JP5110673B2 - リパーゼ阻害剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なリパーゼ阻害剤に関する。更に詳述すると、リパーゼ阻害作用を通じて、飲食物、化粧品、日用雑貨など生活環境に存在する油脂類が原因となって生じる悪臭の発生抑制、化粧品および日用雑貨など肌に直接接触するものに存在する油脂類が原因となって生じる肌荒れの抑制、飲食物に存在する油脂類が原因となって生じる肥満の抑制などに有用なリパーゼ阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食品中に含有される油脂類は、環境中に存在する微生物などが産生するリパーゼにより加水分解されて、グリセロールと脂肪酸を生成する。生じた脂肪酸は酸化され、アルデヒド類等を生成し、悪臭や変敗の原因となるため飲食品の品質を保持していく上で大きな問題となっている。
【0003】
また、皮膚においては、皮膚に存在する微生物が産生するリパーゼまたは表皮角化細胞のリパーゼの作用により皮脂類から脂肪酸が生成され、生じた脂肪酸が好中球を活性化し、活性化された好中球が活性酸素を放出し、これがニキビや皮膚炎の原因となる。
【0004】
一方、消化酵素の一種であるリパーゼは、飲食された飲食品中の油脂類を分解することにより、消化吸収を促進している。したがって、リパーゼの作用を阻害することにより肥満症、過脂肪血症、アテローム性動脈硬化症および動脈硬化症を治療・予防することが可能となると考えられる。
【0005】
このように飲食品、化粧品、皮膚などに対して悪影響を及ぼすリパーゼの活性を阻害するリパーゼ阻害剤としては、例えば、レモングラス、オールスパイス、シナモン、クローブ、阿仙薬、グァバ、メドウスィート、コラ・デ・カバロ、ビワ、ドッカツ、リョウキョウ、ビンロウシ、ヨウバイヒ、サンペンズ、ケツメイシなどの植物からの抽出物を利用したリパーゼ阻害剤が提案されているが(特開2001−120237、特開2000−103741、特開平11−228338、特開平10−265364、特開平5−255100)、有効性および安全性の点で満足できるものは未だ開発されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、安全性の確認されている天然物の中から、優れたリパーゼ阻害作用を有する物質を見出し、それを有効成分とした新規なリパーゼ阻害剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明により提供されるリパーゼ阻害剤は、アルファルファ抽出物、苦丁茶抽出物、金銀花抽出物、ペパーミント抽出物、チョウジ抽出物、セイヨウキズタ抽出物、オリーブ抽出物およびラフマ茶抽出物からなる群より選択される1種または2種以上の抽出物を有効成分として含有することを特徴とする。
【0008】
本発明のリパーゼ阻害剤においては、前記アルファルファ抽出物が、アルファルファの茎部および/または葉部を極性溶媒により抽出して得られる抽出物であり、前記苦丁茶抽出物が、苦丁茶の葉部を極性溶媒により抽出して得られる抽出物であり、前記金銀花抽出物が、金銀花の花部、葉部または茎部を極性溶媒により抽出して得られる抽出物であり、前記ペパーミント抽出物が、ペパーミントの地上部を極性溶媒により抽出して得られる抽出物であり、前記チョウジ抽出物が、チョウジの蕾部を極性溶媒により抽出して得られる抽出物であり、前記セイヨウキズタ抽出物が、セイヨウキズタの茎部および/または葉部を極性溶媒により抽出して得られる抽出物であり、前記オリーブ抽出物が、オリーブの葉部を極性溶媒により抽出して得られる抽出物であり、前記ラフマ茶抽出物が、ラフマ茶の葉部を極性溶媒により抽出して得られる抽出物であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、「アルファルファ抽出物」、「苦丁茶抽出物」、「金銀花抽出物」、「ペパーミント抽出物」、「チョウジ抽出物」、「セイヨウキズタ抽出物」、「オリーブ抽出物」、「ラフマ茶抽出物」には、アルファルファ、苦丁茶、金銀花、ペパーミント、チョウジ、セイヨウキズタ、オリーブまたはラフマ茶の各植物(以下、単に「各植物」という場合がある。)を抽出原料として得られる抽出液、該抽出液の希釈液もしくは濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、またはこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。
【0010】
抽出原料として使用するアルファルファ(学名:Medicago sativa)は、別名ムラサキウマゴヤシ(ヨーロッパではルーサン(Lucerne))とも呼ばれ、マメ科に属する多年生植物である。芽生えたばかりのものはアルファルファもやしと呼ばれ、食用されている。アルファルファは世界各地で飼料として用いられている他、中国では内臓を強め、膀胱結石を取り除く民間薬として利用されている。アルファルファは、世界各地で栽培されており、これらの地域から容易に入手可能である。抽出原料としては、アルファルファの茎部、葉部などを使用することができる。
【0011】
抽出原料として使用する苦丁茶(学名:Ilex latifolia)は、別名タラヨウとも呼ばれ、モチノキ科に属する常緑高木植物である。苦丁茶はお茶として飲用されている他、頭痛、眼充血、耳鳴りなどの民間薬として利用されている。苦丁茶は、日本および中国の暖帯に自生しており、これらの地域から容易に入手可能である。抽出原料としては、苦丁茶の葉部、枝部、幹部、樹皮部などを使用することができるが、葉部を使用することが好ましい。
【0012】
抽出原料として使用する金銀花(学名:Lonicera japonica または Lonicera lanceolata)は、別名スイカズラとも呼ばれ、スイカズラ科に属するつる性の常緑低木植物である。金銀花は、お茶として飲用されている他、感冒、各種炎症などの民間薬として利用されている。金銀花は、日本および中国の暖帯に自生しており、これらの地域から容易に入手可能である。抽出原料としては、金銀花の花部、葉部、茎部などを使用することができるが、花部を使用することが好ましい。
【0013】
抽出原料として使用するペパーミント(学名:Mentha piperita)は、別名セイヨウハッカとも呼ばれ、シソ科に属する多年生草本植物である。ペパーミントは生のまま食用に用いたり、お茶として飲用されたりしている他、そのエキスが飲料、カクテル、ガムなどに利用されている。ペパーミントは、ヨーロッパ、アメリカなどの世界各地で栽培されており、これらの地域から容易に入手可能である。抽出原料としては、ペパーミントの地上部などを使用することができる。
【0014】
抽出原料として使用するチョウジ(学名:Syzygium aromaticum)は、別名クローブとも呼ばれ、フトモモ科に属する常緑高木植物である。チョウジは、スパイスとして多量に利用されている他、歯科用抗菌剤、健胃剤などの薬用にも利用されている。チョウジは、アジアからアフリカにわたる熱帯で栽培されており、インドネシアや東アフリカなどの地域から容易に入手可能である。抽出原料としては、チョウジの蕾部などを使用することができる。
【0015】
抽出原料として使用するセイヨウキズタ(学名:Hedera helix)は、別名アイビーとも呼ばれ、ウコギ科に属する常緑のつる性植物である。セイヨウキズタは、中国では関節炎などの民間薬として利用されている。セイヨウキズタは、ヨーロッパ、アフリカ、アジアなどに自生しており、これらの地域から容易に入手可能である。抽出原料としては、セイヨウキズタの茎部、葉部などを使用することができる。
【0016】
抽出原料として使用するオリーブ(学名:Olea europaea)は、モクセイ科に属する常緑高木植物である。果実から採取されたオリーブ油は、食用、薬用、化粧品用として利用されている。オリーブは、地中海沿岸や、中国などをはじめとしたアジアで栽培されており、これらの地域から容易に入手可能である。抽出原料としては、オリーブの葉部、枝部、樹皮部などを使用することができるが、葉部を使用することが好ましい。
【0017】
抽出原料として使用するラフマ茶(学名:Apocynum venetum)は、キョウチクトウ科に属する多年生草本植物である。ラフマ茶は、お茶として飲用されている他、感冒の予防、高血圧症、不眠症などの民間薬として利用されている。ラフマ茶は、ヨーロッパや、中国をはじめとしたアジアに自生しており、これらの地域から容易に入手可能である。抽出原料としては、ラフマ茶の葉部、全草などを使用することができる。
【0018】
抽出原料とする各植物は、生のまま又は乾燥した後、そのまま又は粉砕機により粉砕して使用することができる。乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。抽出原料とする各植物は、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから使用してもよい。脱脂等の前処理を行なうことにより、各植物の極性溶媒による抽出処理を効率よく行なうことができる。
【0019】
抽出処理の際には、抽出溶媒として極性溶媒を使用するのが好ましい。アルファルファ、苦丁茶、金銀花、ペパーミント、チョウジ、セイヨウキズタ、オリーブまたはラフマ茶に含まれるリパーゼ阻害作用を示す成分は、極性溶媒を抽出溶媒とする抽出処理によって容易に抽出することができる。
【0020】
好適な極性溶媒の具体例としては、水、親水性有機溶媒などを例示することができ、これらを単独で又は2種類以上を組み合わせて室温〜溶媒の沸点程度の温度で使用することができる。
【0021】
本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、加熱、殺菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0022】
本発明において抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピレンアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコール等を例示することができる。
【0023】
2種以上の極性溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。例えば、水と親水性有機溶媒との混合液を使用する場合には、親水性有機溶媒が低級アルコールであれば水10重量部に対して1〜90重量部、親水性有機溶媒が低級脂肪族ケトンであれば水10重量部に対して1〜40重量部、親水性有機溶媒が多価アルコールであれば水10重量部に対して10〜90重量部混合することが好ましい。
【0024】
抽出処理は、各植物に含まれる可溶性成分を抽出溶媒に溶出させ得る限り特に限定されず、常法に従って行なうことができる。抽出処理の際には、特殊な抽出方法を採用する必要はなく、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。
【0025】
例えば、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、ときどき攪拌しながら可溶性成分を溶出させる。この際、抽出条件は抽出原料等に応じて適宜調整し得る。例えば、抽出溶媒として水を用いる場合には、抽出溶媒量は抽出原料の通常1〜1000倍量程度(重量比)、抽出時間は通常30分〜2時間程度、抽出温度は通常40〜90℃程度とする。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合液を用いる場合には、抽出溶媒量は抽出原料の通常1〜100倍量程度(重量比)、抽出時間は通常30分〜2時間程度、抽出温度は通常40〜80℃程度とする。
【0026】
抽出処理により可溶性成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって、抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
【0027】
得られた抽出液を脱色、脱臭、活性向上等を目的として精製する場合、その精製方法は特に限定されず、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配等の方法が挙げられる。
【0028】
各植物からの抽出物は特有の匂いと味を有しているため、その生理活性の低下を招かない範囲で脱色、脱臭等を目的とする精製を行なうことも可能であるが、化粧料や食品に添加する場合には大量に使用するものではないから、未精製のままでも実用上支障はない。
【0029】
得られた抽出液はそのままでもリパーゼ阻害剤として使用することができるが、常法に従って製剤化して使用することもできる。製剤化する場合、保存や取扱いを容易にするために、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容され得るキャリアーその他任意の助剤を添加することができる。製剤化により粉末状、顆粒状、錠剤状等、任意の剤形とすることができる。製剤化の際には、必要に応じてリパーゼ阻害作用を有する他の物質を添加してもよい。
【0030】
リパーゼ阻害剤には、各植物からの抽出物のいずれか1種を有効成分として含有させてもよいし、2種以上を有効成分として含有させてもよい。2種以上を有効成分として含有させる場合、その含有比は特に限定されるものではなく、各抽出物の生理活性の強さなどに応じて適宜調整することができる。
【0031】
本発明のリパーゼ阻害剤は、リパーゼ活性を効率よく阻害することができる。したがって、本発明のリパーゼ阻害剤によれば、リパーゼ阻害作用を通じて、飲食品や化粧品などに含有される油脂類の分解を防止し、飲食品や化粧品の悪臭や変敗を抑制することができる他、リパーゼ阻害作用を通じたニキビ、皮膚炎などの予防・治療、リパーゼ阻害作用を通じた肥満症、過脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症などの予防・治療が可能となる。
【0032】
本発明のリパーゼ阻害剤は、添加対象物の風味や使用感に対する悪影響が少ないので、広範な添加対象物に対して使用することができる。本発明のリパーゼ阻害剤の添加対象物は特に限定されず、その具体例としては、飲食品、化粧品、口腔用剤などが挙げられる。添加対象となる飲食品の具体例としては、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料(これら飲料の濃縮液および調製用粉末を含む);アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の氷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、シュウマイの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、天ぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂および油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;錠剤状、顆粒状等の種々の形態の健康・栄養補助食品類;その他スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物等が挙げられ、添加対象となる化粧料としては、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック等の皮膚化粧料が挙げられる。
【0033】
飲食品や化粧品へのリパーゼ阻害剤の配合量は、飲食品や化粧品の種類や抽出物の生理活性等によって適宜調整することができるが、好適な配合率は、未精製の標準的な抽出物の乾燥物に換算して、飲食品の場合には通常約0.01〜10重量%であり、化粧品の場合には通常約0.001〜5重量%である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0035】
〔製造例1〕
アルファルファの茎葉部(100g)に50重量%エタノール(1000ml)を加え、還流冷却器を用いて、80℃にて2時間抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽出液を得た。得られた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、アルファルファ抽出物20.8g(粉末)を得た(収率20.8%)。
【0036】
〔製造例2〕
苦丁茶の葉部(100g)に水(1000ml)を加え、還流冷却器を用いて、90℃にて2時間抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽出液を得た。得られた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、苦丁茶抽出物30.1g(粉末)を得た(収率30.1%)。
【0037】
〔製造例3〕
金銀花(Lonicera japonica)の花部(100g)に50重量%エタノール(1000ml)を加え、還流冷却器を用いて、80℃にて2時間抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽出液を得た。得られた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、金銀花抽出物35.2g(粉末)を得た(収率35.2%)。
【0038】
〔製造例4〕
ペパーミント(Mentha piperita)の地上部(100g)に70重量%アセトン(1000ml)を加え、還流冷却器を用いて、80℃にて2時間抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽出液を得た。得られた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、ペパーミント抽出物15.3g(粉末)を得た(収率15.3%)。
【0039】
〔製造例5〕
チョウジ(Syzygium aromaticum)の蕾部(100g)にエタノール(1000ml)を加え、還流冷却器を用いて、80℃にて2時間抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽出液を得た。得られた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、チョウジ抽出物12.1g(粉末)を得た(収率12.1%)。
【0040】
〔製造例6〕
セイヨウキズタ(Hedera helix)の茎葉部(100g)に50重量%エタノール(1000ml)を加え、還流冷却器を用いて、80℃にて2時間抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽出液を得た。得られた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、セイヨウキズタ抽出物25.7g(粉末)を得た(収率25.7%)。
【0041】
〔製造例7〕
オリーブの葉部(100g)に70重量%アセトン(1000ml)を加え、還流冷却器を用いて、80℃にて2時間抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽出液を得た。得られた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、オリーブ抽出物33.2g(粉末)を得た(収率33.2%)。
【0042】
〔製造例8〕
ラフマ茶の葉部(100g)に水(1000ml)を加え、還流冷却器を用いて、80℃にて2時間抽出を行った後、濾紙にて濾過し、抽出液を得た。得られた抽出液を減圧下に濃縮、乾燥を行い、ラフマ茶抽出物29.8g(粉末)を得た(収率29.8%)。
【0043】
〔実施例1〜8〕
製造例1のアルファルファ抽出物(実施例1)、製造例2の苦丁茶抽出物(実施例2)、製造例3の金銀花抽出物(実施例3)、製造例4のペパーミント抽出物(実施例4)、製造例5のチョウジ抽出物(実施例5)、製造例6のセイヨウキズタ抽出物(実施例6)、製造例7のオリーブ抽出物(実施例7)、製造例8のラフマ茶抽出物(実施例8)を50重量%エタノールで溶解および希釈することによって、それぞれ試料濃度62.5μg/ml〜10.0mg/mlの試料溶液を調整した。
得られた各試料溶液50μl、リパーゼ(Candida cylindracea起源、Biocatalysts社;15.4U/mL)50μl、0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.5)に溶解した5,5’-dithiobis(2-nitro-benzoic acid)(DTNB,0.1mg/mL)340μlおよびエタノールに溶解したphenylmethylsulfonyl fluoride(PMSF,3.5mg/mL)10μlをよく混合し、30℃で5分間静置した。この酵素反応液に、エタノールに溶解した2,3-dimercapto-1-propanol tributylate(BALB,0.3mg/mL)およびsodium dodecylsulfate(SDS,0.26mg/mL)をそれぞれ25μlずつ加えた後、30℃で30分間反応させた。アセトン500μlを加えて酵素反応を停止させた後、BALBが加水分解された量に比例する波長414nmの吸光度を測定した。また、コントロールとして、試料溶液の代わりに50重量%エタノールを加えた場合について、同様の操作と吸光度測定を行った。
測定結果から、下記の計算式によりリパーゼ活性阻害率を算出した。
【0044】
【式1】
リパーゼ活性阻害率(%)=1−[(A1−A0)/(A3−A2)]×100
【0045】
なお、式1中、「A0」は試料溶液を添加した場合の吸光度(酵素反応開始前)、「A1」は試料溶液を添加した場合の吸光度(酵素反応開始後)、「A2」はコントロールの吸光度(酵素反応開始前)、「A3」はコントロールの吸光度(酵素反応開始後)を表す。
【0046】
試料溶液の試料濃度を6.25〜1000μg/mlに段階的に変化させて上記リパーゼ活性阻害率の測定を行い、阻害率が50%になる試料溶液の試料濃度(IC50)(μg/mL)を求めたところ、実施例1〜8におけるIC50は、それぞれ190、170、280、170、210、340、230、150(μg/mL)であった。
【0047】
この結果から、アルファルファ抽出物、苦丁茶抽出物、金銀花抽出物、ペパーミント抽出物、チョウジ抽出物、セイヨウキズタ抽出物、オリーブ抽出物およびラフマ茶抽出物がリパーゼ阻害作用を有することが確認された。また、各抽出物のリパーゼ阻害作用の強さは、抽出物の濃度によって調節できることが確認された。
【0048】
【発明の効果】
本発明により新規なリパーゼ阻害剤が提供される。本発明のリパーゼ阻害剤によれば、リパーゼ阻害作用を通じて、飲食品や化粧品などに含有される油脂類の分解を防止し、飲食品や化粧品の悪臭や変敗を抑制することができる他、リパーゼ阻害作用を通じたニキビ、皮膚炎などの予防・治療、リパーゼ阻害作用を通じた肥満症、過脂肪血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症などの予防・治療が可能となる。また、本発明のリパーゼ阻害剤は、添加対象物となる飲食品や化粧料などの風味や使用感に対する悪影響が少ないので、広範な添加対象物に対して使用することができる。さらに、有効成分の抽出原料となる各植物体は自然界に大量に存在しており、安定供給が可能であるので、本発明のリパーゼ阻害剤は安価に製造することができる。

Claims (2)

  1. アルファルファ抽出物を有効成分として含有することを特徴とするニキビ又は皮膚炎の予防・治療用リパーゼ阻害剤
  2. 前記アルファルファ抽出物が、アルファルファの茎部および/または葉部を極性溶媒により抽出して得られる抽出物であることを特徴とする請求項1記載のニキビ又は皮膚炎の予防・治療用リパーゼ阻害剤
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