JP5112946B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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たとえば、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置が用いられることがある。枚葉式の基板処理装置は、基板を水平に保持して回転させるスピンチャックと、このスピンチャックに保持された基板の表面に処理液を供給するノズルとを備えている。スピンチャックによって基板が回転されつつ、その回転している基板の表面に対してノズルから処理液が供給されることにより、基板の表面に処理液を用いた処理が施される。
下記特許文献1に開示された装置では、図4に示すように、処理に用いられる処理液は、タンク101に貯留されている。処理室100内に配置された処理液ノズル102には、タンク101から延びた処理液供給配管103が接続されている。処理液供給配管103の途中部には、タンク101側から順に、ポンプ104、温度調節ユニット105、フィルタ106および処理液バルブ107が介装されている。温度調節ユニット105は、タンク101から処理液ノズル102に向けて送られる処理液の温度を、所定の高温に加熱するためのものである。フィルタ106は、処理液ノズル102に向けて送られる高温の処理液中の異物を除去するためのものである。また、処理液供給配管103には、フィルタ106と処理液バルブ107との間の分岐接続部分Kにおいて、帰還路108が分岐接続されている。帰還路108の先端は、タンク101に接続されており、帰還路108の途中部には、帰還バルブ109が介装されている。
そこで、この発明の目的は、プリディスペンスに要する時間の短縮、および加熱または冷却される第1流体の消費量の低減を図ることができる基板処理装置を提供することである。
この構成によれば、第1配管および第2配管は、第1配管内に第2配管が挿通されることにより二重配管構造を形成している。第1配管には、加熱または冷却された第1流体が流通する。これにより、第2配管は、第1配管と二重配管構造をなす部分において、第1配管を流通する第1流体により加熱または冷却される。そのため、第2配管内で第1流体が滞留しても、第2配管における第1配管と二重配管構造をなす部分では、その滞留する第1流体の温度が流通時の温度(第1配管を流通する第1流体の温度)に保たれる。そして、第2配管は、処理室内において第1配管の管壁を貫通し、その先端がノズルに接続されている。そのため、第2配管が外気に露出しているのは、第2配管における第1配管の管壁を貫通した部分とノズルとの間の比較的短い配管長の部分であり、この部分においてのみ、第2配管内で第1流体が滞留したときに第1流体の温度が変化する。したがって、第1流体の滞留による温度変化を生じるのは、少量の第1流体であるので、次の基板の処理の開始に際しては、プリディスペンスが必要でないか、プリディスペンスを行うとしても、その少量の第1流体を廃棄すればよい。よって、プリディスペンスに要する時間の短縮および第1流体の消費量の低減を図ることができる。
請求項2に記載のように、基板に対して前記第1流体を用いた処理を行うための処理室(1)をさらに含み、前記処理室の内部に、前記ノズルが収容配置されており、前記第1配管は、前記処理室の外部から前記処理室の内部を経由して前記処理室の外部へと延び、前記第2配管は、前記処理室の内部において、前記第1配管の管壁を貫通してもよい。
請求項3に記載の発明は、前記ノズルに接続されており、前記第1流体と種類の異なる第2流体が流通する第3配管(15)をさらに含み、前記ノズルは、前記第1流体と前記第2流体との混合流体を吐出する、請求項1に記載の基板処理装置である。
請求項5記載の発明は、前記第1流体の流通先を、前記第1配管における前記第2配管の分岐接続部分(J)よりも下流側の下流側部分(27)と前記第2配管とに切り替えるための切替機構(26,28)をさらに含む、請求項4に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、第1バルブを閉じ、第2バルブを開くことにより、第1流体の流通先を第2配管とすることができる。一方、第1バルブを開き、第2バルブを閉じることにより、第1流体の流通先を下流側部分とすることができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を概念的に示す断面図である。この基板処理装置は、基板の一例である半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置であって、ウエハWの表面に不純物を注入するイオン注入処理後に、そのウエハWの表面から不要になったレジストを除去するためのレジスト除去処理を実施するための処理室1と、この処理室1と別置され、処理室1に処理液(硫酸および過酸化水素水)を供給するための処理液キャビネット2とを備えている。
硫酸過水ノズル4は、スピンチャック3の上方でほぼ水平に延びるノズルアーム10の先端部に取り付けられている。ノズルアーム10の基端部は、カップ6の側方においてほぼ鉛直に延びるアーム支持軸11の上端部に支持されている。アーム支持軸11には、モータ(図示せず)を含むノズル駆動機構12が結合されている。ノズル駆動機構12からアーム支持軸11に回転力を入力して、アーム支持軸11を回動させることにより、スピンチャック3の上方でノズルアーム10を揺動させることができる。
硫酸過水ノズル4の退避位置(図1に破線で図示)には、有底容器からなるプリディスペンスポッド20がその開口を上方に向けた状態で配置されている。プリディスペンスの際には、硫酸過水ノズル4を退避位置に位置させた状態で、硫酸過水ノズル4からプリディスペンスポッド20に向けて硫酸を吐出させることにより、硫酸供給配管14に残って温度低下した硫酸を排除する。硫酸過水ノズル4から吐出された硫酸は、プリディスペンスポッド20により受け止められる。プリディスペンスポッド20の底部には、プリディスペンス用廃液配管21が接続されており、このプリディスペンス用廃液配管21は、廃液を処理するための廃液設備へと延びている。プリディスペンスポッド20により受け止められた硫酸は、プリディスペンス用廃液配管21を通って廃液設備へと供給される。
硫酸供給配管14は、第1配管継手30および第2配管継手31を通って、その下流端が硫酸過水ノズル4に接続されている。具体的には、硫酸供給配管14は、処理室1内において、ノズルアーム10内を当該ノズルアーム10の沿う方向に沿って、当該ノズルアーム10の基端部から先端部まで延びている。また、処理液キャビネット2内において、硫酸供給配管14の途中部に、分岐接続部分Jと第1配管継手30との間に、硫酸供給配管14を開閉するための硫酸バルブ(第2バルブ)28が介装されている。
図2は、図1の切断面線II−IIから見た二重配管構造の断面図である。第1および第2配管継手30,31の間において、円筒状の第2循環配管33(循環配管22)の内部に、円筒状の硫酸供給配管14(二重配管部分14a)が同軸に挿通されている。硫酸供給配管14が二重配管構造の内管をなしており、第2循環配管33が二重配管構造の外管をなしている。したがって、第2循環配管33において、第2循環配管33の管壁と硫酸供給配管14の管壁とによって、硫酸が流通する流路が区画されている。この第2循環配管33中の硫酸は、硫酸供給配管14の管壁を介して、硫酸供給配管14中の硫酸と熱交換することができる。
より具体的に説明すると、ケーシング36は、円筒形状の第1円筒管39と、第1円筒管39よりも小径でかつ第1円筒管39と同軸の円筒形状の第2円筒管40と、第1円筒管39の上流側端部に接続されて、過酸化水素水を導入するための過酸化水素水導入管42と、第1円筒管39に第2円筒管40を液密状態で接続するための第3配管継手43と、第1円筒管39に供給配管14を液密状態で接続するための第4配管継手44とを備えている。第3配管継手43および第4配管継手44は、PTFE(poly tetra-fluoro ethylene)を用いて形成されている。
第2円筒管40は、たとえばPFAを用いて形成されている。第2円筒管40の内部には、第1混合室45に連通し、第1混合室45からのSPMが混合されつつ流通する第2混合室46が形成されている。その第2混合室46の先端が、吐出口38として開口している。第2円筒管40の内径が第1円筒管39の内径よりも小径にされているので、第2混合室46の流路断面は、第1混合室45の流路断面よりも小面積となっている。
装置運転中は、ポンプ23および温度調節ユニット24が常に駆動されており、レジスト除去処理を行わない時(ウエハWの表面への硫酸の供給を行わない時)には、帰還バルブ26が開かれるとともに硫酸バルブ28が閉じられている。これにより、循環配管22における分岐接続部分Jよりも上流側の上流側部分29を流通する硫酸の流通先を、下流側部分27とすることができる。これにより、レジスト除去処理を行わないときには、硫酸タンク13および循環配管22からなる循環路を硫酸が循環し、硫酸は硫酸供給配管14に供給されない。こうして硫酸を循環させておくことによって、硫酸を所定の高温(たとえば180℃)に加熱して、その加熱された硫酸を硫酸タンク13に溜めておくことができる。このとき、循環配管22には、加熱された硫酸が流通する。これにより、硫酸供給配管14は、内管14aにおいて、循環配管22を流通する硫酸により加熱される。そのため、硫酸供給配管14内で硫酸が滞留しても、二重配管部分14aでは、その滞留する硫酸の温度が流通時の高温(たとえば180℃)に保たれる。
ウエハWは、その表面を上方に向けて、スピンチャック3に保持される。ウエハWがスピンチャック3に保持されると、モータ7が駆動されて、スピンチャック3の回転が開始される。スピンチャック3の回転に伴って、スピンチャック3に保持されたウエハWも回転される。ウエハWの回転速度は、たとえば1000rpm程度に設定されている。
また、長時間にわたって硫酸過水処理が行われていないときは、硫酸供給配管14の接続部分14bに残った硫酸が温度低下しているおそれがある。このため、硫酸過水処理の開始に際して、硫酸バルブ28が開かれるとともに帰還バルブ26が閉じられて、退避位置に位置する硫酸過水ノズル4からプリディスペンスポッド20に向けて接続部分14bに残っていた少量の硫酸が吐出される(プリディスペンス)。プリディスペンスポッド20に流入した硫酸は、プリディスペンス用廃液配管21を通って廃液設備へと導かれる。予め設定されたプリディスペンス時間が終了すると、硫酸バルブ28が閉じられるとともに帰還バルブ26が開かれて、硫酸過水ノズル4からの硫酸の吐出が停止されて、プリディスペンスが終了する。
硫酸過水ノズル4がウエハWの上方に到達すると、帰還バルブ26が閉じられるとともに、硫酸バルブ28および過酸化水素水バルブ16が開かれる。硫酸バルブ28および過酸化水素水バルブ16が開かれると、硫酸および過酸化水素水が硫酸過水ノズル4に流入する。
過酸化水素水バルブ16が開かれると、図示しない過酸化水素水供給源からの過酸化水素水が、過酸化水素水供給配管15を通して、過酸化水素水ポート51に付与される。この過酸化水素水は、過酸化水素水導入管42を通して、開口50から第1混合室45へと供給される。
開口50が連通口48よりも下流側に位置している。このため、第1混合室45を流通する比較的大流量の硫酸に、比較的小流量の過酸化水素水が流入されるようになる。過酸化水素水導入管42が、第1円筒管39と同方向に延びているため、開口50からの過酸化水素水は、第1混合室45における硫酸の流れ方向に沿って流入される。硫酸の流れ方向に沿って流入した過酸化水素水は、硫酸と広範囲で接触する。そのため、硫酸と過酸化水素水との混合が促進される。また、硫酸の流れ方向に沿って過酸化水素水が流入されるために、第1混合室45内の硫酸の流れを阻害することなく、硫酸と過酸化水素水とをスムーズに混合させることができる。
硫酸過水ノズル4の内部に流入した硫酸および過酸化水素水が、混合されることによって、硫酸と過酸化水素水とが反応し、多量のペルオキソ一硫酸(H2SO5)を含む約190〜200℃のSPMが作成される。このSPMが硫酸過水ノズル4から回転中のウエハWの表面に向けて吐出される(硫酸過水処理)。その作成直後のSPM、つまりペルオキソ一硫酸の減衰がほとんど生じていないSPMがウエハの表面に供給される。
以上のようにこの実施形態によれば、循環配管22および硫酸供給配管14は、循環配管22内に硫酸供給配管14が挿通されることにより二重配管構造を形成している。循環配管22には、加熱された硫酸が流通する。これにより、硫酸供給配管14は、内管14aにおいて、循環配管22を流通する硫酸により加熱される。そのため、硫酸供給配管14内で硫酸が滞留しても、二重配管部分14aでは、その滞留する硫酸の温度が流通時の高温に保たれる。そして、硫酸供給配管14は、処理室1内において循環配管22の管壁を貫通し、その先端が硫酸過水ノズル4に接続されている。そのため、硫酸供給配管14が外気に露出しているのは、比較的短い配管長の接続部分14bであり、この接続部分14bにおいてのみ、硫酸供給配管14内で硫酸が滞留したときに硫酸の温度が低下する。したがって、硫酸の滞留による温度低下を生じるのは、少量の硫酸であるので、次のウエハWの処理の開始に際してプリディスペンスを行うとしても、その少量の硫酸を廃棄すればよい。よって、プリディスペンスに要する時間の短縮および硫酸の消費量の低減を図ることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
また、プリディスペンスの際に硫酸過水ノズル4から、硫酸だけでなく、硫酸および過酸化水素水の混合液であるSPMを吐出させる構成であってもよい。とくに構造上、硫酸だけを硫酸過水ノズル4から吐出させることが困難である場合には、硫酸過水ノズル4からSPMが吐出されることにより、プリディスペンスが行われる。
さらにまた、接続部分14bの配管長が短く、第1流体の滞留により温度変化を生じる第1流体が少量である場合には、プリディスペンスを省略することもできる。この場合に、プリディスペンスに要する時間の短縮および第1流体の消費量の低減を、より一層図ることができる。
4 硫酸過水ノズル(ノズル)
13 硫酸タンク(タンク)
14 硫酸供給配管(第2配管)
15 過酸化水素水供給配管(第3配管)
22 循環配管(第1配管)
24 温度調節ユニット
26 帰還バルブ(第1バルブ)
27 下流側部分
28 硫酸バルブ(第2バルブ)
31 第2配管継手
33 第2循環配管(往路管)
34 第3循環配管(復路管)
J 分岐接続部分
W ウエハ(基板)
Claims (6)
- 基板に第1流体を吐出するためのノズルと、
加熱または冷却された前記第1流体が流通する第1配管と、
前記第1配管内に挿通されるとともに、前記第1配管の管壁を貫通して前記ノズルに接続されており、加熱または冷却された前記第1流体が流通する第2配管とを含み、
前記第1配管は、前記ノズルに接続されていない、基板処理装置。 - 基板に対して前記第1流体を用いた処理を行うための処理室をさらに含み、
前記処理室の内部に、前記ノズルが収容配置されており、
前記第1配管は、前記処理室の外部から前記処理室の内部を経由して前記処理室の外部へと延び、
前記第2配管は、前記処理室の内部において、前記第1配管の管壁を貫通する、請求項1記載の基板処理装置。 - 前記ノズルに接続されており、前記第1流体と種類の異なる第2流体が流通する第3配管をさらに含み、
前記ノズルは、前記第1流体と前記第2流体との混合流体を吐出する、請求項1または2に記載の基板処理装置。 - 前記第1流体を貯留するタンクと、
前記第1配管の途中部に介装されて、前記第1配管を流通する第1流体を加熱または冷却して、当該第1流体の温度を調節するための温度調節ユニットとをさらに含み、
前記第1配管は、上流端および下流端が前記タンクに接続され、前記タンクとともに前記第1流体の循環路を構成し、
前記第2配管は、上流端が前記第1配管の途中部に分岐接続されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理装置。 - 前記第1配管の流通先を、前記第1配管における前記第2配管の分岐接続部分よりも下流側の下流側部分と前記第2配管とに切り替えるための切替機構をさらに含む、請求項4に記載の基板処理装置。
- 前記切替機構は、前記下流側部分に介装された第1バルブと、前記第2配管に介装された第2バルブとを含む、請求項5に記載の基板処理装置。
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