JP5108992B2 - アルコール系印刷インキ組成物 - Google Patents
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Description
ポリオール(A)が、ポリエーテルポリオール(A1)と、ポリエステルポリオール(A2)とを含み、
媒体の合計100重量%中、アルコール(F)の割合が75重量%以上であるアルコール系印刷インキ組成物に関する。
一般式(1)
−(C3H6O)n(C2H4O)mR
(式中、RはHまたは炭素数が1〜4の炭化水素基、nおよびmはそれぞれ0〜50の整数[ただし、nとmとの合計が9〜50。])
本発明の主題は、2010年12月27日に出願された特願2010−289065に関し、参照のために全体的に本明細書に組み込むものとする。
ポリオール(A)は、ポリエーテルポリオール(A1)と、ポリエステルポリオール(A2)とを含む。
前記ジオールを開始剤として得られるカプロラクトン重合物、バレロラクトン重合物、メチルバレロラクトン重合物、乳酸重合物、ひまし油脂肪酸重合物等のポリエステルジオール等が挙げられる。
二塩基酸としては、以下の例には限定されないが、例えば、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、1、4−シクロヘキシルジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等の二塩基酸が挙げられる。
ジオールとしては、以下の例には限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、2、4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−アルカンジオール、1,3−アルカンジオール、1−モノグリセライド、2−モノグリセライド、1−モノグリセリンエーテル、2−モノグリセリンエーテル、ダイマージオール、水添ダイマージオール等が挙げられる。
なかでも、ポリエステルポリオール(A2)としては、ひまし油脂肪酸重合物などのひまし油ポリオールが、顔料の分散安定性や得られるインキの保存安定性、および印刷物における透明性の面で特に好ましい。これらのポリエステルポリオール(A2)は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
ここに、低分子ジオールとは、その構造中に繰り返し単位を有しないジオールを意味する。
ジイソシアネート(B)としては、以下の例には限定されないが、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(別名:MDI)、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも、ポリウレタンウレア樹脂(D)のアルコール溶解性の観点から、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネートが好ましい。
鎖延長剤(C)としては、特に限定されないが、ジアミン類を挙げることができる。ジアミン類としては、以下の例には限定されないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミンなどの他、
N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシプロピル)プロピレンジアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロピル)プロピレンジアミン等の分子内に水酸基を有するアミン類、
メチルイミノビスプロピルアミン、ラウリルイミノビスプロピルアミン等の分子内に3級アミノ基を有するアミン類も用いることができる。これらの鎖延長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
ポリウレタンウレア樹脂(D)を製造する方法については、特に制限はなく、一般的なポリウレタンウレア樹脂の製造方法で製造できる。例えば、まず、無溶剤でポリオール(A)とジイソシアネート(B)とを、水酸基に対してイソシアネート基が過剰となる当量比で反応させて、イソシアネート基含有のプレポリマーをつくる。ついで、これをアルコール(F)、好ましくは3級の水酸基を有するアルコールに溶解させて、プレポリマー溶液とする。その後、鎖延長剤(C)をアルコール(F)中に溶解させたものに、該イソシアネート基含有のプレポリマー溶液を添加して鎖延長反応させる。
ポリウレタンウレア樹脂(D)は、印刷インキの総重量に対して、1〜30重量%の割合で含まれることが好ましく、より好ましくは3〜15重量%である。
着色剤(E)としては、例えば、有機系顔料、無機系顔料、染料等の通常のインキにおいて使用される各種のものが使用できる。
本発明のアルコール系印刷インキ組成物は、媒体の合計100重量%中、アルコール(F)を75重量%以上含み、好ましくは84〜98重量%含む。アルコール(F)の割合が75重量%以上だと、顔料の分散安定性が良好である。
アルコール(F)としては、以下の例には限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、ターシャリーブタノール等の炭素原子数1〜7の脂肪族アルコール類の他、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類等が挙げられる。なかでも環境負荷が低く、かつ、揮発速度が速い観点から、エタノールおよび/またはイソプロパノールの使用が好ましい。さらに、アルコール(F)の合計100重量%中、エタノールおよび/またはイソプロパノールの割合が70重量%以上であることが特に好ましい。これらのアルコール(F)は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のアルコール系印刷インキ組成物は、媒体としての水を含む。媒体に含まれる水の量は、媒体の合計100重量%中、2〜20重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは4〜16重量%である。媒体中の水の量が20重量%以下だと、媒体の乾燥速度が速く、印刷インキの乾燥工程において生産効率が高い。媒体中の水の量が2重量%以上だと、分散安定性または保存安定性が良好である。
媒体は、顔料の分散安定性の観点から、印刷インキの総重量に対して20〜98重量%の割合で含まれることが好ましく、より好ましくは、45〜92重量%である。
本発明のアルコール系印刷インキ組成物は、分散剤(H)を含有してもよい。
分散剤(H)は、主鎖にスチレン骨格を有し、側鎖にポリアルキレンオキシド鎖(G)を有する櫛型分散剤であれば特に制限はなく、例えば、スチレン−無水マレイン酸共重合体のポリアルキレンオキシドモノアミン(I)変性体や、分子内にポリアルキレンオキシド骨格と1つのラジカル重合性不飽和基を持つ化合物(J)と、スチレンとの共重合体等が挙げられる。
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、上記ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類(J1)の末端水酸基がC1〜C4の炭化水素でエーテル化されたアルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類(J2)の他、
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等の分子内に1つのイソシアネート基を含む単官能(メタ)アクリルモノマーまたは、α,α‐ジメチル‐4‐イソプロペニルベンジルイソシアナート等の分子内に1つのイソシアネート基を含む単官能ビニルモノマーと、ポリアルキレンオキシドモノアミン(I)等の分子内に1つの反応性活性水素基およびポリアルキレンオキシド基を有する化合物との反応物などが挙げられる。
一般式(1)
−(C3H6O)n(C2H4O)mR
(式中、RはHまたは炭素数が1〜4の炭化水素基、nおよびmはそれぞれ0〜50の整数[ただし、nとmとの合計が9〜50。])
分散剤(H)を用いる場合は、ポリウレタンウレア樹脂(D)との相溶性、分散安定性、および印刷物の耐ブロッキング性の観点から、印刷インキの総重量に対して0.1〜20重量%の割合で含まれることが好ましく、より好ましくは、0.5〜10重量%である。
なお、実施例中の「樹脂固形分濃度」、「粘度」、「アミン価」、「重量平均分子量」、および「酸価」の測定方法は、次の通りである。
樹脂固形分濃度:JIS K5601−1−2に準拠し、加熱温度150℃、加熱時間20分で測定した時の加熱残分を樹脂固形分濃度(%)とした。
粘度:E型粘度計を用い25℃で測定した。
アミン価:ポリウレタンウレア樹脂溶液約3gをフラスコに計り取り、メタノール50mlを加え溶解し、0.1mol/lの塩酸標準溶液を用い電位差滴定法によって滴定し、得られた中和点から下記式により算出した。
アミン価=a×f×5.61/(s×w)
a:0.1mol/l塩酸溶液の使用量(ml)
f:0.1mol/l塩酸溶液の力価
s:ポリウレタンウレア樹脂溶液(g)
w:樹脂固形分濃度(%)
重量平均分子量:前処理としてポリウレタンウレア樹脂の両末端のアミノ基をすべてα,α−ジメチル−3−イソプロペニルベンジルイソシアナートと反応させた後、カラムとしてTSKgel SuperHM−M、SuperHM−L(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HPC−8020)で展開溶媒にTHFを用いた時のポリスチレン換算分子量を用いた。
酸価:JIS K0070に準拠して測定した。
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに、アジピン酸と3‐メチル‐1,5‐ペンタンジオールとの重縮合物(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2000)33.5部と、ポリプロピレングリコール(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2000)33.5部と、1,3−プロパンジオール4.6部と、イソホロンジイソシアネート41.6部とを仕込み、窒素気流下、90℃で6時間反応させウレタンプレポリマーを製造した。次いで、得られたウレタンプレポリマーにターシャリーブチルアルコール48.5部を加えて、ウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン17.2部と、エタノール342.4部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を1時間かけて滴下し、その後1時間反応させてポリウレタンウレア樹脂(D−1)の溶液を得た。得られたポリウレタンウレア樹脂(D−1)の溶液は、樹脂固形分濃度25重量%、粘度170mPa・s(25℃)であり、樹脂固形分のアミン価は6.5mgKOH/樹脂1g、重量平均分子量22,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ひまし油ポリオール(製品名:「URIC H1824」伊藤製油社製、水酸基価71.2mgKOH/g、平均官能基数2、数平均分子量1576)40.5部と、ポリプロピレングリコール(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2000)27.0部と、1,3−プロパンジオール4.1部と、イソホロンジイソシアネート41.6部とを仕込み、窒素気流下、90℃で6時間反応させウレタンプレポリマーを製造した。次いで、得られたウレタンプレポリマーにターシャリーブチルアルコール48.5部を加えて、ウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン17.4部と、エタノール343.0部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を1時間かけて滴下し、その後1時間反応させてポリウレタンウレア樹脂(D−2)の溶液を得た。得られたポリウレタンウレア樹脂(D−2)の溶液は、樹脂固形分濃度25重量%、粘度125mPa・s(25℃)であり、樹脂固形分のアミン価は7.0mgKOH/樹脂1g、重量平均分子量18,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ひまし油ポリオール(製品名:「URIC H−1824」伊藤製油社製、水酸基価71.2mgKOH/g、平均官能基数2、数平均分子量1576)67.7部と、1,3−プロパンジオール3.9部と、イソホロンジイソシアネート41.6部とを仕込み、窒素気流下、90℃で6時間反応させウレタンプレポリマーを製造した。次いで、得られたウレタンプレポリマーにターシャリーブチルアルコール48.5部を加えて、ウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン17.1部と、エタノール342.4部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を1時間かけて滴下し、その後1時間反応させてポリウレタンウレア樹脂(K−1)の溶液を得た。得られたポリウレタンウレア樹脂(K−1)の溶液は、樹脂固形分濃度25重量%、粘度260mPa・s(25℃)であり、樹脂固形分のアミン価は6.2mgKOH/樹脂1g、重量平均分子量18,000であった。
アジピン酸と3‐メチル‐1,5‐ペンタンジオールの重縮合物33.5部を、ポリプロピレングリコール(水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2000)33.5部に変更した以外は、合成例1と同様の操作を行った。得られたポリウレタンウレア樹脂(K−2)の溶液は、樹脂固形分濃度25重量%、粘度90mPa・s(25℃)であり、樹脂固形分のアミン価は6.4mgKOH/樹脂1g、重量平均分子量20,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ポリアルキレンオキシドモノアミン(製品名:「JeffamineM600」Huntsman社製、数平均分子量568、固形分100%、一般式(1)におけるn=9、m=1、R=CH3)149部、およびスチレン−無水マレイン酸共重合体(製品名:「SMA2000」SARTOMER社製、酸価360mgKOH/g、固形分100%、スチレン:無水マレイン酸比率=2:1)82部を仕込み、窒素気流下、150℃で8時間反応させた後、エタノール347部を加えて分散剤(H−1)の均一溶液とした。得られた分散剤(H−1)の溶液は、樹脂固形分濃度40重量%であり、樹脂固形分の酸価は13.0mgKOH/樹脂1g、アミン価は0.1mgKOH/樹脂1g、重量平均分子量は25,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ポリアルキレンオキシドモノアミン(製品名:「JeffamineM2005」Huntsman社製、数平均分子量1953、固形分100%、一般式(1)におけるn=29、m=6、R=CH3)163部、およびスチレン−無水マレイン酸共重合体(製品名:「SMAEF60」SARTOMER社製、酸価156mgKOH/g、固形分100%、スチレン:無水マレイン酸比率=6:1)60部を仕込み、窒素気流下、150℃で8時間反応させた後、エタノール334部を加えて分散剤(H−2)の均一溶液とした。得られた分散剤(H−2)の溶液は、樹脂固形分濃度40重量%であり、樹脂固形分の酸価は9.0mgKOH/樹脂1g、アミン価は0.1mgKOH/樹脂1g、重量平均分子量は30,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ポリアルキレンオキシドモノアミン(製品名:「JeffamineM2005」Huntsman社製、数平均分子量1953、固形分100%、一般式(1)におけるn=29、m=6、R=CH3)145部、ポリアルキレンオキシドモノアミン(製品名:「JeffamineM2070」、Huntsman社製、数平均分子量1970、固形分100%、一般式(1)におけるn=10、m=31、R=CH3)18部、およびスチレン−無水マレイン酸共重合体(製品名:「SMAEF60」SARTOMER社製、固形分100%、スチレン:無水マレイン酸比率=6:1)60部を仕込み、窒素気流下、150℃で8時間反応させた後、エタノール335部を加えて分散剤(H−3)の均一溶液とした。得られた分散剤(H−3)の溶液は、樹脂固形分濃度40重量%であり、樹脂固形分の酸価は14.0mgKOH/樹脂1g、アミン価は0.1mgKOH/樹脂1g、重量平均分子量は29,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ポリアルキレンオキシドモノアミン(製品名:「JeffamineM2005」Huntsman社製、数平均分子量1953、固形分100%、一般式(1)におけるn=29、m=6、R=CH3)131部、ポリアルキレンオキシドモノアミン(製品名:「JeffamineM2070」Huntsman社製、数平均分子量1970、固形分100%、一般式(1)におけるn=10、m=31、R=CH3)32部、およびスチレン−無水マレイン酸共重合体(製品名:「SMAEF60」、SARTOMER社製、固形分100%、スチレン:無水マレイン酸比率=6:1)60部を仕込み、窒素気流下、150℃で8時間反応させた後、エタノール335部を加えて分散剤(H−4)の均一溶液とした。得られた分散剤(H−4)の溶液は、樹脂固形分濃度40重量%であり、樹脂固形分の酸価は15.0mgKOH/樹脂1g、アミン価は0.1mgKOH/樹脂1g、重量平均分子量は29,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ポリアルキレンオキシドモノアミン(製品名:「JeffamineM2070」Huntsman社製、数平均分子量1970、固形分100%、一般式(1)におけるn=10、m=31、R=CH3)164部、およびスチレン−無水マレイン酸共重合体(製品名:「SMAEF60」SARTOMER社製、酸価156mgKOH/g、固形分100%、スチレン:無水マレイン酸比率=6:1)60部を仕込み、窒素気流下、150℃で8時間反応させた後、エタノール337部を加えて分散剤(H−5)の均一溶液とした。得られた分散剤(H−5)の溶液は、樹脂固形分濃度40重量%であり、樹脂固形分の酸価は10.0mgKOH/樹脂1g、アミン価は0.1mgKOH/樹脂1g、重量平均分子量は30,000であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに、ポリアルキレンオキシドモノアミン(製品名:「JeffamineM2005」、Huntsman社製、数平均分子量1953、固形分100%、一般式(1)におけるn=29、m=6、R=CH3)400部を仕込み、窒素気流下、40℃で、滴下槽からα,α‐ジメチル‐4‐イソプロペニルベンジルイソシアナート41部を1時間かけて滴下し、その後40℃で2時間反応させ反応生成物(J−1)を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却器および窒素ガス導入管を備えたフラスコに、エタノール56部を仕込み80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下槽から、スチレン29部、アクリル酸1.7部、前記反応生成物(J−1)100部、およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)4.0部を予め均一に混合した混合液を2時間かけて滴下し、その後80℃で8時間反応した後、さらにエタノール145部を加えて分散剤(H−6)の均一溶液とした。得られた分散剤(H−6)の溶液は、樹脂固形分濃度40重量%であり、樹脂固形分の酸価は10mgKOH/樹脂1g、アミン価は0.1mgKOH/樹脂1g、重量平均分子量は40,000であった。
<印刷インキの調製>
表3に各印刷インキの配合組成を示す。
まず、着色剤(E)10重量部に対して、合成例1〜4で得られたポリウレタンウレア樹脂(D)又は(K)の溶液、合成例5〜11で得られた分散剤(H)の溶液、水、およびエタノールを、分散剤(H)を用いない場合はそれぞれ16重量部、0重量部、5重量部、および9重量部となるように混合し、分散剤(H)を用いる場合は、それぞれ0重量部、10重量部、5重量部、15重量部となるように混合した。次に、横型サンドミルを用いて分散した後、表3の配合比率(重量部)になるように残りの成分を配合して印刷インキを調整した。
得られた印刷インキ100重量部をエタノール50重量部で希釈した後、バーコーターNo.4にて厚さ20μmの片面コロナ放電処理延伸ポリプロピレンフィルムの処理面に印刷して50℃で30秒乾燥し、印刷物を得た。
印刷インキ、および得られた印刷物について次のような試験を行った。結果を表3に示す。
調製直後の印刷インキについて、分離および沈殿・凝集物の有無を以下の評価基準で判定した。
×:分離および/または沈殿・凝集物が発生している。
印刷インキを40℃で1週間保存し、試験前後の粘度の変化率より以下の評価基準で判定した。粘度の測定は、B型回転粘度計を用い25℃で行った。
△:粘度の変化率が5%以上、15%未満である。
×:粘度の変化率が15%以上である。
印刷インキを−10℃で1週間保存し、試験前後の粘度の変化率より以下の評価基準で判定した。粘度の測定は、B型回転粘度計を用い25℃で行った。
△:粘度の変化率が5%以上、15%未満である。
×:粘度の変化率が15%以上である。
印刷物のヘイズ値を、ヘイズメーター300A(東京電色社製)を用いて測定した。
印刷物の印刷面にセロハンテープ(幅12mm)を貼り、垂直方向に急激に剥がしたときの印刷面の状態を以下の評価基準で判定した。
△:インキの残りが70面積%以上、90面積%未満。
×:インキの残りが70面積%未満。
印刷物の印刷面と非印刷面を重ね合わせ、温度40℃相対湿度80%中で10.0kg/cm2の荷重をかけ、24時間後それを剥がし表面状態を以下の評価基準で判定した。
△:印刷面から非印刷面へのインキの転移が10面積%未満で認められた。
×:印刷面から非印刷面へのインキの転移が10面積%以上で認められた。
印刷物の耐ブロッキング性と乾燥時間の関係を用いて、以下の評価基準で判定した。
○:乾燥時間を30秒から60秒に変更しても耐ブロッキング性に変化が見られない。
△:乾燥時間を30秒から60秒に変更すると、耐ブロッキング性試験において印刷面から非印刷面へのインキの転移が改善する。
評価項目(1)〜(7)の結果から、以下の評価基準で判定した。
◎:性能が特に優れている。
○:性能が十分である。
△:使用環境・用途などの制限を受けるが、実用レベルである。
×:使用できるレベルにない。
Claims (7)
- ポリオール(A)、ジイソシアネート(B)、および鎖延長剤(C)を反応させてなるポリウレタンウレア樹脂(D)と、着色剤(E)と、媒体としてのアルコール(F)および水とを含むアルコール系印刷インキ組成物であって、
前記ポリオール(A)がポリエーテルポリオール(A1)と、ポリエステルポリオール(A2)とを含み、
前記ポリエステルポリオール(A2)が、ひまし油ポリオールであり、
前記媒体の合計100重量%中、アルコール(F)の割合が75重量%以上であることを特徴とするアルコール系印刷インキ組成物。 - さらに、主鎖にスチレン骨格を有し、側鎖にポリアルキレンオキシド鎖(G)を有する櫛型分散剤(H)を含むことを特徴とする請求項1記載のアルコール系印刷インキ組成物。
- 前記ポリアルキレンオキシド鎖(G)が、下記一般式(1)で表されるプロピレンオキシド単位および/またはエチレンオキシド単位を含む構造を有することを特徴とする請求項2記載のアルコール系印刷インキ組成物。
一般式(1)
−(C3H6O)n(C2H4O)mR
ここで、式中、RはHまたは炭素数が1〜4の炭化水素基、nおよびmはそれぞれ0〜50の整数であり、nとmとの合計が9〜50である。 - 一般式(1)において、プロピレンオキシド単位の繰返し数nとエチレンオキシド単位の繰返し数mとの比が、n:m=100:0〜75:25であることを特徴とする請求項3記載のアルコール系印刷インキ組成物。
- 前記媒体が、水およびアルコール(F)のみからなることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のアルコール系印刷インキ組成物。
- 前記アルコール(F)の合計100重量%中、エタノールおよび/またはイソプロパノールの割合が70重量%以上であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のアルコール系印刷インキ組成物。
- 前記媒体の合計100重量%中、水の割合が2〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載のアルコール系印刷インキ組成物。
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