JP2009278749A - モールドモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】射出圧や樹脂流動圧が高くても、基板のダメージがなく、成形収縮などによる応力集中が緩和され、脱型時の引張力にも耐えて、樹脂と基板の界面剥離が生じない高品質化、小型化、薄型化、軽量化したモールドモータの提供を目的としている。
【解決手段】モールド成形時にプリント基板14を押える基板浮き防止ピン7の先端部7aを曲面とし、成形後にできた基板浮き防止ピン穴8において、プリント基板14の点接触部から熱硬化性樹脂12の肉厚を曲率をもって連続的に漸増させて、内部応力の低減、応力集中の緩和、熱硬化性樹脂12とプリント基板14との界面剥離の発生を抑制し、高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現したモールドモータを提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に電気機器に搭載される、基板を内蔵し、樹脂で一体的にモールド成形されたモールドモータに関するものである。
近年、換気装置等の電気機器に搭載するモータにおいては、高品質化を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現したモータが求められている。
従来、この種の送風装置は、特許文献1に開示された構成のものが知られている。
以下、そのモータについて図5を参照しながら説明する。
図に示すように、ステータ部107をモータ内径部金型に差し込み、次に基板103を点接触で押さえる先端が円錐状120の先細りした基板押さえ金型ピン108を有するモータ外周部金型を組合せ固定し、モールド樹脂105を金型内に封入するとともに、モールド樹脂105が固化する前に基板押さえ金型ピン108を所定距離後退させたモールドモータの構成としている。
特開2002−218720号公報
このような従来のモータによれば、先端が円錐状の先細りした基板押さえ金型ピンにて基板を押さえることから、射出成形時において、基板の板厚ばらつきや、金型へのセット位置ばらつきを含め、射出圧もしくは樹脂の流動圧が高い場合には、金型ピンが基板を貫通する穴を開けてしまう可能性があるという課題があり、射出成形において、基板の板厚ばらつきや、金型へのセット位置ばらつきがあっても、射出圧や樹脂の流動圧が高くても、金型ピンが基板を貫通する穴を開けることのない高品質を確保したモールドモータが要求されている。
また、樹脂の成形収縮率が大きい場合や、樹脂に含有される金属石鹸よりなる離型剤の含有量が多い場合など、基板押さえ金型ピンの基板への点接触部から円錐状の形状に沿った部分において、樹脂の成形固化時の成形収縮による応力集中や、基板と樹脂の線膨張係数の差異による応力集中や、金型からの脱型時に働く樹脂の金型への引張りによる樹脂と基板の引張力によって、樹脂と基板の界面剥離が生じ、モータ外郭と基板の充電部との沿面距離が確保できなくなるなどの課題があり、成形収縮などによる応力集中が緩和され、脱型時の引張力にも耐えて、樹脂と基板の界面剥離が生じない高品質を確保したモールドモータが要求されている。
また、基板押さえ金型ピン部においては、樹脂が基板押さえ金型ピンを回り込んで流動するため、空気の巻き込みがあるので、ウェルドの結合強度が低下することとなり、離型剤の作用との相乗効果によって、樹脂と基板の界面剥離がより生じ易くなるため、モータ外郭と基板の充電部との沿面距離が確保できなくなるなどの課題があり、基板押さえ金型ピン部のウェルドの結合強度が強く、樹脂と基板の界面剥離が生じない高品質を確保したモールドモータが要求されている。
本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、電機子巻線とプリント基板とを樹脂により一体的にモールド成形した固定子と、この固定子に対向して回転自在に配置された回転子からなるモールドモータであって、前記固定子のモールド成形時に、モールド成形用金型に設けられた基板浮き防止ピンの先端部を曲面とし、この曲面部を前記プリント基板に点接触させて成形し、この点接触部から前記樹脂の肉厚は曲率をもって漸増したことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、基板浮き防止ピンの先端は曲面であることから、プリント基板を貫通させるために必要な力は大きくなるので、モールド成形時の射出圧や樹脂の流動圧が高くても、プリント基板を貫通することはなく、プリント基板の点接触部から樹脂の肉厚は曲率をもって漸増するため、内部応力が低減するとともに、応力集中が緩和され、応力集中による樹脂とプリント基板との界面剥離の発生を抑制するとともに、微小領域の樹脂とプリント基板との界面剥離を考慮して、プリント基板充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板サイズを大きくしたり、樹脂の肉厚を厚くする必要がなくなることから、高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、基板浮き防止ピンは先端形状を球アール状としたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、基板浮き防止ピンの先端は球アール状であることから、プリント基板を貫通させるために必要な力は大きくなるので、モールド成形時の射出圧や樹脂の流動圧が高くても、プリント基板を貫通することはなく、プリント基板の点接触部から樹脂は一定の曲率をもって漸増するため、内部応力が低減するとともに、応力集中が緩和され、応力集中による樹脂とプリント基板との界面剥離の発生を抑制するとともに、微小領域の樹脂とプリント基板との界面剥離を考慮して、プリント基板充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板サイズを大きくしたり、樹脂の肉厚を厚くする必要がなくなることから、高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、プリント基板には基板浮き防止ピンが押える位置に小孔を設け、固定子のモールド成形時に、前記小孔の外径と前記基板浮き防止ピンの曲面を線接触させて成形し、前記小孔には前記基板浮き防止ピンの反対側から前記樹脂を流入させたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、プリント基板に設けた小孔において、反基板浮き防止ピン側から樹脂が小孔に流入し、樹脂の流動圧によって、基板浮き防止ピン側からもわずかに樹脂が小孔に向けて流入して樹脂の薄い膜が形成されることから、プリント基板の表裏を樹脂が一体的に挟み込むため、樹脂とプリント基板の界面剥離は一段と生じなくなるので、プリント基板充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板サイズを大きくしたり、樹脂の肉厚を厚くする必要がなくなることから、さらなる高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、樹脂に含有する金属石鹸よりなる離型剤の割合を1.5重量パーセント以下としたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、基板浮き防止ピンを回り込んで結合する樹脂のウェルド強度が向上するだけでなく、樹脂とプリント基板との結合強度も向上することから、樹脂とプリント基板の界面剥離は一段と生じなくなるので、プリント基板充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板サイズを大きくしたり、樹脂の肉厚を厚くする必要がなくなることから、より一層の高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、樹脂の成形収縮率は0.06パーセント以下としたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、樹脂において、肉厚変化部であっても、成形収縮時の収縮応力が小さくなることから、内部応力による樹脂とプリント基板との界面剥離の発生を抑制するとともに、微小領域の界面剥離を考慮して、プリント基板充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板サイズを大きくしたり、樹脂の肉厚を厚くする必要がなくなることから、より一層の高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、固定子の外被の基板浮き防止ピン近傍には、モールド成形用金型の樹脂を射出するゲートから遠い位置に、成形時に発生するガスなどを逃がすガス逃がし部を設けたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、樹脂が基板浮き防止ピンを回り込んで流動する時に巻き込んだ空気や、樹脂に含有されるガス化成分をガス逃がし部から外部へ押し出すことができるため、基板浮き防止ピンを回り込んで結合する樹脂のウェルド強度が向上するだけでなく、樹脂とプリント基板との間に空気やガスの介在もなくなることから、樹脂とプリント基板の界面剥離は一段と生じなくなるので、プリント基板充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板サイズを大きくしたり、樹脂の肉厚を厚くする必要がなくなることから、より一層の高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現できるモールドモータが得られる。
本発明によれば、基板浮き防止ピンの先端が曲面であることから、プリント基板を貫通させるためには、一段と大きな力が必要となるので、モールド成形時の射出圧や樹脂の流動圧が高くても、プリント基板を貫通することはなく、プリント基板の点接触部から樹脂の肉厚は曲率をもって漸増するため、内部応力が低減するとともに、応力集中が緩和され、応力集中による樹脂とプリント基板との界面剥離の発生を抑制するとともに、微小領域の樹脂とプリント基板との界面剥離を考慮して、プリント基板充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板サイズを大きくしたり、樹脂の肉厚を厚くする必要がなくなることから、高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、基板浮き防止ピンの先端は球アール状であることから、プリント基板を貫通させるためには、さらに大きな力が必要となるので、モールド成形時の射出圧や樹脂の流動圧が高くても、プリント基板を貫通することはなく、プリント基板の点接触部から樹脂は一定の曲率をもって漸増するため、内部応力が低減するとともに、応力集中が緩和され、応力集中による樹脂とプリント基板との界面剥離の発生を抑制するとともに、微小領域の樹脂とプリント基板との界面剥離を考慮して、プリント基板充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板サイズを大きくしたり、樹脂の肉厚を厚くする必要がなくなることから、高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、プリント基板に設けた小孔において、反基板浮き防止ピン側から樹脂が小孔に流入し、樹脂の流動圧によって、基板浮き防止ピン側からもわずかに樹脂が小孔に向けて流入して樹脂の薄い膜が形成されることから、プリント基板の表裏を樹脂が一体的に挟み込むため、樹脂とプリント基板の界面剥離は一段と生じなくなるので、プリント基板充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板サイズを大きくしたり、樹脂の肉厚を厚くする必要がなくなることから、さらなる高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、樹脂に含有する金属石鹸よりなる離型剤の割合を1.5重量パーセント以下としたことにより、基板浮き防止ピンを回り込んで結合する樹脂のウェルド強度が向上するだけでなく、樹脂とプリント基板との結合強度も向上することから、樹脂とプリント基板の界面剥離は一段と生じなくなるので、プリント基板充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板サイズを大きくしたり、樹脂の肉厚を厚くする必要がなくなることから、より一層の高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、樹脂の成形収縮率を0.06パーセント以下としたことにより、樹脂において、肉厚変化部であっても、成形収縮時の収縮応力が小さくなることから、内部応力による樹脂とプリント基板との界面剥離の発生を抑制するとともに、微小領域の界面剥離を考慮して、プリント基板充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板サイズを大きくしたり、樹脂の肉厚を厚くする必要がなくなることから、より一層の高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、固定子の外被の基板浮き防止ピン近傍のゲートから遠い位置に設けたガス逃がし部から、樹脂が基板浮き防止ピンを回り込んで流動する時に巻き込んだ空気や、樹脂に含有されるガス化成分を外部へ押し出すことができるため、基板浮き防止ピンを回り込んで結合する樹脂のウェルド強度が向上するだけでなく、樹脂とプリント基板との間に空気やガスの介在もなくなることから、樹脂とプリント基板の界面剥離は一段と生じなくなるので、プリント基板充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板サイズを大きくしたり、樹脂の肉厚を厚くする必要がなくなることから、より一層の高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現したモールドモータを提供できる。
本発明の請求項1記載の発明は、電機子巻線とプリント基板とを樹脂により一体的にモールド成形した固定子と、この固定子に対向して回転自在に配置された回転子からなるモールドモータであって、前記固定子のモールド成形時に、モールド成形用金型に設けられた基板浮き防止ピンの先端部を曲面とし、この曲面部を前記プリント基板に点接触させて成形し、この点接触部から前記樹脂の肉厚は曲率をもって漸増したことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、基板浮き防止ピンの先端は曲面であることから、プリント基板を貫通させるために必要な力は大きくなり、プリント基板の点接触部から樹脂の肉厚は曲率をもって漸増することで、内部応力が低減するとともに、応力集中が緩和され、応力集中による樹脂とプリント基板の界面剥離の発生を抑制するという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、基板浮き防止ピンは先端形状を球アール状としたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、基板浮き防止ピンの先端は球アール状であることから、プリント基板を貫通させるために必要な力は大きくなり、プリント基板の点接触部から樹脂は一定の曲率をもって漸増することで、内部応力が低減するとともに、応力集中が緩和され、応力集中による樹脂とプリント基板の界面剥離の発生を抑制するという作用を有する。
請求項3に記載の発明は、プリント基板には基板浮き防止ピンが押える位置に小孔を設け、固定子のモールド成形時に、前記小孔の外径と前記基板浮き防止ピンの曲面を線接触させて成形し、前記小孔には前記基板浮き防止ピンの反対側から前記樹脂を流入させたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、プリント基板に設けた小孔において、反基板浮き防止ピン側から樹脂が小孔に流入し、樹脂の流動圧によって、基板浮き防止ピン側からもわずかに樹脂が小孔に向けて流入して樹脂の薄い膜が形成されることから、プリント基板の表裏を樹脂が一体的に挟み込むため、樹脂とプリント基板の界面剥離は一段と生じなくなるという作用を有する。
請求項4に記載の発明は、樹脂に含有する金属石鹸よりなる離型剤の割合を1.5重量パーセント以下としたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、基板浮き防止ピンを回り込んで結合する樹脂のウェルド強度が向上するだけでなく、樹脂とプリント基板との結合強度も向上することから、樹脂とプリント基板の界面剥離は一段と生じなくなるという作用を有する。
請求項5に記載の発明は、樹脂の成形収縮率は0.06パーセント以下としたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、樹脂において、肉厚変化部であっても、成形収縮時の収縮応力が小さくなることから、内部応力による樹脂とプリント基板との界面剥離の発生を抑制するという作用を有する。
請求項6に記載の発明は、固定子の外被の基板浮き防止ピン近傍には、モールド成形用金型の樹脂を射出するゲートから遠い位置に、成形時に発生するガスなどを逃がすガス逃がし部を設けたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、樹脂が基板浮き防止ピンを回り込んで流動する時に巻き込んだ空気や、樹脂に含有されるガス化成分をガス逃がし部から外部へ押し出すことができるため、基板浮き防止ピンを回り込んで結合する樹脂のウェルド強度が向上するだけでなく、樹脂とプリント基板との間に空気やガスの介在もなくなることから、樹脂とプリント基板の界面剥離は一段と生じなくなるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1および図2に示すように、1はモールドモータで、複数のスロットを有する珪素鋼板などの薄板鋼板を積層した固定子鉄心10に絶縁材にて形成されたインシュレータ6を介して駆動コイル2を巻装している。11はブラケットで軸受け16を保持している。3はプラスチックマグネットを射出成形時に極配向させてシャフト9と一体成形して形成した磁石回転子であり、固定子鉄心10内周側に回転自在に配置されている。4は磁石回転子3の磁極位置を検知するホール素子で、15はホール素子4の出力信号に基づいて駆動コイル2への通電を制御するスイッチング素子を内蔵する駆動ICである。14はホール素子4、駆動IC15、その他電子部品を実装したプリント基板で、モールドモータ1に内蔵されている。固定子鉄心10、インシュレータ6、駆動コイル2、プリント基板14は水酸化アルミニウムや炭酸カルシウムなどの充填材と、補強材としてガラス繊維と、成形収縮率を制御するポリスチレンなどの低収縮剤と、成形後の脱型性を制御するステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸よりなる離型剤を含有する不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂12にて一体的にモールド成形されて外被12aを形成して、固定子5を構成している。17は外被12aをモールド成形する際に熱硬化性樹脂12を射出注入するゲートで、8は基板浮き防止ピン穴で、先端は球アール部8aになっている。基板浮き防止ピン穴8はモールド成形時にモールド成形用金型18に設けられたプリント基板14が動かないように押える先端部7aが球アール状である基板浮き防止ピン7により形成される。13はガス逃がし部で、基板浮き防止ピン7を回りこんで生じるウェルド部に設けている。そして、熱硬化性樹脂12の成形収縮率は0.06パーセントとし、含有する離型剤の割合は1.5重量パーセントとしている。
このような本発明のモールドモータ1によれば、基板浮き防止ピン7の先端部7aは曲面であることから、プリント基板14を貫通させるために必要な力は大きくなるので、モールド成形時の射出圧や樹脂の流動圧が高くても、プリント基板14を貫通することはなく、射出成形において、プリント基板14の板厚ばらつきや、金型へのセット位置ばらつきがあっても、射出圧や樹脂の流動圧が高くても、基板浮き防止ピン7が基板を貫通する穴を開けることのない高品質を確保したモールドモータ1が実現できる。
また、基板浮き防止ピン穴8において、プリント基板14の点接触部から熱硬化性樹脂12の肉厚は曲率をもって連続的に漸増するため、内部応力が低減するとともに、応力集中が緩和され、応力集中による熱硬化性樹脂12とプリント基板14との界面剥離の発生を抑制するとともに、微小領域の熱硬化性樹脂12とプリント基板14との界面剥離を考慮して、プリント基板14の充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板14のサイズを大きくしたり、熱硬化性樹脂12の肉厚を厚くする必要がなくなることから、高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現できる。
また、熱硬化性樹脂12に含有される離型剤の割合を1.5重量パーセントとすることにより、基板浮き防止ピン7を回り込んで結合する熱硬化性樹脂12のウェルド強度が向上するだけでなく、熱硬化性樹脂12とプリント基板14との結合強度も向上することから、熱硬化性樹脂12とプリント基板14の界面剥離は一段と生じなくなるので、プリント基板14の充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板14のサイズを大きくしたり、熱硬化性樹脂12の肉厚を厚くする必要がなくなることから、より一層の高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現できる。
また、熱硬化性樹脂12の成形収縮率を0.06パーセントとすることにより、熱硬化性樹脂12において、肉厚変化部であっても、成形収縮時の収縮応力が小さくなることから、内部応力による熱硬化性樹脂12とプリント基板14との界面剥離の発生を抑制するとともに、微小領域の界面剥離を考慮して、プリント基板14の充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板14のサイズを大きくしたり、熱硬化性樹脂12の肉厚を厚くする必要がなくなることから、より一層の高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現できる。
また、基板浮き防止ピン7の近傍には、モールド成形用金型18の熱硬化性樹脂12を射出するゲート17から遠い位置に、成形時に発生するガスなどを逃がすガス逃がし部13を設けたことにより、熱硬化性樹脂12が基板浮き防止ピン7を回り込んで流動する時に巻き込んだ空気や、熱硬化性樹脂12に含有されるガス化成分をガス逃がし部13から外部へ押し出すことができるため、基板浮き防止ピン7を回り込んで結合する熱硬化性樹脂12のウェルド強度が向上するだけでなく、熱硬化性樹脂12とプリント基板14との間に空気やガスの介在もなくなることから、熱硬化性樹脂12とプリント基板14の界面剥離は一段と生じなくなるので、プリント基板14の充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板14のサイズを大きくしたり、熱硬化性樹脂12の肉厚を厚くする必要がなくなることから、より一層の高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現できる。
なお、本実施の形態1では基板浮き防止ピン7の先端部7aを球アール状としたが、基板浮き防止ピン穴8部における熱硬化性樹脂12の肉厚が連続的に変化する曲面であれば良く、その作用効果に差異を生じない。
また、熱硬化性樹脂12に含有される離型剤の割合を1.5重量パーセントとしたが、1.0〜1.5重量パーセントの範囲であれば良く、脱型性も含めて、その作用効果に差異を生じない。
また、熱硬化性樹脂12の成形収縮率を0.06パーセントとしたが、−0.10〜0.06パーセントの範囲であれば良く、その作用効果に差異を生じない。
また、プリント基板14にはホール素子4、駆動IC15などの電子部品を実装する構成としたが、電子部品を実装せず、単に配線のみのプリント基板としても良く、その作用効果に差異を生じない。
また、回転子に磁石を使用したブラシレスDCモータの構成としたが、磁石を使用しない、リラクタンスモータや、誘導電動機の構成としても良く、その作用効果に差異を生じない。
また、複数のスロットを有する珪素鋼板などの薄板鋼板を積層した固定子鉄心10の構成としたが、電磁鉄粉による固定子鉄心や、コアレスの構成としても良く、その作用効果に差異を生じない。
また、樹脂は熱硬化性樹脂12としたが、熱可塑性樹脂としても良く、その作用効果に差異を生じない。
(実施の形態2)
図3および図4に示すように、19はプリント基板であり、基板浮き防止ピン7が押える位置に小孔20を設けており、実施の形態1と同一部分には同一番号を付して詳細な説明は省略する。固定子5のモールド成形時には、小孔20の外径と基板浮き防止ピン7の曲面を線接触させて成形し、小孔20には基板浮き防止ピン7の反対側から熱硬化性樹脂12を流入させ、熱硬化性樹脂12の流動圧によって、基板浮き防止ピン7側からもわずかに熱硬化性樹脂12を小孔20に向けて流入して熱硬化性樹脂12の薄膜21が形成している。その他のモールドモータ1を構成する駆動コイル2、磁石回転子3などの構成は実施の形態1と同じである。
このような本発明のモールドモータ1によれば、プリント基板19に設けた小孔20において、プリント基板19の表裏を熱硬化性樹脂12がの薄膜21にて一体的に挟み込むため、熱硬化性樹脂12とプリント基板19の界面剥離は一段と生じなくなるので、プリント基板19の充電部からの沿面距離を十分に確保するために、プリント基板19のサイズを大きくしたり、熱硬化性樹脂12の肉厚を厚くする必要がなくなることから、さらなる高品質を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現できるモールドモータ1が得られる。
また、実施の形態1に示した構成と同様の構成における作用効果に差異は生じない。
以上のように、本発明にかかるモールドモータは、長期に高品質化を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現することが要求される電気機器である換気装置、給湯機、エアコンなどの空気調和機、空気清浄機、除湿機、乾燥機、ファンフィルタユニットなどへの搭載が有用である。
本発明の実施の形態1におけるモールドモータを示す断面図 同モールドモータのモールド成形時の状態を示す断面図 本発明の実施の形態2におけるモールドモータを示す断面図 同モールドモータのモールド成形時の状態を示す断面図 従来のモールドモータを示す断面図
符号の説明
1 モールドモータ
2 駆動コイル
3 磁石回転子
4 ホール素子
5 固定子
6 インシュレータ
7 基板浮き防止ピン
7a 先端部
8 基板浮き防止ピン穴
8a 球アール部
9 シャフト
10 固定子鉄心
11 ブラケット
12 熱硬化性樹脂
12a 外被
13 ガス逃がし部
14 プリント基板
15 駆動IC
16 軸受け
17 ゲート
18 モールド成形用金型
19 プリント基板
20 小孔
21 薄膜

Claims (6)

  1. 電機子巻線とプリント基板とを樹脂により一体的にモールド成形した固定子と、この固定子に対向して回転自在に配置された回転子からなるモールドモータであって、前記固定子のモールド成形時に、モールド成形用金型に設けられた基板浮き防止ピンの先端部を曲面とし、この曲面部を前記プリント基板に点接触させて成形し、この点接触部から前記樹脂の肉厚は曲率をもって漸増したことを特徴とするモールドモータ。
  2. 前記基板浮き防止ピンは先端形状を球アール状としたことを特徴とする請求項1記載のモールドモータ。
  3. 前記プリント基板には前記基板浮き防止ピンが押える位置に小孔を設け、前記固定子のモールド成形時に、前記固定子のモールド成形時に、前記小孔の外径と前記基板浮き防止ピンの曲面を線接触させて成形し、前記小孔には前記基板浮き防止ピンの反対側から前記樹脂を流入させたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のモールドモータ。
  4. 前記樹脂に含有する金属石鹸よりなる離型剤の割合を1.5重量パーセント以下としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモールドモータ。
  5. 前記樹脂の成形収縮率は0.06パーセント以下としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のモールドモータ。
  6. 前記固定子の外被の前記基板浮き防止ピン近傍には、前記モールド成形用金型の前記樹脂を射出するゲートから遠い位置に、成形時に発生するガスなどを逃がすガス逃がし部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のモールドモータ。
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