JP2001335552A - 選択的部分アンモ酸化方法および触媒 - Google Patents

選択的部分アンモ酸化方法および触媒

Info

Publication number
JP2001335552A
JP2001335552A JP2000156561A JP2000156561A JP2001335552A JP 2001335552 A JP2001335552 A JP 2001335552A JP 2000156561 A JP2000156561 A JP 2000156561A JP 2000156561 A JP2000156561 A JP 2000156561A JP 2001335552 A JP2001335552 A JP 2001335552A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vanadium
catalyst
aromatic
atomic ratio
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000156561A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Nozawa
勉 能沢
Tetsuo Nakajo
哲夫 中條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2000156561A priority Critical patent/JP2001335552A/ja
Publication of JP2001335552A publication Critical patent/JP2001335552A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のアルキル基を芳香環置換基として有す
る芳香族化合物の、一部のアルキル基のみを部分アンモ
酸化することによる、アルキル基を芳香環置換基として
有する芳香族ニトリル化合物の高収率の製造方法を提供
すること。該製造方法に用いる触媒を提供すること。 【解決手段】 複数のアルキル基を芳香環置換基として
有する芳香族化合物を、400℃〜600℃で焼成した
バナジウム含有金属酸化物触媒の存在下、気相にて、酸
素およびアンモニアと反応させ、一部のアルキル基のみ
をニトリル基に変換することを特徴とするアルキル基を
芳香環置換基として有する芳香族ニトリル化合物の製造
方法を提供する。400℃〜600℃で焼成されたバナ
ジウム含有金属酸化物触媒を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相中、バナジウ
ム含有酸化物触媒の存在下、複数のアルキル基を有する
芳香族化合物の一部のアルキル基のみを、部分アンモ酸
化しニトリル基に変換し、アルキル基を有する芳香族ニ
トリル化合物を製造する方法に関する。トルニトリル等
のアルキル基を有する芳香族ニトリル化合物は、農薬、
医薬等、ファインケミカルの製造用中間体として重要で
ある。
【0002】
【従来技術】気相での部分アンモ酸化技術については、
種々の報告が有る。
【0003】米国特許第3959337号では、Naのバナジ
ウム-ブロンズ(Na-V-bronze)をαアルミナ担体に担持
した触媒を用いて、p−キシレンのメチル基のみを部分
アンモ酸化し、p−トルニトリルを48.9%の収率で
得ている。更に米国特許第4044042号ではこの触媒を促
進剤で改良し、p−トルニトリルの収率を63.9%ま
で向上させているが、テレフタロニトリルが30.9%
も同伴している。
【0004】また、バナジウムで修飾した鉄-アンチモ
ン複合酸化物触媒を用いる部分アンモ酸化方法が報告さ
れている(Y.Sasaki et al.,Science and Technology i
n Catalysis(1998)335-338;特許第2522929号公報;特開
平9-40666号公報;特開平9-71561号公報)。
【0005】特公昭47−21408号公報には、アン
チモン・タングステン・ニッケル酸化物触媒を用いて、
o−キシレンの一方のメチル基のみを部分アンモ酸化
し、40%の収率でo−トルニトリルを製造している。
また、アンチモン・タングステン・バナジウム酸化物触
媒(但し、アンチモンの原子含有量がタングステンとバ
ナジウムの合計原子含有量よりも大きいように選択す
る。)を用いて、13%の収率で、o−トルニトリルを
得ている。いずれの触媒も650℃以上で焼成を必要と
している。
【0006】また、Stepanovaらは(Izv.Akad.Nauk Ka
z.SSR,Ser.Khim.(1989),(6),75-8)バナジウム・アンチ
モン・タングステン酸化物(V2O5・4Sb2O3・2WO5)触媒を用
いて、410℃の反応温度で、p−キシレンから27%
の副生物のテレフタロニトリルと共に69%の収率でp
−トルニトリルを得ている。触媒の焼成温度は750℃
である。
【0007】特公昭57−19706号公報にはバナジ
ウム・アンチモン・X(X=Fe、Cu、Ti、Co、
Mn、Ni)酸化物系で、アンチモンの原子含有割合が
バナジウムよりも多く、600℃以上で焼成されたアン
モ酸化用触媒が記載されていて、o−キシレンから20
%の収率でo−トルニトリルを得ている。
【0008】上記の様に、複数のアルキル基を有する芳
香族化合物の一部のアルキル基のみを気相部分アンモ酸
化することによるアルキル基を有する芳香族ニトリル化
合物の従来の製造方法は、目的生成物の収率が低かった
り、原料芳香族化合物のすべてのアルキル基がニトリル
基に変換された化合物の副生量が多かったり、工業的に
実施するには、まだ不十分であるといわなければならな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、複
数のアルキル基を有する芳香族化合物の、一部のアルキ
ル基のみを部分アンモ酸化することによる、アルキル基
を有する芳香族ニトリル化合物の高収率の製造方法を提
供することを課題とする。また、本発明の他の課題は、
該製造方法に用いる触媒を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み、本発明
者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下の事項からなる本
発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は以下の事項からなる。 [1] 複数のアルキル基を芳香環置換基として有する芳
香族化合物を、400℃〜600℃で焼成したバナジウ
ム含有金属酸化物触媒の存在下、気相にて、酸素および
アンモニアと反応させ、当該アルキル基のうち一部のア
ルキル基のみをニトリル基に変換することを特徴とする
アルキル基を芳香環置換基として有する芳香族ニトリル
化合物の製造方法。 [2] バナジウム含有金属酸化物触媒が、バナジウムお
よびマンガンの酸化物(但し、マンガン/バナジウム
(原子比)=0.01〜1.0である。)を含む触媒で
ある[1]に記載の製造方法。 [3] バナジウム含有金属酸化物触媒が、バナジウム、
タングステンおよびアンチモンの酸化物(但し、タング
ステン/バナジウム(原子比)=0.01〜1.0、ア
ンチモン/バナジウム(原子比)=0.01〜1.0で
ある。)を含む触媒である[1]に記載の製造方法。 [4] バナジウム含有金属酸化物触媒が、更に、アルカ
リ土類金属(但し、アルカリ土類金属/バナジウム(原
子比)=0.01〜0.5)の酸化物を含むことを特徴
とする[2]に記載の製造方法。 [5] アルカリ土類金属が、カルシウムである[4]に記載
の製造方法。 [6] バナジウム含有金属酸化物触媒が、酸素を含む気
体の気流中で焼成されたことを特徴とする[1]〜[5]に記
載の製造方法。 [7] 反応ガス中の水分濃度が0.1mol%〜20m
ol%である[1]〜[6]に記載の製造方法。 [8] 反応温度が350℃〜550℃である[1]〜[7]に
記載の製造方法。 [9] 複数のアルキル基を芳香環置換基として有する芳
香族化合物が、o−、m−またはp−キシレンであり、
アルキル基を芳香環置換基として有する芳香族ニトリル
化合物が、対応するo−、m−またはp−トルニトリル
である[1]〜[8]に記載の製造方法。 [10] 複数のアルキル基を芳香環置換基として有する芳
香族化合物が、p−キシレンであり、アルキル基を芳香
環置換基として有する芳香族ニトリル化合物が、対応す
るp−トルニトリルである[1]〜[8]に記載の製造方法。 [11] 複数のアルキル基を芳香環置換基として有する芳
香族化合物が、メシチレンであり、アルキル基を芳香環
置換基として有する芳香族ニトリル化合物が、3,5−
ジメチルベンゾニトリルである[1]〜[8]に記載の製造方
法。 [12] 400℃〜600℃で焼成された、バナジウムお
よびマンガンの酸化物(但し、マンガン/バナジウム
(原子比)=0.01〜1.0である。)を含むアンモ
酸化触媒。 [13] 400℃〜600℃で焼成された、バナジウム、
タングステンおよびアンチモンの酸化物(但し、タング
ステン/バナジウム(原子比)=0.01〜1.0、ア
ンチモン/バナジウム(原子比)=0.01〜1.0で
ある。)を含むアンモ酸化触媒。 [14] 400℃〜600℃で焼成された、バナジウム、
マンガンおよびアルカリ土類金属(但し、マンガン/バ
ナジウム(原子比)=0.01〜1.0であり、アルカ
リ土類金属/バナジウム(原子比)=0.01〜0.5
である。)を含むアンモ酸化触媒。 [15] アルカリ土類金属が、カルシウムである[14]に記
載のアンモ酸化触媒。 [16] 酸素を含む気体の気流中で焼成されたことを特徴
とする[12]〜[15]に記載のアンモ酸化触媒。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0013】本発明の原料として用いる複数のアルキル
基を芳香環置換基として有する芳香族化合物とは、複数
のアルキル基を芳香環上に有する化合物である。例え
ば、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシ
チレンなどのベンゼン環上に複数のアルキル基を有する
芳香族化合物、ナフタレン環、アントラセン環およびフ
ェナントレン環上に複数のアルキル基を有する化合物、
インデン環、インダン環およびデカリン環などに複数の
アルキル基を有する化合物、アズレンなどの環上に複数
のアルキル基を有する多環状芳香族化合物、フラン、チ
オフェン、ピロール、イミダゾール、オキサゾール等の
5員複素環上に複数のアルキル基を有する複素環化合
物、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジンなど
の6員複素環上に複数のアルキル基を有する化合物、イ
ンドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、キノリ
ン、イソキノリン、アクリジン、クマリン、カルバゾー
ル、ジベンソチオフェン、ベンゾキノキザリンなどの環
上に複数のアルキル基を有する多環性複素環化合物が挙
げられる。
【0014】好ましい複数のアルキル基を芳香環置換基
として有する芳香族化合物としては、m−キシレン、p
−キシレン、1,3−ジメチルナフタレン、1,4−ジ
メチルナフタレン、1,5−ジメチルナフタレン、1,
6−ジメチルナフタレン、1,7−ジメチルナフタレ
ン、1,8−ジメチルナフタレン、2,4−ジメチルピ
リジン、2,5−ジメチルピリジンおよび2,6−ジメ
チルピリジン等が挙げられる。
【0015】更に好ましくは、p−キシレン、1,4−
ジメチルナフタレンである。
【0016】本発明の生成物であるアルキル基を芳香環
置換基として有する芳香族ニトリル化合物は、原料であ
る複数のアルキル基を芳香環置換基として有する芳香族
化合物の一部のアルキル基のみがニトリル基に変換され
た化合物であり、例えば、原料がキシレンの場合は、ト
ルニトリルであり、原料が、ジメチルナフタレンの場合
はメチルナフタレンニトリルになる。
【0017】本発明のバナジウム含有金属酸化物触媒に
ついて説明する。
【0018】本発明のバナジウム含有金属酸化物触媒
は、400℃〜600℃で焼成した、バナジウムおよび
マンガンの酸化物(但し、マンガン/バナジウム(原子
比)=0.01〜1.0である。)を含む触媒(1)あ
るいはバナジウム、タングステンおよびアンチモンの酸
化物(但し、タングステン/バナジウム(原子比)=
0.01〜1.0、アンチモン/バナジウム(原子比)
=0.01〜1.0である。)を含む触媒(2)であ
る。
【0019】バナジウムおよびマンガンの酸化物を含む
触媒(1)の原料としては、バナジウム化合物およびマ
ンガン化合物が用いられる。バナジウム化合物として
は、五酸化バナジウム、メタバナジン酸アンモニウム、
シュウ酸バナジル、ハロゲン化バナジウム類などが用い
られる。マンガン化合物としては、酢酸マンガン、硫酸
マンガン、塩化マンガン、硝酸マンガン、シュウ酸マン
ガンなどが用いられる。
【0020】バナジウムおよびマンガンの酸化物を含む
触媒(1)のバナジウムとマンガンの組成比率は、バナ
ジウムに対してマンガンは原子比で0.01〜1であ
り、好ましくは0.03〜0.7、より好ましくは0.
05〜0.5である。バナジウムに対してマンガンが多
すぎると活性を損ない、また少なすぎても効果が出な
い。
【0021】また、バナジウムおよびマンガンの酸化物
を含む触媒(1)には、アルカリ土類金属、希土類金
属、アンチモンなどを添加してもよい。添加量は、バナ
ジウムに対して原子比で0.01〜0.5である。
【0022】バナジウム、タングステンおよびアンチモ
ンの酸化物(但し、タングステン/バナジウム(原子
比)=0.01〜1.0、アンチモン/バナジウム(原
子比)=0.01〜1.0である。)を含む触媒(2)
の原料には、バナジウム化合物、タングステン化合物、
アンチモン化合物が用いられる。
【0023】バナジウム化合物としては、五酸化バナジ
ウム、メタバナジン酸アンモニウム、シュウ酸バナジ
ル、ハロゲン化バナジウム類などが用いられる。
【0024】タングステン化合物としては、塩化タング
ステン、酸化タングステン、タングステン酸塩、タング
ストリン酸、リンタングステンリン酸などが用いられ
る。アンチモン化合物としては、塩化アンチモン、酸化
アンチモン、金属アンチモンの硝酸酸化物、アンチモン
の有機酸塩などが用いられる。
【0025】バナジウム、タングステンおよびアンチモ
ンの酸化物を含む触媒(2)のバナジウムとタングステ
ン、アンチモンの組成は、バナジウムに対するタングス
テンの比率は、原子比で0.01〜1であり、好ましく
は0.03〜0.7、より好ましくは0.05〜0.5
である。バナジウムに対するアンチモンの比率は、原子
比で0.01〜1であり、好ましくは0.03〜0.
7、より好ましくは0.05〜0.5である。バナジウ
ムに対するタングステンまたはアンチモンが多すぎると
活性を損ない、また少なすぎても効果が出ない。
【0026】本発明のバナジウム含有金属酸化物触媒の
調製方法は、バナジウムおよびマンガンの酸化物を含む
触媒(1)、バナジウム、タングステンおよびアンチモ
ンの酸化物を含む触媒(2)とも焼成温度を除いて、通
常実施される方法でよい。例えば、触媒成分を所定量取
り、物理混合して乾燥焼成する方法、触媒成分の混合溶
液を調製し、担体になり得るアルコキシシリケート、シ
リカゾルなどを加え、噴霧乾燥し焼成する方法、または
触媒成分の混合溶液をシリカ、アルミナ、チタニアなど
の担体に含浸または浸漬し、乾燥焼成する方法が用いら
れる。好ましくは、触媒成分の混合溶液をシリカ、アル
ミナ、チタニアなどの担体に含浸または浸漬し、乾燥焼
成する方法である。
【0027】本発明のバナジウム含有金属酸化物触媒の
担体として用いられるアルミナはαアルミナが好まし
く、特に表面積が10m2/g以下、好ましくは1m2/g以下
で、更に好ましくは0.5m2/g以下のαアルミナが好ま
しい。平均細孔径が1〜200ミクロンであり、水分吸
水率は5%〜50%のαアルミナが好ましい。αアルミ
ナの不純物は、アルカリ金属がアルカリ金属の酸化物の
総和として、2%以下が好ましく、Na2Oが0.5%以
下、K2Oが0.6%以下が好ましい。
【0028】本発明の触媒の担持量は、0.5質量%〜
20%がよい。好ましくは1質量%〜10質量%がよ
い。
【0029】本発明の触媒の調製のための焼成温度は重
要であり、空気などの酸素含有ガス存在下、400℃〜
650℃である。好ましくは450℃〜600℃であ
る。更に好ましくは、480℃〜580℃である。
【0030】焼成雰囲気は、酸素が存在していればよ
く、酸素を窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス
で希釈した酸素含有ガスで行ってもよい。酸素含有ガス
は流通させた方が好ましい。焼成温度が低い場合は、触
媒の効果が出にくく性能が悪い。また焼成温度が高すぎ
ても、活性低下を招く。
【0031】本発明の反応方法は、流動床、固定床のど
ちらでもよい。好ましくは固定床である。
【0032】本発明の製造方法の原料ガス組成について
述べる。基質の供給割合は、0.05mol%〜10m
ol%が好ましい。更に好ましくは0.1mol%〜5
mol%である。基質の供給割合が低すぎると経済的に
不利になり、大きすぎると反応熱の除去が不十分で選択
性が低下したり触媒劣化を促進したりする。基質に対す
るアンモニアガス比率は、1倍〜50倍であり、好まし
くは2倍〜40倍であり、更に好ましくは3倍〜20倍
である。アンモニアガスは通常市販されている工業的に
入手できる規格で使用できる。また、基質に対する酸素
ガス比率は、1.5倍〜30倍であり、好ましくは2倍
〜25倍であり、更に好ましくは3倍〜20倍である。
酸素としては、空気が使用できる。ガス組成によっては
酸素をイナートガス(窒素、アルゴン、ヘリウム等)で
希釈して用いてもよい。基質とアンモニア、酸素の比率
は、基質:アンモニア:酸素(mol%)=1:1〜5
0:1.5〜30で、好ましくは基質:アンモニア:酸
素(mol%)=1:2〜40:2〜25であり、更に
好ましくは基質:アンモニア:酸素(mol%)=1:
3〜20:3〜20である。
【0033】また、本発明の反応に水蒸気を供給するこ
とも可能である。基質の燃焼分解反応を抑制したり、ア
ンモニアの燃焼を抑制する効果が期待される。供給比率
は基質に対して0.1mol%〜20mol%であり、
好ましくは0.5mol%〜10mol%である。水蒸
気の供給が多すぎると目的の反応自身を抑制することに
なる。
【0034】触媒当たりの供給ガス量である空間速度
(space velocity)は50反応ガス(L)/触媒(L)・
hr(以下50/hrと記す。)〜10000/hrが
好適で、より好ましくは100/hr〜5000/hr
である。
【0035】本発明の反応温度は基質の種類に依存する
が、350℃〜550℃であり、好ましくは370℃〜
500℃である。高温過ぎると、アルキル基のすべてが
アンモ酸化された生成物が大量に副生し、選択性の低下
を招く。また、低温すぎると反応しない原料の割合が増
加し、未反応物の回収精製のプロセスが必要である。
【0036】本発明の触媒を用いて、連続流通方式(固
定床)で長時間反応させると、触媒はわずかながらも活
性低下し、転化率が低下してくる。その場合、反応温度
や接触時間を調整し生産量を一定に保つことは有効な手
段である。アンモニアや酸素量を制御する方法もありえ
る。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、何ら本発明
を限定するものではない。
【0038】実施例1(V-Mn複合酸化物触媒の調製
法と部分アンモ酸化反応) メタバナジン酸アンモニウム80.7g(0.69mo
l)のシュウ酸水溶液を調製し、酢酸マンガン水和物5
0.1g(0.21mol)の水溶液を加え攪拌すると透
明な濃青色の溶液が得られた。更に50℃で1時間加熱
攪拌し、αアルミナ(比表面積0.02m2/g、水分吸水
量33質量%、平均細孔径約40ミクロン、Na2O=
0.2%、K2O=0.3%)を浸漬し、濾過液切りし
風乾し、120℃で一晩乾燥した。500/hの流量で
空気を流しながら、最終焼成温度550℃まで昇温し、
10時間保持した。重量増加から計算して3.5質量%
担持の茶褐色の触媒を得た。触媒組成分析では、ほぼ仕
込み比と同じ組成であったことを確認した。
【0039】反応は常圧固定床流通型反応装置を用い
た。反応管は内径1インチのステンレス管に触媒100
mlを仕込み、p−キシレン、アンモニア、酸素、水、
ヘリウムを流した。供給組成比はp−キシレン、アンモ
ニア、酸素、水、ヘリウム=1:5:10:5:79で
あり、p−キシレンと水は予熱器で気化させて導入し
た。反応は410℃で行った。
【0040】生成物は固形生成物及び液体生成物をトラ
ップし、ガスは捕集して、FIDおよびTCDガスクロ
マトグラフィー、場合により液体クロマトグラフィーに
て分析した。炭酸ガスおよび炭酸アンモンは滴定法によ
り求めた。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例2(V-Mn複合酸化物触媒の調製
法と部分アンモ酸化反応) 反応を420℃で行った以外は実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0043】p−TN ;パラトルニトリル TPN ;テレフタロニトリル NH3燃焼率 ;供給したアンモニアの何%が反応以外
に燃焼したかの割合で生成窒素から求めた。
【0044】実施例3(V-Mn-Ca複合酸化物触媒) 酢酸カルシウム6.1g(0.035mol)を触媒調製
液に添加した以外は、実施例2と同様に実施した。結果
を表2に示す。
【0045】実施例4(V-Mn-Ca複合酸化物触媒) 反応を430℃で行った以外、実施例3と同様に実施し
た。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】実施例5(V-W-Sb複合酸化物触媒) メタバナジン酸アンモニウム80.7g(0.69mo
l)のシュウ酸水溶液を調製し、メタタングステン酸ア
ンモニウム288.1g(0.62mol)の水溶液を加
え攪拌すると透明な緑青色の溶液が得られた。この溶液
に酸化アンチモン196g(0.24mol)のシュウ
酸溶液を添加し更に50℃で1時間加熱攪拌し、αアル
ミナ(比表面積0.05m2/g、水分吸水量30質量%、
平均細孔径約70ミクロン、Na2O=0.1%、K2
=0.2%)を浸漬した。その後、濾過液切りし風乾
し、120℃で一晩乾燥した。500/hの流量で空気
を流しながら、最終焼成温度550℃まで昇温し、10
時間保持した。重量増加から計算して7〜8質量%担持
の緑褐色の触媒を得た。触媒組成分析では、ほぼ仕込み
比と同じ組成であったことを確認した。反応は実施例1
と同様に行った。結果を表3に示す。
【0048】実施例6(V-W-Sb複合酸化物触媒) 反応温度を420℃で行った以外、実施例5と同様に行
った。結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】実施例7(V-W-Sb-Ca複合酸化物触
媒) 酢酸カルシウム6.1g(0.035mol)を触媒調製
液に添加した以外は、実施例5と同様に実施した。結果
を表4に示した。
【0051】実施例8(V-W-Sb-Ca複合酸化物触
媒) 反応温度を420℃にした以外は実施例7と同様に行っ
た。
【0052】
【表4】
【0053】実施例9(V-W-Sb-Ca複合酸化物触
媒のSb量を増加した場合) 実施例7の触媒のアンチモン量を(V:Sb=1:0.
7 原子比)に増やし、反応温度を450℃にした以外
は実施例7と同様に実施した。
【0054】実施例10(V-W-Sb-Ca複合酸化物
触媒のSb量を増加した場合) 実施例7の触媒のアンチモン量を(V:Sb=1:1
原子比)に増やし、反応温度を470℃にした以外は実
施例7と同様に実施した。
【0055】
【表5】 V-W-Sb-Ca複合酸化物系において、実施例7〜1
0に示したように、Vに対してSbを増加すると、触媒
活性が低下する傾向になる。反応温度を上げると反応は
進むがTPNの副生が増加する。このことから、Sb/V
(原子比)は1以下にすべきである。
【0056】実施例11(焼成温度の効果) 焼成温度を600℃で焼成し、反応温度を430℃にし
た以外は実施例7と同様に実施した。
【0057】実施例12(焼成温度の効果) 反応温度を440℃にした以外は実施例7と同様に実施
した。
【0058】
【表6】 V-W-Sb-Ca複合酸化物系において、実施例7〜
8,11〜12に示したように、焼成温度を550℃
(実施例7〜8)を600℃(実施例11〜12)に上
昇すると、触媒活性が低下する傾向になる。反応温度を
上げると反応は進むが、TPNの副生が増加する。この
ことから、焼成温度は600℃以下で行うべきである。
【0059】実施例13(V-W-Sb-Ca-Bi複合酸
化物触媒) 実施例7の触媒調製時に酸化ビスマス17.0g(0.0
69mol)を酸化アンチモン溶解時に一緒に添加し調
製し、反応温度を420℃にした以外は実施例7と同様
に実施した。
【0060】実施例14(V-W-Sb-Ca-Bi複合酸
化物触媒) 反応温度を430℃とした以外は、実施例13と同様に
行った。
【0061】
【表7】
【0062】実施例15(m−キシレンを原料にした場
合) p−キシレンの代わりにm−キシレンを用いて実験し
た。実施例7の触媒を用い、反応温度440℃に設定
し、それ以外は同じ条件で反応した。m−キシレン6.
8%で、トルニトリル64.1%、イソフタロニトリル
14.0%、CO2が8.2%の結果が得られた。
【0063】実施例16(o−キシレンを原料にした場
合) p−キシレンの代わりにo−キシレンを用いた。実施例
7の触媒を用いて、反応温度440℃に設定し、それ以
外は同じ条件で反応した。o−キシレン1.1%で、ト
ルニトリル41.7%、オルトフタロニトリル27.1
%、CO2が6.1%の結果が得られた。
【0064】実施例17(メシチレンを原料にした場
合) p−キシレンの代わりにメシチレンを用いて実験した。
実施例7の触媒を用い、反応温度440℃に設定し、そ
れ以外は同じ条件で反応した。メシチレン17.4%
で、モノニトリル49.1%、ジニトリル13.5%、ト
リニトリル3.3%、CO2が8.4%の結果が得られ
た。
【0065】実施例18(1,2,4-トリメチルベン
ゼンを原料にした場合) p−キシレンの代わりに1,2,4-トリメチルベンゼ
ンを用いて実験した。実施例7の触媒を用い、反応温度
440℃に設定し、それ以外は同じ条件で反応した。原
料の1,2,4-トリメチルベンゼン7.6%で、モノニ
トリル40.0%、ジニトリル21.9%、トリニトリル
5.6%、メチルフタルイミド12.4%、CO2が5.2
%の結果が得られた。
【0066】実施例19(ルチジンを原料にした場合) p−キシレンの代わりにルチジンを用いて実験した。実
施例7の触媒を用い、反応温度410℃に設定し、それ
以外は同じ条件で反応した。原料のルチジン13.5%
で、モノニトリル60.1%、ジニトリル9.7%、CO
25.1%の結果が得られた。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、400℃〜600℃で
焼成したバナジウム含有酸化物触媒を用いることによ
り、副生物を少なく、アルキル基を芳香環置換基として
有する芳香族ニトリル化合物を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 255/50 C07C 255/50 255/51 255/51 Fターム(参考) 4G069 AA03 BA01B BB04A BB06A BB06B BC08A BC09A BC09B BC26A BC54A BC60A BC60B BC62A CB25 CB78 DA06 EC02Y EC17Y FB30 FC06 FC07 4H006 AA02 AC54 BA06 BA12 BA13 BA16 BA30 BC10 BE14 BE30 4H039 CA70 CL50

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のアルキル基を芳香環置換基として
    有する芳香族化合物を、400℃〜600℃で焼成した
    バナジウム含有金属酸化物触媒の存在下、気相にて、酸
    素およびアンモニアと反応させ、当該アルキル基のうち
    一部のアルキル基のみをニトリル基に変換することを特
    徴とするアルキル基を芳香環置換基として有する芳香族
    ニトリル化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 バナジウム含有金属酸化物触媒が、バナ
    ジウムおよびマンガンの酸化物(但し、マンガン/バナ
    ジウム(原子比)=0.01〜1.0である。)を含む
    触媒である請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 バナジウム含有金属酸化物触媒が、バナ
    ジウム、タングステンおよびアンチモンの酸化物(但
    し、タングステン/バナジウム(原子比)=0.01〜
    1.0、アンチモン/バナジウム(原子比)=0.01
    〜1.0である。)を含む触媒である請求項1に記載の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 バナジウム含有金属酸化物触媒が、更
    に、アルカリ土類金属(但し、アルカリ土類金属/バナ
    ジウム(原子比)=0.01〜0.5)の酸化物を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ土類金属が、カルシウムである
    請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 バナジウム含有金属酸化物触媒が、酸素
    を含む気体の気流中で焼成されたことを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 反応ガス中の水分濃度が0.1mol%
    〜20mol%である請求項1乃至6のいずれかに記載
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 反応温度が350℃〜550℃である請
    求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 複数のアルキル基を芳香環置換基として
    有する芳香族化合物が、o−、m−またはp−キシレン
    であり、アルキル基を芳香環置換基として有する芳香族
    ニトリル化合物が、対応するo−、m−またはp−トル
    ニトリルである請求項1乃至8のいずれかに記載の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 複数のアルキル基を芳香環置換基とし
    て有する芳香族化合物が、p−キシレンであり、アルキ
    ル基を芳香環置換基として有する芳香族ニトリル化合物
    が、対応するp−トルニトリルである請求項1乃至8の
    いずれかに記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 複数のアルキル基を芳香環置換基とし
    て有する芳香族化合物が、メシチレンであり、アルキル
    基を芳香環置換基として有する芳香族ニトリル化合物
    が、3,5−ジメチルベンゾニトリルである請求項1乃
    至8のいずれかに記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 400℃〜600℃で焼成された、バ
    ナジウムおよびマンガンの酸化物(但し、マンガン/バ
    ナジウム(原子比)=0.01〜1.0である。)を含
    むアンモ酸化触媒。
  13. 【請求項13】 400℃〜600℃で焼成された、バ
    ナジウム、タングステンおよびアンチモンの酸化物(但
    し、タングステン/バナジウム(原子比)=0.01〜
    1.0、アンチモン/バナジウム(原子比)=0.01
    〜1.0である。)を含むアンモ酸化触媒。
  14. 【請求項14】 400℃〜600℃で焼成された、バ
    ナジウム、マンガンおよびアルカリ土類金属(但し、マ
    ンガン/バナジウム(原子比)=0.01〜1.0であ
    り、アルカリ土類金属/バナジウム(原子比)=0.0
    1〜0.5である。)を含むアンモ酸化触媒。
  15. 【請求項15】 アルカリ土類金属が、カルシウムであ
    る請求項14に記載のアンモ酸化触媒。
  16. 【請求項16】 酸素を含む気体の気流中で焼成された
    ことを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載
    のアンモ酸化触媒。
JP2000156561A 2000-05-26 2000-05-26 選択的部分アンモ酸化方法および触媒 Pending JP2001335552A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000156561A JP2001335552A (ja) 2000-05-26 2000-05-26 選択的部分アンモ酸化方法および触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000156561A JP2001335552A (ja) 2000-05-26 2000-05-26 選択的部分アンモ酸化方法および触媒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001335552A true JP2001335552A (ja) 2001-12-04

Family

ID=18661336

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000156561A Pending JP2001335552A (ja) 2000-05-26 2000-05-26 選択的部分アンモ酸化方法および触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001335552A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100905955B1 (ko) 재소성된 촉매
US6461996B2 (en) Halogen promoted multi-metal oxide catalyst
US5907052A (en) Process for producing acrylonitrile or methacrylonitrile from propane or isobutane by ammoxidation
US20040063990A1 (en) Hydrothermally synthesized MO-V-M-NB-X oxide catalysts for the selective oxidation of hydrocarbons
MXPA02003870A (es) Catalizador mejorado.
WO2000012209A1 (fr) Procede pour produire un catalyseur a base d'oxyde utilise dans la fabrication d'acrylonitrile ou de methacrylonitrile a partir de propane ou d'isobutane
KR20020082766A (ko) 어닐링되고 성능이 우수해진 촉매
JPH07232071A (ja) アルカンよりニトリルを製造するための触媒
US6166241A (en) Process for the simultaneous preparation of acrylonitrile and arcylic acid
JP4081824B2 (ja) アクリル酸の製造方法
US20040092768A1 (en) Method for the production of acrylic acid or methacrylic acid by gas phase oxidation of propane or isobutane
KR0151633B1 (ko) 암모산화 반응 촉매 조성물 및 그를 사용한 아크릴로니트릴 또는 메트아크릴로니트릴의 제조방법
JP2000070714A (ja) 不飽和ニトリル製造用触媒の製造方法
US5952262A (en) Preparation of aromatic or heteroaromatic nitriles
JP4179675B2 (ja) 不飽和ニトリルを製造する方法
JP4240162B2 (ja) ニトリル化合物の製造方法および製造用触媒
JPH1157479A (ja) 炭化水素の気相接触酸化反応触媒の製造方法
JPH0971561A (ja) ジシアノベンゼンの製造法
JPH06228073A (ja) ニトリルの製造法
JPH07144132A (ja) ニトリル製造用触媒の製造方法
JP2001335552A (ja) 選択的部分アンモ酸化方法および触媒
JP4114019B2 (ja) ニトリル化合物の製造方法および製造用触媒
JP2001031638A (ja) 芳香族ニトリルまたは複素環ニトリルの製造法
JPH10120641A (ja) 気相アンモ酸化反応による芳香族ニトリルの製造法
JPH05213848A (ja) α,β−不飽和ニトリルの製造方法