JP2002088043A - ニトリル化合物の製造方法 - Google Patents

ニトリル化合物の製造方法

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JP2002088043A
JP2002088043A JP2000276309A JP2000276309A JP2002088043A JP 2002088043 A JP2002088043 A JP 2002088043A JP 2000276309 A JP2000276309 A JP 2000276309A JP 2000276309 A JP2000276309 A JP 2000276309A JP 2002088043 A JP2002088043 A JP 2002088043A
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fluidized
oxygen
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ammonia
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Takuji Shidara
琢治 設楽
Shuichi Ueno
修一 上野
Fumisada Kosuge
文定 小菅
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【課題】気相接触流動層反応器を用いアンモ酸化により
ニトリル化合物を工業的に製造するに際して、局所的な
発熱ゾーンでの燃焼反応によるCO2やCOの副生を抑
え、目的生成物であるニトリル化合物が高収率、高選択
率で、経時的に安定して得られる方法を提供する。 【解決手段】流動層反応器底部入口より酸素含有ガスを
導入し、流動触媒層への酸素含有ガス供給口より上部に
原料とアンモニアの供給口および反応熱を除熱するため
の冷却管を設け、原料とアンモニアの供給口上部で流動
化している触媒(Wb)と酸素含有ガス供給口より上部
で流動化している触媒(Wa)の重量比(Wb/Wa)
を0.90以上、冷却管下端より上部で流動化している
触媒(Wc)と酸素含有ガス供給口より上部で流動化し
ている触媒(Wa)の重量比(Wc/Wa)を0.80
以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機置換基を有する
炭素環化合物または複素環化合物をアンモニアおよび酸
素含有ガスと反応させてニトリル化合物を製造する方法
に関し、詳しくは該反応を気相接触流動層で行う場合の
反応器の操作条件に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ニトリル化合物は、合成樹脂、農
薬等の製造原料およびアミン、イソシアネート等の中間
原料として有用である。一方、複素環ニトリル化合物
は、医薬品、飼料添加剤、食品添加剤等の中間原料とし
て有用である。有機置換基を有する炭素環化合物または
複素環化合物等の有機化合物をアンモニアおよび酸素含
有ガスと反応させる方法はアンモ酸化と呼ばれ、一般に
気相接触流動反応によりニトリル化合物が製造される。
【0003】該アンモ酸化にはバナジウム、モリブデ
ン、鉄などを含む触媒が公知である。例えば特開平11
−209332号には、V〜Cr〜B〜Mo系の酸化物
を含有する触媒を用い、アルキル置換の炭素環化合物や
複素環化合物をアンモ酸化する方法が記載されている。
特開平9−71561号には、Fe〜Sb〜V系の酸化
物を含有する触媒を用い、キシレンのアンモ酸化により
ジシアノベンゼンを製造する方法が記載されている。
【0004】アンモ酸化を行う気相接触流動層反応器に
関しては、特開平10−152463号において、メタ
ノール等ののアンモ酸化に際して、縦型反応器で底部よ
り酸素含有ガスを導入し、側部より炭素環化合物とアン
モニアを導入し、原料ガスと触媒粒子の接触を良くする
ために、流動層密度およびガス流速の範囲や、原料の供
給の位置を規定している。
【0005】また特開平10−120641号では気相
アンモ酸化反応による芳香族ニトリルの製造法において
原料供給口の位置に関して、反応帯域における炭素環化
合物の供給口より上部で流動化している触媒(Wb)と
酸素含有ガスの供給口より上部で流動化している触媒
(Wa)の割合を、重量比でWb/Waを0.01〜
0.95の範囲に規定しており、Wb/Waが0.95
を超えると、目的生成物である芳香族ニトリルの収率、
選択率が低くなると記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】有機置換基を有する炭
素環化合物や複素環化合物のアンモ酸化では多量の反応
熱が伴うので気相接触流動層反応器が用いられるが、大
規模に生産しようとする場合(特に反応器の塔径が10
00mm以上の場合)、流動層であるにも関わらず、局
部的過熱による燃焼反応の進行、反応温度制御の困難か
ら生じる副生成物の増大により目的生成物であるニトリ
ル化合物の収率の低下などの問題があり、また局部的過
熱による触媒のシンタリングなどで活性が低下し、収率
が経時的に低下する等の問題もある。
【0007】本発明の目的は、気相接触流動層反応器を
用いアンモ酸化によりニトリル化合物を工業的に製造す
るに際して、局所的な発熱ゾーンでの燃焼反応によるC
2やCOの副生を抑え、目的生成物であるニトリル化
合物が高収率、高選択率で、しかも経時的に安定して得
られる方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意検討した結果、流動触媒層への酸
素含有ガス供給口の上部にある原料およびアンモニアの
供給口と冷却管下端の高さを特定位置に設置することに
より局部的過熱による収率の低下や触媒活性低下が抑え
られ、目的とするニトリル化合物を高収率で長期間安定
して得られることを見出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明は、有機置換基を有する炭
素環化合物または複素環化合物を原料として、アンモニ
アおよび酸素含有ガスとの気相接触流動層反応によりア
ンモ酸化させてニトリル化合物を製造するに際し、流動
層反応器底部入口より酸素含有ガスを供給し、流動触媒
層への酸素含有ガス供給口より上部に原料とアンモニア
の供給口および反応熱を除熱するための冷却管を設け、
かつ原料とアンモニアの供給口の上部で流動化している
触媒(Wb)と酸素含有ガス供給口より上部で流動化し
ている触媒(Wa)の重量比(Wb/Wa)が0.90
以上であり、冷却管下端より上部で流動化している触媒
(Wc)と酸素含有ガス供給口より上部で流動化してい
る触媒(Wa)の重量比率(Wc/Wa)が0.80以
上であることを特徴とするニトリル化合物の製造方法で
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる原料の有機置
換基を有する炭素環化合物は、ベンゼン、ナフタレン、
アントラセン、シクロヘキセン、シクロヘキサン、ジヒ
ドロナフタレン、テトラリン、デカリン等の炭素環を有
し、その側鎖にメチル基、エチル基、プロピル基、ホル
ミル基、アセチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシカ
ルボニル基、アルコキシル基等の有機置換基を有する炭
素環化合物である。また、この炭素環化合物には更にハ
ロゲン基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基等の無
機置換基を含んでいてもよい。具体例としては、トルエ
ン、キシレン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、
メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、メチルテトラ
リン、ジメチルテトラリン、クロロトルエン、ジクロロ
トルエン、メチルアミリン、クレゾール、メチルアニソ
ール等が挙げられる。また、原料の有機置換基を有する
複素環化合物は、フラン、ピロール、インドール、チオ
フェン、ピラゾール、イミアゾール、オキサゾール、ピ
ラン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ピロリン、
ピロリジン、イミドゾリン、イミダゾリジン、ピペリジ
ン、ピペラジン等の複素環に上記の有機置換基を有する
複素環化合物である。その側鎖には、上記の炭素環化合
物と同様に無機置換基を含んでもよい。具体例として
は、フルフラール、2−メチルチオフェン、3−メチル
チオフェン、2−ホルミルチオフェン、4−メチルチア
ゾ−ル、メチルピリジン、ジメチルピリジン、トリメチ
ルピリジン、メチルキノリン、メチルピラジン、ジメチ
ルピラジン、メチルピペラジン等が挙げられる。これら
の化合物は単独または混合物で使用できる。
【0011】本発明のアンモ酸化反応は、均一な温度分
布を得るために気相接触流動反応とし、基本組成として
バナジウム(V)、モリブデン(Mo)および鉄(F
e)から選ばれる一種以上の金属酸化物から構成される
触媒が好適に用いられる。触媒の活性、強度(耐摩耗性
性)および寿命を高めるために、該金属酸化物にMg,
Ca,Ba,La,Ti,Zr,Cr,W,Co,N
i,B,Al,Ge,Sn,Pb,P,Sb,Bi,L
i,Na,K,RbおよびCsの群から選ばれた少なく
とも一種を含む金属酸化物を加えて修飾された複数の金
属酸化物から構成される触媒が用いられ、以下の組成式
で示される。 (V) a (Mo) b (Fe) c (X) d (Y)e (O)
f 但し、XはMg,Ca,Ba,La,Ti,Zr,C
r,W,CoおよびNiよりなる群より選ばれた少なく
とも一種の元素、YはB,Al,Ge,Sn,Pb,
P,Sb,Li,Na,K,RbおよびCsよりなる群
から選ばれた少なくとも一種の元素である。また、添字
のa,b,c,dおよびeは原子比を各々示し、a=
0.01〜1(好ましくは0.1〜0.7)、b=0.
01〜1(好ましくは0.05から0.7)、c=0〜
1、d=0〜1(好ましくは0.05〜0.7)、e=
0〜1(好ましくは0.05〜0.7)である。fは上
記元素が結合して得られる酸化物の酸素数である。
【0012】気相接触流動反応に用いられる触媒の粒径
は10〜300μmの範囲、平均粒径は30〜200μ
m、好ましくは40〜100μmの範囲である。触媒の
嵩密度は0.5〜2g/cm3、好ましくは0.7〜
1.5g/cm3の範囲である。
【0013】アンモ酸化に用いる酸素含有ガスとして
は、通常、空気が好適に用いられ、これに酸素を富化し
ても良い。また、窒素、炭酸ガス等の希釈剤を併用する
こともできる。酸素の使用量は、炭素環化合物または複
素環化合物1モルに含まれる有機置換基に対して1.5
倍モル以上、好ましくは2〜50倍モルの範囲である。
これより使用量が少ないとニトリル化合物の収率は低下
し、一方、これより多いと空時収率が小さくなる。空気
を用いてアンモ酸化を行う場合の反応器に供給される原
料ガス中の炭素環化合物または複素環化合物の濃度は
0.2〜10容量%、好ましくは0.5〜5容量%の範
囲である。この濃度より高いとニトリル化合物の収率は
低下し、一方、これより低いと空時収率が小さくなる。
【0014】本発明において原料アンモニアには工業用
グレードのものを用いることができる。アンモニアの使
用量は炭素環化合物または複素環化合物に含まれる有機
置換基に対して1〜10倍モル、好ましくは3〜7倍モ
ルの範囲である。これより使用量が少ないとニトリル化
合物の収率が低下し、一方、これより多いと空時収率が
小さくなる。未反応アンモニアを循環する際に同伴する
水分は触媒活性に影響を及ぼすので反応器入口ガス中の
水分濃度は12容量%以下、好ましくは10容量%以下
である。これより水分が多いとニトリル化合物の収率が
低下すると共に、触媒のシンタリングが促進されるため
に触媒の活性低下が大きくなり、ニトリル化合物を長期
間に渡り安定して得られなくなる。
【0015】反応圧力は常圧、加圧或いは減圧のいずれ
でも良いが、常圧付近から0.2MPaの範囲が好まし
い。反応ガスと触媒の接触時間は、原料の種類、原料に
対するアンモニアおよび酸素含有ガスの仕込みモル比、
反応温度等の条件に依存するが、通常は0.5〜30秒
の範囲である。アンモ酸化の反応温度は300〜500
℃、好ましくは330〜470℃の範囲である。これよ
り反応温度が低いと転化率が低く、一方、これより反応
温度が高いと炭酸ガス、シアン化水素等の副生が増加
し、ニトリル化合物の収率が低下する。なお、反応温度
は上記の操作条件で触媒の活性状況等を勘案しながら最
適収率が得られる温度に適宜選択される。
【0016】図1は本発明で用いられるアンモ酸化反応
器の説明図である。図1においてアンモ酸化反応器1に
流動層触媒2が充填されている。該反応器の底部3から
酸素含有ガスが導入され、分散器4を経て流動触媒層に
酸素含有ガスが供給される。またの流動触媒層下部の側
部5からアンモニアと炭素環化合物や複素環化合物が供
給される。反応器の内部には冷却管6が設置されてお
り、該冷却管の上端の下部に流動触媒層界面10を存在さ
せる。反応ガスは触媒サイクロン7で触媒粒子が分離さ
れ戻し管8から流動触媒層に戻された後、頂部の排出管
より排出される。反応器頂部からの反応生成ガス中に
は、未反応の炭素環化合物や複素環化合物、ニトリル化
合物、アンモニア、シアン化水素、炭酸ガス、水、一酸
化炭素、窒素、酸素等が含まれ、次の分離塔に送られ
る。
【0017】分離塔では反応生成ガスを溶媒に接触させ
ることにより、該溶媒にニトリル化合物が溶解し分離さ
れる。また、別法としては、該分離塔の代わりに冷却器
を用いて反応ガス中のニトリル化合物を結晶として回収
することができる。これらの方法で捕集された粗製ニト
リル化合物は、蒸留、再結晶等の精製を経て製品ニトリ
ル化合物が回収される。
【0018】本発明において、アンモ酸化反応器に上記
のような縦型流動層反応器を用い、底部より酸素含有ガ
スを導入し、側部より原料の有機置換基を有する炭素環
化合物または複素環化合物(以下、単に原料と称する)
とアンモニアを供給する。この原料とアンモニアを別々
に供給することもできるが、両者の混合を確実にするた
めに予め混合したガスを反応器に供給することが好まし
い。またアンモ酸化による反応熱を除去するために、ア
ンモ酸化反応器の内部に冷却管が設置されるが、冷却管
の形式は特に限定されない。なお、本発明は主にニトリ
ル化合物の工業的製造に係わるものであって、反応器の
内径が1000mm以上のものに好適に適用される。ま
た本発明で、酸素含有ガス供給口は流動触媒層への酸素
含有ガス供給口を示すものである。
【0019】本発明において、原料とアンモニアの供給
口の上部で流動化している触媒(Wb)と酸素含有ガス
供給口より上部で流動化している触媒(Wa)の比率
(Wb/Wa)を0.90以上、好ましくは0.95以
上とする。Wb/Waが0.9以下の場合、流動層入口
部で酸素含有ガス供給口と原料およびアンモニアの供給
口が離れているので、直ちに混合しないゾーンが広が
り、その部分では触媒流動層が反応帯域として十分に生
かされず、酸化雰囲気に置かれるので触媒に悪影響を与
えることになり、目的生成物であるニトリル化合物の選
択率や空時収率の低下を招く。工業規模の反応器ではW
b/Waを0.90ないし0.95以上にすることは装
置上十分可能であり、この場合に特に酸素含有ガス供給
口および原料とアンモニアの供給口の分散器を最適化し
て混合効率を高めることが好ましい。
【0020】なお、特開平10−120641号には気
相アンモ酸化反応による芳香族ニトリルの製造法におけ
る原料供給口の位置に関して、反応帯域における炭素環
化合物の供給口より上部で流動化している触媒(Wb)
と酸素含有ガスの供給口より上部で流動化している触媒
(Wa)の重量比(Wb/Wa)を0.01〜0.95
の範囲に規定し、Wb/Waが0.95を超えると、目
的生成物である芳香族ニトリルの収率、選択率が低くな
ると記載されている。しかしながら特開平10−120
641号の実施例は内径が5cmの流動層反応器で行わ
れており、ここでWb/Waが0.95を超えると芳香
族ニトリルの収率や選択率が低下するのは、原料および
アンモニアと酸素含有ガスの分散・混合が不十分となる
ためと見られる。工業用装置では、分散・混合が良好と
なるようにし、Wb/Waをむしろ限りなく1.0に近
いことが望ましい。原料およびアンモニアと酸素含有ガ
スの混合効率を高めるためには、反応器入口でこれらを
混合し、いわゆる予混合ガスを流動層に導入するのが効
果的であるが、爆発範囲に入るので安全上困難な場合が
多い。
【0021】また本発明では、冷却管下端より上部で流
動化している触媒(Wc)と酸素含有ガス供給口より上部
で流動化している触媒(Wa)の比率(Wc/Wa)を
0.80以上、好ましくH0.95以上とする。Wc/
Waが0.80より小さい場合には、酸素含有ガス供給
口と冷却管下端の間で局所的な発熱が生じ、燃焼反応に
よるCO2、COの副生が増大し、目的生成物である芳
香族ニトリル収率が低下する。工業規模の反応器でWc
/Waを0.80以上にすることは装置上十分可能であ
り、特に垂直型冷却管下端を原料とアンモニアの供給口
付近まで下げることや水平型冷却管を酸素含有ガス供給
口と原料とアンモニアの供給口の間に装備することによ
りWc/Waを0.95以上にすることができ、酸素含
有ガス供給口と冷却管下端の間の空間部によるニトリル
収率の低下等を回避することができる。
【0022】有機置換基を有する炭素環化合物や複素環
化合物のアンモ酸化反応では、最適温度範囲が狭い上に
反応の発熱量が大きく、このために一般的に温度制御性
が良く生産性が高いといわれている流動層反応器が多く
使用されている。しかし特に工業規模の大型反応器では
上記の様な触媒流動層において流動性や原料ガスと触媒
の接触を良好に保つ基本的な条件を満たしても反応帯域
における温度分布を最適化出来ずこれが原因で目的生成
物であるニトリルの収率を低下させるという問題点があ
った。
【0023】流動層反応器では、流動触媒域でほぼ均一
な分布であることから、反応帯域における原料およびア
ンモニアの供給口より上部で流動化している触媒(W
b)と酸素含有ガス供給口より上部で流動化している触
媒(Wa)の重量比(Wb/Wa)や冷却管下端より上
部で流動化している触媒(Wc)と酸素含有ガス供給口よ
り上部で流動化している触媒(Wa)の比率(Wc/W
a)は図1に示すように各触媒域の高さの比率で表すこ
とができる。Wcは反応帯域内で冷却管による温度制御
が可能な領域を示し、またWc/Waは全反応域に対す
る冷却管による温度制御が可能な領域の割合を示すが、
本発明は、このWc/Waが上記の問題を解決するため
の重要な指標となることを見出したものである。すなわ
ちアンモ酸化反応は触媒流動層の下部(入口側)約1/
3の区間で反応の大半は終了し、しかもこの区間では主
反応(ニトリル生成反応)に比較して燃焼反応(CO+
CO2副生反応)が著しいため、この領域で冷却管によ
り局所的な発熱を抑制する温度制御が極めて重要であ
る。原料とアンモニアの供給口は酸素含有ガス供給口よ
り上部に設置されるが、アンモ酸化反応のこのような特
性のため冷却管をできるだけ触媒流動層の下部まで設置
する必要あり、装置上可能であれば冷却管下端を原料と
アンモニアの供給口より下部の酸素含有ガス供給口の直
近まで下げることが望ましい。
【0024】本発明により、冷却管を有する流動層触媒
反応器で原料とアンモニアを以上のような特定位置に導
入することにより、流動層全域を反応帯域として有効に
用いられ、触媒流動層における局部過熱を回避され、燃
焼反応によるCO2やCOの副生が抑制されることか
ら、目的生成物であるニトリル化合物を高収率、高選択
率で経時的に安定して得ることができる。
【0025】
【実施例】次に実施例および比較例により、本発明を更
に具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に
より制限されるものではない。
【0026】<触媒調製>五酸化バナジウムV2522
9gに水500mlを加え、80〜90℃に加熱しよく
撹拌しながらシュウ酸477gを加え溶解する。またシ
ュウ酸963gに水400mlを加え50〜60℃に加
熱し、これに無水クロム酸CrO3252gを水200
mlに加えた溶液を、良く撹拌しながら加え溶解する。
こうして得られたシュウ酸バナジウムの溶液にシュウ酸
クロムの溶液を50〜60℃にて混合し、バナジウム−
クロム溶液を得る。この溶液にリンモリブデン酸H
3(PMo 1240)・20H2O41.1gを水100m
lに溶解して加え、更に、酢酸カリウムCH3COOK
4.0gを水100mlに溶解して加える。次いで20
重量%水性シリカゾル(Na2Oを0.02重量%含
有)2500gを加える。このスラリ−溶液にホウ酸H
3BO378gを加えて良く混合し液量が約3800gに
なるまで加熱、濃縮する。この触媒溶液を入口温度25
0℃、出口温度130℃に保ちながら噴霧乾燥した。噴
霧乾燥した触媒は130℃の乾燥器で12時間乾燥後、
400℃で0.5時間焼成し、その後、550℃で8時
間空気流通下焼成し、流動触媒を製造した。触媒成分の
原子比は、V:Cr:B:Mo:P:Na:Kが1:
1:0.5:0.086:0.007:0.009:
0.020であり、流動触媒における触媒成分の濃度は
50重量%である。
【0027】実施例1 図1に示したアンモ酸化反応器を用いて反応を行った。
アンモ酸化反応器1に上記で調製した流動触媒2.3ton
を充填し、空気、メタキシレン(MX)、新たに供給す
るアンモニアおよび再生塔からのアンモニアを含むガス
と混合した後、温度180℃に予熱し該反応器に供給し
た。仕込み条件として、MX濃度を2.8wt%、NH3
/MXモル比を6.8、O2/MXモル比を5.8、S
Vを456hr-1、反応圧力を0.08MPaで反応を行
い、イソフタロニトリル(IPN)を得た。反応温度は
最高IPN収率が得られる402℃とした。流動層高は
4.1mでWb/Wa=0.98、Wc/Wa=0.82
であった。未反応MXは0.89mol%、IPN収率
は75.0mol%、CO+CO2収率(燃焼反応分)は
11.8mol%であった。(いずれも供給MX基準)
【0028】比較例1 図1において、流動層高が4.1mでWb/Wa=0.
67、Wc/Wa=0.54であるアンモ酸化反応器を
用いて実施例1と同様の条件でメタキシレンのアンモ酸
化を行なった。但し、反応温度は最高IPN収率が得ら
れる385℃とした。未反応MXは1.7mol%、I
PN収率は63.7mol%、CO+CO2収率は2
2.7mol%であった。
【0029】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明により冷却管を有する流動層触媒反応器の特定位置
に原料とアンモニアを導入することにより、流動層のほ
ぼ全域が反応帯域として有効に用いられ、目的生成物で
あるニトリル化合物の空時収率が高められて、触媒流動
層における局部過熱が回避され、燃焼反応によるCO2
やCOの副生が抑制されて、目的生成物であるニトリル
化合物を高収率、高選択率で経時的に安定して得ること
ができる。本発明により有機置換基を有する炭素環化合
物または複素環化合物を原料とするニトリル化合物を工
業的に有利に安定して製造することができ、本発明の工
業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられるアンモ酸化反応器の説明図
である。
【記号の説明】
1.反応器 2.流動触媒 3.酸素含有ガス導入管 4.酸素含有ガス分散器 5.原料とアンモニアの導入管 6.冷却管 7.触媒サイクロン 8.触媒戻し管 9.反応ガス排出管 10.流動触媒層界面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA02 AA08 BB06B BC02B BC03B BC54B BC58B BC59B BD03B BD07B CB53 DA08 EA01Y FA01 FB57 4H006 AA02 AC54 BA02 BA12 BA14 BA19 BA30 BA82 BC13 BD21 BD81 BE14 BE30 QN24 4H039 CA70 CL50

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機置換基を有する炭素環化合物または複
    素環化合物を原料として、アンモニアおよび酸素含有ガ
    スとの気相接触流動層反応によりアンモ酸化させてニト
    リル化合物を製造するに際し、流動層反応器底部より酸
    素含有ガスを導入し、流動触媒層への酸素含有ガス供給
    口より上部に原料とアンモニアの供給口および反応熱を
    除熱するための冷却管を設け、かつ原料とアンモニアの
    供給口より上部で流動化している触媒(Wb)と酸素含
    有ガス供給口より上部で流動化している触媒(Wa)の
    重量比(Wb/Wa)が0.90以上であり、冷却管下
    端より上部で流動化している触媒(Wc)と酸素含有ガ
    ス供給口より上部で流動化している触媒(Wa)の重量
    比(Wc/Wa)が0.80以上であることを特徴とす
    るニトリル化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】流動層反応器の内径が1000mm以上で
    ある請求項1に記載のニトリル化合物の製造方法。
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