JPH06246742A - 成形性に優れた板状ガラス繊維強化熱可塑性樹脂 - Google Patents

成形性に優れた板状ガラス繊維強化熱可塑性樹脂

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JPH06246742A
JPH06246742A JP3526593A JP3526593A JPH06246742A JP H06246742 A JPH06246742 A JP H06246742A JP 3526593 A JP3526593 A JP 3526593A JP 3526593 A JP3526593 A JP 3526593A JP H06246742 A JPH06246742 A JP H06246742A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
glass fiber
fiber
reinforced thermoplastic
resin
Prior art date
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Pending
Application number
JP3526593A
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English (en)
Inventor
Tomoshige Ono
友重 尾野
Masabumi Komatsu
正文 小松
Yuichi Uchida
祐一 内田
Masahiro Wakui
正浩 涌井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維径5〜30μm、繊維長5〜45mmのガラス
繊維を10〜70wt%含有する板状ガラス繊維強化熱可塑性
樹脂において流動成形後に繊維の突き出しのない良好な
製品表面性状を得る。 【構成】 熱可塑性樹脂のメルトインデックス(MI)
を板厚方向中心部から表層部に向かって大きくなるよう
な層構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形性、特に成形後の
表面外観の優れたガラス繊維強化熱可塑性樹脂に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の成形上の特長を生かしつ
つ、高剛性および高強度という特性を付加する手段とし
て、高弾性率繊維の添加による複合化技術が知られてい
る。高弾性率繊維としては、通常安価なガラス繊維が使
用され、複合化された熱可塑性樹脂は、軽量性と高剛性
および高強度が要求される種々の構造部材用の素材とし
て使用される。これらの素材は通常、マトリックスであ
る熱可塑性樹脂の融点以上に熱せられた後に成形され、
形状を付与されるのであるが、特にプレス機を使用した
成形や大型部品の成形に適する板状あるいはシート状の
素材を製造する方法として、下記の2方法が公知であ
る。
【0003】一つは、マット状のガラス繊維に熱可塑性
樹脂を含浸させてガラス繊維強化複合体を製造する方法
であって、例えば特公平2−51928 号公報等にその改良
技術が見られる。他方は、平均長さ7〜50mmのガラス繊
維のチョップと粒状の熱可塑性樹脂から不繊布状のウェ
ブを形成し、これに熱と圧力を加えて、緻密に固化した
ガラス繊維強化複合体を製造する方法である。後者で
は、ウェブを形成する方法として、抄紙技術を応用し、
水性媒体中でガラス繊維と粒状樹脂とを均一分散後、多
孔性支持体上で抄くことによりウェブを得るもの(特公
平2−48243 号公報、特開昭60−158227号公報)とこの
ような媒体を用いず、直接、ガラス繊維と粒状樹脂とか
らウェブを形成するもの(特開平3−47740 号公報)と
の2種類がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】連続ガラス繊維マット
に熱可塑性樹脂を含浸させたものは、見かけ上、成形時
の流動性に優れ、また成形品の表面性も優れるが、流動
端では、ガラス繊維と樹脂が分離し、事実上、繊維によ
る強化の効果がない。短繊維を用いているものは、開繊
度によって成形時の流動挙動が異なり、様々な構成をも
つものがある。繊維が全て開繊されたものは、成形時、
樹脂と繊維が分離することなく流動するが、繊維どうし
が絡みあい、全体としての流動性に劣る。一方、チョッ
プドストランドを開繊することなく、マトリックス樹脂
中に分散させたものは、繊維どうしの絡みが少なく、流
動性は優れるが、マトリックス中における繊維の分散が
不均一であり、機械特性の均一性に劣る。短繊維を用い
るものでは、これら両者の特長を生かしつつ、チョップ
ドストランドの開繊度を調整したもの、厚み方向に開繊
度を傾斜的に調整したもの等が考案されている。
【0005】しかし、これらいずれの従来技術において
も、成形時における樹脂の流動は、温度の低い金型に接
する部分での流動が悪く、金型に接触しない中心層が押
し出される格好で流動するため、流動部には、実圧がか
からず、繊維のスプリングバックによって成形品表面に
繊維が突き出し、成形品の表面性を著しく低下させてい
た。
【0006】また、系全体の流動性を上げるため高MI
のマトリックス樹脂を選択することも考えられるが、掛
かる低分子量化は、系全体の脆性化をまねき、耐衝撃性
を低減させる。但し、MIはJIS K7210−1976に規定さ
れるメルトインデックスであり、「一定温度、一定荷重
のもとで流れる樹脂の量」を示すものである。本発明の
目的は、これら短繊維使用品における流動成形後の製品
表面の優れたガラス繊維強化熱可塑性樹脂を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、シートの
層構成を変えることで、成形時、厚み方向の流動性の差
異をなくし、流動部の表面外観を向上させようとの発想
の基に、シートの厚み方向に中心から表層部に向かって
流動性がよくなるような層構成を持たせることに想到し
た。このような構造を有せば、低温の金型に接触する部
分の流動性を向上させ、流動部における実圧のかかる面
積を増大させることが可能となる。
【0008】シート厚み方向に中心から表層にかけて流
動性がよくなるような層構成を具現化する手段として、
熱可塑性樹脂30〜90wt%および繊維径5〜30μm、繊維
長5〜45mmのガラス繊維10〜70wt%を含有するガラス繊
維強化熱可塑性樹脂積層板において、熱可塑性樹脂のM
Iが中心部から表層部に向かって大きくなるような層構
成を有する板状ガラス繊維強化熱可塑性樹脂が挙げられ
る。このような層構成のシートを用いて成形した場合、
厚み方向の流動に差はなくなり、成形過程中、常に平均
的に圧力がかかるため、スプリングバックによる繊維の
浮き出しもなく、成形品の表面はきれいなものとなる。
【0009】
【作用】以下に本発明をさらに詳しく説明する。本発明
は、熱可塑性樹脂30〜90wt%および繊維径5〜30μm、
繊維長5〜45mmのガラス繊維10〜70wt%を含有するガラ
ス繊維強化熱可塑性樹脂積層板において、熱可塑性樹脂
のMIが中心部から表層部に向かって大きくなるような
層構成を有するので、このような層構成のシートを用い
て成形した場合、シート厚み方向に中心から表層にかけ
て流動性がよくなるので、厚み方向の流動に差はなくな
り、成形過程中、常に平均的な圧力がかかるため、スプ
リングバックによる繊維の浮き出しもなく、成形品の表
面はきれいなものとなる。
【0010】マトリックス樹脂は、熱可塑性樹脂であれ
ばよく、例えば、ポリオレフィン系の樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂
系、ポリアミド系樹脂、ポリ尿素系樹脂等が挙げられ
る。ポリオレフィン系樹脂において例えば、ポリプロピ
レン、ポリエチレンおよびその変性物、共重合体、その
混合物など、すなわちマレイン酸変性ポリオレフィン、
無水マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポ
リプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリプ
ロピレンとプロピレン−エチレン共重合体の混合物など
が挙げられる。
【0011】上記層構成を有するシートの作製方法とし
ては、例えば、抄紙法において、MIの異なる薄目付け
のウェブを作製し、シート作製時に高MIのものを表層
になるように重ね合わせて、プレスする。以下に本発明
を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0012】
【実施例】繊維径10μm、繊維長13mmのガラス繊維を用
い、マトリックス樹脂として平均粒径 100μmのMI:
50のポリプロピレンを用い、抄紙法で 300mm× 300mm、
目付け 500g/m2 のウェブを4枚得た。同様にして、
MI: 300のポリプロピレンを用い、目付け 500g/m
2 のウェブを4枚得た。これらをMI: 300、MI: 3
00、MI:50、MI:50、MI:50、MI:50、MI:
300、MI: 300の順に重ね合わせ、 200℃で10分予熱
後、 10kgf/cm2 でプレスし、外側でMI:300、内部
がMI:50の4000g/m2 のコンソリ板を得た。この板
を用い、予熱200℃×5min 、成形圧 150kgf/cm2
400mm× 400mm×30mm高さの箱状の成形品を得た。この
表面は、繊維の浮き上がりが少なく良好な表面外観を呈
した。
【0013】比較例 上記実施例1と同様の方法でMI: 300のみのコンソリ
板、及び、MI:50のみのコンソリ板を作製し、実施例
1と同様の成形条件で成形品を作製、表面性を比較し
た。MI: 300のものは、ほぼ同等の表面性を有した
が、MI:50のものでは、ガラス繊維の浮出しが目立
ち、外観不良であった。実施例1で得られた成形品及
び、ここで得られた成形品の平板部からIzod 衝撃試験
片を切り出し、衝撃試験を行ったところ、表1のような
結果が得られた。MI: 300のみのものは、耐衝撃性が
著しく劣ることがわかる。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】シートの厚み方向、中心部から表層部に
向かって傾斜的にマトリックス樹脂のMIを大きくする
ことで、流動性に優れ、また成形品の外観の優れたガラ
ス繊維強化プラスチックを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 祐一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 涌井 正浩 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂30〜90wt%および繊維径5
    〜30μm、繊維長5〜45mmのガラス繊維10〜70wt%を含
    有するガラス繊維強化熱可塑性樹脂積層板において、熱
    可塑性樹脂のメルトインデックス(MI)が板厚方向中
    心部から表層部に向かって大きくなるような層構成を有
    することを特徴とする成形性に優れた板状ガラス繊維強
    化熱可塑性樹脂。
JP3526593A 1993-02-24 1993-02-24 成形性に優れた板状ガラス繊維強化熱可塑性樹脂 Pending JPH06246742A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19951988B4 (de) * 1998-12-22 2007-01-18 Teijin Seiki Co. Ltd. Planetenreibradgetriebe mit Anpressmitteln
WO2013035705A1 (ja) * 2011-09-06 2013-03-14 帝人株式会社 繊維強化複合材料から構成される表面意匠性が優れた成形体
CN103772813A (zh) * 2014-01-06 2014-05-07 合肥杰事杰新材料股份有限公司 一种低浮纤玻纤增强聚丙烯复合材料及其制备方法
WO2021029109A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 住友化学株式会社 樹脂組成物及び成形体

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