JP5206323B2 - モールドモータ - Google Patents

モールドモータ Download PDF

Info

Publication number
JP5206323B2
JP5206323B2 JP2008280926A JP2008280926A JP5206323B2 JP 5206323 B2 JP5206323 B2 JP 5206323B2 JP 2008280926 A JP2008280926 A JP 2008280926A JP 2008280926 A JP2008280926 A JP 2008280926A JP 5206323 B2 JP5206323 B2 JP 5206323B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded motor
resin
filler
molded
motor according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008280926A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010110154A (ja
Inventor
昌亨 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2008280926A priority Critical patent/JP5206323B2/ja
Publication of JP2010110154A publication Critical patent/JP2010110154A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5206323B2 publication Critical patent/JP5206323B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Motor Or Generator Frames (AREA)

Description

本発明は、主に電気機器に搭載される、基板を内蔵し、樹脂で一体的にモールド成形されたモールドモータに関するものである。
近年、換気装置等の電気機器に搭載するモータにおいては、高品質化を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現したモータが求められている。
従来、この種のモールドモータは、特許文献1に開示された構成のものが知られている。
以下、そのモータについて図4を参照しながら説明する。
図に示すように、プリント基板111にコネクタピン用の複数のスルーホール112のホール間に縦長のスリット114を設け、モールドの際にスリット114間にモールド樹脂を流し込むことでスルーホール間の絶縁を確保するとともに、それらの沿面距離を確保させたモールドモータの構成としている。
特開2007−287900号公報
このような従来のモータによれば、縦長のスリットに流し込まれた樹脂はスリットの長手方向に流動することから、その方向に沿って含有するガラス繊維が配向するため、樹脂の成形収縮率が大きい場合や、樹脂に含有される金属石鹸よりなる離型剤の含有量が多い場合など、樹脂の成形固化時の成形収縮による応力集中や、基板と樹脂の線膨張係数の差異による応力集中や、金型からの脱型時に働く樹脂の金型への引張りによる樹脂と基板の引張力によって、基板の板厚方向に並ぶガラス繊維が少ないので、樹脂と基板の界面剥離が生じることとなり、モータが高温高湿空間にて使用された場合、スルーホール間でトラッキングを起こす可能性が生じるという課題があり、成形収縮などによる応力集中や、脱型時の引張力にも耐えて、樹脂と基板の界面剥離が生じない高品質を確保したモールドモータが要求されている。
本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、電機子巻線とプリント基板とを繊維状の補強材と充填材を含有した樹脂により一体的にモールド成形して外被を形成した固定子と、この固定子に対向して回転自在に配置された回転子と、複数のコネクタ端子ピンを外部に導出したモールドモータであって、前記プリント基板には前記コネクタ端子ピンをはんだ付けするための複数のランドが設けられるとともに、この各ランドの間に丸穴を開口し、この丸穴には前記樹脂を充填し、前記繊維状の補強材は前記プリント基板の板厚方向に配向させたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、丸穴に充填された樹脂内のガラス繊維は、ほとんどが基板の板厚方向に配向するので、成形収縮などによる応力集中や、脱型時の引張力にも耐えて、樹脂と基板の界面剥離が生じなくなることから、モータが高温高湿空間にて使用されても、トラッキングを起こさない高品質確保を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、ランドとランドの間に開口する丸穴は複数としたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、ガラス繊維が基板の板厚方向に配向し、基板の表裏を繋ぐところが複数できることから、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力が上がるので、一層の高品質確保を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、複数の丸穴はランドの長手方向に略平行に並べたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、ガラス繊維が基板の板厚方向に配向し、基板の表裏を繋ぐところがランドの長手方向に複数できることから、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、より一層、高品質確保を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、補強材は2種類以上の長さの繊維としたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、丸穴の位置が流動末端に位置しても、短いガラス繊維の流動性は高いため、ガラス繊維が基板の板厚方向に配向する量が確実に増加することから、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、より一層、高品質確保を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、ワラストナイトなどの針状の結晶体を含有したことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、丸穴の位置が流動末端に位置しても、針状のワラストナイトの流動性は高いため、針状体が基板の板厚方向に配向する量が確実に増加することから、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、より一層、高品質確保を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、固定子はスクリュー式の射出成形機により一体的にモールド成形される構造であって、補強材は射出成形機の計量時の背圧によって折損させたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、丸穴の位置が流動末端に位置しても、折損した短いガラス繊維の流動性は高いため、ガラス繊維が基板の板厚方向に配向する量が確実に増加することから、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、より一層、高品質確保を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、充填材は水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムからなり、水酸化アルミニウムの重量パーセントを炭酸カルシウムの重量パーセントよりも高くしたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、吸樹脂量の多い水酸化アルミニウムの量が、吸樹脂量の少ない炭酸カルシウムの量よりも多いことから、樹脂としての流動性は低下するため、樹脂の流動が早く、形状変化部など流動方向が変化する時に発生する空気の巻込みが抑制されるので、丸穴部にボイドの発生が抑制され、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、より一層、高品質確保を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、充填材は3種類以上の粒度分布となる充填材としたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、粒径の粗い充填材は流動性が早く、粒径の細かい充填材は流動性が遅くなるため、早く充填する必要がある部位と、丸穴部などゆっくり充填する必要がある部位に対する充填速度の調整ができることから、充填速度が遅いことによる未充填や、充填速度が速いことによるボイド発生が抑制されるので、丸穴部近傍にボイドの発生が抑制され、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、より一層、高品質確保を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、充填材の粒径の細かな粒度分布となる充填材は水酸化アルミニウムとしたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、丸穴部近傍の充填速度が一段と遅くなることから、空気の巻込みが抑制されるとともに、成形固化時の収縮も小さくなるので、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力が一段と上がるので、より一層、高品質確保を実現できるモールドモータが得られる。
また、本発明のモールドモータは上記目的を達成するために、外被の丸穴部近傍には、成形時に発生するガスなどを逃がすガス逃がし部を設けたことを特徴とするモールドモータの構成としたものである。
この手段により、樹脂に含有されるガス化成分を外部へ押し出すことができるため、丸穴部近傍の充填速度と圧力が下がることから、空気の巻込みが抑制されるとともに、成形固化時の収縮も小さくなるので、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力が一段と上がるので、より一層、高品質確保を実現できるモールドモータが得られる。
本発明によれば、丸穴に充填された樹脂内のガラス繊維は、穴が丸穴であることから、ほとんどが基板の板厚方向に配向するので、成形収縮などによる応力集中や、脱型時の引張力にも耐えて、樹脂と基板の界面剥離が生じなくなるため、モータが高温高湿空間にて使用されても、トラッキングを起こさない高品質確保を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、ランドとランドの間に丸穴が複数開口することから、ガラス繊維が基板の板厚方向に配向し、基板の表裏を繋ぐところが複数できるため、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力が上がるので、一層の高品質確保を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、複数の丸穴はランドの長手方向に略平行に並んでいることから、ガラス繊維が基板の板厚方向に配向し、基板の表裏を繋ぐところがランドの長手方向に複数できるため、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、より一層、高品質確保を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、樹脂に含有する繊維には2種類以上の長さが存在することから、短いガラス繊維の流動性は高いので、ガラス繊維が基板の板厚方向に配向する量が確実に増加し、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるため、より一層、高品質確保を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、ワラストナイトなどの針状の結晶体を含有したことから、針状のワラストナイトの流動性は高いため、針状体が基板の板厚方向に配向することから、樹脂の基板の板厚方向の成形収縮率が下がるので、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるため、より一層、高品質確保を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、射出成形機の計量時の背圧によってガラス繊維を折損させることによって、折損した短いガラス繊維の流動性が高くなり、ガラス繊維が基板の板厚方向に配向する量が確実に増加することから、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、より一層、高品質確保を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、吸樹脂量の多い水酸化アルミニウムの量が、吸樹脂量の少ない炭酸カルシウムの量よりも多くしたことによって、樹脂としての流動性は低下するため、樹脂の流動が早く、形状変化部など流動方向が変化する時に発生する空気の巻込みが抑制されるので、丸穴部にボイドの発生が抑制され、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、より一層、高品質確保を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、充填材の粒度分布を3種類以上としたことにより、粒径の粗い充填材は流動性が早く、粒径の細かい充填材は流動性が遅くなるため、早く充填する必要がある部位と、丸穴部などゆっくり充填する必要がある部位に対する充填速度の調整ができることから、充填速度が遅いことによる未充填や、充填速度が速いことによるボイド発生が抑制されるので、丸穴部近傍にボイドの発生が抑制され、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、より一層、高品質確保を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、粒径の細かな水酸化アルミニウムを含有させたことにより、丸穴部近傍の充填速度が一段と遅くなることから、空気の巻込みが抑制されるとともに、成形固化時の収縮も小さくなるので、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力が一段と上がるので、より一層、高品質確保を実現したモールドモータを提供できる。
また、本発明によれば、外被の丸穴部近傍には、成形時に発生するガスなどを逃がすガス逃がし部を設けることにより、樹脂に含有されるガス化成分を外部へ押し出すことができるため、丸穴部近傍の充填速度と圧力が下がることから、空気の巻込みが抑制されるとともに、成形固化時の収縮も小さくなるので、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力が一段と上がるので、より一層、高品質確保を実現したモールドモータを提供できる。
本発明の請求項1記載の発明は、電機子巻線とプリント基板とを繊維状の補強材と充填材を含有した樹脂により一体的にモールド成形して外被を形成した固定子と、この固定子に対向して回転自在に配置された回転子と、複数のコネクタ端子ピンを外部に導出したモールドモータであって、前記プリント基板には前記コネクタ端子ピンをはんだ付けするための複数のランドが設けられるとともに、この各ランドの間に丸穴を開口し、この丸穴には前記樹脂を充填し、前記繊維状の補強材は前記プリント基板の板厚方向に配向したことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、丸穴に充填された樹脂内のガラス繊維は、ほとんどが基板の板厚方向に配向するので、成形収縮などによる応力集中や、脱型時の引張力にも耐えて、樹脂と基板の界面剥離の発生を抑制するという作用を有する。
請求項2に記載の発明は、ランドとランドの間に開口する丸穴は複数としたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、ガラス繊維が基板の板厚方向に配向し、基板の表裏を繋ぐところが複数できることから、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力が上がるという作用を有する。
請求項3に記載の発明は、複数の丸穴はランドの長手方向に略平行に並べたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、ガラス繊維が基板の板厚方向に配向し、基板の表裏を繋ぐところがランドの長手方向に複数できることから、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるという作用を有する。
請求項4に記載の発明は、補強材は2種類以上の長さの繊維としたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、短いガラス繊維の流動性は高いため、ガラス繊維が基板の板厚方向に配向する量が確実に増加することから、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるという作用を有する。
請求項5に記載の発明は、補強材にはワラストナイトなどの針状の結晶体を含有したことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、針状のワラストナイトの流動性は高いため、針状体が基板の板厚方向に配向することから、樹脂の基板の板厚方向の成形収縮率が下がり、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるという作用を有する。
請求項6に記載の発明は、固定子はスクリュー式の射出成形機により一体的にモールド成形される構造であって、補強材は射出成形機の計量時の背圧によって折損させたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、折損した短いガラス繊維の流動性は高いため、ガラス繊維が基板の板厚方向に配向する量が確実に増加することから、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるという作用を有する。
請求項7に記載の発明は、充填材は水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムからなり、水酸化アルミニウムの重量パーセントを炭酸カルシウムの重量パーセントよりも高くしたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、吸樹脂量の多い水酸化アルミニウムの量が、吸樹脂量の少ない炭酸カルシウムの量よりも多いことから、樹脂としての流動性は低下するため、樹脂の流動が早く、形状変化部など流動方向が変化する時に発生する空気の巻込みが抑制されるので、丸穴部にボイドの発生が抑制され、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるという作用を有する。
請求項8に記載の発明は、充填材は3種類以上の粒度分布となる充填材としたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、粒径の粗い充填材は流動性が早く、粒径の細かい充填材は流動性が遅くなるため、早く充填する必要がある部位と、丸穴部などゆっくり充填する必要がある部位に対する充填速度の調整ができることから、充填速度が遅いことによる未充填や、充填速度が速いことによるボイド発生が抑制されるので、丸穴部近傍にボイドの発生が抑制され、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるという作用を有する。
請求項9に記載の発明は、充填材の粒径の細かな粒度分布となる充填材は水酸化アルミニウムとしたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、丸穴部近傍の充填速度が一段と遅くなることから、空気の巻込みが抑制されるとともに、成形固化時の収縮も小さくなるので、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力が一段と上がるという作用を有する。
請求項10に記載の発明は、外被の丸穴部近傍には、成形時に発生するガスなどを逃がすガス逃がし部を設けたことを特徴とするモールドモータの構成としたものであり、樹脂に含有されるガス化成分を外部へ押し出すことができるため、丸穴部近傍の充填速度と圧力が下がることから、空気の巻込みが抑制されるとともに、成形固化時の収縮も小さくなるので、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力が一段と上がるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1〜図3に示すように、1はモールドモータで、複数のスロットを有する珪素鋼板などの薄板鋼板を積層した固定子鉄心10に絶縁材にて形成されたインシュレータ6を介して電機子巻線2を巻装している。11はブラケットで軸受け16を保持している。3はプラスチックマグネットを射出成形時に極配向させてシャフト9と一体成形して形成した磁石回転子であり、固定子鉄心10内周側に回転自在に配置されている。4は磁石回転子3の磁極位置を検知するホール素子で、15はホール素子4の出力信号に基づいて電機子巻線2への通電を制御するスイッチング素子を内蔵する駆動ICである。14はホール素子4、駆動IC15、その他電子部品を実装したプリント基板で、モールドモータ1に内蔵されている。17は駆動IC15などへの電源を供給する複数のコネクタ端子ピンであり、各1本1本はプリント基板14に設けられたランド7に、それぞれはんだ付けされている。8は各ランド7の間に開口する丸穴であり、ランド7の長手方向と平行に複数個並んで開口している。固定子鉄心10、インシュレータ6、電機子巻線2、プリント基板14、コネクタ端子ピン17の一部は水酸化アルミニウム(図示せず)や炭酸カルシウム(図示せず)などの充填材と、補強材としてガラス繊維(図示せず)と長さが0.1〜0.2mm程度の針状のワラストナイト(図示せず)、成形収縮率を制御するポリスチレンなどの低収縮剤と、成形後の脱型性を制御するステアリン酸カルシウムなどの金属石鹸よりなる離型剤を含有する不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂12をスクリュー式成形機(図示せず)にて、射出成形金型19を用いて一体的にモールド成形されて外被12aを形成して、固定子5を構成している。ここで、コネクタ端子ピン17の位置はゲート18から遠い位置に配置するようにして、熱硬化性樹脂12の充填速度が遅くなるようにしている。そして、熱硬化性樹脂12の充填材である水酸化アルミニウムは2種類の粒度分布であり、それぞれ約1.5ミクロンメータを略中心とするものと、約8ミクロンメータを略中心とするもので、炭酸カルシウムは約7ミクロンメータを略中心とするものである。そして、水酸化アルミニウムは熱硬化性樹脂12全体の56wt%、炭酸カルシウムは11wt%を占めている。また、ガラス繊維は長さが3mmのものと、1.5mmのものであるが、成形機の計量時の背圧によって、0.5mm程度の長さまで折損するガラス繊維も存在している。各丸穴8には熱硬化性樹脂12が充填されており、折損したガラス繊維などの短いガラス繊維、ワラストナイトがプリント基板14の板厚方向に配向するとともに、エステル樹脂を多く吸収した粒径の細かな水酸化アルミニウムが多く含有されている。13はガス逃がし部で、外被12aの丸穴8部近傍に設けている。
このような本発明のモールドモータ1によれば、各ランド7の間に丸穴8を開口し、この丸穴8には熱硬化性樹脂12を充填することにより、丸穴8に充填された熱硬化性樹脂12内のガラス繊維は、ほとんどがプリント基板14の板厚方向に配向するので、丸穴8部の熱硬化性樹脂12におけるプリント基板14の板厚方向の成形収縮率が下がる。従って、成形収縮などによる応力集中や、脱型時の引張力にも耐えて、熱硬化性樹脂12とプリント基板14の界面剥離が生じなくなることから、モータが高温高湿空間にて使用されても、トラッキングを起こさない高品質を確保したモールドモータ1が実現できる。
また、ランド7とランド7の間に開口する丸穴8は複数とすることにより、ガラス繊維がプリント基板14の板厚方向に配向し、プリント基板14の表裏を繋ぐところが複数できる。従って、熱硬化性樹脂12とプリント基板14の界面剥離力に対する耐力が上がるので、モータが高温高湿空間にて使用されても、トラッキングを起こさない高品質を確保したモールドモータ1が実現できる。
また、複数の丸穴8はランド7の長手方向に略平行に並べたことにより、ガラス繊維がプリント基板14の板厚方向に配向し、プリント基板14の表裏を繋ぐところがランド7の長手方向に複数できることから、熱硬化性樹脂12とプリント基板14の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、モータが高温高湿空間にて使用されても、トラッキングを起こさない高品質を確保したモールドモータ1が実現できる。
また、熱硬化性樹脂12に含有する補強材は2種類以上の長さのガラス繊維とすることにより、丸穴8の位置に関係なく、短いガラス繊維の流動性は高いため、ガラス繊維がプリント基板14の板厚方向に配向する量が確実に増加する。従って、熱硬化性樹脂12とプリント基板14の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、モータが高温高湿空間にて使用されても、トラッキングを起こさない高品質を確保したモールドモータ1が実現できる。
また、熱硬化性樹脂12にはワラストナイトなどの針状の結晶体を含有することにより、針状のワラストナイトの流動性は高いため、丸穴8の位置に関係なく、針状体がプリント基板14の板厚方向に配向する。従って、丸穴8部の熱硬化性樹脂12におけるプリント基板14の板厚方向の成形収縮率が一段と下がるため、熱硬化性樹脂12とプリント基板14の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、モータが高温高湿空間にて使用されても、トラッキングを起こさない高品質を確保したモールドモータ1が実現できる。
また、固定子5はスクリュー式の射出成形機により一体的にモールド成形される構造であって、熱硬化性樹脂12に含有する補強材は射出成形機の計量時の背圧によって折損させて短くしたものを作成することにより、折損した短いガラス繊維の流動性は高いため、丸穴8の位置に関係なく、ガラス繊維がプリント基板14の板厚方向に配向する量が確実に増加する。従って、熱硬化性樹脂12とプリント基板14の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、モータが高温高湿空間にて使用されても、トラッキングを起こさない高品質を確保したモールドモータ1が実現できる。
また、熱硬化性樹脂12に含有する充填材は水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムからなり、水酸化アルミニウムの重量パーセントを炭酸カルシウムの重量パーセントよりも高くしたことにより、吸樹脂量の多い水酸化アルミニウムの量が、吸樹脂量の少ない炭酸カルシウムの量よりも多くなる。すなわち、熱硬化性樹脂12としての流動性は低下するため、熱硬化性樹脂12の流動が早く、形状変化部など流動方向が変化する時に発生する空気の巻込みが抑制される。従って、丸穴8部にボイドの発生が抑制され、丸穴8部における無機化合物である充填材の充填量が上がり、熱硬化性樹脂12とプリント基板14の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、モータが高温高湿空間にて使用されても、トラッキングを起こさない高品質を確保したモールドモータ1が実現できる。
また、充填材は3種類以上の粒度分布とすることにより、粒径の粗い充填材は流動性が早く、粒径の細かい充填材は流動性が遅くなるため、早く充填する必要がある部位と、丸穴8部などゆっくり充填する必要がある部位に対する充填速度の調整ができる。従って、充填速度が遅いことによる未充填や、充填速度が速いことによるボイド発生が抑制されるので、丸穴8部近傍にボイドの発生が抑制され、丸穴8部における無機化合物である充填材の充填量が上がり、熱硬化性樹脂12とプリント基板14の界面剥離力に対する耐力がさらに上がるので、より一層、高品質確保を実現できるモールドモータ1が得られる。
また、粒径の細かな粒度分布となる充填材を水酸化アルミニウムとすることにより、丸穴8部近傍の充填速度が一段と遅くなる。従って、空気の巻込みが抑制されるとともに、成形固化時の収縮も小さくなり、熱硬化性樹脂12とプリント基板14の界面剥離力に対する耐力が一段と上がるので、モータが高温高湿空間にて使用されても、トラッキングを起こさない高品質を確保したモールドモータ1が実現できる。
また、外被12aの丸穴8部近傍には、成形時に発生するガスなどを逃がすガス逃がし部13を設ける。この構成により、射出成形金型19のゲート18より射出された熱硬化性樹脂12は含有するスチレンなどのガス化成分を射出成形金型19外部へ押し出しながら、充填され、丸穴8部近傍の充填速度と圧力が下がる。従って、空気の巻込みが抑制されるとともに、丸穴8部における無機化合物である充填材の充填量が上がり、成形固化時の収縮も小さくなるので、樹脂と基板の界面剥離力に対する耐力が一段と上がり、モータが高温高湿空間にて使用されても、トラッキングを起こさない高品質を確保したモールドモータ1が実現できる。
以上のように、本発明にかかるモールドモータは、長期に高品質化を確保した上で、小型化、薄型化、軽量化を実現することが要求される電気機器である換気装置、給湯機、エアコンなどの空気調和機、空気清浄機、除湿機、乾燥機、ファンフィルタユニットなどへの搭載が有用である。
本発明の実施の形態1におけるモールドモータを示す断面図 同モールドモータに搭載するプリント基板構造を示す図 同モールドモータのモールド成形時の状態を示す断面図 従来のモールドモータに搭載するプリント基板構造を示す図
符号の説明
1 モールドモータ
2 電機子巻線
3 磁石回転子
4 ホール素子
5 固定子
6 インシュレータ
7 ランド
8 丸穴
9 シャフト
10 固定子鉄心
11 ブラケット
12 熱硬化性樹脂
12a 外被
13 ガス逃がし部
14 プリント基板
15 駆動IC
16 軸受け
17 コネクタ端子ピン
18 ゲート
19 射出成形金型

Claims (10)

  1. 電機子巻線とプリント基板とを繊維状の補強材と充填材を含有した樹脂により一体的にモールド成形して外被を形成した固定子と、この固定子に対向して回転自在に配置された回転子と、複数のコネクタ端子ピンを外部に導出したモールドモータであって、前記プリント基板には前記コネクタ端子ピンをはんだ付けするための複数のランドが設けられるとともに、この各ランドの間に丸穴を開口し、この丸穴には前記樹脂を充填し、前記繊維状の補強材は前記プリント基板の板厚方向に配向させたことを特徴とするモールドモータ。
  2. 前記ランドとランドの間に開口する前記丸穴は複数としたことを特徴とする請求項1記載のモールドモータ。
  3. 前記複数の丸穴は前記ランドの長手方向に略平行に並べたことを特徴とする請求項2記載のモールドモータ。
  4. 前記補強材は2種類以上の長さの繊維としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のモールドモータ。
  5. 前記樹脂にはワラストナイトなどの針状の結晶体を含有したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のモールドモータ。
  6. 前記固定子はスクリュー式の射出成形機により一体的にモールド成形される構造であって、前記補強材は前記射出成形機の計量時の背圧によって折損させたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のモールドモータ。
  7. 前記充填材は水酸化アルミニウムと炭酸カルシウムからなり、水酸化アルミニウムの重量パーセントを炭酸カルシウムの重量パーセントよりも高くしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のモールドモータ。
  8. 前記充填材は3種類以上の粒度分布となる充填材としたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のモールドモータ。
  9. 前記充填材の粒径の細かな粒度分布となる充填材は水酸化アルミニウムとしたことを特徴とする請求項8記載のモールドモータ。
  10. 前記外被の前記丸穴部近傍には、成形時に発生するガスなどを逃がすガス逃がし部を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のモールドモータ。
JP2008280926A 2008-10-31 2008-10-31 モールドモータ Active JP5206323B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008280926A JP5206323B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 モールドモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008280926A JP5206323B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 モールドモータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010110154A JP2010110154A (ja) 2010-05-13
JP5206323B2 true JP5206323B2 (ja) 2013-06-12

Family

ID=42299036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008280926A Active JP5206323B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 モールドモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5206323B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7415873B2 (ja) 2020-10-26 2024-01-17 株式会社デンソー 電気部品、および、電気部品の製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56166255A (en) * 1980-05-27 1981-12-21 Hitachi Ltd Epoxy resin composition for pressure molding
JPH02250650A (ja) * 1989-03-22 1990-10-08 Mitsubishi Electric Corp 電動機
JPH0852735A (ja) * 1994-08-12 1996-02-27 Kuraray Co Ltd 熱可塑性樹脂およびガラス繊維からなるシート状複合材料
JPH11255864A (ja) * 1998-03-09 1999-09-21 Toshiba Corp 液状エポキシ樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置
JP3757875B2 (ja) * 2002-01-30 2006-03-22 マツダ株式会社 成形用ガラス長繊維強化樹脂材料、及び樹脂成形品の成形方法、並びに樹脂成形品
JP2004351750A (ja) * 2003-05-29 2004-12-16 Takiron Co Ltd 不燃性化粧板
JP2008008222A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Nidec Sankyo Corp ポンプ装置
JP2007287900A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Yaskawa Electric Corp プリント基板及びその基板を備えたモールドモータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010110154A (ja) 2010-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5272655B2 (ja) モールドモータ
JP4894903B2 (ja) モールド電動機
JP5027344B1 (ja) 温度ヒューズ抵抗器
JP2015106971A (ja) 駆動装置
JP5206323B2 (ja) モールドモータ
CN110326071A (zh) 电抗器
JP2007236019A (ja) ロータおよびその製造方法ならびに電動車両
JP2009021468A (ja) 伝熱プリント配線板と、これに用いる伝熱プリプレグ及びその製造方法と、伝熱プリント配線板の製造方法
JP5298630B2 (ja) モールドモータ
JP4905534B2 (ja) モールド電動機
JP6202173B2 (ja) モータ
JP2016077092A (ja) 電動機、空気調和機、および電動機の製造方法
JP2010074977A (ja) コアレスリニアモータ電機子の樹脂モールド方法およびコアレスリニアモータ電機子並びにコアレスリニアモータ、テーブル送り装置
JP4682989B2 (ja) ステータの製造方法
JP5042689B2 (ja) モータ
JP2013243902A (ja) 電動機
JP2011109861A (ja) モールドモータ
JPH02250650A (ja) 電動機
JP4542578B2 (ja) モーター及びその固定子構造
JP2010183786A (ja) モールドモータ
CN110829671A (zh) 一种电机定子绕组的接线结构及接线方法
JP2015106969A (ja) 半導体モジュール、および、これを用いた駆動装置
JP5292266B2 (ja) スタータ
JP2004104868A (ja) モールドモータ
JP2011160561A (ja) モールドモータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111026

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20111114

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20121214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5206323

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301

Year of fee payment: 3