと、その両側に互に平行するよう設けられた一対のサイドフレーム3bよりなるトラックフレーム3を有していて、各サイドフレーム3bの一端側にはアイドラ4が前後移動自在に支承されており、他端側には油圧モータよりなる走行モータ5により回転駆動されるスプロケット6が設けられている。
アイドラ4とスプロケット6の間には無端状の履帯7が捲装されていて、この履帯7をスプロケット6で駆動することにより、走行体1が自走できるようになっていると共に、サイドフレーム3bの上下部には、複数の転輪8が回転自在に支承されている。
トラックフレーム3のセンタフレーム3a上に旋回自在に設置された旋回体2は、底部が車体フレーム10により構成されていて、この車体フレーム10の前部中央に作業機11が装着されている。
作業機11は図1に示すように、基端が車体フレーム10に枢着され、かつブームシリンダ13により起伏自在なブーム12と、ブーム12の先端に基端側が枢着され、かつアームシリンダ14により回動自在なアーム15と、アーム15の先端に枢着され、かつバケットシリンダ16により回動自在なバケット17とより構成されている。
車体フレーム10の前部には、作業機11の左側に運転室18が設置され、車体フレーム10の後部にはエンジン室19が設置されていて、このエンジン室19内に動力用のエンジン20が収容されており、車体フレーム10の後端にはカウンタウエイト21が取り付けられている。
一方エンジン室19は、前後が前面カバー19aと後面カバー19bにより、また両側面が側面カバー19cにより、そして上面が上面カバー19dによりにより覆われたほぼ密閉構造となっており、このエンジン室19内にエンジン20が横置きに設置されている。
エンジン室19内には、エンジン20により駆動される油圧ポンプの他に各種のエンジン補機(ともに図示せず)が設置されており、エンジン室19の両側面を開閉自在に覆う側面カバー19cの一方には、上部に多数のスリットからなる吸気口22が開口され、他方には上部に排気口(図示せず)が開口されている。
吸気口22が設けられた側面カバー19cの内面と対向する位置には、エンジン20により回転駆動される冷却ファン24が設けられていて、この冷却ファン24の回転に伴い、側面カバー19cの上部に開口された吸気口22よりエンジン室19内へ外部空気が吸入されるようになっている。
側面カバー19cと冷却ファン24の間には、冷却ファン24側に寄った位置に熱交換器を取り付ける上部フレーム25aと下部フレーム25bが設置されている。
上部フレーム25aは図2及び図3に示すように、エンジン室19の前面カバー19aと後面カバー19bの間に両端部が固定され、下部フレーム25bは車体フレーム10に固定されていて、これら上部フレーム25aと下部フレーム25bの間にオイルクーラ26とラジエータ27及びインタクーラ28が、吸気口22と排気口を結ぶ線と直交する方向に一直線状に並列配置されていている。
オイルクーラ26の上部はボルト等の固着具29により取り付けフレーム25の上部フレーム25aに、そして下部はボルト等の固着具29により下部フレーム25bに着脱自在に固定されている。
またラジエータ27とインタクーラ28の上下部前面には、図5に示すように複数の固定座32が形成され、上部フレーム25a及び下部フレーム25bには、これら固定座32と対向する位置にほぼU字状の切欠き25cが形成されている。
各切欠き25cには防振ゴム30が嵌着されていて、これら防振ゴム30を貫通するよう防振ゴム30に挿入したボルト等の固着具31を固定座32に螺挿することにより、ラジエータ27及びインタクーラ28が上部フレーム25aと下部フレーム25bに着脱自在に固定されている。
オイルクーラ26は作業機11等を駆動する作動油を冷却するもので、図示しない油圧回路に接続されており、ラジエータ27はエンジン20を冷却する冷却水の放熱を行うもので、図示しないエンジン冷却系に接続されており、インタクーラ28は、エンジン20に吸入される吸気を冷却する冷却系(図示せず)に接続されている。
一方エンジン室19の両側面を覆う側面カバー19cの後端縁は、図示しないヒンジより後面カバー19bに蝶着されていて、ヒンジを中心に側面カバー19cが水平方向に開閉自在となっており、エンジン室19内に設置されたラジエータ27の下部には、上部に吸気口22が開口された側面カバー19cと対向する面にドレンコック33が突設されている。
ドレンコック33は、下部フレーム25bに形成されたほぼU字形の切り欠き25dより側面カバー19c側へ突出するボス状の排水口33aと、この排水口33aに螺挿されたプラグ33bよりなり、プラグ33bを開方向へ回転すると、排水口33aが開放されて、排水口33aの下部に一端が接続された可撓管よりなる排水管35へ冷却系の冷却水が排水されるようになっている。
排水管35の他端側は、エンジン室19の底面を覆うアンダカバー34に穿設された小孔34aよりアンダカバー34の下方へ延出されていて、排水口33aより排水された冷却水は、アンダカバー34の下方へ排出されるようになっている。
次に前記構成された建設機械のドレン装置の作用を説明する。
建設機械の稼働中は、エンジン20により回転される冷却ファン24により、側面カバー19cの上部に開口された吸気口22から外部空気がエンジン室19内へ吸入される。
エンジン室19内に吸入された空気は、オイルクーラ26やラジエータ27、インタクーラ28を通過する際これらを冷却し、その後エンジン20の周辺部を通過した後反対側の側面カバー19cの上部に開口された排気口よりエンジン室19外へと排出される。
一方メンテナンス時エンジン20を冷却する冷却系の冷却水を交換したり、不凍液と交換するため冷却系の冷却水を抜く場合は、まず吸気口22が設けられた側面カバー19cを開放し、次にドレンコック33のプラグ33bを開方向へ回転して排水口33aを開放する。
これによって冷却系の水は、ラジエータ27内を通ってドレンコック33より排水管35へ排水され、さらに排水管35によりアンダカバー34の下方へ排出されるため、作業者は立位姿勢で冷却系の水抜き作業が行えるようになる。
また冷却系の水抜き作業がドレンコック33を目視しながらの作業となるため、短時間で容易に行える上、冷却水が加熱状態にあっても誤って手や顔等にかかる心配がないので、水抜き作業が安全に行えるようになる。
冷却系の水抜き作業が完了したら、ドレンコック33のプラグ33bを閉鎖した後、ラジエータ27上部の給水口27aより水や不凍液を注入することにより、掘削等の作業が開始できるようになる。
なお前記実施の形態では、オイルクーラ26とラジエータ27及びインタクーラ28を並列に設置した場合について説明したが、ラジエータ27の前面にドレンコック33を設けることができれば、オイルクーラ26とラジエータ27及びインタクーラ28が直列に設置された油圧ショベルにも同様に実施することができる。
また油圧ショベルに限らず、水冷式エンジンを採用した建設機械全般に適用できるものである。
本発明の実施の形態になるドレン装置を採用した建設機械の側面図である。 本発明の実施の形態になるドレン装置を採用した建設機械のラジエータ付近の斜視図である。 本発明の実施の形態になるドレン装置を採用した建設機械のラジエータ付近の正面図である。 本発明の実施の形態になるドレン装置を採用した建設機械のラジエータ付近の平面図である。 本発明の実施の形態になるドレン装置を採用した建設機械のラジエータ付近の断面図である。 図5のA円内の拡大図である。 従来の建設機械のドレン装置を示す斜視図である。 従来の建設機械のドレン装置を示す斜視図である。
符号の説明
1 走行体
2 旋回体
19 エンジン室
19c 側面カバー
20 エンジン
25a 上部フレーム
25b 下部フレーム
25d 切り欠き
27 ラジエータ
33 ドレンコック
34 アンダカバー
34a 小孔
35 排水管

Claims (3)

  1. 動力用エンジンが収容されたエンジン室と、前記エンジン室の側面を覆う開閉自在な側面カバーと、エンジン室内に設けられ、かつ前記エンジンを冷却する冷却水の放熱を行うラジエータと、前記ラジエータの下部に設けられた水抜き用のドレンコックとを備えた建設機械のドレン装置であって、前記ドレンコックを前記側面カバーと対向する面に設けると共に、前記ドレンコックに一端が接続された排水管の他端を、前記エンジン室の底面を覆うアンダカバーに形成された小孔より前記エンジン室外へ延出させたことを特徴とする建設機械のドレン装置。
  2. 前記ラジエータを前記エンジン室内に固定する取り付けフレームの下部フレームに切り欠きを形成し、かつ前記切り欠きより前記ドレンコックを前記側面カバー側へ突出させてなる請求項1に記載の建設機械のドレン装置。
  3. 自走自在な走行体と、前記走行体上に旋回自在に設けられた旋回体と、前記旋回体に設けられ、かつ動力用エンジンが収容されたエンジン室と、前記エンジン室の側面を覆う開閉自在な側面カバーと、前記エンジン室内に設けられ、かつ前記エンジンを冷却する冷却水の放熱を行うラジエータと、前記ラジエータの下部に設けられた水抜き用のドレンコックとを備えた建設機械のドレン装置であって、前記ドレンコックを前記側面カバーと対向する面に設け、かつ前記ラジエータを前記エンジン室内に固定する取り付けフレームの下部フレームに切り欠きを形成して、前記切り欠きより前記ドレンコックを前記側面カバー側へ突出させると共に、前記ドレンコックに一端が接続された排水管の他端を、前記エンジン室の底面を覆うアンダカバーに形成された小孔より前記エンジン室外へ延出させたことを特徴とする建設機械のドレン装置。
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