JP4240162B2 - ニトリル化合物の製造方法および製造用触媒 - Google Patents

ニトリル化合物の製造方法および製造用触媒 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルキル置換芳香族化合物やアルキル置換複素環化合物と、アンモニア、および酸素を含む混合ガスより、対応するニトリル化合物を製造する方法に関する。
アルキル置換芳香族化合物から誘導されるニトリル化合物は有機化学工業上、重要な中間体であり、例えばフタロニトリルは、合成樹脂、農薬、およびジイソシアネートやエポキシ樹脂の硬化剤として有用なキシリレンジアミンの原料に用いられる。一方、アルキル置換複素環化合物から誘導されるシアノピリジンは医薬品、飼料添加剤、食品添加剤等の分野において有用な物質であるニコチン酸アミドやニコチン酸の原料に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
アルキル置換芳香族化合物をアンモニア及び酸素によりアンモ酸化して芳香族ニトリルを製造する方法は種々提案されている。たとえば特公昭45−19284号には、バナジウム、クロム、ホウ素の三成分系の触媒が記載されている。特公昭49−45860号には、この三成分系触媒に関して坦体としてシリカを用い、バナジウム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物の原子比を1:(0.5〜2.0):(0.1〜1.2)として、シリカに対して30〜60重量%の坦持した触媒が記載されている。特公昭51−15028号には、バナジウム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物およびリン酸化物の原子比を1:(0.5〜2.0):(0.1〜1.2):(0.01〜0.3)なる触媒が記載されており、また特開平1−275551号には、バナジウム酸化物、クロム酸化物、モリブデン酸化物、ホウ素酸化物の原子比が1:(0.5〜2.0):(0.01〜1.2):(0.01〜1.2)なる触媒が記載されている。
一方、アルキル置換複素環化合物をアンモ酸化して対応するニトリル化合物を製造する例としては、特開平1−275564号に、メチルピリジンをアンモニアおよび酸素含有ガスと反応させてシアノピリジンを製造するに際し、シリカに坦持させたバナジウム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物よりなる触媒を用いることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
アルキル置換化合物に気相でアンモニアと酸素を反応させるアンモ酸化反応はいずれも大量の反応熱が発生するために反応温度の制御が著しく困難であり、流動床形式の反応器が特に有効である。特公昭51−15028号及び特開平1−275551号は流動床反応器用の触媒として、特公昭45−19284号及び特公昭49−45860号にはバナジウム酸化物、クロム酸化物及びホウ素酸化物に対してリン酸化物及びモリブデン酸化物を添加して、ニトリル化合物の収率を改良してきたものである。しかしながら、これらの触媒はニトリル化合物の収率が必ずしも充分でなく、更にその改善が望まれている。
本発明の目的は、アルキル置換芳香族化合物またはアルキル置換複素環化合物と、アンモニアおよび酸素を含む混合ガスとの接触反応において、ニトリル化合物を高収率で製造する方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者はアルキル置換芳香族化合物またはアルキル置換複素環化合物のアンモ酸化反応におけるニトリル化合物を高収率で維持するため鋭意検討した結果、シリカに坦持させたバナジウム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物よりなる三成分系触媒に、更にアルカリ金属酸化物とヘテロポリ酸を組み合わせることにより耐熱性が向上し、ニトリル化合物を高収率で長期間にわたって維持できることを見い出し本発明に到達した。
【0005】
すなわち本発明は、アルキル置換芳香族化合物またはアルキル置換複素環化合物と、アンモニアおよび酸素を含む混合ガスを触媒上で接触反応させてニトリル化合物を製造するに際し、バナジウム化合物、クロム化合物、ホウ素化合物、アルカリ金属化合物およびヘテロポリ酸を原料に用いて調製した(I)式で表わされる酸化物からなる触媒を使用することを特徴とするニトリル化合物の製造方法および、バナジウム化合物、クロム化合物、ホウ素化合物、アルカリ金属化合物およびヘテロポリ酸を原料に用いて調製した(I)式で表わされる酸化物からなるニトリル化合物製造用触媒である。
a Cr b c d d/12 e f (I)
〔Vはバナジウム酸化物を構成するバナジウム、Crはクロム酸化物を構成するCr、Bはホウ素酸化物を構成するホウ素、Xはヘテロポリ酸を構成するMo、W、Vからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Yはヘテロポリ酸を構成するP、Si、Geからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Zはアルカリ金属酸化物を構成するNa、K、Rb、Csからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示す。各元素の原子比率a:b:c:d:eが1:(0.5〜2.0):(0.01〜1.5):(0.01〜1.5):(0.005〜0.2)であり、fは上記各元素が結合して生成する酸化物に対応する数値である。〕
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の触媒に使用するバナジウム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物の成分原料としては、例えばバナジウムとしては、メタバナジン酸アンモニウム、硫酸バナジル、およびシュウ酸、酒石酸などの有機酸のバナジウム塩類が使用され、クロムとしては、クロム酸、硝酸クロム、水酸化クロム、クロム酸アンモニウム、重クロム酸アンモニウム、およびシュウ酸、酒石酸などの有機酸のクロム塩、ホウ素としては、ホウ酸、ホウ酸アンモニウムなどが使用される。
【0007】
本発明の触媒に使用するアルカリ金属はリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムであり、これらの酸化物の成分原料としては、の水酸化物、炭酸塩、硝酸塩およびシュウ酸、酒石酸、酢酸などの有機酸塩が使用される。ヘテロポリ酸の金属成分はモリブデン、タングステン、バナジウムであり、ヘテロポリ酸の原料としてはリンモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンバナジドタングステン酸又はそのアンモニウム塩が使用される。更に、ヘテロポリ酸のアルカリ金属塩であるリンモリブデン酸ナトリウム、リンタングステン酸ナトリウム、ケイタングステン酸カリウム、ケイタングステン酸ナトリウムなども、アルカリ金属酸化物とヘテロポリ酸の原料として用いることができる。
【0008】
本発明の触媒は (I)式で表すことができる。
a Crb c d d/12e f (I)
Vはバナジウム酸化物を構成するバナジウム、Crはクロム酸化物を構成するCr、Bはホウ素酸化物を構成するホウ素、Xはヘテロポリ酸を構成するMo、W、Vからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Yはヘテロポリ酸を構成するP、Si、Geからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Zはアルカリ金属酸化物を構成するNa、K、Rb、Csからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示す。なおVにはヘテロポリ酸を構成するバナジウムを含まれない。
各元素の原子比率はa:b:c:d:eが1:(0.5〜2.0):(0.01〜1.5):(0.01〜1.5):(0.005〜0.2)とすることが好ましい。fは上記各元素が結合して生成する酸化物に対応する数値である。各触媒成分の原子比がこの範囲を外れた場合にはニトリル化合物の収率が低下すると共に、期待した寿命を得ることができない。
これらの触媒成分はシリカに坦持して好適に用いられ、このシリカには、例えば、化学便覧 応用化学編I(丸善1986年発行)256〜258頁に記載のシリカゲル、コロイダルシリカ、無水シリカなどが使用される。触媒成分の濃度は、構成元素が結合して生成する全酸化物の触媒中の重量%として、20〜80重量%、好ましくは30〜60重量%である。
【0009】
本発明の触媒は公知の方法を用いて製造することができる。例えば、酸化バナジウムおよび酸化クロムをシュウ酸に溶かした溶液に、ホウ酸水溶液および酢酸カリウムとリンモリブデン酸を加え、次いでシリカゾルを加えてスラリー混合物を得る。この場合もし必要ならばホウ酸の溶解助剤を使用する。ホウ酸の溶解助剤としては、多価アルコール、α−モノオキシカルボン酸、ジオキシカルボン酸を用いる。流動層触媒の場合には、この混合物を噴霧乾燥し、必要に応じ更に110〜150℃で乾燥後、焼成する。固定床触媒の場合は、この混合物を蒸発乾固し、次いで焼成する。焼成は400〜700℃、好ましくは450〜650℃で数時間以上、空気を流通しながら行う。なお、この焼成に先立って200〜400℃において予備焼成を行うと、より好ましい結果が得られる。
【0010】
本発明において原料に使用されるアルキル置換芳香族化合物としては、トルエン、エチルベンゼン、ポリメチルベンゼン(キシレン、メシチレン、シメン、ジュレンなど)、ジエチルベンゼン、メチルナフタレンなどが挙げられる。またアルキル置換複素環化合物としては、メチルピリジン、エチルピリジン、ジメチルピリジン、メチルキノリンなどが挙げられる。反応器に供給されるガス中のこれら原料アルキル化合物の濃度は、酸素源として空気を用いた場合0.5〜5Vol%の範囲が適当である。
【0011】
本発明においてニトリル化反応に用いられるアンモニア使用量は、理論量(1モルのアルキル基に対し、1モルのアンモニア)以上あれば良い。原料ガス中のアンモニア/アルキル置換化合物のモル比が高いほど原料アルキルからのニトリル収率に対して有利であるが、未反応のアンモニア回収をなどの点から、アンモニア使用量は、理論値以上、好ましくは理論値量の2〜10倍程度が経済的に有利である。
酸素源としては、通常空気が用いられるが、その他不活性希釈剤として窒素、二酸化炭素、水蒸気などで希釈して使用することもできる。供給する酸素量は、理論量の少なくとも1.5倍以上、好ましくは理論量の2〜50倍である。
【0012】
反応温度は300〜500℃の広い範囲で実施できるが、330〜470℃であることが好ましい。300℃より低い温度では原料アルキル化合物の転化率が小さく、500℃より高い温度では二酸化炭素、シアン化水素などの生成が増加しニトリル化合物の収率が低下すると共に、触媒が変質して寿命が短くなる。最高の収率を示す反応温度は、原料アルキル置換化合物の種類、原料濃度、接触時間、および触媒の焼成温度などにより変化するので、これらの条件に応じて適宜この範囲で選択することが好ましい。反応ガスと触媒の接触時間は一般にはかなり広い範囲に採ることができるが、0.5〜30秒であることが好ましい。
【0013】
本発明の反応は通常、常圧にて行われるが、加圧下または減圧下にても行うことができる。反応生成物の捕集は、任意の適当な方法、例えば、生成物が析出するに充分な温度まで冷却し捕集する方法、水その他適当な溶媒などで反応生成ガスを洗浄、捕集する方法などが使用される。なお、前述の如く本発明の反応は激しい発熱を伴うので、反応熱の除去、部分加熱の防止という意味に於いて、流動床あるいは移動床で反応を行うのが有利であるが、固定床で反応を行ってもその特性は発揮され優れた性能が維持される。
【0014】
【実施例】
次に実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明する。但し本発明はこれらの実施例により制限されるものでない。
【0015】
比較例1
(触媒の調製)五酸化バナジウムV2 5 229gに水500mlを加え、80〜90℃に加熱し、よく攪拌しながらシュウ酸477gを加え溶解した。またシュウ酸963gに水400mlを加え50〜60℃に加熱し、これに無水クロム酸CrO3 252gを水200mlに加えた溶液を良く攪拌しながら加え溶解した。こうして得られたシュウ酸バナジルの溶液にシュウ酸クロムの溶液を50〜60℃にて混合し、バナジウム−クロム溶液を得た。一方44gのパラモリブデン酸アンモニウム(NH4 6 Mo7 24・4H2 Oに水300mlを加え、30〜40℃でよく混合した。先のバナジウム、クロム溶液にこのパラモリブデン酸アンモニウム水溶液を添加し、更に、20wt%水性シリカゾル2501gを加えた。このスラリー溶液に78gのホウ酸H3 BO3 を加えてよく混合し液量が約3800gになるまで濃縮した。この触媒溶液を入口温度250℃、出口温度130℃に保ちながら噴霧乾燥した。噴霧乾燥した触媒は130℃の乾燥器で12時間乾燥後、400℃で0.5時間仮焼成し、その後、550℃で8時間空気気流下焼成した。この触媒の原子比はV:Cr:B:Moが1:1:0.5:0.1の割合で含有し、その触媒濃度は50wt%である。
【0016】
(触媒の活性試験)抵抗発熱体にて加熱された内径23mmの反応器にこの触媒40mlを充填し、メタキシレン濃度3.0vol%、アンモニア21.0vol%、空気76.0vol%よりなるガスを、この触媒が最高のイソフタロニトリル収率を与える温度である370℃において、空時速度SV750Hr-1の条件で流動接触反応させた。この結果、メタキシレンに対してイソフタロニトリルの収率が72.6mol%、メタトルニトリルの収率が2.9mol%の収率であり、反応したメタキシレンに対するイソフタロニトリルの選択率は72.7mol%であった。その後、短期間で寿命予測するため触媒に熱負荷として450℃で300時間を与え、再び370℃において反応した結果、イソフタロニトリルの収率は67.6mol%まで低下した。なお、その時のメタトルニトリルの収率は2.6mol%の収率であり、反応したメタキシレンに対するイソフタロニトリルの選択率は68.1mol%であった。
【0017】
比較例2
(触媒の調製)五酸化バナジウムV2 5 229gに水500mlを加え、80〜90℃に加熱し、よく攪拌しながらシュウ酸477gを加え溶解した。またシュウ酸963gに水400mlを加え50〜60℃に加熱し、これに無水クロム酸CrO3 252gを水200mlに加えた溶液を、良く攪拌しながら加え溶解する。こうして得られたシュウ酸バナジルの溶液にシュウ酸クロムの溶液を50〜60℃にて混合し、バナジウム−クロム溶液を得た。この溶液にリンモリブデン酸H3 〔PMo1240〕・30H2 O49.6gに水100mlを加え、30〜40℃でよく混合した。更に20wt%水性シリカゾル2501gを加え、このスラリー溶液にホウ酸H3 BO3 78gを加えてよく混合し液量が約3800gになるまで濃縮した。この触媒溶液を入口温度250℃、出口温度130℃に保ちながら噴霧乾燥した。噴霧乾燥した触媒は130℃の乾燥器で12時間乾燥後、400℃で0.5時間仮焼成し、その後、550℃で8時間空気気流下焼成した。この触媒の原子比はV:Cr:B:Mo:Pが1:1:0.5:0.1:0.01の割合で含有され、その触媒濃度は50wt%である。
【0018】
(触媒の活性試験)上記により調製した触媒を用い比較例1と同様に活性試験を行った。メタキシレン3.0vol%、アンモニア21.0vol%、空気76.0vol%よりなるガスを、この触媒が最高のイソフタロニトリル収率を与える温度である390℃、SV750Hr-1の条件で反応させた。メタキシレンに対するイソフタロニトリルの収率が84.2mol%、メタトルニトリルの収率が2.2mol%であり、反応したメタキシレンに対するイソフタロニトリルの選択率は84.2mol%であった。その後、熱負荷として450℃で300時間を与え、再び390℃において反応した結果、イソフタロニトリルの収率は77.3mol%まで低下した。なお、その時のメタトルニトリルの収率は1.8mol%の収率であり、反応したメタキシレンに対するイソフタロニトリルの選択率は77.6mol%であった。
【0019】
実施例1
(触媒の調製)五酸化バナジウムV2 5 229gに水500mlを加え、80〜90℃に加熱し、よく攪拌しながらシュウ酸477gを加え溶解した。またシュウ酸963gに水400mlを加え50〜60℃に加熱し、これに無水クロム酸CrO3 252gを水200mlに加えた溶液を、良く攪拌しながら加え溶解した。こうして得られたシュウ酸バナジルの溶液にシュウ酸クロムの溶液を50〜60℃にて混合し、バナジウム−クロム溶液を得る。この溶液にリンモリブデン酸H3 〔PMo1240〕・30H2 O89.6gを水100mlに溶解して混合し、更に酢酸カリウムCH3 COOK8.3gを水100mlに溶解して加えた。次いで20wt%水性シリカゾル2501gを加えた。このスラリー溶液にホウ酸H3 BO3 78gを加えてよく混合し液量が約3800gになるまで濃縮する。この触媒溶液を入口温度250℃、出口温度130℃に保ちながら噴霧乾燥した。噴霧乾燥した触媒は130℃の乾燥器で12時間乾燥後、400℃で0.5時間仮焼成し、その後、550℃で8時間空気気流下焼成した。この触媒の原子比はV:Cr:B:Mo:P:Kが1:1:0.5:0.1:0.008:0.027の割合で含有され、その触媒濃度は50wt%である。
【0020】
(触媒の活性試験)上記により調製した触媒を用い比較例1と同様に活性試験を行った。メタキシレン3.0vol%、アンモニア21.0vol%、空気76.0vol%よりなるガスを、この触媒が最高のイソフタロニトリル収率を与える温度である390℃、SV750Hr-1の条件で反応させた。メタキシレンに対するイソフタロニトリルの収率が89.1mol%、メタトルニトリルの収率が2.6mol%であり、反応したメタキシレンに対するイソフタロニトリルの選択率は89.3mol%であった。その後、熱負荷として450℃で300時間与え、再び390℃において反応した結果、イソフタロニトリルの収率は88.0mol%であった。なお、その時のメタトルニトリルの収率は2.5mol%の収率であり、反応したメタキシレンに対するイソフタロニトリルの選択率は88.4mol%であった。
【0021】
実施例2
実施例1の酢酸カリウム及びリンモリブデン酸に代えて炭酸ナトリウムNa2 CO3 及びケイタングステン酸を用い、V:Cr:B:W:Si:Naが原子比で1:1:0.5:0.1:0.008:0.046の触媒を実施例1と同様にして調製し、触媒の活性試験を行った。メタキシレン3.0vol%、アンモニア21.0vol%、空気76.0vol%よりなるガスを、この触媒が最高のイソフタロニトリル収率を与える温度である410℃、SV750Hr-1の条件で反応させた。メタキシレンに対するイソフタロニトリルの収率が88.9mol%、メタトルニトリルの収率が2.5mol%であり、反応したメタキシレンに対するイソフタロニトリルの選択率は89.0mol%であった。その後、熱負荷として450℃で300時間を与え、再び390℃において反応した結果、イソフタロニトリルの収率は88.1mol%であった。なお、その時のメタトルニトリルの収率は2.6mol%の収率であり、反応したメタキシレンに対するイソフタロニトリルの選択率は88.3mol%であった。
【0022】
実施例3
実施例1で調製した触媒を用い、メタキシレンに代えてパラキシレンを使用して、実施例1と同様に触媒の活性試験を行った。パラキシレン3.2vol%、アンモニア19.5vol%、空気77.3vol%よりなるガスを、この触媒が最高のテレフタロニトリル収率を与える温度である400℃、SV800Hr-1の条件で反応させた。パラキシレンに対するテレフタロニトリルの収率が89.5mol%、パラトルニトリルの収率が1.3mol%であり、反応したパラキシレンに対するテレフタロニトリルの選択率は89.7mol%であった。その後、熱負荷として450℃で300時間を与え、再び390℃において反応した結果、テレフタロニトリルの収率は89.1mol%であった。なお、その時のパラトルニトリルの収率は1.1mol%の収率であり、反応したメタキシレンに対するイソフタロニトリルの選択率は89.2mol%であった。
【0023】
実施例4
実施例1で調製した触媒を用い、メタキシレンに代えて3−メチルピリジンを使用して、実施例1と同様に触媒の活性試験を行った。3−メチルピリジン3.0vol%、アンモニア21.0vol%、空気76.0vol%よりなるガスを、この触媒が最高の3−シアノピリジン収率を与える温度である390℃、SV750Hr-1の条件で反応させた。3−メチルピリジンに対する3−シアノピリジンの収率が91.8mol%であり、反応した3−メチルピリジンに対する3−シアノピリジンの選択率は92.2mol%であった。その後、熱負荷として450℃で300時間を与え、再び390℃において反応した結果、3−シアノピリジンの収率は91.0mol%であった。また、その時の反応した3−メチルピリジンに対するシアノピリジンの選択率は92.8mol%であった。
【0024】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明のバナジウム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物、アルカリ金属及びヘテロポリ酸をシリカに坦持された触媒を使用して、アルキル置換芳香族化合物やアリキル置換複素環化合物をアンモ酸化することにより、対応するニトリル化合物が高収率で得られ、耐熱性の向上により寿命の延長が図られる。
従って本発明により芳香環や複素環を有するニトリル化合物を工業的に極めて有利に製造することができ、本発明の工業的意義が大きい。

Claims (4)

  1. アルキル置換芳香族化合物またはアルキル置換複素環化合物と、アンモニアおよび酸素を含む混合ガスを触媒上で接触反応させてニトリル化合物を製造するに際し、バナジウム化合物、クロム化合物、ホウ素化合物、アルカリ金属化合物およびヘテロポリ酸を原料に用いて調製した(I)式で表わされる酸化物からなる触媒を使用することを特徴とするニトリル化合物の製造方法。
    a Cr b c d d/12 e f (I)
    〔Vはバナジウム酸化物を構成するバナジウム、Crはクロム酸化物を構成するCr、Bはホウ素酸化物を構成するホウ素、Xはヘテロポリ酸を構成するMo、W、Vからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Yはヘテロポリ酸を構成するP、Si、Geからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Zはアルカリ金属酸化物を構成するNa、K、Rb、Csからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示す。各元素の原子比率a:b:c:d:eが1:(0.5〜2.0):(0.01〜1.5):(0.01〜1.5):(0.005〜0.2)であり、fは上記各元素が結合して生成する酸化物に対応する数値である。〕
  2. (I)式で表わされる酸化物をシリカに坦持させた触媒を使用する請求項1記載の製造方法。
  3. 触媒中の該酸化物の濃度が20〜80重量%である請求項2記載の製造方法
  4. バナジウム化合物、クロム化合物、ホウ素化合物、アルカリ金属化合物およびヘテロポリ酸を原料に用いて調製した(I)式で表わされる酸化物からなるニトリル化合物製造用触媒。
    a Cr b c d d/12 e f (I)
    〔Vはバナジウム酸化物を構成するバナジウム、Crはクロム酸化物を構成するCr、Bはホウ素酸化物を構成するホウ素、Xはヘテロポリ酸を構成するMo、W、Vからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Yはヘテロポリ酸を構成するP、Si、Geからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素、Zはアルカリ金属酸化物を構成するNa、K、Rb、Csからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示す。各元素の原子比率a:b:c:d:eが1:(0.5〜2.0):(0.01〜1.5):(0.01〜1.5):(0.005〜0.2)であり、fは上記各元素が結合して生成する酸化物に対応する数値である。〕
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