JP5498868B2 - 真空装置、真空処理装置 - Google Patents
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図5(a)には、基板を立設させて搬送する従来の真空装置114が示されている。この真空装置114の真空槽120は、容器状のチャンバ本体121と、チャンバ本体121の開口128を気密に塞ぐ扉部122とを有している。
チャンバ本体121の底面上には、ローラ支持装置132が複数個配置されており、各ローラ支持装置132上には、搬送ローラ138に挿通された従動軸147がそれぞれ乗せられており、各ローラ支持装置132は、搬送ローラ138がローラ支持装置132上で回転出来るように従動軸147を支持している。
チャンバ本体121の天井には、二本の支持軸136a、136bの一端が取り付けられており、該支持軸136a、136bは、支持ローラ137a、137bに挿通され、支持ローラ137a、137bが回転できるように保持している。
扉部122の外側には、取り付け部材141によって複数の駆動モータ142が取り付けられており、各駆動モータ142の回転軸143は、連結装置144によって、延長軸148の根本部分に取り付けられている。回転軸143と延長軸148とは、回転軸線が一致するように互いに固定されている。
扉部122には貫通孔126が形成されており、延長軸148の先端側は、貫通孔126から真空槽120の内部に挿入されている。
延長軸148の先端と、従動軸147の端部とは、分離可能なカップリング装置149を介して、回転軸線が一致するように取り付けられている。
そして、駆動モータ142が回転軸143を回転させると、従動軸147が回転し、搬送ローラ138上の搬送対象物124が所定の方向に搬送されるようになっている。
メンテナンスの際には、扉部122を開けると、カップリング装置149のうち、延長軸148に取り付けられた部分151と、従動軸147に取り付けられた部分152とが分離し、搬送ローラ138は、従動軸147が挿通された状態で、ローラ支持装置132上に残る。
扉部122を閉じると、延長軸148に取り付けられた部分151と、従動軸147に取り付けられた部分152とが互いに嵌合して、駆動モータ142によって、搬送ローラ138を回転させることができるようになる。
駆動モータ142は搬送ローラ138と同じ高さで、扉部122の下方部分に配置されており、チャンバ本体121は熱伸びせず、従動軸147の回転軸線は移動しないのに対し、扉部122の熱伸びにより、駆動モータ142が下方に移動すると回転軸143と延長軸148の回転軸線が下方に移動し、従動軸147の回転軸線と一致しなくなる。
このようなときに回転すると、カップリング装置149が摩耗するし、また、駆動モータ142の移動量が大きい場合は、カップリング装置149が破損してしまう。
扉部122の熱伸びによる駆動モータ142の移動を防止できれば、上記課題は解決できるが実現は難しい。
また、本発明は、前記従動軸の一端と前記駆動モータの回転軸の先端は、回転軸線が一致するように互いに固定された真空装置である。
また、本発明は、前記駆動モータは前記真空槽の外部に配置され、前記扉部には貫通孔が形成され、前記回転軸と前記従動軸とで構成される駆動軸は、前記貫通孔に気密に挿通された真空装置である。
また、本発明は、前記搬送ローラよりも上方には、前記搬送対象物の上部と接触して前記搬送対象物の立設状態を支持する支持部材が配置され、前記支持部材が前記扉部に取り付けられた真空装置である。
また、本発明は、前記真空槽の内部には、前記搬送対象物に含まれるガラス基板の表面に薄膜を形成する成膜装置が配置された真空装置である。
また、本発明は、上記真空装置に含まれる真空装置が複数個連結され、各前記真空装置内部を、前記搬送対象物が大気に曝されないで移動できるように構成された真空処理装置である。
搬送ローラと支持ローラが扉部に取り付けられているので、メンテナンスの際に、扉部を閉じると搬送ローラや支持ローラを元の相対的位置関係に戻すことが出来る。
従動軸を支持するローラ支持装置と駆動モータとが扉部に取り付けられているから、扉部に熱伸びがあっても、回転軸のズレは生じない。
この真空処理装置10は、直列に連結された複数の真空装置13〜15を有しており、この例では、直列接続した真空装置13〜15の一端に搬入室11が接続され、反対側の一端に搬出室12が接続されている。各真空装置13〜15は、内部が連通するように真空装置13〜15同士を接続してもよいし、真空装置13〜15の内部と真空装置13〜15の内部との間が、開閉可能な真空バルブを介して連通するように、真空装置13〜15同士を接続してもよい。
搬入室11と、各真空装置13〜15と、搬出室12には、真空排気装置51〜55が接続され、真空排気装置51〜55を動作させると、搬入室11と、搬出室12と、各真空装置13〜15とをそれぞれ真空排気して内部を真空雰囲気にできるように構成されている。
ここでは、二台の真空装置13、15が成膜やエッチング等の真空処理用の装置であり、真空処理用の真空装置13、15は、処理対象の基板を真空雰囲気内で移動させる移動用の真空装置14によって接続されている。
真空排気装置53〜55によって真空装置13〜15内を真空排気しておき、搬送対象物を配置した搬入室11を真空排気して真空装置13に接続すると、搬入室11内から成膜対象物を真空装置13内に搬入することができる。
搬入した搬送対象物は、真空装置13、15内で処理され、大気に触れることなく搬出室12に移動する。
このように、搬送対象物は、真空装置13〜15内を真空雰囲気中で移動する。
真空槽20は、容器状のチャンバ本体21と、板状の扉部22とを有しており、チャンバ本体21の容器の開口28は側面に配置され、立設した扉部22によって塞がれている。
扉部22の壁面とチャンバ本体21の壁面との間にはオーリング23が配置されており、開口28が扉部22によって塞がれた状態では、上述したように、真空排気装置53〜55を動作させて、各真空装置13〜15の真空槽20の内部を真空雰囲気にすることが出来る。
移動装置33は、駆動装置40と、搬送ローラ38と、ローラ支持装置32とを有している。
駆動装置40は、回転軸43を回転させる駆動モータ42を有している。駆動モータ42は、回転軸43が横方向に伸びて横設されるように、固定部材41によって扉部22に固定されている。
ローラ支持装置32は扉部22に固定されている。ローラ支持装置32は、従動軸47が一定位置で回転できるように、従動軸47を支持しており、従動軸47が回転すると、搬送ローラ38は鉛直面内、又は鉛直面から数度傾いた面内で回転するようにされている。
一本の回転軸43の先端と、一本の従動軸47の一端とは、連結装置44によって、互いに固定されて一本の駆動軸が構成されている。
回転軸43の回転軸線と従動軸47の回転軸線とは、同一直線になるように、互いに固定されており、駆動モータ42を動作させ、回転軸43をその回転軸線を中心に回転させると、従動軸47も同一の回転軸線を中心に回転し、搬送ローラ38を回転させる。従って、駆動モータ42を動作させると駆動軸を回転し、搬送ローラ38が回転する。
搬送ローラ38とローラ支持装置32とは、チャンバ本体21が扉部22によって塞がれた状態では、真空槽20の内部に位置している。
複数の搬送ローラ38の間隔は、搬送対象物24は複数の搬送ローラ38上に乗る距離にされており、搬送ローラ38が回転すると、搬送対象物24は一台の真空装置13〜15の真空槽20内や、異なる二台の真空装置11、13〜15、12の真空槽20間を、複数の搬送ローラ38上に乗って移動する。
搬送対象物24が乗せられる搬送ローラ38の外周側面は凹状に形成されており、搬送対象物24が搬送ローラ38上から滑り落ちないようにされている。
ここでは、メンテナンスを容易にし、また、真空槽20内部が汚染しないようにするために、駆動モータ42は真空槽20の外部に配置されて扉部22に固定されている。扉部22には貫通孔26が形成されており、この貫通孔26には、気密装置46が設けられている。従動軸47は、気密装置46を介して貫通孔26に挿通されている。
真空槽20内の搬送ローラ38よりも上方位置には、支持装置35が配置されている。
第一、第二の支持ローラ37a、37bは、搬送ローラ38が回転する平面に対して垂直な平面内で互いに離間して回転するように配置されている。第一、第二の支持ローラ37a、37bの間は、搬送対象物24を第一、第二の支持ローラ37a、37bを挟んで倒れないようにできる距離だけ離間されている。
また、第一、第二の支持ローラ37a、37bは、各搬送ローラ38によって搬送される搬送対象物24を挟み、立設した搬送対象物24が倒れないで移動するように配置されている。
なお、搬送対象物24を略垂直な状態で搬送する場合は、搬送対象物24の上端を第一、第二の支持ローラ37a、37bによって挟んで支持するが、搬送対象物24を鉛直から数度傾いた状態で搬送する場合は、搬送対象物24の上方位置であって下方を向く面側に支持ローラを配置して寄りかからせることができる。この場合は、上方を向く面側には支持ローラを配置しなくてもよい。
搬送対象物24の移動の際には、扉部22は、チャンバ本体21の開口28を塞いで真空槽20の内部を真空雰囲気にしており、その状態から、開口28を開けると、チャンバ本体21内をチャンバ本体21の外部位置から操作できる状態にできる。また、チャンバ本体21の内部表面や扉部22の表面をクリーニングすることができる。
更に、開口28が開けられた状態から、扉部22を閉じ、チャンバ本体21の開口28を塞いで真空槽20内部を真空雰囲気にし、搬送対象物24が移動できる状態に戻すことが出来る。
従って、扉部22によって開口28を開け、次に塞ぐときに、扉部22とチャンバ本体21との相対的な位置関係を、開口28を開ける前と同じ位置関係にすると、搬送ローラ38や、第一、第二の支持ローラ37a、37bの真空槽20に対する位置関係も、扉部22が開けられる前の位置関係に戻るので、カップリング装置は不要であり、また、扉部22を開け閉めしても、チャンバ本体21と扉部22との間の相対位置関係が維持されれば、搬送ローラ38と第一、第二の支持ローラ37a、37b間の相対位置関係に誤差が生じず、搬送対象物24を搬送できる状態に復帰させることが出来る。
上記例では、各真空装置13〜15が共通して有する同じ部材の説明をしたが、真空処理を行う真空装置13には、真空槽20内に真空処理に用いられる処理装置が配置されている。ここでは、スパッタリング装置である真空装置13、15の真空槽20内には、処理装置として電極51とターゲット52とが配置されており、真空槽20内にスパッタリングガスを導入して電極51に電圧を印加してターゲット52をスパッタリングし、真空槽20内の搬送対象物24に薄膜を形成できるようになっている。
従って、扉部22を開けても従動軸47と回転軸43の連結は維持されるから、カップリング装置は不要である。
しかも、本発明の真空装置13〜15では、駆動モータ42とローラ支持装置32とは互いに近接した位置で扉部22に取り付けられており、扉部22が熱伸びしても、駆動モータ42とローラ支持装置32とは同じ方向に同じ距離移動するようになっている。このような構成によると、扉部22の熱伸びが大きくても、回転軸43の回転軸線と、従動軸47の回転軸線との一致状態は維持される。
本発明の真空処理装置10は、上記真空装置13〜15に含まれる真空装置が、複数個連結して構成され、搬送対象物24が真空装置13〜15の間を、大気に曝されずに、搬送ローラ38の回転により、各真空装置13〜15を通って移動できればよく、例えば、一台の真空槽20内に、複数の成膜装置が設けられていてもよい。
13〜15……真空装置
20……真空槽
21……チャンバ本体
22……扉部
24……搬送対象物
28……開口
32……ローラ支持装置
35……支持装置
38……搬送ローラ
43……回転軸
47……従動軸
Claims (6)
- 開口を有するチャンバ本体と、
前記開口を気密に覆って真空槽を形成する扉部と、
前記真空槽の内部に配置され、板状の搬送対象物が立設して下端が乗せられる搬送ローラと、
前記搬送ローラに挿通された従動軸と、
前記従動軸を支持するローラ支持装置と、
前記従動軸を回転させることで前記搬送ローラを回転させ、前記搬送ローラ上の前記搬送対象物を立設状態で移動させる駆動モータと、
を有する真空装置であって、
前記ローラ支持装置と前記駆動モータは、前記扉部に取り付けられた真空装置。 - 前記従動軸の一端と前記駆動モータの回転軸の先端は、回転軸線が一致するように互いに固定された請求項1記載の真空装置。
- 前記駆動モータは前記真空槽の外部に配置され、前記扉部には貫通孔が形成され、前記回転軸と前記従動軸とで構成される駆動軸は、前記貫通孔に気密に挿通された請求項2記載の真空装置。
- 前記搬送ローラよりも上方には、前記搬送対象物の上部と接触して前記搬送対象物の立設状態を支持する支持部材が配置され、
前記支持部材が前記扉部に取り付けられた請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の真空装置。 - 前記真空槽の内部には、前記搬送対象物に含まれるガラス基板の表面に薄膜を形成する成膜装置が配置された請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の真空装置。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の真空装置が複数個連結され、各前記真空装置内部を、前記搬送対象物が大気に曝されないで移動できるように構成された真空処理装置。
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