以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
[実施形態1]
まず図1を参照して、本実施形態の基板処理装置1を説明する。図1は、本実施形態に係る基板処理装置1の構成を示す平面図である。図1に示すように、基板処理装置1は、複数のロードポートLPと、インデクサロボットIRと、センターロボットCRと、複数の処理ユニット1Aと、制御装置10とを備える。基板処理装置1は、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。本実施形態の基板処理装置1は、基板Wを洗浄する洗浄装置である。
基板Wは、薄い板状である。典型的には、基板Wは、薄い略円板状である。基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、及び太陽電池用基板を含む。
ロードポートLPは、基板処理時に、基板Wを収容したキャリアCを保持する。また、ロードポートLPは、配管洗浄時に、ダミー基板WDを収容したキャリアCを保持する。ダミー基板WDは、例えば、シリコン基板である。
インデクサロボットIRは、基板処理時に、ロードポートLPの各々とセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。インデクサロボットIRは、配管洗浄時に、ロードポートLPの各々とセンターロボットCRとの間でダミー基板WDを搬送する。インデクサロボットIRは、基板Wを支持するハンドを含む。
センターロボットCRは、基板処理時に、インデクサロボットIRと処理ユニット1Aの各々との間で基板Wを搬送する。処理ユニット1Aは、基板処理時に、ロードポートLPから搬送された基板Wを処理する。センターロボットCRは、配管洗浄時に、インデクサロボットIRと処理ユニット1Aの各々との間でダミー基板WDを搬送する。センターロボットCRは、基板Wを支持するハンドを含む。センターロボットCRは、搬送部の一例である。
複数の処理ユニット1Aは、複数の塔Uを構成する。各塔Uは、上下に積層された複数の処理ユニット1Aを有する。複数の塔Uは、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置される。本実施形態では、各塔Uは、3つの処理ユニット1Aを有する。また、塔Uは4つ設けられる。なお、1つの塔Uを構成する処理ユニット1Aの数は特に限定されない。また、塔Uの数も特に限定されない。
制御装置10は、基板処理装置1の各部の動作を制御する。具体的には、制御装置10は、記憶部11及び制御部12を備える。
記憶部11は、各種のデータ、及び各種のコンピュータープログラムを記憶する。記憶部11は、主記憶装置を含む。主記憶装置は、例えば半導体メモリである。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部11は、補助記憶装置を更に含んでもよい。補助記憶装置は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)のうちの少なくとも一方を含む。なお、記憶部11は、リムーバブルメディアを含んでもよい。
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサを含む。あるいは、制御部12は、汎用演算器を含む。制御部12は、記憶部11に記憶されている各種のデータ、及び各種のコンピュータープログラムに基づいて、基板処理装置1の各部の動作を制御する。例えば、制御部12は、インデクサロボットIR及びセンターロボットCRを制御する。
続いて図2及び図3を参照して、本実施形態の処理ユニット1Aを説明する。図2及び図3は、本実施形態に係る処理ユニット1Aの構成を示す断面図である。図2及び図3に示すように、処理ユニット1Aは、処理チャンバー2と、基板保持部3と、回転機構4と、カップ部5と、遮蔽部6と、移動機構8と、下部ノズル34と、上部ノズル61とを備える。また、基板処理装置1は、第1廃液ライン24と、回収ライン401とを更に備える。回転機構4は、回転部の一例である。なお、図2は、上方に移動したトッププレート7を示す。図3は、下方に移動したトッププレート7を示す。
処理チャンバー2は、基板保持部3、回転機構4、カップ部5、遮蔽部6、移動機構8、下部ノズル34、及び上部ノズル61を収容する。処理チャンバー2は、底壁21を有する。底壁21は、第1排出ポート22及び第2排出ポート23を有する。第1排出ポート22は、回収ライン401に接続する。回収ライン401については、図8及び図9を参照して後述する。第2排出ポート23は、第1廃液ライン24に接続する。
基板保持部3は、基板処理時に、基板Wを水平に保持する。また、基板保持部3は、配管洗浄時に、ダミー基板WDを水平に保持する。具体的には、図1を参照して説明したセンターロボットCRが、基板処理時に、基板保持部3へ基板Wを搬送する。センターロボットCRは、配管洗浄時に、基板保持部3へダミー基板WDを搬送する。
基板保持部3は、保持ベース部31と、複数のチャック32と、複数の第1係合部33とを備える。基板W及びダミー基板WDは、保持ベース部31の上方に配置される。
保持ベース部31は、上下方向に延びる中心軸J1を中心とする略円板状の部材である。保持ベース部31は、例えば、比較的高い耐薬品性を有するフッ素樹脂により形成される。
複数のチャック32は、保持ベース部31の上面の外周部に周方向に配置される。複数のチャック32は、基板処理時に、基板Wの外縁部を支持する。複数のチャック32は、配管洗浄時に、ダミー基板WDの外縁部を支持する。複数のチャック32は、例えば、中心軸J1を中心として略等角度間隔で配置される。
複数の第1係合部33は、保持ベース部31の上面の外周部に周方向に配置される。複数の第1係合部33は、複数のチャック32よりも径方向外側に配置される。複数の第1係合部33は、例えば、中心軸J1を中心として略等角度間隔で配置される。
下部ノズル34は、略円筒状のノズルであり、保持ベース部31の中心部に取り付けられている。下部ノズル34は、第2ノズルの一例である。下部ノズル34については、図4及び図6を参照して後述する。
回転機構4は、基板保持部3の下方に配置される。回転機構4は、基板処理時に、中心軸J1を中心として基板保持部3を回転させる。この結果、基板Wが、中心軸J1を中心として回転する。また、回転機構4は、配管洗浄時に、中心軸J1を中心として基板保持部3を回転させる。この結果、ダミー基板WDが、中心軸J1を中心として回転する。
具体的には、回転機構4は、回転軸41と、回転軸41を駆動する駆動機構とを備える。駆動機構は、例えば、モータを含む。回転軸41は、中心軸J1を中心として回転する。回転軸41は、基板保持部3に接続している。回転軸41が回転することにより、基板保持部3が回転する。なお、回転機構4の動作は、制御部12によって制御される。
カップ部5は、中心軸J1を中心とする環状の部材であり、基板保持部3の径方向外側に配置される。カップ部5は、基板保持部3の周囲の全周に亘って配置される。カップ部5は、基板処理時に、基板Wから周囲に向かって飛散する処理液を受ける。処理液は、基板Wの処理に用いられる液体である。カップ部5は、配管洗浄時に、ダミー基板WDから周囲に向かって飛散する配管洗浄液等を受ける。詳しくは、カップ部5は、配管洗浄時に、少なくとも配管洗浄液とDIWとを受ける。DIWは、純水の一例である。本実施形態では、配管洗浄時に、カップ部5は、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、及びDIWを受ける。
カップ部5が受けた液体は、第1排出ポート22又は第2排出ポート23を介して処理チャンバー2の外部へ排出される。例えば、処理液のうち、基板処理中に再利用する液体が第1排出ポート22を介して処理チャンバー2の外部へ排出される。一方、処理液のうち、再利用しない液体は、第2排出ポート23を介して処理チャンバー2の外部へ排出される。再利用する液体は、例えば、SC1である。再利用しない液体は、例えば、DIWである。
第1廃液ライン24は、第2排出ポート23から排出された液体を、基板処理装置1の外部に設置されている廃液タンクまで導く。具体的には、第1廃液ライン24は、配管24aと、配管24aに設けられた開閉弁241(図9)とを含む。回収ライン401は、回収配管401aと、回収配管401aに設けられた開閉弁411(図9)とを含む。第1廃液ライン24の開閉弁241の開閉状態、及び回収ライン401の開閉弁411の開閉状態は、制御部12によって制御される。制御部12は、カップ部5が受けた液体を、基板処理装置1の外部に設置されている廃液タンクへ排出する際に、第1廃液ライン24の開閉弁241を開状態とし、回収ライン401の開閉弁411を閉状態とする。制御部12は、カップ部5が受けた液体を、図7~図9を参照して説明する貯留タンク201へ回収する際に、第1廃液ライン24の開閉弁241を閉状態とし、回収ライン401の開閉弁411を開状態とする。
処理チャンバー2内において、遮蔽部6は、基板処理時、及び配管洗浄時に、基板保持部3との間で、ほぼ半密閉状態となる閉空間100(図3)を形成する。具体的には、遮蔽部6は、トッププレート7を有する。トッププレート7は、平面視において略円形の部材である。トッププレート7は、基板処理時に、基板Wの上方を遮蔽する。また、トッププレート7は、配管洗浄時に、ダミー基板WDの上方を遮蔽する。トッププレート7の外径は、基板Wの外径、ダミー基板WDの外形、及び保持ベース部31の外径よりも大きい。
トッププレート7は、トッププレート本体71と、被保持部72と、複数の第2係合部73とを有する。トッププレート本体71は、天蓋部711と、側壁部712とを備える。天蓋部711は、中心軸J1を中心とする略円環板状の部材である。天蓋部711の下面は、基板処理時に、基板Wの上面に対向する。天蓋部711の下面は、配管洗浄時に、ダミー基板WDの上面に対向する。
天蓋部711は、開口74を有する。開口74は、天蓋部711の中央部に設けられる。開口74は、例えば、平面視において略円形である。開口74の直径は、基板Wの直径及びダミー基板WDの直径に比べて十分に小さい。側壁部712は、中心軸J1を中心とする略円筒状の部材である。側壁部712は、天蓋部711の外周部から下方に突出する。
複数の第2係合部73は、天蓋部711の下面の外周部に周方向に配置される。複数の第2係合部73は、側壁部712の径方向内側に配置される。複数の第2係合部73は、例えば、中心軸J1を中心として略等角度間隔で配置される。
被保持部72は、トッププレート本体71の上面に接続される。被保持部72は、筒部721と、フランジ部722とを備える。筒部721は、天蓋部711の開口74の周囲から上方に突出する略筒状の部位である。筒部721は、例えば、中心軸J1を中心とする略円筒状である。フランジ部722は、筒部721の上端部から径方向外方に環状に広がる。フランジ部722は、例えば、中心軸J1を中心とする略円環板状である。
移動機構8は、トッププレート7を上下方向に移動させる。具体的には、移動機構8は、保持部81と、本体支持部82と、昇降機構83とを備える。
保持部81は、被保持部72を保持する。保持部81は、保持部本体811と、フランジ支持部812と、接続部813とを備える。保持部本体811は、例えば、中心軸J1を中心とする略円板状である。保持部本体811はフランジ部722の上方を覆う。
上部ノズル61は、保持部本体811の中央部から下方に突出する。上部ノズル61は、筒部721に非接触状態で挿入される。上部ノズル61は、基板処理時及び配管洗浄時に上部ノズル61の先端部が閉空間100(図3)を臨むように配置されている。閉空間100は、基板処理時及び配管洗浄時に、トッププレート7と基板保持部3との間に形成される。以下の説明では、上部ノズル61と筒部721との間の空間を「ノズル間隙62」と記載する。上部ノズル61は、第1ノズルの一例である。
フランジ支持部812は、例えば、中心軸J1を中心とする略円環板状である。フランジ支持部812は、フランジ部722の下方に位置する。フランジ支持部812の内径は、フランジ部722の外径よりも小さい。フランジ支持部812の外径は、フランジ部722の外径よりも大きい。接続部813は、例えば、中心軸J1を中心とする略円筒状である。接続部813は、フランジ支持部812と保持部本体811とをフランジ部722の周囲にて接続する。
本体支持部82は、略水平に延びる棒状のアームである。本体支持部82の一方の端部は保持部81の保持部本体811に接続される。本体支持部82の他方の端部は、昇降機構83に接続される。
図2に示す位置にトッププレート7が位置する状態では、フランジ支持部812は、フランジ部722の外周部に下側から接して、フランジ部722を支持する。換言すると、フランジ部722が保持部81により保持される。これにより、トッププレート7が、保持部81によって吊り下げられる。以下の説明では、図2に示すトッププレート7の上下方向の位置を「第1位置」と記載する。第1位置は、トッププレート7が保持部81によって吊り下げられる位置である。トッププレート7が第1位置に位置する状態では、遮蔽部6と基板保持部3とは、閉空間100(図3)を開放する。したがって、第1位置は、閉空間100(図3)を開放する位置である。
昇降機構83は、トッププレート7を保持部81と共に上下方向に移動させる。昇降機構83の動作は、制御部12によって制御される。図3は、トッププレート7が図2に示す第1位置から下降した状態を示す。以下の説明では、図3に示すトッププレート7の上下方向の位置を「第2位置」と記載する。昇降機構83は、トッププレート7を第1位置と第2位置との間で上下方向に移動させる。第2位置は、第1位置よりも下方の位置である。制御部12は、基板処理時及び配管洗浄時に、トッププレート7が第1位置から第2位置へ移動するように昇降機構83を制御する。
トッププレート7が第2位置に位置する状態では、トッププレート7の複数の第2係合部73がそれぞれ、基板保持部3の複数の第1係合部33と係合する。その結果、複数の第2係合部73が、複数の第1係合部33によって下方から支持される。例えば、第1係合部33は、上下方向に略平行なピンであり、第2係合部73は、上向きに凹む凹部を有する。この場合、第1係合部33の上端部が第2係合部73の凹部に嵌合する。また、トッププレート7が第2位置に位置する状態では、フランジ部722はフランジ支持部812から上方に離間する。この結果、トッププレート7が基板保持部3により保持される。
第1係合部33と第2係合部73とが係合した状態で回転機構4が駆動すると、トッププレート7が基板保持部3と共に回転する。具体的には、トッププレート7は中心軸J1を中心として回転する。本実施形態では、複数の第1係合部33は、基板処理時及び配管洗浄時に、複数の第2係合部73と係合する。したがって、トッププレート7は、基板処理時に基板Wと共に回転し、配管洗浄時にダミー基板WDと共に回転する。
また、トッププレート7が第2位置に位置する状態では、トッププレート7と基板保持部3との間に閉空間100が形成される。したがって、第2位置は、閉空間100を形成する位置である。詳しくは、閉空間100は、保持ベース部31の上面、天蓋部711の下面、及び側壁部712の内周面により囲まれた空間である。
続いて図4を参照して、下部ノズル34について説明する。図4は、下部ノズル34及びその近傍を拡大して示す断面図である。下部ノズル34は、ノズル本体341と、庇部342とを備える。ノズル本体341は、中心軸J1を中心とする略円筒状の部材である。庇部342は、ノズル本体341の上端部から径方向外方へと拡がる略円環板状の部材である。
ノズル本体341は、保持ベース部31の中央部に形成された略円柱状の貫通孔に挿入される。ノズル本体341の側面と該貫通孔の内周面との間には、ガスを通過させる下部環状流路343が形成される。
ノズル本体341は、吐出口344を有する。吐出口344は、ノズル本体341の上端面の中央部に設けられる。吐出口344は、中心軸J1上に設けられる。庇部342は、保持ベース部31の上面から上方に離間し、保持ベース部31の上面に沿って径方向外方へと拡がる。庇部342の下面は、保持ベース部31の上面に略平行である。庇部342の下面と保持ベース部31の上面との間には環状吐出口345が形成される。
続いて図5及び図6を参照して、基板処理装置1が備える気液供給部20を説明する。図5は、上部ノズル61を下から視た下面図である。図6は、気液供給部20を示す図である。
図5に示すように、上部ノズル61は、複数の吐出口15a~19aを有する。複数の吐出口15a~19aは、上部ノズル61の下面に開口している。上部ノズル61は更に、吐出口17bを有する。吐出口17bは、上部ノズル61の下部の側面に開口している。
図6に示すように、本実施形態の気液供給部20は、DHF供給部15と、SC1供給部16と、DIW供給部17と、IPA供給部18と、ガス供給部19とを含む。DHF供給部15、SC1供給部16、DIW供給部17、IPA供給部18、及びガス供給部19は、上部ノズル61と接続する。ガス供給部19は更に、ノズル間隙62とも接続する。また、DHF供給部15、SC1供給部16、及びDIW供給部17は、下部ノズル34とも接続する。
DHF供給部15は、基板処理時に、上部ノズル61にDHF(diluted hydrofluoric acid:希フッ酸)を供給する。その結果、DHFは、図5に示す吐出口15aから閉空間100に吐出される。より具体的には、DHFは、基板Wの上面に向けて吐出される。また、DHF供給部15は、基板処理時に、下部ノズル34にDHFを供給する。DHFは、図4に示す吐出口344から基板Wの下面に向けて吐出される。DHFは、処理液の一例である。
SC1供給部16は、基板処理時に、上部ノズル61にSC1を供給する。その結果、SC1は、図5に示す吐出口16aから閉空間100に吐出される。より具体的には、SC1は、基板Wの上面に向けて吐出される。また、SC1供給部16は、基板処理時に、下部ノズル34にSC1を供給する。SC1は、図4に示す吐出口344から基板Wの下面に向けて吐出される。SC1は、処理液の一例である。
DIW供給部17は、基板処理時に、上部ノズル61にDIWを供給する。その結果、DIWは、図5に示す吐出口17aから閉空間100に吐出される。より具体的には、DIWは、基板Wの上面に向けて吐出される。DIWは更に、図5に示す吐出口17bから水平方向に向けて吐出される。また、DIW供給部17は、基板処理時に、下部ノズル34にDIWを供給する。DIWは、図4に示す吐出口344から基板Wの下面に向けて吐出される。DIWは、処理液の一例である。
IPA供給部18は、基板処理時に、上部ノズル61にIPAを供給する。その結果、IPAは、図5に示す吐出口18aから閉空間100に吐出される。より具体的には、IPAは、基板Wの上面に向けて吐出される。IPAは、処理液の一例である。
ガス供給部19は、基板処理時に、上部ノズル61及びノズル間隙62にガスを供給する。その結果、ガスは、図5に示す吐出口19aから閉空間100に供給される。また、ガスは、ノズル間隙62に供給される。ガスは、例えば、不活性ガスである。より具体的には、ガスは、例えば窒素ガスである。
ガス供給部19は、下部環状流路343にも接続される。ガス供給部19は、基板処理時に、下部環状流路343にガスを供給する。下部環状流路343に供給されたガスは、環状吐出口345から、保持ベース部31の上面に沿って吐出される。
本実施形態では更に、DHF供給部15、SC1供給部16、DIW供給部17、及びIPA供給部18は、配管洗浄時に、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスを上部ノズル61に供給する。
続いて図7を参照して、本実施形態の基板処理装置1を更に説明する。図7は、本実施形態に係る基板処理装置1の一部を示す図である。詳しくは、図7は、SC1供給部16の一部を示している。
図7に示すように、基板処理装置1は、アンモニア水供給源101と、過酸化水素水供給源102と、DIW供給源103と、配管洗浄液供給源104と、第1有機溶剤供給源105と、第2有機溶剤供給源106と、ガス供給源107とを備える。また、SC1供給部16は、第1成分液供給ライン111と、第2成分液供給ライン112と、第3成分液供給ライン113と、洗浄液供給ライン114と、第1有機溶剤供給ライン115と、第2有機溶剤供給ライン116と、ガス供給ライン117とを備える。SC1供給部16は更に、第1流量制御器131と、第2流量制御器132と、第3流量制御器133と、混合部134と、SC1供給ライン135と、貯留タンク201と、第2廃液ライン203と、循環ライン301とを備える。
第1成分液供給ライン111は、アンモニア水供給源101に接続する。アンモニア水供給源101は、第1成分液供給ライン111にアンモニア水を供給する。アンモニア水は、SC1の一成分である。第1成分液供給ライン111は、アンモニア水が流通する配管111aと、配管111aに設けられた開閉弁121とを含む。開閉弁121は、アンモニア水の流通を制御する。開閉弁121の開閉状態は、制御部12によって制御される。制御部12は、基板処理時に、開閉弁121を開状態にする。その結果、第1成分液供給ライン111は、基板処理時に、アンモニア水を混合部134へ供給する。
第1流量制御器131は、第1成分液供給ライン111の配管111aを流れるアンモニア水の流量を調整する。第1流量制御器131は、例えば、微少液体流量コントローラ(LFC)である。第1流量制御器131は、制御部12によって制御される。具体的には、制御部12は、第1流量制御器131を制御して、アンモニア水の流量を調整する。
第2成分液供給ライン112は、過酸化水素水供給源102に接続する。過酸化水素水供給源102は、第2成分液供給ライン112に過酸化水素水を供給する。過酸化水素水は、SC1の一成分である。第2成分液供給ライン112は、過酸化水素水が流通する配管112aと、配管112aに設けられた開閉弁122とを含む。開閉弁122は、過酸化水素水の流通を制御する。開閉弁122の開閉状態は、制御部12によって制御される。制御部12は、基板処理時に、開閉弁122を開状態にする。その結果、第2成分液供給ライン112は、基板処理時に、過酸化水素水を混合部134へ供給する。
第2流量制御器132は、第2成分液供給ライン112の配管112aを流れる過酸化水素水の流量を調整する。第2流量制御器132は、例えば、微少液体流量コントローラ(LFC)である。第2流量制御器132は、制御部12によって制御される。具体的には、制御部12は、第2流量制御器132を制御して、過酸化水素水の流量を調整する。
第3成分液供給ライン113は、DIW供給源103に接続する。DIW供給源103は、第3成分液供給ライン113にDIWを供給する。DIWは、SC1の一成分である。第3成分液供給ライン113は、DIWが流通する配管113aと、配管113aに設けられた開閉弁123とを含む。開閉弁123は、DIWの流通を制御する。開閉弁123の開閉状態は、制御部12によって制御される。制御部12は、基板処理時に、開閉弁123を開状態にする。その結果、第3成分液供給ライン113は、基板処理時に、DIWを混合部134へ供給する。
第3流量制御器133は、第3成分液供給ライン113の配管113aを流れるDIWの流量を調整する。第3流量制御器133は、例えば、微少液体流量コントローラ(LFC)である。第3流量制御器133は、制御部12によって制御される。具体的には、制御部12は、第3流量制御器133を制御して、DIWの流量を調整する。
混合部134は、アンモニア水、過酸化水素水、及びDIWを混合して、SC1を生成する。SC1供給ライン135は、混合部134に接続する。SC1供給ライン135は、基板処理時にSC1が流れる配管135aを有する。SC1供給ライン135は、貯留タンク201へSC1を供給する。
本実施形態では、制御部12は、配管洗浄時に、第3成分液供給ライン113の開閉弁123を開状態にする。その結果、配管洗浄時に、DIWが、混合部134、及びSC1供給ライン135を介して、貯留タンク201へ供給される。詳しくは、DIWは、図10を参照して後述するリンス工程S5において貯留タンク201に供給される。その結果、DIWが、循環ライン301に供給される。第3成分液供給ライン113は、純水供給ラインの一例である。
洗浄液供給ライン114は、配管洗浄液供給源104に接続する。配管洗浄液供給源104は、洗浄液供給ライン114に配管洗浄液を供給する。洗浄液供給ライン114は、配管洗浄液が流通する配管114aと、配管114aに設けられた開閉弁124とを含む。開閉弁124は、配管洗浄液の流通を制御する。開閉弁124の開閉状態は、制御部12によって制御される。制御部12は、配管洗浄時に、開閉弁124を開状態にする。その結果、洗浄液供給ライン114は、配管洗浄時に、配管洗浄液を貯留タンク201へ供給する。詳しくは、配管洗浄液は、図10を参照して後述する第1配管洗浄工程S2において貯留タンク201に供給される。その結果、配管洗浄液が、循環ライン301に供給される。
配管洗浄液は、処理液とは異なる薬液であって、揮発性を有するデカフルオロペンタンである。デカフルオロペンタンは、接液部がフッ素樹脂からなる配管に対して清浄効果が高い薬液である。接液部は、配管のうち、配管を流通する流体に接触する部分である。接液部は、配管の内面を含む。
デカフルオロペンタンは、洗浄対象の配管の接液部がフッ素樹脂からなる場合に、配管洗浄液として使用され得る。デカフルオロペンタンを用いて、接液部がフッ素樹脂からなる配管を洗浄した場合、該配管の内面に付着している付着物を除去できる。付着物は、パーティクルを増加させる原因となるため、付着物を除去することで、より高い清浄効果を得ることができる。本実施形態において、洗浄対象の配管は、接液部がフッ素樹脂からなる配管である。なお、接液部がフッ素樹脂からなる配管は、接液部がテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)からなることが好ましい。例えば、接液部がフッ素樹脂からなる配管として、接液部が三井・ケマーズ フロロプロダクツ社製 TEFLON(登録商標)PFA451HP-Jからなるチューブを挙げることができる。
第1有機溶剤供給ライン115は、第1有機溶剤供給源105に接続する。第1有機溶剤供給源105は、第1有機溶剤供給ライン115に第1有機溶剤を供給する。第1有機溶剤供給ライン115は、第1有機溶剤が流通する配管115aと、配管115aに設けられた開閉弁125とを含む。開閉弁125は、第1有機溶剤の流通を制御する。開閉弁125の開閉状態は、制御部12によって制御される。制御部12は、配管洗浄時に、開閉弁125を開状態にする。その結果、第1有機溶剤供給ライン115は、配管洗浄時に、第1有機溶剤を貯留タンク201へ供給する。詳しくは、第1有機溶剤は、図10を参照して後述する第3配管洗浄工程S4において貯留タンク201に供給される。その結果、第1有機溶剤が循環ライン301に供給される。本実施形態において、第1有機溶剤は、IPAである。なお、第1有機溶剤は、IPAであることが好ましいが、IPAに限定されるものではなく、第1有機溶剤として、例えば、メタノール、又はアセトンを用いてもよい。
第2有機溶剤供給ライン116は、第2有機溶剤供給源106に接続する。第2有機溶剤供給源106は、第2有機溶剤供給ライン116に第2有機溶剤を供給する。第2有機溶剤供給ライン116は、第2有機溶剤が流通する配管116aと、配管116aに設けられた開閉弁126とを含む。開閉弁126は、第2有機溶剤の流通を制御する。開閉弁126の開閉状態は、制御部12によって制御される。制御部12は、配管洗浄時に、開閉弁126を開状態にする。その結果、第2有機溶剤供給ライン116は、配管洗浄時に、第2有機溶剤を貯留タンク201へ供給する。詳しくは、第2有機溶剤は、図10を参照して後述する第2配管洗浄工程S3において貯留タンク201に供給される。その結果、第2有機溶剤が、循環ライン301に供給される。
第2有機溶剤は、第1有機溶剤よりも炭素数が多い有機溶剤である。本実施形態において、第2有機溶剤は、PGMEA(propyleneglycol monomethyl ether acetate)である。なお、第2有機溶剤は、PGMEAであることが好ましいが、PGMEAに限定されるものではなく、第2有機溶剤として、例えば、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、又はヘキサノールを用いてもよい。
ガス供給ライン117は、ガス供給源107に接続する。ガス供給源107は、ガス供給ライン117にガスを供給する。ガス供給ライン117は、ガスが流通する配管117aと、配管117aに設けられた開閉弁127とを含む。開閉弁127は、ガスの流通を制御する。開閉弁127の開閉状態は、制御部12によって制御される。制御部12は、配管洗浄時に、開閉弁127を開状態にする。その結果、ガス供給ライン117は、配管洗浄時に、ガスを貯留タンク201へ供給する。詳しくは、ガスは、図10を参照して後述する乾燥工程S6において貯留タンク201に供給される。その結果、ガスが、循環ライン301に供給される。ガスは、例えば、不活性ガスである。本実施形態において、ガスは、窒素ガスである。好ましくは、ガスは、粒子径が0.01μm以上の微粒子が0.035個/L以下の粒子清浄度を有する窒素ガスである。なお、ガスは、窒素ガスであることが好ましいが、窒素ガスに限定されるものではなく、アルゴン、又はヘリウムでもよい。
貯留タンク201は、基板処理時にSC1を貯留する。また、貯留タンク201は、配管洗浄時に配管洗浄液を貯留する。第2廃液ライン203は、貯留タンク201の底壁に接続する。第2廃液ライン203は、貯留タンク201から排出された液体を、基板処理装置1の外部に設置されている廃液タンクまで導く。具体的には、第2廃液ライン203は、配管203a(図8)と、配管203aに設けられた図示しない開閉弁とを含む。第2廃液ライン203の開閉弁の開閉状態は、制御部12によって制御される。制御部12は、貯留タンク201に貯留されている液体を、基板処理装置1の外部に設置されている廃液タンクへ排出する際に、第2廃液ライン203の開閉弁を開状態とする。例えば、第2廃液ライン203の開閉弁は、配管洗浄液による配管の洗浄が終了した後に開状態となる。この結果、配管洗浄液が、基板処理装置1の外部に設置されている廃液タンクに排出される。
SC1供給部16は更に、貯留タンク201に貯留された液体の液面高を検出する複数の液面センサ202を備える。複数の液面センサ202は、互いに異なる液面高を検出する。ここで、液面高は、貯留タンク201の底面からの液面の高さを示す。複数の液面センサ202は、補給液面センサ211と、補給停止液面センサ212と、少なくとも1つの中間液面センサL1~Ln(nは整数)とを含む。
補給液面センサ211は、貯留タンク201の比較的下方において補給液面高を検出する。補給停止液面センサ212は、貯留タンク201の比較的上方(補給液面高よりも上方)において補給停止液面高を検出する。中間液面センサL1~Lnは、補給液面高と補給停止液面高との間の中間領域における液面高を検出する。例えば、基板処理時に、補給液面センサ211が補給液面高を検出したことに応じて、制御部12は、貯留タンク201にSC1が供給されるように開閉弁121~開閉弁123を制御する。また、基板処理時に、補給停止液面センサ212が補給停止液面高を検出したことに応じて、制御部12は、貯留タンク201へのSC1の供給が停止するように開閉弁121~開閉弁123を制御する。
続いて図8を参照して、循環ライン301を説明する。図8は、本実施形態に係る基板処理装置1の一部を示す図である。詳しくは、図8は、SC1供給部16の一部を示している。循環ライン301は、処理液ラインの一例である。
図8に示すように、循環ライン301は、循環配管301aと、循環ポンプ312と、循環フィルタ313と、開閉弁315とを含む。循環ライン301は、基板処理時に、貯留タンク201から排出されるSC1を貯留タンク201に戻す。また、循環ライン301は、配管洗浄時に、貯留タンク201から排出される配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスを貯留タンク201に戻す。
具体的には、循環配管301aは、基板処理時にSC1を流通させる。開閉弁315は、基板処理時にSC1の流通を制御する。また、循環配管301aは、配管洗浄時に、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスを流通させる。開閉弁315は、配管洗浄時に、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスの流通を制御する。開閉弁315の開閉状態は、制御部12によって制御される。循環配管301aは、洗浄対象の配管である。
循環ポンプ312は、循環配管301aに取り付けられる。循環ポンプ312は、基板処理時に、SC1を流体の圧力により駆動する。また、循環ポンプ312は、配管洗浄時に、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスを流体の圧力により駆動する。循環ポンプ312は、例えばベローズポンプである。循環ポンプ312の動作は、制御部12によって制御される。
循環フィルタ313は、循環配管301aに取り付けられる。循環フィルタ313は、基板処理時に、SC1から異物を除去する。また、循環フィルタ313は、配管洗浄時に、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスから異物を除去する。
SC1供給部16は、更にヒータ311を備える。ヒータ311は、基板処理時に、循環ライン301を流れるSC1を加熱する。また、ヒータ311は、配管洗浄時に、循環ライン301を流れる配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスを加熱する。
より具体的には、循環ライン301は、基板処理時に、SC1の温度がヒータ311によって所定の温度に達するまで、SC1を循環させる。同様に、配管洗浄時に、循環ライン301は、例えば配管洗浄液の温度がヒータ311によって所定の温度に達するまで、配管洗浄液を循環させる。
本実施形態のSC1供給部16は、超音波発生器314を更に備える。超音波発生器314の動作は制御部12によって制御される。超音波発生器314は、配管洗浄時に駆動して、循環配管301a内の配管洗浄液に超音波を伝搬させる。本実施形態によれば、循環配管301a内の配管洗浄液に超音波を伝搬させることにより、循環配管301aから異物を効率よく除去することができる。
続いて図8及び図9を参照して、回収ライン401について説明する。図9は、本実施形態に係る基板処理装置1の一部を示す図である。詳しくは、図9は、SC1供給部16の一部を示している。回収ライン401は、処理液ラインの一例である。
図8及び図9に示すように、SC1供給部16は、回収ライン401を更に備える。回収ライン401は、図2及び図3を参照して説明したように、カップ部5で受けた液体を貯留タンク201へ導く。詳しくは、回収ライン401は、基板処理時にカップ部5から排出されるSC1を貯留タンク201へ導く。また、回収ライン401は、配管洗浄時にカップ部5から排出される配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスを貯留タンク201へ導く。
具体的には、回収ライン401は、回収配管401aと、開閉弁411と、回収ポンプ412とを含む。回収配管401aの一端は、貯留タンク201に接続する。回収配管401aの他端は、図2及び図3を参照して説明した第1排出ポート22に接続する。
回収配管401aは、基板処理時にSC1を流通させる。開閉弁411は、基板処理時にSC1の流通を制御する。また、回収配管401aは、配管洗浄時に、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスを流通させる。開閉弁411は、配管洗浄時に、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスの流通を制御する。開閉弁411の開閉状態は、制御部12によって制御される。回収配管401aは、洗浄対象の配管である。
回収ポンプ412は、回収配管401aに取り付けられる。回収ポンプ412は、基板処理時に、基板処理に使用されたSC1を貯留タンク201へ送液する。また、回収ポンプ412は、配管洗浄時に、配管洗浄に使用された配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスを貯留タンク201へ送る。回収ポンプ412は、例えばダイアフラムポンプである。但し、回収ポンプ412は、循環ポンプ312と同じ種類のポンプであってもよい。回収ポンプ412の動作は、制御部12によって制御される。
続いて図9を参照して、SC1供給部16について更に説明する。図9に示すように、SC1供給部16は、第1供給ライン302を更に備える。第1供給ライン302は、処理液ラインの一例である。第1供給ライン302は、第1供給配管302aと、開閉弁321と、第1流量計322と、第1流量調整弁323とを含む。
第1供給ライン302は、循環ライン301に接続して上部ノズル61まで延びる。第1供給ライン302は、基板処理時に、循環ライン301から上部ノズル61へSC1を導く。この結果、上部ノズル61からSC1が吐出される。また、第1供給ライン302は、配管洗浄時に、循環ライン301から上部ノズル61へ、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスを導く。この結果、上部ノズル61から、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスが吐出される。
具体的には、第1供給配管302aは、基板処理時にSC1を流通させる。開閉弁321は、基板処理時にSC1の流通を制御する。また、第1供給配管302aは、配管洗浄時に、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスを流通させる。開閉弁321は、配管洗浄時に、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスの流通を制御する。開閉弁321の開閉状態は、制御部12によって制御される。第1供給配管302aは、洗浄対象の配管である。
第1流量計322は、基板処理時に、第1供給配管302aを流れるSC1の流量を計測する。第1流量調整弁323は、第1供給配管302aを流れるSC1の流量を調整する。詳しくは、SC1は、第1流量調整弁323の開度に対応する流量で第1供給配管302aを流れる。第1流量調整弁323の開度は、制御部12によって制御される。具体的には、制御部12は、第1流量計322の出力に基づいて、第1流量調整弁323の開度を調整する。同様に、第1流量計322は、配管洗浄時に、第1供給配管302aを流れる配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスの流量を計測する。第1流量調整弁323は、第1供給配管302aを流れる配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、DIW、及びガスの流量を調整する。
続いて図9を参照して、SC1供給部16について更に説明する。図9に示すように、SC1供給部16は、第2供給ライン303と、ガス供給ライン501とを更に備える。第2供給ライン303は、第2供給配管303aと、開閉弁331と、第2流量計332と、第2流量調整弁333とを含む。
第2供給ライン303は、循環ライン301に接続して、図2、図4及び図6を参照して説明した下部ノズル34まで延びる。第2供給ライン303は、基板処理時に、循環ライン301から下部ノズル34へSC1を導く。この結果、下部ノズル34からSC1が吐出される。
具体的には、第2供給配管303aは、基板処理時にSC1を流通させる。開閉弁331は、基板処理時にSC1の流通を制御する。第2流量計332は、基板処理時に、第2供給配管303aを流れるSC1の流量を計測する。第2流量調整弁333は、第2供給配管303aを流れるSC1の流量を調整する。詳しくは、SC1は、第2流量調整弁333の開度に対応する流量で第2供給配管303aを流れる。第2流量調整弁333の開度は、制御部12によって制御される。具体的には、制御部12は、第2流量計332の出力に基づいて、第2流量調整弁333の開度を調整する。
ガス供給ライン501は、第1供給配管302aにガスを供給する。具体的には、ガス供給ライン501は、ガス供給源107に接続する。ガス供給源107は、ガス供給ライン501にガスを供給する。ガス供給ライン501は、ガスが流通する配管501aと、配管501aに設けられた開閉弁511とを含む。開閉弁511は、ガスの流通を制御する。開閉弁511の開閉状態は、制御部12によって制御される。制御部12は、配管洗浄時に、開閉弁511を開状態にする。その結果、ガス供給ライン501は、配管洗浄時に、第1供給配管302aにガスを供給する。詳しくは、ガスは、図10を参照して後述する乾燥工程S6において第1供給配管302aに供給される。ガスは、例えば、不活性ガスである。本実施形態において、ガスは、窒素ガスである。
続いて図1~図10を参照して、SC1供給部16の配管洗浄処理を説明する。図10は、本実施形態に係る配管洗浄処理を示すフローチャートである。配管洗浄処理は、作業者が制御部12に配管洗浄処理の開始の指示を入力することに応じて開始する。本実施形態において、配管洗浄処理は、循環ライン301、第1供給ライン302、及び回収ライン401を洗浄する処理である。図10に示すように、配管洗浄処理は、ダミー基板搬入工程S1、第1配管洗浄工程S2、第2配管洗浄工程S3、第3配管洗浄工程S4、リンス工程S5、乾燥工程S6、及びダミー基板搬出工程S7を含む。
ダミー基板搬入工程S1では、制御部12は、処理ユニット1Aの処理チャンバー2内にダミー基板WDを搬入するようにセンターロボットCRを制御する。また、制御部12は、基板保持部3がダミー基板WDを保持するように複数のチャック32を制御する。制御部12は、基板保持部3がダミー基板WDを保持したことに応じて、遮蔽部6と基板保持部3との間に閉空間100が形成されるように移動機構8を制御する。具体的には、図2を参照して説明した第1位置から図3を参照して説明した第2位置までトッププレート7が下降するように移動機構8を制御する。制御部12は、閉空間100が形成されたことに応じて、ダミー基板WDが回転するように回転機構4を制御する。
第1配管洗浄工程S2では、制御部12は、配管洗浄液によって循環ライン301、第1供給ライン302、及び回収ライン401が洗浄されるように、洗浄液供給ライン114、循環ライン301、第1供給ライン302、回収ライン401、ヒータ311、及び超音波発生器314を制御する。なお、本実施形態において、配管洗浄液は、デカフルオロペンタンからなる。
第2配管洗浄工程S3では、制御部12は、第2有機溶剤によって循環ライン301、第1供給ライン302、及び回収ライン401が洗浄されるように、第2有機溶剤供給ライン116、循環ライン301、第1供給ライン302、回収ライン401、及びヒータ311を制御する。第2有機溶剤は、第1有機溶剤よりも炭素数が多く、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液に対して親和性が高い。したがって、第1配管洗浄工程S2後に第2配管洗浄工程S3を行い、循環ライン301、第1供給ライン302、及び回収ライン401に第2有機溶剤を通液することで、第1配管洗浄工程S2後に第1有機溶剤又は純水を通液する場合と比べて、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液からの置換性が向上する。換言すると、第1配管洗浄工程S2後に第2有機溶剤を通液することにより、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液の残液を洗い流しやすくなる。その結果、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液中の付着物を、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液と共に第2有機溶剤によって洗い流すことができ、付着物が各ラインに取り残されることを抑制できる。
第3配管洗浄工程S4では、制御部12は、第1有機溶剤によって循環ライン301、第1供給ライン302、及び回収ライン401が洗浄されるように、第1有機溶剤供給ライン115、循環ライン301、第1供給ライン302、回収ライン401、及びヒータ311を制御する。第1有機溶剤は、第2有機溶剤よりも炭素数が少なく、極性を有し、第2有機溶剤にも純水にも溶け易い。したがって、第2配管洗浄工程S3後に第3配管洗浄工程S4を行い、循環ライン301、第1供給ライン302、及び回収ライン401に第1有機溶剤を通液することで、第2配管洗浄工程S3後に純水を通液する場合と比べて、第2有機溶剤からの置換性が向上する。換言すると、第2配管洗浄工程S3後に第1有機溶剤を通液することにより、第2有機溶剤の残液を洗い流しやすくなる。その結果、第2有機溶剤の残液中に、仮に付着物が残っていたとしても、第2有機溶剤の残液と共に第1有機溶剤によって洗い流すことができ、付着物が各ラインに取り残されることをより一層抑制できる。
リンス工程S5では、制御部12は、DIWによって循環ライン301、第1供給ライン302、及び回収ライン401がリンスされるように、第3成分液供給ライン113、第3流量制御器133、循環ライン301、第1供給ライン302、回収ライン401、及びヒータ311を制御する。
乾燥工程S6では、制御部12は、ガスによって循環ライン301、第1供給ライン302、及び回収ライン401が乾燥されるように、ガス供給ライン117、501、循環ライン301、第1供給ライン302、回収ライン401、及びヒータ311を制御する。具体的には、制御部12は、ガス供給ライン117、501からガスを所定時間供給させることにより、循環ライン301、第1供給ライン302、及び回収ライン401を乾燥させる。なお、本実施形態において、乾燥工程S6で使用するガスは、粒子径が0.01μm以上の微粒子が0.035個/L以下の粒子清浄度を有する窒素ガスである。
ダミー基板搬出工程S7では、制御部12は、ダミー基板WDの回転が停止するように回転機構4を制御する。また、制御部12は、図3を参照して説明した第2位置から図2を参照して説明した第1位置までトッププレート7が上昇するように移動機構8を制御する。この結果、遮蔽部6と基板保持部3との間に形成されていた閉空間100が開放された状態となる。トッププレート7が第2位置から第1位置へ移動したことに応じて、制御部12は、処理ユニット1Aの処理チャンバー2からダミー基板WDを搬出するようにセンターロボットCRを制御する。
続いて図2~図9、及び図11を参照して、第1配管洗浄工程S2を更に説明する。図11は、本実施形態に係る第1配管洗浄工程S2を示すフローチャートである。
まず、制御部12は、貯留タンク201に配管洗浄液を供給するように洗浄液供給ライン114を制御し、補給停止液面センサ212の出力に基づいて、配管洗浄液の液面高が補給停止液面高となったか否かを判定する(ステップS21)。なお、本実施形態において、配管洗浄液は、デカフルオロペンタンからなる。
制御部12は、配管洗浄液の液面高が補給停止液面高となったと判定したことに応じて、配管洗浄液が循環配管301a内を循環するように循環ライン301を制御する(ステップS22)。
制御部12は、配管洗浄液の循環が始まったことに応じて、ヒータ311による配管洗浄液の加熱を開始する。また、制御部12は、超音波発生器314による超音波の発信を開始する。制御部12は、配管洗浄液の温度が所定の温度に達するまで、循環配管301a内で配管洗浄液を循環させる(ステップS23)。
制御部12は、配管洗浄液の温度が所定の温度に達したことに応じて、循環ライン301から上部ノズル61の先端部(吐出口16a)まで配管洗浄液が導かれるように第1供給ライン302を制御する。その後、制御部12は、上部ノズル61の先端部(吐出口16a)と開閉弁321との間で配管洗浄液が保持されるように第1供給ライン302を制御する。具体的には、制御部12は、開閉弁321を閉状態にする(ステップS24)。なお、制御部12は、上部ノズル61の先端部(吐出口16a)と開閉弁321との間で配管洗浄液が保持されている間、残りの配管洗浄液が循環配管301a内を循環するように循環ライン301を制御する。
制御部12は、上部ノズル61の先端部(吐出口16a)と第1供給ライン302の開閉弁321との間で配管洗浄液が所定時間保持されたことに応じて、上部ノズル61から配管洗浄液が吐出されるように第1供給ライン302を制御する(ステップS25)。また、カップ部5で受けた配管洗浄液が貯留タンク201に戻るように回収ライン401を制御する。
制御部12は、上部ノズル61から配管洗浄液を所定時間吐出させたことに応じて、配管洗浄液が廃棄されるように循環ライン301、第1供給ライン302、回収ライン401、第1廃液ライン24、及び第2廃液ライン203を制御して(ステップS26)、図11に示す処理を終了する。
続いて図2~図9、及び図12を参照して、第2配管洗浄工程S3を更に説明する。図12は、本実施形態に係る第2配管洗浄工程S3を示すフローチャートである。
まず、制御部12は、貯留タンク201に第2有機溶剤を供給するように第2有機溶剤供給ライン116を制御し、補給停止液面センサ212の出力に基づいて、第2有機溶剤の液面高が補給停止液面高となったか否かを判定する(ステップS31)。なお、本実施形態において、第2有機溶剤は、PGMEAからなる。
制御部12は、第2有機溶剤の液面高が補給停止液面高となったと判定したことに応じて、第2有機溶剤が循環配管301a内を循環するように循環ライン301を制御する(ステップS32)。
制御部12は、第2有機溶剤の循環が始まったことに応じて、ヒータ311による第2有機溶剤の加熱を開始する。制御部12は、第2有機溶剤の温度が所定の温度に達するまで、循環配管301a内で第2有機溶剤を循環させる(ステップS33)。
制御部12は、第2有機溶剤の温度が所定の温度に達したことに応じて、上部ノズル61から第2有機溶剤が吐出されるように第1供給ライン302を制御する(ステップS34)。また、カップ部5で受けた第2有機溶剤が貯留タンク201に戻るように回収ライン401を制御する。
制御部12は、上部ノズル61から第2有機溶剤を所定時間吐出させたことに応じて、第2有機溶剤が廃棄されるように循環ライン301、第1供給ライン302、回収ライン401、第1廃液ライン24、及び第2廃液ライン203を制御して(ステップS35)、図12に示す処理を終了する。
なお、第3配管洗浄工程S4、及びリンス工程S5は、第2配管洗浄工程S3と同様であるため、その説明は割愛する。
以上、図1~図12を参照して本発明の実施形態1を説明した。本実施形態によれば、接液面がフッ素樹脂からなる配管の洗浄時に、上部ノズル61から閉空間100に、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液が吐出される。したがって、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液が揮発性を有する薬液であっても、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液の揮発が抑制される。その結果、処理チャンバー2の内壁面や、処理チャンバー2内の各種部品が、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液によって汚染され難い。よって、基板処理時に、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液によって基板Wが汚染されることを抑制できる。換言すると、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液によって基板Wに不具合が生じることを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、接液面がフッ素樹脂からなる配管を洗浄した後に、DIWによって配管をリンスするため、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液、IPAからなる第1有機溶剤、及びPGMEAからなる第2有機溶剤が配管内に残留することを抑制できる。また、DIWによってリンスすることにより、該配管内に残留している異物を除去することができる。
また、本実施形態によれば、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液によって、接液面がフッ素樹脂からなる配管を洗浄した後に、IPAからなる第1有機溶剤によって該配管を洗浄するため、該配管の内部をより清浄にすることができる。
更に、本実施形態によれば、IPAからなる第1有機溶剤によって、接液面がフッ素樹脂からなる配管を洗浄する前に、PGMEAからなる第2有機溶剤によって該配管を洗浄する。PGMEAからなる第2有機溶剤は、IPAからなる第1有機溶剤よりも炭素数が多いため、IPAからなる第1有機溶剤によって、接液面がフッ素樹脂からなる配管を洗浄する前に、PGMEAからなる第2有機溶剤によって該配管を洗浄することで、該配管の内部をより清浄にすることができる。
また、本実施形態によれば、接液面がフッ素樹脂からなる配管をリンスした後に、該配管の内部を、粒子径が0.01μm以上の微粒子が0.035個/L以下の粒子清浄度を有する窒素ガスで乾燥させるため、該配管をリンスした後に該配管の内面に異物が付着し難くなる。
また、本実施形態によれば、上部ノズル61の先端部(吐出口16a)と第1供給ライン302の開閉弁321との間で、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液を所定時間保持するため、第1供給配管302aの内部をより清浄にすることができる。
また、下部ノズル34に、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液が流入した場合、基板処理時に下部ノズル34から処理液を吐出させる際に、処理液よりも前に下部ノズル34から、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液が吐出されて、基板Wの下面が該配管洗浄液によって汚染される可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、配管洗浄時に基板保持部3がダミー基板WDを水平姿勢で保持するため、下部ノズル34に、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液が流入しない。したがって、基板Wの下面が、デカフルオロペンタンからなる配管洗浄液によって汚染され難い。
なお、循環ライン301、第1供給ライン302、及び回収ライン401の各配管301a、302a、及び401aを洗浄した後、循環ライン301、第1供給ライン302、及び回収ライン401の各配管301a、302a、及び401aの少なくとも一部を取り外して、第1成分液供給ライン111、第2成分液供給ライン112、第3成分液供給ライン113、洗浄液供給ライン114、第1有機溶剤供給ライン115、第2有機溶剤供給ライン116、ガス供給ライン117、SC1供給ライン135、第2供給ライン303、及びガス供給ライン501の各配管111a、112a、113a、114a、115a、116a、117a、135a、303a、及び501aを、洗浄後の配管(配管301a、302a、及び401aの少なくとも一部)と交換してもよい。この場合、配管を取り外した箇所に、接液面がフッ素樹脂からなる配管を新たに取り付け、その後、該配管の洗浄を再度実施する。
また、配管洗浄液供給源104、第1有機溶剤供給源105、第2有機溶剤供給源106、洗浄液供給ライン114、第1有機溶剤供給ライン115、第2有機溶剤供給ライン116、及びガス供給ライン117、501は、配管の洗浄後に、基板処理装置1から取り外されてもよい。
また、図1~図12を参照して、SC1供給部16の配管を洗浄する処理を説明したが、DHF供給部15、DIW供給部17、IPA供給部18、ガス供給部19の配管も、SC1供給部16と同様に洗浄することができる。
また、図1~図12を参照して、気液供給部20のうち、回収ライン401を含む供給部を説明したが、回収ライン401を含まない供給部の配管についても、SC1供給部16と同様に洗浄することができる。
また、図1~図12を参照して、気液供給部20のうち、貯留タンク201を含む供給部を説明したが、貯留タンク201を含まない供給部の配管についても、SC1供給部16と同様に洗浄することができる。
また、本実施形態では、配管の洗浄時に、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤及びDIWを回収ライン401で回収したが、配管の洗浄時に、配管洗浄液、第1有機溶剤、第2有機溶剤、及びDIWのうちの少なくとも一つは、回収ライン401で回収されることなく、第1廃液ライン24を介して廃液タンクへ排出されてもよい。
また、本実施形態では、第1有機溶剤を用いた配管の洗浄処理と、第2有機溶剤を用いた配管の洗浄処理とを行ったが、両者のうちの一方は省略されてもよい。あるいは、両方の洗浄処理が省略されてもよい。
また、本実施形態では、上部ノズル61の先端部(吐出口16a)と開閉弁321との間で配管洗浄液を所定時間保持したが、この処理(工程)は省略されてもよい。
また、本実施形態では、循環配管301a、第1供給配管302a及び回収配管401aを洗浄したが、第1供給配管302aと同様に第2供給配管303aを洗浄してもよい。あるいは、第1供給配管302aに替えて、第2供給配管303aを洗浄してもよい。すなわち、第2供給配管303aは、洗浄対象の配管であり得る。この場合、配管洗浄時に下部ノズル34から配管洗浄液が吐出されるが、基板保持部3がダミー基板WDを水平姿勢で保持するため、下部ノズル34から吐出された配管洗浄液が上部ノズル61に流入することはない。したがって、基板処理時に基板Wの上面が配管洗浄液によって汚染され難い。
また、本実施形態では、配管洗浄時に閉空間100が形成されたが、配管洗浄時に閉空間100は形成されなくてもよい。
[実施形態2]
続いて図1~図14を参照して本発明の実施形態2について説明する。但し、実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と同じ事項についての説明は割愛する。実施形態2は、配管洗浄液TSを回収する点で実施形態1と異なる。
図13は、本実施形態に係る基板処理装置1の一部を示す図である。詳しくは、図13は、SC1供給部16の一部を示す。図13に示すように、本実施形態のSC1供給部16は、配管洗浄液回収ライン601と、配管洗浄液回収タンク701とを更に備える。
配管洗浄液回収ライン601の一端は、貯留タンク201内の所定の液面高に対応する位置に配置されている。配管洗浄液回収ライン601の他端は、配管洗浄液回収タンク701に接続している。配管洗浄液回収ライン601は、配管601aと、ポンプ611とを含む。ポンプ611は、制御部12によって制御される。ポンプ611が駆動すると、貯留タンク201に貯留されている配管洗浄液TSのうち、所定の液面高以上の部分が吸引されて、配管洗浄液回収ライン601の配管601aを流通する。その結果、ポンプ611によって吸引された配管洗浄液TSが配管洗浄液回収タンク701に回収される。なお、配管洗浄液TSは、デカフルオロペンタンからなる。
具体的には、制御部12は、配管洗浄液TSを貯留タンク201から排出する前にポンプ611を駆動する。より詳しくは、制御部12は、配管洗浄液TSによって配管を洗浄した後、配管洗浄液TSを貯留タンク201から排出するまでの間に、所定時間、循環ライン301、第1供給ライン302、及び回収ライン401の動作を停止させる。制御部12は、所定時間が経過した後にポンプ611を駆動する。この結果、清浄度が比較的高い配管洗浄液TSを配管洗浄液回収タンク701に回収することができる。
ここで、所定の液面高は、清浄度が比較的高い配管洗浄液TSを回収できるように、貯留タンク201のサイズ及び形状に応じて、事前の実験結果に基づいて予め決定される。
なお、図13に示す構成では、ポンプ611を用いて配管洗浄液TSを回収したが、図14に示すように凝縮器612を用いて配管洗浄液TSを回収してもよい。図14は、本実施形態に係る基板処理装置1の他の構成の一部を示す図である。詳しくは、図14は、SC1供給部16の他の構成の一部を示す。図14に示すように、本実施形態のSC1供給部16は、配管洗浄液回収ライン601と、凝縮器612と、配管洗浄液回収タンク701とを更に備えてもよい。
図14に示す構成において、配管洗浄液回収ライン601の一端は、貯留タンク201の天井壁に設けられた開口に接続している。貯留タンク201に貯留している配管洗浄液TSの揮発成分は、貯留タンク201の天井壁に設けられた開口を介して、配管洗浄液回収ライン601の配管601aに流入する。配管洗浄液回収ライン601は、配管洗浄液TSの揮発成分を凝縮器612に導く。凝縮器612は、揮発成分を凝縮して、配管洗浄液TSに戻す。その結果、配管洗浄液TSが、凝縮器612から配管洗浄液回収ライン601に流れ込み、配管洗浄液回収タンク701に回収される。
図14に示す構成によれば、配管洗浄液TSの揮発成分を配管洗浄液TSに戻して、配管洗浄液回収タンク701に回収することができる。したがって、より清浄度が高い配管洗浄液TSを配管洗浄液回収タンク701に回収することができる。
なお、本実施形態では、SC1供給部16の貯留タンク201から配管洗浄液TSを回収する構成を説明したが、DHF供給部15、DIW供給部17、IPA供給部18、ガス供給部19においても、SC1供給部16と同様に配管洗浄液TSを回収することができる。
また、本実施形態では、貯留タンク201から配管洗浄液TSを回収する構成を説明したが、図7~図9を参照して説明した循環配管301aの上面に、配管洗浄液TSの揮発成分が逃げる開口を設け、該開口に、凝縮器612に揮発成分を導く配管を接続してもよい。あるいは、図8及び図9を参照して説明した回収配管401aの上面に、配管洗浄液TSの揮発成分が逃げる開口を設け、該開口に、凝縮器612に揮発成分を導く配管を接続してもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
例えば、本発明による実施形態において、移動機構8はトッププレート7を昇降させたが、移動機構8は、基板保持部3を昇降させてもよい。この場合、移動機構8は、トッププレート7と基板保持部3との間に閉空間100を形成する際に、基板保持部3を上昇させる。また、移動機構8は、トッププレート7と基板保持部3との間の閉空間100を開放する際に、基板保持部3を下降させる。あるいは、移動機構8は、トッププレート7及び基板保持部3を昇降させてもよい。すなわち、移動機構8は、基板保持部3と遮蔽部6とを、閉空間100を形成する位置と、閉空間100を開放する位置との間で相対的に移動させてもよい。
また、本発明による実施形態では、基板処理装置1は基板Wを洗浄したが、基板処理装置1は、例えば、基板Wに対して、エッチング、表面処理、特性付与、処理膜形成、及び膜の少なくとも一部の除去のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理してもよい。
また、本発明による実施形態では、基板処理装置1は下部ノズル34を備えたが、下部ノズル34は省略され得る。この場合、ダミー基板WDを省略してもよい。
また、本発明による実施形態では、基板W及びダミー基板WDを保持する構成として、基板W及びダミー基板WDを挟持する挟持式のチャックについて説明したが、基板W及びダミー基板WDを保持する構成として、バキューム式のチャックが採用されてもよい。
なお、本発明による実施形態において、遮蔽部6を構成するトッププレート7が、本発明の「遮蔽部」に相当する。上部ノズル61及び下部ノズル34が、本発明の「ノズル」に相当する。上部ノズル61が、本発明の「第1ノズル」に相当する。下部ノズル34が、本発明の「第2ノズル」に相当する。第1供給ライン302、第2供給ライン303、循環ライン301及び回収ライン401が、本発明の「処理液ライン」に相当する。第3成分液供給ライン113及びSC1供給ライン135が、本発明の「純水供給ライン」に相当する。洗浄液供給ライン114が、本発明の「洗浄液供給ライン」に相当する。IPAが、本発明の「第1有機溶剤」に相当する。PEGMEAが、本発明の「第2有機溶剤」に相当する。
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。