JPH05154962A - 熱成形用繊維強化熱可塑性樹脂積層シート並びに繊維強化熱可塑性樹脂積層異形成形品及びこれ等の製造方法 - Google Patents

熱成形用繊維強化熱可塑性樹脂積層シート並びに繊維強化熱可塑性樹脂積層異形成形品及びこれ等の製造方法

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JPH05154962A
JPH05154962A JP3319243A JP31924391A JPH05154962A JP H05154962 A JPH05154962 A JP H05154962A JP 3319243 A JP3319243 A JP 3319243A JP 31924391 A JP31924391 A JP 31924391A JP H05154962 A JPH05154962 A JP H05154962A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
reinforced thermoplastic
fiber
sheet
laminated
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Application number
JP3319243A
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English (en)
Inventor
Masahiro Ishii
正裕 石居
Kiyoyasu Fujii
清康 藤井
Masaki Ito
正喜 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面平滑で、機械的強度、剛性及び耐衝撃性
に優れた熱成形用繊維強化樹脂樹脂積層シート並びに繊
維強化樹脂樹脂積層異形成形品を得る。 【構成】 連続ガラス繊維マットにポリプロピレン樹脂
を溶融含浸してなるガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂
シート(厚さ3.7mm、繊維含有量40重量%)を芯層
として用いる。エチレン−プロピレンラバーシート(厚
さ0.3mm、JIS A硬度60、曲げ弾性率5 kg/
mm2 )表層として用いる。上記芯層の両面に上記表層を
積層し、これを熱プレスにより温度200℃×圧力10
kg/cm2 で加熱加圧して芯層と表層を熱溶融させ、目
的の熱成形用繊維強化熱可塑性樹脂積層シートを製造す
る。また、このような積層シートをマッチドダイで加熱
加圧して目的の積層異形成形品を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱成形用繊維強化熱
可塑性樹脂積層シート並びに繊維強化熱可塑性樹脂積層
異形成形品及びこれ等の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる芯
層の少なくとも片面に熱可塑性樹脂シートからなる表層
を積層し、これを加熱加圧して芯層と表層とを熱溶着さ
せて熱成形用繊維強化熱可塑性樹脂積層シートを製造
し、この積層シートを用いて、プレス成形等の熱成形に
より各種異形の成形品を成形することは知られている
(例えば、特開昭58−188649号公報及び特開昭
63−214444号公報参照)。
【0003】また、繊維強化熱可塑性樹脂シートからな
る芯層の少なくとも片面に接着剤を介して熱可塑性樹脂
シートからなる表層を積層し、これを加熱加圧して芯層
と表層を接着させて各種異形の成形品を成形することも
知られている(例えば、特開昭60−40984号公報
参照)。
【0004】この場合、芯層及び表層の熱可塑性樹脂と
しては、一般にポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート、塩
化ビニル樹脂、ABS樹脂などの機械的強度と剛性の良
好な樹脂が使用される。また、強化繊維としては、一般
にガラス繊維が使用される
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来方法で
得られる熱成形用繊維強化熱可塑性樹脂積層シート並び
に繊維強化熱可塑性樹脂積層異形成形品は、芯層が繊維
強化熱可塑性樹脂シートからなるので機械的強度及び剛
性が優れている。また、表層が熱可塑性樹脂シートから
なるので表面の平滑性がよい。しかし、耐衝撃性が充分
でなく、この点でまだ改善すべき問題がある。
【0006】この本発明は、上記の問題点を解決するも
ので、その目的とするところは、表面の平滑性がよく、
しかも機械的強度、剛性及び耐衝撃性に優れた熱成形用
繊維強化樹脂樹脂積層シート並びに繊維強化熱可塑性樹
脂積層異形成形品及びこれ等の製造方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の熱成形用繊維強化熱可塑性樹脂積層シー
トは、繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる芯層の少な
くとも片面にエラストマーシートからなる表層が熱融着
により積層されている(請求項1の発明)。
【0008】また、この発明の繊維強化熱可塑性樹脂積
層異形成形品は、繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる
芯層の少なくとも片面にエラストマーシートからなる表
層が熱融着により積層されている(請求項2の発明)。
【0009】この発明の熱成形用繊維強化熱可塑性樹脂
積層シートの製造方法は、繊維強化熱可塑性樹脂シート
からなる芯層の少なくとも片面にエラストマーシートか
らなる表層を積層し、これを加熱加圧して芯層と表層を
熱融着させるものである(請求項3の発明)。
【0010】また、この発明の繊維強化熱可塑性樹脂積
層異形成形品の製造方法は、前記請求項1記載の熱成形
用繊維強化熱可塑性樹脂積層シートを加熱加圧して異形
に成形するものである(請求項4の発明)。
【0011】この発明のもう一つの繊維強化熱可塑性樹
脂積層異形成形品の製造方法は、エラストマーシートか
らなる表層を上型と下型とからなる金型の少なくとも一
方の型内面に沿って密着するように異形に予備成形し、
この下型の上面に加熱された繊維強化熱可塑性樹脂シー
トからなる芯層を載置し、これに上型を降下させ加熱加
圧して芯層と表層とを熱融着させるとともに異形に成形
するものである(請求項5の発明)。
【0012】この発明において、熱成形とは、所謂プレ
ス成形、真空成形、圧空成形等を含むものとする。これ
等の発明において、強化繊維としては、使用する熱可塑
性樹脂粉末の溶融温度において熱的に安定な繊維が用い
られる。例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコン・チ
タン・炭素繊維、ボロン繊維、微細な金属繊維等の無機
繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊
維等の有機繊維が用いられる。特に、ガラス繊維が好適
である。
【0013】このような強化繊維は、チョップドストラ
ンドマット、連続ストランドマット等の繊維マット及び
一般に長さ5mm以上に切断されたロービング繊維等が用
いられる。強化繊維の長さが5mmよりも短くなると、繊
維による補強効果が小さくなる。各種形状の成形品を成
形する際して、連続長繊維を使用するよりも長さ5mm以
上に切断された短繊維を使用するの方が流動性がよいの
で好ましい。
【0014】強化繊維を構成するモノフィラメントの直
径は、一般に1〜50μm 好ましい。また、モノフィラ
メントが収束剤により収束された状態の強化繊維を使用
する場合には、収束剤の付着量が1重量%以下が好まし
い。収束剤の付着量が1重量%を上回ると、強化繊維を
モノフィラメント単位に分離するのが困難となり、樹脂
粉末のモノフィラメント間への含浸性が低下する。
【0015】これ等の繊維で強化される熱可塑性樹脂と
しては、機械的強度と剛性の良好な熱可塑性樹脂が用い
られる。このような熱可塑性樹脂としては、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレン
オキサイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエー
テルケトン等が挙げられる。
【0016】また、上記の樹脂を主成分とする共重合体
やグラフト樹脂や変成樹脂、例えば、エチレン−塩化ビ
ニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン−塩化ビニル共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、マレイン酸変成ポリエチレン、アクリル酸変成ポリ
プロピレン等も用いられる。
【0017】なお、これ等の樹脂には、必要に応じて、
安定剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料
のような公知の添加剤が配合されてもよい。繊維強化熱
可塑性樹脂シートからなる芯層は、上記の強化繊維と熱
可塑性樹脂を用いて公知の方法で製造される。例えば、
マット状の強化繊維の上下に熱可塑性樹脂シート又は粉
末を載せ、これを熱プレスにより加圧するか或いは一対
の無端ベルトで挟んで加熱炉の中に搬送することによ
り、熱可塑性樹脂を溶融させ強化繊維に含浸させる方法
で製造される。また、長さが5mm以上の短い強化繊維と
熱可塑性樹脂粉末を混合した後マット状に集積し、これ
を熱プレスにより加圧するか或いは一対の無端ベルトで
挟んで加熱炉の中に搬送することにより、熱可塑性樹脂
を溶融させ強化繊維に含浸させる方法で製造される。
【0018】この場合、強化繊維は5〜70重量%の範
囲で混合されるのが好ましい。強化繊維が5重量%より
少ないと機械的強度が充分に向上しない。逆に、強化繊
維が70重量%より多くなると剛性が著しく低下し、ま
た流動性も低下する。繊維強化熱可塑性樹脂シートから
なる芯層は、曲げ弾性率が300 kg/mm2 以上のもの
を使用するのが好ましい。
【0019】この発明において、エラストマーとは、高
い弾性を示す高分子物質の総称であり、例えば、ブタジ
エンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プ
ロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブ
チルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム等の合成ゴム;
スチレン系、オレフィン系、塩化ビニル系、ウレタン
系、ポリエステル系、ポリアミド系等の熱可塑性エラス
トマー;塩素化ポリエチレン、部分架橋エチレン−プロ
ピレン−ジエン共重合体(EPDM)/プロピレングラ
フト物等の中から適当なものが選定される。
【0020】エラストマーシートからなる表層は、上記
のエラストマーを押出機又はカレンダーロールを用いて
溶融させシート状に成形することにより製造される。エ
ラストマーシートは、JIS K6301によるJIS
A硬度が45以上でD硬度が50以下のものが好まし
い。この範囲を外れると軟らかすぎるか或いは硬すぎて
耐衝撃性の改善効果が充分でない。また、曲げ弾性率が
45 kg/mm2 以下のものが好ましい。曲げ弾性率が4
5 kg/mm2 を越えると反発弾性が高くなりすぎて衝撃
吸収性が低下する。
【0021】また、エラストマーシートからなる表層の
厚さは、最終的に得られる積層成形品の全厚みの0.1
〜25%とするのが好ましい。全厚みが0.1%下回る
と耐衝撃性の改善効果が小さく、逆に全厚みが25%を
上回ると剛性が低下し、これを構造部材として使用する
場合は適当でない。
【0022】なお、エラストマーシートは、強化繊維で
補強されていてもよい。この場合、強化繊維は50重量
%以下の範囲で含有される。強化繊維の含有量が50重
量%を越えると、シートの柔軟性が低下して耐衝撃性の
改善効果が小さくなる。
【0023】この発明の熱成形性繊維強化熱可塑性樹脂
積層シートを製造するには、前記の繊維強化熱可塑性樹
脂シートからなる芯層の少なくとも片面にエラストマー
シートからなる表層を積層し、これを加熱加圧して芯層
と表層を熱融着させる。加熱加圧の方法としては、例え
ば、上記芯層と表層の積層物を熱プレスにより加圧する
か(温度150〜280℃、圧力0.1〜100 kg/
cm2 )、或いは一対の無端ベルトで挟んで(圧力0.1
〜100 kg/cm2 )加熱炉の中に搬送することによ
り、少なくとも芯層の熱可塑性樹脂を溶融させ芯層と表
層を熱融着させる方法が採用される。
【0024】このようにして製造される熱成形性繊維強
化熱可塑性樹脂積層シートの厚さは、一般に0.5〜5
0mmに調節される。積層シートの厚さが0.5mmを下回
ると、この積層シートを用いて異形の成形品を熱成形す
る際に、多くの数枚を重ねて成形せねばならず生産性が
低下する。逆に、積層シートの厚さが50mmを上回る
と、積層シートを加熱する際に、厚さ方向の温度が不均
一となり成形性が悪くなる。
【0025】また、この発明の繊維強化熱可塑性樹脂積
層異形成形品は、上記の熱成形性繊維強化熱可塑性樹脂
積層シートを用い、例えば、次のようにして製造するこ
とができる。先ず、熱成形性繊維強化熱可塑性樹脂積層
シートを適当な加熱装置により加熱し軟化させる。次い
で、この軟化した積層シートを一枚又は適当な枚数重
ね、これを加熱されたマッチドメタルダイの下型面上に
載せ、これに上型を降下させ加熱加圧して型の形状に賦
形し、冷却後脱型し各種異形の成形品を製造する。
【0026】このように、熱成形性繊維強化熱可塑性樹
脂積層シートを用いて繊維強化熱可塑性樹脂積層成形品
を製造するほか、繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる
芯層を一枚又は適当な枚数重ね、この芯層の少なくとも
片面にエラストマーシートからなる表層を積層し、これ
を適当な加熱装置により加熱し軟化させる。次いで、こ
の軟化した積層シートを加熱されたマッチドメタルダイ
の下型内面上に載せ、これに上型を降下させ加熱加圧し
て型の形状に賦形し、冷却後脱型し各種異形の成形品を
製造することができる。
【0027】また、次のような方法でも各種異形の成形
品を製造することができる。先ず、エラストマーシート
からなる表層を適当な加熱装置により加熱し軟化させ、
これを真空引きが可能なマッチドメタルダイの下型内面
上に載せ、下型内面に沿って密着するように真空賦形に
より異形に予備成形する。次いで、このエラストマーシ
ート上に、適当な加熱装置により加熱し軟化させた繊維
強化熱可塑性樹脂シートからなる芯層を一枚又は適当な
枚数だけ重ねて載置し、さらに必要に応じてエラストマ
ーシートを上記と同様にして上型内面に沿って密着する
ように異形に予備成形し、その後この上型を降下させ加
熱加圧して型の形状に異形に成形するとともに表層と芯
層とを熱融着し、冷却後脱型し各種異形の成形品を製造
する。
【0028】このように、エラストマーシートからなる
表層と繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる芯層とを別
々に使用し、上記のような方法で芯層と表層とを熱融着
させることにより異形成形品を製造する方法は、芯層の
みを適当な枚数重ねて肉厚とし、エラストマー層が異形
成形品の表面にのみに存在するように成形することがで
きる。それゆえ、熱成形性繊維強化熱可塑性樹脂積層シ
ートを使用し、これを適当な枚数重ねて肉厚の異形成形
品を製造する方法のように、エラストマー層が異形成形
品の内部に層状に余分に存在しないので、この余分なエ
ラストマー層による機械的強度や剛性の低下が防止され
るという利点がある。
【0029】
【作用】この発明によれば、繊維強化熱可塑性樹脂シー
トからなる芯層の少なくとも片面にエラストマーシート
からなる表層が熱融着により積層されるので、芯層によ
り優れた機械的強度と剛性が付与されるとともに、表層
のエラストマーシートの弾性により優れた耐衝撃性と表
面平滑性が付与される。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示す。実施例1 繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる芯層として、連続
ガラス繊維マット(スワール状ロービングマットにニー
ドルパンチを施したもの)にポリプロピレン樹脂を溶融
含浸してなるガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂シート
(厚さ3.7mm、繊維含有量40重量%)を用いた。
【0031】また、エラストマーシートからなる表層と
して、エチレン−プロピレンラバーシート(厚さ0.3
mm、JIS A硬度60、曲げ弾性率5kg/mm2 )を
用いた。
【0032】上記の繊維強化熱可塑性樹脂シートからな
る芯層の両面に、上記のエラストマーシートを積層し、
これを熱プレスにより温度200℃×圧力10kg/cm
2 で加熱加圧して芯層と表層を熱融着させた後冷却し
て、厚さ4.3mmの表面平滑な熱成形性繊維強化熱可塑
性樹脂積層シートを製造した。
【0033】この積層シートから幅20mm×長さ150
mmの試験片を切り出し、支点間距離120mmで三点曲げ
試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。曲げ
強度は14.3 kg/mm2 、曲げ弾性率は649 kg/
mm2 であった。また、JISK7211に準じ、なす1
型の1 kg重錘を落下させて50%破壊高さを測定し
た。50%破壊高さは4.7mであった。
【0034】実施例2 繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる芯層として、長さ
2.5cmに切断したガラス繊維ロービング(モノフィラ
メントの直径14μm 、1100kg/km)にポリ塩化
ビニル(平均重合度540)とグリシジルメタクリレー
ト共重合体5重量部とブチル錫マレエート3重量部と配
合樹脂を溶融含浸してなるガラス繊維強化塩化ビニル樹
脂シート(厚さ3.8mm、繊維含有量30重量%)を用
いた。
【0035】また、エラストマーシートからなる表層と
して、アクリロニトリル−ブタジエンラバーシート(厚
さ0.5mm、JIS A硬度77、曲げ弾性率6 kg/
mm2 )を用いた。
【0036】上記の繊維強化熱可塑性樹脂シートからな
る芯層の片面に、上記のエラストマーシートを積層し、
これを上下一対の無端ベルトに挟んで搬送し、加熱炉内
で約200℃に加熱し芯層と表層を熱融着させた後冷却
して、厚さ4.3mmの表面平滑な熱成形性繊維強化熱可
塑性樹脂積層シートを製造した。
【0037】この積層シートを型面より小さく裁断して
二枚重ね、これを遠赤外線ヒーターで210℃に加熱し
軟化させた後、この軟化した二枚の積層シートを60℃
に加熱されたマッチドメタルダイ(箱形)の下型面上に
載せ、これに上型を降下させ圧力20 kg/cm2 で加熱
加圧して型の形状に成形し、冷却後脱型して、表面平滑
な箱形の繊維強化熱可塑性樹脂積層異形成形品(縦50
0mm×横500mm×深さ100mm×厚さ4.9mm)を製
造した。
【0038】この箱形成形品の天板部分について、実施
例1と同様にして曲げ強度、曲げ弾性率及び50%破壊
高さを測定した。曲げ強度は14.9 kg/mm2 、曲げ
弾性率は677 kg/mm2、50%破壊高さは3.4m
であった。
【0039】実施例3 繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる芯層として、連続
ガラス繊維マット(スワール状ロービングマットにニー
ドルパンチを施したもの)にポリプロピレン樹脂を溶融
含浸してなるガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂シート
(厚さ3.7mm、繊維含有量40重量%)を用いた。
【0040】また、エラストマーシートからなる表層と
して、エチレン−プロピレンラバーシート(厚さ0.2
mm、JIS A硬度60、曲げ弾性率5kg/mm2 )を
用いた。
【0041】上記のエラストマーシートを約90℃に加
熱し、これを真空引きが可能なマッチドダイ(箱形)の
上型と下型の両方の内面に沿って真空賦形し、この下型
に200℃に加熱された上記の繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートからなる芯層(シートを型面より小さく裁断して二
枚重ねたもの)を載せ、これに上型を降下させ、圧力2
0 kg/cm2 で加熱加圧して芯層と表層を熱融着させた
後冷却して、表面平滑な箱形の繊維強化熱可塑性樹脂積
層異形成形品(縦500mm×横500mm×深さ100mm
×厚さ4.9mm)を製造した。
【0042】この箱形成形品の天板部分について、実施
例1と同様にして曲げ強度、曲げ弾性率及び50%破壊
高さを測定した。曲げ強度は15.6 kg/mm2 、曲げ
弾性率は670 kg/mm2、50%破壊高さは4.5m
であった。
【0043】実施例4 繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる芯層として、長さ
2.5cmに切断したガラス繊維ロービング(モノフィラ
メントの直径14μm 、1100kg/km)に、ポリ塩
化ビニル(平均重合度540)とグリシジルメタクリレ
ート共重合体5重量部とブチル錫マレエート3重量部と
の配合樹脂を溶融含浸してなるガラス繊維強化塩化ビニ
ル樹脂シート(厚さ3.8mm、繊維含有量30重量%)
を用いた。
【0044】また、エラストマーシートからなる表層と
して、アクリロニトリル−ブタジエンラバーシート(厚
さ0.5mm、JIS A硬度77、曲げ弾性率6 kg/
mm2 )を用いた。
【0045】上記のエラストマーシートを約90℃に加
熱し、これを真空引きが可能なマッチドダイ(箱形)の
下型の内面に沿って真空賦形し、この下型に210℃に
加熱された上記の繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる
芯層(シートを型面より小さく裁断して二枚重ねたも
の)を載せ、これに上型を降下させ圧力20 kg/cm2
で加熱加圧して芯層と表層を熱融着させた後冷却して、
表面平滑な箱形の繊維強化熱可塑性樹脂積層異形成形品
(縦500mm×横500mm×深さ100mm×厚さ4.9
mm)を製造した。
【0046】この箱形成形品の天板部分について、実施
例1と同様にして曲げ強度、曲げ弾性率及び50%破壊
高さを測定した。曲げ強度は16.0 kg/mm2 、曲げ
弾性率は695 kg/mm2、50%破壊高さは3.1m
であった。
【0047】比較例1 実施例1で用いた繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる
芯層、すなわち、連続ガラス繊維マット(スワール状ロ
ービングマットにニードルパンチを施したもの)に、ポ
リプロピレン樹脂を溶融含浸してなるガラス繊維強化ポ
リプロピレン樹脂シート(厚さ3.7mm、繊維含有量4
0重量%)について、実施例1と同様にして曲げ強度、
曲げ弾性率及び50%破壊高さを測定した。曲げ強度は
16.5kg/mm2 、曲げ弾性率は709 kg/mm2
50%破壊高さは3.7mであった。
【0048】この比較例1と実施例1とを比較すること
により、この発明が優れていることがわかる。比較例2 実施例2で用いた熱成形性繊維強化熱可塑性樹脂積層シ
ートに替えて、実施例2で用いた繊維強化熱可塑性樹脂
シートからなる芯層、即ち、長さ2.5cmに切断したガ
ラス繊維ロービング(モノフィラメントの直径14μm
、1100 kg/km)にポリ塩化ビニル(平均重合度
540)とグリシジルメタクリレート共重合体5重量部
とブチル錫マレエート3重量部との配合樹脂を溶融含浸
してなるガラス繊維強化塩化ビニル樹脂シート(厚さ
3.8mm、繊維含有量30重量%)を用いた。それ以外
は実施例2と同様に行った。
【0049】得られた箱形成形品の天板部分について、
実施例1と同様にして曲げ強度、曲げ弾性率及び50%
破壊高さを測定した。曲げ強度は16.9 kg/mm2
曲げ弾性率は711 kg/mm2 、50%破壊高さは2.
4mであった。
【0050】この比較例2と実施例2とを比較すること
により、この発明が優れていることがわかる。比較例3 実施例3で用いた繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる
芯層、すなわち、連続ガラス繊維マット(スワール状ロ
ービングマットにニードルパンチを施したもの)にポリ
プロピレン樹脂を溶融含浸してなるガラス繊維強化ポリ
プロピレン樹脂シート(厚さ3.7mm、繊維含有量40
重量%)を用いた。
【0051】この繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる
芯層を型面より小さく裁断して二枚重ね、これを遠赤外
線ヒーターで200℃に加熱し軟化させた後、この軟化
した二枚のシートを60℃に加熱されたマッチドメタル
ダイ(箱形)の下型に載せ、これに上型を降下させ圧力
20 kg/cm2 で加熱加圧して型の形状に成形し、冷却
後脱型して、箱形の繊維強化熱可塑性樹脂積層異形成形
品(縦500mm×横500mm×深さ100mm×厚さ4.
9mm)を製造した。
【0052】この箱形成形品の天板部分について、実施
例1と同様にして曲げ強度、曲げ弾性率及び50%破壊
高さを測定した。曲げ強度は16.5 kg/mm2 、曲げ
弾性率は709 kg/mm2、50%破壊高さは3.7m
であった。
【0053】この比較例3と実施例3とを比較すること
により、この発明が優れていることがわかる。比較例4 実施例4で用いた繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる
芯層、すなわち、長さ2.5cmに切断したガラス繊維ロ
ービング(モノフィラメントの直径14μm 、1100
kg/km)にポリ塩化ビニル(平均重合度540)とグ
リシジルメタクリレート共重合体5重量部とブチル錫マ
レエート3重量部との配合樹脂を溶融含浸してなるガラ
ス繊維強化塩化ビニル樹脂シート(厚さ3.8mm、繊維
含有量30重量%)を用いた。
【0054】この繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる
芯層を型面より小さく裁断して二枚重ね、これを遠赤外
線ヒーターで200℃に加熱し軟化させた後、この軟化
した二枚のシートを60℃に加熱されたマッチドメタル
ダイ(箱形)の下型に載せ、これに上型を降下させ圧力
20 kg/cm2 で加熱加圧した後冷却して、箱形の繊維
強化熱可塑性樹脂異形成形品(縦500mm×横500mm
×深さ100mm×厚さ4.9mm)を製造した。
【0055】この箱形成形品の天板部分について、実施
例1と同様にして曲げ強度、曲げ弾性率及び50%破壊
高さを測定した。曲げ強度は16.9 kg/mm2 、曲げ
弾性率は711 kg/mm2、50%破壊高さは2.4m
であった。
【0056】この比較例4と実施例4とを比較すること
により、この発明が優れていることがわかる。
【0057】
【発明の効果】上述の通り、この発明の熱成形用繊維強
化熱可塑性樹脂積層シート並びに繊維強化熱可塑性樹脂
積層異形成形品は、いずれも繊維強化熱可塑性樹脂シー
トからなる芯層の少なくとも片面にエラストマーシート
からなる表層が熱融着により積層されており、表面の平
滑性がよく、機械的強度、剛性及び耐衝撃性が優れてい
る。特に、従来のこの種の積層シート並びに積層異形成
形品にくらべ、耐衝撃性が優れている。
【0058】また、この発明の熱成形用繊維強化熱可塑
性樹脂積層シートの製造方法並びに繊維強化熱可塑性樹
脂積層異形成形品の製造方法は、いずれも繊維強化熱可
塑性樹脂シートからなる芯層の少なくとも片面にエラス
トマーシートからなる表層を積層し、これを加熱加圧し
て芯層と表層を熱融着させるとともにシート或いは異形
に成形するものであり、従来のこの種の積層シート並び
に積層異形成形品の製造方法と同様に、その製造工程は
簡単である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる芯
    層の少なくとも片面にエラストマーシートからなる表層
    が熱融着により積層されていることを特徴とする熱成形
    用繊維強化熱可塑性樹脂積層シート。
  2. 【請求項2】 繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる芯
    層の少なくとも片面にエラストマーシートからなる表層
    が熱融着により積層されていることを特徴とする繊維強
    化熱可塑性樹脂積層異形成形品。
  3. 【請求項3】 繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる芯
    層の少なくとも片面にエラストマーシートからなる表層
    を積層し、これを加熱加圧して芯層と表層を熱融着させ
    ることを特徴とする熱成形用繊維強化熱可塑性樹脂積層
    シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の熱成形用繊維強化熱可塑
    性樹脂積層シートを加熱加圧して異形に成形することを
    特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂積層異形成形品の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 エラストマーシートからなる表層を上型
    と下型とからなる金型の少なくとも一方の型内面に沿っ
    て密着するように異形に予備成形し、この下型の上面に
    加熱された繊維強化熱可塑性樹脂シートからなる芯層を
    載置し、これに上型を降下させ加熱加圧して芯層と表層
    とを熱融着させるとともに異形に成形することを特徴と
    する繊維強化熱可塑性樹脂積層異形成形品の製造方法。
JP3319243A 1991-12-03 1991-12-03 熱成形用繊維強化熱可塑性樹脂積層シート並びに繊維強化熱可塑性樹脂積層異形成形品及びこれ等の製造方法 Pending JPH05154962A (ja)

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