JP5116974B2 - エレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置及び駆動状況診断方法 - Google Patents

エレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置及び駆動状況診断方法 Download PDF

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Description

この発明は、エレベータ式駐車装置において、昇降台を昇降させる索体の駆動状況を診断するための技術に関する。
一般的なエレベータ式駐車装置として、駐車塔の中央部にエレベータ昇降用の昇降路を形成し、この昇降路の左右両側のスペースに駐車棚を階層状に設けると共に、昇降路の最下部に乗入階及び入出庫口を形成したものがある。上記昇降路には、略矩形状に枠組み構成された昇降台が昇降自在に設けられており、昇降台と各駐車棚との間で車両搭載用パレット又は車両自体の移載が行われるように構成されている。また、昇降台の4隅部分が吊下げ索体としての4組のワイヤーロープによって吊下げられている。これら4組のワイヤーロープは、それぞれ昇降路最上部に設けられた転向プーリを経て、駐車塔最上部機械室の昇降駆動部で回転駆動されるに集合して巻掛けられた上で、さらに転向シーブを経て他端側でカウンタウエイトに連結されている。
かかるエレベータ式駐車装置において、昇降路を取囲む4つの棚柱には、乗入階及び各駐車階に対応して被検知板が設けられると共に、昇降台には該被検知板を検知する非接触センサが設けられている。そして、昇降台が昇降する際、非接触センサが被検知板を検知することで、昇降台の現在位置を認識して目的階で停止させるようになっている。
ところで、このようなエレベータ式駐車装置では、長期の使用により、ワイヤロープの摩耗や伸びによる縮径、駆動シーブのシーブ溝の摩耗等を生じる。これらの現象は、モータの回転速度と昇降台の昇降速度との対応関係に変動を生じさせ昇降台の速度制御に問題を生じさせるだけではなく、昇降台の昇降動作自体にも問題を生じさせる。
より具体的に説明する。図9は、ワイヤロープ110が駆動シーブ120のシーブ溝122に巻掛けられた状態を示している。図9(a)に示すように、初期状態では、ワイヤロープ110はシーブ溝122に巻掛けられている。この状態では、ワイヤロープ110の直径はD0、ワイヤロープ110の沈み込み量はh0であるとする。これに対して、図9(b)に示すように、シーブ溝122が摩耗した場合、ワイヤロープ110の摩耗が無い場合でも、ワイヤロープ110の沈み込み量h1は、初期の沈み込み量h0よりも大きくなる。また、図9(c)に示すように、ワイヤロープ110が摩耗して直径D1となった場合、シーブ溝122の摩耗が無い場合でも、ワイヤロープ110の沈み込み量h2は、初期の沈み込み量h0よりも大きくなる。さらに、図9(d)に示すように、シーブ溝122のが摩耗すると共にワイヤロープ110が摩耗して直径D2となった場合は、ワイヤロープ110の沈み込み量h3は初期の沈み込み量h0よりも大きくなる。
そして、ワイヤロープ110の沈み込み量が大きくなれば、結果的に駆動シーブ120の駆動半径が小さくなってしまうことになる。これにより、駆動シーブ120を回転駆動するモータの回転と昇降台の昇降量との比が初期比より変ってしまう。通常、昇降台を昇降させる際の速度制御は、モータの回転速度を制御することによって実現されるところ、上記のようにモータの回転と昇降台の昇降量との比が初期比より変ってしまうと、昇降台の昇降速度の制御が困難となってしまう。
しかも、ワイヤロープの縮径及びシーブ溝の摩耗が極度に進行すると、シーブ溝でワイヤロープが滑ってしまい、昇降台32の傾斜を招く恐れもある。
モータの回転速度と昇降台の昇降速度との対応関係の変動については、例えば、その対応関係(比)を適宜補正することによって対処可能である。
しかしながら、ワイヤロープの縮径及びシーブ溝の摩耗等によって生じるワイヤロープの滑りによる問題については、従来、簡便な対処方法はなかった。つまり、特許文献1及び特許文献2に開示のように、保守員の手作業にて、これらの駆動シーブやワイヤロープの摩耗状況等を検査し、許容範囲か否かを判断していた。
実開昭61−193303号公報 特開平11−37703号公報
しかしながら、駆動シーブ等は駐車塔の最上部にある上、上記診断作業自体が摩耗ないし縮径の程度といった非常に細かい内容の検査であるため、上記診断作業を頻繁に実施することは非常に面倒である。
そこで、本発明は、昇降台を昇降させる索体の駆動状況を簡便に診断することを目的とする。
この発明に係るエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置は、上下方向に延びる昇降路と、前記昇降路に沿って階層状に設けられた複数の駐車棚とを有する車両格納手段と、前記昇降路に沿って昇降移動可能に設けられた昇降台と、前記昇降台を吊下げる索体と、回転駆動部と、シーブ溝が形成され前記シーブ溝に前記索体が巻掛けられ前記回転駆動部による駆動力を前記索体に伝達して前記昇降台を昇降させる回転伝達体とを有する昇降駆動装置と、前記昇降台が前記昇降路において設定された複数の基準高さ位置に達した各タイミングを検知する検知手段と、前記回転駆動部による回転量を取得する回転駆動量取得手段と、前記検知手段及び前記回転駆動量取得手段からの出力結果に基づいて、前記検知手段による各検知タイミング間で、前記複数の基準位置間で前記昇降台を昇降させるのに必要な前記回転駆動部による回転量を求め、その回転量に基づいて前記索体及び前記回転伝達体の駆動状況を診断する診断制御手段と、を備えたものである。
また、前記診断制御手段は、前記検知手段による各検知タイミング間で、前記複数の基準位置間で前記昇降台を昇降させるのに必要な前記回転駆動部による回転量が予め設定された所定の許容範囲外であると判断したときに、駆動状況不合格判定を出力するものである。
また、前記昇降台から前記駐車棚へ、又は、前記駐車棚から前記昇降台へ移動可能な、車両移載用のパレットをさらに備え、前記診断制御手段は、前記検知手段及び前記回転駆動量取得手段からの出力結果に基づいて、前記検知手段による各検知タイミング間で、前記昇降台に前記パレットが搭載されていない状態にあるときの、前記複数の基準位置間で前記昇降台を昇降させるのに必要な前記回転駆動部による回転量を求め、その回転量に基づいて前記索体及び前記回転伝達体の駆動状況を診断するものであってもよい。
また、前記診断制御手段は、入力手段を介して入力された許容範囲設定指令に応じて前記検知手段による各検知タイミング間で、前記複数の基準位置間で前記昇降台を昇降させるのに必要な前記回転駆動部による回転量を求め、この前後所定範囲を前記許容範囲に設定するものであってもよい。
さらに、前記検知手段は、前記昇降台及び前記昇降路における複数の基準高さ位置のうちの一方に設けられた検出子と、他方に設けられ前記昇降台の昇降に伴い前記検出子を検出する検出部と、を有するものであってもよい。
また、前記回転駆動量取得手段は、前記回転駆動部の回転量を検出するロータリーエンコーダであってもよい。
また、前記複数の基準高さ位置は、地上1階に対応する位置と、最上階に対応する位置とに設定されていてもよい。
また、この発明に係るエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断方法は、上下方向に延びる昇降路と、前記昇降路に沿って階層状に設けられた複数の駐車棚とを有する車両格納手段と、前記昇降路に沿って昇降移動可能に設けられた昇降台と、前記昇降台を吊下げる索体と、回転駆動部と、シーブ溝が形成され前記シーブ溝に前記索体が巻掛けられ前記回転駆動部による駆動力を前記索体に伝達して前記昇降台を昇降させる回転伝達体とを有する昇降駆動装置と、を備えたエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断方法であって、前記昇降台が前記昇降路において設定された複数の基準高さ位置に達した各タイミング間で、前記複数の基準位置間で前記昇降台を昇降させるのに必要な前記回転駆動部による回転量を求め、その回転量に基づいて前記索体及び前記回転伝達体の駆動状況を診断し、前記回転駆動部による回転量が予め設定された所定の許容範囲外であると判断したときに、駆動状況不合格と判定するものである。
この場合に、前記エレベータ式駐車装置が、前記昇降台から前記駐車棚へ、又は、前記駐車棚から前記昇降台へ移動可能な、車両移載用のパレットをさらに備え、前記昇降台が前記昇降路において設定された複数の基準高さ位置に達した各タイミング間で、前記昇降台に前記パレットが搭載されていない状態にあるときの、前記複数の基準位置間で前記昇降台を昇降させるのに必要な前記回転駆動部による回転量を求め、その回転量に基づいて前記索体及び前記回転伝達体の駆動状況を診断してもよい。
この発明のエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置によると、前記昇降路に沿って昇降移動可能に設けられた昇降台と、前記昇降台を吊下げる索体と、回転駆動部と、シーブ溝が形成され前記シーブ溝に前記索体が巻掛けられ前記回転駆動部による駆動力を前記索体に伝達して前記昇降台を昇降させる回転伝達体とを有する昇降駆動装置とを備えた構成であるため、摩耗又は伸びにより索体が縮径し或は回転体のシーブ溝が摩耗すると、複数の基準高さ位置間で昇降台を昇降させるのに必要な回転駆動部の回転量が変動する。そこで、前記検知手段及び前記回転駆動量取得手段からの出力結果に基づいて、前記検知手段による各検知タイミング間で前記回転駆動部による回転量を求め、その回転量に基づいて前記索体及び前記回転伝達体の駆動状況を診断することで、昇降台を昇降させる索体の駆動状況を簡便かつ自動的に診断することができる。
また、前記診断制御手段が、前記検知手段による各検知タイミング間で前記回転駆動部による回転量が予め設定された所定の許容範囲外であると判断したときに、駆動状況不合格判定を出力するので、不合格を自動的に判断することができる。
また、前記診断制御手段が、入力手段を介して入力された許容範囲設定指令に応じて前記検知手段による各検知タイミング間での前記回転駆動部による回転量を求め、この前後所定範囲を前記許容範囲に設定すると、例えば、手作業による前記昇降台の調整据付け後に許容範囲設定指令を入力すると、エレベータ式駐車装置の実際の据付け状態等に応じて適切な許容範囲を設定することができる。
また、前記検知手段は、前記昇降台及び前記昇降路における複数の基準高さ位置のうちの一方に設けられた検出子と、他方に設けられ前記昇降台の昇降に伴い前記検出子を検出する検出部とを有する構成であると、昇降台の各基準高さ位置へ到達をより正確に検出できる。
また、前記回転駆動量取得手段は、前記回転駆動部の回転量を検出するロータリーエンコーダであると、その回転量をより正確に検出できる。
また、前記複数の基準高さ位置が、地上1階に対応する位置と、最上階に対応する位置とに設定されていると、上記診断を比較的正確かつ迅速に行える。
この発明のエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断方法によると、前記昇降路に沿って昇降移動可能に設けられた昇降台と、前記昇降台を吊下げる索体と、回転駆動部と、シーブ溝が形成され前記シーブ溝に前記索体が巻掛けられ前記回転駆動部による駆動力を前記索体に伝達して前記昇降台を昇降させる回転伝達体とを有する昇降駆動装置とを備えた構成では、摩耗又は伸びにより索体が縮径し或は回転体のシーブ溝が摩耗すると、複数の基準高さ位置間で昇降台を昇降させるのに必要な回転駆動部の回転量が変動する。そこで、前記昇降台が前記昇降路において設定された複数の基準高さ位置に達した各タイミング間で前記回転駆動部による回転量を求め、その回転量に基づいて前記索体及び前記回転伝達体の駆動状況を診断することで、昇降台を昇降させる索体の駆動状況を、索体及び前記回転伝達体を直接目視等することなく、簡便に診断することができる。また、前記回転駆動部による回転量が予め設定された所定の許容範囲外であると判断したときに、駆動状況不合格と判定することができる。
以下、この発明の実施形態に係るエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置及び索体の駆動状況診断方法について説明する。
<エレベータ式駐車装置の全体説明>
まず、この発明が適用されるエレベータ式駐車装置の全体構成について説明する。図1はエレベータ式駐車装置の全体構成を示す図であり、図2は同エレベータ式駐車装置におけるエレベータ装置部分を示す図である。
このエレベータ式駐車装置は、駐車棚20を有する格納手段としての駐車塔10と、昇降台32を昇降させるエレベータ装置30とを備えている。そして、外部より入庫された車両2を、昇降台32により上昇移動させて空き棚である駐車棚20に移載して格納すると共に、いずれかの駐車棚20に格納された車両2を、昇降台32により下降移動させて外部に出庫する構成となっている。以下、各部についてより詳細に説明する。
<駐車塔内部>
駐車塔10は、上下方向に沿って延びる収容空間を有している。そして、その収容空間の略中央部に上下方向に沿って延びる昇降路12が設けられると共に、該昇降路12の両側に、複数の駐車棚20が車両2の高さ寸法以上の間隔をあけて階層状に設けられている。
昇降路12は、平面視略方形状の空間に形成されており、その平面視形状における四隅には、支柱14FR,14FL,14RR,14RLが立設されている。後述する昇降台32は、本支柱14FR,14FL,14RR,14RLに沿って昇降移動するようになっている。
また、駐車塔10の最下部であって上記昇降路12に対応する部分には、入出庫口16が設けられている。外部の車両2は、本入出庫口16を経由して駐車塔10最下部にある昇降台32に入庫され、また、逆に、駐車塔10最下部にある昇降台32から入出庫口16を経由して外部に出庫される。つまり、駐車塔10の最下部である地上1階は、車両入出庫用の乗入階17に構成されている。なお、ここでは、乗入階17が地上1階である例で説明するが、乗入階は必ずしも地上1階である必要はなく、途中階又は最上階等に設けられていてもよい。
さらに、駐車塔10の最上部には機械室11があり、この機械室11内に、エレベータ装置30用の昇降駆動装置40等が格納されている。
<エレベータ装置>
エレベータ装置30は、昇降路12に沿って昇降移動可能に設けられた昇降台32と、前記昇降台32を昇降移動させる昇降駆動装置40とを備えている。
昇降台32は、複数のフレーム部材を枠組等することで又は板状部材により、平面視略方形状部材に形成されてており、略水平姿勢で、上記昇降路12内を昇降移動可能に構成されている。
また、本昇降台32及び各駐車棚20上に、パレット24が配設されると共に、本昇降台32及び各駐車棚20に、パレット24を移動自在に支持するレールが設けられている。そして、昇降台32が所定段にある駐車棚20の高さ位置まで昇降した状態で、それぞれのレールが直線状に連続するようになっている。また、昇降台32には、パレット24を移動させるパレット移載装置36が設けられている。そして、昇降台32が所定段にある駐車棚20の高さ位置まで昇降した状態で、パレット移載装置36の駆動により、昇降台32から駐車棚20へ、又は、駐車棚20から昇降台32へ、パレット24が移動するようになっている。また、このようなパレット24の移載により、該パレット24上に搭載された車両2が昇降台32から駐車棚20へ、又は、駐車棚20から昇降台32へ移載されるようになっている。
なお、パレット24を省略し、昇降台32と各駐車棚20との間で、車両2を直接移載する構成を採用してもよい。
また、本駐車装置には、昇降台32及び各駐車棚20に、両者の高さ位置を揃えるべく、例えば、特開2003−97077号公報に開示されるような位置決めロッキング装置(図5参照)が組込まれている。
昇降駆動装置40は、上記昇降台32を昇降移動させる手段である。すなわち、昇降駆動装置40は、上記機械室11に設置されており、昇降駆動部42と駆動シーブ44とを備えている。昇降駆動部42は、昇降台32を昇降駆動するブレーキ付の正逆回転モータ42aと減速機42bとこれらにより回転駆動される駆動軸42cとを備えている。
正逆回転モータ42aは、機械室11内の一定位置に設けられており、後述する駐車装置制御部50の指令に応じて昇降台32を昇降させるべく正逆両方向に回転駆動する回転駆動部として機能する。
また、この正逆回転モータ42aには、その回転量を取得する回転量取得手段としてロータリーエンコーダ等のパルス発生器43が組込まれている(図5参照)。このパルス発生器43は、上記正逆回転モータ42aの回転軸に連結されており、所定の原点位置からの正逆回転モータ42aの回転量に応じたパルス信号を生成して後述する駐車装置制御部50に与えるようになっている。このパルス発生器43により、モータ42aの回転量をより正確に検出できる。なお、パルス発生器43は、必ずしも正逆回転モータ42aの回転軸に連結されている必要はなく、例えば、駆動シーブ44や転向シーブ46の回転軸等に連結されていてもよい。
駆動シーブ44は、駆動軸42cに取付けられており、昇降駆動部42の駆動により正逆両方向に回転駆動される。また、この駆動シーブ44の近傍位置に、転向シーブ46が回転可能に設けられている。これら駆動シーブ44及び転向シーブ46には、それぞれ複数(ここでは4つ)のシーブ溝44a,46aが形成されている。駆動シーブ44は、上記回転モータ42aによる駆動力をワイヤロープ48に伝達して昇降台32を昇降させる回転伝達体として機能する。
また、機械室11内であって、昇降路12の4隅に対応する上方各位置に、4つの転向プーリ47が設けられている。
また、索体としての4本のワイヤロープ48の一端部が昇降台32の4隅にそれぞれ固定されている。この各ワイヤロープ48は、上記各転向プーリ47に巻掛けられると共に、集合させた状態で駆動シーブ44の各シーブ溝44aに巻掛けられた上で、さらに、転向シーブ46の各シーブ溝46aに巻掛けられる。また、各ワイヤロープ48の他端部には、カウンタウエイト49が連結されている。
そして、上記昇降駆動部42の駆動により駆動シーブ44を正転方向又は逆転方向に回転させることで、ワイヤロープ48が巻上げられ、又は、巻降ろされて、昇降台32が昇降路12内を昇降移動するようになっている。
<検知手段>
また、上記昇降台32及び支柱14FR,14FL,14RR,14RLには、昇降台32が前記昇降路12において設定された複数の基準高さ位置に達した各タイミングを検知する検知手段が組込まれている。ここでは、各基準高さ位置が、昇降路12において乗入階17及び各駐車棚20の位置、即ち、地上1階から最上階までの各階に対応する位置に設定された例で説明する。もっとも、上記各基準高さ位置は、各階に対応する位置に設定されている必要はなく、地上1階とそれよりも上の任意の階(例えば最上階)、又は、各階の間等に設定されていてもよい。
図3は昇降台が上記各基準高さ位置に達したか否かを検知する手段を示す斜視図である。図2及び図3に示すように、昇降台32の4隅のうちの一つの隅部分には、検出部Z01及び検出部Z02が設けられている。また、支柱14FR,14FL,14RR,14RLのうち上記検出部Z01,Z02に対応する支柱14RRには、乗入階17及び各駐車棚20に対応する各高さ位置(基準高さ位置)に、被検出子として被検知板ST01,ST02が設けられている。被検知板ST01,ST02は、それぞれ検出部Z01,Z02に対応している。そして、昇降台32の昇降移動中の各階において、検出部Z01が被検知板ST01に対応する高さ位置を通過する際に該被検知板ST01を検出し、また、検出部Z02が被検知板ST02に対応する高さ位置を通過する際に該被検知板ST02を検出するようになっている。
なお、被検知板ST01,ST02は、被検知板ST01を下方に被検知板ST02を上方にという態様で所定量Dだけ上下にずらして設けられている。そして、昇降台32の上昇中には、検出部Z01が被検知板ST01を検出した後のタイミングで続いて検出部Z02が被検知板ST02を検出し、昇降台32の下降中には、検出部Z02が被検知板ST02を検出した後のタイミングで続いて検出部Z01が被検知板ST01を検出するようになっている。これにより、昇降台32の昇降及び下降を判別すると共に、各到達階をカウントして判別することで昇降台32の昇降制御等を行えるようになっている。
これら検出部Z01,Z02による被検知板ST01,ST02の検出タイミングに応じて、後述する駐車装置制御部50がモータ42aの駆動を制御することで、昇降台32を乗入階17又は所定の駐車棚20に昇降させて停止させるようになっている。また、検出部Z01による検出タイミングに基づいて後述する駆動状況診断処理が行われるようになっている。つまり、本実施形態では、検出部Z01及び各階に設けられた被検知板ST01が昇降台32が各基準高さ位置に達した各タイミングを検知するための検知手段として機能する。特に、昇降台32に設けられた検出部Z01及び各階に設けられた被検知板ST01によって、昇降台32が各階に達したタイミングをより正確に検出できる。
なお、上記検出部Z01,Z02としては、非接触式又は接触式のセンサを有する構成のものが使用される。センサとしては、検知子による遮光の有無によって検知を行う光電式のセンサや、検知子による磁気反応の有無によって検知を行う磁気式のセンサ等、非接触式のものを用いることが好ましい。
<エレベータ式駐車装置の電気的構成>
図5は、エレベータ式駐車装置の電気的構成を示すブロック図である。このエレベータ式駐車装置は、駐車装置制御部50と駆動部60と検知器70とパルス発生器43と操作パネル80と案内表示器55と送受信装置90とが、入出力装置58を介して相互接続された構成とされている。
駐車装置制御部50は、ROM51aやRAM51b等の記憶手段51とCPU52等を含む一般的なマイクロコンピュータによって構成されている。そして、駐車装置制御部50は、予め格納されたソフトウェアプログラムによって演算動作を実行して、昇降台32の昇降動作制御等を含む本駐車装置の全体制御を司るようになっている。また、この駐車装置制御部50は、後に詳述するように、上記検知手段及びパルス発生器43からの出力結果に基づいて、検知手段による各検知タイミング間で回転モータ42aによる回転量を求め、その回転量に基づいてワイヤロープ48及び駆動シーブ44の駆動状況を診断する処理を実行する診断制御手段として機能するようになっている。
駆動部60は、昇降台32を昇降させる昇降駆動部42と、昇降台32と各駐車棚20との間でパレット24を移載するパレット移載駆動部36aと、位置決めロッキング装置を駆動させる駐車棚20/昇降台32のロッキング駆動部64と、駐車塔10の入出庫口16に設けられた開閉扉(図示省略)を開閉駆動する入出庫扉駆動部66等を備えている。
そして、これらの各駆動部42,36a,64,66が、上記駐車装置制御部50から入出力装置58を介して与えられる動作指令に応じて、それぞれ駆動するようになっている。
検知器70は、乗入階着床検知器群72と駐車階着床検知器群74と乗入階車両検知器群78等を備えている。
乗入階着床検知器群72は、昇降台32が乗入階17に着床したか否かを検知する少なくとも一つのセンサ(図示省略)を有している。
駐車階着床検知器群74は、上記検知部Z01,Z02等により構成されており、昇降台32が各駐車棚20に対応する駐車階に着床したか否かを検知するように構成されている。
乗入階車両検知器群78は、乗入階17に設けられた少なくとも一つのセンサ(図示省略)を備えており、乗入階17における車両2の存否を検知するようになっている。
これら各検知器群72,74,78からの検知結果は、入出力装置58を介して駐車装置制御部50に与えられるようになっている。
操作パネル80は、駐車塔10の外壁等に設けられており、運転モード切換スイッチ82と点検モード切替スイッチ83と表示部85等を備えている。
運転モード切換スイッチ82は、本駐車装置の運転モードを、自動モード、手動モード、保守点検モードに択一的に切替える入力手段である。
また、点検モード切替スイッチ83は、本駐車装置における点検モードを、階高診断モードに切替えるための入力手段である。そして、本駐車装置が保守点検モードに切替えられた状態で、階高診断モードを指定して所定の指令を入力することで、後述する駆動状況診断処理が実行される。そして、その処理診断結果が、表示部85に表示されるようになっている。
また、この操作パネル80は、本駐車装置全体の電源をオンオフするための電源オンオフキースイッチ81や、テンキー等の入力キー84、カード挿入口86等を備えており、エレベータ式駐車装置の一般的な動作に必要な諸入力を受付けるようになっている。
この操作パネル80で受付けられた入力は、入出力装置58を介して駐車装置制御部50に与えられると共に、駐車装置制御部50での処理結果が表示部85等に表示されるようになっている。
案内表示器55は、車両2の入出庫に際して車両2の運転者に対して所定の案内を行う入庫案内表示器56や入出庫案内表示器57等を備えている。そして、駐車装置制御部50からの表示指令に応じて、所定のタイミングで、入庫案内表示器56や入出庫案内表示器57を通じて車両2の運転者に対して入庫案内等を表示するようになっている。
送受信装置90は、本エレベータ式駐車装置を、外部の通信網92に接続するための装置である。すなわち、本エレベータ式駐車装置は、本送受信装置90から通信網92を介して、外部の遠隔保守センター等にある遠隔保守コンピュータ94や、携帯端末96に通信可能に接続される。そして、遠隔保守コンピュータ94や携帯端末96からの指令を受けて、水平度合診断処理を実行し、また、診断結果を遠隔保守コンピュータ94や携帯端末96に送信できるようになっている。
ここでの通信網92は、有線式であっても無線式であってもよいし、また、公衆通信網であっても専用回線による通信網であってもよい。
<動作説明>
このように構成されたエレベータ式駐車装置は、従来の一般的なエレベータ式駐車装置と同様に車両2の格納動作を行う。すなわち、入庫時には、パレット24を搭載した昇降台32を乗入階17に下降させて、ここで、車両2をパレット24上に乗入れる。そして、昇降台32を所定階に上昇させた状態で、車両2を該階の駐車棚20にパレット24ごと移載する。そして、出庫時には、所定階の駐車棚20に格納された車両2をパレット24ごと昇降台32に移載した後、昇降台32を乗入階17に下降させる。そして、パレット24から車両2を駐車塔10外に出庫する。これらの入出庫動作自体は、従来より周知であるのでここでは詳細な説明を省略する。
このエレベータ式駐車装置は、上記のような車両2の入出庫処理の他に、ワイヤロープ48及び駆動シーブ44の駆動状況診断処理を行う機能を有しており、その駆動状況診断処理についてより詳細に説明する。
まず、このエレベータ式駐車装置におけるワイヤロープ48及び駆動シーブ44の駆動状況診断処理を行うにあたっては、事前に、ティーチング処理を行う必要があり、そのティーチング処理について説明する。
図6はティーチング処理を示すフローチャートである。
まず、電源オンオフキースイッチ81を「入」状態に、運転モード切換スイッチ82を「保守点検モード」に、点検モード切替スイッチ83を「階高診断モード」に切替える。なお、初期状態で、昇降台32はパレット24を搭載していない状態で原点階(原点位置、例えば、乗入階17)に着床した状態となっている。この状態では、昇降台32の検出部Z01,Z02は全てオン状態になっており、また、昇降台32は乗入階17でロックされた状態となっている。さらに、乗入階17は、無人状態で、かつ、入出庫扉も閉じた状態となっている。
この状態で、入力キー84等を介してティーチング処理を実行する旨の指令(許容範囲設定指令)を与える。すると、駐車装置制御部50の制御下以下の処理が実行される。すなわち、昇降台32に対するロックが解除され、ステップS1に示すように、昇降台32は原点階から上昇する。
なお、原点階(原点位置)は乗入れ階である必要はない。例えば、乗入れ階付近又はその他の場所に、原点センサを付加的に設け、この原点センサを通じて昇降台32が所定高さ位置に達したことが検知されたときに、昇降台32が該原点位置にあると判定してリセット(原点復帰)するようにしてもよい。
次に、ステップS2において、検出部Z01がオフ状態になったか否かが判定され、検出部Z01がオフになるまで、ステップS2の判定処理が繰返される。そして、昇降台32が所定量以上上昇すると、検出部Z01のオフ状態への立ち下がりが判定され、次ステップS3に進む。
ステップS3では、パルス発生器43からの出力に基づいて、検出部Z01がオフ状態に切替ったタイミングでのパルス発生器43のパルス数(原点位置からカウントされたパルス数)が記憶手段51に記憶される。なお、このパルス数は、回転モータ42aによる回転量を数値化して表したものである。
次に、ステップS4において、検出部Z01がオンになったか否かが判定され、オン状態に切り替ったと判定されるまで、ステップS4の処理が繰返される。昇降台が次の上方への階に達し、検出部Z01がオンになったと判定されると、次ステップS5に進む。
ステップS5では、直前のステップS4で検出部Z01がオンになったと判定されたタイミングでのパルス発生器43のパルス数(原点位置からカウントされたパルス数)をPNxとして記憶手段51に記憶させる。なお、パルス数PNxの”x”は、初期値”1”で、以降ステップS4を経由するたびに値”1”ずつ増加する正の整数である。
次ステップS6では、昇降台32が最上階に着床したか否かが判定される。ここでは、判定は、例えば、前記値xが最上階に対応する値Xになったか否かをもってなされる。ここで、昇降台32が最上階に着床していないと判断されると、ステップS12に進む。ステップS12では、昇降台32の上昇を継続し、ステップS4に戻り、ステップS4〜S6の処理を繰返す。
一方、ステップS6で昇降台32が最上階に着床したと判断されると、ステップS7に進む。この状態では、記憶手段51には、原点階に対応するパルス数PN0,それより上の階から最上階までの各階に対応する各パルス数PNxが記憶される。
ステップS7では昇降台32の上昇を停止させた後、ステップS8に進む。
ステップS8では、パルス数PN0,PNxのそれぞれに所定の係数kを乗じて、昇降台32の上昇量をより直接的に示す値L0,Lxに数値化する。ここで、所定の係数は、1パルスあたりの昇降台32の昇降量を示す係数であり、理論的に或は実験的に求められる値である。なお、この換算後の値L0,Lxも回転モータ42aによる回転量を間接的に示す値に含まれる。つまり、本診断処理を行う基準となる回転量には、回転量に応じて決定される全ての数値を含む。
続くステップS9では、上記各駐車棚20がある駐車階の各階高として△Lx=L0−Lxを求める。そして、求められた各階高を基準にして、△Lx±βを階高基準値(許容範囲)として記憶手段51に記憶する。なお、このβは許容差であり、どの程度の許容差が許されるかは経験的、実験的に設定される。
次ステップS10では、昇降台32を下降させる。そして、ステップS11では昇降台32が原点階に着床したか否かが判定され、昇降台32が原点階に着床して停止すると、ティーチング処理を終了する。
ここで、検出部Z01のオンオフタイミングと、パルス数PN0,PNxの取得タイミング及び階高△Lxとの関係について図8を参照して説明しておく。
すなわち、昇降台32が原点階より上昇し検出部Z01がオフになったタイミングで、パルス数PN0が取得される(ステップS2,S3参照)。続いて、昇降台32が2階、3階・・・に達し検出部Z01がオンになった各タイミングで、パルス数PN1,PN2・・・が取得される(ステップS4〜ステップS6参照)。そして、最上階のX階に達して検出部Z01がオンになったタイミングでパルス数PNXが取得される(ステップS4〜ステップS6参照)。また、それぞれのパルス数PN0,PN1,PN2・・・PNXに係数kが乗算されることで、各階高を示すL0,L1,L2・・・LXに変換される(ステップS8参照)。続いて、△Lx=L0−Lxの演算を行うことで、階に対応する階高△L1,△L2・・・△LXが得られる。なお、この各階高△L1,△L2・・・△LXは、初期状態等の一定の状態で想定される係数kに基づいて算出された値であり、後述するように、ワイヤロープ48や駆動シーブ44の状況等によって変動する値であり、正確な階高を示すものではない。
次に、ワイヤロープ48及び駆動シーブ44の駆動状況診断処理について説明する。図7は駆動状況診断処理を示すフローチャートである。
まず、電源オンオフキースイッチ81を「入」状態に、運転モード切換スイッチ82を「保守点検モード」に、点検モード切替スイッチ83を「水平レベル判定モード」に切替える。なお、初期状態では、上記ティーチング処理における初期状態と同様になっている。
この状態で、入力キー84等を介して診断処理を開始する旨指令する。すると、上記ティーチング処理におけるステップS1〜S6及びS12と同様の処理が実行される。なお、ここでは、各駐車階のパルス数はPNa0,PNaxとして記憶される。
ここで、駆動シーブ44のシーブ溝44aの摩耗や、摩耗ないし伸びによるワイヤロープ48の縮径が生じていた場合、駆動シーブ44の駆動半径は上記ティーチング処理を行った状態よりも小さくなっている。このため、昇降台32を一定高さ上昇させるのに必要な回転モータ42aの回転量は、上記ティーチング処理を行った場合よりも大きくなる。つまり、摩耗や伸びによるワイヤロープ48の縮径及び駆動シーブ44の摩耗が生じていた場合、ここで得られた各駐車階に対応するパルス数PNa0,PNaxは、ティーチング処理で得られたパルス数PNxよりも大きくなる。
ステップS6で昇降台32が最上階に達したと判定されると、ステップS28に進む。ステップS28では、パルス数PNa0,PNaxに、上記所定の係数kを乗じて、値La0,Laxに数値化する。
続くステップS29において、上記各駐車棚20がある駐車階の各階高として△Lax=La0−Laxを求め、これを記憶手段51に記憶し、次ステップS30に進む。
ステップS30では、駐車階の各階高△Laxが、上記階高基準値△Lx±βの範囲内であるか否かが判定される。なお、各階高△Laxが階高基準値△Lx±βの上限値又は下限値と同じである場合には、YES、NOのいずれの判定を下してもよい。
駐車階の各階高△Laxが、上記階高基準値△Lx±βの範囲内であると判定された場合には、ステップS31に進み、合格判定を下す。そして、合格判定である旨を、例えば、表示部85に表示させてステップS32に進む。
一方、ステップS30において、駐車階の各階高△Laxが、上記階高基準値△Lx±βの範囲外であると判定された場合には、ステップS34に進み、不合格判定を下す。そして、不合格である旨を記録及び表示する。なお、不合格である旨を表示する場合には、例えば、「シーブ溝の摩耗激化の疑いあり、シーブ溝の修削指令」等を表示させるようにするとよい。この後、ステップS32に進む。
ステップS32では、昇降台32を下降させる。そして、次ステップS33で昇降台32が原点階に着床したか否かが判定され、昇降台32が原点階に着床して停止すると、駆動状況診断処理を終了する。
そして、上記ステップS34で不合格判定が下されその旨表示されると、保守員が駐車塔10の機械室11内に立入り、駆動シーブ44の目視検査や、各シーブ溝44aにおけるワイヤロープ48の沈み込み量の測定、シーブ溝122の撮影による検査等を行って、詳細な調査を行う。
なお、上記ティーチング処理及び診断処理において、昇降台32の出発位置となる原点位置は、乗入階17の他、それよりも上の各階床位置又は各階床間に設定されていてもよい。また、昇降台32は当該原点位置より下降しつつ上記各処理を行うものであってもよい。
以上のように構成されたエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置及び駆動状況診断方法によると、回転モータ42aによる駆動力を、駆動シーブ44を介してワイヤロープ48に伝達して昇降台32を昇降させる構成であるところ、ワイヤロープ48が縮径し或は駆動シーブ44が摩耗すると、各階間(複数の基準高さ位置間)で昇降台32を昇降させるのに必要な回転モータ42aの回転量が変動する。そこで、検出部Z01及び被検知板ST01を含む検知手段及びパルス発生器43からの出力結果に基づいて、昇降台32が各階高を検知するタイミング間で回転モータ42aの回転量を求め、その回転量に応じて算出される階高△Laxに基づいてワイヤロープ48及び駆動シーブ44の駆動状況を診断することで、それらの駆動状況を簡便に診断でき、また、自動的に診断することができる。
より具体的に説明すると、従来では、ワイヤロープ48及び駆動シーブ44の駆動状況に拘らず、一定期間ごとに、保守員が駐車塔10の機械室11に立入って、ノギスや曲尺、専用測定具等を用いて複数のワイヤロープ48の直径を測定したり、複数のシーブ溝44aにおけるワイヤロープ48の沈み込み量を測定したりしていた。そして、これらの点検作業には長時間を要していた。ところが、本駆動状況診断装置及び診断方法によると、昇降台32を地上階から上昇させることで、ワイヤロープ48の縮径やシーブ溝44aの摩耗による不具合を短時間かつ自動的に測定できる。そして、上記基準範囲から外れて不具合が診断された場合になって、初めて保守員による入念な点検作業を行えばよいことになる。
また、特に、各タイミング間での回転量に応じた階高△Laxが、予め設定された所定の基準値△Lx±βの範囲外であると判断したときに、駆動状況の不合格判定を出力するため、不合格を自動的に判断することができる。
なお、本実施形態では、パルス数PN0,PNxを、該パルス数に応じた上昇量を示すL0,Lxに応じた値に換算して、上記診断処理を行っているが必ずしもその必要はない。パルス数PN0,PNxを基準に許容範囲を決定してティーチング処理及び駆動状況診断処理を行うようにしてもよい。また、本実施形態では、地上1階と各階間での階高値△Lを算出して、これを基準に診断処理を行っているが必ずしもその必要はない。例えば、各階間でのパルス数又はこれに応じた昇降量を求めて診断処理を行ってもよい。
特に、地上1階である原点階と最上階間でのパルス数又はこれに応じた昇降量を求めて上記と同様に診断処理を行うようにしてもよい。この場合であっても、地上1階である原点階と最上階間の離間距離は最も大きいため、駆動シーブ44の駆動半径が小さくなることによる影響は、地上1階に設定された原点階と最上階間でのパルス数の変動に最も影響するから、比較的正確に診断処理を行える。また、各階間での検知や診断処理を省略できるから、比較的迅速に診断処理を行えるようになる。
また、駐車装置制御部50が、許容範囲設定指令に応じて検知手段による各検知タイミング間での回転モータ42aの回転量、即ち、パルス数PN0,PNxを取得し、このパルスPN0,PNxに基づいて△Lx±βを求めているため、エレベータ式駐車装置の実際の据付け状態等に応じて適切な許容範囲を設定することができる。
<変形例>
なお、各階高△Lxに対する許容差βは、各階高△Lxごとに別々の値であってもよい。また、各階高△Lxを中心にして、上限方向への差と下限方向への許容差とが別々に設定されていてもよい。このβは、エレベータ式駐車装置の種類、収容台数、収容対象車種、鉄塔式であるかビル建築物に組込まれた構成のものであるか、パレット24が旋回する方式のものか否か等に応じて経験的、実験的に設定される。
また、本実施形態では、検知手段は、昇降台32に設けられた検出部Z01と、支柱14RRに設けられた被検知板ST01とを備えた構成となっているが、これらが逆の位置に設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、保守員が駐車塔10にある操作パネル80を操作することで、駆動状況診断処理を実行させるようにしたが、通信網92を介して遠隔操作により上記各処理を行わせるようにしてもよい。すなわち、外部の遠隔保守センター等にある遠隔保守コンピュータ94や携帯端末96を通じて、日時を指定して駆動状況診断処理を行う指令を入力しておく。指定される日時は、深夜等、利用者が利用しないと想定される非稼働時間帯内で設定されることが好ましい。そして、指定された日時に、駐車装置制御部50が駆動状況診断処理を実行する。
この診断結果は、例えば、プリンタにて印刷されて後刻保守員に提供されたり、又は、通信網92から携帯端末96を通じて保守員に提供される。これにより、保守員がエレベータ式駐車装置の定期保守作業を行う際に、駆動状況診断処理して実行する手順を省略することができ、該保守作業を短時間で行える。
また、上記診断結果は、例えば、通信網92から遠隔保守コンピュータ94に提供される。そして、遠隔保守センターにて、センター保守員が診断結果に基づいて継続稼働可能か否か補修計画が必要か等の保守計画を立案する用途に役立てられ得る。
また、本駆動状況診断処理を実行する段階にて、入出庫扉は開いた状態であってもよい。また、昇降台32を手動操作で昇降させて診断処理を行うようにしてもよい。入出庫扉が開いたままの状態であると、昇降台32の昇降状況を目視にて監視しつつ診断処理を行う場合に便利である。
エレベータ式駐車装置の全体構成を示す図である。 同上のエレベータ式駐車装置におけるエレベータ装置部分を示す図である。 昇降台が上記各基準高さ位置に達したか否かを検知する手段を示す側面図である。 昇降台が上記各基準高さ位置に達したか否かを検知する手段を示す平面図である。 エレベータ式駐車装置の電気的構成を示すブロック図である。 ティーチング処理を示すフローチャートである。 駆動状況診断処理を示すフローチャートである。 検出部Z01のオンオフタイミングとパルス数PN0,PNx及び階高△Lxとの関係を示す図である。 エレベータ式駐車装置における問題点を示す図である。
符号の説明
10 駐車塔
14FR,14FL,14RR,14RL 支柱
17 乗入階
20 駐車棚
30 エレベータ装置
32 昇降台
40 昇降駆動装置
42a 回転モータ
43 パルス発生器
44 駆動シーブ
44a シーブ溝
48 ワイヤロープ
50 駐車装置制御部
51 記憶手段
83 点検モード切替スイッチ
ST01,ST02 被検知板
Z01,Z02 検出部
β 許容差

Claims (8)

  1. 上下方向に延びる昇降路と、前記昇降路に沿って階層状に設けられた複数の駐車棚とを有する車両格納手段と、
    前記昇降路に沿って昇降移動可能に設けられた昇降台と、
    前記昇降台を吊下げる索体と、
    回転駆動部と、シーブ溝が形成され前記シーブ溝に前記索体が巻掛けられ前記回転駆動部による駆動力を前記索体に伝達して前記昇降台を昇降させる回転伝達体とを有する昇降駆動装置と、
    前記昇降台が前記昇降路において設定された複数の基準高さ位置に達した各タイミングを検知する検知手段と、
    前記回転駆動部による回転量を取得する回転駆動量取得手段と、
    前記検知手段及び前記回転駆動量取得手段からの出力結果に基づいて、前記検知手段による各検知タイミング間で、前記複数の基準位置間で前記昇降台を昇降させるのに必要な前記回転駆動部による回転量を求め、その回転量に基づいて前記索体及び前記回転伝達体の駆動状況を診断する診断制御手段と、
    を備え、
    前記診断制御手段は、前記検知手段による各検知タイミング間で、前記複数の基準位置間で前記昇降台を昇降させるのに必要な前記回転駆動部による回転量が予め設定された所定の許容範囲外であると判断したときに、駆動状況不合格判定を出力する、エレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置。
  2. 請求項1記載のエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置であって、
    前記昇降台から前記駐車棚へ、又は、前記駐車棚から前記昇降台へ移動可能な、車両移載用のパレットをさらに備え、
    前記診断制御手段は、前記検知手段及び前記回転駆動量取得手段からの出力結果に基づいて、前記検知手段による各検知タイミング間で、前記昇降台に前記パレットが搭載されていない状態にあるときの、前記複数の基準位置間で前記昇降台を昇降させるのに必要な前記回転駆動部による回転量を求め、その回転量に基づいて前記索体及び前記回転伝達体の駆動状況を診断する、エレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置。
  3. 請求項1又は2記載のエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置であって、
    前記診断制御手段は、入力手段を介して入力された許容範囲設定指令に応じて前記検知手段による各検知タイミング間で前記複数の基準位置間で前記昇降台を昇降させるのに必要な前記回転駆動部による回転量を求め、この前後所定範囲を前記許容範囲に設定する、エレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置であって、
    前記検知手段は、前記昇降台及び前記昇降路における複数の基準高さ位置のうちの一方に設けられた検出子と、他方に設けられ前記昇降台の昇降に伴い前記検出子を検出する検出部と、を有するエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置であって、
    前記回転駆動量取得手段は、前記回転駆動部の回転量を検出するロータリーエンコーダである、エレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載のエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置であって、
    前記複数の基準高さ位置は、地上1階に対応する位置と、最上階に対応する位置とに設定されている、エレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断装置。
  7. 上下方向に延びる昇降路と、前記昇降路に沿って階層状に設けられた複数の駐車棚とを有する車両格納手段と、
    前記昇降路に沿って昇降移動可能に設けられた昇降台と、
    前記昇降台を吊下げる索体と、
    回転駆動部と、シーブ溝が形成され前記シーブ溝に前記索体が巻掛けられ前記回転駆動部による駆動力を前記索体に伝達して前記昇降台を昇降させる回転伝達体とを有する昇降駆動装置と、
    を備えたエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断方法であって、
    前記昇降台が前記昇降路において設定された複数の基準高さ位置に達した各タイミング間で、前記複数の基準位置間で前記昇降台を昇降させるのに必要な前記回転駆動部による回転量を求め、その回転量に基づいて前記索体及び前記回転伝達体の駆動状況を診断し、前記回転駆動部による回転量が予め設定された所定の許容範囲外であると判断したときに、駆動状況不合格と判定する、エレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断方法。
  8. 請求項7記載のエレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断方法であって、
    前記エレベータ式駐車装置が、前記昇降台から前記駐車棚へ、又は、前記駐車棚から前記昇降台へ移動可能な、車両移載用のパレットをさらに備え、
    前記昇降台が前記昇降路において設定された複数の基準高さ位置に達した各タイミング間で、前記昇降台に前記パレットが搭載されていない状態にあるときの、前記複数の基準位置間で前記昇降台を昇降させるのに必要な前記回転駆動部による回転量を求め、その回転量に基づいて前記索体及び前記回転伝達体の駆動状況を診断する、エレベータ式駐車装置における索体の駆動状況診断方法。
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