JPH0852735A - 熱可塑性樹脂およびガラス繊維からなるシート状複合材料 - Google Patents

熱可塑性樹脂およびガラス繊維からなるシート状複合材料

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JPH0852735A
JPH0852735A JP21077394A JP21077394A JPH0852735A JP H0852735 A JPH0852735 A JP H0852735A JP 21077394 A JP21077394 A JP 21077394A JP 21077394 A JP21077394 A JP 21077394A JP H0852735 A JPH0852735 A JP H0852735A
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sheet
fiber
glass fiber
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glass fibers
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JP21077394A
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Yoshimi Umemura
芳海 梅村
Shigeru Sasaki
繁 佐々木
Akihiko Katayama
昭彦 片山
Kunitoshi Taniguchi
邦利 谷口
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Kuraray Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性樹脂とガラス繊維からなるシート状
複合材料であって、ガラス繊維が繊維長5〜100mmの範囲
の長さの異なる2種類以上のガラス繊維からなり;全ガ
ラス繊維の20〜80重量%が繊維長5〜40mmのガラス繊維
(A)であり;残りの80〜20重量%のガラス繊維は、ガラ
ス繊維(A)のうちの最も長い繊維の1.5倍以上の長さを有
しており;そしてシート状複合材料の一方の表面側又は
両方の表面側では全ガラス繊維に対するガラス繊維(A)
の重量比が、シート状複合材料全体における全ガラス繊
維に対するガラス繊維(A)の重量比よりも高くなってい
るシート状複合材料、並びにその製造方法、該複合材料
より得られた成形品。 【効果】 本発明のシート状複合材料を用いてスタンピ
ング成形等の成形を行った場合には成形品におけるリ
ブ、ボス、その他の凹凸部や細部にもガラス繊維が均一
に充填分散されてそれらの凹凸部や細部の強度が大き
く、しかも成形品本体の平面部の力学特性、特に耐衝撃
性にも優れる成形品を円滑に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性樹脂およびガラ
ス繊維よりなるシート状複合材料、その製造方法、該シ
ート状複合材料から製造された成形品に関する。詳細に
は、本発明はスタンピング成形などによって成形品を製
造するのに適する熱可塑性樹脂とガラス繊維よりなるシ
ート状複合材料およびその製造方法であって、本発明の
シート状複合材料を用いてスタンピング成形などを行っ
た場合には、成形品におけるリブ、ボス、その他の凹凸
部や細部にもガラス繊維が均一に充填分散されてそれら
の凹凸部や細部の強度が大きく、しかも成形品本体の平
面部などにおける力学特性、特に耐衝撃性にも優れる成
形品を円滑に製造することができる。
【0002】
【従来の技術】スタンピング成形は、通常、一対の金型
の間に加熱したスタンピング成形材料を供給し、急速に
圧力を加えて所定形状に賦形する方法により行われてお
り、スタンピング成形材料の一つとして、ガラス繊維に
熱可塑性樹脂を含浸して一体化したシート状複合材料が
使用されている。そのようなシート状複合材料を用いる
スタンピング成形は、鋼板等のプレス成形で用いるのと
類似した装置により成形が可能であり、しかも生産性が
高く、リブ、ボス等の一体成形が可能である。その上、
スタンピング成形により得られる成形品は、鋼板製の製
品に比べて軽量性、耐腐蝕性等の諸特性にも優れている
ので、スタンピング成形は自動車部品、電気部品、雑貨
品等の種々の成形品の製造に広く採用されるようになっ
ている。
【0003】熱可塑性樹脂とガラス繊維よりなる従来の
スタンピング成形材料では、合成繊維補強材を含有する
スタンピング成形材料に比べて繊維長の長いガラス繊維
が一般に用いられており、具体的には繊維長の長いカッ
トガラス繊維や連続ガラス繊維を束ねたもの、またはそ
れらから得られるガラス繊維マットなどが用いられてい
る。そのため、スタンピング成形により得られる成形品
では、平板部などではガラス繊維が充分に分布していて
力学的特性、特に耐衝撃性に優れているものの、成形品
のリブ、ボスなどの凹凸部や細部にはガラス繊維が充分
に充填・分布されにくく、その結果リブやボスなどの凹
凸部や細部の強度が不足し、商品価値の低下や用途の制
限を招いている。
【0004】そこで、スタンピング成形用シートを用い
た場合に成形品の末端部位にまでガラス繊維が充填・分
布するようにするために、連続したガラス繊維と共にガ
ラス短繊維をシート中に分散させたスタンパブルシート
が提案されている(特開平6−47737号公報)。し
かし、このスタンパブルシートの場合は、用いているガ
ラス短繊維の長さが短すぎるので、ガラス短繊維が成形
品の末端部位に充填されていてもその補強効果が充分で
はなく、リブやボスなどの凹凸部の強度の高い成形品が
得られにくい。そして、このスタンパブルシートにおい
てガラス短繊維をシート中に均一に分散させた場合は、
スタンピング成形して得られる成形品の末端部位や上下
金型に接する部分にガラス繊維が充分に充填されず、成
形品の強度を全体的に均一化することができない。
【0005】また、熱可塑性樹脂とガラス繊維よりなる
シート状複合材料では、スタンピング成形などを行う場
合に、形が整っておらずしかもガラス繊維の分散が不均
一な両端耳部を切り離して使用することが一般に行われ
ており、切り離された両端耳部はそのまま廃棄されるこ
とが多いが、この切り離されたガラス繊維を含有する両
端耳部を粉砕してペレットにしてそれをシート状複合材
料の製造時に再使用して原料の使用効率を向上させるこ
とが提案されている(特公昭63−4486号公報)。
そしてこの発明の明細書には、粉砕してペレット化した
両端耳部を再使用した場合には両端耳部中のガラス繊維
が短繊維化されてシート状複合材料に含有されるので、
そのシート状複合材料を用いてスタンピング成形を行う
と、ガラス短繊維が成形品のリブ部に充填されてリブの
補強がなされるという趣旨の記載がされている。しかし
ながら、この方法による場合も、粉砕して再使用した両
端耳部に由来するガラス短繊維は短すぎるためリブ部等
に充填されても充分な補強効果を発揮できない。しかも
この発明では、両端耳部に由来するガラス短繊維がシー
ト状複合材料中に均一に分散している場合をも包含して
いるが、その場合にはガラス繊維がリブなどの成形品の
凹凸部に充分に充填せず、リブ部などの補強を行うこと
ができない。
【0006】更に、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性
樹脂とガラス繊維マットからなる樹脂マットの少なくと
も一方の面にガラス短繊維と充填材を含有する樹脂層を
設けたものが提案されており(特開昭46−7343号
公報)、この樹脂マットを用いて成形品を製造した場合
には成形品の厚肉部分にガラス繊維を高密度で入り混ま
せることができるとしている。しかし、この発明では粒
径の極めて小さいカオリン、方解石、酸化アルミニウム
などの微細な充填材をガラス短繊維と共に用いており、
しかもガラス短繊維の繊維長が極めて短いので、厚肉部
分の補強効果が充分ではなく、また成形品における厚肉
部とその他の部分との強度の差が大き過ぎて、強度バラ
ンスのとれた成形品が得られにくいという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スタ
ンピング成形などの成形に用いた場合に、成形品におけ
るリブ、ボス、その他の凹凸部や細部にもガラス繊維が
均一に充填分散されていてそれらの凹凸部や細部の力学
的特性が良好であり、しかも成形品本体の平面部などに
おける力学特性、特に耐衝撃性にも優れていて、全体的
にバランスのとれた良好な力学的特性を有する成形品を
円滑に製造することができる熱可塑性樹脂とガラス繊維
よりなるシート状複合材料を提供することである。そし
て、本発明の目的は、上記した優れた特性を有するシー
ト状複合材料の製造方法、およびそのシート状複合材料
を用いて製造された成形品を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らは、熱可塑性樹脂とガラス繊維からなるシー
ト状複合材料について、それを構成するガラス繊維の種
類や長さ、熱可塑性樹脂の種類、ガラス繊維の含有量、
複合材料中でのガラス繊維の配置のしかたなどの種々の
点について検討を重ねた。その結果、ガラス繊維として
長さの異なる2種類以上の所定長のガラス繊維を特定の
割合で含有し、且つ一方の表面側または両方の表面側に
おける繊維長の短いほうのガラス繊維の割合を多くした
シート状複合材料がリブやボスなどの凹凸部を有する成
形品の製造に極めて適していること、そしてそのような
シート状複合材料を用いてスタンピング成形などを行っ
た場合には、成形品におけるリブ、ボス、その他の凹凸
部や細部にもガラス繊維が均一に充填分散されていてそ
れらの凹凸部や細部の力学的特性が良好で強度が大き
く、しかも成形品本体の平面部などにおける力学特性、
特に耐衝撃性にも優れる、全体的にバランスのとれた良
好な力学的特性を有する成形品が得られることを見出し
て本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂および
ガラス繊維からなるシート状複合材料であって、 (a) ガラス繊維が、繊維長5〜100mmの範囲
の、長さの異なる2種類以上のガラス繊維からなってお
り; (b) シート状複合材料中の全ガラス繊維の20〜8
0重量%が繊維長5〜40mmのガラス繊維(A)であ
り; (c) 残りの80〜20重量%のガラス繊維(B)
は、ガラス繊維(A)のうちの最も長い繊維の1.5倍
以上の長さを有しており;そして、 (d) シート状複合材料の一方の表面側または両方の
表面側では、全ガラス繊維に対するガラス繊維(A)の
重量比が、シート状複合材料全体における全ガラス繊維
に対するガラス繊維(A)の重量比よりも高くなってい
る; ことを特徴とするシート状複合材料である。
【0010】そして、本発明は、繊維長5〜40mmの
ガラス繊維(A)と、ガラス繊維(A)のうちの最も長
い繊維の1.5倍以上の長さを有している繊維長100
mm以下のガラス繊維(B)を20:80〜80:20
の重量比で用いて、ガラス繊維(A)の全ガラス繊維に
対する重量比が、シート状複合材料の一方の表面側また
は両方の表面側で、シート状複合材料全体における全ガ
ラス繊維に対するガラス繊維(A)の重量比よりも高く
なるようにして、ガラス繊維(A)およびガラス繊維
(B)を繊維マット状に1段または複数段に配置させ、
それに熱可塑性樹脂を含浸させ一体化して、上記のシー
ト状複合材料を製造する方法である。
【0011】更に、本発明は、繊維長5〜40mmのガ
ラス繊維(A)と、ガラス繊維(A)のうちの最も長い
繊維の1.5倍以上の長さを有している繊維長100m
m以下のガラス繊維(B)を20:80〜80:20の
重量比で用いて、ガラス繊維(A)の全ガラス繊維に対
する重量比がシート状複合材料の一方の表面側または両
方の表面側で、シート状複合材料全体における全ガラス
繊維に対するガラス繊維(A)の重量比よりも高くなる
ようにして、ガラス繊維(A)とガラス繊維(B)を落
下・堆積させ、それに熱可塑性樹脂を含浸させ一体化し
て、上記のシート状複合材料を製造する方法である。ま
た、本発明は、上記のシート状複合材料を用いて製造さ
れた成形品を包含する。
【0012】本発明で用いるガラス繊維(A)およびガ
ラス繊維(B)は、従来公知のチョップドストランドで
あり、ガラス繊維の繊維径(単繊維繊度)やストランド
の収束本数に制限はないが、一般に繊維径5〜50μ、
収束本数20〜800本程度のものを用いるのが好まし
い。
【0013】本発明では、シート状複合材料を構成する
ガラス繊維として繊維長が5〜100mmの範囲のもの
を用いることが必要である。シート状複合材料を構成す
るガラス繊維の繊維長が5mm未満であると、成形した
場合に力学的特性、特に耐衝撃性が大きく低下してガラ
ス繊維による補強効果が得られなくなる。一方、シート
状複合材料を構成するガラス繊維の繊維長が100mm
を超えると、スタンピング成形などを行う場合にガラス
繊維の流動性が低下して均一な物性を有する成形品が得
られなくなる。成形性や得られる成形品の力学的特性な
どの点から、シート状複合材料を構成するガラス繊維の
繊維長が15〜100mmの範囲であるのが好ましく、
20〜100mmの範囲であるのがより好ましい。
【0014】そして本発明では、繊維長5〜100mm
の上記したガラス繊維が、長さの異なる2種類以上のガ
ラス繊維からなっていて、全ガラス繊維の20〜80重
量%が繊維長5〜40mmのガラス繊維(A)からな
り、且つ残りの80〜20重量%がガラス繊維(A)の
うちの最も長い繊維の1.5倍以上の長さを有している
ガラス繊維(B)からなっていることが必要である。
【0015】そして上記したうちでも、ガラス繊維
(A)として繊維長が15〜40mmのものを用いるの
が好ましく、20〜40mmのものを用いるのが更に好
ましく、したがってガラス繊維(B)の繊維長は22.
5〜100mmであるのが好ましく、30〜100mm
であるのが更に好ましい。シート状複合材料を構成する
ガラス繊維として、繊維長が15〜40mm、特に20
〜40mmのガラス繊維(A)と繊維長が22.5〜1
00mm、特に30〜100mmのガラス繊維(B)を
用いることによって、リブ、ボス、その他の凹凸部や細
部における力学的特性、特に耐衝撃性が一層良好で且つ
平面部(本体部分)における力学的特性、特に耐衝撃性
に一層優れる成形品をスタンピング成形などによって製
造することのできるシート状複合材料を得ることができ
る。
【0016】またシート状複合材料では、ガラス繊維の
全重量に基づいて、ガラス繊維(A)の割合が20重量
%未満であると、スタンピング成形などの成形を行った
場合に、成形品におけるリブ、ボス、その他の凹凸部や
細部、特に上下の金型に接するそれらの部分におけるガ
ラス繊維の充填が悪くなってそれらの部分における強度
などの力学的特性が低下し、一方ガラス繊維(A)の割
合が80重量%を超えると、成形品の平面部などの本体
部分の力学的特性、特に耐衝撃性が低下する。シート状
複合材料ではガラス繊維の全重量に基づいて、ガラス繊
維(A)が25〜75重量%で且つガラス繊維(B)が
75〜25重量%であるのが好ましい。
【0017】そして、シート状複合材料において、ガラ
ス繊維(B)の繊維長が、ガラス繊維(A)の最も長い
繊維の1.5倍未満であると、1種類のガラス繊維を使
用する場合と大差がなくなって、ガラス繊維(A)とガ
ラス繊維(B)の2種類以上のガラス繊維を併用する意
味がなくなり、リブ、ボス、その他の凹凸部や細部、並
びに平面部の両方の力学的特性、特に耐衝撃性に優れた
成形品が得られなくなる。
【0018】更に、本発明のシート状複合材料では、シ
ート状複合材料の一方の表面側または両方の表面側で、
ガラス繊維(A)の全ガラス繊維に対する重量比が、シ
ート状複合材料全体における全ガラス繊維に対するガラ
ス繊維(A)の重量比よりも高くなっているが重要であ
る。ここで、「シート状複合材料の一方の表面側で、ガ
ラス繊維(A)の全ガラス繊維に対する重量比が、シー
ト状複合材料全体における全ガラス繊維に対するガラス
繊維(A)の重量比よりも高くなっている」とは、シー
ト状複合材料をその厚さ方向に見た場合に、ガラス繊維
(A)とガラス繊維(B)とが全体に均一に存在してお
らず、図1の(i)および(ii)に示すように、シート
状複合材料1の一方の表面側2の部分ではガラス繊維
(A)の全ガラス繊維に対する重量比がシート状複合材
料全体における全ガラス繊維に対するガラス繊維(A)
の重量比よりも高くなっていて、一般に、一方の表面側
2においてガラス繊維(A)がそれよりも奥の部分3に
おけるよりも多く存在することを意味する。また、本発
明において、「シート状複合材料の両方の表面側で、ガ
ラス繊維(A)の全ガラス繊維に対する重量比が、シー
ト状複合材料全体における全ガラス繊維に対するガラス
繊維(A)の重量比よりも高くなっている」とは、シー
ト状複合材料をその厚さ方向に見た場合に、図2に示す
ように、シート状複合材料1の両方の表面側4の部分で
はガラス繊維(A)の全ガラス繊維に対する重量比がシ
ート状複合材料全体における全ガラス繊維に対するガラ
ス繊維(A)の重量比よりも高くなっていて、一般に、
両方の表面側4においてガラス繊維(A)が中央部5に
おけるよりも多く存在することを意味する。
【0019】上記した図1および図2の場合に、一方の
表面側2または両方の表面側4におけるガラス繊維
(A)の重量比は、シート状複合材料1の奥の部分3ま
たは中央部5から表面に近くなるに従って徐々に高くな
るように勾配を持たせて高くしても、或いはシート状複
合材料1の奥の部分3または中央部5と一方の表面側2
または両方の表面側4との間でガラス繊維(A)の重量
比が不連続に変わって一方の表面側2または両方の表面
側4におけるガラス繊維(A)が重量比が急激に高くな
るようにしてもよい。
【0020】シート状複合材料から製造する成形品の形
状や構造(特に成形品におけるリブ、ボス、その他の凹
凸部などの数や大きさなど)、成形品のサイズや用途、
シート状複合材料を構成する全ガラス繊維に対するガラ
ス繊維(A)の割合、ガラス繊維(A)およびガラス繊
維(B)の繊維長などに応じて種々調節し得るが、図1
および図2の場合には、一般に、シート状複合材料1の
一方の表面側2または両方の表面側4ではガラス繊維
(A):ガラス繊維(B)の割合を100:0〜70:
30の重量比にし、且つシート状複合材料1の奥の部分
3または中央部5ではガラス繊維(A):ガラス繊維
(B)の割合を0:100〜30:70の重量比とする
のが好ましい。また、シート状複合材料全体における全
ガラス繊維に対するガラス繊維(A)の重量比をWaと
したときに、シート状複合材料1の一方の表面側2また
は両方の表面側4におけるガラス繊維(A)の重量比
は、Waの1.2倍以上になるようにして、ガラス繊維
(A)をシート状複合材料1の一方の表面側2または両
方の表面側4に多く存在させるのが好ましい。
【0021】また、シート状複合材料1における一方の
表面側2または両方の表面側4の厚さも、シート状複合
材料から製造する成形品の形状や構造(特に成形品にお
けるリブ、ボス、その他の凹凸部などの数や大きさな
ど)、成形品のサイズや用途、シート状複合材料を構成
する全ガラス繊維に対するガラス繊維(A)の割合、ガ
ラス繊維(A)およびガラス繊維(B)の繊維長などに
応じて種々調節することができ特に制限されないが、一
般に、シート状複合材料1の全体の厚さの約1/10〜
3/4程度にしておくのがよい。なお、ガラス繊維
(A)の重量比がシート状複合材料1の表面に向かって
徐々に高くなるようにしてあるシート状複合材料では一
方の表面側2または両方の表面側4の厚さを厳密に決定
できないので、各々の状況に応じて適宜決めるとよい。
【0022】そして、シート状複合材料1の一方の表面
側2におけるガラス繊維(A)の重量比を高くしてある
図1の(i)または(ii)に示すようなシート状複合材
料は、例えば図3の(i)に示すような一方の側にのみ
リブなどの突部を有する成形品を製造するのに適してお
り、図1の(i)または(ii)に示すシート状複合材料
を用いて図3の(i)に示す成形品を製造する場合は、
全ガラス繊維に対するガラス繊維(A)の重量比の高い
一方の表面側2の方を金型のリブなどの突部を有する側
に向けて成形を行うようにするのがよい。ガラス繊維
(A)またシート状複合材料1の両方の表面側4におけ
るガラス繊維(A)の重量比が高くなっている図2のシ
ート状複合材料は、図3の(i)に示す一方の側にのみ
リブなどの突部を有する成形品や、例えば図3の(ii)
に示すような両面側にリブやその他の突部を有する成形
品を製造するのに好ましく用いられ、この場合はシート
状複合材料のいずれの表面側を金型のリブなどの突部を
有する側に向けて配置してもよい。
【0023】また、シート状複合材料に用いる熱可塑性
樹脂としては、シート状複合材料の製造が可能な熱可塑
性樹脂であればいずれでもよく特に制限されないが、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなど
のポリオレフィン類、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ナイ
ロン6、ナイロン12、ナイロン66などのポリアミド
類、ビスフェノールAポリカーボネート、ポリアセター
ル、ABS樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂などが好ましく、そのうちでもポリオレフィン
類、ポリエステル類が経済性、成形性などの点から特に
好ましい。また、変性してある熱可塑性樹脂を用いても
よい。熱可塑性樹脂は、単独で使用しても、または2種
以上を併用してもよい。熱可塑性樹脂は、必要に応じ
て、例えば加工安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘
着剤、着色剤、滑剤、結晶化核剤、内部離型剤、充填
剤、カーボンブラックなどの添加剤の1種または2種以
上を含有していてもよい。
【0024】シート状複合材料における熱可塑性樹脂と
ガラス繊維の割合は特に限定されないが、ガラス繊維中
への熱可塑性樹脂の含浸のし易さ、スタンピング成形性
やその他の成形性、得られる成形品の力学的特性などの
点から、熱可塑性樹脂:ガラス繊維=95:5〜25:
75の重量比であるのが好ましく、90:10〜40:
60の重量比であるのがより好ましい。また、シート状
複合材料に用いるガラス繊維マットの目付は50〜10
00g/m2程度であるのが好ましく、200〜700
g/m2であるのがより好ましい。更に、シート状複合
材料の厚さは特に制限されないが、一般に約0.5〜8
mmであるのが、成形性、成形時の原反の取り扱い性、
原反の生産性などの点から好ましい。
【0025】本発明のシート状複合材料の製造に当たっ
ては、上記した(a)〜(d)の要件を満たすシート状
複合材料を製造し得る方法であればいずれも使用でき特
に制限されないが、本発明のシート状複合材料は、上記
した、 繊維長5〜40mmのガラス繊維(A)と、ガラス
繊維(A)のうちの最も長い繊維の1.5倍以上の長さ
を有している繊維長100mm以下のガラス繊維(B)
を20:80〜80:20の重量比で用いて、ガラス繊
維(A)の全ガラス繊維に対する重量比が、シート状複
合材料の一方の表面側または両方の表面側で、シート状
複合材料全体における全ガラス繊維に対するガラス繊維
(A)の重量比よりも高くなるようにして、ガラス繊維
(A)およびガラス繊維(B)を繊維マット状に1段ま
たは複数段に配置させ、それに熱可塑性樹脂を含浸させ
一体化する方法;または 繊維長5〜40mmのガラス繊維(A)と、ガラス
繊維(A)のうちの最も長い繊維の1.5倍以上の長さ
を有している繊維長100mm以下のガラス繊維(B)
を20:80〜80:20の重量比で用いて、ガラス繊
維(A)の全ガラス繊維に対する重量比がシート状複合
材料の一方の表面側または両方の表面側で、シート状複
合材料全体における全ガラス繊維に対するガラス繊維
(A)の重量比よりも高くなるようにして、ガラス繊維
(A)とガラス繊維(B)を落下・堆積させ、それに熱
可塑性樹脂を含浸させ一体化する方法;によって円滑に
製造することができる。
【0026】上記の方法を採用する場合は、より具体
的には、例えば、 −1: ガラス繊維(A)とガラス繊維(B)をそれ
ぞれ単独で用いて別々に繊維マットをつくり、それらの
繊維マットをガラス繊維(A)からなる繊維マットの方
がシート状複合材料の一方の表面側または両方の表面側
に位置するように、且つシート状複合材料全体でみた場
合にはガラス繊維(A):ガラス繊維(B)=20:8
0〜80:20の重量比になるようにして配置して、そ
れに熱可塑性樹脂を含浸させて熱可塑性樹脂とガラス繊
維を一体化する方法; −2: ガラス繊維(A)とガラス繊維(B)との両
方を用いて、ガラス繊維(A)とガラス繊維(A)との
含有率が異なる複数種の繊維マットをつくり、それらの
繊維マットをガラス繊維(A)の含有率の高い繊維マッ
トがシート状複合材料の一方の表面側または両方の表面
側に位置し、且つシート状複合材料全体でみた場合には
ガラス繊維(A):ガラス繊維(B)=20:80〜8
0:20の重量比になるようにして配置して、それに熱
可塑性樹脂を含浸させて熱可塑性樹脂とガラス繊維を一
体化する方法;
【0027】−3: ガラス繊維(A)とガラス繊維
(B)を用いて、一方の表面側または両方の表面側にお
けるガラス繊維(A)の重量比が高く且つ繊維マット全
体ではガラス繊維(A):ガラス繊維(B)=20:8
0〜80:20の重量比になるようにしてるように繊維
マットをつくり、その繊維マットにそのまま熱可塑性樹
脂を含浸させて一体化するか、或いはその繊維マットを
ガラス繊維(A)の重量比の高い側が外側になるように
して2枚重ねて配置してそれに熱可塑性樹脂を含浸させ
て一体化する方法; −4: ガラス繊維(A)とガラス繊維(B)の両方
を用いて、ガラス繊維(A)のみからなる繊維マットと
ガラス繊維(A)とガラス繊維(B)の両方を含む繊維
マットをつくり、それらの繊維マットをガラス繊維
(A)のみからなる繊維マットがシート状複合材料の一
方の表面側または両方の表面側に位置し、且つシート状
複合材料全体でみた場合にはガラス繊維(A):ガラス
繊維(B)の重量比が20:80〜80:20になるよ
うにして配置して、それに熱可塑性樹脂を含浸させて熱
可塑性樹脂とガラス繊維を一体化する方法; −5: ガラス繊維(A)とガラス繊維(B)の両方
を用いて、ガラス繊維(A)とガラス繊維(B)の両方
を含む繊維マットと、ガラス繊維(B)のみからなる繊
維マットをつくり、それらの繊維マットを、ガラス繊維
(A)とガラス繊維(B)の両方を含む繊維マットがシ
ート状複合材料の一方の表面側または両方の表面側に位
置し、且つシート状複合材料全体でみた場合にはガラス
繊維(A):ガラス繊維(B)=20:80〜80:2
0の重量比になるようにして配置して、それに熱可塑性
樹脂を含浸させて熱可塑性樹脂とガラス繊維を一体化す
る方法; などを挙げることができる。
【0028】そして、上記の方法でシート状複合材料
を製造する場合に、得られるシート状複合材料が上記し
た(a)〜(d)の要件を満たす限りは、ガラス繊維
(A)および/またはガラス繊維(B)からなる繊維マ
ットの配置枚数は、目的とするシート状複合材料の厚さ
や繊維マットの種類などに応じて適宜調節することがで
き、1枚のみ、2枚または3枚以上を配置して、それに
熱可塑性樹脂を含浸させて一体化することができる。
【0029】また、繊維マットに含浸させる熱可塑性樹
脂は、シート状、粉末状、粒状、溶融状のいずれの形態
で用いてもよく、そのうちでも熱可塑性樹脂をシート状
にして、熱可塑性樹脂シートを繊維マットの表面や裏面
側および/またはそれぞれの繊維マットの間に介在させ
て、熱可塑性樹脂シートをその融点または軟化点以上の
温度に加熱して熱可塑性樹脂を繊維マット中に含浸させ
一体化させてシート状複合材料を製造するのが、熱可塑
性樹脂を繊維マット中に均一に含浸させて一体化でき、
かつ操作性が良好であるので好ましい。
【0030】上記した−1〜−5のいずれの方法を
採用する場合であっても、本発明では、シート状複合材
料の一方の表面側または両方の表面側で、短いガラス繊
維(A)の全ガラス繊維に対する重量比がシート状複合
材料全体における全ガラス繊維に対するガラス繊維
(A)の重量比よりも高くなっていて、結局、シート状
複合材料の奥側または中央部分では長いガラス繊維
(B)の比率が高くなっているので、ガラス繊維(A)
がガラス繊維(B)に絡んで拘束・支持されて、短繊維
のみを用いてマットを製造していた従来技術に比べて、
マット用バインダーの使用量を大幅に低減することがで
き、マット用バインダーの大量使用に伴う成形品の力学
的特性の低下を防ぐことができる。
【0031】そして、上記したの方法によりシート状
複合材料を製造する場合にも、熱可塑性樹脂は、シート
状、粉末状、粒状、溶融状のいずれの形態で用いてもよ
いが、熱可塑性樹脂をシート状にして、熱可塑性樹脂シ
ートの上にガラス繊維(A)とガラス繊維(B)を、2
0:80〜80:20の重量比で、且つガラス繊維
(A)の全ガラス繊維に対する比率がシート状複合材料
の一方の表面または両方の表面付近において全ガラス繊
維に対するガラス繊維(A)の平均比率よりも高くなる
ようにして、落下・堆積させた後、熱可塑性樹脂シート
をその融点または軟化点以上の温度に加熱して熱可塑性
樹脂を繊維マット中に含浸させ一体化させてシート状複
合材料を製造するのが、熱可塑性樹脂を繊維マット中に
均一に含浸でき、かつ操作性が良好である点から好まし
い。
【0032】より具体的には、上記したの方法として
は、例えば、 −1: 第1の熱可塑性樹脂シートの上にガラス繊維
(A)を落下・堆積させた後第2の熱可塑性樹脂シート
をその上にかぶせ、その上にガラス繊維(B)を落下・
堆積させた後第3の熱可塑性樹脂シートをかぶせ、更に
その上にガラス繊維(B)を落下・堆積させた後第4の
熱可塑性樹脂シートをかぶせ、そしてその上にガラス繊
維(A)を落下・堆積させた後、第5の熱可塑性樹脂シ
ートをかぶせて、ガラス繊維と熱可塑性樹脂シートとの
積層体を製造し、その積層体を加熱加圧してガラス繊維
に熱可塑性樹脂を含浸させ一体化させる方法; −2:上記した−1の方法において、第1と第2の
熱可塑性樹脂シートの間、および第4と第5の熱可塑性
樹脂シートとの間に堆積させるガラス繊維として、ガラ
ス繊維(A)とガラス繊維(B)の混合物を用いる方
法; −3:上記した−1の方法において、第2と第3の
熱可塑性樹脂シートの間、および第3と第4の熱可塑性
樹脂シートとの間に堆積させるガラス繊維として、ガラ
ス繊維(A)とガラス繊維(B)の混合物を用いる方
法; −4:上記した−1または−2の方法において、
第1と第2の熱可塑性樹脂シートの間、および第4と第
5の熱可塑性樹脂シートとの間にガラス繊維(A)とガ
ラス繊維(B)をガラス繊維(A)の方が外側になるよ
うに層状に堆積させ、第2と第3の熱可塑性樹脂シート
の間、および第3と第4の熱可塑性樹脂シートの間にガ
ラス繊維(B)を堆積させる方法;
【0033】−5:上記した−1の方法において、
第1と第2の熱可塑性樹脂シートの間、および第2と第
3の熱可塑性樹脂シートとの間にガラス繊維(A)を堆
積させ、第3と第4の熱可塑性樹脂シートの間、および
第4と第5の熱可塑性樹脂シートの間にガラス繊維
(B)を堆積させる方法; −6:上記した−1の方法において、第1と第2の
熱可塑性樹脂シートの間、および第2と第3の熱可塑性
樹脂シートとの間にガラス繊維(A)とガラス繊維
(B)との混合繊維を堆積させ、第3と第4の熱可塑性
樹脂シートの間、および第4と第5の熱可塑性樹脂シー
トの間にガラス繊維(B)を堆積させる方法; −7:上記した−1の方法において、第1と第2の
熱可塑性樹脂シートの間、および第2と第3の熱可塑性
樹脂シートとの間にガラス繊維(A)を堆積させ、第3
と第4の熱可塑性樹脂シートの間、および第4と第5の
熱可塑性樹脂シートの間にガラス繊維(A)とガラス繊
維(B)を堆積させる方法; などを挙げることができる。
【0034】上記の−1〜−7では、5枚の熱可塑
性樹脂シートを用いてそれぞれの熱可塑性樹脂シートの
間にガラス繊維を落下・堆積して積層体を製造してか
ら、熱可塑性樹脂をガラス繊維に含浸させ一体化する場
合について説明したが、熱可塑性樹脂シートの枚数は5
枚に限らず、例えば3枚、4枚、6枚、7枚・・・とい
うように適宜変えて、上記の−1〜−7に記載した
方法に準じてシート状複合材料を製造することができ
る。いずれの場合にも、最終的に得られるシート状複合
材料全体で、ガラス繊維(A):ガラス繊維(B)=2
0:80〜80:20の重量比になり、且つガラス繊維
(A)の全ガラス繊維に対する比率がシート状複合材料
の一方の表面または両方の表面付近において全ガラス繊
維に対するガラス繊維(A)の平均比率よりも高くなる
ようにしてシート状複合材料を製造することが必要であ
る。
【0035】上記したいずれの製造方法の場合も、熱可
塑性樹脂をガラス繊維中に含浸させ一体化させるに当た
っては、熱可塑性樹脂とガラス繊維よりなるシート状複
合材料の製造に際して従来から使用されている既知の方
法および装置のいずれもが使用でき、例えば加圧ベルト
式の加圧含浸成形装置、加熱プレスなどを用いて行うこ
とができる。その際の圧力は、熱可塑性樹脂の種類、ガ
ラス繊維の内容、熱可塑性樹脂とガラス繊維の割合など
に応じて適宜調節できるが、一般に約1〜50kgf/
cm2程度の圧力を採用するのがよい。
【0036】本発明のシート状複合材料はスタンピング
成形、真空成形、圧空成形などの成形に用いることがで
き、特にスタンピング成形に使用するのに適している。
本発明のシート状複合材料を用いてスタンピング成形を
行うに当たっては、熱可塑性樹脂と繊維補強材とからな
るシート状複合材料を用いるスタンピング成形方法およ
び成形装置を用いて行うことができ特に制限されない
が、一般に、シート状複合材料シート状複合材料を所定
の大きさに裁断してブランク(裁断片)を得た後、その
ブランクを熱可塑性樹脂の融点または軟化点以上に加熱
して溶融または軟化させ、次いで熱可塑性樹脂のガラス
転移点以上で且つ融点または軟化点以下の温度に保たれ
た型に入れて、スタンピング成形を行うことにより目的
の成形品を製造することができる。スタンピング成形を
行うに当たっては、目的とする成形品の種類、形状、寸
法、ブランクの厚さなどに応じて、本発明のシート状複
合材料を裁断して得られたブランクの1枚を用いてスタ
ンピング成形を行っても、または2枚以上を用いてスタ
ンピング成形を行ってもよい。
【0037】特に本発明のシート状複合材料は、リブ、
ボス、その他の凹凸部などを有する成形品をスタンピン
グ成形で製造するのに適しており、本発明のシート状複
合材料を用いてそのような成形品をスタンピング成形し
た場合には、リブ、ボス、その他の凹凸部や細部にもガ
ラス繊維が均一に充填分散されていてそれらの凹凸部や
細部の強度が大きく、しかも成形品本体の平面部などに
おける力学特性、特に耐衝撃性にも優れ、自動車部品、
電気部品、日用雑貨品などの種々の形状および寸法の成
形品を円滑に製造することができる。
【0038】
【実施例】以下に、本発明を実施例等により具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の実
施例および比較例において、成形品の平面部のノッチ付
きIzod衝撃強さはJIS K6911に準拠して測
定し、成形品のリブ部の曲げ強さは以下のようにして測
定した。
【0039】リブ部の曲げ強さの測定:以下の実施例お
よび比較例において、それぞれのシート状複合材料を用
いて図4の(i)(上部平面図)および(ii)(縦断面
図)で示す、幅寸法および高さ寸法のそれぞれ異なる4
つのリブ7,8,9,10を内側に有する成形品6を製
造し、それぞれの成形品6から、図6の(i)(リブに
平行な方向から見た図)および(ii)(リブに直角の方
向から見た図)示すように、リブ10(幅5mmおよび
高さ25mm)を挟んで長さ190mm、幅28mmの
T字形の試験片11を切り出した。この試験片11を図
6に示すようにして2つの支持用治具12,12’によ
って下から支持し、支持用治具12,12’の真ん中の
上部を半径5rの圧子13で押圧し、圧子13を2.0
mm/分の速度で下降させて試験片を湾曲させ、試験片
が破壊した時の圧子13の押圧荷重を読み取って、リブ
部の曲げ強さとした。
【0040】《実施例 1》 (1) 繊維径11μ、収束本数50本、繊維長25m
mのガラス繊維(A1)よりなるチョップドストランド
マット(目付450g/m2、ガラス繊維の重量に対す
るマットバインダー量8.0重量%)(以下「マットA
1」という)を2枚用意した。 (2) 繊維径11μ、収束本数50本、繊維長50m
mのガラス繊維(B1)よりなるチョップドストランド
マット(目付450g/m2、ガラス繊維の重量に対す
るマットバインダー量3.0重量%)(以下「マットB
1」という)を2枚用意した。 (3) 厚さ0.6mmのポリプロピレンシート(以下
「PPシート」という)5枚を用意し、PPシート/マ
ットA1/PPシート/マットB1/PPシート/マット
1/PPシート/マットA1/PPシートの順に積層し
た。 (4) 上記の(3)で得られた積層体を2枚の鉄板で
挟み、鉄板の両側から積層体の全体が280℃の温度に
なるまで約6分間加熱しながら5kgf/cm2で加圧
してポリプロピレンを溶融させてマット中に含浸させて
ガラス繊維と一体化した後冷却して、ガラス繊維の含有
量40重量%、厚さ3.6mmのガラス繊維で強化した
シート状複合材料を製造した[シート状複合材料全体に
おけるガラス繊維(A1):ガラス繊維(B1)=50:
50(重量比)]。
【0041】(5) 上記(4)で得たシート状複合材
料を裁断して230mm×180mmの寸法のブランク
をつくり、2枚のブランクを遠赤外加熱炉で210℃に
まで約6分間予熱した後、2枚のブランクを重ねて、4
0℃に保温されたリブ用突部を有する内寸250mm×
200mmの板状金型に入れて、200kgf/cm2
の圧力で30秒間加圧して、幅寸法および高さ寸法のそ
れぞれ異なる4つのリブ7,8,9,10を内側に有す
る図4に示す成形品6を製造した。 (6) 上記(5)で得られた成形品6の平面部のノッ
チ付きIzod衝撃強さおよびリブ部の曲げ強さを上記
した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりの
結果であった。
【0042】《実施例 2》 (1) 繊維径11μ、収束本数50本、繊維長25m
mのガラス繊維(A2)と繊維径11μ、収束本数50
本、繊維長50mmのガラス繊維(B2)を1:1の重
量比で用いて、ガラス繊維(B2)からなる層の上にガ
ラス繊維(A2)からなる層が積層している2層構造の
ガラス繊維マット(目付450g/m2、ガラス繊維の
重量に対するマットバインダー量3.0重量%)(以下
「マットA22」という)を製造した。 (2) 上記(1)で製造したマットA222枚、実施
例1の(2)で用意したのと同じ繊維長50mmのガラ
ス繊維(B1)よりなるマットB12枚、および実施例1
で用いたのと同じPPシート5枚を使用して、PPシー
ト/マットA22[但しガラス繊維(A2)の層を一方
の表面側に向けて配置]/PPシート/マットB1/P
Pシート/マットB1/PPシート/マットA22[但
しガラス繊維(A2)の層をもう一方の表面側に向けて
配置]/PPシートの順に積層して積層体を製造した。 (3) 上記(2)で得た積層体を用いて実施例1と同
様にしてシート状複合材料[シート状複合材料全体にお
けるガラス繊維(A2):ガラス繊維(B2)=25:7
5(重量比)]を製造し、このシート状複合材料から裁
断して得られた2枚のブランクを用いて4つのリブを内
側に有する図4に示す成形品6を製造した。この成形品
6の平面部のノッチ付きIzod衝撃強さおよびリブ部
の曲げ強さを上記した方法で測定したところ、下記の表
1に示すとおりの結果であった。
【0043】《実施例 3》 (1) 繊維径11μ、収束本数50本、繊維長12m
mのガラス繊維(A3)を用いてガラス繊維マット(目
付450g/m2、ガラス繊維の重量に対するマットバ
インダー量3.0重量%)(以下「マットA3」とい
う)を製造した。 (2) 上記(1)で製造したマットA32枚、実施例
1の(2)で用意したのと同じ繊維長50mmのガラス
繊維(B1)よりなるマットB12枚、および実施例1で
用いたのと同じPPシート5枚を用いて、PPシート/
マットA3/PPシート/マットB1/PPシート/マッ
トB1/PPシート/マットA3/PPシートの順に積層
して積層体を製造した。 (3) 上記(2)で得た積層体を用いて実施例1と同
様にしてシート状複合材料[シート状複合材料全体にお
けるガラス繊維(A3):ガラス繊維(B1)=50:5
0(重量比)]を製造し、このシート状複合材料から裁
断して得られた2枚のブランクを用いて、4つのリブを
内側に有する図4に示す成形品6を製造した。この成形
品6の平面部のノッチ付きIzod衝撃強さおよびリブ
部の曲げ強さを上記した方法で測定したところ、下記の
表1に示すとおりの結果であった。
【0044】《比較例 1》実施例1の(2)で用意し
たのと同じ繊維長50mmのガラス繊維(B1)よりな
るマットB14枚と、実施例1で用いたのと同じPPシ
ート5枚を用意し、PPシート/マットB1/PPシー
ト/マットB1/PPシート/マットB1/PPシート/
マットB1/PPシートの順に積層して積層体を製造
し、この積層体を用いて実施例1と同様にしてシート状
複合材料[シート状複合材料全体におけるガラス繊維
(A1):ガラス繊維(B1)=0:100(重量比)]
を製造し、このシート状複合材料から裁断して得られた
2枚のブランクを用いて、実施例1と同様にして4つの
リブを内側に有する図4の成形品6を製造した。この成
形品6の平面部のノッチ付きIzod衝撃強さおよびリ
ブ部の曲げ強さを上記した方法で測定したところ、下記
の表1に示すとおりの結果であった。
【0045】《比較例 2》実施例1の(1)で用意し
たのと同じ繊維長25mmのガラス繊維(A1)よりな
るマットA14枚と、実施例1で用いたのと同じPPシ
ート5枚を用意し、PPシート/マットA1/PPシー
ト/マットA1/PPシート/マットA1/PPシート/
マットA1/PPシートの順に積層して積層体をつく
り、この積層体を用いて実施例1と同様にしてシート状
複合材料[シート状複合材料全体におけるガラス繊維
(A1):ガラス繊維(B1)=100:0(重量比)]
を製造し、このシート状複合材料から裁断して得られた
2枚のブランクを用いて、実施例1と同様にして4つの
リブを内側に有する図4の成形品6を製造した。この成
形品6の平面部のノッチ付きIzod衝撃強さおよびリ
ブ部の曲げ強さを上記した方法で測定したところ、下記
の表1に示すとおりの結果であった。
【0046】《比較例 3》実施例1の(2)で用意し
た繊維長50mmのガラス繊維(B1)よりなるマット
1の代わりに、繊維径11μ、収束本数50本、繊維
長35mmのガラス繊維(B2)よりなるチョップドス
トランドマット(以下「マットB3」という)(目付4
50g/m2、ガラス繊維の重量に対するマットバイン
ダー量3.0重量%)を2枚用意し、それ以外は実施例
1と同様にして、PPシート/マットA1/PPシート
/マットB3/PPシート/マットB3/PPシート/マ
ットA1/PPシートの順に積層して積層体をつくり、
この積層体を用いて実施例1と同様にしてシート状複合
材料[シート状複合材料全体におけるガラス繊維
(A1):ガラス繊維(B3)=50:50(重量比)]
を製造し、このシート状複合材料から裁断して得られた
2枚のブランクを用いて、実施例1と同様にして4つの
リブを内側に有する図4の成形品6を製造した。この成
形品6の平面部のノッチ付きIzod衝撃強さおよびリ
ブ部の曲げ強さを上記した方法で測定したところ、下記
の表1に示すとおりの結果であった。
【0047】《実施例 4》 (1) 実施例1で使用したのと同じ第1のPPシート
上に、繊維径11μ、収束本数50本、繊維長25mm
のチョップドストランドガラス繊維(A1)を落下・堆
積させ、次にその上に繊維径11μ、収束本数50本、
繊維長50mmのチョップドストランドガラス繊維(B
1)を落下・堆積させた後[ガラス繊維(A1):ガラス
繊維(B1)=50:50(重量比)]、堆積物の上に
同様の第2のPPシートを重ね、その上にガラス繊維
(B1)を落下・堆積させた。その上に更に同様の第3
のPPシートを重ねた後、ガラス繊維(B1)を落下・
堆積させ、その上に更に同様の第4のPPシートを重ね
た。そして、その上にガラス繊維(B1)を落下・堆積
させた後ガラス繊維(A1)を層状に落下・堆積させ
[この層状の落下・堆積層におけるガラス繊維
(A1):ガラス繊維(B1)=50:50(重量
比)]、最後にその上に第5のPPシートを重ねて、P
Pシート/ガラス繊維(A1)とガラス繊維(B1)の層
状堆積層/PPシート/ガラス繊維(B1)の堆積層/
PPシート/ガラス繊維(B1)の堆積層/PPシート
/ガラス繊維(B1)とガラス繊維(A1)の層状堆積層
/PPシートの順に積層した積層体を製造した[この積
層体全体におけるガラス繊維(A1):ガラス繊維
(B1)=25:75(重量比)]。 (2) 上記(1)で得られた積層体を用いて実施例1
と同様にしてシート状複合材料を製造し、このシート状
複合材料から裁断して得られた2枚のブランクを用い
て、実施例1と同様にして4つのリブを内側に有する図
4の成形品6を製造した。この成形品6の平面部のノッ
チ付きIzod衝撃強さおよびリブ部の曲げ強さを上記
した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりの
結果であった。
【0048】《実施例 5》 (1) 実施例1で使用したのと同じ第1のPPシート
上に、実施例4で用いたのと同じ繊維長25mmのガラ
ス繊維(A1)を落下・堆積させ、次にその上に実施例
4で用いたのと同じ繊維長50mmのガラス繊維
(B1)を層状に落下・堆積させた後[ガラス繊維
(A1):ガラス繊維(B1)=75:25(重量
比)]、層状堆積物の上に同様の第2のPPシートを重
ねた。その上にガラス繊維(A1)とガラス繊維(B1
の混合繊維[ガラス繊維(A1):ガラス繊維(B1)=
25:75(重量比)]を落下・堆積させた後、その上
に更に同様の第3のPPシートを重ね、その上にガラス
繊維(A1)とガラス繊維(B1)の混合繊維[ガラス繊
維(A1):ガラス繊維(B1)=25:75(重量
比)]を落下・堆積させた。その上に第4のPPシート
を重ねた後、その上にガラス繊維(B1)を落下・堆積
させ、次いでガラス繊維(A1)を層状に落下・堆積さ
せ[この層状の落下・堆積層におけるガラス繊維
(A1):ガラス繊維(B1)=75:25(重量
比)]、最後にその上に第5のPPシートを重ねて、P
Pシート/ガラス繊維(A1)とガラス繊維(B1)の層
状堆積層/PPシート/ガラス繊維(A1)とガラス繊
維(B1)との混合堆積層/PPシート/ガラス繊維
(A1)とガラス繊維(B1)の混合堆積層/PPシート
/ガラス繊維(B1)とガラス繊維(A1)の層状堆積層
/PPシートの順に積層した積層体を製造した[この積
層体全体におけるガラス繊維(A1):ガラス繊維
(B1)=50:50(重量比)]。 (2) 上記(1)で得られた積層体を用いて実施例1
と同様にしてシート状複合材料を製造し、このシート状
複合材料から裁断して得られた2枚のブランクを用い
て、実施例1と同様にして4つのリブを内側に有する図
4の成形品6を製造した。この成形品6の平面部のノッ
チ付きIzod衝撃強さおよびリブ部の曲げ強さを上記
した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりの
結果であった。
【0049】《実施例 6》 (1) 実施例1で使用したのと同じ第1のPPシート
上に、実施例4で用いたのと同じ繊維長25mmのガラ
ス繊維(A1)を落下・堆積させた後、その上に同様の
第2のPPシートを重ね、その上にガラス繊維(A1
とガラス繊維(B1)の混合繊維[ガラス繊維(A1):
ガラス繊維(B1)=50:50(重量比)]を落下・
堆積させた。その上に更に第3のPPシートを重ねた
後、ガラス繊維(A1)とガラス繊維(B1)の混合繊維
[ガラス繊維(A1):ガラス繊維(B1)=50:50
(重量比)]を落下・堆積させた。その上に第4のPP
シートを重ねた後、ガラス繊維(A1)を落下・堆積さ
せ、その上に更に第5のPPシートを重ねて、PPシー
ト/ガラス繊維(A1)の堆積層/PPシート/ガラス
繊維(A1)とガラス繊維(B1)との混合堆積層/PP
シート/ガラス繊維(A1)とガラス繊維(B1)の混合
堆積層/PPシート/ガラス繊維(A1)の堆積層/P
Pシートの順に積層した積層体を製造した[この積層体
全体におけるガラス繊維(A1):ガラス繊維(B1)=
75:25(重量比)]。 (2) 上記(1)で得られた積層体を用いて実施例1
と同様にしてシート状複合材料を製造し、このシート状
複合材料から裁断して得られた2枚のブランクを用い
て、実施例1と同様にして4つのリブを内側に有する図
4の成形品6を製造した。この成形品6の平面部のノッ
チ付きIzod衝撃強さおよびリブ部の曲げ強さを上記
した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりの
結果であった。
【0050】《比較例 4》PPシートとPPシートと
の間に堆積させるガラス繊維が、すべて、ガラス繊維
(A1)とガラス繊維(B1)との混合繊維[ガラス繊維
(A1):ガラス繊維(B1)=50:50(重量比)]
であった以外は実施例4と同様にしてシート状複合材料
を製造し、このシート状複合材料から裁断して得られた
2枚のブランクを用いて、実施例1と同様にして4つの
リブを内側に有する図4の成形品6を製造した。この成
形品6の平面部のノッチ付きIzod衝撃強さおよびリ
ブ部の曲げ強さを上記した方法で測定したところ、下記
の表1に示すとおりの結果であった。
【0051】《比較例 5》第1のPPシートと第2の
PPシートとの間に堆積させるガラス繊維がガラス繊維
(A1):ガラス繊維(B1)=20:80(重量比)の
混合繊維であり、第2のPPシートと第3のPPシート
との間および第3のPPシートと第4のPPシートとの
間に堆積させるガラス繊維がガラス繊維(B1)であ
り、第4のPPシートと第5のPPシートとの間に堆積
させるガラス繊維がガラス繊維(A1):ガラス繊維
(B1)=20:80(重量比)の混合繊維であった以
外は実施例4と同様にしてシート状複合材料[シート状
複合材料全体におけるガラス繊維(A1):ガラス繊維
(B1)=10:90(重量比)]を製造し、このシー
ト状複合材料から裁断して得られた2枚のブランクを用
いて、実施例1と同様にして4つのリブを内側に有する
図4の成形品6を製造した。この成形品6の平面部のノ
ッチ付きIzod衝撃強さおよびリブ部の曲げ強さを上
記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおり
の結果であった。
【0052】《比較例 6》第1のPPシートと第2の
PPシートとの間に堆積させるガラス繊維がガラス繊維
(A1)であり、第2のPPシートと第3のPPシート
との間および第3のPPシートと第4のPPシートとの
間に堆積させるガラス繊維がガラス繊維(A1):ガラ
ス繊維(B1)=80:20(重量比)の混合繊維であ
り、第4のPPシートと第5のPPシートとの間に堆積
させるガラス繊維がガラス繊維(A1)であった以外は
実施例4と同様にしてシート状複合材料[シート状複合
材料全体におけるガラス繊維(A1):ガラス繊維
(B1)=90:10(重量比)]を製造し、このシー
ト状複合材料から裁断して得られた2枚のブランクを用
いて、実施例1と同様にして4つのリブを内側に有する
成形品6を製造した。この成形品6の平面部のノッチ付
きIzod衝撃強さおよびリブ部の曲げ強さを上記した
方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりの結果
であった。
【0053】
【表1】
【0054】上記表1の結果から、本発明における上記
した要件(a)〜(d)のすべてを満たしている実施例
1〜6のシート状複合材料を用いた場合には、成形品の
平面部のノッチ付Izod衝撃強さおよび成形品のリブ
部の曲げ強さの両方の値が大きくて平面部およびリブ部
の力学的特性が共に優れていて且つバランスのとれた良
好な成形品がスタンピング成形によって得られることが
わかる。これに対して、本発明における上記した要件
(a)〜(d)のうち、要件(b)〜(d)を満たして
いない比較例1および比較例2、要件(c)と(d)を
満たしていない比較例3、要件(d)を満たしていない
比較例4、要件(b)を満たしていない比較例5と比較
例6は、いずれも、成形品の平面部のノッチ付Izod
衝撃強さが実施例1〜6に比べて大幅に劣っているか、
または成形品のリブ部の曲げ強さが実施例1〜6に比べ
て大幅に劣っており、平面部とリブ部の両方の力学的特
性に優れるバランスのとれた成形品が得られないことが
わかる。
【0055】
【発明の効果】本発明のシート状複合材料はスタンピン
グ成形などで用いる成形用素材として適しており、本発
明のシート状複合材料を用いてスタンピング成形などの
成形を行った場合には、成形品におけるリブ、ボス、そ
の他の凹凸部や細部にもガラス繊維が充填・分散され
て、それらの凹凸部や細部の強度が大きく、しかも成形
品本体の平面部の力学的特性、特に耐衝撃性にも優れる
バランスのとれた成形品を、簡単な操作で円滑に製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一方の表面側で、ガラス繊維(A)の全ガラス
繊維に対する重量比が、シート状複合材料全体における
全ガラス繊維に対するガラス繊維(A)の重量比よりも
高くなっている本発明のシート状複合材料の一例を示す
図である。
【図2】両方の表面側で、ガラス繊維(A)の全ガラス
繊維に対する重量比が、シート状複合材料全体における
全ガラス繊維に対するガラス繊維(A)の重量比よりも
高くなっている本発明のシート状複合材料の一例を示す
図である。
【図3】本発明のシート状複合材料を用いて製造される
リブ部を有する成形品の例を示す図である。
【図4】実施例および比較例で製造したリブ部を有する
成形品の形状および寸法を示す図である。
【図5】成形品のリブ部の曲げ強さの測定方法を示す図
である。
【符号の説明】
1 シート状複合材料 2 一方の表面側 3 奥の部分 4 両方の表面側 5 中央部 6 成形品 7 リブ 8 リブ 9 リブ 10 リブ 11 試験片 12 支持用治具 12’支持用治具 13 圧子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 昭彦 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 谷口 邦利 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂およびガラス繊維からなる
    シート状複合材料であって、 (a) ガラス繊維が、繊維長5〜100mmの範囲
    の、長さの異なる2種類以上のガラス繊維からなってお
    り; (b) シート状複合材料中の全ガラス繊維の20〜8
    0重量%が繊維長5〜40mmのガラス繊維(A)であ
    り; (c) 残りの80〜20重量%のガラス繊維(B)
    は、ガラス繊維(A)のうちの最も長い繊維の1.5倍
    以上の長さを有しており;そして、 (d) シート状複合材料の一方の表面側または両方の
    表面側では、全ガラス繊維に対するガラス繊維(A)の
    重量比が、シート状複合材料全体における全ガラス繊維
    に対するガラス繊維(A)の重量比よりも高くなってい
    る; ことを特徴とするシート状複合材料。
  2. 【請求項2】 ガラス繊維(A)の繊維長が20〜40
    mmである請求項1のシート状複合材料。
  3. 【請求項3】 繊維長5〜40mmのガラス繊維(A)
    と、ガラス繊維(A)のうちの最も長い繊維の1.5倍
    以上の長さを有している繊維長100mm以下のガラス
    繊維(B)を20:80〜80:20の重量比で用い
    て、ガラス繊維(A)の全ガラス繊維に対する重量比
    が、シート状複合材料の一方の表面側または両方の表面
    側で、シート状複合材料全体における全ガラス繊維に対
    するガラス繊維(A)の重量比よりも高くなるようにし
    て、ガラス繊維(A)およびガラス繊維(B)を繊維マ
    ット状に1段または複数段に配置させ、それに熱可塑性
    樹脂を含浸させ一体化して、請求項1のシート状複合材
    料を製造する方法。
  4. 【請求項4】 繊維長5〜40mmのガラス繊維(A)
    と、ガラス繊維(A)のうちの最も長い繊維の1.5倍
    以上の長さを有している繊維長100mm以下のガラス
    繊維(B)を20:80〜80:20の重量比で用い
    て、ガラス繊維(A)の全ガラス繊維に対する重量比が
    シート状複合材料の一方の表面側または両方の表面側
    で、シート状複合材料全体における全ガラス繊維に対す
    るガラス繊維(A)の重量比よりも高くなるようにし
    て、ガラス繊維(A)とガラス繊維(B)を落下・堆積
    させ、それに熱可塑性樹脂を含浸させ一体化して、請求
    項1のシート状複合材料を製造する方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2のシート状複合材料を
    用いて製造された成形品。
  6. 【請求項6】 スタンピング成形により製造された請求
    項5の成形品。
JP21077394A 1994-08-12 1994-08-12 熱可塑性樹脂およびガラス繊維からなるシート状複合材料 Pending JPH0852735A (ja)

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