JP3331629B2 - アルカンよりニトリルを製造するための触媒 - Google Patents

アルカンよりニトリルを製造するための触媒

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はニトリルの製造法に関す
るものである。詳しくは、アルカンを原料とする改良さ
れたニトリルの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のニトリル類は、繊維、合成樹脂、合成ゴムなどの重
要な中間体として工業的に製造されているが、その製造
法としては、従来、プロピレン、イソブテン等のオレフ
ィンを、触媒の存在下でアンモニアおよび酸素と気相に
おいて高温で接触反応させる方法が最も一般的な方法と
して知られている。
【0003】一方、プロパンとプロピレンとの間の価格
差、あるいは、イソブタンとイソブテンとの間の価格差
のために、プロパン、イソブタン等の低級アルカンを出
発原料とし、触媒の存在下でアンモニアおよび酸素と気
相で接触反応させる、いわゆるアンモ酸化反応法により
アクリロニトリル、メタクリロニトリルを製造する方法
の開発に関心が高まっている。
【0004】これらの報告の例として、Mo−Bi−P
−O系触媒(特開昭48−16887号)、V−Sb−
O系触媒(特開昭47−33783号、特公昭50−2
3016号、特開平1−268668号)、Sb−U−
V−Ni−O系触媒(特公昭47−14371号)、S
b−Sn−O系触媒(特公昭50−28940号)、V
−Sb−W−P−O系触媒(特開平2−95439
号)、V−Sb−W−O系酸化物とBi−Ce−Mo−
W−O系酸化物を機械的に混合して得た触媒(特開昭6
4−38051)が知られているほか、本発明者等もM
o−V−Te−Nb−O系触媒(特開平2−257号)
を報告している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法はいずれも目的とするニトリル類の収率が十分満
足できるものではない。また、ニトリル類の収率を向上
させるために、反応系に少量の有機ハロゲン化物、無機
ハロゲン化物、またはイオウ化合物を添加する方法、あ
るいは水を添加する方法等が試みられているが、前者は
反応装置の腐食の問題があり、また後者は副反応による
副生物の生成とその処理などの問題があり、いずれも工
業的実施上難点がある。
【0006】更に、従来の触媒系を用いる方法では、本
発明者等が報告したMo−V−Te−Nb−O系触媒を
除き、一般に500℃前後ないしはそれ以上の極めて高
い反応温度を必要とするため、反応器の材質、製造コス
ト等の面で有利ではない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、アルカン
を原料とするニトリルの製造法について種々検討した結
果、特定の結晶構造を有するモリブデン(Mo)、バナ
ジウム(V)、テルル(Te)及びある種の金属から成
る触媒の存在下で、アルカンをアンモニアと気相接触反
応させることにより、反応系にハロゲン化物や水等を存
在させることなく、しかも400〜450℃程度の比較
的に低い温度において従来法より著しく高い収率で目的
とするニトリルを製造し得ることを見い出し、本発明に
到達したものである。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の、アルカンをアンモニアと気相接触酸化反応させ
ることにより、ニトリルを製造するための触媒の特徴
は、以下の点,により存する。 触媒の実験式は、 Moa b Tec x n (1) (式(1)において、XはNb,Ta,W,Ti,A
l,Zr,Cr,Mn,Fe,Ru,Co,Rh,N
i,Pd,Pt,Sb,BiおよびCeの中から選ばれ
た1つまたはそれ以上の元素を表わし、 a=1とするとき、 b=0.01〜1.0 c=0.01〜1.0 x=0.01〜1.0 であり、また、nは他の元素の酸化状態により決定され
る。)により表わされる。 触媒のX線回折線において、下記に示す回折角2θ
にX線回折ピークを示す。
【0009】
【表3】回折角2θ(°) 22.1±0.3 28.2±0.3 36.2±0.3 45.2±0.3 50.0±0.3
【0010】本発明の触媒は上述の(1)式の酸化物で
あって、Xとして上記の元素が用いられるが、好ましく
はNb,Ta,W,Tiであり、特に好ましくはNbで
ある。また、式(1)の係数として、a=1とすると
き、b=0.1〜0.6,c=0.05〜0.4,x=
0.01〜0.6が特に好ましい。しかし、該酸化物
は、ただ単に(1)式の組成を示すだけでは本発明の反
応触媒として十分ではなく、特定の結晶構造を有するこ
とが重要である。
【0011】本発明触媒として用いる酸化物が特定の結
晶構造を有することを示す指標は粉末X線回折のパター
ンである。該酸化物のX線回折ピーク(X線源としてC
u−Kα線を使用)のパターンと、は特定の回折角2θ
において以下に示す5つの主要回折ピークが認められる
ことにある。
【0012】
【表4】 X 線 格 子 面 回折角2θ(°) 間隔中央値(Å) 相対強度 22.1±0.3 4.02 100 28.2±0.3 3.16 20〜150 36.2±0.3 2.48 5〜60 45.2±0.3 2.00 2〜40 50.0±0.3 1.82 2〜40
【0013】X線回折ピーク強度は各結晶の測定条件に
よってずれる場合があるが、2θ=22.1°のピーク
強度を100とした場合の相対強度は通常上記の範囲に
ある。また、一般的には2θ=22.1°及び28.2
°のピーク強度が大きく表われる。しかしながら、上記
5本の回折ピークを認める限り該5本の回折ピーク以外
の2θにピークを有するものがあっても基本的な結晶構
造には変わりはなく、本発明に好適に用いることができ
る。
【0014】この特定の結晶構造を有する酸化物の調製
方法は次のようである。例えば、Moa b Tec Nb
x n の場合、所定量のメタバナジン酸アンモニウム塩
を含む水溶液に、テルル酸の水溶液、シュウ酸ニオブア
ンモニウム塩の水溶液およびパラモリブデン酸アンモニ
ウム塩の水溶液を各々の金属元素の原子比が所定の割合
となるような量比で順次添加し、蒸発乾固法、噴霧乾燥
法、真空乾燥法等で乾燥させ、最後に、残った乾燥物を
焼成して目的の酸化物とする。また、焼成を効率よく行
うためには、最終の焼成前に、上記乾燥物を、通常、空
気あるいは窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中、1
50〜350℃で加熱分解してもよい。
【0015】本発明の触媒として用いる特定の酸化物の
調製方法の焼成条件が特に重要である。通常の酸化物を
調製する場合の焼成処理は、酸素雰囲気中で行う方法が
最も一般的である。しかしながら、本発明においては、
焼成の雰囲気をむしろ実質的に酸素不存在下とすること
が好ましく、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不
活性ガス雰囲気中、また、そのガス中に水素、炭化水素
等の還元性ガスあるいは水蒸気を含んでいてもよく、あ
るいは、真空中で通常350〜700℃、好ましくは4
00〜650℃の温度で通常0.5〜30時間好ましく
は1〜10時間実施される。該温度範囲より低い温度で
は高い触媒活性を有する前記結晶構造の形成が不十分で
あり、また、該温度範囲より高い温度では結晶構造の一
部が熱的に分解することがあるので好ましくない。
【0016】このようにして得られた酸化物中の酸素の
含有量を調べてみると、例えばMo a b Tec Nbx
n の場合において、nの値は、Mo,V,Te,Nb
の最高酸化状態に対応する値である(3a+2.5b+
3c+2.5x)より小さく、その80〜97%であっ
た。すなわち、本発明の触媒として用いる特定の構造の
酸化物は、同じ原料乾燥物を通常の酸素雰囲気下で焼成
して得られる酸化物よりわずかに含有酸素量が少ないも
のにすぎない。
【0017】従って、該酸化物が、特定の結晶構造であ
るばかりでなく、更に、アルカンを原料とするニトリル
への反応において、従来の触媒に比べ著しく優れた活性
を発現することは全く予想外であり驚くべきことであ
る。なお、上記の酸化物の原料は前述したものに限定さ
れるのではなく、メタバナジン酸アンモニウムの代わり
に例えば、V2 5 ,V2 3 ,VOCl3 あるいはV
Cl4 等を使用することができ、テルル酸の代わりにT
eO2 などが使用され、シュウ酸ニオブアンモニウム塩
の代わりに、NbCl5 ,Nb2 5 ,ニオブ酸等が使
用され、パラモリブデン酸アンモニウム塩の代わりにM
oO3 ,MoCl5 、等を使用することができる。
【0018】以上の触媒は単独でも用いられるが、周知
の担体、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、アルミ
ノシリケート、珪藻土等と共に使用することもできる。
また、反応の規模、方式等により適宜の形状および粒径
に成型される。本発明では、上述の触媒の存在下で、ア
ルカンをアンモニアと気相接触酸化反応させることによ
り効率よくニトリルを製造することができる。
【0019】本発明のニトリルの製造法における原料の
アルカンとしては、特に限られるものではなく、例え
ば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等があ
げられるが、得られるニトリルの工業的用途を考慮する
と、炭素数1〜4の低級アルカン、特にプロパン、イソ
ブタンを用いるのがよい。
【0020】本発明での酸化反応の機構の詳細は明らか
ではないが、上述の酸化物中に存在する酸素原子、ある
いは供給ガス中に存在させる分子状酸素によって行なわ
れる。供給ガス中に分子状酸素を存在させる場合、分子
状酸素は純酸素ガスでもよいが、特に純度は要求されな
いので、一般には空気のような酸素含有ガスを使用する
のが経済的である。供給ガスとしては、通常、アルカ
ン、アンモニアと酸素含有ガスの混合ガスを使用する
が、アルカンとアンモニアの混合ガスと酸素含有ガスと
を交互に供給してもよい。
【0021】また、実質的に分子状酸素が存在しないア
ルカンとアンモニアのみを供給ガスとして気相接触反応
させることもできる。かかる場合は、反応帯域より触媒
の一部を適宜抜き出して、該触媒を酸化再生器に送り込
み、再生後、触媒を反応帯域に再供給する方法が好まし
い。触媒の再生方法としては、触媒を、酸素、空気、一
酸化窒素等の酸化性ガスを再生器内の触媒に対して、通
常300〜600℃で流通させる方法が例示される。
【0022】アルカンとしてプロパンを、酸素源として
空気を使用する場合について、本発明をさらに詳細に説
明するに、反応に供給する空気の割合は、生成するアク
リロニトリルの選択率に関して重要であり、空気は通常
プロパンに対して25モル倍量以下、特に1〜15モル
場合の範囲が高いアクリロニトリル選択率を示す。ま
た、反応に供与するアンモニアの割合は、プロパンに対
して0.2〜5モル倍量、特に0.5〜3モル倍量の範
囲が好適である。なお、本反応は通常大気圧下で実施さ
れるが、低度の加圧下または減圧下で行なうこともでき
る。他のアルカンについても、プロパンの場合の反応条
件に準じて供給ガスの組成が選択される。
【0023】本発明方法においては、従来のアルカンの
アンモ酸化反応におけるよりも低い温度、例えば、34
0〜480℃で実施することができ、特に好ましいのは
400〜450℃程度である。また、気相反応における
ガス空間速度SVは、通常100〜10000h-1、好
ましくは、300〜2000h-1の範囲である。なお、
空間速度と酸素分圧を調整するための希釈ガスとして、
窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いること
ができる。本発明の方法により、プロパンのアンモ酸化
反応を行なった場合、アクリロニトリルの外に、一酸化
炭素、二酸化炭素、アセトニトリル、青酸、アクロレイ
ン等が副生するが、その生成量はきわめて少ない。
【0024】
【実施例】以下、本発明を、実施例および比較例を挙げ
てさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えな
いかぎりこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、以下の実施例および比較例における転化率(%)、
選択率(%)および収率(%)は、各々次式で示され
る。
【0025】
【数1】アルカンの転化率(%)=(消費アルカンのモ
ル数/供給アルカンのモル数)×100 目的ニトリルの選択率(%)=(生成目的ニトリルのモ
ル数/消費アルカンのモル数)×100 目的ニトリルの収率(%)=(生成目的ニトリルのモル
数/供給アルカンのモル数)×100
【0026】実施例1 実験組成Mo1 0.4 Te0.2 Nb0.1 n を有する酸
化物を次のように調製した。温水117mlに4.21
gのメタバナジン酸アンモニウム塩を溶解し、これにテ
ルル酸4.13g、パラモリブデン酸アンモニウム塩1
5.89gを順次添加し、均一な水溶液を調製した。さ
らに、シュウ酸ニオブアンモニウム塩3.99gを1
7.9mlの水に溶解した液を混合し、スラリーを調製
した。このスラリーを約150℃で蒸発乾固して乾燥物
を得た。
【0027】この乾燥物を、打錠成型器を用いて5mm
φ×3mmLに成型したのち、粉砕し、16〜28メッ
シュに篩別し、窒素気流中620℃で2時間焼成した。
このようにして得た酸化物の粉末X線回折線ピークのチ
ャートを図1に、また、その主要回折線ピーク強度を表
−1に示す。また、該酸化物中の酸素含有量を酸素分析
計にて測定したところ31.0重量%であった。この測
定値よりO(酸素)の係数nを算出すると4.25とな
る。n=4.25とは、該酸化物の構成元素の最高酸化
状態が、Moが6価、Vが5価、Teが6価、Nbが5
価としたときにn=4.85となることから、その8
7.6%に相当する。
【0028】このようにして得た触媒0.5mlを反応
器に装填し、反応温度440℃、空間速度SVを100
0h-1に固定して、プロパン:アンモニア:空気=1:
1.2:10モル比でガスを供給し気相接触反応を行な
った。その結果を表−2に示す。
【0029】実施例2,3 実施例1で焼成温度を500℃および600℃とした以
外は実施例1と同様に実験組成Mo1 0.4 Te0.2
0.1 n を有する酸化物を調製した。該酸化物の粉末
X線回折の結果を表−1に示す。また、気相接触反応を
行った結果を表−2に示す。
【0030】比較例1 実施例2でニオブ成分を使用しない以外は、実施例2と
同様に調製し、実験組成Mo1 0.4 Te0.2 n の酸
化物を得た。該酸化物のX線回折パターンは実施例1の
ものとは全く異っていた。また、気相接触反応を行った
結果を表−2に示す。
【0031】比較例2 実施例1で焼成を空気流通下350℃で2時間実施した
以外は実施例1と同様に実験組成Mo1 0.4 Te0.2
Nb0.1 n を有する酸化物を調製した。得られた酸化
物の粉末X線回折パターンを図2に示す。実施例1の図
1とは全くパターンが異なる。また、気相接触反応を行
った結果を表−2に示す。
【0032】比較例3,4 比較例2の酸化物を用い、表−2に示した反応条件で気
相接触反応を行った。結果を表−2に示す。
【0033】実施例4 実験組成Mo1 0.4 Te0.2 Sb0.1 n を有する酸
化物を次のように調製した。温水117mlに4.21
gのメタバナジン酸アンモニウム塩を溶解し、これにテ
ルル酸4.13g、パラモリブデン酸アンモニウム塩1
5.9gを順次添加し、均一な水溶液を調製した。これ
に1.56gの塩化酸化アンチモンを17.9mlの水
に溶解して混合した。得られた水溶液を蒸発乾固させ乾
燥物を得た。この乾燥物を打錠成型器を用いて5mmφ
×3mmLに成型したのち、粉砕し、16〜28メッシ
ュに篩別し、窒素気流中500℃で2時間焼成した。得
られた酸化物の粉末X線回折の結果を表−1に示す。こ
のようにして得た酸化物につき、気相接触反応を行った
結果を表−2に示す。
【0034】比較例5 実施例4で焼成を空気流通下350℃で2時間実施した
以外は実施例4と同様にMo1 0.4 Te0.2 Sb0.1
n を有する酸化物を調製した。得られた酸化物のX線
回折パターンは実施例4のものとは全く異なっていた。
また、得られた酸化物を用いて気相接触反応を行った結
果を表−2に示す。
【0035】実施例5 実施例4における塩化酸化アンチモンの代わりに硝酸ア
ルミニウム・9水和物3.38gを用いた以外は実施例
4と同様に酸化物を調製した。得られた酸化物の実験組
成はMo1 0.4 Te0.2 Al0.1 n である。このよ
うにして得た酸化物の粉末X線回折の結果を表−1に示
す。また、得られた酸化物を用いて気相接触反応を行っ
た結果を表−2に示す。
【0036】比較例6 実施例5で焼成を空気流通下350℃で2時間実施した
以外は実施例5と同様にMo1 0.4 Te0.2 Al0.1
n を有する酸化物を調製した。得られた酸化物のX線
回折パターンは実施例5のものとは全く異なった。ま
た、得られた酸化物を用いて気相接触反応を行った結果
を表−2に示す。
【0037】実施例6 実施例4における塩化酸化アンチモンの代わりに硝酸パ
ラジウム0.415gを用い、また、焼成温度を600
℃とした以外は実施例4と同様に酸化物を調製した。得
られた酸化物の実験組成はMo1 0.4 Te0.2 Nb
0.1 Pd0.02nである。このようにして得た酸化物の
粉末X線回折の結果を表−1に示す。また、得られた酸
化物を用いて気相接触反応を行った結果を表−2に示
す。
【0038】実施例7〜23 実施例1の方法で原料化合物の量比を変更し、また、焼
成温度を全て600℃とした以外は実施例1と同様の方
法で各実験組成の酸化物を調製した。各酸化物の粉末X
線回折の結果を表−1に示す。また、各酸化物を用いて
気相接触反応を行った結果を表−3に示す。
【0039】実施例24〜32 実施例3で調製した酸化物(実験組成Mo1 0.4 Te
0.2 Nb0.1 n )を用いて種々の条件で気相接触酸化
反応を行った結果を表−4に示す。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】実施例33 実験組成Mo1 0.3 Te0.23Nb0.12n を有する酸
化物を次のように調製した。温水325ミリリットルに
15.7gのメタバナジン酸アンモニウム塩を溶解し、
これにテルル酸23.6g、パラモリブデン酸アンモニ
ウム塩78.9gを順次添加し、均一な水溶液を調製し
た。さらにニオブの濃度が0.456モル/kgのシュ
ウ酸ニオブアンモニウム水溶液117.5gを混合し、
スラリーを調製した。このスラリーを蒸発乾固させ、固
体を得た。この固体を打錠成型器を用いて5mmφ×3
mmLに成型したのち、粉砕し、16〜28メッシュに
篩別し、窒素気流中600℃で2時間焼成した。
【0045】このようにして得た酸化物の粉末X線回折
測定を行なったところ(Cu−Kα線を使用)、回折角
2θ(°)として、22.1(100)、28.2(9
0.0)、36.2(25.7)、45.1(15.
2)、50.0(16.3)に主要回折ピークが観察さ
れた(数字のカッコ内は、22.1°のピークを100
としたときの相対ピーク強度を示す。)。
【0046】このようにして得た触媒0.5mlを反応
器に充填し、反応温度420℃、空間速度SVを100
0h-1に固定して、イソブタン:アンモニア:空気=
1:1.2:15のモル比でガスを供給し、気相接触反
応を行なった。その結果、イソブタンの転化率は61.
4%、メタクリロニトリル選択率は29.7%、メタク
リロニトリルの収率は19.1%であった。
【0047】実施例34 実施例3の酸化物を用いた以外は実施例33と同様にイ
ソブタンの気相接触酸化反応を行なった。その結果、イ
ソブタンの転化率は52.1%、メタクリロニトリル選
択率は31.0%、メタクリロニトリルの収率は16.
2%であった。
【0048】比較例7 比較例2の酸化物を用いた以外は実施例33と同様にイ
ソブタンの気相接触酸化反応を行なった。その結果、イ
ソブタンの転化率は11.0%、メタクリロニトリル選
択率は42.7%、メタクリロニトリルの収率は4.7
%であった。
【0049】実施例35 実験組成Mo1 0.3 Te0.23Nb0.12n を有する酸
化物に、更にシリカが全体の10wt%を占める物質を
次のように調製した。温水117mlに3.79gのメ
タバナジン酸アンモニウム塩を溶解し、これにテルル酸
3.72g、パラモリブデン酸アンモニウム塩14.3
0gを順次添加し、均一な水溶液を調製した。さらにシ
ュウ酸ニオブアンモニウム塩3.59gを17.9ml
の水に溶解した液、シリカゾル(シリカ含有量20wt
%)10.24gを混合し、スラリーを調製した。この
スラリーを150℃で蒸発乾固して乾燥物を得た。
【0050】この乾燥物を、打錠成型器を用いて5mm
φ×3mmLに成型したのち、粉砕し、16〜28メッ
シュに篩別し、窒素気流中600℃で4時間焼成した。
このようにして得た酸化物の粉末X線回折測定を行なっ
たところ、回折角2θ(°)として、22.1(10
0)、28.2(41.7)、36.2(10.0)、
45.2(13.1)、50.0(7.1)に主要回折
ピークが観察された(数字のカッコ内は、22.1℃の
ピークを100としたときの相対ピーク強度を示
す。)。
【0051】このようにして得た物質0.5mlを反応
器に充填し、反応温度420℃、空間速度SVを100
0h-1に固定して、プロパン:アンモニア:空気=1:
1.2:15のモル比でガスを供給し気相接触酸化反応
を行なった。その結果、プロパンの転化率は88.9
%、アクリロニトリル選択率は60.5%、アクリロニ
トリルの収率は53.8%であった。
【0052】
【発明の効果】本発明方法によれば、アルカンを原料と
して新規な酸化物を使用することにより、反応系にハロ
ゲン化物や水等を存在させることなく、しかも400〜
450℃程度の比較的に低い温度において、高い収率で
目的とするニトリルを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の酸化物の粉末X線回折パターンを示
す。
【図2】比較例2の酸化物の粉末X線回折パターンを示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 繁田 えい子 (56)参考文献 特開 平2−257(JP,A) 特公 昭45−26850(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 C07C 253/24,255/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の,の条件を満たすアルカンよ
    りニトリルを製造するための触媒。 触媒の実験式が、 Moa b Tec x n (1) (式(1)において、XはNb,Ta,W,Ti,A
    l,Zr,Cr,Mn,Fe,Ru,Co,Rh,N
    i,Pd,Pt,Sb,BiおよびCeの中から選ばれ
    た1つまたはそれ以上の元素を表わし、 a=1とするとき、 b=0.01〜1.0 c=0.01〜1.0 x=0.01〜1.0 であり、また、nは他の元素の酸化状態により決定され
    る。)により表わされる。 触媒のX線回折線において、下記に示す回折角2θ
    にX線回折ピークを示す。 【表1】回折角2θ(°) 22.1±0.3 28.2±0.3 36.2±0.3 45.2±0.3 50.0±0.3
  2. 【請求項2】 モリブデン、バナジウムおよびテルルの
    化合物と、ニオブ、タンタル、タングステン、チタン、
    アルミニウム、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、
    ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウ
    ム、白金、アンチモン、ビスマスおよびセリウムの中か
    ら選ばれた1つまたはそれ以上の元素の化合物とから成
    る水溶液を乾燥し、残った乾燥物を酸素不存在下で焼成
    することを特徴とする請求項1の触媒の製造法。
  3. 【請求項3】 アルカンを、以下の,の条件を満た
    す触媒の存在下、アンモニアと気相接触酸化反応させる
    ことを特徴とするニトリルの製造法。 触媒の実験式が、 Moa b Tec x n (1) (式(1)において、XはNb,Ta,W,Ti,A
    l,Zr,Cr,Mn,Fe,Ru,Co,Rh,N
    i,Pd,Pt,Sb,BiおよびCeの中から選ばれ
    た1つまたはそれ以上の元素を表わし、 a=1とするとき、 b=0.01〜1.0 c=0.01〜1.0 x=0.01〜1.0 であり、また、nは他の元素の酸化状態により決定され
    る。)により表わされる。 触媒のX線回折線において、下記に示す回折角2θ
    にX線回折ピークを示す。 【表2】回折角2θ(°) 22.1±0.3 28.2±0.3 36.2±0.3 45.2±0.3 50.0±0.3
  4. 【請求項4】 モリブデン、バナジウムおよびテルルの
    化合物と、ニオブ、タンタル、タングステン、チタン、
    アルミニウム、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、
    ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウ
    ム、白金、アンチモン、ビスマスおよびセリウムの中か
    ら選ばれた1つまたはそれ以上の元素の化合物とから成
    る水溶液を乾燥し、残った乾燥物を酸素不存在下で焼成
    して得られる以下のの条件を満たす触媒の存在下、
    ルカンをアンモニアと気相接触酸化反応させることを特
    徴とするニトリルの製造法。 触媒の実験式が、 Moa Vb Tec Xx On (1) (式(1)において、XはNb,Ta,W,Ti,A
    l,Zr,Cr,Mn,Fe,Ru,Co,Rh,N
    i,Pd,Pt,Sb,BiおよびCeの中から選ばれ
    た1つまたはそれ以上の元素を表わし、a=1とすると
    き、 b=0.01〜1.0 c=0.01〜1.0 x=0.01〜1.0 であり、また、nは他の元素の酸化状態により決定され
    る。)により表わされる。
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