JP5116525B2 - スパッタ装置 - Google Patents
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Description
また、トレイへの基板の搭載及びトレイからの基板の回収が真空中で行われるため、基板の取り扱いが難しいという問題がある。さらに、トレイは常に真空中を循環しているため、トレイのメンテナンス等を行う際には、装置自体を停止しなければならない。したがって、メンテナンスが煩雑になり、製造効率も低下するという問題もある。
本発明の構成によれば、ターゲットから叩き出された粒子のうち、基板の周囲に飛散した粒子が防着板に付着するため、これら粒子が基板保持機構に付着することを防ぐことができる。そして、真空下のチャンバ内で防着板の着脱を行うことで、粒子が付着した防着板が大気中に曝されることがない。そのため、真空〜大気圧の繰り返しによる防着板からの膜剥離を防止することが可能になり、パーティクルの発生を防ぐことができる。
また、チャンバ内を循環するのは防着板のみであり、防着板は構成も簡素で重量も軽いため、チャンバ内の循環ラインの簡素化を図ることができる。
この構成によれば、防着板により基板の外周部分も覆うことで、基板の外周部分への成膜材料の付着を防止することができる。これにより、基板の着脱時等の衝撃により基板の外周部分に付着した成膜材料が剥離することを防ぐことができる。これにより、パーティクルの発生をより防ぐことができる。
この構成によれば、基板着脱室において基板の着脱を大気中で行うことで、基板の取り扱いが容易になる。具体的には、基板保持手段に基板を載置する際のアライメント等が容易になる。さらに、基板の着脱時に伴うダメージの確認や、基板上の成膜状態の確認を大気中で容易に行うことができる。
この構成によれば、ガス供給手段からスパッタ室にスパッタガス及び反応ガスを供給し、電源からターゲットに電圧を印加する。これにより、まずスパッタ室内でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、ターゲットに衝突して成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合し、基板に付着することにより、基板の表面に成膜材料の被膜を形成することができる。そして、インライン式反応性スパッタ装置では、基板保持手段に保持された基板がターゲットに対して相対移動するので、基板の表面全体に対して均質に成膜を行うことができる。
また、本発明は、前記防着部の前記裏面には、前記防着部の幅方向に沿って伸びる柱状の着脱バーが設けられていて、該着脱バーは、連結部材を介して前記裏面に接続されるとともに、前記基板保持手段の受け座に受け入れ可能とされていることができる。
また、本発明のスパッタ装置は、前記基板保持手段の前記基板を載置する表面側には、該基板保持手段を貫通する開口部が形成され、該開口部の周面に前記受け座が配置されていて、前記基板保持手段の前記表面と交差する方向に伸縮可能なアームが、前記基板保持手段の裏面側において、前記基板保持手段の前記開口部の対向位置に設けられており、前記アームの先端部は、前記基板保持手段の前記開口部を貫通して伸長し、前記着脱バーを受け入れ、前記着脱バーを前記受け座から取り外し可能とされていることができる。
また、本発明のスパッタ装置は、フックが、前記防着板の前記表面側に対向する位置に設けられており、該フックの先端部には凹状に湾曲した収容部が形成され、該収容部は、前記アームによって前記受け座から取り外された前記着脱バーを受け入れ可能とされていることができる。
この構成によれば、成膜工程前にチャンバ内にて基板保持機構に防着板を取り付けることで、成膜工程においてターゲットから叩き出された粒子のうち、基板の周囲に飛散した粒子が防着板に付着するため、これら粒子が基板保持機構に付着することを防ぐことができる。そして、成膜工程後にチャンバ内にて基板保持機構から防着板を取り外すことで、ターゲットから叩き出された粒子が付着した防着板が大気中に曝されることがない。そのため、真空〜大気圧の繰り返しによる防着板からの膜剥離を防止することが可能になり、パーティクルの発生を防ぐことができる。
また、チャンバ内を循環するのは防着板のみであり、防着板は構成も簡素で重量も軽いため、チャンバ内の循環ラインの簡素化を図ることができる。
また、本発明の成膜方法は、上述のスパッタ装置を使用する成膜方法であって、前記防着板装着工程において、前記着脱バーを前記基板保持手段の受け座に取り付けることができる。
また、本発明の成膜方法は、上述のスパッタ装置を使用する成膜方法であって、前記防着板取り外し工程において、前記アームの先端部が、前記基板保持手段の前記開口部を貫通して伸長し、前記着脱バーを受け入れ、前記着脱バーを前記受け座から取り外すことができる。
また、本発明の成膜方法は、上述のスパッタ装置を使用する成膜方法であって、前記防着板取り外し工程において、前記アームによって取り外された前記着脱バーを前記フックの先端部の収容部へ受け渡すことができる。
また、チャンバ内を循環するのは防着板のみであり、防着板は構成も簡素で重量も軽いため、チャンバ内の循環ラインの簡素化を図ることができる。
(スパッタ装置)
図1は、本実施形態におけるスパッタ装置の概略構成図(平面図)である。
図1に示すように、スパッタ装置10は、基板Wを縦型保持して搬送するインライン式反応性スパッタ装置であって、大気搬送系11と真空搬送系20との大きく2つに分けられている。これら大気搬送系11及び真空搬送系20内には、基板Wを保持したキャリア(基板保持手段)50が後述する搬送手段51(図4〜6参照)により縦型に搬送される。なお、図1においては、破線領域を大気搬送系11、実線領域を真空搬送系20として示している。
基板着脱室13は、キャリア50の初期位置となっており、成膜前の基板Wをキャリア50へ載置したり、成膜された基板Wを取り出したりするためのものである。このように、本実施形態では、基板Wの着脱が同一の室で行われるため、基板Wの載置と取り出しとを異なる室で行う場合に比べ、製造効率を向上させることができる。基板着脱室13の搬出側には、搬送室14が接続されている。
搬送室14は、基板着脱室13と真空搬送系20とを接続するためのものであり、搬送室14の搬出側には、ゲートバルブGを介して真空搬送系20のローディング室21が接続されている。
循環室16は、スパッタ装置10におけるキャリア50の復路となるものであり、第2大気トラバーサ15から搬送されたキャリア50は、真空搬送系20を通過せずに第1大気トラバーサ17へ搬送される。
第1大気トラバーサ17は、循環室16と基板着脱室13と接続するためのものであり、循環室16から搬送されたキャリア50を初期位置である基板着脱室13へ搬送するものである。これにより、キャリア50は、スパッタ装置10内を循環するように構成されている。
ローディング室21は、チャンバ22に搬送する前段において、大気状態で大気搬送系11からキャリア50を受け入れ、内部を真空排気して、真空状態で真空搬送系20にキャリア50を受け渡すものである。
防着板取り外し室31は、プロセス室25の搬出側にゲートバルブGを介して接続されている。防着板取り外し室31には、後述する防着板着脱機構が設けられ、この防着板着脱機構によりキャリア50に装着された防着板70が取り外されるようになっている。防着板70が取り外されたキャリア50は、基板Wを保持した状態でアンローディング室23に搬送される。一方、キャリア50から取り外された防着板70は、第2搬送室32に搬送される。
第2搬送室32は、防着板取り外し室31と連通しており、キャリア50から取り外された防着板70が搬送ローラ35により循環室34に搬送される。
第1搬送室28は、循環室34の搬出側にゲートバルブGを介して接続されている。第1搬送室28の搬出側は、上述した防着板装着室27に連通しており、防着板取り外し室31にて取り外された防着板70が搬送ローラ35により搬送され、再び防着板装着室27においてキャリア50に装着されるように構成されている。
図2は、キャリアの平面図であり、図3は、防着板の平面図である。また、図4〜7は図2のA−A’線に相当する断面図であり、図4はプロセス室内、図5,6は防着板装着室及び防着板取り外し室、図7は第1搬送室及び循環室、第2搬送室内を示している。
図2,4に示すように、キャリア50は、アルミニウム等からなる矩形板状のものであり、スパッタカソード29(図1参照)の表面と略平行、具体的には重力方向から若干傾斜した状態で配置されている。キャリア50の中央部は基板Wが載置される載置部52として構成されている。載置部52の外周部分には、基板Wを保持するための複数のクランプ53(図2では16個)が設けられている。このクランプ53は、基板Wの外周部分を挟持して載置部52上に基板Wを保持させるものであり、これにより基板Wの表面とスパッタカソード29の表面とが略平行、具体的には重力方向から若干傾斜させた状態で基板Wが保持される。なお、本実施形態に用いられる基板Wは、大型のガラス基板である。
ガイドローラ10は、スパッタ装置10内に亘って配列されており、その周方向に沿って凹状の溝65が形成されている。
レール59は、キャリア50の下端からキャリア50の高さ方向に沿って延出する複数の連結部材58を介して設けられている。このレール59は、キャリア50の幅方向に沿って設けられた円柱状の部材である。レール59は、ガイドローラ60の溝65内に、その外周部分が囲まれるように収容されている。そして、ガイドローラ60が回転することで、キャリア50が搬送されるようになっている。
ガイド68は、ベース部64と、ベース部64の両端からキャリア50の永久磁石61の厚さ方向に沿う両側方を挟持するように配置された永久磁石62,63とを備えている。各永久磁石61,62,63の対向面の極性は互いに異なるように構成され、各永久磁石61,62,63が反発し合うことで、キャリア50がスパッタカソード29の表面に対して略平行に保持された状態で搬送される。
このように、キャリア50は、搬送手段51(下部搬送手段及び上部ガイド手段)により、その高さ方向から挟まれるようにしてスパッタ装置10内を搬送される。
例えば、ラック&ピニオン機構等の搬送手段により、キャリアを搬送するような構成にしてもよい。また、基板の上端縁と下端縁とを溝付ローラにより挟持し、スパッタカソードの表面と、基板の表面とが略平行になるように基板を保持するような構成も可能である。この場合、モータ等により溝付きローラを回転させることで、基板を搬送することができる。
フック79は、防着板装着室27及び防着板取り外し室31における防着板70の表面と対向する位置に設けられ、その先端部には、凹状に湾曲した収容部78が形成されている。この収容部78は、アーム76により取り外された防着板70の着脱バー75が受け入れられる。
次に、本実施形態のスパッタ装置による成膜方法について説明する。
まず、図1に示すように、プロセス室25内で行われる成膜工程について説明する。ガス供給手段30からプロセス室25にスパッタガスと反応ガスとを供給し、外部電源からスパッタカソード29にスパッタ電圧を印加する。プロセス室25内でプラズマにより励起されたスパッタガスのイオンが、スパッタカソード29のターゲットに衝突してZnO膜の成膜材料の粒子を飛び出させる。そして、飛び出した粒子と反応ガスとが結合した後、基板Wに付着することにより、基板Wの表面にZnO膜が形成される。本実施形態のように、インライン式反応性スパッタ装置(スパッタ装置10)では、キャリア50に保持された基板Wがスパッタカソード29に対して相対移動するので、基板Wの表面全体に均一な膜質で成膜を行うことができる。また、複数の基板Wを連続して移動させることにより、複数の基板Wに対して連続的に成膜を行うことができる。
その後、キャリア50の開口部54,55からアーム76を引き出し、キャリア50をアンローディング室23に向けて搬送する。そして、再びアーム76を操作してフック76に保持された防着板70を取り外し、図7に示すように第2搬送室32内に設けられた搬送ローラ35に防着板70を受け渡す。
また、チャンバ22内を循環するのは防着板70のみであり、防着板70は構成も簡素で重量も軽いため、チャンバ22内の循環ラインの簡素化を図ることができる。
また、基板着脱室13において基板Wの着脱を大気中で行うことで、基板Wの取り扱いが容易になる。具体的には、キャリア50に基板Wを載置する際のアライメントが容易になる。さらに、基板Wの着脱時に伴うダメージの確認や、基板W上の成膜状態の確認を大気中で容易に行うことができる。
また、本実施形態では、ターゲットを複数配列し、その配列方向に沿って基板を縦型に搬送したが、ターゲットの表面と基板の表面とが略平行になるように移動するような構成であれば、基板を横型に搬送することも可能である。
Claims (6)
- 真空排気可能なチャンバ内に配置され、成膜材料を備えたターゲットと、
基板を保持する基板保持手段と、
前記ターゲットの表面と前記基板の表面とを略平行に配置しつつ、前記基板保持手段を搬送する移動機構と、を備え、
前記基板保持手段を搬送しながら前記基板にスパッタ処理を行うスパッタ装置において、
前記基板保持手段には、前記基板保持手段における前記成膜材料が付着する領域を覆う防着板が着脱可能に設けられ、
該防着板は前記チャンバ内で着脱されるとともに、前記チャンバ内を循環するように構成されており、
該防着板は、その中央部に形成された開口部と該開口部の周囲に形成された防着部とを備え、該開口部は、表面側から前記基板に面する裏面側に向かうにつれ、開口面積が縮小するように、該開口部の内周面に傾斜面が形成され、
前記防着部の前記裏面には、前記防着部の幅方向に沿って伸びる柱状の着脱バーが設けられていて、該着脱バーは、連結部材を介して前記裏面に接続されるとともに、前記基板保持手段の受け座に受け入れ可能とされていることを特徴とするスパッタ装置。 - 前記防着板は、前記基板の外周部分を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1記載のスパッタ装置。
- 前記チャンバには、前記基板保持手段が大気中で搬送される大気搬送系が接続され、該大気搬送系には前記基板保持手段に対する前記基板の着脱を大気中で行う基板着脱室が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスパッタ装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のスパッタ装置は、
該チャンバ内の真空排気を行う真空排気手段と、
前記スパッタ室内にスパッタガス及び反応ガスを供給するガス供給手段と、
前記ターゲットに電圧を印加する電源と、を備えたインライン式反応性スパッタ装置であることを特徴とするスパッタ装置。 - 前記基板保持手段の前記基板を載置する表面側には、該基板保持手段を貫通する開口部が形成され、該開口部の周面に前記受け座が配置されていて、
前記基板保持手段の前記表面と交差する方向に伸縮可能なアームが、前記基板保持手段の裏面側において、前記基板保持手段の前記開口部の対向位置に設けられており、
前記アームの先端部は、前記基板保持手段の前記開口部を貫通して伸長し、前記着脱バーを受け入れ、前記着脱バーを前記受け座から取り外し可能とされていることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ装置。 - フックが、前記防着板の前記表面側に対向する位置に設けられており、該フックの先端部には凹状に湾曲した収容部が形成され、該収容部は、前記アームによって前記受け座から取り外された前記着脱バーを受け入れ可能とされていることを特徴とする請求項5に記載のスパッタ装置。
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