JP3156734B2 - ニトリル化合物の製造法および製造用触媒 - Google Patents

ニトリル化合物の製造法および製造用触媒

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルキル置換芳香族化合
物やアルキル置換複素環化合物(以下まとめてアルキル
置換化合物と称する)と、アンモニア、および酸素を含
む混合ガスより、対応するニトリル化合物を製造する方
法とその触媒に関する。ニトリル化合物は有機化学工業
上、重要な中間体であり、例えばフタロニトリルは、合
成樹脂、農薬、およびジイソシアネイトやエポキシ樹脂
の硬化剤として有用なキシリレンジアミンの原料に用い
られ、シアノピリジンは医薬品、飼料添加剤、食品添加
剤等の分野において有用な物質であるニコチン酸アミド
やニコチン酸の原料に用いられる。
【0002】
【従来の技術】アルキル置換芳香族化合物をアンモニア
および酸素によりアンモ酸化して芳香族ニトリルを製造
する方法は種々提案されている。たとえば特公昭45−
19284号には、バナジウム、クロム、ホウ素三成分
系の触媒が優れた性能を示すことが記載されており、特
公昭49−45860号には、この三成分系触媒に関し
て担体としてシリカを用い、バナジウム酸化物、クロム
酸化物、ホウ素酸化物の原子比を1:(0.5 〜2.0
):(0.1 〜1.2 )として、シリカに対して30
〜60重量%の担持した触媒が優れていることが記載さ
れている。また特公昭51−15028号には、バナジ
ウム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物およびリン酸
化物の原子比を1:(0.5 〜2.0 ):(0.1 〜
1.2):(0. 01〜0.3 )なる触媒が広い温度範囲
で高活性が得られることが記載されており、特開平1−
275551号には、バナジウム酸化物、クロム酸化
物、モリブデン酸化物、ホウ素酸化物の原子比が1:
(0.5 〜2.0 ):(0. 01〜1.2 ):(0. 0
1〜1.2 )なる触媒が芳香族ニトリル選択率の経時的
低下が少ないことが記載されている。アルキル置換複素
環化合物をアンモ酸化して対応するニトリル化合物を製
造する例としては、特開平1−275564号に、メチ
ルピリジンをアンモニアおよび酸素含有ガスと反応させ
てシアノピリジンを製造するに際し、シリカに担持させ
たバナジウム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物より
なる触媒を用いて、高収率が得られることが記載されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アルキル置換化合物に
気相でアンモニアと酸素を反応させるアンモ酸化反応は
いずれも大量の反応熱が発生するために反応温度の制御
が著しく困難であり、流動床形式の反応器が特に有効で
ある。シリカを担体に用いる特公昭49−45860号
は特公昭45−19284号を改良したものであり、こ
の触媒は流動床反応器において使用され優れた性能を示
す。また特公昭51−15028号、特開平1−275
551号も同じく流動床反応器を用いて好ましい結果が
得られている。しかしながら、これらの触媒はニトリル
化合物の収率が必ずしも充分でなく、更にその改善が望
まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はアルキル置換
化合物のアンモ酸化反応におけるニトリル化合物の収率
を更に向上させるため鋭意検討した結果、シリカに担持
させたバナジウム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物
よりなる三成分系触媒に、更にリンモリブデン酸なる化
合物を用いて調製されるリン酸化物およびモリブデン酸
化物を加えた特定組成の五成分系触媒を使用することに
より、ニトリル収率が著しく向上することを見い出し本
発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、アルキル置換芳香族化
合物またはアルキル置換複素環化合物と、アンモニア及
び酸素を含む混合ガスを触媒上で接触反応させてニトリ
ル化合物を製造するに際し、リンモリブデン酸またはそ
の塩を用いて調製されたモリブデン酸化物及びリン酸化
物と、バナジウム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物
をシリカに担持させた触媒を使用することを特徴とする
ニトリル化合物の製造法およびその触媒である。
【0006】本触媒に使用するバナジウム酸化物、クロ
ム酸化物、およびホウ素酸化物の成分原料としては、そ
れぞれの酸化物をそのまま用いるか、または触媒調製時
に加熱などの適当な処理によって容易にそれらの酸化物
となる各種の化合物が用いられる。これらの化合物は、
例えばバナジウムとして、メタバナジン酸アンモニウ
ム、硫酸バナジル、およびシュウ酸、酒石酸などの有機
酸のバナジウム塩類が使用され、クロムとして、クロム
酸、硝酸クロム、水酸化クロム、クロム酸アンモニウ
ム、重クロム酸アンモニウム、およびシュウ酸、酒石酸
などの有機酸のクロム塩、ホウ素としては、ホウ酸、ホ
ウ酸アンモニウムなどが使用される。
【0007】本発明はモリブデン酸化物およびリン酸化
物の原料としてリンモリブデン酸またはその塩を使用す
ることにより極めて顕著な効果を得ることを見出したも
のである。このリンモリブデン酸はヘテロポリ酸化合物
であり、通常、リン酸と酸化モリブデンとから水熱法で
合成される。リンモリブデン酸として例えばH3〔PM
1240〕、H7〔PMo1139〕、H6〔P2Mo18
62〕などがあり、リンモリブデン酸塩としてはリンモリ
ブデン酸アンモニウム (NH4 ) 3 〔PMo 1240〕な
どがある。なおモリブデン酸化物およびリン酸化物の原
料としてリンモリブデン酸またはその塩を用いず、例え
ばモリブデンとしてパラモリブデン酸アンモニウム、リ
ンとしてリン酸を用いて触媒を調製した場合は顕著な効
果が発揮されない。
【0008】触媒成分であるバナジウム、クロム、ホウ
素、モリブデンおよびリンの原子比は1:(0.5〜2.
0 ):(0. 01〜1. 2):(0. 01〜1.2
):(0. 001〜0.1 )の範囲とすることが好ま
しい。各触媒成分の原子比がこの範囲を外れた場合には
ニトリル化合物の収率が低下する。これらの触媒成分を
担持するシリカには、例えば、化学便覧 応用化学編I
(丸善1986年発行)256〜258頁に記載の シ
リカゲル、コロイダルシリカ、無水シリカなどが使用さ
れる。触媒成分の濃度は、上記化合物をそれぞれ、V2
5 、Cr2 3 、B2 3 、MoO3 、P2 5 とし
て計算した全酸化物量の触媒中の重量%として、20〜
80重量%、好ましくは30〜60重量%である。
【0009】触媒は公知の方法を用いて製造することが
できる。例えば、酸化バナジウムおよび酸化クロムをシ
ュウ酸に溶かした溶液にリンモリブデン酸水溶液、ホウ
酸水溶液を加え、次いでシリカゾルを加えてスラリー混
合物を得る。この場合もし必要ならばホウ酸の溶解助剤
を使用する。ホウ酸の溶解助剤としては、多価アルコー
ル、α−モノオキシカルボン酸、ジオキシカルボン酸を
用いる。流動層用触媒の場合には、この混合物を噴霧乾
燥し、必要に応じ更に110〜150℃で乾燥後、焼成
する。固定床触媒の場合は、この混合物を蒸発乾固し、
次いで焼成する。焼成は400〜700℃、好ましくは
450〜650℃で数時間以上、空気を流通しながら行
う。なお、この焼成に先だって200〜400℃におい
て予備焼成を行うと、より好ましい結果が得られる。
【0010】アンモ酸化される原料のアルキル置換芳香
族化合物としては、トルエン、エチルベンゼン、ポリメ
チルベンゼン(キシレン、メシチレン、シメン、ジュレ
ンなど)、ジエチルベンゼン、メチルナフタレンなどが
挙げられる。またアルキル置換複素環化合物としては、
メチルピリジン、エチルピリジン、ジメチルピリジン、
メチルキノリンなどが挙げられる。反応器に供給される
ガス中のこれらの原料アルキル化合物の濃度は、酸素源
として空気を用いる場合 0.5〜5vol %の範囲が適当で
ある。
【0011】アンモニア使用量は、理論量(1モルのア
ルキル基に対し、1モルのアンモニア)以上あれば良
い。原料ガス中のアンモニア/アルキル置換化合物のモ
ル比が高いほど原料アルキル化合物からのニトリル収率
に対して有利であるが、未反応アンモニア回収を要する
などの点から、アンモニア使用量は、理論量以上、好ま
しくは理論量の2〜10倍程度が有利である。酸素源と
しては、通常空気が用いられるが、その他不活性希釈剤
として窒素、二酸化炭素、水蒸気などで希釈して使用す
ることもできる。供給する酸素量は、理論量の少なくと
も1.5倍以上必要とし、好ましくは理論量の2〜50倍
である。
【0012】反応温度は300〜500℃の広い範囲で
実施できるが、330〜470℃であることが好まし
い。300℃より低い温度では原料アルキル化合物の転
化率が小さく、500℃より高い温度では二酸化炭素、
シアン化水素などの生成が増加しニトリル化合物の収率
が低下する。最高の収率を示す反応温度は、原料アルキ
ル置換化合物の種類、原料濃度、接触時間、および触媒
の焼成条件などにより変化するので、これらの条件に応
じて適宜この範囲で選択することが好ましい。反応ガス
と触媒の接触時間は一般にかなり広い範囲に採ることが
できるが、0.5〜30秒であることが好ましい。
【0013】本発明の反応は通常、常圧にて行なわれる
が、加圧下または減圧下にても行うことができる。反応
生成物の捕集は、任意の適当な方法、例えば、生成物が
析出するに充分な温度まで冷却し捕集する方法、水その
他適当な溶媒などで反応生成ガスを洗浄、捕集する方法
などが使用される。なお前述の如く本発明の反応は激し
い発熱を伴うので、反応熱の除去、部分加熱の防止とい
う意味に於いて、流動床あるいは移動床で反応を行うの
が有利であるが、固定床で反応を行ってもその特性は発
揮され優れた性能が維持される。
【0014】
【実施例】次に実施例および比較例により、本発明を更
に具体的に説明する。但し本発明はこれらの実施例によ
り制限されるものでない。
【0015】比較例1 (触媒の調製)五酸化バナジウムV2 5 229gに水
500mlを加え、80〜90℃に加熱し、よく攪拌しな
がらシュウ酸477gを加え溶解する。またシュウ酸9
63gに水400mlを加え50〜60℃に加熱し、これ
に無水クロム酸CrO3 252gを水200mlに加えた
溶液を良く攪拌しながら加え溶解する。こうして得られ
たシュウ酸バナジルの溶液にシュウ酸クロムの溶液を5
0〜60℃にて混合し、バナジウム−クロム溶液を得
る。一方パラモリブデン酸アンモニウム (NH4 )6
oO24・4H2 O 44gに水300mlを加え、これに
85wt%リン酸H3 PO4 3gを加え、30〜40℃で
よく混合する。先のバナジウム−クロム溶液にこのモリ
ブデン−リン酸溶液を添加し、更に、30wt%水性シリ
カゾル1667gを加える。このスラリー溶液にホウ酸
3 BO3 78gを加えて良く混合し液量が約3800
gになるまで濃縮する。この触媒溶液を入口温度250
℃、出口温度130℃に保ちながら噴霧乾燥した。噴霧
乾燥した触媒は130℃の乾燥器で12時間乾燥後、4
00℃で0. 5時間仮焼成し、その後、550℃で8時
間 空気流通下焼成した。この触媒には原子比でV:C
r:B:Mo:Pが1:1:0. 5:0. 1:0. 01
の割合で含有され、その触媒濃度は50wt%である。
【0016】(触媒の活性試験)溶融塩浴にて加熱され
た内径23mmの反応器にこの触媒40mlを充填し、メタ
キシレン濃度3.0 vol %、アンモニア21.0 vol
%、空気76.0 vol %よりなるガスを、この触媒が最
高のイソフタロニトリル収率を与える温度である370
℃において、空間速度 SV750Hr-1の条件で流動
接触反応させた。この結果、メタキシレンに対してイソ
フタロニトリルの収率が76.9 mol %、メタトルニト
リルの収率が4.9 mol %の収率であり、反応したメタ
キシレンに対するイソフタロニトリルの選択率は79.2
mol %であった。
【0017】実施例1 (触媒調製)五酸化バナジウムV2 5 229gに水5
00mlを加え、80〜90℃に加熱し、よく攪拌しなが
ら、シュウ酸477gを加え溶解する。またシュウ酸9
63gに水400mlを加え50〜60℃に加熱し、これ
に無水クロム酸CrO3 252gを水200mlに加えた
溶液を、良く攪拌しながら加え溶解する。こうして得ら
れたシュウ酸バナジルの溶液にシュウ酸クロムの溶液を
50〜60℃にて混合し、バナジウム−クロム溶液を得
る。この溶液にリンモリブデン酸H3 〔PMo1240
・30H2 O49.6 gを水100mlに加えた溶液を添
加し、更に、30wt%水性シリカゾル1667gを加え
る。 このスラリー溶液にホウ酸H3 BO3 78gを加
えて良く混合し、液量が約3800gになるまで濃縮す
る。この触媒溶液を入口温度250℃、出口温度130
℃に保ちながら噴霧乾燥した。噴霧乾燥した触媒は13
0℃の乾燥器で12時間乾燥後、400℃で0. 5時間
仮焼成し、その後、550℃で8時間 空気流通下焼成
した。この触媒には原子比でV:Cr:B:Mo:Pが
1:1:0. 5:0. 1:0. 01の割合で含有され、
その触媒濃度は50wt%である。
【0018】(触媒の活性試験)上記により調製した触
媒を用い比較例1と同様に触媒の活性試験を行った。メ
タキシレン3.0 vol %、アンモニア21.0 vol %、
空気76.0 vol %よりなるガスを、この触媒が最高の
イソフタロニトリル収率を与える温度の390℃、SV
750Hr-1の条件で反応させた。メタキシレンに対す
るイソフタロニトリルの収率が84.2 mol %、メタト
ルニトリルの収率が2.2 mol %であり、反応したメタ
キシレンに対するイソフタロニトリルの選択率は84.2
mol%であった。
【0019】実施例2 V:Cr:B:Mo:Pが原子比で1:1:0. 5:
0. 2:0. 02の触媒を実施例1と同様にして調製
し、触媒の活性試験を行った。メタキシレン3.0 vol
%、アンモニア21.0 vol %、空気76.0 vol %よ
りなるガスを、この触媒が最高のイソフタロニトリル収
率を与える温度の410℃、SV750Hr-1の条件で
反応させた。メタキシレンに対するイソフタロニトリル
の収率が83. 0mol %、メタトルニトリルの収率が
2.8 mol %であり、反応したメタキシレンに対するイ
ソフタロニトリルの選択率は83.4 mol%であった。
【0020】実施例3 実施例1のリンモリブデン酸に代えてリンモリブデン酸
アンモニウム(NH4 ) 3 〔PMo 1240〕・3H2
を用い、V:Cr :B:Mo :Pが原子比で1:1:
0.5:0.1:0.01の触媒を実施例1と同様にし
て調製し、触媒の活性試験を調べた。メタキシレン3.0
vol %、アンモニア21.0 vol %、空気76.0 vo
l %よりなるガスを、この触媒が最高のイソフタロニト
リル収率を与える温度の390℃、SV750Hr-1
条件で反応させた。メタキシレンに対するイソフタロニ
トリルの収率が84.1 mol %、メタトルニトリルの収
率が2.1 mol %であり、反応したメタキシレンに対す
るイソフタロニトリルの選択率は84.5 mol%であっ
た。
【0021】実施例4 実施例1で調製した触媒を用い、メタキシレンに代えて
パラキシレンを使用して、実施例1と同様に触媒の活性
試験を行った。パラキシレン3.2 vol %、アンモニア
19.5 vol %、空気77.3 vol %よりなるガスを、
この触媒が最高のテレフタロニトリル収率を与える温度
の400℃においてSV800Hr-1で反応させた。パ
ラキシレンに対するテレフタロニトリルの収率が84.8
mol %、パラトルニトリルの収率が1.9 mol %であ
り、反応したパラキシレンに対するテレフタロニトリル
の選択率は85.2 mol%であった。
【0022】実施例5 実施例1で調製した触媒を用い、メタキシレンに代えて
トルエンを使用して、実施例1と同様に触媒の活性試験
を行った。トルエン5.1 vol %、アンモニア25.0
vol %、空気69.9 vol %よりなるガスを、この触媒
が最高のベンゾニトリル収率を与える温度の410℃に
おいてSV840Hr-1の条件で反応させた。トルエン
に対するベンゾニトリルの収率が84.5 mol %であ
り、反応したトルエンに対するベンゾニトリルの選択率
は84.9 mol %であった。
【0023】実施例6 実施例1で調製した触媒を用い、メタキシレンに代えて
3−メチルビリジンを使用して、実施例1と同様に触媒
の活性試験を行った。3−メチルピリジン3.0 vol
%、アンモニア12.0 vol %、空気85.0vol %より
なるガスを、この触媒が最高の3−シアノピリジン収率
を与える温度の390℃においてSV750Hr-1の条
件で反応させた。3−メチルピリジンに対する3−シア
ノピリジンの収率が93.7 mol %であり、反応した3
−メチルピリジンに対する3−シアノピリジンの選択率
は94.2 mol %であった。
【0024】
【発明の効果】本発明のリンモリブデン酸又はその塩を
用いて調製されたモリブデン酸化物およびリン酸化物
と、バナジウム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物を
シリカに担持させた触媒を使用することにより、実施例
に示される如くアルキル置換芳香族化合物やアルキル置
換複素環化合物をアンモ酸化して対応するニトリル化合
物が極めて高い収率で得られる。本発明の触媒は流動床
あるいは移動床で反応を行うのが有利であるが、固定床
反応に用いてもその特性は発揮され優れた性能が維持さ
れ、ニトリル化合物を工業的に極めて有利に製造するこ
とができる。
【0025】なお前述の如くこのようなアンモ酸化反応
においてバナジウム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化
物からなる触媒を用いることは特公昭51−15028
号に記載されており、またバナジウム酸化物、クロム酸
化物、ホウ素酸化物およびモリブデン酸化物からなる触
媒を用いることは特開平1−275564号に記載され
ている。しかしながらこれらのアンモ酸化反応触媒の調
製において原料にリンモリブデン酸又はその塩を用いる
ことは記載されていない。またバナジウム酸化物、クロ
ム酸化物、ホウ素酸化物に、モリブデン酸化物およびリ
ン酸化物を加えたものはアンモ酸化反応における新規な
触媒組成物である。このニトリル化合物の極めて高い収
率は、モリブデン酸化物およびリン酸化物をリンモリブ
デン酸又はその塩から調製された場合にのみ得られ、比
較例1に示される如く単にモリブデン酸塩とリン酸から
調製した場合には期待した収率が得られない。従って本
発明は上記の如き公知文献から当業者が容易に類推され
得ない新規な発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 213/84 C07D 213/84 A // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 253/28 C07C 255/50 C07C 255/51 C07C 213/84 C07B 61/00 300 B01J 27/199

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルキル置換芳香族化合物またはアルキル
    置換複素環化合物と、アンモニア及び酸素を含む混合ガ
    スを触媒上で接触反応させてニトリル化合物を製造する
    に際し、リンモリブデン酸またはその塩を用いて調製さ
    れたモリブデン酸化物及びリン酸化物と、バナジウム酸
    化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物をシリカに担持させ
    た触媒を使用することを特徴とするニトリル化合物の製
    造法
  2. 【請求項2】アルキル置換芳香族化合物またはアルキル
    置換複素環化合物と、アンモニア及び酸素を含む混合ガ
    スを接触反応させてニトリル化合物を製造する際の触媒
    であって、リンモリブデン酸またはその塩を用いて調製
    されたモリブデン酸化物およびリン酸化物と、バナジウ
    ム酸化物、クロム酸化物、ホウ素酸化物をシリカに担持
    させたことを特徴とするニトリル化合物製造用触媒
  3. 【請求項3】バナジウム、クロム、ホウ素、モリブデン
    およびリンの原子比が1:(0.5〜2.0):(0.
    01〜1.2):(0.01〜1.2):(0.001
    〜0.1)である請求項2記載のニトリル化合物製造用
    触媒
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