JP5111969B2 - 水性樹脂組成物およびガスバリア性組成物 - Google Patents
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例えば、数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール、ネオペンチルグリコール、ジメチロールプロピオン酸およびイソホロンジイソシアネートを反応させた後、これに、トリエチルアミンおよびアセトンヒドラゾンを加え、さらに、水を加えた後、加熱することにより得られる水性ポリウレタン樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
本発明の目的は、ガスバリア性の高い水性樹脂組成物、および、その水性樹脂組成物を含むガスバリア性組成物を提供することにある。
また、本発明の水性樹脂組成物では、前記イソシアネート末端プレポリマーは、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環族ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種のポリイソシアネートと、炭素数2〜8のポリオールと、炭素数3〜6のアニオン性基含有ポリオールとを反応させることにより得られることが好適である。
また、本発明のガスバリア性組成物は、上記した水性樹脂組成物と、膨潤性無機層状化合物とを含有していることを特徴としている。
水性樹脂は、イソシアネート末端プレポリマー、鎖伸長剤、および、ヒドラジンまたはその誘導体を反応させて得られる。
イソシアネート末端プレポリマーは、例えば、ポリイソシアネートと、ポリオールと、アニオン性基含有ポリオールとを反応させることにより得られる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4′−、2,4′−または2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(MDI)、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TDI)、4,4′−トルイジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、m−またはp−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4′−、2,4′−または2,2′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(H12MDI)、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物(H6XDI)、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
ポリオールは、例えば、ヒドロキシル基を2つ以上有する分子量60〜400の低分子量化合物が挙げられ、ガスバリア性の観点から、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、アルカン(C7〜C22)ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、アルカン−1,2−ジオール(C17〜C20)、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレングリコール、ビスヒドロキシエチレンテレフタレートなどのジオール、例えば、グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノールおよびその他の脂肪族トリオール(C8〜24)などのトリオール、例えば、テトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール、D−マンニットなどのヒドロキシル基を4つ以上有するポリオールなどが挙げられる。
カルボキシル基含有ポリオールとしては、例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘキサン酸などの炭素数2〜10のジヒドロキシアルカン−カルボン酸、例えば、ジオキシマレイン酸などの炭素数4〜10のジヒドロキシアルカン−ポリカルボン酸または炭素数4〜10のジヒドロキシアルケン−ポリカルボン酸、例えば、2,6−ジヒドロキシ安息香酸などの炭素数6〜10のジヒドロキシアレーン−カルボン酸などが挙げられる。
イソシアネート末端プレポリマーを得るには、ポリイソシアネートと、ポリオールおよびアニオン性基含有ポリオールとを、例えば、ポリイソシアネートのイソシアネート基が、ポリオールおよびアニオン性基含有ポリオールのヒドロキシル基の総量に対して過剰となる割合、より具体的には、ヒドロキシル基に対するイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/ヒドロキシル基)が1を越える割合、好ましくは、1.1〜10の割合において配合し、溶液重合やバルク重合などの公知の重合方法によって反応させる。
本発明においては、反応性および粘度の調節がより容易な溶液重合が好ましく用いられる。
また、この反応において、ポリオールとアニオン性基含有ポリオールとの配合割合は、例えば、アニオン性基含有ポリオールが、ポリオール100重量部に対して、3〜500重量部、好ましくは、10〜120重量部であり、また、アニオン性基含有ポリオールが、後述する水性樹脂100g当たり、アニオン性基が、通常、10〜200ミリ当量、好ましくは、15〜100ミリ当量となるように配合される。アニオン性基の当量が、この範囲にあれば、良好な分散性を確保することができる。
そして、水性樹脂を得るには、次いで、得られたイソシアネート末端プレポリマーを中和、水分散した後、鎖伸長剤およびヒドラジンまたはその誘導体と反応させるか、またはイソシアネート末端プレポリマーを中和した後に鎖伸長剤およびヒドラジンまたはその誘導体と反応させた後、水分散させるようにする。好ましくは、得られたイソシアネート末端プレポリマーを中和、水分散した後、鎖伸長剤およびヒドラジンまたはその誘導体とを反応させる。
鎖伸長剤としては、例えば、2つ以上のアミノ基を有するポリアミンが挙げられる。このようなポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−シクロヘキシルメタンジアミン、ノルボルナンジアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミンなどのポリアミンが挙げられる。
このようなヒドラジン誘導体としては、例えば、下記一般式(1)で示されるモノ置換ヒドラジン類、下記一般式(2)で示されるジヒドラジン類、下記一般式(3)で示されるジヒドラジド類、下記一般式(4)で示されるジセミカルバジド類、下記一般式(5)で示されるヒドラゾノ基(=N−NH2)含有ヒドラゾン類、下記一般式(6)で示されるモノ置換ヒドラゾノ基(=N−NHR1(R1は、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す。))含有ヒドラゾン類、下記一般式(7)で示されるヒドラジノ基(−NHNH2)含有ヒドラゾン類、下記一般式(8)で示されるヒドラジド基(−CONH−NH2)含有ヒドラゾン類、下記一般式(9)で示されるセミカルバジド基(−NHCO−NHNH2)含有ヒドラゾン類などが挙げられる。
(式中、R1は、アルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す。)
H2NHN−R5−NHNH2 (2)
(式中、R5は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリレン基またはカルボニル基を示す。)
H2NHNOC−R2−CONHNH2 (3)
(式中、R2は、アルキレン基、シクロアルキレン基またはアリレン基を示す。)
H2NHN−CONH−R2−NHCO−NHNH2 (4)
(式中、R2は、アルキレン基、シクロアルキレン基またはアリレン基を示す。)
R1、R3およびR4で示されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシルなどの炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
R2およびR5で示されるアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、iso−プロピレン、ブチレン、iso−ブチレン、sec−ブチレン、ペンチレン、iso−ペンチレン、sec−ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、2−エチルヘキシレン、ノニレン、デシレンなどの炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられる。
R2およびR5で示されるアリレン基としては、例えば、フェニレン、トリレン、キシリレン、ナフチレンなどの炭素数6〜10のアリレン基が挙げられる。
R3およびR4で示されるアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
R3およびR4で示される複素環基としては、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環基(例えば、フラン、オキサゾールなどの5員環基、ピランなどの6員環基、ベンゾフラン、キサンテン、クロマン、イソクロマンなどの縮合環基)、ヘテロ原子として硫黄原子を含む複素環基(例えば、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾールなどの5員環基など)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環基(例えば、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、ピロール、ピラゾール、イミダゾールなどの5員環基、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジンなどの6員環基、インドール、インドレン、イソインドール、インダゾール、インドリン、イソインドリン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、プリン、カルバゾール、アクリジン、フェナントロジン、フェナントロリンなどの縮合環基)などが挙げられる。
ジヒドラジン類としては、例えば、メチレンジヒドラジン、エチレンジヒドラジン、プロピレンジヒドラジン、ブチレンジヒドラジンなどC1−10アルキレンジヒドラジン類、例えば、カルボヒドラジドなどが挙げられる。
ヒドラゾノ基含有ヒドラゾン類としては、例えば、アセトンヒドラゾン、メチルエチルケトンヒドラゾン、メチルイソブチルケトンヒドラゾンなどのC3−8脂肪族ケトン−ヒドラゾン、例えば、アセトフェノンヒドラゾン、ベンゾフェノンヒドラゾンなどの芳香族ケトン−ヒドラゾン、例えば、ホルムアルデヒドヒドラゾン、アセトアルデヒドヒドラゾンなどのC2−6脂肪族アルデヒド−ヒドラゾン、例えば、ベンズアルデヒドヒドラゾンなどの芳香族アルデヒド−ヒドラゾンなどが挙げられる。
ヒドラジノ基含有ヒドラゾン類としては、例えば、上記一般式(2)で示されるジヒドラジン類と、ケトン(C3−8脂肪族ケトン)またはアルデヒド(C2−6脂肪族アルデヒド)との反応により生成するモノヒドラゾン類が挙げられる。
セミカルバジド基含有ヒドラゾン類としては、例えば、上記一般式(4)で示されるジセミカルバジド類と、ケトン(C3−8脂肪族ケトン)またはアルデヒド(C2−6脂肪族アルデヒド)との反応により生成するモノヒドラゾン類などが含まれる。
また、ヒドラジン誘導体は、好ましくは、水に対する溶解性を有しており、その溶解度が、例えば、1重量%以上、好ましくは、3重量%以上である。
イソシアネート末端プレポリマーを、鎖伸長剤およびヒドラジンまたはその誘導体と反応させるには、好ましくは、まず、得られたイソシアネート末端プレポリマーに、中和剤を添加して、アニオン性基が塩を形成するように中和する。中和剤の添加割合は、例えば、アニオン性基1当量当たり、例えば、0.4〜1.2当量、好ましくは、0.6〜1.00当量である。
このようにして得られた水性樹脂は、1分子鎖中に、N−アミノ基とアニオン性基とを有する水分散性(自己乳化型)のポリウレタン樹脂であって、そのN−アミノ基(具体的には、ヒドラゾン基および/またはヒドラジド基)当量が、例えば、500〜10000、好ましくは、1000〜6000であり、その酸価が、例えば、5〜50mgKOH/g、好ましくは、10〜40mgKOH/gである。
また、水性樹脂の水分散液に対する割合、つまり、水分散液の固形分は、例えば、5〜60重量%、好ましくは、10〜50重量%である。なお、水分散液の固形分は、水の添加量にて調整することができる。
そして、本発明の水性樹脂組成物を得るには、水性樹脂の水分散液に、ポリエポキシ化合物を配合する。
これらポリエポキシ化合物は、単独使用または2種以上併用することできる。
ポリエポキシ化合物の配合割合は、例えば、水性樹脂(水分散液の固形分)100重量部に対して、例えば、0.1〜70重量部、好ましくは、0.5〜50重量部、さらに好ましくは、1〜30重量部である。
そして、このようにして得られる水性樹脂組成物は、例えば、基材フィルム上に塗布し、製膜すれば、酸素および水蒸気などに対するガスバリア性に優れるフィルム(塗膜)を得ることができる。例えば、水性樹脂組成物の塗膜(厚み5μm)において、その酸素透過度(単位:ml/m2・atm・Day)は、温度20℃、相対湿度90%で、例えば、10〜300、好ましくは、10〜200であり、温度20℃、相対湿度80%で、例えば、10〜200、好ましくは、10〜150である。そのため、本発明の水性樹脂組成物は、そのようなガスバリア性に優れるフィルムを調製するためのガスバリア性組成物として用いることができる。
これら膨潤性無機層状化合物は、天然粘土鉱物であってもよく、また、合成粘土鉱物であってもよい。また、単独または2種以上併用することができ、好ましくは、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイトなど)、マイカ族粘土鉱物(水膨潤性雲母など)、合成マイカなどが挙げられる。
さらに、本発明のガスバリア性組成物には、ガスバリア性を損なわない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤など)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤などが挙げられる。
また、ガスバリア性組成物は、さらに、水を適宜加えて、その固形分を、例えば、0.5〜20重量%、好ましくは、1〜15重量%に調整することができる。なお、膨潤性無機層状化合物は、水分散液において、2次凝集するおそれがあるため、好ましくは、膨潤性無機層状化合物を溶媒に分散または混合した後、せん断力が作用する機械的な強制分散処理、例えば、ホモミキサー、コロイドミル、ジェットミル、ニーダー、サンドミル、ボールミル、3本ロール、超音波分散装置などによる分散処理を利用して、分散させる。
基材フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体など)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン6、ナイロン66など)、ビニル系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、セロファンなどの熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。好ましくは、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルムが挙げられる。
さらに、樹脂フィルムは、未延伸フィルムであってもよく、一軸または二軸延伸配向フィルムであってもよく、表面処理(コロナ放電処理など)やアンカーコートまたはアンダーコート処理した樹脂フィルムであってもよい。さらに、アルミニウムなどの金属、シリカ、アルミナなどの金属酸化物が蒸着された蒸着樹脂フィルムであってもよい。
ガスバリア性組成物を基材フィルムに塗布するには、特に制限されず、例えば、グラビアコート法、リバースコート法、ロールコート法、バーコート法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ディッピング法などの公知のコーティング方法が用いられ、また、これらを適宜組み合わせてコーティングすることもできる。
また、塗膜を製膜するは、例えば、50〜200℃、好ましくは、80〜150℃で加熱乾燥すればよく、また、塗膜の硬化(架橋)は、例えば、100〜250℃、好ましくは、120〜200℃で加熱硬化する。
また、ヒドラジン誘導体がヒドラジド基を有している場合には、塗膜の乾燥において、ヒドラジド基のアミノ基が、そのまま、ポリエポキシ化合物のエポキシ基と硬化反応(架橋反応)して、その結果、ガスバリア性を有する硬い塗膜を形成する。
(水性樹脂Aの調製)
アセトニトリル96.2gに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)101.4g、1,3−キシリレンジイソシアネート(XDI)65.5g、エチレングリコール28.7g、トリメチロールプロパン2.6gおよびジメチロールプロピオン酸15.2gを混合して、窒素雰囲気下70℃で4時間反応させることにより、カルボキシル基含有イソシアネート末端プレポリマーを合成した。この反応液のイソシアネート基含有量が7.22重量%以下になった後、50℃まで冷却し、トリエチルアミン11.2gを添加してカルボキシル基を中和した。
水性樹脂Aの水分散液10重量部と、ポリエポキシ化合物(デナコールEX−614B、平均官能基数3.6、エポキシ基当量180、水溶率94重量%、ソルビトール系化合物、ナガセケムテック社製)0.25重量部とを混合し、さらに、水を加えることにより、固形分15重量%のガスバリア性組成物を調製した。このガスバリア性組成物のヒドラゾン基/エポキシ基の当量比は、1/2であった。
実施例1と同様に、表1の処方に従って、ガスバリア性組成物を調製した。
実施例4
(水性樹脂Bの調製)
アセトニトリル101.2gに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)106.4g、1,3−キシリレンジイソシアネート(XDI)68.8g、エチレングリコール30.3g、トリメチロールプロパン2.7gおよびジメチロールプロピオン酸16.0gを混合して、窒素雰囲気下70℃で4時間反応させることにより、カルボキシル基含有イソシアネート末端プレポリマーを合成した。この反応液のイソシアネート基含有量が7.09重量%以下になった後、40℃まで冷却し、トリエチルアミン11.8gを添加してカルボキシル基を中和した。
水性樹脂Bの水分散液10重量部と、ポリエポキシ化合物(デナコールEX−614B、平均官能基数3.6、エポキシ基当量180、水溶率94重量%、ソルビトール系化合物、ナガセケムテック社製)0.36重量部とを混合し、さらに、水を加えることにより、固形分15重量%のガスバリア性組成物を調製した。このガスバリア性組成物のヒドラゾン基/エポキシ基の当量比は、1/2であった。
実施例4と同様に、表1の処方に従って、ガスバリア性組成物を調製した。
実施例6
(水性樹脂Cの調製)
アセトニトリル90.4gに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)95.4g、1,3−キシリレンジイソシアネート(XDI)61.7g、エチレングリコール27.2g、グリセリン1.6gおよびジメチロールプロピオン酸14.4gを混合し、窒素雰囲気下70℃で4時間反応させることにより、カルボキシル基含有イソシアネート末端プレポリマーを合成した。この反応液のイソシアネート基含有量が7.12重量%以下になった後、40℃まで冷却し、トリエチルアミン10.6gを添加してカルボキシル基を中和した。
水性樹脂Cの水分散液10重量部と、ポリエポキシ化合物(デナコールEX−614B、平均官能基数3.6、エポキシ基当量180、水溶率94重量%、ソルビトール系化合物、ナガセケムテック社製)0.34重量部とを混合し、さらに、水を加えることにより、固形分15重量%のガスバリア性組成物を調製した。このガスバリア性組成物のヒドラゾン基/エポキシ基の当量比は、1/2であった。
実施例1で得られた水性樹脂Aの水分散液10重量部と、ポリエポキシ化合物(デナコールEX−614B、平均官能基数3.6、エポキシ基当量180、水溶率94重量%、ソルビトール系化合物、ナガセケムテック社製)0.25重量部と、合成マイカ(コープケミカル社製、商品名「ソマシフME−100」)0.275重量部とを混合し、水を加えて固形分15重量%のガスバリア性組成物を調製した。
実施例7と同様にして、表1の処方に従って、固形分15重量%のガスバリア性組成物を調製した。
比較例1
(水性樹脂Dの調製)
メチルエチルケトン101.2gに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)106.4g、1,3−キシリレンジイソシアネート(XDI)68.8g、エチレングリコール30.3g、トリメチロールプロパン2.7gおよびジメチロールプロピオン酸16.0gを混合して、窒素雰囲気下70℃で4時間反応させることにより、カルボキシル基含有イソシアネート末端プレポリマーを合成した。この反応液のイソシアネート基含有量が7.09重量%以下になった後、40℃まで冷却し、トリエチルアミン11.8gを添加してカルボキシル基を中和した。
水性樹脂Dの水分散液に、水を加えることにより、固形分15重量%のガスバリア性組成物を調製した。
比較例2
実施例1のガスバリア性組成物の調製において、ポリエポキシ化合物0.25重量部に代えて、ポリイソシアネート化合物(タケラックWD−725)0.19重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、固形分15重量%のガスバリア性組成物を調製した。
実施例1と同様にして、表1の処方に従って、固形分15重量%のガスバリア性組成物を調製した。
(評価)
(ガスバリア性試験)
各実施例および各比較例で調製したガスバリア性組成物を、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm、PET)のコロナ放電処理面上に、乾燥後坪量が5g/m2(但し、実施例7〜9については、乾燥後坪量が1g/m2)となるようにマイヤーバーで塗布した後、90℃で30秒間乾燥した後、150℃で10分間加熱処理して、フィルムを得た。なお、乾燥および加熱処理において、実施例1〜5、7、8および比較例2の塗膜では、アセトンが発生した。
なお、表1中、酸素透過度の単位は、ml/m2・atm・Dayである。また、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm、PET)のみの酸素透過度は、温度20℃、相対湿度80%の雰囲気下、および、温度20℃、相対湿度90%の雰囲気下ともに、100(ml/m2・atm・Day)であった。
Claims (3)
- アニオン性基を有するイソシアネート末端プレポリマー、鎖伸長剤およびヒドラジンまたはその誘導体を反応させて得られる水性樹脂と、
平均官能基数が2以上のポリエポキシ化合物と
から調製され、
前記ヒドラジン誘導体は、N−アミノ基(N−NH 2 )を有しており、
前記水性樹脂のN−アミノ基の前記ポリエポキシ化合物のエポキシ基に対する当量比が、1/3を超過し1未満であることを特徴とする、水性樹脂組成物。 - 前記イソシアネート末端プレポリマーは、
芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環族ポリイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種のポリイソシアネートと、
炭素数2〜8のポリオールと、
炭素数3〜6のアニオン性基含有ポリオールと
を反応させることにより得られることを特徴とする、請求項1に記載の水性樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載の水性樹脂組成物と、膨潤性無機層状化合物とを含有していることを特徴とする、ガスバリア性組成物。
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