JP5106765B2 - ニトリル化合物の製造方法および製造装置 - Google Patents

ニトリル化合物の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、流動層反応器を用いた気相接触流動層反応によりアンモ酸化を行ってニトリル化合物を製造する方法および装置に関する。
炭化水素等の原料を触媒の存在下、アンモニアと酸素に接触させて一段の反応でニトリル化合物を製造するアンモ酸化は、工業的に極めて有用である。原料である炭化水素等としてメタノールを用いるとシアン化水素が生成する。また、プロピレンおよび/またはプロパンを用いるとアクリロニトリルが、イソブチレン、イソブタンおよび/またはt−ブタノールを用いるとメタクリロニトリルが、トルエンを用いるとベンゾニトリルが、ジクロロトルエン類を用いると対応するクロロベンゾニトリル類が、ピコリン類を用いるとニコチノニトリルなどの対応するシアノピリジン類が、メタキシレンを用いるとイソフタロニトリルが、各々生成する。これらのニトリル化合物は、樹脂および繊維などの高分子化合物ないし各種化学品の原料として用いられている。
なお、本明細書において、「アンモ酸化すべき原料(被酸化原料ということもある。)」は炭化水素に限られず、炭化水素以外にもアンモ酸化によってニトリル化合物を生成するものであれば、これに含まれる。また「ニトリル化合物」はシアン化水素を包含する。
このような炭化水素等のアンモ酸化反応は、一般に、反応の最適温度範囲が狭い上に、反応による発熱量が大きい。このため、温度制御性が良く、高濃度の原料ガスを処理できて生産性が高いという理由から、流動層反応器が多く使われている。
しかし、高活性触媒を用いて高い生産性を上げようとすると、単位触媒当たりの反応発熱量増大により、その除熱が困難となり、温度制御が困難となり好適な反応温度の維持ができなくなったり、反応温度が上昇して制御が不可能となるという問題があった。
このような問題に対して、反応熱の除去方法として、次のような方法が開示されている。
特許文献1では、反応器内に冷却管を設ける方法が記載されている。触媒反応器冷却管における除熱は、触媒層密度が高い方が効果的であり、層密度低下に伴い伝熱係数が低下し、除熱が困難となる。すなわち、高活性触媒は使用触媒量が少なく触媒層密度が低下するため除熱が悪く、また、触媒量自体も少ないことから、十分に反応熱を除去するのに必要な冷却管の伝熱面積を触媒層内に確保することが困難となる。このため、単位容積当たりの生産量に制約が生じる、あるいは、反応器が大きくなり、建設費の増大につながるという問題があった。
特許文献1では、原料およびアンモニアと酸素含有ガスの分散・混合が良好となるように、酸素含有ガス供給口と原料とアンモニアの供給口の距離を限りなく近くし、垂直型冷却管下端を原料とアンモニアの供給口付近まで下げることや、水平型冷却管を酸素含有ガス導入口と原料とアンモニアの供給口の間に装備することにより、伝熱面積を増大し、除熱を促進する方法が記載されている。しかし、高活性触媒では触媒量が少なく、伝熱面積を確保するには、酸素含有ガス導入口と原料供給口の間の伝熱面積を大きく取る必要があり、そうすると原料と酸素含有ガスの分散・混合が不十分となり、ニトリルの収率や選択率が低下すると考えられていた。
その他の除熱方法としては、酸化反応器外へ触媒の一部を抜出し除熱し、冷却した触媒を反応器に戻す方法がある。しかし、反応器とは別に冷却用設備を設ける必要があり、建設費が増大する。また、反応器から冷却設備間の触媒の抜き出し、反応器への触媒の戻し制御が困難であるという問題があった。
さらに別の除熱方法として、下記特許文献2では、反応系中に、実質的に不活性な粒子を存在させることにより、反応時に生成した熱を触媒から不活性な粒子への熱伝導により除去させる方法が提案されている。しかし、完全に不活性な粒子を得ることが困難であり、不活性粒子の存在下で流動層反応を行うと目的反応生成物の選択性が低下することがあるという問題があった。
特開2002−88043号公報 WO99/03825号公報
上述したように、従来の方法では、高活性触媒の性能を十分に発揮させつつ、反応熱を効果的に除去することが難しい。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、流動層反応器を用いたアンモ酸化によりニトリル化合物を製造するに際して、反応成績を低下させずに、除熱能力を向上させることができ、高活性触媒を用いる場合にも反応熱を充分に除去できる方法および装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、流動層反応器を用いて炭化水素等を気相接触流動層反応によってアンモ酸化させてニトリル化合物を製造する工業的な実施方法について鋭意検討した結果、酸素含有ガス供給位置と原料供給位置の間に反応発熱が発生しない領域を設け、該領域に冷却管の伝熱面積の一部または全部を配置することにより、ニトリル化合物の収率を低下させずに、経済的にニトリル化合物収量を増大できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のニトリル化合物の製造方法は、原料を気相接触流動層反応によってアンモ酸化させてニトリル化合物を製造する方法であって、原料供給口酸素含有ガス供給口、直列多段サイクロン及び最後段のサイクロンに連通するガス排出管を備え、内部に触媒を流動状態で収容している反応器と、該反応器内に配された冷却管とを備えてなり、前記原料供給口は前記酸素含有ガス供給口より上部に設けられており、前記反応器内における前記冷却管の全伝熱面積(Sa)に対する、前記原料供給口と前記酸素含有ガス供給口との間における前記冷却管の伝熱面積(Sb)の比(Sb/Sa)が0.2〜1である装置を用いて、気相接触流動層反応を行うことを特徴とする。
前記酸素含有ガス供給口より上部における触媒の質量(Wa)に対する、前記原料供給口と前記酸素含有ガス供給口との間における触媒の質量(Wb)の比(Wb/Wa)を0.1〜1とすることが好ましい。
また本発明は、原料を気相接触流動層反応によってアンモ酸化させる装置であって、原料供給口酸素含有ガス供給口、直列多段サイクロン及び最後段のサイクロンに連通するガス排出管を備え、内部に触媒を流動状態で収容し得る反応器と、該反応器内に配された冷却管とを備えてなり、前記原料供給口は前記酸素含有ガス供給口より上部に設けられており、前記反応器内における前記冷却管の全伝熱面積(Sa)に対する、前記原料供給口と前記酸素含有ガス供給口との間における前記冷却管の伝熱面積(Sb)の比(Sb/Sa)が0.2〜1であることを特徴とするニトリル化合物の製造装置を提供する。
本発明の方法によれば、炭化水素等の原料をアンモ酸化してニトリル化合物を製造するに際し、反応成績を損なうことなく除熱能力を向上でき、反応熱を効果的に除去して、目的生成物であるニトリル化合物を高収率、高選択率を維持しつつ、高い生産性で得ることができる。
特に、高活性触媒を用いる場合にも、該触媒の性能を充分に発揮させて、高いニトリル化合物収率と高生産性を同時に実現でき、経済面でも有利である。
本発明の装置によれば、反応成績を損なうことなく除熱能力を向上でき、本発明の方法により、反応熱を効果的に除去して、目的生成物であるニトリル化合物を高収率、高選択率を維持しつつ、高い生産性で得ることができる。特に、高活性触媒を用いる場合にも、該触媒の性能を充分に発揮させて、高いニトリル化合物収率と高生産性を同時に実現でき、経済面でも有利である。
図1は本発明にかかる装置の一実施形態を示した概略構成図である。なお、図1は一つの実施態様を示すものであり、したがって、この図1に具体的に記載される範囲内のみに本発明が限定されないことは言うまでもない。
図1中、符号1は反応器である。反応器1内には触媒2が流動状態で収容されている。
反応器1は、底部で酸素含有ガス供給管3に連通しており、その上方に酸素含有ガス供給口としての酸素含有ガス分散器4が設けられている。
該酸素含有ガス分散器4よりも上方には、原料供給口としての原料ガス分散器6が設けられており、該原料ガス分散器6は原料供給管5に連通している。
反応器1内には冷却管10が設けられている。本実施形態では冷却管10として、略U字状の垂下部10aを備えた垂直型冷却管が用いられている。
反応器1の頂部には、直列多段サイクロン7が設けられており、該直列多段サイクロンは、触媒2を含む層(触媒層)の下部または中央部に開口を有する触媒戻り管8に連通している。直列多段サイクロン7のうち最後段のサイクロンは、ガス排出管9を備えている。
本実施形態の装置において、酸素含有ガスは、酸素含有ガス供給管3から酸素含有ガス分散器4を経て、該酸素含有ガス分散器4の開口部から触媒層底部へ供給される。一方、被酸化原料およびアンモニアは、原料供給管5から原料ガス分散器6を経て、原料ガス分散器6の開口部から触媒層へ供給される。
反応器1内で生成した反応ガスは、直列多段サイクロン7で、該ガス流に同伴された触媒粒子が分離される。触媒粒子が分離されたガスは、最後段のサイクロンに連通するガス排出管9を経て反応器1から排出される。一方、直列多段サイクロン7で分離された触媒粒子は触媒戻り管8を通って触媒層へ戻される。
本発明において、冷却管10の全伝熱面積を(Sa)とし、冷却管10のうち、酸素含有ガス供給口としての酸素含有ガス分散器4と、原料供給口としての原料ガス分散器6との間に存在している部分の面積を冷却管の伝熱面積(Sb)とすると、全伝熱面積(Sa)に対する伝熱面積(Sb)の比(Sb/Sa)は0.2以上が好ましく、上限は1でもよい。より好ましい範囲は0.3〜0.99である。本実施形態において、冷却管10の全伝熱面積(Sa)は、垂下部10aの全表面積に相当する。
前記(Sb/Sa)の値を上記範囲の下限値以上とすることにより、除熱能力を効果的に向上させることができ、高活性触媒を用いて高い生産性を得ようとする際にも、反応により発生する熱の除去を十分に行うことができる。また、熱除去のために過剰の触媒を投入することによる、目的生成物の選択性低下を防止できる。
なお冷却管10の配置および形状は任意に変更可能である。例えば原料ガス分散器6の上部および下部にそれぞれ独立して冷却管を設けるなど、冷却管が高さ方向において分割されていてもよい。また、垂直冷却管に限らず、水平冷却管、螺旋状冷却管などを用いてもよい。
ここで、冷却管10の長さ方向において断面形状が均一である場合は、全伝熱面積(Sa)と伝熱面積(Sb)の比は、図1に示すように、本実施形態では垂下部10aの高さと、酸素含有ガス供給口(本実施形態では酸素含有ガス分散器4)と原料供給口(本実施形態では原料ガス分散器6)の間に存在している部分の高さとの比で表すことができる。
本発明において、反応器1内で触媒2が流動化している状態で、酸素含有ガス供給口としての酸素含有ガス分散器4より上部に存在する触媒の質量(Wa)に対する、該酸素含有ガス分散器4と、原料供給口としての原料ガス分散器6との間に存在する触媒の質量(Wb)の比(Wb/Wa)は0.1以上が好ましく、上限は1でもよい。より好ましい範囲は0.4〜0.95である。
前記(Wb/Wa)の値を上記範囲の下限値以上とすることにより、酸素含有ガス分散器4と原料ガス分散器6との間に、冷却管10を設けるための十分な空間を得ることができる。また、酸素含有ガス分散器4と原料ガス分散器6の間で流動化している触媒(Wb)の割合を多くすることができ、これにより反応により還元された触媒の再酸化が有効的に行えるという効果もある。さらに、原料ガス分散器6より上部で反応する触媒の比率を少なくできるので、異常反応等で触媒劣化が生じても、その影響が緩和され、反応が安定化するという効果もある。
なお、これまでは酸素含有ガス供給口(本実施形態では酸素含有ガス分散器4)と原料供給口(本実施形態では原料ガス分散器6)との空間を大きく取ると、原料およびアンモニアと酸素含有ガスの分散・混合が不十分になってニトリルの収率が低下すると考えられていたが、高活性触媒を用いたアンモ酸化反応においては収率低下は認められず、本発明により、高い収率を維持したまま反応熱の除去を効果的に行い、高い生産性を得ることができる。
本発明における原料(被酸化原料)は特に制限されず、炭化水素、および炭化水素以外にもアンモ酸化によってニトリル化合物を生成する原料として公知のものを1種以上用いることができる。
好適な具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、プロパン、プロピレン、イソブチレン、アセトン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、およびメチルエチルエーテル等が挙げられる。
これらの中でも、特にメタノール、エタノール、プロピレン、またはイソブチレンのいずれかを1種以上用いることが好ましい。
原料(被酸化原料)は、アンモニアと別々に供給することもできるが、両者の混合を確実にするために、予めこれらを混合したガスを反応器1に供給することもできる。また、原料(被酸化原料)を2種以上用いる場合は、予め混合して反応器1に供給することもできるし、別々に供給することもできる。この場合も、アンモニアに関しては各々或いは何れかの原料と混合することもできるし、原料とは別々に供給することもできる。なお、複数の被酸化原料供給口を用いる場合は、原料供給口の内、最も上部に位置する原料供給口をSb,Wbの算出の基準の原料供給口とする。
また、該原料は、窒素、炭酸ガス、水蒸気等の希釈剤と共に供給することができる。
酸素含有ガスとしては、通常、空気が好適に用いられ、これに酸素を富化してもよい。また、窒素、炭酸ガス、水蒸気等の希釈剤を併用することもできる。
触媒としては、炭化水素等のアンモ酸化用触媒として公知の流動層反応触媒はすべて使用できる。触媒活性が高いほど効果的である。
触媒の平均粒径は30〜200μmが好ましく、より好ましくは40〜100μmの範囲である。触媒の嵩密度は0.5〜2g/cmが好ましく、より好ましくは0.7〜1.5g/cm、の範囲である。
本発明では高活性な触媒ほど大きな効果を発現する。特に本発明で使用が好ましい高活性触媒としては、アンモ酸化反応を原料(被酸化原料)の1次反応とした時の反応速度定数で、
原料が、アルケン、アルカン、アルキル置換(ヘテロ)環状化合物の場合: 2s−1以上、
原料が、アルコール、エーテルの場合: 3s−1以上、
の初期反応速度定数を持つアンモ酸化用触媒が挙げられる。
本発明のニトリル化合物の製造を実施する反応条件は、被酸化原料および触媒の種類により大きく異なるが、おおよそ次のような範囲である。
反応器1に供給されるガスにおけるモル比は、酸素:アンモニア:被酸化原料=0.5〜50:0.5〜10:1の範囲である。反応温度は300〜550℃、好ましくは330〜470℃の範囲、接触時間は0.1〜30秒の範囲、反応圧力は、大気圧から200kPaの範囲である。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本明細書中のガス流速、ニトリル収率、炭化水素等転化率、反応速度定数は各々次の定義による。
Figure 0005106765
反応に供した触媒とその調整法は次のとおりである。
[触媒調製例1]
実験式が Fe10Sb19Cu2.5Mo0.1(SiO60 (Xは構成金属の原子価によって決まる数)である触媒1を次のようにして調製した。
(1)三酸化アンチモン粉末247.3gを量り取った。
(2)硝酸385mlと水480mlとを混合して加温し、この中に電解鉄粉49.9gを少しずつ加えて溶解させた。次いで、この溶液に硝酸銅44.0gを加え溶解させた。
(3)水300mlにメタバナジン酸アンモニウム10.5gとパラモリブデン酸アンモニウム1.6gを溶解させた。
(4)シリカゾル(SiO2:20質量%)1590gを量り取った。
(5)前記(2)の溶液に(4)、(1)、(3)をこの順に、よく撹拌しながら加え、濃度15質量%のアンモニア水によりpH2に調整した。このスラリーを撹拌しながら98℃、3時間加熱処理した後、このスラリーにリン酸(含量85質量%)61.8gを加え、よく撹拌した。次いで、このスラリーを回転円盤式の噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥した。得られた微粒の球状粒子を200℃で2時間、500℃で3時間焼成し、さらに800℃、3時間焼成した。
[触媒調製例2]
実験式が FeSb7.70.69NiMo10Bi0.490.4Si60 (Xは構成金属の原子価によって決まる数)である触媒2を次のようにして調製した。
(1)純水50.8リットルに、パラモリブデン酸アンモニウム4578g、濃度85質量%のリン酸59.8g、硝酸ニッケル4525g、硝酸カリウム104.9gを溶解した。
(2)濃度10質量%の硝酸1258gに硝酸ビスマス1258g、クエン酸528gを溶解した液を、前記(1)で調製した液に混合した後、20質量%シリカゾル46742gを混合した。得られたスラリー状の液に15質量%アンモニア水を添加してpHを8.0に調整した後、99℃で1.5時間加熱処理した。
(3)純水2095gに、硝酸第二鉄2095g、クエン酸478gを溶解した液を、前記(2)で調製した液に混合し、さらに別途調製した40質量%鉄アンチモネイトスラリー11635gを加えた。
(4)このようにして得られたスラリーを回転円板式の噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥した。この乾燥粒子を空気雰囲気中250℃で8時間、400℃で2.5時間熱処理し、最終的に650℃で3時間流動焼成した。
なお、本例で用いた40質量%鉄アンチモネイトスラリーは下記の要領で調製した。
すなわち、65質量%硝酸9075gと純水5030gとを混合し、これに電解鉄粉1090gを少しずつ加えた。鉄粉が完全に溶解した後、三酸化アンチモン3129gを混合し、攪拌しつつ15%アンモニア水を滴下してpHを1.8に調整した。このスラリーを攪拌しつつ98℃で3時間加熱した。
加熱処理後のスラリーに85質量%リン酸157.4g、ホウ酸84.4gを加え溶解した。
得られたスラリーを噴霧乾燥機により入口温度を330℃、出口温度を160℃として乾燥後、250℃で2時間、400℃で2時間、さらに窒素気流中850℃で3時間焼成した。焼成後、粉砕し、純水と混合して40質量%鉄アンチモネイトスラリーとした。
[比較例1]
メタノールのアンモ酸化反応によるシアン化水素合成を、図1に示す構成の反応器を用いて行った。使用した反応器は、内部に冷却管を有する内径0.2m、高さ10mのものである。
反応器に、前記で調製した触媒1を26kg充填し、反応器の下部から空気を供給するとともに、空気供給口の上部10cmの位置からメタノールとアンモニアの混合ガスを供給した。冷却管の下端は空気供給口の上部45cm、上端は160cmであり、冷媒として空気を用いた。
反応器に供給した原料ガスの割合を、酸素/メタノール=1.15(モル比)、アンモニア/メタノール=1.0(モル比)とし、反応圧力をゲージ圧50kPa、ガス流速を0.5m/sに調節して反応を行った。
なお、本反応器は、器壁より外部への放熱が大きかったため、電気ヒーターにて放熱を補償し、反応温度を450℃に調節した。この時、Wb/Wa=0.09、Sb/Sa=0であった。
主要な条件および反応成績を下記表1に示す(以下、同様。)。シアン化水素収率=82.0質量%、メタノール転化率=99.6質量%、反応速度定数=4.4s−1であり、冷却管出口の冷媒温度は282℃であった。
[実施例1]
前記比較例1において、触媒1の充填量を38kgとし、空気供給口の上部70cmの位置からメタノールとアンモニアの混合ガスを供給した以外は比較例1と同じ条件で反応を行った。この時、Wb/Wa=0.42、Sb/Sa=0.22であった。
反応成績は、シアン化水素収率=82.3質量%、メタノール転化率=99.2質量%、反応速度定数=4.3s−1であり、冷却管出口の冷媒温度は293℃であった。比較例1における冷却管出口の冷媒温度(282℃)に対する、本例における冷却管出口の冷媒温度(293℃)の比率(約104%)から、除熱能力が比較例1に比べて4%向上したことがわかる。
[実施例2]
前記比較例1において、触媒1の充填量を57kgとし、空気供給口の上部150cmの位置からメタノールとアンモニアの混合ガスを供給した以外は比較例1と同じ条件で反応を行った。この時、Wb/Wa=0.6、Sb/Sa=0.91であった。
反応成績は、シアン化水素収率=82.2質量%、メタノール転化率=99.3質量%、反応速度定数=4.4s−1であり、冷却管出口の冷媒温度は310℃であった。実施例1と同様にして算出される除熱能力は、比較例1に比べ11%向上した。
[比較例2]
プロピレンのアンモ酸化反応によるアクリロニトリル合成を、比較例1と同じ反応器を用いて行った。
反応器に、前記で調製した触媒2を41kg充填し、反応器の下部から空気を供給するとともに、空気供給口の上部10cmの位置からプロピレンとアンモニアの混合ガスを供給した。反応器に供給した原料ガスの割合を、酸素/プロピレン=2.1(モル比)、アンモニア/プロピレン=1.2(モル比)とし、反応温度を430℃に調整した以外は、比較例1と同じ条件で反応を行った。この時、Wb/Wa=0.05、Sb/Sa=0であった。
反応成績は、アクリロニトリル収率=78.1質量%、プロピレン転化率=99.4質量%、反応速度定数=2.5s−1であり、冷却管出口の冷媒温度は265℃であった。
[実施例3]
前記比較例2において、触媒2の充填量を65kgとし、空気供給口の上部150cmの位置からプロピレンとアンモニアの混合ガスを供給した以外は比較例2と同じ条件で反応を行った。この時、Wb/Wa=0.45、Sb/Sa=0.91であった。
反応成績は、アクリロニトリル収率=78.3質量%、プロピレン転化率=98.9質量%、反応速度定数=2.5s−1であり、冷却管出口の冷媒温度は295℃であった。実施例1と同様にして算出される除熱能力は、比較例2に比べ12%向上した。
Figure 0005106765
表1の結果より、実施例1,2は、比較例1と比べて、アクリロニトリル収率およびメタノール転化率は同等であり、除熱能力が向上した。
また実施例3は、比較例2と比べて、アクリロニトリル収率およびプロピレン転化率は同等であり、除熱能力が向上した。
本発明にかかるニトリル化合物の製造装置の概略構成図である。
符号の説明
1 反応器
2 触媒
3 酸素含有ガス供給管
4 酸素含有ガス分散器(酸素含有ガス供給口)
5 原料供給管
6 原料ガス分散器(原料供給口)
10 冷却管

Claims (3)

  1. 原料を気相接触流動層反応によってアンモ酸化させてニトリル化合物を製造する方法であって、
    原料供給口酸素含有ガス供給口、直列多段サイクロン及び最後段のサイクロンに連通するガス排出管を備え、内部に触媒を流動状態で収容している反応器と、該反応器内に配された冷却管とを備えてなり、
    前記原料供給口は前記酸素含有ガス供給口より上部に設けられており、
    前記反応器内における前記冷却管の全伝熱面積(Sa)に対する、前記原料供給口と前記酸素含有ガス供給口との間における前記冷却管の伝熱面積(Sb)の比(Sb/Sa)が0.2〜1である装置を用いて、気相接触流動層反応を行うことを特徴とするニトリル化合物の製造方法。
  2. 前記酸素含有ガス供給口より上部における触媒の質量(Wa)に対する、前記原料供給口と前記酸素含有ガス供給口との間における触媒の質量(Wb)の比(Wb/Wa)を0.1〜1とすることを特徴とする請求項1記載のニトリル化合物の製造方法。
  3. 原料を気相接触流動層反応によってアンモ酸化させる装置であって、
    原料供給口酸素含有ガス供給口、直列多段サイクロン及び最後段のサイクロンに連通するガス排出管を備え、内部に触媒を流動状態で収容し得る反応器と、該反応器内に配された冷却管とを備えてなり、
    前記原料供給口は前記酸素含有ガス供給口より上部に設けられており、
    前記反応器内における前記冷却管の全伝熱面積(Sa)に対する、前記原料供給口と前記酸素含有ガス供給口との間における前記冷却管の伝熱面積(Sb)の比(Sb/Sa)が0.2〜1であることを特徴とするニトリル化合物の製造装置。
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