JP2004233912A - 液晶パネル配向塗膜乾燥装置 - Google Patents
液晶パネル配向塗膜乾燥装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004233912A JP2004233912A JP2003025348A JP2003025348A JP2004233912A JP 2004233912 A JP2004233912 A JP 2004233912A JP 2003025348 A JP2003025348 A JP 2003025348A JP 2003025348 A JP2003025348 A JP 2003025348A JP 2004233912 A JP2004233912 A JP 2004233912A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid crystal
- crystal panel
- target substrate
- coating layer
- support pins
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Drying Of Solid Materials (AREA)
Abstract
【課題】液晶パネル配向塗膜の乾燥に際し、均一な鏡面状の乾燥皮膜の形成を可能とするとともに、静電気による障害を抑えて高品質の乾燥皮膜を形成することが可能な簡易な構成の液晶パネル配向塗膜乾燥装置を提供する。
【解決手段】液晶パネル配向塗膜乾燥装置は、平板状の目的基板6を収容して気密に封止が可能な気密容器1,2と、この気密容器1,2から充満気体を排出する吸引減圧機構8,9とから構成され、上記気密容器1,2には、目的基板6を平坦に支持しうる長さと間隔で起立する複数本の支持ピン3…を備えて構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】液晶パネル配向塗膜乾燥装置は、平板状の目的基板6を収容して気密に封止が可能な気密容器1,2と、この気密容器1,2から充満気体を排出する吸引減圧機構8,9とから構成され、上記気密容器1,2には、目的基板6を平坦に支持しうる長さと間隔で起立する複数本の支持ピン3…を備えて構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネル配向塗膜の乾燥に使用する液晶パネル配向塗膜乾燥装置に関し、特に、液晶パネル配向塗膜の乾燥に際し、均一な鏡面状の乾燥皮膜の形成を可能とするとともに静電気による障害を抑えて高品質の乾燥皮膜を形成することが可能な液晶パネル配向塗膜乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7に示すホットプレート方式の液晶パネル配向塗膜乾燥装置が知られている。この液晶パネル配向塗膜乾燥装置は、液晶パネル配向塗膜を乾燥させるために、吸着プレート101を介して液晶パネルの配向塗膜液面をヒータ102側に密接させるように構成することにより、液晶パネル基板103上に印刷技術により塗布された液を均一に乾燥して鏡面皮膜を形成するものである。最終製品の液晶パネルは、塗布と乾燥の工程を繰り返して各種の膜を多層に重ねることにより製造する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記液晶パネル配向塗膜乾燥装置は、ヒータ102の表面温度の均一化に限界があり、また、介在する吸着プレート101の表面の複雑な構成、すなわち、吸着プレート101に貫通する支持ピン104…のそれぞれの昇降穴105…が開口するとともに、吸着用の吸引口106…が開口していることから、吸着プレート101と密接する部分との間の熱伝達の差による乾燥速度の部分的な差によって斑が生じ、また、表面状態の差が生じることにより、均一な乾燥条件を満たすことが困難となっていた。このような原因による乾燥斑は、重ねて処理される後工程にも影響し、最終製品の視認性の品質を損なうこととなる。その他に、吸着プレート101に密着している乾燥後の液晶パネル基板103を吸着プレート101から剥がす際に静電気が発生し、基板上に形成されている電子回路が静電気障害により部分的に破損するという問題をも内包している。
【0004】
本発明の目的は、液晶パネル配向塗膜の乾燥に際し、均一な鏡面状の乾燥皮膜の形成を可能とするとともに、静電気による障害を抑えて高品質の乾燥皮膜を形成することが可能な簡易な構成の液晶パネル配向塗膜乾燥装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、平板状の目的基板を収容して気密に封止が可能な気密容器と、この気密容器からその内部の充満気体を排出する吸引減圧機構とからなる液晶パネル配向塗膜乾燥装置であって、上記気密容器には、目的基板を平坦に支持しうる長さと間隔で起立する複数本の支持ピンを備えることを特徴とする。
【0006】
上記気密容器内の目的基板は、複数本の支持ピンによって最小限度の接触面積により平坦に支持されることから、気密容器との間の熱移動が小さく抑えられて温度分布が均一化され、また、吸引減圧機構によって吸引減圧された均等圧力の雰囲気による蒸発気化作用により、目的基板の表面の塗膜液が一様に乾燥されることから、均一な乾燥皮膜が形成されるとともに、目的基板を取出す際の支持ピンとの間の最小限度の接触により、両者間に発生する静電気が小さく抑えられる。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記複数本の支持ピンは、その少なくとも1本を熱伝導率が小さい合成樹脂材により形成してなることを特徴とする。
上記支持ピンは熱伝導率が小さいので、接触する目的基板との間の熱移動が小さく抑えられることから、目的基板の部分的な温度変化が小さく、温度分布を均一に確保することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記技術思想に基づき具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
【0009】
本発明の液晶パネル配向塗膜乾燥装置の開放状態の斜視図を図1に、また、その縦断面図を図2に示す。図1および図2において、液晶パネル配向塗膜乾燥装置は、平板状の目的基板6を収容可能な大きさのベース部2と、このベース部2に対して封止可能に昇降する気密蓋部1とによって開閉可能な気密容器を構成し、そのベース部2には複数本の支持ピン3…を立設する。この複数本の支持ピン3…は、目的基板を平坦に支持しうる長さと間隔でベース部2から起立する。ベース部2には、複数の開口9a…を形成し、この開口9a…に連通する排気用の導通路9を備え、吸引減圧ポンプ(吸引減圧機構)8を接続する。
【0010】
ベース部2の外周部には、気密蓋部1を昇降支持する伸縮脚4を四隅に備え、また、気密蓋部1の下端部には、ベース部2との間で当接封止が可能なシール部7を形成し、伸縮脚4を短縮した場合において気密蓋部1によって目的基板6を収容しうる気密室を形成する。また、気密蓋部1の上部には、内部確認用の透視窓5を形成する。
【0011】
上記構成の液晶パネル配向塗膜乾燥装置は、伸縮脚4を伸ばして気密蓋部1を開いた状態で目的基板6を出し入れし、乾燥処理時は、図3の封止状態の縦断面図のように、複数本の支持ピン3…によって目的基板6を支持し、伸縮脚4を縮めることによって気密蓋部1のシール部7により気密に封止する。このようにして目的基板6を収容配置した気密室から吸引減圧ポンプ8により排気する。
【0012】
この場合、気密容器1,2内の目的基板6は、複数本の支持ピン3…によって平坦に支持されることから、気密容器1,2との間の熱移動を小さく抑えて温度分布が均一化され、また、吸引減圧ポンプ8によって吸引減圧された等圧の雰囲気による蒸発気化作用により、目的基板6の表面の塗膜液が一様に乾燥されることから、均一な乾燥皮膜を形成することができる。
【0013】
詳細に説明すると、目的基板6には、前工程において印刷方式によって塗膜液が均一に塗布され、この目的基板6は気密容器1,2内に搬送された状態で室温にあることから、均一な温度分布が保たれる。吸引減圧による内圧低下とともに、塗膜液の蒸発温度が低下することにより塗膜液中の溶媒が急速に蒸発する。この蒸発は目的基板6の全表面から均一に進行することから、蒸発熱が奪われた後もその温度分布は均一に維持される。また、真空状態の気密容器内においては、対流を含めて内部の気体の流動が抑えられることから、目的基板6は、気流による乱れを受けることなく、均一に乾燥が進行する。さらに、支持ピン3…による微小接触部によって均一性を損なうことなく目的基板6を支持しつつ乾燥することができ、最終的には、残った固形分により目的基板6の表面に均一な鏡面状の乾燥皮膜が形成される。
【0014】
したがって、従来のホットプレート方式では不可欠な吸着プレートの吸着穴その他の溝や堀込みによる部分的な接触に起因する温度分布の乱れ、加熱送風や対流等による気流の乱れを受けることにより避けられなかった乾燥皮膜形成上の問題は、上記構成の液晶パネル配向塗膜乾燥装置によって解消することができる。
【0015】
乾燥終了時の取扱いについては、導通路9等から外気を補い、気密容器の内圧を調整した上で伸縮脚4を伸ばして気密蓋部1を開き、目的基板6を支持ピン3…の上方に持ち上げることにより、乾燥後の目的基板を取出すことができる。このとき、目的基板6を支持する接触部は、複数本の支持ピン3…の僅かな面積に過ぎないことから、取出しによる静電気の発生を小さく抑えることができるので、目的基板6に形成されている電子回路に対する静電気障害を招くことなく、安全に取扱うことができる。
【0016】
上記液晶パネル配向塗膜乾燥装置の具体的な構成においては、目的基板の搬出入のために、ロボットやローラコンベア、ベルトコンベア、エアースライド式のコンベア、または人手その他の搬送方式による。気密容器の開閉構造は、扉方式または容器分割方式が適用できる。扉方式には回転式、移動式が選択でき、容器分割方式には上下分割、水平分割等が選択できる。これらの扉の開閉や容器の分割はエアーや油圧のシリンダ、アクチュエータまたは電動機による。また、目的基板の搬送方式により、図4のように、支持ピン3…の全部又はその一部を昇降ベース10に植設して昇降可能に構成する。
【0017】
目的基板の乾燥状態の目視を要する場合には、図5の縦断面図に示すように、気密容器の蓋部1にのぞき窓5を設置した上で、内部の視認性を確保するために、のぞき窓5の外方または内方に照明11,12を付設する。また、必要により、加熱用のヒータ13,14を設ける。このヒータ13,14は、内部を一定温度に昇温加熱することにより目的基板の表面塗布液の蒸発気化作用が促進され、乾燥処理を高速化することができる。
【0018】
排気用の導通路9は、乾燥による溶媒の移動状態に対応するべく、気密容器の上面、側面、底面等から開口位置を選択する。排気に際しては、突沸による目的基板6の膜面の障害を回避するために、塗布液の種類により真空度の制御を行う。
【0019】
気密容器内に設ける支持ピン3は、図6(a)に示す支持ピン3の各種の先端形状(尖頭16、丸頭17、円頭18、円周頭19、多角形頭20,21)から適用基板の大きさ、厚さ、重量、ピン配置、静電気対策、搬送方式、等に応じて適宜選択することができる。その材質は、ステンレス鋼等による全金属製のほか、合成樹脂材を使用することにより、目的基板に対する傷を抑えることができるとともに、熱伝導を小さく抑えて温度分布の均一化を確保することができるほか、乾燥後に取出す際のスパークを低減することができる。この樹脂製ピンについては、図6(b)のように、樹脂製頭部22と金属製基部23とにより構成することができる。そのほか、静電気低減のためには、必要に応じて各種の除電装置を設け、また、図6(c)のように、ピンに吸着孔24を形成することにより、目的基板を固定することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の液晶パネル配向塗膜乾燥装置は以下の効果を奏する。
上記構成の液晶パネル配向塗膜乾燥装置は、支持ピンと低圧雰囲気とによって静電障害を抑えつつ均一な乾燥皮膜を形成することができるので、簡易な構成によって高品質の乾燥皮膜を形成することができ、また、乾燥後は、目的基板を複数本の支持ピンの上方に持ち上げることにより、静電気の発生を抑えつつ、目的基板を取出すことができる。
【0021】
また、支持ピンを合成樹脂材によって形成した場合は、目的基板との間の熱移動が小さく抑えられ、目的基板の部分的な温度変化が小さく抑えられることから、簡易な構成によって均一な乾燥皮膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶パネル配向塗膜乾燥装置の立体斜視図
【図2】図1の液晶パネル配向塗膜乾燥装置の縦断側面図
【図3】図1の液晶パネル配向塗膜乾燥装置の側面視による作用説明図
【図4】支持ピンを昇降可能に構成した例を示す縦断面図
【図5】内部を目視可能に構成した例を示す縦断面図
【図6】支持ピンの先端形状例(a)、樹脂製ピンの構成例(b)、吸着孔付きの例(c)
【図7】ホットプレート方式の液晶パネル配向塗膜乾燥装置
【符号の説明】
1 気密蓋部(気密容器)
2 ベース部(気密容器)
3 支持ピン
6 目的基板
7 シール部
8 吸引減圧ポンプ(吸引減圧機構)
9 導通路(吸引減圧機構)
9a 開口
13,14 ヒータ
16 尖頭
17 丸頭
18 円頭
19 円周頭
20,21 多角形頭
22 樹脂製頭部
23 金属製基部
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネル配向塗膜の乾燥に使用する液晶パネル配向塗膜乾燥装置に関し、特に、液晶パネル配向塗膜の乾燥に際し、均一な鏡面状の乾燥皮膜の形成を可能とするとともに静電気による障害を抑えて高品質の乾燥皮膜を形成することが可能な液晶パネル配向塗膜乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7に示すホットプレート方式の液晶パネル配向塗膜乾燥装置が知られている。この液晶パネル配向塗膜乾燥装置は、液晶パネル配向塗膜を乾燥させるために、吸着プレート101を介して液晶パネルの配向塗膜液面をヒータ102側に密接させるように構成することにより、液晶パネル基板103上に印刷技術により塗布された液を均一に乾燥して鏡面皮膜を形成するものである。最終製品の液晶パネルは、塗布と乾燥の工程を繰り返して各種の膜を多層に重ねることにより製造する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記液晶パネル配向塗膜乾燥装置は、ヒータ102の表面温度の均一化に限界があり、また、介在する吸着プレート101の表面の複雑な構成、すなわち、吸着プレート101に貫通する支持ピン104…のそれぞれの昇降穴105…が開口するとともに、吸着用の吸引口106…が開口していることから、吸着プレート101と密接する部分との間の熱伝達の差による乾燥速度の部分的な差によって斑が生じ、また、表面状態の差が生じることにより、均一な乾燥条件を満たすことが困難となっていた。このような原因による乾燥斑は、重ねて処理される後工程にも影響し、最終製品の視認性の品質を損なうこととなる。その他に、吸着プレート101に密着している乾燥後の液晶パネル基板103を吸着プレート101から剥がす際に静電気が発生し、基板上に形成されている電子回路が静電気障害により部分的に破損するという問題をも内包している。
【0004】
本発明の目的は、液晶パネル配向塗膜の乾燥に際し、均一な鏡面状の乾燥皮膜の形成を可能とするとともに、静電気による障害を抑えて高品質の乾燥皮膜を形成することが可能な簡易な構成の液晶パネル配向塗膜乾燥装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、平板状の目的基板を収容して気密に封止が可能な気密容器と、この気密容器からその内部の充満気体を排出する吸引減圧機構とからなる液晶パネル配向塗膜乾燥装置であって、上記気密容器には、目的基板を平坦に支持しうる長さと間隔で起立する複数本の支持ピンを備えることを特徴とする。
【0006】
上記気密容器内の目的基板は、複数本の支持ピンによって最小限度の接触面積により平坦に支持されることから、気密容器との間の熱移動が小さく抑えられて温度分布が均一化され、また、吸引減圧機構によって吸引減圧された均等圧力の雰囲気による蒸発気化作用により、目的基板の表面の塗膜液が一様に乾燥されることから、均一な乾燥皮膜が形成されるとともに、目的基板を取出す際の支持ピンとの間の最小限度の接触により、両者間に発生する静電気が小さく抑えられる。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記複数本の支持ピンは、その少なくとも1本を熱伝導率が小さい合成樹脂材により形成してなることを特徴とする。
上記支持ピンは熱伝導率が小さいので、接触する目的基板との間の熱移動が小さく抑えられることから、目的基板の部分的な温度変化が小さく、温度分布を均一に確保することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
上記技術思想に基づき具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
【0009】
本発明の液晶パネル配向塗膜乾燥装置の開放状態の斜視図を図1に、また、その縦断面図を図2に示す。図1および図2において、液晶パネル配向塗膜乾燥装置は、平板状の目的基板6を収容可能な大きさのベース部2と、このベース部2に対して封止可能に昇降する気密蓋部1とによって開閉可能な気密容器を構成し、そのベース部2には複数本の支持ピン3…を立設する。この複数本の支持ピン3…は、目的基板を平坦に支持しうる長さと間隔でベース部2から起立する。ベース部2には、複数の開口9a…を形成し、この開口9a…に連通する排気用の導通路9を備え、吸引減圧ポンプ(吸引減圧機構)8を接続する。
【0010】
ベース部2の外周部には、気密蓋部1を昇降支持する伸縮脚4を四隅に備え、また、気密蓋部1の下端部には、ベース部2との間で当接封止が可能なシール部7を形成し、伸縮脚4を短縮した場合において気密蓋部1によって目的基板6を収容しうる気密室を形成する。また、気密蓋部1の上部には、内部確認用の透視窓5を形成する。
【0011】
上記構成の液晶パネル配向塗膜乾燥装置は、伸縮脚4を伸ばして気密蓋部1を開いた状態で目的基板6を出し入れし、乾燥処理時は、図3の封止状態の縦断面図のように、複数本の支持ピン3…によって目的基板6を支持し、伸縮脚4を縮めることによって気密蓋部1のシール部7により気密に封止する。このようにして目的基板6を収容配置した気密室から吸引減圧ポンプ8により排気する。
【0012】
この場合、気密容器1,2内の目的基板6は、複数本の支持ピン3…によって平坦に支持されることから、気密容器1,2との間の熱移動を小さく抑えて温度分布が均一化され、また、吸引減圧ポンプ8によって吸引減圧された等圧の雰囲気による蒸発気化作用により、目的基板6の表面の塗膜液が一様に乾燥されることから、均一な乾燥皮膜を形成することができる。
【0013】
詳細に説明すると、目的基板6には、前工程において印刷方式によって塗膜液が均一に塗布され、この目的基板6は気密容器1,2内に搬送された状態で室温にあることから、均一な温度分布が保たれる。吸引減圧による内圧低下とともに、塗膜液の蒸発温度が低下することにより塗膜液中の溶媒が急速に蒸発する。この蒸発は目的基板6の全表面から均一に進行することから、蒸発熱が奪われた後もその温度分布は均一に維持される。また、真空状態の気密容器内においては、対流を含めて内部の気体の流動が抑えられることから、目的基板6は、気流による乱れを受けることなく、均一に乾燥が進行する。さらに、支持ピン3…による微小接触部によって均一性を損なうことなく目的基板6を支持しつつ乾燥することができ、最終的には、残った固形分により目的基板6の表面に均一な鏡面状の乾燥皮膜が形成される。
【0014】
したがって、従来のホットプレート方式では不可欠な吸着プレートの吸着穴その他の溝や堀込みによる部分的な接触に起因する温度分布の乱れ、加熱送風や対流等による気流の乱れを受けることにより避けられなかった乾燥皮膜形成上の問題は、上記構成の液晶パネル配向塗膜乾燥装置によって解消することができる。
【0015】
乾燥終了時の取扱いについては、導通路9等から外気を補い、気密容器の内圧を調整した上で伸縮脚4を伸ばして気密蓋部1を開き、目的基板6を支持ピン3…の上方に持ち上げることにより、乾燥後の目的基板を取出すことができる。このとき、目的基板6を支持する接触部は、複数本の支持ピン3…の僅かな面積に過ぎないことから、取出しによる静電気の発生を小さく抑えることができるので、目的基板6に形成されている電子回路に対する静電気障害を招くことなく、安全に取扱うことができる。
【0016】
上記液晶パネル配向塗膜乾燥装置の具体的な構成においては、目的基板の搬出入のために、ロボットやローラコンベア、ベルトコンベア、エアースライド式のコンベア、または人手その他の搬送方式による。気密容器の開閉構造は、扉方式または容器分割方式が適用できる。扉方式には回転式、移動式が選択でき、容器分割方式には上下分割、水平分割等が選択できる。これらの扉の開閉や容器の分割はエアーや油圧のシリンダ、アクチュエータまたは電動機による。また、目的基板の搬送方式により、図4のように、支持ピン3…の全部又はその一部を昇降ベース10に植設して昇降可能に構成する。
【0017】
目的基板の乾燥状態の目視を要する場合には、図5の縦断面図に示すように、気密容器の蓋部1にのぞき窓5を設置した上で、内部の視認性を確保するために、のぞき窓5の外方または内方に照明11,12を付設する。また、必要により、加熱用のヒータ13,14を設ける。このヒータ13,14は、内部を一定温度に昇温加熱することにより目的基板の表面塗布液の蒸発気化作用が促進され、乾燥処理を高速化することができる。
【0018】
排気用の導通路9は、乾燥による溶媒の移動状態に対応するべく、気密容器の上面、側面、底面等から開口位置を選択する。排気に際しては、突沸による目的基板6の膜面の障害を回避するために、塗布液の種類により真空度の制御を行う。
【0019】
気密容器内に設ける支持ピン3は、図6(a)に示す支持ピン3の各種の先端形状(尖頭16、丸頭17、円頭18、円周頭19、多角形頭20,21)から適用基板の大きさ、厚さ、重量、ピン配置、静電気対策、搬送方式、等に応じて適宜選択することができる。その材質は、ステンレス鋼等による全金属製のほか、合成樹脂材を使用することにより、目的基板に対する傷を抑えることができるとともに、熱伝導を小さく抑えて温度分布の均一化を確保することができるほか、乾燥後に取出す際のスパークを低減することができる。この樹脂製ピンについては、図6(b)のように、樹脂製頭部22と金属製基部23とにより構成することができる。そのほか、静電気低減のためには、必要に応じて各種の除電装置を設け、また、図6(c)のように、ピンに吸着孔24を形成することにより、目的基板を固定することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の液晶パネル配向塗膜乾燥装置は以下の効果を奏する。
上記構成の液晶パネル配向塗膜乾燥装置は、支持ピンと低圧雰囲気とによって静電障害を抑えつつ均一な乾燥皮膜を形成することができるので、簡易な構成によって高品質の乾燥皮膜を形成することができ、また、乾燥後は、目的基板を複数本の支持ピンの上方に持ち上げることにより、静電気の発生を抑えつつ、目的基板を取出すことができる。
【0021】
また、支持ピンを合成樹脂材によって形成した場合は、目的基板との間の熱移動が小さく抑えられ、目的基板の部分的な温度変化が小さく抑えられることから、簡易な構成によって均一な乾燥皮膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶パネル配向塗膜乾燥装置の立体斜視図
【図2】図1の液晶パネル配向塗膜乾燥装置の縦断側面図
【図3】図1の液晶パネル配向塗膜乾燥装置の側面視による作用説明図
【図4】支持ピンを昇降可能に構成した例を示す縦断面図
【図5】内部を目視可能に構成した例を示す縦断面図
【図6】支持ピンの先端形状例(a)、樹脂製ピンの構成例(b)、吸着孔付きの例(c)
【図7】ホットプレート方式の液晶パネル配向塗膜乾燥装置
【符号の説明】
1 気密蓋部(気密容器)
2 ベース部(気密容器)
3 支持ピン
6 目的基板
7 シール部
8 吸引減圧ポンプ(吸引減圧機構)
9 導通路(吸引減圧機構)
9a 開口
13,14 ヒータ
16 尖頭
17 丸頭
18 円頭
19 円周頭
20,21 多角形頭
22 樹脂製頭部
23 金属製基部
Claims (2)
- 平板状の目的基板を収容して気密に封止が可能な気密容器と、この気密容器からその内部の充満気体を排出する吸引減圧機構とからなる液晶パネル配向塗膜乾燥装置であって、
上記気密容器には、目的基板を平坦に支持しうる長さと間隔で起立する複数本の支持ピンを備えることを特徴とする液晶パネル配向塗膜乾燥装置。 - 前記複数本の支持ピンは、その少なくとも1本を熱伝導率が小さい合成樹脂材により形成してなることを特徴とする請求項1記載の液晶パネル配向塗膜乾燥装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003025348A JP2004233912A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 液晶パネル配向塗膜乾燥装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003025348A JP2004233912A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 液晶パネル配向塗膜乾燥装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004233912A true JP2004233912A (ja) | 2004-08-19 |
Family
ID=32953654
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003025348A Pending JP2004233912A (ja) | 2003-02-03 | 2003-02-03 | 液晶パネル配向塗膜乾燥装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004233912A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006080569A1 (ja) | 2005-01-28 | 2006-08-03 | Scalar Corporation | ユニバーサルジョイントおよび画像表示装置 |
JP2006346647A (ja) * | 2005-06-20 | 2006-12-28 | Seiko Epson Corp | 機能液滴塗布装置及び表示装置及び電子機器 |
JP2009278749A (ja) * | 2008-05-14 | 2009-11-26 | Panasonic Corp | モールドモータ |
JP2011173363A (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-08 | Hitachi Displays Ltd | 薄膜基板、表示装置、加熱装置、薄膜基板加熱方法及び表示装置製造方法 |
CN103278966A (zh) * | 2013-04-22 | 2013-09-04 | 合肥京东方光电科技有限公司 | 一种取向膜预固化设备 |
WO2014107921A1 (zh) * | 2013-01-09 | 2014-07-17 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 聚酰亚胺溶液涂布方法及装置 |
WO2017204131A1 (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | シャープ株式会社 | 液晶表示装置の製造方法 |
-
2003
- 2003-02-03 JP JP2003025348A patent/JP2004233912A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006080569A1 (ja) | 2005-01-28 | 2006-08-03 | Scalar Corporation | ユニバーサルジョイントおよび画像表示装置 |
JP2006346647A (ja) * | 2005-06-20 | 2006-12-28 | Seiko Epson Corp | 機能液滴塗布装置及び表示装置及び電子機器 |
JP2009278749A (ja) * | 2008-05-14 | 2009-11-26 | Panasonic Corp | モールドモータ |
JP2011173363A (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-08 | Hitachi Displays Ltd | 薄膜基板、表示装置、加熱装置、薄膜基板加熱方法及び表示装置製造方法 |
WO2014107921A1 (zh) * | 2013-01-09 | 2014-07-17 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 聚酰亚胺溶液涂布方法及装置 |
CN103278966A (zh) * | 2013-04-22 | 2013-09-04 | 合肥京东方光电科技有限公司 | 一种取向膜预固化设备 |
WO2014173089A1 (zh) * | 2013-04-22 | 2014-10-30 | 合肥京东方光电科技有限公司 | 取向膜预固化设备 |
US20150323249A1 (en) * | 2013-04-22 | 2015-11-12 | Hefei Boe Optoelectronics Technology Co., Ltd. | Pre-curing equipment for alignment layer |
WO2017204131A1 (ja) * | 2016-05-27 | 2017-11-30 | シャープ株式会社 | 液晶表示装置の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9870914B2 (en) | Substrate processing apparatus and substrate processing method | |
TWI412407B (zh) | 減壓乾燥裝置 | |
CN106971960A (zh) | 用于处理基板的装置和方法 | |
KR20190100359A (ko) | 기판 처리 장치 | |
JP2004233912A (ja) | 液晶パネル配向塗膜乾燥装置 | |
TWI642888B (zh) | Vacuum drying device, vacuum drying system, and vacuum drying method | |
KR102267964B1 (ko) | 12각형 이송 챔버 및 이를 갖는 프로세싱 시스템 | |
KR20220076370A (ko) | 감압 건조 장치 | |
TW200913115A (en) | Transfer chamber with vacuum extension for shutter disks | |
JP2006302980A (ja) | 減圧乾燥装置 | |
JP2008004580A (ja) | 基板処理装置 | |
TWI613410B (zh) | 減壓乾燥裝置及減壓乾燥方法 | |
JP4471487B2 (ja) | 真空処理装置、真空処理方法 | |
TW201734394A (zh) | 減壓乾燥方法及減壓乾燥裝置 | |
JP2001267236A (ja) | 処理装置および処理方法 | |
JP4153686B2 (ja) | 成膜液乾燥装置 | |
JP2006324559A (ja) | 基板乾燥装置および基板乾燥方法 | |
JP2016205717A (ja) | 加熱乾燥装置 | |
JP2009061381A (ja) | 減圧処理装置および減圧処理方法 | |
JP2010010259A (ja) | 真空処理装置 | |
KR20090053724A (ko) | 기판 처리 장치 | |
JP2008235800A (ja) | ロードロック装置および基板の処理システム | |
JP2011086807A (ja) | 減圧乾燥装置 | |
JP2003347393A (ja) | 基板保持装置、及びその基板保持装置を用いた真空処理装置 | |
JP2011177672A (ja) | 塗工膜の乾燥装置及び塗工膜の乾燥方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040910 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20061012 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20061017 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070227 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |