JPH10179157A - クロロフィラーゼ抑制剤、それを含む食品、飼料及び化粧料 - Google Patents

クロロフィラーゼ抑制剤、それを含む食品、飼料及び化粧料

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JPH10179157A
JPH10179157A JP9007536A JP753697A JPH10179157A JP H10179157 A JPH10179157 A JP H10179157A JP 9007536 A JP9007536 A JP 9007536A JP 753697 A JP753697 A JP 753697A JP H10179157 A JPH10179157 A JP H10179157A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安全性が高く、優れたクロロフィラーゼ抑制
効果を発揮するクロロフィラーゼ抑制剤を提供する。ク
ロロフィルを含む食品、飼料、化粧料において、クロロ
フィルの分解を抑制し、有害なクロロフィル分解物の生
成を防止し、かつクロロフィルの生理作用を維持する。 【解決手段】 クエルシトリン、ミリセチン、ミリシト
シン及びブテインからなる群から選ばれる少なくとも1
種を有効成分として含有するクロロフィラーゼ抑制剤;
ドクダミ、ホップ及びサンショウの抽出物からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するク
ロロフィラーゼ抑制剤;ヤマモモの樹皮及びヤマモモの
樹皮の抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種を
有効成分として含有するクロロフィラーゼ抑制剤;クロ
ロフィル含有食品、飼料、化粧料に上記のクロロフィラ
ーゼ抑制剤を含有させた食品、飼料、化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクロロフィラーゼ抑
制剤に関し、更にクロロフィル含有食品、飼料あるいは
化粧料に該クロロフィラーゼ抑制剤を含有させた食品、
飼料あるいは化粧料に関する。
【0002】
【従来技術】クロロフィルは植物の各種器官に存在する
緑色色素であって、葉緑素とも呼ばれる。クロロフィル
は植物の細胞内のクロロプラストに局在し、太陽光線の
エネルギーを吸収し光合成を行う。クロロフィルはマグ
ネシウムを含んだポリフィリン構造を有する。クロロフ
ィルは造血、強壮、整腸作用、脱臭作用などを有するこ
とが知られていて、食品、健康食品、飼料、化粧料など
の成分として利用されている。クロロフィルは、緑色野
菜、ノリ、クロレラなどに多く含まれている。よって緑
黄色野菜などを使用した食品や飼料にも当然にクロロフ
ィルが含まれることになる。クロロフィルは植物組織が
新鮮な間は比較的安定であるが、老化にともなって、植
物自身がもっているクロロフィラーゼという酵素や酸に
より分解し、クロロフィル色素の退色を招く。クロロフ
ィラーゼ等により分解されて生成するクロロフィル分解
物が、光線過敏症のような毒性を示すことが既に知られ
ていて、原因物質が、フェオフォルバイトaであること
が明らかにされている(天野等、食品衛生研究、28巻、
739 頁、1978年;駒井等、食品衛生研究、28巻、747
頁、1978年;田村等、食品衛生研究、28巻、753 頁、19
78年;田村等、食衛誌、20巻、173 頁、1979年;松村
等、食衛誌、23巻、365 頁、1982年;内山等、食品衛生
研究、31巻、423 頁、1981年) 。クロロフィラーゼは、
クロロフィルを含んだ食品の製造中及び食品の保存中に
働き、60〜70℃の加熱やアルコール類により活性化
することが知られている(小倉等、日本農芸化学会誌、
61巻、451 〜456 頁、1987年) 。
【0003】現在クロレラなどでは、既存のフェオフォ
ルバイトaが100mg/100gを超えてはならない規定があ
る。クロレラは、単細胞緑藻の1種で、クロロフィルを
含んだ素材として特によく利用されるものである。クロ
レラは、培養液からクロレラを分離、乾燥し粉末を製造
する工程で、クロロフィラーゼが働き、フェオフォルバ
イトaが一部生成する可能性がある。また、粉末から顆
粒にする段階で、一般にはアルコール類を使用するた
め、クロロフィラーゼが活性化しフェオフォルバイトa
が生成しやすくなる。従って、食品中などにおいて、ク
ロロフィルの分解を防止することが強く望まれている。
従来、クロロフィルの分解を防止するため、塩基性物質
を配合する安定化方法(特開昭60−234554号公
報)や加熱によるクロロフィラーゼ失活方法(特開昭5
7−152881号公報)が開示されているが、それら
の作用が弱かったり、熱によって栄養成分が減少ないし
失活するなどの問題があり、十分ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、食品
などにおいてビタミン、ミネラルを始めとする各種栄養
素を維持したままで、クロロフィルを安定化するため、
クロロフィラーゼに対して優れた阻害活性を示し、かつ
安全性の高いクロロフィラーゼ抑制剤を提供することで
ある。本発明の目的はまた、クロロフィル含有食品、飼
料、化粧料に上記クロロフィラーゼ抑制剤を含有させた
食品、飼料、化粧料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意研究を重ね、植物に含まれる天然
物質を検索し、フラボノイド類に属するクエルシトリ
ン、ミリセチン、ミリシトリン、及びカルコンの1種で
あるブテインが、クロロフィラーゼに対して優れた抑制
効果を発揮することを見出し、本発明を完成させるに至
った。従って本発明は、クエルシトリン、ミリセチン、
ミリシトリン及びブテインからなる群から選ばれる少な
くとも1種を有効成分として含有するクロロフィラーゼ
抑制剤に関する。クエルシトリンはブナ科のカシ属(Qu
ercus)より得られたことから、この名称が付けられてい
る。クエルシトリンは天然に広く分布していて、その構
造はクエルセチンの3位にラムノースが結合したもので
ある。クエルシトリンは、特にドクダミ、ホップ、及び
サンショウに豊富に含まれていることが知られている。
従って、本発明はまた、ドクダミ、ホップ及びサンショ
ウの抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種を有
効成分として含有するクロロフィラーゼ抑制剤に関す
る。ミリシトリンは、ミリセチンの配糖体でありミリセ
チンの3位にラムノースが結合したものである。ミリセ
チンもミリシトリンも、ヤマモモ属の植物に含まれてお
り、特にヤマモモの樹皮に豊富に含まれていることが知
られている。本明細書中でいう「ヤマモモ」とは、ミリ
セチンやミリシトリンを含むヤマモモ属の植物を総称す
る。従って本発明はまた、ヤマモモの樹皮及びヤマモモ
の樹皮の抽出物からなる群から選ばれる少なくとも1種
を有効成分として含有するクロロフィラーゼ抑制剤に関
する。一方ブテインは、インド産マメ科の高木 Buteafr
ondosaにフラバノンと一緒に含まれていることが知られ
ている。本発明はさらに、クロロフィルを含む食品、飼
料及び化粧料に関し、上記のクロロフィラーゼ抑制剤を
含有させたクロロフィル含有食品、飼料及び化粧料に関
する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のクロロフィラーゼ抑制剤の有効成分として使用
するクエルシトリン、ミリセチン、ミリシトリン及びブ
テインは天然品でも合成品でもよい。天然のクエルシト
リン、ミリセチン、ミリシトリン、ブテインを使用する
場合、植物から抽出し精製して得られたクエルシトリン
等を使用してもよいし、またクエルシトリン等を含有す
る精製度の低い粗抽出物を使用してもよい。クエルシト
リン、ミリセチン、ミリシトリン及びブテインはいずれ
も、市場で一般に入手することができ、本発明ではこの
ような市販品を使用することもできる。クエルシトリ
ン、ミリセチン、ミリシトリン及びブテインは極めて毒
性の低いものと考えられる。
【0007】クエルシトリンは天然に広く分布するもの
であるが、特にドクダミ、ホップ、及びサンショウに豊
富に含まれている。ドクダミは、全国各地で平地のやや
湿った所に生える多年生草本で、独特の臭気がある。ク
エルシトリン、イソクエルシトリンなどのフラボノイド
や、抗菌力の強いデカノイルアセトアルデヒドなどを含
む。生薬は加熱し、膿出しや蓄膿症に用いられている。
乾燥した葉は利尿、消炎、整腸などに用いられている。
ドクダミの葉の乾燥物の粉末が市販されていて、またそ
の抽出物はドクダミエキスとして市場で一般に入手する
ことができる。本発明ではそのような市販品を使用する
ことができる。
【0008】ホップは、ヨーロッパ原産のつる性の多年
草 Humulus luplus の花を日陰乾したものである。西ド
イツ、アメリカ、チェコスロバキアなどで栽培されてお
り、日本では北海道、岩手、長野などで栽培されてい
る。ビールの芳香、苦味剤として利用されている。苦
味、芳香の本体はルプリンと呼ばれ、ヨーロッパでは芳
香性苦味健胃、利尿、鎮静薬とされている。その他にフ
ムロン、ルプロンなどの苦味質、ミルセンなどの精油成
分、タンニンを含む。ホップの粉末も市販されていて、
その抽出物もホップエキスとして、市場で一般に入手す
ることができ、本発明ではそのような市販品を使用する
ことができる。サンショウは、ミカン科の落葉低木であ
る。葉及び果実に芳香と辛味があるため、香辛料として
食されている。一般に若い葉を木の芽と呼び、実を山椒
と呼んでいる。香気の主体はジテルペンによるもので、
その他にオイゲノール、ゼラニオール、シトロネールを
含み、辛味はサンショオールによる。辛味成分には健
胃、整腸、利尿作用があり、健胃薬、整腸薬、利尿薬と
して用いられている。その他に鎮痛、鎮咳薬として用い
られている。サンショウの葉や果実の粉末、その抽出物
もサンショウエキスとして、市場で一般に入手すること
ができ、本発明ではそのような市販品を使用することが
できる。
【0009】ヤマモモは中部以南の温暖な地域で、石灰
分に富んだ産地に多く自生する常緑高木である。ヤマモ
モの樹皮をはいで乾燥したものは楊梅皮と呼ばれてい
て、市場で入手することができる。その形状は枝状又は
管状で長さ20〜30cm、厚さ3〜6mm程度である。外
面は灰褐色、内面は暗褐色を帯びている。味は収斂性で
苦く、下痢止め、止血、殺菌、解毒作用がある。これは
樹皮中に約15%含まれるタンニンの作用による。また
利尿作用があり、その活性本体はミリシトリンである。
普通は、煎じて内服するが、粉末を酢で黄柏末とともに
練り、打撲に用いることもある。ヤマモモの樹皮は乾燥
した後、粉砕などにより粉末化して用いる。本発明で
は、楊梅皮の市販品を抽出原料としてもよく、また粉末
化してもよい。本発明のクロロフィラーゼ抑制剤の有効
成分の一つは、ヤマモモの樹皮自体であって、例えば、
乾燥させたヤマモモの樹皮の粉末、すなわち粉末状の楊
梅皮をクロロフィル含有食品、飼料、化粧料に添加する
ことができる。
【0010】本発明のクロロフィラーゼ抑制剤は、上述
に説明したようなドクダミ、ホップ及びサンショウの抽
出物から選ばれる少なくとも1種を有効成分とすること
ができる。本発明のクロロフィラーゼ抑制剤はまた、ヤ
マモモの樹皮の抽出物を有効成分とすることができる。
ドクダミ、ホップ、サンショウ又はヤマモモの樹皮の抽
出物を調製する場合、本発明のクロロフィラーゼ抑制剤
の有効成分であるクエルシトリン、ミリセチン、ミリシ
トリンが抽出されるように適宜溶媒を選択すればよい。
一般的に有機溶媒及び/又は水が使用され、中でもエタ
ノール、含水エタノール、メタノール、水などが適当で
ある。特に無水エタノール、含水エタノール、例えば6
0〜80%含水エタノールが好ましく使用される。一般
的な抽出方法として具体的には、次のような手順があ
る。乾燥した原料を必要があれば適当な大きさに細かく
し、80%含水エタノールを加え抽出処理する。溶媒の
量は原料に対して2〜5倍量が適当である。抽出は溶媒
沸騰下で3時間程度行う。その後、抽出液を濾紙で濾過
し、残渣に再度2〜5倍量の溶媒を加え沸騰下で3時間
抽出する。抽出液を濾紙で濾過し、前の抽出液を合わせ
て減圧下濃縮乾固する。溶媒を完全に乾固させ、抽出物
を得る。なお、上記で得た抽出液をそのまま使用するこ
ともできる。
【0011】本発明のクロロフィラーゼ抑制剤は、上記
の有効成分の他に、必要に応じ適当な添加剤を含んでも
よい。例えばデキストリン、サイクロデキストリン、乳
糖、蔗糖、デンプン、結晶セルロース、マンニット、カ
ルボキシメチルセルロースカルシウム等の1種又は2種
以上を組み合わせた賦形剤などが挙げられる。本発明の
クロロフィラーゼ抑制剤は、クロロフィルを含有する食
品、飼料、化粧料に添加することができる。ここでクロ
ロフィルには、天然クロロフィル(例えばクロロフィル
a、b等)及びその金属置換体(例えば銅クロロフィル
など)が含まれる。本発明でいうクロロフィル含有食品
とは、緑黄色野菜、藻類、例えばクロレラなどであり、
具体的には、クロレラ粉末、クロレラ液、クロレラ錠剤
及びクロレラ顆粒といったクロレラ含有食品、クロロフ
ィル入りチューインガム、クロロフィル入りキャンディ
ーといったクロロフィル含有食品、緑黄色野菜乾燥粉末
入りパンといった緑黄色野菜乾燥粉末入り食品、緑黄色
野菜ジュース、漬物類といった緑黄色野菜を加工した食
品などがある。また、クロロフィル含有飼料とは、クロ
レラ粉末、クロロフィル、緑黄色野菜の乾燥粉末などを
配合した飼料であり、例えばドッグフード、キャットフ
ードなどがある。クロロフィルを含有する化粧料とは、
クロレラ粉末といったクロロフィル素材やクロロフィル
を配合した化粧料であって、例えばクリーム、化粧水、
乳液、パック、歯磨き剤などがある。
【0012】上記のようなクロロフィル含有食品、飼
料、化粧料の製造過程で適宜、本発明のクロロフィラー
ゼ抑制剤を添加することができる。それらの製造方法は
常法に従えばよい。クロロフィラーゼ抑制剤を使用する
態様として、例えば、クロレラを培養してクロロフィル
素材として有用なクロレラ粉末を得る工程で使用するこ
とが挙げられる。一般に、クロレラは一般に培養後、集
め、乾燥し、必要に応じ粉砕することにより粉末を得
る。この粉末をそのままで、また顆粒や錠剤の形状に加
工した後、商品化している。このような過程で、本発明
のクロロフィラーゼ抑制剤を、培養後固液分離し集めた
クロレラに加え、その後噴霧乾燥することにより、クロ
ロフィルが安定化したクロレラ粉末を得ることができ
る。また、通常の方法で得たクロレラ粉末に本発明のク
ロロフィラーゼ抑制剤を配合して顆粒や錠剤の形状に加
工することができる。こうして、加工段階や、できあが
った製品の保存段階でのクロロフィルの分解を抑制する
ことができる。本発明のクロロフィラーゼ抑制剤の、食
品、飼料及び化粧料への添加量は、それらが含むクロロ
フィル素材のクロロフィラーゼ活性の強弱に応じて変動
させることができる。食品、飼料及び化粧料に含まれる
クロロフィル素材、例えばクロレラ粉末や緑黄色野菜の
重量に対して、一般的に、クエルシトリン、ミリセチ
ン、ミリシトリン、ブテインといった有効成分として0.
0001〜10重量%、好ましくは0.001〜5重量%
が適当である。
【0013】
【試験例1】 クロロフィラーゼ抑制活性の測定 クエルシトリン、ミリセチン、ミリシトリン及びブテイ
ン(すべてフナコシ製)のそれぞれのクロロフィラーゼ
抑制活性を測定した。手順は下記のとおりである。クロ
レラ粉末(台湾製)0.5gにアセトン20mlを加え、1
5,000回転で3分間ホモジナイズした後、水20mlを加
えた。このクロレラ50%アセトン溶液を3,000 回転で
5分間遠心分離し、上清液を得た。上清液をフィルター
(ADVANTEC0.8μ)で濾過し、酵素クロロフィラーゼ及
び基質となるクロロフィルを含んだ溶液を調製した。こ
のように調製したクロロフィラーゼ及び基質となるクロ
ロフィルを含んだ50%アセトン溶液2mlに、10mg/ml
濃度でDMSOに溶解したクエルシトリン、ミリセチン、ミ
リシトリン又はブテインの各検体溶液40μlを添加
し、37℃で一夜酵素反応させた。酵素反応終了後、3
000回転で5分間遠心分離し、上清液を分離した。分
離し得られた上清液1mlにアセトン1ml、ヘキサン2ml
を加え攪拌後、ヘキサン層に移行したクロロフィル含量
を吸光度計(OD663nm) で測定し、クロロフィラー
ゼ抑制活性を求めた。なお、対照として、クロロフィラ
ーゼ及び基質となるクロロフィルを含んだ50%アセト
ン溶液2mlに検体を添加せずに同様に実施した。検体添
加液の吸光度をAとし、検体無添加液の吸光度をBと
し、及び酵素未反応液の吸光度をCとして次の式より、
抑制率が得られる。 抑制率=〔(C−A)/(C−B)−1〕×100(%) その結果、クエルシトリン、ミリセチン、ミリシトリン
及びブテインは、それぞれ反応液中に196μg/ml添加
することにより、クロロフィラーゼ活性を40%、53
%、52%、67%抑制することがわかった。
【0014】
【参考例1】 ドクダミ、ホップ、サンショウの抽出物の調製 ドクダミ1kgに80%エタノール5リットルを加え、沸
騰下抽出した。抽出液を減圧下で濃縮し更に乾固し、ド
クダミの抽出物を得た。必要に応じデキストリンなどの
賦形剤を加えることができる。ホップやサンショウの葉
及び実についても同様に80%エタノールによりクエル
シトリンを抽出することができる。
【0015】
【参考例2】 ヤマモモの樹皮の抽出物の調製 楊梅皮1kgに80%エタノール5リットルを加え、沸騰
下で抽出した。抽出液を減圧下で濃縮し更に乾固し、楊
梅皮の抽出物を得た。必要に応じデキストリンなどの賦
形剤を加えることができる。
【0016】以下、本発明を実施例により詳しく説明す
る。
【実施例1】 クロレラ錠剤の製造 培養液からクロレラを分離し、この分離物にクエルシト
リンを0.5%ドライベースで加え、噴霧乾燥しクロレラ
粉末を得た。この粉末で錠剤を製造した。
【実施例2】 クロレラ錠剤の製造 培養液からクロレラを分離し、この分離物にミリセチン
を0.5%ドライベースで加え、噴霧乾燥しクロレラ粉末
を得た。この粉末で錠剤を製造した。
【0017】
【実施例3】 クロレラ錠剤の製造 クロレラ粉末(台湾製)200gににホップ抽出物(参
考例1)を2g配合し、打錠により1粒500mgの錠剤
を製造した。
【実施例4】 クロレラ錠剤の製造 クロレラ粉末(台湾製)200gにミリシトリンを0.2
g配合し、錠剤を製造した。
【実施例5】 クロレラ錠剤の製造 クロレラ粉末200gにサンショウ抽出物(参考例1)
を2g配合し、打錠により1粒500mgのクロレラ錠剤
を得た。
【0018】
【実施例6】 クロレラ顆粒の製造 クロレラ粉末(台湾製)200gにドクダミ抽出物(参
考例1)を2g配合し、50%アルコールを加え造粒、
乾燥後、200gの顆粒を得た。
【実施例7】 クロレラ顆粒の製造 クロレラ粉末(台湾製)200gに楊梅皮の抽出物(参
考例2)を2g配合し、50%アルコールを加え造粒、
乾燥後、200gの顆粒を得た。
【0019】
【実施例8】 パンの製造 小麦粉3kg、ホウレンソウ乾燥粉末100g、イースト
60g、イーストフード3g、砂糖150g、食塩60
g、ショートニング150g、脱脂粉乳60g、水20
70g、クエルシトリン10gを用いて、ストレート法
によりドウを作成し、220℃で焙焼して食パンを製造
した。
【実施例9】 パンの製造 小麦粉3kg、ホウレンソウ乾燥粉末100g、イースト
60g、イーストフード3g、砂糖150g、食塩60
g、ショートニング150g、脱脂粉乳60g、水20
70g、ミリシトリン10gを用いて、ストレート法に
よりドウを作成し、220℃で焙焼して、食パンを製造
した。
【0020】
【実施例10】 ドッグフードの製造 とうもろこし32g、小麦粉30g、緑黄色野菜乾燥粉
末15g、ミートミール10gの混合品にクエルシトリ
ンを0.5g加え混合、粉砕した。得られた混合品に加水
し、クッキングエクストルーダー処理を行い、120℃
で20分間乾燥し、ドッグフードを得た。
【実施例11】 ドッグフードの製造 とうもろこし32g、小麦粉30g、緑黄色野菜乾燥粉
末15g、ミートミール10gの混合品に楊梅皮抽出物
(参考例2)を0.8g加え混合、粉砕した。得られた混
合品に加水し、クッキングエクストルーダー処理を行
い、120℃で20分間乾燥し、ドッグフードを得た。
【0021】
【実施例12】 歯磨き粉の製造 グリセロール85g、ナトロゾール3g、CMCダイセ
ル3g、CaCO3 250g、水15g、乾燥クロレラ
粉末1gにクエルシトリン0.1gを配合して歯磨き粉を
製造した。
【実施例13】 歯磨き粉の製造 グリセロール85g、ナトロゾール3g、CMCダイセ
ル3g、CaCO3 250g、水15g、乾燥クロレラ
粉末1gにブテイン0.1gを配合して歯磨き粉を製造し
た。
【0022】
【発明の効果】本発明のクロロフィラーゼ抑制剤は安全
性が高く、優れたクロロフィラーゼ抑制効果を発揮す
る。従って、このクロロフィラーゼ抑制剤をクロロフィ
ルを含む食品、飼料、化粧料に含有させることにより、
クロロフィルの分解を抑制し、有害なクロロフィル分解
物の生成を防止することができ、かつクロロフィルの生
理作用を維持することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 7/00 A61K 7/00 K

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クエルシトリン、ミリセチン、ミリシト
    シン及びブテインからなる群から選ばれる少なくとも1
    種を有効成分として含有するクロロフィラーゼ抑制剤。
  2. 【請求項2】 ドクダミ、ホップ及びサンショウの抽出
    物からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分と
    して含有するクロロフィラーゼ抑制剤。
  3. 【請求項3】 ヤマモモの樹皮及びヤマモモの樹皮の抽
    出物からなる群から選ばれる少なくとも1種を有効成分
    として含有するクロロフィラーゼ抑制剤。
  4. 【請求項4】 クロロフィル含有食品に請求項1〜3の
    いずれか1項記載のクロロフィラーゼ抑制剤を含有させ
    た食品。
  5. 【請求項5】 クロロフィル含有食品がクロレラ含有食
    品である請求項4記載の食品。
  6. 【請求項6】 クロロフィル含有飼料に請求項1〜3の
    いずれか1項記載のクロロフィラーゼ抑制剤を含有させ
    た飼料。
  7. 【請求項7】 クロロフィル含有化粧料に請求項1〜3
    のいずれか1項記載のクロロフィラーゼ抑制剤を含有さ
    せた化粧料。
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