JP4757149B2 - 水性ポリウレタン樹脂、ガスバリア性組成物およびガスバリア性積層フィルム - Google Patents

水性ポリウレタン樹脂、ガスバリア性組成物およびガスバリア性積層フィルム Download PDF

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Description

本発明は、水性ポリウレタン樹脂、ガスバリア性組成物およびガスバリア性積層フィルムに関する。
食品包装などの各種包装分野では、ガスバリア性を有する積層フィルムが必要とされており、そのようなガスバリア性を有する積層フィルムとして、基材上に塩化ビニリデンが塗工されている積層フィルムが知られている。
しかし、近年、塩素含有化合物の使用を抑制する観点から、塩化ビニリデンに代替する材料として、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体などが検討されている。しかるに、ポリビニルアルコールなどの水溶性または水分散性高分子は、高粘度であり、高濃度での塗工が困難であって、塗膜の乾燥性が不良で高湿度下でのガスバリア性が不十分である。
そのため、かかる不具合の少ない、ガスバリア性の水性ウレタン樹脂の開発が検討されており、例えば、ウレタン基およびウレア基濃度の合計が25〜60重量%であり、かつ酸価が5〜100mgKOH/gのポリウレタン樹脂(i)と、水膨潤性雲母、モンモリロナイトなどの膨潤性無機層状化合物(ii)と、アミン価が100〜1900mgKOH/gのポリアミン化合物(iii)とを含むガスバリア性水性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−139436号公報
しかるに、各種包装分野では、さらにガスバリア性の高い水性ウレタン樹脂の開発が、要望されている。
本発明の目的は、ガスバリア性の高い水性ウレタン樹脂、および、その水性ウレタン樹脂を含有するガスバリア性組成物、さらには、そのガスバリア性組成物が積層されたガスバリア性積層フィルムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の水性ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネートと、ポリオールと、アニオン性基を有する活性水素含有化合物とを、ポリイソシアネートのイソシアネート基が、ポリオールおよびアニオン性基を有する活性水素含有化合物の活性水素基に対して過剰となる割合で反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマーを得て、前記イソシアネート基末端プレポリマーと、ブロック剤とを、前記イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基が残存するように反応させて、ブロック化プレポリマーを得て、前記ブロック化プレポリマーと、ヒドロキシル基を有するポリアミンとを反応させることにより得られ、前記ポリイソシアネートが、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートを含むことを特徴としている。
また、本発明の水性ポリウレタン樹脂では、前記ポリオールが、炭素数2〜8のポリオールであることが好適である。
また、本発明の水性ポリウレタン樹脂では、前記イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基に対する前記ブロック剤の当量比を0.01〜0.95の割合として、前記イソシアネート基末端プレポリマーと、ブロック剤とを反応させることが好適である。
また、本発明の水性ポリウレタン樹脂は、潜在イソシアネート基含量が、0.2〜20重量%であることが好適である。
また、本発明のガスバリア性組成物は、上記した水性ポリウレタン樹脂と、膨潤性無機層状化合物とを含有することを特徴としている。
また、本発明のガスバリア性積層フィルムは、上記した水性ポリウレタン樹脂またはガスバリア性組成物を、基材フィルムの少なくとも一方の面に積層し、100〜250℃の温度で加熱硬化させて得られることを特徴としている。
本発明の水性ポリウレタン樹脂または本発明のガスバリア性組成物を、基材フィルム上に塗工すれば、ガスバリア性に優れる積層フィルムを得ることができる。
本発明の水性ポリウレタン樹脂を得るには、まず、ポリイソシアネートと、ポリオールと、アニオン性基を有する活性水素含有化合物とを、ポリイソシアネートのイソシアネート基が、ポリオールおよびアニオン性基を有する活性水素含有化合物の活性水素基に対して過剰となる割合で反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマーを得る。
本発明において、ポリイソシアネートとしては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4′−、2,4′−または2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(MDI)、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TDI)、4,4′−トルイジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、m−またはp−フェニレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(XDI)、1,3−または1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(TMXDI)、ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、4,4′−、2,4′−または2,2′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートもしくはその混合物(H12MDI)、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物(HXDI)、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナン(NBDI)、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−、2,3−または1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
また、ポリイソシアネートとしては、上記したポリイソシアネートの多量体(例えば、二量体、三量体など)や、例えば、上記したポリイソシアネートあるいは多量体と、水との反応により生成するビウレット変性体、多価アルコールとの反応により生成するアロファネート変性体、炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオン変性体、さらには、下記のポリオールとの反応により生成するポリオール変性体などが挙げられる。
これらポリイソシアネートは、単独または2種以上併用してもよいが、本発明において、ポリイソシアネートは、少なくとも、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物(XDI)、および/または、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物(H XDI)を、含んでいる。
本発明において、ポリオールは、例えば、水酸基を2つ以上有する分子量60〜400の低分子量化合物であって、ガスバリア性の観点から、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、アルカン(C7〜C22)ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、アルカン−1,2−ジオール(C17〜C20)、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、キシレングリコール、ビスヒドロキシエチレンテレフタレートなどのジオール、例えば、グリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノールおよびその他の脂肪族トリオール(C8〜24)などのトリオール、例えば、テトラメチロールメタン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール、D−マンニットなどの水酸基を4つ以上有するポリオールなどが挙げられる。
これらポリオールは、単独または2種以上併用してもよく、好ましくは、炭素数2〜8のポリオール、さらに好ましくは、炭素数2〜8のジオールおよび炭素数2〜8のトリオールが挙げられ、とりわけ好ましくは、これらジオールおよびトリオールの併用が挙げられる。
アニオン性基を有する活性水素含有化合物は、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、スルホベタインなどのべタイン構造含有基などのアニオン性基を有し、かつ、水酸基やアミノ基などの活性水素基を2つ以上有する化合物であって、好ましくは、カルボキシル基を有する活性水素含有化合物が挙げられる。
カルボキシル基を有する活性水素含有化合物としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘキサン酸などのジヒドロキシC2-10アルカン−カルボン酸、例えば、ジオキシマレイン酸などのジヒドロキシC4-10アルカン−ポリカルボン酸またはジヒドロキシC4-10アルケン−ポリカルボン酸、例えば、2,6−ジヒドロキシ安息香酸などのジヒドロキシC6-10アレーン−カルボン酸などが挙げられる。
これらアニオン性基を有する活性水素含有化合物は、単独または2種以上併用してもよく、好ましくは、ジヒドロキシC2-10アルカン−カルボン酸が挙げられる。
そして、イソシアネート基末端プレポリマーを得るには、例えば、ポリイソシアネートと、ポリオールおよびアニオン性基を有する活性水素含有化合物とを、活性水素基(ヒドロキシル基およびアミノ基)に対するイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/活性水素基)が1を越える割合、好ましくは、1.1〜10の割合において配合し、バルク重合や溶液重合などの公知の重合方法によって反応させる。
バルク重合では、例えば、窒素気流下において、ポリイソシアネートを撹拌しつつ、これに、ポリオールおよびアニオン性基を有する活性水素含有化合物を加えて、反応温度60〜90℃で、1〜数時間程度反応させる。
溶液重合では、有機溶媒に、ポリイソシアネート、ポリオールおよびアニオン性基を有する活性水素含有化合物を加えて、反応温度20〜90℃で、1〜数時間程度反応させる。有機溶媒としては、イソシアネート基に対して不活性で、かつ、親水性に富み、除去が容易な低沸点溶媒である、例えば、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、例えば、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、例えば、メチルカルビトール、エチルカルビトールなどのカルビトール類、例えば、アセトニトリルなどのニトリル類などが挙げられる。本発明においては、反応性および粘度の調節がより容易な溶液重合が好ましく用いられる。
また、上記の反応では、必要に応じて、例えば、アミン系、スズ系、鉛系などの公知のウレタン化触媒を用いてもよく、また、得られるイソシアネート基末端プレポリマーからポリイソシアネートの未反応モノマーを、例えば、蒸留や抽出などの公知の除去手段を用いて除去してもよい。
また、この反応において、ポリオールとアニオン性基を有する活性水素含有化合物との配合割合は、例えば、アニオン性基を有する活性水素含有化合物が、ポリオール100重量部に対して、3〜500重量部、好ましくは、10〜120重量部であり、また、アニオン性基を有する活性水素基含有化合物が、後述する水性ポリウレタン樹脂100gあたり、アニオン性基が、通常、10〜200ミリ当量、好ましくは、15〜100ミリ当量となるように配合される。アニオン性基の当量が、この範囲にあれば、良好な分散性を確保することができる。
このようにして得られるイソシアネート基末端プレポリマーは、分子末端に、遊離のイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーであって、そのイソシアネート基含量が、例えば、2〜25重量%、好ましくは、5〜20重量%である。また、イソシアネート基の平均官能基数は、例えば、2〜5、好ましくは、2.1〜3.5である。
本発明の水性ポリウレタン樹脂を得るには、次いで、得られたイソシアネート基末端プレポリマーとブロック剤とを、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基が残存するように反応させることにより、ブロック化プレポリマーを得る。
本発明において、ブロック剤としては、例えば、オキシム系、フェノール系、アルコール系、イミン系、アミン系、カルバミン酸系、尿素系、イミダゾール系、イミド系、メルカプタン系、活性メチレン系、酸アミド系(ラクタム系)、重亜硫酸塩類などのブロック剤が挙げられる。
オキシム系ブロック剤としては、例えば、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトキシム、ジアセチルモノオキシム、ペンゾフェノオキシムなどが挙げられる。
フェノール系ブロック剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノールなどが挙げられる。
アルコール系ブロック剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
イミン系ブロック剤としては、例えば、エチレンイミン、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
アミン系ブロック剤としては、例えば、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾールなどが挙げられる。
カルバミン酸系ブロック剤としては、例えば、N−フェニルカルバミン酸フェニルなどが挙げられる。
尿素系ブロック剤としては、例えば、尿素、チオ尿素などが挙げられる。
イミダゾール系ブロック剤としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
イミド系ブロック剤としては、例えば、コハク酸イミド、マレイン酸イミドなどを挙げられる。
メルカプタン系ブロック剤としては、例えば、ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどが挙げられる。
活性メチレン系ブロック剤としては、例えば、マロン酸ジメチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなどが挙げられる。
酸アミド系(ラクタム系)ブロック剤としては、例えば、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどが挙げられる。
これらブロック剤は、単独または2種以上併用してもよく、好ましくは、実用上200℃以下で解離するブロック剤が挙げられ、具体的には、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム系ブロック剤や、アセト酢酸エチルなどの活性メチレン系ブロック剤が挙げられる。
そして、ブロック化プレポリマーは、上記したイソシアネート基末端プレポリマーとブロック剤とを、イソシアネート基に対するブロック剤の当量比(ブロック剤/イソシアネート基)が1未満となる割合、好ましくは、0.01〜0.95の割合において配合し、冷却下、30〜80℃で、0.5〜数時間反応させることにより、得ることができる。
イソシアネート基末端プレポリマーとブロック剤とを、イソシアネート基に対するブロック剤の当量比が0.1〜0.5の割合において配合すれば、水分散性が良好となるうえ、次に反応させるヒドロキシル基を有するポリアミンの配合の自由度を拡大することができる。
なお、この反応は、必要に応じて上記したウレタン化触媒を用いることができ、また、反応系を均一にし、あるいは、適度な粘度に調節するために、上記した有機溶媒中で反応させてもよい。
ブロック化プレポリマーを得るには、好ましくは、イソシアネート基末端プレポリマーを、溶液重合によって得るようにし、得られた反応液を一旦冷却した後、その反応液に、続けてブロック剤を上記の割合で加えて(滴下して)、反応させる。このようにすれば、ブロック化プレポリマーを、イソシアネート基末端プレポリマーから連続して得ることができ、生産効率の向上を図ることができる。
このようにして得られたブロック化プレポリマーは、分子末端に、遊離のイソシアネート基と、熱により解離可能なブロック化されたイソシアネート基(ブロック化イソシアネート基)とを有するポリウレタンプレポリマーであって、そのイソシアネート基含量が、例えば、1.0〜20重量%、好ましくは、2〜15重量%である。
そして、本発明の水性ポリウレタン樹脂を得るには、次いで、得られたブロック化プレポリマーを中和、水分散した後、ヒドロキシル基を有するポリアミンと反応させるか、または、ブロック化プレポリマーを、中和剤が配合されている水中へ中和しながら分散した後、ヒドロキシル基を有するポリアミンと反応させるか、さらには、ブロック化プレポリマーを中和した後にヒドロキシル基を有するポリアミンと反応させた後、水分散させるようにする。好ましくは、得られたブロック化プレポリマーを中和、水分散した後、ヒドロキシル基を有するポリアミンとを反応させる。
ヒドロキシル基を有するポリアミンは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有し、かつ、アミノ基を2つ以上有する化合物であって、例えば、2−[(2’−アミノエチル)アミノ]エタノール(実施例の2−ヒドロキシエチルアミノエチルアミンに相当)、2−アミノエチルアミノプロパノール、2−(3’−アミノプロピル)アミノエタノール、3−(2’−ヒドロキシエチル)アミノプロピルアミンなどのアミC2-6アルキルアミノC2-3アルキルアルコールなどが挙げられる。これらヒドロキシル基を有するポリアミンは、単独または2種以上併用してもよく、好ましくは、2−[(2’−アミノエチル)アミノ]エタノールが挙げられる。
ブロック化プレポリマーと、ヒドロキシル基を有するポリアミンとを反応させるには、好ましくは、まず、得られたブロック化プレポリマーに、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類や、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、その他、アンモニアなどの中和剤を添加して、アニオン性基が塩を形成するように中和する。中和剤の添加割合は、例えば、アニオン性基1当量あたり、例えば、0.4〜1.2当量、好ましくは、0.6〜1.00当量である。なお、中和剤は、イソシアネート基末端プレポリマーを得た後、ブロック剤を反応させる前に、添加することもできる。
その後、ブロック化プレポリマーに、水を加えて分散させた後、これに、ヒドロキシル基を有するポリアミンを、イソシアネート基に対するアミノ基の当量比(アミノ基/イソシアネート基)が1または1を超える割合、好ましくは、0.8〜1.2の割合において配合し、5〜30℃で、0.5〜数時間反応させる。これによって、ブロック化プレポリマーがヒドロキシル基を有するポリアミンによって鎖伸長された水性ポリウレタン樹脂を、水中に分散された水分散液として得ることができる。
なお、反応終了後には、イソシアネート基末端プレポリマーが溶液重合により合成されている場合など、有機溶媒が残存している場合には、その有機溶媒を、例えば、減圧下において、適宜の温度で加熱して除去する。
このようにして得られた水性ポリウレタン樹脂は、1分子鎖中に、ブロック化イソシアネート基と、ヒドロキシル基と、アニオン性基とを有する水分散性(自己乳化型)のポリウレタン樹脂であって、その潜在イソシアネート基含量(ブロック化イソシアネート基から解離可能なイソシアネート基の含量)が、例えば、0.2〜20重量%、好ましくは、1〜10重量%であり、その水酸基価が、例えば、5〜120mgKOH/g、好ましくは、15〜100mgKOH/gであり、その酸価が、例えば、5〜100mgKOH/g、好ましくは、10〜70mgKOH/gである。
水性ポリウレタン樹脂の潜在イソシアネート基含量、水酸基価および酸価が、上記の範囲にあれば、良好な水分散性で安定な水性ウレタンが得られ、成膜性が良好で効果的な架橋反応を生じさせることができる。
また、水性ポリウレタン樹脂の水分散液に対する割合、つまり、水分散液の固形分は、例えば、5〜60重量%、好ましくは、10〜50重量%である。なお、水分散液の固形分は、水の添加量にて調整することができる。
また、水分散液中における水性ポリウレタン樹脂の平均粒子径は、例えば、20〜400nm、好ましくは、40〜200nmである。なお、この平均粒子径は、動的光散乱法により求められる平均粒子径である。
そして、このようにして得られる水性ポリウレタン樹脂は、例えば、基材フィルム上に塗工すれば、酸素および水蒸気などに対するガスバリア性に優れる積層フィルムを得ることができる。例えば、水性ポリウレタン樹脂の塗工層(厚み5μm)において、その酸素透過度(単位:ml/m・atm・day、温度20℃、相対湿度90%)は、例えば、500以下、好ましくは、200以下である。そのため、本発明の水性ポリウレタン樹脂は、そのようなガスバリア性に優れる積層フィルムを調製するためのガスバリア性組成物として用いることができる。
本発明の水性ポリウレタン樹脂を、ガスバリア性組成物として用いる場合には、本発明の水性ポリウレタン樹脂のみを、そのままガスバリア性組成物として用いることもできるが、本発明のガスバリア性組成物には、本発明の水性ポリウレタン樹脂以外に、例えば、膨潤性無機層状化合物を含有させることもできる。本発明のガスバリア性組成物に、本発明の水性ポリウレタン樹脂とともに、膨潤性無機層状化合物を含有させれば、得られた塗膜に、酸素および水蒸気などに対するより一層のガスバリア性を付与することができる。
本発明において、膨潤性無機層状化合物は、極薄の単位結晶からなり、単位結晶層間に溶媒が配位または吸収・膨潤する性質を有する粘土鉱物である。膨潤性無機層状化合物としては、含水ケイ酸塩(フィロケイ酸塩鉱物など)、例えば、カオリナイト族粘土鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイト、ナクライトなど)、アンチゴライト族粘土鉱物(アンチゴライト、クリソタイルなど)、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなど)、バーミキュライト族粘土鉱物(バーミキュライトなど)、雲母またはマイカ族粘土鉱物(白雲母、金雲母などの雲母、マーガライト、テトラシリリックマイカ、テニオライトなど)などが挙げられる。
膨潤性無機層状化合物の平均粒径は、通常、10μm以下であり、例えば、50nm〜5μm、好ましくは、100nm〜3μmである。また、膨潤性無機層状化合物のアスペクト比は、例えば、50〜5000、好ましくは、100〜3000、さらに好ましくは、200〜2000である。
これら膨潤性無機層状化合物は、天然粘土鉱物であってもよく、また、合成粘土鉱物であってもよい。また、単独または2種以上併用してもよく、好ましくは、スメクタイト族粘土鉱物(モンモリロナイトなど)、マイカ族粘土鉱物(水膨潤性雲母など)が挙げられる。
水性ポリウレタン樹脂と膨潤性無機層状化合物との配合割合は、水性ポリウレタン樹脂100重量部に対して、膨潤性無機層状化合物が、例えば、0.1〜200重量部、好ましくは、1〜100重量部である。
さらに、本発明のガスバリア性組成物には、ガスバリア性を損なわない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、安定剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤など)、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、着色剤、フィラー、結晶核剤などが挙げられる。
また、本発明のガスバリア性組成物は、水性ポリウレタン樹脂、膨潤性無機層状化合物、その他必要に応じて添加剤を配合して、例えば、水中に均一に分散させて、水分散液として調製することができる。
また、ガスバリア性組成物を水分散液として調製する場合には、適宜水を加えて、その固形分を、例えば、0.5〜20重量%、好ましくは、1〜15重量%に調整する。なお、膨潤性無機層状化合物は、水分散液において、2次凝集するおそれがあるため、好ましくは、膨潤性無機層状化合物を溶媒に分散または混合した後、せん断力が作用する機械的な強制分散処理、例えば、ホモミキサー、コロイドミル、ジェットミル、ニーダー、サンドミル、ボールミル、3本ロール、超音波分散装置などによる分散処理を利用して、分散させる。
そして、このようにして得られたガスバリア性組成物を、基材フィルムの片面または両面に塗工すれば、酸素および水蒸気などに対するガスバリア性に優れる積層フィルム(ガスバリア性積層フィルム)を得ることができる。
基材フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体など)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン6、ナイロン66など)、ビニル系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)、セロファンなどの熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムが挙げられる。好ましくは、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルムが挙げられる。
なお、基材フィルムは、単層フィルムであってもよく、樹脂フィルムの積層フィルムであってもい。また、樹脂フィルムと、他の基材フィルム(アルミニウムなどの金属、紙など)との積層基材フィルムであってもよい。
さらに、樹脂フィルムは、未延伸フィルムであってもよく、一軸または二軸延伸配向フィルムであってもよく、表面処理(コロナ放電処理など)やアンカーコートまたはアンダーコート処理した樹脂フィルムであってもよい。さらに、アルミニウムなどの金属、シリカ、アルミナなどの金属酸化物が蒸着された蒸着樹脂フィルムであってもよい。
基材フィルムの厚みは、例えば、3〜200μm、好ましくは5〜120μm、さらに好ましくは10〜100μmである。
ガスバリア性組成物を基材フィルムに塗工するには、特に制限されず、例えば、グラビアコート法、リバースコート法、ロールコート法、バーコート法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ディッピング法などの公知のコーティング方法が用いられ、また、これらを適宜組み合わせてコーティングすることもできる。
ガスバリア性組成物を基材フィルムに塗工した後は、乾燥により成膜した後、硬化させることにより、積層フィルムを形成することがきる。成膜後のガスバリア性組成物からなる塗工層の厚みは、例えば、0.1〜15μm、好ましくは0.2〜10μm、さらに好ましくは、0.5〜5μm程度である。
また、塗工層の成膜は、例えば、50〜200℃、好ましくは、80〜150℃で加熱乾燥すればよく、また、塗工層の硬化は、ブロック剤の解離温度以上で加熱すればよく、例えば、100〜250℃、好ましくは、120〜200℃で加熱硬化する。これによって、水性ポリウレタン樹脂は、ブロック剤の解離により、ブロック剤によってブロックされていたイソシアネート基が遊離して、その遊離したイソシアネート基が、ヒドロキシル基を有するポリアミンに由来するヒドロキシル基と反応することにより、自己架橋し、その結果、ガスバリア性を有する硬い塗膜を形成する。
そして、このようにして得られた積層フィルムは、酸素および水蒸気などに対するガスバリア性に優れ、例えば、食品包装などの各種包装分野において、有効に用いられる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
メチルエチルケトン125.8gに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)161.1g、エチレングリコール21.9g、トリメチロールプロパン10.5gおよびジメチロールブタン酸13.0gを混合して、窒素雰囲気下70℃で4時間反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマーを合成し、この反応液のイソシアネート基含有量が6.87重量%以下になった後、50℃まで冷却し、メチルエチルケトオキシム18.4gを徐々に滴下して、反応熱により反応液を70℃とした後、1時間反応させることにより、ブロック化プレポリマーを合成した。この反応液のイソシアネート基含有量が3.98重量%以下となった後、40℃まで冷却し、この反応液にトリエチルアミン8.7gを添加してカルボキシル基を中和した。
その後、得られたブロック化プレポリマーを、水750gにホモディスパーにより分散させ、2−ヒドロキシエチルアミノエチルアミン16.4gを加えて鎖伸長反応させた後、メチルエチルケトンを留去することにより、固形分25重量%、平均粒子径55nmの水性ポリウレタン樹脂の水分散液を得た。この水性ポリウレタン樹脂の潜在イソシアネート基含有量は3.55重量%、水酸基価は35.4mgKOH/g、酸価は19.8mgKOH/gであった。
次いで、この水性ポリウレタン樹脂を、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm、PET)のコロナ放電処理面上に、乾燥厚み5μmとなるようにマイヤーバーで塗工し、90℃で30秒間乾燥した後、180℃で20分間加熱処理して、積層フィルム1を得た。得られた積層フィルム1の酸素透過度を、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、MOCON OXTRAN10/50A)を用いて測定したところ、温度20℃、相対湿度90%雰囲気下で、23.1ml/m・atm・dayであった。
実施例2
実施例1で得られた水性ポリウレタン樹脂100重量部と、合成マイカ(コープケミカル社製、商品名「ソマシフME−100」)10重量部とを混合し、水を加えて固形分10重量%のガスバリア性組成物を調製した。
次いで、このガスバリア性組成物を、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm、PET)のコロナ放電処理面上に、乾燥厚み1g/mとなるようにマイヤーバーで塗工し、90℃で30秒間乾燥した後、180℃で20分間加熱処理して、積層フィルム2を得た。得られた積層フィルム2の酸素透過度を、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、MOCON OXTRAN10/50A)を用いて測定したところ、温度20℃、相対湿度90%雰囲気下で、13.0ml/m・atm・dayであった。
実施例3
メチルエチルケトン125.8gに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)99.4g、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)62.3g、エチレングリコール19.4g、トリメチロールプロパン11.2g、ジメチロールプロピオン酸12.0gを混合し、窒素雰囲気下70℃で4時間反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマーを合成し、この反応液のイソシアネート基含有量が7.70重量%以下になった後、50℃まで冷却し、メチルエチルケトオキシム23.4gを徐々に滴下して、反応熱により反応液を70℃とした後、1時間反応させることにより、ブロック化プレポリマーを合成した。この反応液のイソシアネート基含有量が3.97重量%以下となった後、40℃まで冷却し、この反応液にトリエチルアミン8.9gを添加してカルボキシル基を中和した。
その後、得られたブロック化プレポリマーを、水750gにホモディスパーにより分散させ、2−ヒドロキシエチルアミノエチルアミン16.4gを加えて鎖伸長反応させた後、メチルエチルケトンを留去することにより、固形分25重量%、平均粒子径62nmの水性ポリウレタン樹脂の水分散液を得た。この水性ポリウレタン樹脂の潜在イソシアネート基含有量は4.51重量%、水酸基価は35.3mgKOH/g、酸価は18.2mgKOH/gであった。
次いで、この水性ポリウレタン樹脂を、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm、PET)のコロナ放電処理面上に、乾燥厚み5μmとなるようにマイヤーバーで塗工し、90℃で30秒間乾燥した後、180℃で20分間加熱処理して、積層フィルム3を得た。得られた積層フィルム3の酸素透過度を、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、MOCON OXTRAN10/50A)を用いて測定したところ、温度20℃、相対湿度90%雰囲気下で、19.4ml/m・atm・dayであった。
実施例4
実施例3で得られた水性ポリウレタン樹脂100重量部と、合成マイカ(コープケミカル社製、商品名「ソマシフME−100」)10重量部とを混合し、水を加えて固形分10重量%のガスバリア性組成物を調製した。
次いで、このガスバリア性組成物を、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm、PET)のコロナ放電処理面上に、乾燥厚み1g/mとなるようにマイヤーバーで塗工し、90℃で30秒間乾燥した後、180℃で20分間加熱処理して、積層フィルム4を得た。得られた積層フィルム4の酸素透過度を、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、MOCON OXTRAN10/50A)を用いて測定したところ、温度20℃、相対湿度90%雰囲気下で、10.7ml/m・atm・dayであった。
比較例1
メチルエチルケトン94.8gに、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)169.0g、エチレングリコール30.5gおよびジメチロールブタン酸13.0gを混合して、窒素雰囲気下70℃で5時間反応させ反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマーを合成し、この反応液のイソシアネート基含有量が7.93重量%以下になった後、40℃まで冷却し、この反応液に、トリエチルアミン8.7gを添加してカルボキシル基を中和した。
その後、イソシアネート基末端プレポリマーを、水750gにホモディスパーにより分散させ、2−ヒドロキシエチルアミノエチルアミン28.7gを加えて鎖伸長反応させた後、メチルエチルケトンを留去することにより、固形分25重量%、平均粒子径110nmの水性ポリウレタン樹脂の水分散液を得た。この水性ポリウレタン樹脂の水酸基価は61.9mgKOH/g、酸価は19.7mgKOH/gであった。
次いで、この水性ポリウレタン樹脂を、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12μm、PET)のコロナ放電処理面上に、乾燥厚み5g/mとなるようにマイヤーバーで塗工し、90℃で30秒間乾燥して、積層フィルム5を得た。得られた積層フィルム5の酸素透過度を、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、MOCON OXTRAN10/50A)を用いて測定したところ、温度20℃、相対湿度90%雰囲気下で、50.0ml/m・atm・dayであった。
比較例2
比較例1で得られた水性ポリウレタン樹脂100重量部と、合成マイカ(コープケミカル社製、商品名「ソマシフME−100」)10重量部とを混合し、水を加えて固形分10重量%のガスバリア性組成物を調製した。
次いで、このガスバリア性組成物を、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚み20μm、OPP)のコロナ放電処理面上に、乾燥厚み1g/mとなるようにマイヤーバーで塗工し、90℃で30秒間乾燥して、積層フィルム6を得た。得られた積層フィルム6の酸素透過度を、酸素透過度測定装置(モダンコントロール社製、MOCON OXTRAN10/50A)を用いて測定したところ、温度20℃、相対湿度90%雰囲気下で、47.6ml/m・atm・dayであった。

Claims (6)

  1. ポリイソシアネートと、ポリオールと、アニオン性基を有する活性水素含有化合物とを、ポリイソシアネートのイソシアネート基が、ポリオールおよびアニオン性基を有する活性水素含有化合物の活性水素基に対して過剰となる割合で反応させることにより、イソシアネート基末端プレポリマーを得て、
    前記イソシアネート基末端プレポリマーと、ブロック剤とを、前記イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基が残存するように反応させて、ブロック化プレポリマーを得て、
    前記ブロック化プレポリマーと、ヒドロキシル基を有するポリアミンとを反応させることにより得られ
    前記ポリイソシアネートが、キシリレンジイソシアネートおよび/または水添キシリレンジイソシアネートを含むことを特徴とする、水性ポリウレタン樹脂。
  2. 前記ポリオールが、炭素数2〜8のポリオールであることを特徴とする、請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂。
  3. 前記イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基に対する前記ブロック剤の当量比を0.01〜0.95の割合として、前記イソシアネート基末端プレポリマーと、ブロック剤とを反応させることを特徴とする、請求項1または2に記載の水性ポリウレタン樹脂。
  4. 潜在イソシアネート基含量が、0.2〜20重量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の水性ポリウレタン樹脂。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の水性ポリウレタン樹脂と、膨潤性無機層状化合物とを含有することを特徴とする、ガスバリア性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の水性ポリウレタン樹脂またはガスバリア性組成物を、基材フィルムの少なくとも一方の面に積層し、100〜250℃の温度で加熱硬化させて得られることを特徴とする、ガスバリア性積層フィルム。
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