JP2015040279A - 半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の洗浄方法 - Google Patents

半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の洗浄方法 Download PDF

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未希 伊藤
秀明 菊地
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【課題】 本発明は、洗浄剤自身が清浄であり、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品に対する高い洗浄性を有し、環境負荷が少なく、かつ安全性、経済性に優れた半導体洗浄方法を提供するものである。【解決手段】 半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着したパーティクルを除去する洗浄方法であって、フッ素置換溶媒を含む洗浄剤を用いて洗浄を行う半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の洗浄方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品に付着したパーティクルを除去する洗浄方法に関するものである。さらに詳しくは半導体製造装置に用いられる液体移送用成形品及び/または液体接触用成形品などのフッ素樹脂成形品に付着したパーティクルを除去する洗浄方法に関するものである。
半導体デバイスの回路パターンの微細化・高密度化・高集積化、及び配線の多層化が進むにつれ、製造プロセスも複雑化し工程数も増え続けている。微細化その結果として、半導体デバイスの回路パターンにおいて欠陥とされるサイズも益々小さくなっている。このため,半導体製造装置で使用する材料やプロセス自体が汚染発生源となっていることがあり、半導体製造現場における,パーティクル(異物微粒子)や、金属不純物,化学汚染物質などの微小(微量)な汚染物質が,半導体製品の歩留まりや信頼性にますます大きな影響を及ぼすようになっている(非特許文献1)。パーティクルの場合、サブミクロンサイズの微細なものであってもウェーハ表面に付着すると不良につながる欠陥の原因となりうるので、サブミクロンのパーティクルの除去までもが必要とされる。そのため、微細な半導体デバイスの回路パターンの欠損発生を抑え、回路パターンサイズよりも大きいパーティクルを減少させるため、ウェーハに対するパーティクルの付着を防止する半導体製造装置で使用する材料やプロセスの清浄化が益々重要になっている。
半導体製造装置では、フッ素樹脂の特定を活かしてフッ素樹脂成形品が使用される機会が多くなった。しかしながら、フッ素樹脂成形品の表面にはパーティクル(異物微粒子)が付着しすく、またウェーハ表面に付着して不良につながる欠陥の原因となりうるサブミクロンサイズの微細なパーティクルまで除去することは容易ではない。通常、半導体製造に際して使用されているフッ素樹脂成形品の洗浄処理は、通常界面活性剤の希水溶液、強酸、超純水などを使用して行なわれているが、これらの方法では洗浄に長時間を要するうえに、半導体製造装置に使用されるフッ素樹脂成形品に求められる要求を満たすほど清浄度のレベルに達することは難しかった。
そのため、半導体製造に際して使用されるフッ素樹脂成形品に付着する微粒子を除去する処理方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1で提案されている処理方法では、実施に特別は装置を必要とするなど簡便な手段で実施することができないうえに、なお半導体製造に際して使用されるフッ素樹脂成形品に求められる要求を満たすほど清浄度のレベルに達することは難しかった。
半導体製造装置に使用されるフッ素樹脂成形品の洗浄に使用される薬液はコストおよび環境負荷が高いものなので、コストおよび環境負荷の少ない洗浄薬液が求められている。
特開平08−005140号公報 特表2012−518010号公報
半導体洗浄技術の最新動向、Semiconductor FPD World 2009.9、服部毅著
本発明者は、上記従来技術の問題を解決するため、鋭意研究を行った結果、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品に対し、高い洗浄性を有し、環境負荷が少なく、かつ安全性、経済性に優れた半導体洗浄液を見出し、本発明に至ったものである。
本発明は、洗浄剤自身が清浄であり、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品に対する高い洗浄性を有し、環境負荷が少なく、かつ安全性、経済性に優れた半導体洗浄方法を提供するものである。
本発明は、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着したパーティクルを除去する洗浄方法であって、フッ素置換溶媒を含む洗浄剤を用いて洗浄を行う半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の洗浄方法を提供する。
前記パーティクルが、炭素及びフッ素を含有するパーティクルである前記した洗浄方法は本発明の好ましい態様である。
前記フッ素置換溶媒が、完全フッ素置換溶媒及び/または部分フッ素置換溶媒から選ばれる少なくとも1種の溶媒である前記した洗浄方法は本発明の好ましい態様である。
前記完全フッ素置換溶媒が、パーフルオロカーボン、ハロゲン置換エーテル、硫黄含有パーフルオロ化合物、窒素含有パーフルオロ化合物から選ばれる少なくとも1種の溶媒である前記した洗浄方法は本発明の好ましい態様である。
前記部分フッ素置換溶媒が、アルコキシフルオロアルケン、ハイドロフルオロカーボン、部分ハロゲン置換エーテルから選択される少なくとも1種である前記した洗浄方法は本発明の好ましい態様である。
前記部分フッ素置換溶媒が、デカフルオロペンタンである前記した洗浄方法は本発明の好ましい態様である。
前記アルコキシフルオロアルケンが、アルコキシパーフルオロアルケンである前記した洗浄方法は本発明の好ましい態様である。
前記半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品が、液体移送用成形品または液体接触用成形品である前記した洗浄方法は本発明の好ましい態様である。
液体移送用成形品及び/または液体接触用成形品がチューブ、管(パイプ)、容器、ボトル、タンク液体移送用成形品及び/または液体接触用成形品の洗浄方法は本発明の好ましい態様である。
本発明により、洗浄剤自身が清浄であり、フッ素樹脂成形品に対する高い洗浄性を有し、環境負荷が少なく、かつ安全性、経済性に優れた洗浄方法で、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着したパーティクルを除去することができる洗浄方法が提供される。
本発明により、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着したパーティクルが、粒径が300nm以下のパーティクルを除去することができる洗浄方法が提供される。
本発明により、半導体製造装置に用いられる液体移送用成形品または液体接触用成形品であるフッ素樹脂成形品の表面に付着した微細なパーティクルまでも除去することができる洗浄方法が提供されるので、フッ素樹脂成形品製液体移送用成形品または液体接触用成形品を用いた半導体製造装置によって、欠損発生を抑えて半導体デバイスの回路パターンを製造することが可能となる。
実施例2におけるPFA粒子の付着状態を示す写真である。 実施例2におけるフッ素系溶媒洗浄後の状態を示す写真である
本発明は、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着したパーティクルを除去する洗浄方法であって、フッ素置換溶媒を含む洗浄剤を用いて洗浄を行う半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の洗浄方法を提供するものである。
本発明のフッ素置換溶媒は、完全フッ素置換溶媒及び/または部分フッ素置換溶媒から選ばれる少なくとも1種の溶媒であって、炭素に結合する全原子の少なくとも50%以上がフッ素原子であるフッ素置換溶媒が好ましい。
完全フッ素置換溶媒としては、パーフルオロカーボン、ハロゲン置換エーテル、硫黄含有パーフルオロ化合物、窒素含有パーフルオロ化合物から選択される少なくとも1種であることが好ましい。この様な完全フッ素置換溶媒の具体例としては、例えば、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロデカリン、パーフルオロ(1−メチルデカリン)、パーフルオロ(ジメチルデカリン)、パーフルオロ(テトラデカヒドロフェナントレン)、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ(シクロヘキシルメチル)デカリン等のフッ素化されたシクロアルカン;パーフルオロベンゼン、パーフルオロナフタレン、パーフルオロビフェニル等のフッ素化された芳香族化合物;パーフルオロ(2−n−ブチルテトラヒドロフラン)等のハロゲン置換エーテル;パーフルオロ−1,4−ジチアン、パーフルオロチエパン、パーフルオロジエチルスルホン、フッ化パーフルオロオクタンスルホニル等の硫黄含有パーフルオロ化合物;パーフルオロ(ジメチルブチルアミン)等のフッ素化されたアルキルアミン類;パーフルオロ(トリアミルアミン)、パーフルオロ(トリブチルアミン)、パーフルオロ(トリペンチルアミン)等のフッ素化されたトリアルキルアミン類などを挙げることができる。
部分フッ素置換溶媒としては、アルコキシ基および二重結合を有するフッ素化オレフィンであるアルコキシフルオロアルケン、ハイドロフルオロカーボン、部分ハロゲン置換エーテルから選択される少なくとも1種であることが好ましい。部分フッ素置換溶媒としては、炭素原子に結合している全原子を基準として約20原子%までの水素および/または37.5原子%までの塩素を有する部分フッ素置換溶媒から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
部分フッ素置換溶媒の具体的な例としては、例えば、アルコキシフルオロアルケンのアルコキシ基が、メトキシ基もしくはエトキシ基であるフルオロアルケンまたはパーフルオロアルケン、すなわち、メトキシフルオロアルケン、エトキシフルオロアルケン、メトキシパーフルオロアルケン、エトキシパーフルオロアルケン、及びアルコキシフルオロアルケンのフルオロアルケンの炭素数が2〜10のフルオロアルケン、すなわち、フルオロアルケンの炭素数が2〜10のアルコキシフルオロアルケンもしくはアルコキシパーフルオロアルケンが挙げられる。
好ましくは、炭素数が5〜10のメトキシフルオロアルケンもしくはエトキシフルオロアルケン、または炭素数が5〜10のメトキシパーフルオロアルケンもしくはエトキシパーフルオロアルケンが挙げられ、より好ましくは、メトキシパーフルオロペンテン、メトキシパーフルオロへキセン、メトキシパーフルオロヘプテン、およびメトキシパーフルオロオクテンなどのメトキシパーフルオロアルケン、およびエトキシパーフルオロペンテン、エトキシパーフルオロへキセン、エトキシパーフルオロヘプテン、およびエトキシパーフルオロオクテンなどのエトキシパーフルオロアルケンなどを挙げることができる。メトキシパーフルオロペンテンが特に好ましい。パーフルオロアルケンとは、二重結合を1つ有する炭化水素において、水素原子が全てフッ素で置換された化合物を意味する。
アルコキシパーフルオロアルケンは、例えば特許文献2に記載されている方法により、製造することができる。
なお、アルコキシパーフルオロアルケンには複数の構造異性体があるが、構造には特に制限はなく、それらの混合物であってもよく、本発明の目的に合うものを適宜選択することができる。例えば、メトキシパーフルオロヘプテンの構造としては、以下のものが挙げられるが、何れの構造のものでもよく、これらの混合物であってもよい。アルコキシパーフルオロアルケンの構造異性体から選択する場合には、不燃性のより高いものから選択されることが望ましい。
(1)CF(CFCF=CFCF(OCH)CF
(2)CFCFCF=CF(CF(OCH)CF
(3)CFCFCF=CFCF(OCH)CFCF
(4)CFCF=CFCF(OCH)(CFCF
(5)CFCF=CFCFCF(OCH)CFCF
(6)CFCFCF=C(OCH)(CFCF
(7)CFCFC(OCH)=CFCFCFCF
部分フッ素置換溶媒の具体的な例としては、更にC10で表されるデカフルオロペンタン(代表例:1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン)などの下記式(8)で表されるHFCアルカン; 下記式(9)で表されるHFCアルケン; パーフルオロ(プロピル)メチルエーテル、パーフルオロ(ブチル)メチルエーテル、パーフルオロ(ヘキシル)メチルエーテル、パーフルオロ(ブチル)エチルエーテルなどのパーフルオロ(アルキル)アルキルエーテルなどが挙げられる。
2n+2−x (n=6〜15、x=1〜3) (8)
2n−x (n=7〜15、x=1〜3) (9)
更に本発明のフッ素置換溶媒として、米国特許第5 ,328,946号、米国特許第5,397,829号中に開示されている溶媒を用いることもできる。
本発明の洗浄剤は、フッ素置換溶媒を含むものである。洗浄剤中のフッ素置換溶媒の濃度が高いほど洗浄効果も高くなる為、フッ素置換溶媒の濃度は100%であっても良いが、求める清浄度に応じて適宜水などを用いて洗浄剤中のフッ素置換溶媒の濃度を調整して用いても良い。また、本発明の洗浄剤は、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分が含まれていてもよい。
本発明の洗浄剤に用いてもよい水は、超純水と呼ばれるものが好ましい。超純水としては、室温における電気抵抗率が15MΩ以上、好ましくは18MΩ以上であることが好ましい。フッ素置換溶媒と超純水を含む洗浄剤は、本発明の洗浄剤の好ましい態様である。また、本発明に用いてもよい超純水は、25℃における表面張力が72mN/mであることが好ましい。
前記フッ素置換溶媒および超純水を含む洗浄剤は、フッ素置換溶媒、超純水、必要に応じ他の成分を、従来公知の方法から適宜選択して混合して得ることができる。
本発明の半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品に用いられるフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン(TFE)の単独重合体、またはテトラフルオロエチレン(TFE)と、共重合可能なコモノマーから成る共重合体であることが好ましい。コモノマーとして、エテン、プロペン、イソブチレン、クロロエテン、ジクロロエテン、フルオロエテン、ジフロロエテン、ペルフルオロブチルエチレン(3,3,4,4,5,5,6,6,6,−ノナフルオロ−1−ヘキセン)、クロロトリフルオロエテン、炭素数3以上のパーフルオロアルケン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)などが挙げられる。中でもフッ素含有コモノマーが好ましく、より好ましくは、炭素数3〜6個のパーフルオロアルケン、アルキル基の炭素数が1〜6個のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)などが挙げられる。
フッ素樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロジメチルジオキソール共重合体、テトラフルオロエチレン/CF=CFOCFCF(CF)OCFCFSOF共重合体などを挙げることができる。 加えて、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ素ゴムなどもフッ素樹脂として挙げることができる。
この中でも好ましいフッ素樹脂として、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)との共重合体(PFA)を挙げることができる。
半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品に使用されるフッ素樹脂の大半はテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)であるが、このPFAとして、分子鎖末端構造を安定化し、不純物の溶出を極限まで低減させたPFAを用いることもできる。
半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品は、液体移送用成形品、液体接触用成形品などとして用いられる。液体移送用成形品とは配管、配管用の継ぎ手、ポンプ、フィルターハウジングなど液体移送装置に使用される成形品であり、液体接触用成形品とは、搬送容器、貯蔵容器などの容器類など液体移送以外の液体と接触する用具および装置に使用される成形品である。
本発明におけるパーティクルとは、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着した異物微粒子である。
本発明の半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の洗浄方法によって、粒径の大きなパーティクルはもちろん除去することができるが、本発明が除去したいのは粒径が300nm以下、好ましくは50nm以下のパーティクルである。このように微細なパーティクルは、ウェーハ表面に付着すると欠陥の原因となり、不良につながる微細な異物となるからである。
半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着した微細なパーティクルの多くは炭素及びフッ素を含有するものである。フッ素樹脂が炭素とフッ素を含む化合物であることと、半導体製造プロセスには炭素およびフッ素を含む化合物が多く用いられることから、このような炭素及びフッ素を含有するパーティクルの由来を特定することは難しい。しかしながら本発明により、半導体製造装置に用いられる液体移送用成形品または液体接触用成形品であるフッ素樹脂成形品の表面に付着した微細なパーティクルまでも除去することができる洗浄方法が提供されるので、フッ素樹脂成形品製液体移送用成形品または液体接触用成形品を用いた半導体製造装置によって、欠損発生を抑えて半導体デバイスの回路パターンを製造することが可能となる。
本発明により、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着したパーティクルの粒径とその数については、フッ素樹脂成形品を経過後の工程において、検出されるパーティクルの粒径とその数を、例えばパーティクルカウンターなどによって測定して知ることができる。
フッ素樹脂成形品を経過後の工程にフィルターを設けることによって、ある程度以上の粒径を有するパーティクルを除去することはできるが、このような手段では300nm以下といった微細なパーティクルを除去することは難しい。
本発明の洗浄方法により、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品から発生する粒径が300nm以下といった微細なパーティクルを減少させることができる。
本発明の洗浄方法により、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品から発生する粒径が50nm以下といった微細なパーティクルをも減少させることができる。
本発明の洗浄方法において、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に残留したパーティクルの除去は、本発明の洗浄剤を、該内表面に接触させることにより行う。接触の具体例としては、例えば、本発明の洗浄剤に該成形品を浸漬(及び撹拌)する方法、或いは本発明の洗浄剤を該成形品内表面上に流動させる(ポンプを用いて本発明の洗浄剤を循環する)方法などが挙げられる。
該洗浄に際しては、経済的な観点から、洗浄剤の温度は、室温〜飽和蒸気圧が70kPa程度、或いは用いるフッ素置換溶媒の沸点よりおよそ10℃低い温度であることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例に用いた材料および測定方法は以下のとおりである。
(材料)
1.PFAチューブ
外径6.35mm×内径4.35mm×長さ20cm
TOMBO No.9003−PFA・HG(商品名、ニチアス株式会社製)
2.PFAディスパージョン
PFAディスパージョン 951(三井・デユポンフロロケミカル社製、固形分濃度10重量%、PFA:平均粒径 0.2μmおよびMFR 2g/10分)
3.フッ素置換溶媒
(1)1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタン
バートレル(登録商標)XF(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製、沸点55℃、25℃における表面張力14.1mN/m )
(2)メトキシパーフルオロヘプテン
バートレル(登録商標)スープリオンTM(三井・デュポンフロロケミカル株式会社製、沸点110℃、25℃における表面張力16.4mN/m)
(3)ノナフルオロブチルメチルエーテル
ノベック(登録商標)HFE−7100(スリーエムカンパニー製、沸点61℃、25℃における表面張力13.6mN/m)
(4)パーフルオロヘキサン
PF−5060(スリーエムカンパニー製、沸点57℃、25℃における表面張力11.7mN/m)
4.超純水
室温における電気抵抗率が18MΩ以上、25℃における表面張力72mN/m
(測定方法)
1.電気抵抗率(比抵抗値)
電気抵抗率とは、水中に1平方cmの電極2枚を1cmの距離に向かい合わせて通電した時の、2極間の電気抵抗を測定するものである。超純水の電気抵抗率は、メルク株式会社Synergy UV(超純水製造装置)に搭載されている比抵抗計を用いて測定した。なお、電気抵抗率は水温が変化すると変化するため、水温を測定して、水温25℃での値に補償した。
2.MFR
ASTM D−1238−95に準拠し、372±1℃の温度、5kgの荷重(ピストン及び重り)で測定した。
3.粒径
試験に用いたPFA粒子の粒径は日機装株式会社製(型番:Microtrac UPA)を用いて室温にて5回測定し、メジアン径d50の平均値を粒径とした。
(実施例1〜4)
PFAチューブの重量をメトラー・トレド社製電子天秤(MS204S)を用いて測定後、該チューブに100ml/minの一定流量で超純水を3分間流しチューブの前洗浄を行った。
前洗浄後のチューブの一方をシールテープで塞ぎ、PFAディスパージョン1mlを注入した後、50℃のオーブンエスペック株式会社製 PHH−101中に、シールテープで塞いだ側を下に15度傾けて置き、3時間乾燥した。その後、30分かけて室温まで冷却し、0.2MPaGの圧縮空気によるエアブローを1分間行い、チューブ内表面にPFA粒子が付着し白濁していることを確認後、チューブの重量を測定し、PFA粒子の付着量を算出した。
その後、該チューブに、100ml/minの一定流量で、洗浄剤として表1に示すフッ素系溶媒を3分間流しチューブの洗浄を行った。洗浄後のチューブを50℃のオーブンエスペック株式会社製 PHH−101中に3時間静置し乾燥した後、チューブの重量を測定し、PFA粒子の付着残量を算出した。結果を表1に示す。
(比較例1)
洗浄剤として、フッ素系溶媒に代えて、超純水を用いた以外は実施例1と同様にして、PFA粒子の付着残量を算出した。結果を表1に示す。
実施例2におけるPFA粒子付着状態を図1に、フッ素系溶媒洗浄後のチューブの状態を図2に示す。
半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着したパーティクルを除去する洗浄剤として本発明のフッ素置換溶媒使用した場合、パーティクルの除去率が75%以上という極めて顕著な効果が認められた。
本発明の洗浄方法に用いられる洗浄剤は、沸点も室温に比して比較的高いので、環境にやさしく、蒸発ロスが少ないという特徴を有するものである。
本発明により、洗浄剤自身が清浄であり、フッ素樹脂成形品に対する高い洗浄性を有し、環境負荷が少なく、かつ安全性、経済性に優れた洗浄方法で、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着したパーティクルを除去することができる洗浄方法が提供される。
本発明により提供される洗浄方法は、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着した粒径が300nm以下のパーティクルを除去することができる洗浄方法である。
本発明により提供される洗浄方法は、半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着したパーティクルが、粒径が50nm以下のパーティクルをも除去することができる洗浄方法である。
本発明により、半導体製造装置に用いられる液体移送用成形品または液体接触用成形品であるフッ素樹脂成形品の表面に付着した微細なパーティクルまでも除去することができる洗浄方法が提供されるので、フッ素樹脂成形品製液体移送用成形品または液体接触用成形品を用いた半導体製造装置によって、欠損発生を抑えて半導体デバイスの回路パターンを製造することが可能となる。

Claims (12)

  1. 半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の表面に付着したパーティクルを除去する洗浄方法であって、フッ素置換溶媒を含む洗浄剤を用いて洗浄を行う半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品の洗浄方法。
  2. 前記パーティクルが、炭素及びフッ素を含有するパーティクルである請求項1に記載の洗浄方法。
  3. 前記フッ素置換溶媒が、完全フッ素置換溶媒および部分フッ素置換溶媒から選ばれる少なくとも1種の溶媒である請求項1または2に記載の洗浄方法。
  4. 前記完全フッ素置換溶媒が、パーフルオロカーボン、ハロゲン置換エーテル、硫黄含有パーフルオロ化合物、窒素含有パーフルオロ化合物から選ばれる少なくとも1種の溶媒である請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄方法。
  5. 前記部分フッ素置換溶媒が、アルコキシフルオロアルケン、ハイドロフルオロカーボン、部分ハロゲン置換エーテルから選択される少なくとも1種である請求項3に記載の洗浄方法。
  6. 前記アルコキシフルオロアルケンが、アルコキシパーフルオロアルケンである請求項5に記載の洗浄方法。
  7. アルコキシ基が、メトキシ基もしくはエトキシ基である請求項5または6に記載の洗浄方法。
  8. フルオロアルケンが炭素数5〜10のフルオロアルケンである請求項5〜7のいずれか1項に記載の洗浄方法。
  9. アルコキシパーフルオロアルケンが、メトキシパーフルオロペンテン、メトキシパーフルオロへキセン、メトキシパーフルオロヘプテン、メトキシパーフルオロオクテン、エトキシパーフルオロペンテン、エトキシパーフルオロへキセン、エトキシパーフルオロヘプテンおよびエトキシパーフルオロオクテンから選ばれた少なくとも1種である請求項5〜8のいずれか1項に記載の洗浄方法。
  10. 前記部分フッ素置換溶媒が、デカフルオロペンタンである請求項4または5に記載の洗浄方法。
  11. 前記半導体製造装置に用いられるフッ素樹脂成形品が、液体移送用成形品または液体接触用成形品である請求項1〜10のいずれか1項に記載の洗浄方法。
  12. 前記液体移送用成形品または液体接触用成形品が、チューブ、管、容器、ボトル、タンクである請求項11に記載の洗浄方法。
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