JP5102861B2 - 基板処理システム用加熱装置の昇温制御方法、プログラム、コンピュータ記録媒体及び基板処理システム - Google Patents

基板処理システム用加熱装置の昇温制御方法、プログラム、コンピュータ記録媒体及び基板処理システム Download PDF

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Description

本発明は、例えば半導体ウェハ等の基板の処理を行う基板処理システムに用いられる加熱装置の昇温制御方法、プログラム、コンピュータ記録媒体及び基板処理システムに用いられる加熱装置の昇温制御装置に関する。
一般に、半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー処理では、例えば半導体ウェハ等の基板上にレジスト液を塗布しレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、レジスト膜に所定のパターンを露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理、現像処理後のウェハを乾燥させたりするための加熱処理等の各種処理が行われている。
これらの一連の処理は、通常、塗布現像処理システムを用いて行われる。塗布現像処理システムは、例えばカセット単位で基板を搬入出するためのカセットステーションと、基板に対して各種の処理を行う処理装置が複数配置された処理ステーションと、隣接する露光装置と処理ステーションとの間で基板の受け渡しを行うためのインターフェイスステーション等を有し、所定の処理レシピに従って基板の処理を行うように構成されている(特許文献1)。
例えば特許文献1に開示されるような塗布現像処理システムにおいては、当該塗布現像処理システムに搬入されたウェハの処理を直ちに開始することができるよう、処理ステーション内に設置された複数の加熱装置は、予め所定の温度に昇温された状態で待機しているのが通常である。かかる場合、当該塗布現像処理システムの起動の際に、加熱装置に内蔵された例えば電気ヒータにより、加熱装置の昇温が行われる。
特開2006−287178号公報
ところで、塗布現像処理システムの電源は、通常、三相交流電源であるが、上述の電気ヒータは単相交流負荷である。このため、塗布現像処理システムの電源系統においては、通常運転時に各電気ヒータを使用した状態において三相交流電源の線間電流値が各相で平衡するように考慮して、各電気ヒータが各相に接続されている。
ところが、加熱装置の昇温に要する電力と、加熱装置が所定の温度に昇温された状態で待機するために要する電力とでは、その値が異なる。そのため、塗布現像処理システムの起動の際、電気ヒータによる加熱装置の昇温を行うと、通常運転時には平衡する線間電流値も、昇温時には各相の平衡が崩れ、即ちある相において線間電流値が制限値を超え、それにより欠相等が生じる場合がある。この場合、当該欠相等が生じるのを防止するため、線間電流値が制限値を超えないように電気ヒータによる加熱装置の昇温が制限され、当該制限された加熱装置の昇温開始までは昇温待機の状態となる。このため、昇温時に各相の線間電流値の平衡が崩れると、加熱装置の昇温に要する時間が長くなり、塗布現像処理システムの起動時間が長くなるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、基板処理システムの加熱装置を昇温するにあたり、三相交流電源の各相の線間電流の平衡を維持しつつ、基板処理システムの起動時間が長くなることを防止することを目的としている。
前記の目的を達成するための本発明は、所定の処理レシピに設定された順序に従って基板を処理する基板処理システムに供給される三相交流電源の各相に接続され、単相交流電源により昇温して基板を加熱する、前記基板処理システムに設置された複数の加熱装置の昇温を制御する方法であって、前記所定の処理レシピに設定された基板の処理順序で前記複数の加熱装置を昇温する際に、当該各加熱装置が接続された各相の負荷電流値を監視し、前記各加熱装置の昇温中に負荷電流値が制限値を上回り加熱装置の昇温が制限された相が生じた際に、当該昇温が制限された相以外の相における前記所定の処理レシピに設定された基板の処理順序における次順以降の加熱装置の昇温の可否を判断し、制限された相の加熱装置を飛ばして、昇温可能な加熱装置の昇温を行うことを特徴としている。
本発明によれば、所定の処理レシピに設定された基板の処理順序で複数の加熱装置を昇温するにあたり、加熱装置が接続された交流電源の各相の負荷電流値を監視し、昇温が制限された相が生じた際に、当該昇温が制限された相以外の相における前記所定の処理レシピに設定された基板の処理順序における次順以降の加熱装置の昇温の可否を判断し、昇温が制限された相の加熱装置を飛ばして昇温可能な加熱装置の昇温を行うので、待ち状態となっている加熱装置を昇温することができる。これにより、三相交流電源の各相の線間電流の平衡を維持しつつ、基板処理システム全体として加熱装置の昇温時間、即ち起動時間が長くなることを防止することができる。また、飛ばして昇温した加熱装置から放散する熱が、昇温が完了していない他の加熱装置に伝達することにより、加熱装置の昇温に要する時間を短縮することができる。
前記複数の加熱装置は上下方向に積層して配置され、前記処理レシピに設定された基板の処理順序は、前記複数の加熱装置のうち、下方に配置された加熱装置から上方に配置された加熱装置を用いるように設定され、一の前記加熱装置の昇温に伴い当該一の加熱装置から放散する熱を、他の前記加熱装置へ伝達させながら、前記複数の加熱装置の昇温を行ってもよい。
前記処理レシピに設定された基板の処理順序に従って各加熱装置が基板の加熱を行う前に、当該加熱装置の昇温が予め完了しているように当該各加熱装置の昇温を開始する時期を制御してもよい。
前記複数の加熱装置は、基板を載置して加熱する加熱板を夫々備え、前記加熱板は複数の領域に区画され、当該領域毎に温度設定可能であり、前記加熱板を昇温する際に、前記加熱板の外側から当該加熱板の内側に向かう方向に熱が伝達するように前記熱処理板を昇温してもよい。
別な観点による本発明によれば、前記加熱装置の昇温制御方法を基板処理システムによって実行させるために、当該基板処理システムを制御する制御装置のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
また、別な観点による本発明によれば、プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
さらに、別の観点による本発明は、所定の処理レシピに設定された順序に従って基板を処理する基板処理システムであって、前記基板処理システムに供給される三相交流電源の各相に接続され、単相交流電源により昇温して基板を加熱する複数の加熱装置と、前記所定の処理レシピに設定された基板の処理順序にしたがって前記複数の加熱装置を昇温する際に、当該各加熱装置が接続された各相の線間電流値を監視し、前記各加熱装置の昇温中に線間電流値が制限値を上回り加熱装置の昇温が制限された相が生じた際に、当該昇温が制限された相以外の相における前記所定の処理レシピに設定された基板の処理順序において次順以降に昇温される加熱装置の昇温の可否を判断する監視部と、前記昇温が制限された相に接続された加熱装置を飛ばして、前記昇温が制限された相以外の相に接続された昇温可能な加熱装置の昇温を行う制御部と、を有することを特徴としている。
前記複数の加熱装置は上下方向に積層して配置され、前記処理レシピに設定された基板の処理順序は、前記複数の加熱装置のうち、下方に配置された加熱装置から上方に配置された加熱装置を用いるように設定されていてもよい。
前記制御部は、前記処理レシピに設定された基板の処理順序に従って各加熱装置が基板の加熱を行う前に、当該各加熱装置の昇温が予め完了するように当該各加熱装置の昇温の開始時期をさらに制御してもよい。
前記複数の加熱装置は、前記基板を載置して加熱する加熱板を夫々備え、前記加熱板は複数の領域に区画され、当該領域毎に温度設定可能であり、前記制御部は、前記加熱板を昇温する際に、前記加熱板の外周部から当該加熱板の内側に向かう方向に熱が伝達するように前記熱処理板を昇温する制御をさらに行ってもよい。
本発明によれば、基板処理システムの加熱装置を昇温するにあたり、三相交流電源の各相の線間電流の平衡を維持しつつ、基板処理システムの起動時間が長くなることを防止できる。
本実施の形態にかかる塗布現像処理システム内部構成の概略を示す平面図である。 本実施の形態にかかる塗布現像処理システム内部構成の概略を示す側面図である。 本実施の形態にかかる塗布現像処理システム内部構成の概略を示す側面図である。 熱処理ユニットの構成の概略を示す横断面図である。 熱処理ユニットの構成の概略を示す縦断面図である。 本実施の形態にかかる塗布現像処理システムの電源系統図である。 ウェハ処理の各工程を示したフロー図である。 昇温時の熱板の温度変動を示すグラフである。 昇温時の熱板への電力供給量の変動を示すグラフである。 熱板の昇温順序及び電源系統の線間電流値を示す説明図である。 熱板の昇温順序及び電源系統の線間電流値を示す説明図である。 熱板の昇温順序及び電源系統の線間電流値を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる熱板の構成を示す平面図である
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる基板処理システムとしての塗布現像処理システム1の内部構成の概略を示す説明図である。図2及び図3は、塗布現像処理システム1の内部構成の概略を示す側面図である。
塗布現像処理システム1は、図1に示すように例えば外部との間で、1ロットの複数枚のウェハが収容されたカセットCが搬入出される搬入出部としてのカセットステーション2と、フォトリソグラフィー処理の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理ユニットを備えた処理部としての処理ステーション3と、処理ステーション3に隣接する露光装置4との間でウェハWの受け渡しを行う搬送部としてのインターフェイスステーション5とを一体に接続した構成を有している。
カセットステーション2は、例えばカセット搬入出部10とウェハ搬送部11に分かれている。例えばカセット搬入出部10は、塗布現像処理システム1のY方向負方向(図1の左方向)側の端部に設けられている。カセット搬入出部10には、カセット載置台12が設けられている。カセット載置台12上には、複数、例えば4つの載置板13が設けられている。載置板13は、水平方向のX方向(図1の上下方向)に一列に並べて設けられている。これらの載置板13には、塗布現像処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置することができる。
ウェハ搬送部11には、図1に示すようにX方向に延びる搬送路20上を移動自在なウェハ搬送装置21が設けられている。ウェハ搬送装置21は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各載置板13上のカセットCと、後述する処理ステーション3の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
処理ステーション3には、各種ユニットを備えた複数例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。例えば処理ステーション3の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション3のカセットステーション2側(図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション3のインターフェイスステーション5側(図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
例えば第1のブロックG1には、図2に示すように複数の液処理ユニット、例えばウェハWを現像処理する現像処理ユニット30、ウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜(以下「下部反射防止膜」という)を形成する下部反射防止膜形成ユニット31、ウェハWにレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布ユニット32、ウェハWのレジスト膜の上層に反射防止膜(以下「上部反射防止膜」という)を形成する上部反射防止膜形成ユニット33が下から順に4段に重ねられている。
例えば第1のブロックG1の各ユニット30〜33は、処理時にウェハWを収容するカップFを水平方向に複数有し、複数のウェハWを並行して処理することができる。
例えば第2のブロックG2には、図3に示すようにウェハWの熱処理を行う加熱装置を備えた複数の熱処理ユニット40〜47が設けられている。各熱処理ユニット40〜47は、下から熱処理ユニット40〜47の順に積層して設けられ、各熱処理ユニット40〜47の加熱装置から放散する熱が、他の熱処理ユニットに互いに伝達するように構成されている。
例えば第3のブロックG3には、複数の受け渡しユニット50、51、52、53、54、55、56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡しユニット60、61、62が下から順に設けられている。
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えば図3に示すようにウェハ搬送装置70、71、72、73が下から順に設けられている。ウェハ搬送装置70、71、72、73は、例えば各ブロックG1〜G4の同程度の高さの所定のユニットにウェハWを搬送できる。
また、ウェハ搬送領域Dには、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
シャトル搬送装置80は、例えば図3のY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡しユニット52と第4のブロックG4の受け渡しユニット62との間でウェハWを搬送できる。
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側には、ウェハ搬送装置90が設けられている。ウェハ搬送装置90は、例えば前後方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置90は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡しユニットにウェハWを搬送できる。
インターフェイスステーション5には、ウェハ搬送装置100が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えば前後方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置100は、例えば搬送アームにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡しユニット、露光装置4にウェハWを搬送できる。
次に、熱処理ユニット40の構成について説明する。図4は、熱処理ユニット40の構成の概略を示す横断面図であり、図5は、熱処理ユニット40の構成の概略を示す縦断面図である。なお、図4においては1台の熱処理ユニット40に4台の加熱装置40a〜40dが設けられた状態を描図しているが、当該熱処理ユニット及び加熱装置の台数は本実施の形態に限定されるものではなく、任意に設定が可能である。
例えば加熱装置40a〜40dは、図4に示すように内部を閉鎖可能な処理容器110を有し、処理容器110のウェハ搬送装置70に対向する側面には、ウェハWの搬入出口111が形成されている。また、加熱装置40a〜40dは、図5に示すように処理容器110内に、ウェハWを載置して加熱する熱板112a〜112dと、ウェハWを載置して温度調節する冷却板113a〜113dを有し、加熱処理と冷却処理の両方を行うことができる。
熱板112a〜112dは、厚みのある略円盤形状を有している。熱板112a〜112dは、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハWを熱板112a〜112d上に吸着保持できる。
熱板112a〜112dの内部には、図5に示すように、電気ヒータ121a〜121dが設けられており、後述する制御装置150により電気ヒータ121a〜121dへの電力の供給量を制御することにより、熱板112a〜112dを所定の設定温度に制御することができる。
熱板112a〜112dには、上下方向に貫通する複数の貫通孔122が形成されている。貫通孔122には、昇降ピン123が設けられている。昇降ピン123は、シリンダなどの昇降駆動機構124によって上下動できる。昇降ピン123は、貫通孔122内を挿通して熱板112a〜112dの上面に突出し、ウェハWを支持して昇降できる。
熱板112a〜112dには、当該熱板112a〜112dの外周部を保持する環状の保持部材125が設けられている。保持部材125には、当該保持部材125の外周を囲み、昇降ピン123を収容する筒状のサポートリング126が設けられている。
冷却板113a〜113dは、厚みのある略円盤形状を有している。冷却板113a〜113dは、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハWを冷却板113a〜113d上に吸着保持できる。
冷却板113a〜113dの内部には、例えばペルチェ素子などの冷却部材(図示せず)が内蔵されており、冷却板113a〜113dを所定の設定温度に調整できる。
冷却板113a〜113dのその他の構成は、熱板112a〜112dと同様の構成を有している。すなわち、冷却板113a〜113dには、上下方向に貫通する複数の貫通孔131が形成されている。貫通孔131には、昇降ピン132が設けられている。昇降ピン132は、シリンダなどの昇降駆動機構133によって上下動できる。昇降ピン132は、貫通孔131内を挿通して冷却板113a〜113dの上面に突出し、ウェハWを支持して昇降できる。
冷却板113a〜113dには、当該冷却板113a〜113dの外周部を保持する環状の保持部材134が設けられている。保持部材134には、当該保持部材134の外周を囲み、昇降ピン132を収容する筒状のサポートリング135が設けられている。なお、熱処理ユニット41〜47の構成については、それぞれ熱処理ユニット40の構成と同一であるので、説明を省略する。
次に、加熱装置40a〜40dの熱板112a〜112dに内蔵された電気ヒータ121a〜121dへの電源供給について説明する。図6に、塗布現像処理システム1の電源系統図を示す。
図6に示すように、塗布現像処理システム1には、外部からR相、S相、T相の三相からなる交流電源が供給されている。この三相交流電源は、塗布現状処理システム1内において、さらに各ブロックG1〜G4の各処理ユニットや、カセットステーション2のウェハ搬送装置21等と接続されている。なお、本実施の形態においては、熱処理ユニット40〜47に対する電源供給を、例えば図6に示すように、熱処理ユニット40、41の組、熱処理ユニット42、43の組、熱処理ユニット44、45の組及び熱処理ユニット46、47の組のそれぞれに対して1のフィーダで電源を供給している状態を例にして説明を行うが、電源の供給方法については、本実施の形態に限定されるものではない。
第2のブロックG2の熱処理ユニット40、41の熱板112a〜112dに内蔵される電気ヒータ121a〜121dは、単相交流負荷であり、図6に示すように、例えば熱処理ユニット40、41に電源を供給する三相交流電源から分岐された、RS相、ST相、TR相の単相電源系統に接続された電源装置140a〜140cに夫々接続されている。なお、図6においてはRS相に設けられた電源装置140aに電気ヒータ121a、121dが、ST相に設けられた電源装置140bに電気ヒータ121bが、TR相に設けられた電源装置140cに電気ヒータ121cが夫々接続されている状態を描図しているが、各電源装置140a〜140cと電気ヒータ121a〜121dとの接続は本実施の形態に限定されるものではなく、任意に決定が可能である。また、熱処理ユニット42〜47への電源供給についても熱処理ユニット40、41の組と同様であるので、説明を省略する。
次に塗布現像処理システム1の制御装置150について説明する。制御装置150は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部151と、各電源装置140a〜140cから加熱装置40a〜40dの各電気ヒータ121a〜121dに供給される電流値を監視する監視部152を有している。プログラム格納部151には、上述の各処理ユニットや各搬送装置などの駆動系の動作を制御して、塗布現像処理システム1の所定の作用、すなわちウェハWの加熱処理、レジスト液の塗布、現像、ウェハWの搬送経路の制御などを実現させるためのプログラムである、いわゆる処理レシピが格納されている。処理レシピは処理種別毎に作成されており、例えば操作者が処理レシピを選択でき、選択した処理レシピがプログラム格納部151から制御装置150により読み出され、読み出された処理レシピにしたがって各ウェハWの処理が実行される。
また、制御装置150のプログラム格納部151には、塗布現像処理システム1の起動の際に、熱処理ユニット40〜47の熱板112a〜112dの昇温を制御するためルールを定めたプログラムである昇温レシピも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置150にインストールされたものであってもよい。
本実施の形態における処理レシピでは、例えば図7のフロー図に示すような順序で工程が設定されている。図7に示す工程S1では、下部反射防止膜形成ユニット31と加熱装置40aにより下部反射防止膜が形成される。工程S2では、レジスト塗布ユニット32と加熱装置40bにより塗布膜が形成される。工程S3では、上部反射防止膜形成ユニット33と加熱装置40cにより上部反射膜が形成される。工程S4では、露光装置4により露光が行われる。工程S5においては、現像処理ユニット30と加熱装置40dにより現像処理が行われる。
次に、制御装置150による各熱板112a〜112dの温度制御及び昇温レシピについて説明する。各熱処理ユニット40〜47の熱板112a〜112dの設定温度は、通常、熱処理の目的に応じて異なった値に設定されるが、本実施の形態においては、すべての熱板112a〜112dの温度はTaに設定されているものとして説明する。
加熱装置40aの熱板112aを設定温度Taまで昇温する場合、例えば図8に示すように、熱板112aが設定温度Taに到達するまでの昇温期間Ha1においては、図9に示すように、電気ヒータ121の定格値に相当する電流Pa1が電気ヒータ121に供給される。この電流の供給の制御は、制御装置150により電源装置140aの出力を制御することにより行われる。熱板112aの温度が設定温度Taに到達し、熱板112aが設定温度Taに保たれる保温期間Ha2においては、制御装置150は電源装置140aの出力を低下させ、熱板112aを設定温度Taに保つ、即ち熱板112から外部に放散する熱量を補う分に相当する電流Pa2を供給する制御を行う。他の加熱装置40b〜40dの熱板112b〜112dの場合も同様である。
プログラム格納部151に格納されている昇温レシピには、熱処理ユニット40〜47の各熱板112a〜112dの昇温開始の順序、及び昇温開始のタイミングが設定されている。本実施の形態における昇温レシピでは、例えば三相交流電源が供給される熱処理ユニットの組毎に、即ち8つの加熱装置毎に昇温順序が設定されている。加熱装置の昇温順序は、例えば図10に示すように、熱処理ユニット40から熱処理ユニット41の順に昇温を行い、各熱処理ユニット40、41においては、処理レシピに設定されたウェハWの処理順序で、即ち、工程S1に用いられる加熱装置40a、工程S2に用いられる加熱装置40b、工程S3に用いられる加熱装置40c、工程S5に用いられる加熱装置40dの順に昇温を開始するように昇温開始の順序を設定している。なお熱処理ユニット42〜47についても同様である。
次に監視部152について説明する。監視部152は、昇温レシピに従って加熱装置40a〜40dの熱板112a〜112dを昇温する際に、電気ヒータ121a〜121dが接続された各相の負荷電流値を監視し、各熱板112a〜112dの昇温中に当該負荷電流値が各相における制限値を上回ることがないように、電気ヒータ121a〜121dへの電流の供給を制限する機能を有している。また、監視部152は、電気ヒータ121a〜121dのいずれかにおいて電流の供給が制限された場合に、当該電流の供給が制限された電気ヒータが接続された相以外の相において、昇温レシピに設定された昇温順序が当該電流の供給が制限された電気ヒータの次順以降に昇温される電気ヒータを昇温しても各相の電流値のバランスが崩れないか否かを判断する機能をさらに有している。そして、電流の供給が制限された相に接続された電気ヒータの次順以降に昇温される電気ヒータであって、当該電流の供給が制限された電気ヒータが接続された相以外の相への電流の供給が可能と判断した場合は、電流の供給が制限された電気ヒータへの電流の供給開始を待つことなく、次順以降の熱板を昇温する機能をさらに有する。監視部152の具体的な機能について、例えば熱処理ユニット40、41の各熱板112a〜112dに供給される電流値Pa1が一律で10アンペア(A)、熱板112a〜112dを設定温度Taに保つために供給する電流値Pa2が一律で2アンペア(A)、熱板112a〜112dの電気ヒータ121a〜121dが接続された各相の電流の制限値25アンペア(A)であるとした場合を例にして以下に説明する。
プログラム格納部151に格納されている昇温レシピに従って熱処理ユニット40〜47の加熱装置40a〜40dに設けられた各熱板112a〜112dの昇温が開始されると、図10に示すように、昇温レシピにおいて最初に昇温が開始されるように設定されている熱処理ユニット40の加熱装置40aの電気ヒータ121aに、RS相に接続された電源装置140aを介して、先ず10アンペア(A)の電流が供給される。この際監視部152は、電気ヒータ121aへの電流の供給に先立ち、電源装置140aから供給される電流値、即ちRS相の線間電流値が所定の制限値を上回っていないことを確認し、制御部150はこの監視部152による確認結果に基づいて電源装置140aからの電流の供給を開始する。
次いで監視部152は、ST相に接続された電気ヒータ121bへの電流供給に先立ち、ST相の線間電流値についてもRS相と同様に確認を行い、その後電気ヒータ121bに10アンペア(A)の電流が供給される。そして、電気ヒータ121c及び電気ヒータ121dへの電流供給の際にも同様に監視部152により線間電流値の確認が行われ、適宜電気ヒータ121c及び電気ヒータ121dへ夫々10アンペア(A)の電流が供給される。なお、熱処理ユニット40の熱板112a〜112dの昇温にあたっては、線間電流値が制限値を上回っていないため、熱板112a〜112dの電気ヒータ121a〜121dへの電流の供給は特に制限されることなく行われる。この場合、熱処理ユニット40の熱板112a〜112dの昇温は実質的に同時に開始される。
次いで、電源装置140aから熱処理ユニット40の電気ヒータ121a、121dに電流を供給した状態で、熱処理ユニット40の電気ヒータ121dの次に昇温が開始されることになる、熱処理ユニット41の電気ヒータ121aに電流を供給するにあたり、監視部152によりRS相の線間電流値の確認が行われる。この場合、熱処理ユニット40の電気ヒータ121a、121dに電流を供給した状態で熱処理ユニット41の電気ヒータ121aに電流を供給すると、RS相の線間電流値は30アンペア(A)となり制限値の25アンペア(A)を越えるため、監視部152により熱処理ユニット41の電気ヒータ121aへの電流の供給が制限される。
RS相への電流の供給が制限されると、監視部152はRS相以外の相、即ちST相及びTR相以外における線間電流値を確認し、ST相及びTR相において熱処理ユニット41の電気ヒータ121b及び121cへ夫々電流を供給しても線間電流値が制限値を越えないか否かを確認する。そして、本実施の形態においては、図11に示すように、熱処理ユニット41の電気ヒータ121b及び121cへ夫々電流を供給してもST相及びTR相へ供給される電流値は夫々20アンペア(A)であり、制限値以内となる。この場合、監視部152は、電流の供給が制限されたRS相に接続された熱処理ユニット41の電気ヒータ121aへの電流の供給開始を待つことなく、即ち熱処理ユニット41の熱板112aの昇温順序を追い越して、換言すれば熱処理ユニット41の熱板112aを飛ばして、昇温可能な熱処理ユニット41の電気ヒータ121b及び121cの昇温を開始する。このように、電流の供給が制限された電気ヒータへの電流の供給開始を待つことなく、次順以降の熱板を昇温することで、電気ヒータへの電流の供給に制限がかかった場合でも、熱板の昇温が停滞することなく続けられる。
本実施の形態に係る塗布現像処理システム1は以上のように構成されており、次に、以上のように構成された基板処理システム1で行われるウェハ処理について説明する。
塗布現像処理システム1により図7のフロー図に示される基板処理を実行するにあたり、先ず、昇温レシピに設定された順序に従って各熱処理ユニット40〜47に設けられた加熱装置40a〜40dの各熱板112a〜112dの昇温が順次開始される。
各熱板112a〜112dの昇温にあたっては、先ず熱処理ユニット40の熱板112a〜112dの昇温が昇温レシピに従って開始され、熱処理ユニット40の電気ヒータ121a〜121dに、図10に示すように電源装置140a〜140cから夫々電流が供給される。次いで、監視部152によりRS相、ST相、TR相の各相の線間電流値の確認が行われる。そして、監視部152により、熱処理ユニット41の熱板112aの昇温を開始するとRS相の線間電流値が制限値を越えると判断されると、図11に示すように監視部152により、線間電流値が制限値を越えないと判断された、昇温レシピにおいて昇温順序が次順以降に設定されているST相及びTR相の電気ヒータ121b及び121cに電流が供給される。この場合、RS相、ST相及びTR相には夫々20アンペア(A)ずつの電流が供給されている。
次いで、熱処理ユニット40の熱板112a及び熱板112dの昇温が完了し、監視部152により、熱処理ユニット41の熱板112aの昇温を開始してもRS相の線間電流値が制限値を越えることがないと判断されると、図12に示すように、熱処理ユニット41の熱板112aと同じくRS相に接続された熱板112dの昇温が開始される。
その後、熱処理ユニット41の熱板112a及び熱板112dの昇温が完了すると、昇温レシピに従って、熱処理ユニット42〜47の熱板112a〜112dの昇温が順次おこなわれ、各熱処理ユニット40〜47の全ての熱板112a〜112dの昇温が完了する。
各熱処理ユニット40〜47の全ての熱板112a〜112dの昇温が完了すると、処理レシピに基づき、ウェハWの処理が開始される。
ウェハWの処理においては、先ず、1ロットの複数枚のウェハWを収容したカセットCがカセットステーション10の所定のカセット載置板13に載置される。その後、基板搬装置21によりカセットC内の各ウェハWが順次取り出され、処理ステーション11の第3の処理装置群G3の例えば受け渡し装置53に搬送される。
次にウェハWは、ウェハ搬送装置71によって第2のブロックG2の熱処理ユニット40の加熱装置40aに搬送され、冷却板113aにより温度調節処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置71によって例えば第1のブロックG1の下部反射防止膜形成ユニット31に搬送され、ウェハW上に下部反射防止膜が形成される。その後ウェハWは、第2のブロックG2の熱処理ユニット40の加熱装置40aに搬送され、熱板112aにより加熱処理が行われる(図7の工程S1)。その後第3のブロックG3の受け渡しユニット53に戻される。
次にウェハWは、ウェハ搬送装置90によって同じ第3のブロックG3の受け渡しユニット54に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置72によって第2のブロックG2の熱処理ユニット40の加熱装置40bに搬送され、冷却板113bにより温度調節処理される。その後、ウェハWはウェハ搬送装置72によって第1のブロックG1のレジスト塗布ユニット32に搬送され、ウェハW上にレジスト膜が形成される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置72によって加熱装置40bに搬送され、熱板112bによりプリベーク処理される(図7の工程S2)。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置72によって第3のブロックG3の受け渡しユニット55に戻される。
次にウェハWは、ウェハ搬送装置90によって同じ第3のブロックG3の受け渡しユニット54に搬送される。その後ウェハWはウェハ搬送装置73によって第2のブロックG2の加熱装置40cに搬送され、冷却板113cにより温度調節処理される。その後、ウェハWはウェハ搬送装置73によって第1のブロックG1の上部反射防止膜形成装置33に搬送され、ウェハW上に上部反射防止膜が形成される(図7の工程S3)。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置73によって第3のブロックG3の受け渡しユニット56に搬送される。
次にウェハWは、ウェハ搬送装置90によって受け渡しユニット52に搬送され、シャトル搬送装置80によって第4のブロックG4の受け渡しユニット62に搬送される。その後、ウェハWは、インターフェイスステーション7のウェハ搬送装置100によって露光装置6に搬送され、露光処理される(図7の工程S4)。
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって第4のブロックG4の受け渡しユニット60に搬送される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって加熱装置40dに搬送され、露光後ベーク処理される。次いで、ウェハWは冷却板113dにより温度調節処理され、その後、ウェハ搬送装置70によって現像処理ユニット30に搬送され、現像される。現像終了後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって加熱装置40dに搬送され、ポストベーク処理される。その後、ウェハWは、冷却板113dにより冷却される(図7の工程S5)。
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡しユニット50に搬送され、その後カセットステーション4のウェハ搬送装置21によって所定の載置板14のカセットCに搬送される。こうして、一連の処理(フォトリソグラフィー処理)が終了し、ウェハW上に所定のレジストパターンが形成される。
以上の実施の形態によれば、所定の処理レシピに設定されたウェハWの処理順序に従って熱処理ユニット40〜47に設けられた複数の加熱装置40a〜40dを昇温するにあたり、加熱装置40a〜40dの熱板112a〜112dに電流を供給する交流電源140a〜140cが接続された各相の線間電流値を監視部152により監視し、線間電流値が制限値を越えることにより昇温が制限された相が生じた際に、当該昇温が制限された相以外の相において、処理レシピに設定された基板の処理順序における次順以降の加熱装置の昇温の可否を判断し、昇温が制限された相の加熱装置を飛ばして、昇温可能な相の加熱装置の昇温を行うので、通常であれば待ち状態となっている加熱装置を昇温することができる。これにより、三相交流電源の各相の線間電流の平衡を維持しつつ、塗布現像処理システム1全体として加熱装置40a〜40dの昇温時間、即ち起動時間が長くなることを防止することができる。
また、加熱装置40a〜40dの昇温において、昇温が完了した加熱装置、若しくは昇温中の加熱装置から放散する熱が、他の加熱装置に伝達されるため、各熱処理ユニット40〜47の昇温に要する時間を短縮することができる。特に、従来の昇温制御方法においては、例えば図10の状態から、熱処理ユニット41の熱板112aを昇温する場合、RS相の線間電流値が制限値を越えなくなるまで熱処理ユニット41の熱板112a〜112dの昇温を開始しないため、加熱装置間の熱伝達は、熱処理ユニット40の加熱装置40a〜40dから、熱処理ユニット41の加熱装置40a〜40dに向かって発生するのみであるが、本実施の形態にかかる昇温制御方法によれば、昇温が制限された相の加熱装置を飛ばして昇温するため、熱処理ユニット40の加熱装置40a〜40d及び熱処理ユニット41の加熱装置40b、40cから、熱処理ユニット41の加熱装置40a、40dに向かって熱伝達が生じる。したがって、従来の昇温方法を用いた場合に比べ、更に昇温に要する時間を短縮できる。
また、発明者らが検証したところによれば、例えば熱処理ユニット42から放散する熱は、熱処理ユニット41に比べ熱処理ユニット43に対してより伝達しやすい。即ち一の熱処理ユニットから放散した熱は、下方に位置する熱処理ユニットに比べ上方に位置する熱処理ユニットに対してより伝達しやすい。したがって、以上の実施の形態のように、上下方向に積層して配置された熱処理ユニット40〜47のうち、下方に配置された熱処理ユニット40の加熱装置40a〜40dから、上方に配置された熱処理ユニット43の加熱装置40a〜40dの順に昇温を行うことで、最も効率よく各熱処理ユニット40〜47の昇温を行うことができる。
なお、以上の実施の形態においては、各熱処理ユニット40〜47の昇温が全て完了した後に、ウェハWの塗布現像処理ユニット1への搬入を開始したが、全ての熱処理ユニット40〜47の昇温が完了する前にウェハWを塗布現像処理ユニット1へ搬入し、処理レシピに設定されたウェハWの処理順序に従ってウェハWが各熱処理ユニット40〜47で加熱される際、各熱処理ユニット40〜47の昇温が予め完了するように、各熱処理ユニット40〜47の昇温開始の時期を制御してもよい。
以上の実施の形態では、一つの熱板に対して一つの電気ヒータが設けられていたが、例えば図13に示すように、熱板160を同心円状の3つ領域A1〜A3に区画し、各領域に電気ヒータ161を各々設け、領域毎に温度設定可能な構成としてもよい。このように複数の領域A1〜A3を設けた熱板160を用いるとで、例えば熱板160を昇温する際に、熱板160の外側から内側へ向かって、即ち領域A1から領域A3の順に昇温を開始することができる。これにより、領域A1の熱を領域A3に向かう方向に伝達させ、熱板160の昇温に要する電力の消費量をさらに抑制することができる。なお、図11においては3つの領域A1〜A3を描図しているが、区画の数は3つに限定されるものではなく、また、区画の形状も同心円状である必要はなく、例えば、扇型状等であってもよい。
なお、以上の実施の形態における昇温レシピでは、熱処理ユニット40〜47の昇温開始の順序と処理レシピにおけるウェハWの加熱処理の順序が一致するように昇温開始の順序を設定していたが、昇温レシピに設定する昇温開始の順序としては、例えば熱板112a〜112dの昇温開始から昇温完了までの制定時間が短い順に昇温を開始するものであってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
本発明は、基板処理システム用加熱装置の昇温を行うのに有用である。
1 塗布現像処理システム
2 カセットステーション
3 処理ステーション
4 露光装置
5 インターフェイスステーション
10 カセット搬入部
11 ウェハ搬送部
12 カセット載置台
13 カセット載置板
20 搬送路
21 ウェハ搬送装置
30 現像処理ユニット
31 下部反射防止膜形成ユニット
32 レジスト塗布ユニット
33 上部反射防止膜形成ユニット
40〜47 熱処理ユニット
50〜56 受け渡しユニット
60〜62 受け渡しユニット
70〜73 ウェハ搬送装置
80 シャトル搬送装置
90 ウェハ搬送装置
100 ウェハ搬送装置
110 処理容器
111 搬入出口
112 熱板
113 冷却板
121 電気ヒータ
122 貫通孔
123 昇降ピン
124 昇降駆動機構
125 保持部材
126 サポートリング
131 貫通孔
132 昇降ピン
133 昇降駆動機構
134 保持部材
135 サポートリング
140a〜140d 電源装置
150 制御装置
151 プログラム格納部
152 監視部
160 熱板
161 電気ヒータ
W ウェハ
F カップ
D ウェハ搬送領域
C カセット

Claims (10)

  1. 所定の処理レシピに設定された順序に従って基板を処理する基板処理システムに供給される三相交流電源の各相に接続され、単相交流電源により昇温して基板を加熱する、前記基板処理システムに設置された複数の加熱装置の昇温を制御する方法であって、
    前記所定の処理レシピに設定された基板の処理順序にしたがって前記複数の加熱装置を昇温する際に、当該各加熱装置が接続された各相の線間電流値を監視し、
    前記各加熱装置の昇温中に線間電流値が制限値を上回り加熱装置の昇温が制限された相が生じた際に、当該昇温が制限された相以外の相における前記所定の処理レシピに設定された基板の処理順序において次順以降に昇温される加熱装置の昇温の可否を判断し、
    前記昇温が制限された相に接続された加熱装置を飛ばして、前記昇温が制限された相以外の相に接続された昇温可能な加熱装置の昇温を行うことを特徴とする、基板処理システム用加熱装置の昇温制御方法。
  2. 前記複数の加熱装置は上下方向に積層して配置され、
    前記処理レシピに設定された基板の処理順序は、前記複数の加熱装置のうち、下方に配置された加熱装置から上方に配置された加熱装置を用いるように設定され、
    一の前記加熱装置の昇温に伴い当該一の加熱装置から放散する熱を、他の前記加熱装置へ伝達させながら、前記複数の加熱装置の昇温を行うことを特徴とする、請求項1に記載の基板処理システム用加熱装置の昇温制御方法。
  3. 前記処理レシピに設定された基板の処理順序に従って各加熱装置が基板の加熱を行う前に、当該加熱装置の昇温が予め完了しているように当該各加熱装置の昇温を開始する時期を制御することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の基板処理システム用加熱装置の昇温制御方法。
  4. 前記複数の加熱装置は、基板を載置して加熱する加熱板を夫々備え、
    前記加熱板は複数の領域に区画され、当該領域毎に温度設定可能であり、
    前記加熱板を昇温する際に、前記加熱板の外側から当該加熱板の内側に向かう方向に熱が伝達するように前記熱処理板を昇温する、請求項1〜4のいずれかに記載の基板処理システム用加熱装置の昇温制御方法。
  5. 請求項1〜4の基板処理システム用加熱装置の昇温制御方法を基板処理システムによって実行させるために、当該基板処理システムを制御する制御装置のコンピュータ上で動作するプログラム。
  6. 請求項5に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。
  7. 所定の処理レシピに設定された順序に従って基板を処理する基板処理システムであって、
    前記基板処理システムに供給される三相交流電源の各相に接続され、単相交流電源により昇温して基板を加熱する複数の加熱装置と、
    前記所定の処理レシピに設定された基板の処理順序にしたがって前記複数の加熱装置を昇温する際に、当該各加熱装置が接続された各相の線間電流値を監視し、前記各加熱装置の昇温中に線間電流値が制限値を上回り加熱装置の昇温が制限された相が生じた際に、当該昇温が制限された相以外の相における前記所定の処理レシピに設定された基板の処理順序において次順以降に昇温される加熱装置の昇温の可否を判断する監視部と、
    前記昇温が制限された相に接続された加熱装置を飛ばして、前記昇温が制限された相以外の相に接続された昇温可能な加熱装置の昇温を行う制御部と、を有することを特徴とする、基板処理システム。
  8. 前記複数の加熱装置は上下方向に積層して配置され、
    前記処理レシピに設定された基板の処理順序は、前記複数の加熱装置のうち、下方に配置された加熱装置から上方に配置された加熱装置を用いるように設定されていることを特徴とする、請求項7に記載の基板処理システム。
  9. 前記制御部は、前記処理レシピに設定された基板の処理順序に従って各加熱装置が基板の加熱を行う前に、当該各加熱装置の昇温が予め完了するように当該各加熱装置の昇温の開始時期をさらに制御することを特徴とする、請求項8に記載の基板処理システム。
  10. 前記複数の加熱装置は、前記基板を載置して加熱する加熱板を夫々備え、
    前記加熱板は複数の領域に区画され、当該領域毎に温度設定可能であり、
    前記制御部は、前記加熱板を昇温する際に、前記加熱板の外周部から当該加熱板の内側に向かう方向に熱が伝達するように前記熱処理板を昇温する制御をさらに行うことを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載の基板処理システム。


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