JP4206535B2 - 印刷インキ用バインダー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷インキ用バインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチックフイルム用の印刷インキバインダーとして使用されるポリウレタン樹脂としては、分子末端がアルキル基となっているもの(特公昭54−36960号公報)、分子末端に水酸基を有するもの(特公昭61−66769号公報)などが知られている。しかし、これらバインダーを用いた印刷インキはポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルムに対して接着性が十分ではない。
【0003】
これらのポリオレフィンフィルムに対する接着性を向上させるために、特定の3級アミノ基を分子鎖中に導入したポリウレタン樹脂(例えば特公平1−37427号公報)、分子末端にアミノ基を有するポリウレタン樹脂(特開昭62−292873号公報)などが提案されている。しかし、これらのポリウレタン樹脂も、ポリオレフィンフィルムに対する接着性がまだ十分改良されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリオレフィンフィルムを含む各種プラスチックに対する接着性に優れた印刷インキ用バインダーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記技術的背景に鑑みて、従来技術の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、鎖伸長剤及び/又は重合停止剤としてそれぞれ特定の化合物を必須構成成分としてなる特定のポリウレタンを使用することにより前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、高分子ポリオール、ジイソシアネート化合物および鎖伸長剤を反応せしめて得られるポリウレタン樹脂、または高分子ポリオール、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤及び重合停止剤を反応せしめて得られるポリウレタン樹脂を主成分とする印刷インキ用バインダーにおいて、該ポリウレタン樹脂
合停止剤として一般式(2):
【0007】
【化2】
Figure 0004206535
【0008】
(式中、Y は水素原子又は炭素数1〜3のアミノアルキル基を示し、Y は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す。)
で表される化合物を使用してなるポリウレタン樹脂であり、当該樹脂を芳香族溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、多価アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びスルホキサイド系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤の溶液としたことを特徴とする印刷インキ用バインダー、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、鎖伸長剤として使用できる一般式(1):
【0010】
【化3】
Figure 0004206535
【0011】
(式中、X 及びX は水素原子又は炭素数1〜3のアミノアルキル基を示す。但し、X 及びX のうち少なくとも一方は水素原子でない。)で表される化合物としては、例えば、アミノメチルピペラジン、アミノエチルピペラジン、アミノプロピルピペラジン、アミノイソプロピルピペラジン、ビスアミノメチルピペラジン、ビスアミノエチルピペラジン、ビスアミノプロピルピペラジン、ビスアミノイソプロピルピペラジン、N−アミノメチル−N′−アミノエチルピペラジン、N−アミノメチル−N′−アミノプロピルピペラジン、N−アミノメチル−N′−アミノイソプロピルピペラジン、N−アミノエチル−N′−アミノプロピルピペラジン、N−アミノエチル−N′−アミノイソプロピルピペラジン、N−アミノエチル−N′−アミノイソプロピルピペラジン、N−アミノプロピル−N′−アミノイソプロピルピペラジン等が挙げられる。これら化合物は単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0012】
一般式(1)の化合物の使用量は、得られるポリウレタン樹脂や印刷インキのポリオレフィンフィルムに対する接着性及び後述する一般式(2)の化合物の使用量とを考慮して決定される
【0013】
前記から明らかなように、一般式(1)の化合物は他の鎖伸長剤と所定範囲で併用しうる。併用可能な鎖伸長剤としては、平均分子量が500未満の各種ポリアミンなどが該当し、その具体例としてはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン等の脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン等の脂環族ポリアミン;キシリレンジアミン等の芳香族ポリアミン;ヒドラジン、ジヒドラジド等が挙げられる。これらはいずれも単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0014】
本発明において、重合停止剤として使用される前記一般式(2)の化合物としては、例えば、N−メチル−N′−ピペラジン、N−メチル−N′−アミノメチルピペラジン、N−メチル−N′−アミノエチルピペラジン、N−メチル−N′−アミノプロピルピペラジン、N−メチル−N′−アミノイソプロピルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−エチル−N′−アミノメチルピペラジン、N−エチル−N′−アミノエチルピペラジン、N−エチル−N′−アミノプロピルピペラジン、N−エチル−N′−アミノイソプロピルピペラジン、N−プロピル−N′−アミノメチルピペラジン、N−プロピル−N′−アミノエチルピペラジン、N−プロピル−N′−アミノプロピルピペラジン、N−プロピル−N′−アミノイソプロピルピペラジン、N−イソプロピルピペラジン、N−イソプロピル−N′−アミノメチルピペラジン、N−イソプロピル−N′−アミノエチルピペラジン、N−イソプロピル−N′−アミノプロピルピペラジン、N−イソプロピル−N′−アミノイソプロピルピペラジン、N−ヒドロキシメチルピペラジン、N−ヒドロキシメチル−N′−アミノメチルピペラジン、N−ヒドロキシメチル−N′−アミノエチルピペラジン、N−ヒドロキシメチル−N′−アミノプロピルピペラジン、N−ヒドロキシメチル−N′−アミノイソプロピルピペラジン、N−ヒドロキシエチルピペラジン、N−ヒドロキシエチル−N′−アミノメチルピペラジン、N−ヒドロキシエチル−N′−アミノエチルピペラジン、N−ヒドロキシエチル−N′−アミノプロピルピペラジン、N−ヒドロキシエチル−N′−アミノイソプロピルピペラジン、N−ヒドロキシプロピルピペラジン、N−ヒドロキシプロピル−N′−アミノメチルピペラジン、N−ヒドロキシプロピル−N′−アミノエチルピペラジン、N−ヒドロキシプロピル−N′−アミノプロピルピペラジン、N−ヒドロキシプロピル−N′−アミノイソプロピルピペラジン、N−ヒドロキシイソプロピルピペラジン、N−ヒドロキシイソプロピル−N′−アミノメチルピペラジン、N−ヒドロキシイソプロピル−N′−アミノエチルピペラジン、N−ヒドロキシイソプロピル−N′−アミノプロピルピペラジン、N−ヒドロキシイソプロピル−N′−アミノイソプロピルピペラジン等が挙げられる。これらはいずれも単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0015】
一般式(2)の化合物の使用量は、得られるポリウレタン樹脂や印刷インキのポリオレフィンフィルムに対する接着性及び前記一般式(1)の化合物の使用量とを考慮して決定される。一般式(1)の化合物が使用されない場合には、一般式(2)の化合物の使用量は通常は重合停止剤の総量に対し20重量%以上、好ましくは40重量%以上とされ、20重量%未満ではポリオレフィンフィルムに対する接着性が劣る傾向にある。
【0016】
前記から明らかなように、一般式(2)の化合物は他の重合停止剤と所定範囲で併用しうる。かかる併用可能な重合停止剤としては、例えば、モノエチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン等のモノアミン類;モノエタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミン等のヒドロキシルモノアミン類等が挙げられ、これらはいずれも単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0017】
一般式(1)の化合物と一般式(2)の化合物を共に使用する場合には、これら化合物の合計量は、鎖伸長剤と重合停止剤の総量に対し通常は3重量%以上、好ましくは5重量%以上とされる。該合計量が3重量%未満ではポリオレフィンフィルムに対する接着性が劣る傾向がある。
【0018】
前記の如く本発明では、ポリウレタン樹脂中のいわゆるハードセグメント(ジイソシアネート、鎖伸長剤及び重合停止剤からなる部分)に、一般式(2)の化合物に由来する特殊な複素環構造及び/又は3級アミノ基が導入されることが最大の特徴であり、かかる構造に起因してポリオレフィンフィルムに対する接着性が顕著に改良されると考えられる。
【0019】
本発明の主バインダーであるポリウレタン樹脂の他の構成成分である高分子ポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等の重合体であるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンジオール(ブロックおよび/またはランダム)ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール類;ポリエステルポリオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレンジオール等の脂肪族ジオールおよびビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、m−およびp−キシリレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−ジフェニルプロパン等の環状基を有するジオール類等ならびに無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、およびアジピン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、アゼライン酸、セバシン酸等脂肪族ジカルボン酸等を脱水縮合せしめてえられるポリエステルポリオール類;環状エステル化合物を開環重合してえられるポリエステルポリオール類;その他ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエングリコール類、等の各種公知の高分子ポリオールが例示され、これらはいずれも単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0020】
上記各種の高分子ポリオールの分子量(水酸基価測定による数平均分子量)は、通常は500〜5000、好ましくは700〜4000である。
【0021】
本発明の主バインダーであるポリウレタン樹脂の他の構成成分であるジイソシアネート成分としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く)2〜12の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ジイソシアネート、炭素数8〜12の芳香脂肪族ジイソシアネート、炭素数6〜20の芳香族ジイソシアネートおよびこれらの変性物(カーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビューレット基および/またはイソシアヌレート基含有変性物など)が使用できる。このようなジイソシアネートとしては、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、カ−ボジイミド変性などの変性MDI、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネートがその代表例としてあげられ、これらはいずれも単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0022】
本発明のポリウレタン樹脂を製造する方法は特に制限はされないが、たとえば高分子ポリオール成分と過剰の有機ジイソシアネート化合物より、両末端イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを作成し、更に前記一般式(1)の化合物を含む鎖伸長剤と前記一般式(2)の化合物を含む重合停止剤とを反応させるプレポリマー法、あるいは高分子ポリオール成分、有機ジイソシアネート化合物、前記鎖伸長剤および必要に応じて前記重合停止剤を、一度に反応させるワンショット法のいずれの方法をも採用できる。製造のし易さからプレポリマー法が好ましい。
【0023】
プレポリマー法における上記ウレタンプレポリマーの製造に際して、有機ジイソシアネートのイソシアネート基と高分子ポリオールの水酸基との当量比は通常1.1/1〜5/1、好ましくは1.2/1〜3/1である。また前記鎖伸長剤および前記重合停止剤の1級及び2級アミノ基の合計と、プレポリマーのイソシアネート基との当量比は通常0.5/1〜1.3/1、好ましくは0.8/1〜1.2/1である。
【0024】
また、本発明におけるポリウレタン樹脂の製造は、溶剤の存在下または不存在下で行われる。使用される溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコルモノエチルエーテル等の多価アルコール系溶剤;ジメチルフォルムアミド等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキサイド等のスルホキサイド系溶剤;およびこれらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。これらの内、好ましいのはアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、およびこれらの2種以上の混合溶剤である。
【0025】
溶剤の使用量は、該ポリウレタン樹脂と溶剤の重量比が100/0〜10/90、好ましくは80/20〜20/80の範囲になる量である。
【0026】
また、本発明の印刷インキ用バインダーを構成する樹脂は、該ポリウレタン樹脂単独でもよく、あるいは必要により他の印刷インキ用バインダーとして従来公知の樹脂を併用してもよい。他の併用樹脂としては、たとえば本発明以外のポリウレタン、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、塩素化ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、エポキシ樹脂、ロジン系樹脂、ケトンレジン等があげられる。併用する場合は、他の樹脂はバインダーの固形分中に通常50重量%以下である。
【0027】
本発明の印刷インキ用バインダーは、通常該ポリウレタン樹脂を含有する樹脂成分を上記に例示したような溶剤の溶液としたものである。本発明の樹脂濃度は重量基準で、通常は10〜100%、好ましくは20〜80%である。また粘度は通常50〜500000cP/25℃、好ましくは100〜100000cP/25℃である。
【0028】
本発明のポリウレタン樹脂の数平均分子量は、5000〜100000、好ましくは8000〜80000である。
【0029】
本発明の印刷インキ用バインダーは、特に特殊グラビアインキ用バインダーとして、優れた性能を有する。適用する対象としてはポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどが好適である。
【0030】
本発明の印刷インキバインダーは、従来のインキバインダーの場合と同様の方法で使用できる。すなわち、本発明のバインダーに顔料、必要に応じ顔料分散剤等の添加剤を加え、ボールミル等の通常のインキ製造装置を用いて混練することにより印刷インキを製造することができる。
【0031】
本発明のインキ用バインダーを使用した印刷インキの配合処方の例を示すと、下記の通りである(%は重量%を示す。)
【0032】
本発明のバインダー(固形分の量) 10〜30%
顔料 5〜40%
溶剤(バインダー中の溶剤を含む) 40〜80%
添加剤 適量
【0033】
本発明のバインダーを使用する場合、1液型インキとして使用してもよいがポリイソシアネート系硬化剤と併用し、2液型印刷インキとして使用することもできる。この場合ポリイソシアネート系硬化剤としては、例えばトリメチロールプロパン1モルと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネート3モルから合成されるアダクト体;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、またはイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート基の環状三量化によって合成されるイソシアヌレート基含有の三量体;水1モルと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート3モルから合成される部分ビュレット反応物およびこれらの2種以上の混合物が好適である。2液型印刷インキとして使用する場合、ポリイソシアネート系硬化剤の添加量はインキに対して、通常0.5〜10重量%である。
【0034】
本発明のバインダーを特殊グラビアインキとして用いる場合の印刷方法は従来と同様でよい。
【0035】
【実施例】
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら各例に限定されるものではない。尚、各例中、部及び%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
【0038】
製造例
撹拌機、温度計及び窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、分子量 2000 のポリカプロラクトングリコール 1000 部とイソホロンジイソシアネート 222 部を仕込み、窒素気流下に 100 ℃で6時間反応させ遊離イソシアネート価 3.36% のプレポリマーとなし、これにメチルエチルケトン 815 部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。イソホロンジアミン72.0部、N- ヒドロキシエチルピペラジン4.3 部、ジ-n- ブチルアミン12.7部、メチルエチルケトン1224部及びイソプロピルアルコール1020部からなる混合物の存在下に、先に調製したウレタンプレポリマー溶液2037部を添加し、50℃で3時間反応させた。こうしてえられたポリウレタン樹脂溶液は、樹脂固形分濃度が30% 、粘度が690 cP /25℃であり、また樹脂固形分1g 当りのアミン価は1.4 であった。
【0039】
製造例
製造例1と同様の反応装置に、分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール1000部とイソホロンジイソシアネート222 部を仕込み、窒素気流下に100 ℃で 6時間反応させ遊離イソシアネート価3.36% のプレポリマーとなし、これにメチルエチルケトン815 部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン71.9部、N-メチル-N'-アミノエチルピペラジン8.0 部、ジブチルアミン9.7 部、メチルエチルケトン1225部及びイソプロピルアルコール1020部からなる混合物の存在下に上記ウレタンプレポリマー溶液2037部を添加し、50℃で3時間反応させた。こうしてえられたポリウレタン樹脂溶液は、樹脂固形分濃度が30% 、粘度が490 cP /25℃であり、また樹脂固形分1g 当りのアミン価は4.8 であった。
【0040】
製造例
イソホロンジアミン69.1部、アミノエチルピペラジン2.1 部、N-ヒドロキシエチルピペラジン1.7 部、ジブチルアミン15.2部、メチルエチルケトン1223部及びイソプロピルアルコール1019部からなる混合物の存在下に製造例でえたウレタンプレポリマー溶液2037部を添加し、50℃で3時間反応させた。こうしてえられたポリウレタン樹脂溶液は、樹脂固形分濃度が30% 、粘度が500 cP /25℃であり、また樹脂固形分1g 当りのアミン価は1.3 であった。
【0041】
比較製造例1
イソホロンジアミン72.0部、ジブチルアミン16.9部、メチルエチルケトン1224部及びイソプロピルアルコール1020部からなる混合物の存在下に製造例4でえたウレタンプレポリマー溶液2037部を添加し、50℃で3時間反応させた。こうしてえられたポリウレタン樹脂溶液は、樹脂固形分濃度が30% 、粘度が720 cP /25℃であり、また樹脂固形分1g 当りのアミン価は0 であった。
【0042】
比較製造例2
イソホロンジアミン72.0部、ジエタノールアミン13.7部、メチルエチルケトン1219部及びイソプロピルアルコール1017部からなる混合物の存在下に製造例1でえたウレタンプレポリマー溶液2037部を添加し、50℃で3時間反応させた。こうしてえられたポリウレタン樹脂溶液は、樹脂固形分濃度が30% 、粘度が890 cP /25℃であり、また樹脂固形分1g 当りのアミン価は0 であった。
【0043】
比較製造例3
イソホロンジアミン52.2部、メチルイミノビスプロピルアミン16.9部、ジ-n- ブチルアミン16.9部、メチルエチルケトン1220部及びイソプロピルアルコール1017部からなる混合物の存在下に製造例1でえられたウレタンプレポリマー溶液2037部を添加し、50℃で3時間反応させた。こうしてえられたポリウレタン樹脂溶液は、樹脂固形分濃度が30% 、粘度が490 cP /25℃であり、また樹脂固形分1g 当りのアミン価は5.0 であった。
【0044】
比較製造例4
イソホロンジアミン94.3部、メチルエチルケトン1233部及びイソプロピルアルコール1024部からなる混合物の存在下に製造例4でえられたウレタンプレポリマー溶液2037部を添加し、50℃で3時間反応させた。こうしてえられたポリウレタン樹脂溶液は、樹脂固形分濃度が30% 、粘度が1300 cP /25 ℃であり、また樹脂固形分1g 当りのアミン価は5.6 であった。
【0045】
実施例1〜及び比較例1〜4
チタン白(ルチル型) 30部
ポリウレタン樹脂各溶液 50部
トルエン 10部
イソプロピルアルコール 10部
上記組成の混合物をそれぞれペイントシェイカーで練肉し、白色印刷インキを調製した。得られた白色印刷インキ100部に対して、さらにトルエン35部およびイソプロピルアルコール15部を加えて粘度を調整し、表1に示す9点の白色インキを作製した。この9点の白色印刷インキを版深30μmのグラビアプレートを備えた簡易グラビア印刷機により厚さ20μmのコロナ放電処理ポリプロピレンフィルム(OPP)、厚さ15μmのコロナ放電処理ナイロンフィルム(NY)の放電処理面、及び厚さ11μmのポリエチレンテレフタレート(PET)の片面に印刷し、40〜50℃で乾燥し、印刷フィルムを得た。
【0046】
(接着性の測定)
得られた印刷フィルムにおける印刷インキの接着性を試験した。試験はセロハンテープを貼り、角度60度で急激に剥離させることにより行い、印刷インキの剥離の強度を以下の基準により評価した(%は面積比である)。評価結果を表1に示す。
1:70% を越え100%以下が剥離した。
2:50% を越え70% 以下が剥離した。
3:20% を越え50% 以下が剥離した。
4: 0% を越え20% 以下が剥離した。
5:剥離しなかった。
【0047】
【表1】
Figure 0004206535
【0048】
実施例及び比較例5〜8
実施例1〜及び比較例1〜4で得られた印刷フィルムの印刷面上に、ポリエチレンイミンをアンカーコート剤として塗布し、塗布面上にさらに低密度ポリエチレンをエクストルージョンラミネートした時の印刷インキのラミネート強度を測定した。評価結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
Figure 0004206535
【0050】
【発明の効果】
本発明で得られるポリウレタン樹脂を使用することにより、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィンフィルム等に対する接着性やラミネート適性に優れる1液性印刷インキを提供できる。

Claims (2)

  1. 高分子ポリオール、ジイソシアネート化合物および鎖伸長剤を反応せしめて得られるポリウレタン樹脂、または高分子ポリオール、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤及び重合停止剤を反応せしめて得られるポリウレタン樹脂を主成分とする印刷インキ用バインダーにおいて、該ポリウレタン樹脂が重合停止剤として一般式(2):
    Figure 0004206535
    (式中、Y は水素原子又は炭素数1〜3のアミノアルキル基を示し、Y は炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を示す。)
    で表される化合物を使用してなるポリウレタン樹脂であり、当該樹脂を芳香族溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、多価アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びスルホキサイド系溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の溶剤の溶液としたことを特徴とする印刷インキ用バインダー。
  2. 一般式(2)の化合物の使用量が重合停止剤の総量に対し20重量%以上である請求項1記載の印刷インキ用バインダー。
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