JP3728762B2 - ニトリルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はニトリルの製造方法に関するものである。詳しくは、アルカンを原料とする改良されたニトリルの製造方法に関するものである。アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリルは、繊維、合成樹脂、合成ゴムなどの重要な中間体として工業的に製造されている。
【0002】
【従来の技術】
これらニトリルの製造方法としては、従来プロピレン、イソブテン等のアルケンを、触媒の存在下でアンモニアおよび酸素と気相において高温で接触反応させるいわゆるアンモ酸化法が最も一般的な方法として知られている。
一方、最近、原料として安価なプロパン、イソブタンなどの低級アルカンを出発原料とし、アンモニアおよび酸素と気相で接触反応させる方法も注目されており、種々の新規触媒が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のアルカン原料よりニトリルを得る方法は、アルケン原料と比較するとその収率はなお満足し得るものではない。そこで、ニトリルの収率を向上させるために、反応系に少量の有機ハロゲン化物、無機ハロゲン化物、イオウ化合物等を添加する方法等が試みられているが、反応装置の腐食の問題があり、いずれも工業的実施上難点がある。
【0004】
また、従来の触媒系を用いる方法では、触媒性能が充分でないばかりか、反応温度や反応ガス組成などの不利な反応条件を採用せざるえない場合が多い。例えば、未反応のアルカンを目的とするニトリルから分離回収して反応器に再度供給する方法などは極めて煩雑であり、製造コスト等の面で不利である。また、従来の技術では、反応におけるアンモニアの利用効率が低く、過剰量のアンモニアを供給して反応を行なっている場合が多い。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、アルカンを原料とするニトリルの製造方法について種々検討の結果、アルカンを触媒の存在下、アンモニアと気相接触酸化反応によりニトリルを製造する方法において、反応系にアンモニアを分割供給することにより、従来法よりも高い収率で目的とするニトリルを製造し得ることを見出し、本発明を達成したものである。
【0006】
すなわち、本発明の要旨は、モリブデン、バナジウム及びテルルを含有する金属酸化物触媒が収容されている触媒床に、アルカンとアンモニアを連続的に供給して気相接触酸化反応によりニトリルを製造するに際し、アンモニアの一部を触媒床入口よりも下流の位置で触媒床に供給することを特徴とするニトリルの製造方法に存する。
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で対象とする反応は、アルカンとアンモニアの気相接触酸化反応、すなわち、アルカンのアンモ酸化反応である。アルカンとしては、例えばメタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等が挙げられるが、得られるニトリルの工業的用途を考慮すると炭素数1〜4の低級アルカン、特に生成ニトリルとしてアクリロニトリル、メタクリロニトリルが高い収率で得られるという点から、プロパン及び/又はブタンを用いるのが好ましい。
【0008】
本発明のアンモ酸化反応においては、供給ガス中に酸素含有ガス、特に、分子状酸素を存在させて実施する方法が一般的である。供給される分子状酸素は純酸素ガスでもよいが、空気がもっとも一般的であるが、窒素、アルゴン、ヘリウムなど反応に不活性なガスを添加することにより希釈することも可能である。
【0009】
なお、実質的に分子状酸素がアルカンをニトリルに転化させる化学量論量以下、場合によっては、分子状酸素を存在させずアルカンとアンモニアのみを供給ガスとして気相接触反応させることも可能である。このような場合は、反応帯域より触媒の一部を適宣、抜き出して、該触媒を酸化再生器に送り込み、再生後、触媒を反応帯域に再供給する方法が好ましい。触媒の再生方法としては、触媒を酸素、空気、酸化窒素等の酸化性ガスを再生器内の触媒に対して、通常300〜600℃で流通させる方法が例示される。
【0010】
アルカンとして主にプロパンを使用し、酸素源として空気を使用する場合、触媒層に供給される空気の割合は、生成するニトリル類の選択率に関して重要であり、空気は、アルカンに対して通常25モル倍量以下、好ましくは1〜20モル倍である(即ち、遊離酸素として、アルカンに対して通常、約5モル倍量以下、好ましくは0.2〜4モル倍量である)。また、反応に供与する全アンモニアの量は、アルカンに対して通常0.2〜5モル倍量、好ましくは0.5〜3モル倍量である。なお、本反応は通常大気圧下で実施されるが、加圧下または減圧下で行なうこともできる。他のアルカンについても、プロパンの場合に準じて供給ガスの組成が選択される。
【0011】
アンモニアの分割供給の方法は、反応器方式により異なり特に制限はないが、反応器方式としては、固定床、流動床、移動床などの方式を作用することができ、これらのうち、固定床、流動床方式が一般的である。これら反応器方式を採用した場合、触媒層上流入口付近より反応ガスを供給する配管を設置し、反応ガスの下流方向の触媒層の内部にアンモニアガスの一部を供給する配管を設置することで実施できる。アンモニアを分割して供給する配管の形状や供給方式には制限がないが、触媒や反応ガスとの接触を良好に行なわせるため、例えば、供給管に微細な孔を多数あける方法を採用することができる。
【0012】
本発明において、触媒層の上流入口よりも下流とは、反応器の形状などにより必ずも一義的に定義しえないが、通常、触媒層が円筒状に近似できるような場合、触媒層上流入口から触媒層長の1/3〜4/5程度の位置に対応する。なお分割供給するアンモニアはそれ単独で供給してもよいが、反応ガスであるアルカン、酸素、および/または窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスをある程度共存させてもよい。
【0013】
本発明では、上記したような反応ガス原料を用い、アルカンとアンモニアを触媒層上流入口に供給し、かつ、アンモニアの少なくとも一部を触媒層の上流入口よりも下流の触媒層に分割供給することに最大の特徴を有する。触媒層の上流入口よりも下流の触媒層に分割供給するアンモニアの量は、触媒層に供給される全アンモニアの量の通常5〜50%、好ましくは10〜40%である。
【0014】
アンモニアを分割供給することにより目的とするニトリルの収率が向上するが、特にアンモニア基準でのニトリルの収率が向上するため、経済性の上で有利である。この収率向上の理由の詳細は明らかでないが、アンモニアを分割して供給するため、アンモニアがアルカンと接触する機会が単に増えるためだけではないと考えられる。その理由の一つとして、本発明者等の検討によれば、同じニトリルの製造方法でも、原料のアルカンを従来から一般的であるプロピレン、イソブテン等のアルケンに変えた場合にはニトリルの収率向上は認められず、むしろ収率低下の傾向が観察されている。
【0015】
そこで、例えば、アルカンからニトリルを製造する際に、中間物質としてアルケンを経由していることが推定され、アルカンからアルケンへの転化が、アルケンからニトリルへの転化に比べ遅く、供給したアンモニアがアルケンと反応してニトリルを生成するのに利用される前に消費されてしまうため、下流部にアンモニアの一部を供給することによりアンモニアの有効的な利用が図られていることが推定される。
【0016】
また、アンモニアがニトリルに転化される反応と、酸化雰囲気下で分解して窒素あるいは窒素酸化物に分解される反応とが競争反応にあり、アンモニア分圧が高いと分解反応が起こりやすくなり、アンモニアの供給を分割することによって、アンモニアの分圧を低く維持でき、アンモニアの分解を抑制し、有利にニトリルに転化できるということも考えられる。
【0017】
更に、場合によっては、アンモニア分圧の高いもとで生成したニトリルが分解されやすいことがあり、その場合もアンモニアを分割することにより、アンモニアの分圧を低く維持し、ニトリルの分解を抑制し、結果としてニトリルの収率を高めることができるということも考えられる。
【0018】
次に、本発明では一般のアルカンのアンモ酸化反応に共通して利用できる性質のものであるので、公知のアンモ酸化触媒として一般的に用いられるものであれば本発明は適用可能である。例えば、モリブデン及び/又はバナジウムを含有する金属酸化物触媒は多数知られている。モリブデンを必須元素として含む触媒としては、Mo−Bi−P系触媒(特開昭48−16887号)、V−Sb−W系酸化物とMo−Bi−Ce−W系酸化物を機械的に混合して得た触媒(特開昭64−38051号)、Mo−Ag−Bi−V系触媒(特開平3−58961号)、Mo−V−Sn−Bi−P系触媒(特開平4−247060号)、Mo−Cr−Te系触媒(米国特許5171876号)、MoとMn、Coなどの元素からなる複合金属酸化物触媒(特開平5−194347号)、Mo−V−Te−X系触媒(Xは任意成分、特開平2−257号、特開平5−148212号ほか)、X−Cr−Mo−Bi−Y系触媒(XはNbまたはTa、Yは任意成分、特願平4−265192号)、Mo−Cr−Bi−X系触媒(Xは任意成分、特願平5−305361号)、Mo−Te−X−Y系触媒(XはAl、Zr、Tiのいずれか一以上、Yは任意成分、特願平5−309345号)などが例示される。
【0019】
また、バナジウムを必須成分として含むがモリブデンは必須成分でない触媒としては、V−Sb系触媒(特開昭47−33783号、特公昭50−23016号、特開平1−268668号、特開平2−180637号)、V−Sb−U−Ni系触媒(特公昭47−14371号)、V−Sb−W−P系触媒(特開平2−95439号)、V−Sb−Sn−Cu系触媒(特開平4−275266号)、V−W−Te−X系触媒(Xは任意成分、特願平5−18918号)などが例示される。
【0020】
これらのうち、例えば、特開平2−257号と特開平3−104382号に開示されるMo−V−Te−X系触媒(モリブデン、バナジウム及びテルルを含有する金属酸化物触媒)は、400〜450℃の比較的低い反応温度の範囲でもニトリル、特にアクリロニトリルあるいはメタクリロニトリルがを高選択率で得ることができるので好適である。Mo−V−Te−X系触媒は、実験式Mo1.0aTebcnで示される。式中のa、b、cは1原子のMoに対する各成分元素の原子比を示し、aは0.01〜1.0好ましくは0.1〜0.6、bは0.01〜1.0好ましくは0.05〜0.4、cは0.0005〜1.0好ましくは0.01〜0.6であり、nは他の元素の酸化状態により決定される数である。また、X成分はNb、Ta、W、Ti、Al、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Sb、Bi、B、InおよびCeからなる群から選ばれる1以上の元素であり、好ましくはNb、Ta、W、Ti、Sb、Biである。以上の触媒は、それ単独でも高い触媒性能を示すが、周知の担体、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、アルミノシリケート、珪藻土、および窒化ホウ素などと共に使用することができる。
【0021】
本発明における反応条件は、以上のような反応ガス組成、使用する触媒の種類などにより一義的に決定されるものではないが、通常、反応温度が350〜600℃、特に400〜500℃の範囲で、また、気相反応におけるガス空間速度SVが50〜10000h-1、特に300〜2000h-1の範囲で実施される。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えないかぎりこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例における転化率(%)、選択率(%)、および収率(%)は、各々次式で示される。
【0023】
【数1】
プロパンの転化率(%)=(消費プロパンのモル数/供給プロパンのモル数)×100
アクリロニトリルの選択率(%)=
(生成アクリロニトリルのモル数/消費プロパンのモル数)×100
アクリロニトリルの収率(プロパン基準)(%)=
(生成アクリロニトリルのモル数/供給プロパンのモル数)×100
アクリロニトリルの収率(アンモニア基準)(%)=
(生成アクリロニトリルのモル数/供給アンモニアのモル数)×100
【0024】
実施例1
実験式Mo10.3Te0.23Nb0.12n(90重量%)/SiO2(10重量%)を有する触媒を次のように調製した。
温水3250mlにパラモリブデン酸アンモニウム塩・4水和物789g、メタバナジン酸アンモニウム塩157g、テルル酸236gを溶解し、均一な水溶液を調製した。更に、シリカ含有量20wt%のシリカゾル565g、およびニオブの濃度が0.456mol/kgのシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液1175gを混合し、スラリ−を調製した。このスラリ−を加熱処理することにより水分を除去し、固体を得た。この固体をアンモニア臭がなくなるまで300℃で加熱処理した後、窒素気流中600℃で2時間、焼成した。
【0025】
このようにして得た触媒0.55gを、図1に示す固定床流通型反応器1に触媒を充填し、反応温度410℃、ガスの全量の空間速度SVを680h-1に固定して、反応器の上流入口の配管2からプロパン:アンモニア:空気=1:0.7:15のモル比で、更にこの供給されたプロパンの0.5モル倍のアンモニアを反応器の触媒層3の中央部に設置された配管4から供給し、気相接触反応を行った。反応器の下流出口の配管5から得た反応生成ガスをガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表−1に示す。
【0026】
比較例1
実施例1と同じ触媒0.55gを図1の反応器に充填し、反応温度と供給ガスの空間速度を実施例1と同様にしたが、アンモニアを分割して供給せずに反応器の上流入口の配管2からプロパン:アンモニア:空気=1:1.2:15のモル比で供給した。その結果を表−1に示す。
【0027】
実施例2
実施例1と同じ触媒600gを、図2に示すような触媒流動部の内径が52.9mmφでサイクロン11を有する流動床型反応器10に充填し、445℃、プロパンの触媒に対する重量供給量比WWHを約0.2g-プロパン/g-触媒・hに固定して、反応器の底部の配管12からプロパン:アンモニア:空気=1:0.8:15のモル比で、更に、この供給されたプロパンの0.4モル倍のアンモニアを流動触媒層13の下からの高さ約2/3にの位置に設置された配管14より供給し、気相接触反応を行った。反応器の上部の出口配管15から得た反応生成ガスをガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表−1に示す。
【0028】
実施例3
実施例2と同様であるが、図2の流動床型反応器の底部の配管12からプロパン:アンモニア:空気=1:1.0:15のモル比で、更に、この供給されたプロパンの0.2モル倍のアンモニアを配管14から供給し、気相接触反応を行った。その結果を表−1に示す。
【0029】
比較例2
実施例2と同様であるが、アンモニアを分割して供給せずに流動層型反応器底部の配管12からプロパン:アンモニア:空気=1:1.2:15のモル比で供給した。その結果を表−1に示す。
【0030】
実施例4
実施例2と同様であるが、流動床型反応器の底部の配管12からプロパン:アンモニア:空気=1:1.0:15のモル比で、更に、この供給されたプロパンの0.1モル倍のアンモニアを配管14から供給し、気相接触反応を行った。その結果を表−1に示す。
【0031】
実施例5
実施例2と同様であるが、流動床型反応器の底部の配管12からプロパン:アンモニア:空気=1:0.8:15のモル比で、更に、この供給されたプロパンの0.3モル倍のアンモニアを配管14から供給し、気相接触反応を行った。その結果を表−1に示す。
【0032】
比較例3
実施例2と同様であるが、アンモニアを分割して供給せずに流動床型反応器の底部の配管12からプロパン:アンモニア:空気=1:1.1:15のモル比で供給した。その結果を表−1に示す。
【0033】
実施例6
実施例2と同様であるが、流動床型反応器の底部の配管12からプロパン:アンモニア:空気=1:0.8:15のモル比で、更に、この供給されたプロパンの0.2モル倍のアンモニア配管14から供給し、気相接触反応を行った。その結果を表−1に示す。
【0034】
比較例4
実施例2と同様であるが、アンモニアを分割して供給せずに流動床型反応器の底部の配管12からプロパン:アンモニア:空気=1:1.0:15のモル比で供給した。その結果を表−1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003728762
【0036】
実施例7
実験式Mo1Cr0.5Te0.5Al8nを有する触媒を次のように調製した。温水50mlにパラモリブデン酸アンモニウム塩・4水和物2.65gを溶解し、均一な水溶液を調製した。該水溶液に、テルル酸1.72g、硝酸クロム・9水和物3.00g、硝酸アルミニウム45.0gを順次添加して溶解させた。。この溶液を蒸発乾固することにより水分を除去し、固体を得た。この固体を錠剤成形し、空気流中650℃で2時間、焼成した。
【0037】
このようにして得た触媒0.90gを、図1に示す固定床流通型反応器1に触媒を充填し、反応温度500℃、ガスの全量の空間速度SVを470h-1に固定して、反応器の上流入口の配管2からプロパン:アンモニア:空気=1:0.6:15のモル比で、更にこの供給されたプロパンの0.6モル倍のアンモニアを反応器の触媒層3の中央部に設置された配管4から供給し、気相接触反応を行った。反応器の下流出口の配管5から得た反応生成ガスをガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表−2に示す。
【0038】
比較例5
実施例7と同じ触媒0.90gを図1の反応器に充填し、反応温度と供給ガスの空間速度を実施例7と同様にしたが、アンモニアを分割して供給せずに反応器の上流入口の配管2からプロパン:アンモニア:空気=1:1.2:15のモル比で供給した。その結果を表−2に示す。
【0039】
実施例8
実施例7と同じ触媒0.90gを図1の反応器に充填し、反応器の上流入口の配管2からプロパン:アンモニア:空気=1:0.6:15のモル比で供給し、更にこの供給されたプロパンの0.3モル倍のアンモニアを反応器の触媒層3の中央部に設置された配管4から供給した以外は実施例7と同様に気相接触反応を行った。その結果を表−2に示す。
【0040】
比較例6
実施例8と同じ触媒0.90gを図1の反応器に充填し、反応温度と供給ガスの空間速度を実施例8と同様にしたが、アンモニアを分割して供給せずに反応器の上流入口の配管2からプロパン:アンモニア:空気=1:0.9:15のモル比で供給した。その結果を表−2に示す。
【0041】
【表2】
Figure 0003728762
【0042】
実施例9
実験式V1Sb51n(50重量%)/SiO2(10重量%)/Al23(40重量%)を有する触媒を次のように調製した。メタバナジン酸アンモニウム塩0.58g、三酸化アンチモン3.64g、メタタングステン酸アンモニウム塩2.32g、20重量%シリカ含有シリカゾル5.39gに少量の水を混合してスラリーを得た。該スラリーに、AlO(OH)25.07gと酢酸0.20gの混合液を添加混合し、該混合物を蒸発乾固することにより水分を除去し、固体を得た。この固体を錠剤成形し、空気流中550℃で3時間、焼成した。
【0043】
このようにして得た触媒0.65gを、図1に示す固定床流通型反応器1に触媒を充填し、反応温度480℃、ガスの全量の空間速度SVを470h-1に固定して、反応器の上流入口の配管2からプロパン:アンモニア:空気=1:0.9:15のモル比で、更にこの供給されたプロパンの0.3モル倍のアンモニアを反応器の触媒層3の中央部に設置された配管4から供給し、気相接触反応を行った。反応器の下流出口の配管5から得た反応生成ガスをガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表−3に示す。
【0044】
比較例7
実施例9と同じ触媒0.65gを図1の反応器に充填し、反応温度と供給ガスの空間速度を実施例9と同様にしたが、アンモニアを分割して供給せずに反応器の上流入口の配管2からプロパン:アンモニア:空気=1:1.2:15のモル比で供給した。その結果を表−3に示す。
【0045】
【表3】
Figure 0003728762
【0046】
実施例10
実験式Nb10Cr2Mo0.48Bi0.40n(90重量%)/SiO2(10重量%)を有する触媒を次のように調製した。20重量%シリカ含有シリカゾル41.1gにパラモリブデン酸アンモニウム塩・4水和物0.42gを溶解させた水溶液に、硝酸ビスマス・5水和物0.97gを溶解させた水溶液、ニオブ原子として50mmolを含むシュウ酸ニオブアンモニウム水溶液及び硝酸クロム・9水和物4.02gを含む水溶液を順次添加混合し、該混合液を蒸発乾固することにより水分を除去し、固体を得た。この固体を錠剤成形し、空気流中600℃で2時間、焼成した。
【0047】
このようにして得た触媒0.68gを、図1に示す固定床流通型反応器1に触媒を充填し、反応温度480℃、ガスの全量の空間速度SVを470h-1に固定して、反応器の上流入口の配管2からプロパン:アンモニア:空気=1:0.6:15のモル比で、更にこの供給されたプロパンの0.6モル倍のアンモニアを反応器の触媒層3の中央部に設置された配管4から供給し、気相接触反応を行った。反応器の下流出口の配管5から得た反応生成ガスをガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表−4に示す。
【0048】
比較例8
実施例10と同じ触媒0.68gを図1の反応器に充填し、反応温度と供給ガスの空間速度を実施例10と同様にしたが、アンモニアを分割して供給せずに反応器の上流入口の配管2からプロパン:アンモニア:空気=1:1.2:15のモル比で供給した。その結果を表−4に示す。
【0049】
実施例11
実施例10と同じ触媒0.68gを図1の反応器に充填し、反応器の上流入口の配管2からプロパン:アンモニア:空気=1:0.6:15のモル比で供給し、更にこの供給されたプロパンの0.3モル倍のアンモニアを反応器の触媒層3の中央部に設置された配管4から供給した以外は実施例10と同様に気相接触反応を行った。その結果を表−4に示す。
【0050】
比較例9
実施例11と同じ触媒0.90gを図1の反応器に充填し、反応温度と供給ガスの空間速度を実施例11と同様にしたが、アンモニアを分割して供給せずに反応器の上流入口の配管2からプロパン:アンモニア:空気=1:0.9:15のモル比で供給した。その結果を表−4に示す。
【0051】
【表4】
Figure 0003728762
【0052】
次に、本発明に対する参考例として、反応原料としてプロパンの代わりにアルケン類のプロピレンを用いた実験例を以下に示す。
【0053】
参考例1
実験式Fe10Cu3.5Sb23Mo0.50.2Zn0.50.50.1Te1.3Si55nを有する触媒を特公平2−49130号公報に記載の方法により調製した。この触媒0.50gを、図1に示す固定床流通型反応器1に触媒を充填し、反応温度430℃、ガスの全量の空間速度SVを500h-1に固定して、反応器の上流入口の配管2からプロピレン:アンモニア:空気=1:0.6:15のモル比で、更にこの供給されたプロピレンの0.6モル倍のアンモニアを反応器の触媒層3の中央部に設置された配管4から供給し、気相接触反応を行った。反応器の下流出口の配管5から得た反応生成ガスをガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表−5に示す。
【0054】
参考例2
参考例1と同じ触媒0.50gを図1の反応器に充填し、反応温度と供給ガスの空間速度を参考例1と同様にしたが、アンモニアを分割して供給せずに反応器の上流入口の配管2からプロピレン:アンモニア:空気=1:1.2:15のモル比で供給した。その結果を表−5に示す。
【0055】
参考例3
実験式Mo11.860.14Bi2.26Pb8.61Sb2.10Fe0.59n(60重量%)/SiO2(40重量%)を有する触媒を特公昭61−17546号公報に記載の方法により調製した。この触媒0.50gを、図1に示す固定床流通型反応器1に触媒を充填し、反応温度460℃、ガスの全量の空間速度SVを500h-1に固定して、反応器の上流入口の配管2からプロピレン:アンモニア:空気=1:0.6:15のモル比で、更にこの供給されたプロピレンの0.6モル倍のアンモニアを反応器の触媒層3の中央部に設置された配管4から供給し、気相接触反応を行った。反応器の下流出口の配管5から得た反応生成ガスをガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表−5に示す。
【0056】
参考例4
参考例3と同じ触媒0.50gを図1の反応器に充填し、反応温度と供給ガスの空間速度を参考例3と同様にしたが、アンモニアを分割して供給せずに反応器の上流入口の配管2からプロピレン:アンモニア:空気=1:1.2:15のモル比で供給した。その結果を表−5に示す。
【0057】
参考例5
実施例7に示した実験式Mo1Cr0.5Te0.5Al8nを有する触媒0.50gを、図1に示す固定床流通型反応器1に触媒を充填し、反応温度480℃、ガスの全量の空間速度SVを500h-1に固定して、反応器の上流入口の配管2からプロピレン:アンモニア:空気=1:0.6:15のモル比で、更にこの供給されたプロピレンの0.6モル倍のアンモニアを反応器の触媒層3の中央部に設置された配管4から供給し、気相接触反応を行った。反応器の下流出口の配管5から得た反応生成ガスをガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表−5に示す。
【0058】
参考例6
参考例5と同じ触媒0.50gを図1の反応器に充填し、反応温度と供給ガスの空間速度を参考例5と同様にしたが、アンモニアを分割して供給せずに反応器の上流入口の配管2からプロピレン:アンモニア:空気=1:1.2:15のモル比で供給した。その結果を表−5に示す。
【0059】
以上の参考例において、具体的には参考例1と2、参考例3と4、参考例5と6の各々の比較より、原料をアルケンとした場合では、アンモニアの反応器への分割供給によるニトリルの収率向上は認められず、むしろ収率が低下していることがわかる。
【0060】
Figure 0003728762
【0061】
【発明の効果】
本発明の方法を採用することにより、アルカンからアンモニアとの気相接触反応によるニトリルの収率を向上させることができ、特に、アンモニアを有効にニトリルに転化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1、実施例7〜11、比較例1、比較例5〜9及び参考例の固定床流通型反応器を示す概念図である。
【図2】本発明の実施例2〜6、比較例2〜4の流動床型反応器を示す概念図である。
【符号の説明】
1 固定床流通型反応器
2,4,5 配管
3 触媒層
10 流動床型反応器
11 サイクロン
12,14,15 配管
13 流動触媒層

Claims (9)

  1. モリブデン、バナジウム及びテルルを含有する金属酸化物触媒が収容されている触媒床に、アルカンとアンモニアを連続的に供給して気相接触酸化反応によりニトリルを製造するに際し、アンモニアの一部を触媒床入口よりも下流の位置で触媒床に供給することを特徴とするニトリルの製造方法。
  2. 触媒に供給するアンモニの5〜50%を触媒床入口よりも下流の位置で触媒床に供給することを特徴とする請求項1に記載のニトリルの製造方法。
  3. 金属酸化物触媒が下記式で示される原子組成を有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のニトリルの製造方法。
    Mo 1.0 a Te b c n
    (式中、XはNb、Ta、W、Ti、Sb及びBiより成る群から選ばれる1種以上の元素を示す。aは0.1〜0.6、bは0.05〜0.4、cは0.01〜0.6の数を示す。nは他の元素の酸化状態により定まる数である)
  4. 触媒に供給する全アンモニアの量が、アルカンに対し0.2〜5モル倍であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のニトリルの製造方法。
  5. 触媒入口に酸素含有ガスを供給することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のニトリルの製造方法。
  6. 触媒入口に供給する酸素含有ガスの量が、アルカンに対して遊離酸素として0.2〜4モル倍であることを特徴とする請求項に記載のニトリルの製造方法。
  7. アルカンがプロパン及び/又はブタンであることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のニトリルの製造方法。
  8. 下記式で示される原子組成を有する金属酸化物触媒が収容されている触媒床に、プロパン、アンモニア及び酸素を1:0.5〜3:0.2〜4のモル比で連続的に供給して気相接触酸化反応によりアクリロニトリルを製造する方法において、アンモニアの10〜40%を触媒床入口よりも下流の位置で触媒床に供給することを特徴とするニトリルの製造方法。
    Mo 1.0 a Te b c n
    (式中、XはNb、Ta、W、Ti、Sb及びBiより成る群から選ばれる1種以上の元素を示す。aは0.1〜0.6、bは0.05〜0.4、cは0.01〜0.6の数を示す。nは他の元素の酸化状態により定まる数である)
  9. アンモニアの少なくとも一部を、触媒入口から出口方向に向けて触媒層長の1/3〜4/5の位置で触媒床に供給することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のニトリルの製造方法。
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