JP2004241745A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】三相交流電源等の多相電源のバランス悪化を解決し、多相電力のそれぞれの相の電力が同じ値となるように加熱できる基板処理装置を提供する。
【解決手段】ゾーン1、2、3のヒータ401、402、403をそれぞれ負荷A、B、Cにそれぞれ等分し、ヒータ401A(ゾーン1負荷A)、ヒータ401B(ゾーン1負荷B)、ヒータ401C(ゾーン1負荷C)、ヒータ402A(ゾーン2負荷A)、ヒータ402B(ゾーン2負荷B)、ヒータ402C(ゾーン2負荷C)、ヒータ403A(ゾーン3負荷A)、ヒータ403B(ゾーン3負荷B)、ヒータ403C(ゾーン3負荷C)とする。各ゾーン1、2、3のヒータ401、402、403は各ゾーン内でそれぞれ同一の制御指示値で制御し、各ゾーン1、2、3に等分した負荷A、B、Cに、3相電力のそれぞれの相L1、L2、L3の電力をそれぞれ供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】ゾーン1、2、3のヒータ401、402、403をそれぞれ負荷A、B、Cにそれぞれ等分し、ヒータ401A(ゾーン1負荷A)、ヒータ401B(ゾーン1負荷B)、ヒータ401C(ゾーン1負荷C)、ヒータ402A(ゾーン2負荷A)、ヒータ402B(ゾーン2負荷B)、ヒータ402C(ゾーン2負荷C)、ヒータ403A(ゾーン3負荷A)、ヒータ403B(ゾーン3負荷B)、ヒータ403C(ゾーン3負荷C)とする。各ゾーン1、2、3のヒータ401、402、403は各ゾーン内でそれぞれ同一の制御指示値で制御し、各ゾーン1、2、3に等分した負荷A、B、Cに、3相電力のそれぞれの相L1、L2、L3の電力をそれぞれ供給する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板処理装置に関し、特に半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の基板処理装置として、例えば、加熱部の各ゾーン(同一の制御指示値の領域)毎に三相電力の各相を接続し各ゾーン毎に別の制御指示値で制御するものがあった。
【0003】
以下、図面を参照して従来の基板処理装置例について説明する。
図8は従来の基板処理装置のヒータ部を示す概略図であり、図8Aは概略縦断面図、図8Bは概略横断面図である。
【0004】
チャンバ225内部には、基板200を載置する載置台217と基板200を加熱するヒータアッセンブリ400を装備している。ヒータアセンブリ400はゾーン1(ヒータ401)、ゾーン2(ヒータ402)、ゾーン3(ヒータ403)に分割されており、ゾーンによってヒータの容量(最大電力)は異なる。
【0005】
図9は、従来の基板処理装置のヒータ制御例を示す概略図である。三相交流電源のL1相はSSRなどの電力制御器を介してヒータ401(ゾーン1)に接続されている。同様にL2相はヒータ(ゾーン2)402に、L3相はヒータ403(ゾーン3)に接続されている。また、コントローラ310から各電力制御器351、352、353へ各ゾーンのヒータ401、402、403への制御指示値が出力されている。制御指示値はゾーン間で異なる。
【0006】
このような従来の基板処理装置では、ヒータの容量や制御指示値がゾーン間で異なることにより、三相交流電源のバランスを悪化(L1相電流≠L2相電流≠L3相電流)し、欠相を起し装置を停止するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術の問題点である三相交流電源等の多相電源のバランス悪化を解決し、L1相電流、L2相電流、L3相電流等の多相電力のそれぞれの相の電力が同じ値となるように加熱できる基板処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
基板を加熱し、前記基板に所定の処理を行う基板処理装置であって、
同一の制御指示値の領域を1つ以上有する加熱部と、
前記領域にそれぞれ等分可能な負荷とを備え、
前記各領域に等分した前記負荷に、多相電力のそれぞれの相の電力、または前記多相電力から変換した第2の多相電力のそれぞれの相の電力を供給することを特徴とする基板処理装置が提供される。
加熱部は、同一の制御指示値の領域を複数備えることが好ましい。
【0009】
また、本発明によれば、
基板を加熱し、前記基板に所定の処理を行う基板処理装置であって、
同一の制御指示値の領域(ゾーン)を1つ以上備える加熱部と、
前記領域の各々内に複数等分可能な負荷(ヒータ、ランプなどの単体または集合体)とを備え、
各ゾーン内でそれぞれ等分した負荷に、多相電力のそれぞれの相の電力を供給することを特徴とする基板処理装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
基板を加熱し、基板に所定の処理を行う基板処理装置であって、
三相電力を2つの相の電力に変換するトランスフォーマと、
同一の制御指示値の領域(ゾーン)を1つ以上備える加熱部と、
各ゾーン内に略2等分可能な負荷(ヒータ、ランプなどの単体または集合体)とを備え、
各ゾーン内でそれぞれ略2等分した負荷に、前記トランスフォーマで変換後の2つの相の電力のそれぞれの相の電力を供給することを特徴とする基板処理装置が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態の基板処理装置は、ヒータ、ランプなどの加熱部の各ゾーン(同一の制御指示値の領域)を2または3の負荷(ヒータ、ランプなどの単体または集合体)に分割し、三相交流電力の各相をバランスよく使用するものである。
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して、より詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態の基板処理装置のヒータ部を示す概略図であり、図1Aは概略縦断面図、図1Bは概略横断面図である。
【0014】
チャンバ225の内部には、ウエハ等の基板200を載置する載置台217と、基板200を加熱するヒータアッセンブリ400とを装備している。ヒータアッセンブリ400はゾーン1、ゾーン2、ゾーン3に分割され、さらに負荷A、負荷B、負荷Cで分割されている。ここで、ゾーンとはコントローラ310からの同一制御指示値の領域を示す。ゾーン1(負荷A+負荷B+負荷C)とゾーン2(負荷A+負荷B+負荷C)とゾーン3(負荷A+負荷B+負荷C)のヒータ容量は異なる。各ゾーン内での負荷A、負荷B、負荷Cの容量は、ほぼ同一である。
【0015】
図2は本発明の基板処理装置のヒータ制御例を説明するための図である。三相交流電源のL1相はSSRなどの電力制御器を通ってヒータ401A(ゾーン1負荷A)、ヒータ402A(ゾーン2 負荷A)、ヒータ403A(ゾーン3負荷A)に接続されている。同様にL2相はヒータ401B(ゾーン1 負荷B)、ヒータ402B(ゾーン2 負荷B)、ヒータ403B(ゾーン3 負荷B)に、L3相はヒータ401C(ゾーン1 負荷C)、ヒータ402C(ゾーン2 負荷C)、ヒータ403C(ゾーン3 負荷C)に接続されている。また、コントローラ310からヒータ401(ゾーン1)の3つの電力制御器351A、351B、351Cへゾーン1の制御指示値311が出力されている。同様にヒータ402(ゾーン2)の3つの電力制御器へゾーン2の制御指示値312が、ヒータ403(ゾーン3)の3つの電力制御器へゾーン3の制御指示値313が出力されている。制御指示値は、ゾーン間で異なるが、各ゾーン内の負荷間では同一である。
【0016】
各ゾーン内での負荷A、負荷B、負荷Cの容量がほぼ同一であることと、各ゾーン内での負荷A、負荷B、負荷Cの制御指示値が同一であることにより、三相交流電源をバランスよく(L1相電流=L2相電流=L3相電流)使用することができる。
【0017】
(第2の実施の形態)
加熱部の構造上、1ゾーン内の負荷を2分割しかできない場合がある。以下、1ゾーン内の負荷分割数を2とした場合の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図3は、本発明の第2の実施の形態の基板処理装置の加熱部を示す概略斜視図である。加熱手段は棒状ハロゲンランプである。上ランプ郡207と下ランプ郡223でヒータアッセンブリ500を構成している。それぞれのランプ郡でゾーンは4つに分割されている。上ランプ郡207の3または6本のランプ負荷と、下ランプ郡223の3または6本のランプ負荷で1つのゾーンを形成している。
【0019】
すなわち、上ランプ郡207は、一番外側のランプ207−1A(ゾーン1 負荷A)、その内側のランプ207−2A(ゾーン2 負荷A)、さらにその内側のランプ207−3A(ゾーン3 負荷A)および中央のランプ207−4A(ゾーン4 負荷A)から構成され、ランプ207−1A(ゾーン1 負荷A)、ランプ207−2A(ゾーン2 負荷A)およびランプ207−3A(ゾーン3 負荷A)はそれぞれ6本のランプ負荷を備え、中央のランプ207−4A(ゾーン4 負荷A)は3本のランプ負荷を備えている。下ランプ郡223は、一番外側のランプ223−1B(ゾーン1 負荷B)、その内側のランプ223−2B(ゾーン2 負荷B)、さらにその内側のランプ223−3B(ゾーン3 負荷B)および中央のランプ223−4B(ゾーン4 負荷B)から構成され、ランプ223−1B(ゾーン1 負荷B)、ランプ223−2B(ゾーン2 負荷B)およびランプ223−3B(ゾーン3 負荷B)はそれぞれ6本のランプ負荷を備え、中央のランプ223−4B(ゾーン4 負荷B)は3本のランプ負荷を備えている。
【0020】
1つのゾーン内の上ランプ郡207のランプ負荷と、下ランプ郡223のランプ負荷は、ほぼ同じ容量(最大電力)である。1つのゾーン内が同一の2負荷であるため、三相交流電源を2つの相の交流電源に変換する必要がある。なお、三相交流電源をバランス良く単相電源に変換することは不可能であるので、2つの相の交流電源に変換している。
【0021】
図4は、本発明の第2の実施の形態の基板処理装置のランプ制御方法を説明するための概略図である。
【0022】
上ランプ郡207が負荷A、下ランプ郡223が負荷Bを示す。三相交流電源をスコットトランスフォーマにより位相が90度異なる2つの相の電力に変換する。変換後のL1’相はSSRなどの電力制御器を通ってランプ207−1A(ゾーン1 負荷A)、ランプ207−2A(ゾーン2 負荷A)、ランプ2073−A(ゾーン3 負荷A)およびランプ207−4A(ゾーン4 負荷A)に接続されている。同様に、L2’相はランプ223−1B(ゾーン1 負荷B)、ランプ223−2B(ゾーン2 負荷B)、223−2Cランプ(ゾーン3 負荷B)およびランプ223−4B(ゾーン4 負荷B)に接続されている。また、コントローラ310からランプ207−1Aおよび223−1B(ゾーン1)の2つの電力制御器361Aおよび361Bへゾーン1の制御指示値321が別々に出力されている。同様に、ランプ207−2Aおよび223−2B(ゾーン2)の2つの電力制御器362Aおよび362Bへゾーン2の制御指示値322が、ランプ207−3Aおよび223−3B(ゾーン3)の2つの電力制御器363Aおよび363Bへゾーン3の制御指示値323が、ランプ207−4Aおよび223−4B(ゾーン4)の2つの電力制御器364Aおよび364Bへゾーン4の制御指示値324が別々に出力されている。制御指示値は、ゾーン間で異なるが、各ゾーン内の負荷間では同一である。
【0023】
各ゾーン間での負荷A、負荷Bの容量がほぼ同一であることと、各ゾーン内での負荷A、負荷Bの制御指示値が同一であることにより、位相が90度異なる2つの相の電力をバランスよく(L1’相電流=L2’相電流)使用することができる。これにより、三相交流電源をバランスよく(L1相電流=L2相電流=L3相電流)使用することができる。
【0024】
以上、本発明を実施することにより、三相交流電源をバランスよく(L1相電流=L2相電流=L3相電流)使用することができ、欠相や装置停止を防ぐことを可能にする点で、実用上極めて大きな効果がある。
【0025】
次に、図5および図6を参照して、本発明が適用される基板処理装置の概要を説明する。
【0026】
なお、本発明が適用される基板処理装置においてはウエハなどの基板を搬送するキャリヤとしては、FOUP(front opening unifiedpod。以下、ポッドという。)が使用されている。また、以下の説明において、前後左右は図5を基準とする。すなわち、図5が示されている紙面に対して、前は紙面の下、後は紙面の上、左右は紙面の左右とする。
【0027】
図5および図6に示されているように、基板処理装置は真空状態などの大気圧未満の圧力(負圧)に耐えるロードロックチャンバ構造に構成された第1の搬送室103を備えており、第1の搬送室103の筐体101は平面視が六角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。第1の搬送室103には負圧下でウエハ200を移載する第1のウエハ移載機112が設置されている。前記第1のウエハ移載機112は、エレベータ115によって、第1の搬送室103の気密性を維持しつつ昇降できるように構成されている。
【0028】
筐体101の六枚の側壁のうち前側に位置する2枚の側壁には、搬入用の予備室122と搬出用の予備室123とがそれぞれゲートバルブ244、127を介して連結されており、それぞれ負圧に耐え得るロードロックチャンバ構造に構成されている。さらに、予備室122には搬入室用の基板置き台140が設置され、予備室123には搬出室用の基板置き台141が設置されている。
【0029】
予備室122および予備室123の前側には、略大気圧下で用いられる第2の搬送室121がゲートバルブ128、129を介して連結されている。第2の搬送室121にはウエハ200を移載する第2のウエハ移載機124が設置されている。第2のウエハ移載機124は第2の搬送室121に設置されたエレベータ126によって昇降されるように構成されているとともに、リニアアクチュエータ132によって左右方向に往復移動されるように構成されている。
【0030】
図5に示されているように、第2の搬送室121の左側にはオリフラ合わせ装置106が設置されている。また、図6に示されているように、第2の搬送室121の上部にはクリーンエアを供給するクリーンユニット118が設置されている。
【0031】
図5および図6に示されているように、第2の搬送室121の筐体125には、ウエハ200を第2の搬送室121に対して搬入搬出するためのウエハ搬入搬出口134と、ウエハ搬入搬出口を閉塞する蓋142と、ポッドオープナ108がそれぞれ設置されている。ポッドオープナ108は、IOステージ105に載置されたポッド100のキャップ及びウエハ搬入搬出口134を閉塞する蓋142を開閉するキャップ開閉機構136とを備えており、IOステージ105に載置されたポッド100のキャップ及びウエハ搬入搬出口134を閉塞する蓋142をキャップ開閉機構136によって開閉することにより、ポッド100のウエハ出し入れを可能にする。また、ポッド100は図示しない工程内搬送装置(RGV)によって、前記IOステージ105に、供給および排出されるようになっている。
【0032】
図5に示されているように、筐体101の六枚の側壁のうち背面側に位置する2枚の側壁には、ウエハに所望の処理を行う第1の処理炉202と、第2の処理炉137とがそれぞれ隣接して連結されている。第1の処理炉202および第2の処理炉137はいずれもコールドウォール式の処理炉によってそれぞれ構成されている。また、筐体101における六枚の側壁のうちの残りの互いに対向する2枚の側壁には、第3の処理炉としての第1のクーリングユニット138と、第4の処理炉としての第2のクーリングユニット139とがそれぞれ連結されており、第1のクーリングユニット138および第2のクーリングユニット139はいずれも処理済みのウエハ200を冷却するように構成されている。
【0033】
以下、上記構成をもつ基板処理装置を使用した処理工程を説明する。
【0034】
未処理のウエハ200は25枚がポッド100に収納された状態で、処理工程を実施する基板処理装置へ工程内搬送装置によって搬送されて来る。図5および図6に示されているように、搬送されて来たポッド100はIOステージ105の上に工程内搬送装置から受け渡されて載置される。ポッド100のキャップ及びウエハ搬入搬出口134を開閉する蓋142がキャップ開閉機構136によって取り外され、ポッド100のウエハ出し入れ口が開放される。
【0035】
ポッド100がポッドオープナ108により開放されると、第2の搬送室121に設置された第2のウエハ移載機124はポッド100からウエハ200をピックアップし、予備室122に搬入し、ウエハ200を基板置き台140に移載する。この移載作業中には、第1の搬送室103側のゲートバルブ244は閉じられており、第1の搬送室103の負圧は維持されている。ウエハ200の基板置き台140への移載が完了すると、ゲートバルブ128が閉じられ、予備室122が排気装置(図示せず)によって負圧に排気される。
【0036】
予備室122が予め設定された圧力値に減圧されると、ゲートバルブ244、130が開かれ、予備室122、第1の搬送室103、第1の処理炉202が連通される。続いて、第1の搬送室103の第1のウエハ移載機112は基板置き台140からウエハ200をピックアップして第1の処理炉202に搬入する。そして、第1の処理炉202内に処理ガスが供給され、所望の処理がウエハ200に行われる。
【0037】
第1の処理炉202で前記処理が完了すると、処理済みのウエハ200は第1の搬送室103の第1のウエハ移載機112によって第1の搬送室103に搬出される。
【0038】
そして、第1のウエハ移載機112は第1の処理炉202から搬出したウエハ200を第1のクーリングユニット138へ搬入し、処理済みのウエハを冷却する。
【0039】
第1のクーリングユニット138にウエハ200を移載すると、第1のウエハ移載機112は予備室122の基板置き台140に予め準備されたウエハ200を第1の処理炉202に前述した作動によって移載し、第1の処理炉202内に処理ガスが供給され、所望の処理がウエハ200に行われる。
【0040】
第1のクーリングユニット138において予め設定された冷却時間が経過すると、冷却済みのウエハ200は第1のウエハ移載機112によって第1のクーリングユニット138から第1の搬送室103に搬出される。
【0041】
冷却済みのウエハ200が第1のクーリングユニット138から第1の搬送室103に搬出されたのち、ゲートバルブ127が開かれる。そして、第1のウエハ移載機112は第1のクーリングユニット138から搬出したウエハ200を予備室123へ搬送し、基板置き台141に移載した後、予備室123はゲートバルブ127によって閉じられる。
【0042】
予備室123がゲートバルブ127によって閉じられると、前記排出用予備室123内が不活性ガスにより略大気圧に戻される。前記予備室123内が略大気圧に戻されると、ゲートバルブ129が開かれ、第2の搬送室121の予備室123に対応したウエハ搬入搬出口134を閉塞する蓋142と、IOステージ105に載置された空のポッド100のキャップがポッドオープナ108によって開かれる。続いて、第2の搬送室121の第2のウエハ移載機124は基板置き台141からウエハ200をピックアップして第2の搬送室121に搬出し、第2の搬送室121のウエハ搬入搬出口134を通じてポッド100に収納して行く。処理済みの25枚のウエハ200のポッド100への収納が完了すると、ポッド100のキャップとウエハ搬入搬出口134を閉塞する蓋142がポッドオープナ108によって閉じられる。閉じられたポッド100はIOステージ105の上から次の工程へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。
【0043】
以上の作動が繰り返されることにより、ウエハが、順次、処理されて行く。以上の作動は第1の処理炉202および第1のクーリングユニット138が使用される場合を例にして説明したが、第2の処理炉137および第2のクーリングユニット139が使用される場合についても同様の作動が実施される。
【0044】
なお、上述の基板処理装置では、予備室122を搬入用、予備室123を搬出用としたが、予備室123を搬入用、予備室122を搬出用としてもよい。また、第1の処理炉202と第2の処理炉137は、それぞれ同じ処理を行ってもよいし、別の処理を行ってもよい。第1の処理炉202と第2の処理炉137で別の処理を行う場合、例えば第1の処理炉202でウエハ200にある処理を行った後、続けて第2の処理炉137で別の処理を行わせてもよい。また、第1の処理炉202でウエハ200にある処理を行った後、第2の処理炉137で別の処理を行わせる場合、第1のクーリングユニット138(又は第2のクーリングユニット139)を経由するようにしてもよい。
【0045】
図7を参照し、本発明が適用される基板処理装置で好適に用いられる処理炉を詳細に説明する。
【0046】
処理炉はその全体が符号202で示される。例示の様態においては、処理炉202は、半導体ウエハ等の基板200(以下、ウエハという。)の様々な処理工程を実行するのに適した枚葉式の処理炉である。また処理炉202は、特に半導体ウエハの熱処理に適している。こうした熱処理の例としては、半導体デバイスの処理における、半導体ウエハの熱アニール、ホウ素−リンから成るガラスの熱リフロー、高温酸化膜、低温酸化膜、高温窒化膜、ドープポリシリコン、未ドープポリシリコン、シリコンエピタキシャル、タングステン金属、又はケイ化タングステンから成る薄膜を形成するための化学蒸着が挙げられる。
【0047】
処理炉202は、回転筒279に囲まれた上ランプ207群および下ランプ群223から成るヒータアッセンブリ500を含む。このヒータアッセンブリ500は、基板温度がほぼ均一になるように放射熱をウエハ200に供給する。好ましい形態においては、ヒータアッセンブリ500は、放射ピーク0.95ミクロンで照射し、複数の加熱ゾーンを形成し、ウエハ中心部より多くの熱を基板周辺部に加える集中的加熱プロファイルを提供する一連のタングステン−ハロゲン直線ランプ207、223等の加熱要素を含む。
【0048】
上ランプ207群および下ランプ223群にはそれぞれ電極224が接続され、各ランプに電力を供給するとともに、各ランプの加熱具合は主制御部300に支配される加熱制御部301にて制御されている。
【0049】
ヒータアッセンブリ500は、平ギア277に機械的に接続された回転筒279内に収容されている。この回転筒279は、セラミック、グラファイト、より好ましくはシリコングラファイトで被覆したグラファイト等から成る。ヒータアッセンブリ500、回転筒279は、チャンバ本体227内に収容されて真空密封され、更にチャンバ本体227のチャンバ底228の上に保持される。チャンバ本体227は様々な金属材料から形成することができる。例えば、幾つかのアプリケーションではアルミニウムが適しており、他のアプリケーションではステンレス鋼が適している。材料の選択は、当業者であれば分かるように、蒸着処理に用いられる化学物質の種類、及び選択された金属に対するこれら化学物質の反応性に左右される。通常前記チャンバ壁は、本技術分野では周知であるように、周知の循環式冷水フローシステムにより華氏約45〜47度まで水冷される。
【0050】
回転筒279は、チャンバ底228の上に回転自在に保持される。具体的には、平ギア276、277とがボールベアリング278によりチャンバ底228に回転自在に保持され、平ギア276と平ギア277とは噛み合うように配置されている。更に、平ギア276は主制御部にて支配される駆動制御部304にて制御されるサセプタ駆動機構267にて回転せしめられ、平ギア276、平ギア277を介して回転筒279を回転させている。回転ベース18の回転速度は、当業者であれば分かるように、個々の処理に応じて5〜60rpmであることが好ましい。
【0051】
処理炉202は、チャンバ本体227、チャンバ蓋226およびチャンバ底228から成るチャンバ225を有し、チャンバ225にて囲われた空間にて処理室201を形成している。
【0052】
ウエハ200は、円周方向において複数に分割された(実施例においては4つに分割)炭化ケイ素で被覆したグラファイト、クォーツ、純炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、アルミニウム、又は鋼等の好適な材料から成る基板保持手段であるサセプタ217の上に保持される。
【0053】
なお、サセプタ217は円形形状をしており、具体的には中心のサセプタは円板状形状であり、それ以外はドーナッツ形の平板形状であって、回転筒279にて支持されている。
【0054】
チャンバ蓋226にはガス供給管232が貫通して設けられ、処理室201に処理ガス230を供給し得るようになっている。ガス供給管232は、開閉バルブ243、流量制御手段であるマスフローコントローラ(以下、MFCという。)241を介し、ガスA、ガスBのガス源に接続されている。ここで使用されるガスは、窒素等の不活性ガスや水素、アルゴン、六フッ化タングステン等の所望のガスが用いられ、ウエハ200上に所望の膜を形成させて半導体装置を形成されるものである。
【0055】
また、開閉バルブ243およびMFC241は、主制御部300にて支配されるガス制御部302にて制御され、ガスの供給、停止およびガスの流量が制御される。
【0056】
なお、ガス供給管232から供給された処理ガス230は処理室201内にてウエハ200と反応し、残余ガスはチャンバ本体227に設けられた排気口であるガス排気口235から図示しない真空ポンプ等からなる排気装置を介し、処理室外へ排出される。
【0057】
処理炉202は、様々な製造工程においてウエハ200の放射率(エミシビティ)を測定し、その温度を計算するための非接触式の放射率測定手段をも含む。この放射率測定手段は、主として放射率測定用プローブ260、放射率測定用リファレンスランプ(参照光)265、温度検出部303およびプローブ260と温度検出部303とを結ぶ光ファイバー通信ケーブルを含む。このケーブルはサファイア製の光ファイバー通信ケーブルから成ることが好ましい。
【0058】
プローブ260はプローブ回転機構274により回転自在に設けられ、プローブ260の一端をウエハ200または参照光であるリファレンスランプ265の方向に方向付けられる。また、プローブ260は光ファイバー通信ケーブルとスリップ結合にて結合されているので、前述したようにプローブ260が回転しても接続状態は維持される。
【0059】
即ち、プローブ回転機構274は放射率測定用プローブ260を回転させ、これによりプローブ260の先端が放射率測定用リファレンスランプ265に向けてほぼ上側に向けられる第1ポジションと、プローブ260がウエハ200に向けてほぼ下側に向けられる第2ポジションとのプローブ260の向きが変えられる。従って、プローブ260の先端は、プローブ260の回転軸に対し直角方向に向けられていることが好ましい。このようにして、プローブ260はリファレンスランプ265から放射された光子の密度とウエハ200から反射された光子の密度を検知することができる。リファレンスランプ265は、ウエハ200における光の透過率が最小となる波長、好ましくは0.95ミクロンの波長の光を放射する白色光源から成ることが好ましい。上述の放射率測定手段は、リファレンスランプ265からの放射とウエハ200からの放射を比較することにより、ウエハ200の放射率を測定する。
【0060】
ヒータアッセンブリは回転筒279、サセプタ217およびウエハ200に完全に包囲されているので、放射率測定用プローブ260による読み取りに影響を与え得るヒータアッセンブリから処理室201への光の漏れはない。
【0061】
仕切弁であるゲートバルブ244を開放し、チャンバ本体227に設けられたウエハ搬入搬出口247を通ってウエハ(基板)200を処理室201内に搬入し、ウエハ200をサセプタ217上に配置後、サセプタ回転機構(回転手段)267は処理中に回転筒279とサセプタ217を回転させる。ウエハ200の放射率の測定時には、プローブ260はウエハ200の真上のリファレンスランプ265に向くように回転し、リファレンスランプ265が点灯する。そして、プローブ260はリファレンスランプ265からの入射光子密度を測定する。リファレンスランプ265が点灯している間、プローブ260は第1ポジションから第2ポジションへと回転し、回転している間にリファレンスランプ265真下のウエハ200に向く。このポジションにおいて、プローブ260はウエハ200のデバイス面(ウエハ200の表面)の反射光子密度を測定する。続いてリファレンスランプ265が消灯される。ウエハ200に直接向いている間、プローブ260は、加熱されたウエハ200からの放射光子を測定する。プランクの法則によれば、特定の表面に放出されたエネルギーは表面温度の四乗に関係する。その比例定数はシュテファン・ボルツマン定数と表面放射率との積から成る。従って、非接触法における表面温度の決定時には、表面放射率を使用するのが好ましい。以下の式を用いてウエハ200のデバイス面の全半球反射率を計算し、引き続きキルヒホッフの法則により放射率が得られる。
(1)ウエハ反射率=反射光強度/入射光強度
(2)放射率=(1−ウエハ反射率)
【0062】
一旦ウエハの放射率が得られると、プランクの式からウエハ温度が得られる。この技法は、ウエハが高温で、且つこのような適用において上記計算の実行前に基本熱放射が減算される場合にも用いられる。プローブ260は、第2ポジション即ちウエハに向けられるポジションに留まって、リファレンスランプ265の点灯時には常に放射率データを提供し続けることが好ましい。
【0063】
ウエハ200は回転しているので、プローブ260は、その回転中にウエハ200のデバイス面から反射される光子密度を測定し、基板にリトグラフされるであろう変化するデバイス構造の平均表面トポロジーからの反射を測定する。また放射率測定は薄膜蒸着過程を含む処理サイクルにわたって行われるので、放射率の瞬時の変化がモニターされ、温度補正が動的且つ連続的に行われる。
【0064】
処理炉202は更に温度検出手段である複数の温度測定用プローブ261を含む。これらのプローブ261はチャンバ蓋226に固定され、すべての処理条件においてウエハ200びデバイス面から放射される光子密度を常に測定する。プローブ261によって測定された光子密度に基づき温度検出部303にてウエハ温度に算出され、主制御部300にて設定温度と比較される。主制御部300は比較の結果、あらゆる偏差を計算し、加熱制御部301を介してヒータアッセンブリ500内の加熱手段である上ランプ207群、下ランプ群223の複数のゾーンへの電力供給量を制御する。好ましくは、ウエハ200の異なる部分の温度を測定するために位置決めされた3個のプローブ261を含む。これによって処理サイクル中の温度の均一性が確保される。
【0065】
なお、温度測定用プローブ261にて算出されたウエハ温度は、放射率測定用プローブ260にて算出されたウエハ放射率により、補正されることでより正確なウエハ温度の検出を可能としている。
【0066】
ウエハ200の処理後、ウエハ200は、複数の突上げピン266によりサセプタ217の真中にあるサセプタとともに真中以外のサセプタから持ち上げられ、処理炉202内でウエハ200を自動的にローディング及びアンローディングできるようにするために、ウエハ200の下に空間を形成する。突上げピン266は駆動制御部304の制御のもと、昇降機構275によって上下する。
【0067】
なお、上記においては、第2の実施の形態のヒータアセンブリ500を例にして、本発明が適用される基板処理装置で好適に用いられる処理炉を説明したが、第1の実施の形態のヒータアセンブリ400を使用した場合も同様である。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、多相電源のバランス悪化を解決し、多相電力のそれぞれの相の電力が同じ値となるように加熱できる基板処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の基板処理装置のヒータ部を示す概略図であり、図1Aは概略縦断面図、図1Bは概略横断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の基板処理装置のヒータ制御方法を説明するための概略図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の基板処理装置の加熱部を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の基板処理装置のランプ制御方法を説明するための概略図である。
【図5】本発明が好適に適用される基板処理装置の一例の概略横断面図である。
【図6】本発明が好適に適用される基板処理装置の一例の概略縦断面図である。
【図7】本発明で好適に用いられる処置室を説明するための概略縦断面図である。
【図8】従来の基板処理装置のヒータ部を示す概略図であり、図8Aは概略縦断面図、図8Bは概略横断面図である。
【図9】従来の基板処理装置のヒータ制御例を示す概略図である。
【符号の説明】
200…ウエハ
201…処理室
202…処理炉
207…上側ランプ群
207−1A…上側ランプ(ゾーン1負荷A)
207−2A…上側ランプ(ゾーン2負荷A)
207−3A…上側ランプ(ゾーン2負荷A)
207−4A…上側ランプ(ゾーン2負荷A)
217…サセプタ
223…下側ランプ群
223−1B…下側ランプ(ゾーン1負荷B)
223−2B…下側ランプ(ゾーン2負荷B)
223−3B…下側ランプ(ゾーン3負荷B)
223−4B…下側ランプ(ゾーン4負荷B)
225…チャンバ
300…主制御部
301…加熱制御部
302…ガス制御部
303…温度検出部
304…駆動制御部
310…コントローラ
311…ゾーン1制御指示値
312…ゾーン2制御指示値
313…ゾーン3制御指示値
321…ゾーン1制御指示値
322…ゾーン2制御指示値
323…ゾーン3制御指示値
324…ゾーン4制御指示値
330…三相交流電源
351、352、353、351A、351B、351C、352A、352B、352C、353A、353B、353C…電力制御器
360、361A、361B、362A、362B、363A、363B、364A、364B…電力制御器
370…トランスフォーマ
400…ヒータアッセンブリ
401…ヒータ(ゾーン1)
401A…ヒータ(ゾーン1負荷A)
401B…ヒータ(ゾーン1負荷B)
401C…ヒータ(ゾーン1負荷C)
402…ヒータ(ゾーン2)
402A…ヒータ(ゾーン2負荷A)
402B…ヒータ(ゾーン2負荷B)
402C…ヒータ(ゾーン2負荷C)
403…ヒータ(ゾーン3)
403A…ヒータ(ゾーン3負荷A)
403B…ヒータ(ゾーン3負荷B)
403C…ヒータ(ゾーン3負荷C)
500…ヒータアッセンブリ
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板処理装置に関し、特に半導体製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の基板処理装置として、例えば、加熱部の各ゾーン(同一の制御指示値の領域)毎に三相電力の各相を接続し各ゾーン毎に別の制御指示値で制御するものがあった。
【0003】
以下、図面を参照して従来の基板処理装置例について説明する。
図8は従来の基板処理装置のヒータ部を示す概略図であり、図8Aは概略縦断面図、図8Bは概略横断面図である。
【0004】
チャンバ225内部には、基板200を載置する載置台217と基板200を加熱するヒータアッセンブリ400を装備している。ヒータアセンブリ400はゾーン1(ヒータ401)、ゾーン2(ヒータ402)、ゾーン3(ヒータ403)に分割されており、ゾーンによってヒータの容量(最大電力)は異なる。
【0005】
図9は、従来の基板処理装置のヒータ制御例を示す概略図である。三相交流電源のL1相はSSRなどの電力制御器を介してヒータ401(ゾーン1)に接続されている。同様にL2相はヒータ(ゾーン2)402に、L3相はヒータ403(ゾーン3)に接続されている。また、コントローラ310から各電力制御器351、352、353へ各ゾーンのヒータ401、402、403への制御指示値が出力されている。制御指示値はゾーン間で異なる。
【0006】
このような従来の基板処理装置では、ヒータの容量や制御指示値がゾーン間で異なることにより、三相交流電源のバランスを悪化(L1相電流≠L2相電流≠L3相電流)し、欠相を起し装置を停止するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来技術の問題点である三相交流電源等の多相電源のバランス悪化を解決し、L1相電流、L2相電流、L3相電流等の多相電力のそれぞれの相の電力が同じ値となるように加熱できる基板処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
基板を加熱し、前記基板に所定の処理を行う基板処理装置であって、
同一の制御指示値の領域を1つ以上有する加熱部と、
前記領域にそれぞれ等分可能な負荷とを備え、
前記各領域に等分した前記負荷に、多相電力のそれぞれの相の電力、または前記多相電力から変換した第2の多相電力のそれぞれの相の電力を供給することを特徴とする基板処理装置が提供される。
加熱部は、同一の制御指示値の領域を複数備えることが好ましい。
【0009】
また、本発明によれば、
基板を加熱し、前記基板に所定の処理を行う基板処理装置であって、
同一の制御指示値の領域(ゾーン)を1つ以上備える加熱部と、
前記領域の各々内に複数等分可能な負荷(ヒータ、ランプなどの単体または集合体)とを備え、
各ゾーン内でそれぞれ等分した負荷に、多相電力のそれぞれの相の電力を供給することを特徴とする基板処理装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
基板を加熱し、基板に所定の処理を行う基板処理装置であって、
三相電力を2つの相の電力に変換するトランスフォーマと、
同一の制御指示値の領域(ゾーン)を1つ以上備える加熱部と、
各ゾーン内に略2等分可能な負荷(ヒータ、ランプなどの単体または集合体)とを備え、
各ゾーン内でそれぞれ略2等分した負荷に、前記トランスフォーマで変換後の2つの相の電力のそれぞれの相の電力を供給することを特徴とする基板処理装置が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態の基板処理装置は、ヒータ、ランプなどの加熱部の各ゾーン(同一の制御指示値の領域)を2または3の負荷(ヒータ、ランプなどの単体または集合体)に分割し、三相交流電力の各相をバランスよく使用するものである。
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して、より詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態の基板処理装置のヒータ部を示す概略図であり、図1Aは概略縦断面図、図1Bは概略横断面図である。
【0014】
チャンバ225の内部には、ウエハ等の基板200を載置する載置台217と、基板200を加熱するヒータアッセンブリ400とを装備している。ヒータアッセンブリ400はゾーン1、ゾーン2、ゾーン3に分割され、さらに負荷A、負荷B、負荷Cで分割されている。ここで、ゾーンとはコントローラ310からの同一制御指示値の領域を示す。ゾーン1(負荷A+負荷B+負荷C)とゾーン2(負荷A+負荷B+負荷C)とゾーン3(負荷A+負荷B+負荷C)のヒータ容量は異なる。各ゾーン内での負荷A、負荷B、負荷Cの容量は、ほぼ同一である。
【0015】
図2は本発明の基板処理装置のヒータ制御例を説明するための図である。三相交流電源のL1相はSSRなどの電力制御器を通ってヒータ401A(ゾーン1負荷A)、ヒータ402A(ゾーン2 負荷A)、ヒータ403A(ゾーン3負荷A)に接続されている。同様にL2相はヒータ401B(ゾーン1 負荷B)、ヒータ402B(ゾーン2 負荷B)、ヒータ403B(ゾーン3 負荷B)に、L3相はヒータ401C(ゾーン1 負荷C)、ヒータ402C(ゾーン2 負荷C)、ヒータ403C(ゾーン3 負荷C)に接続されている。また、コントローラ310からヒータ401(ゾーン1)の3つの電力制御器351A、351B、351Cへゾーン1の制御指示値311が出力されている。同様にヒータ402(ゾーン2)の3つの電力制御器へゾーン2の制御指示値312が、ヒータ403(ゾーン3)の3つの電力制御器へゾーン3の制御指示値313が出力されている。制御指示値は、ゾーン間で異なるが、各ゾーン内の負荷間では同一である。
【0016】
各ゾーン内での負荷A、負荷B、負荷Cの容量がほぼ同一であることと、各ゾーン内での負荷A、負荷B、負荷Cの制御指示値が同一であることにより、三相交流電源をバランスよく(L1相電流=L2相電流=L3相電流)使用することができる。
【0017】
(第2の実施の形態)
加熱部の構造上、1ゾーン内の負荷を2分割しかできない場合がある。以下、1ゾーン内の負荷分割数を2とした場合の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図3は、本発明の第2の実施の形態の基板処理装置の加熱部を示す概略斜視図である。加熱手段は棒状ハロゲンランプである。上ランプ郡207と下ランプ郡223でヒータアッセンブリ500を構成している。それぞれのランプ郡でゾーンは4つに分割されている。上ランプ郡207の3または6本のランプ負荷と、下ランプ郡223の3または6本のランプ負荷で1つのゾーンを形成している。
【0019】
すなわち、上ランプ郡207は、一番外側のランプ207−1A(ゾーン1 負荷A)、その内側のランプ207−2A(ゾーン2 負荷A)、さらにその内側のランプ207−3A(ゾーン3 負荷A)および中央のランプ207−4A(ゾーン4 負荷A)から構成され、ランプ207−1A(ゾーン1 負荷A)、ランプ207−2A(ゾーン2 負荷A)およびランプ207−3A(ゾーン3 負荷A)はそれぞれ6本のランプ負荷を備え、中央のランプ207−4A(ゾーン4 負荷A)は3本のランプ負荷を備えている。下ランプ郡223は、一番外側のランプ223−1B(ゾーン1 負荷B)、その内側のランプ223−2B(ゾーン2 負荷B)、さらにその内側のランプ223−3B(ゾーン3 負荷B)および中央のランプ223−4B(ゾーン4 負荷B)から構成され、ランプ223−1B(ゾーン1 負荷B)、ランプ223−2B(ゾーン2 負荷B)およびランプ223−3B(ゾーン3 負荷B)はそれぞれ6本のランプ負荷を備え、中央のランプ223−4B(ゾーン4 負荷B)は3本のランプ負荷を備えている。
【0020】
1つのゾーン内の上ランプ郡207のランプ負荷と、下ランプ郡223のランプ負荷は、ほぼ同じ容量(最大電力)である。1つのゾーン内が同一の2負荷であるため、三相交流電源を2つの相の交流電源に変換する必要がある。なお、三相交流電源をバランス良く単相電源に変換することは不可能であるので、2つの相の交流電源に変換している。
【0021】
図4は、本発明の第2の実施の形態の基板処理装置のランプ制御方法を説明するための概略図である。
【0022】
上ランプ郡207が負荷A、下ランプ郡223が負荷Bを示す。三相交流電源をスコットトランスフォーマにより位相が90度異なる2つの相の電力に変換する。変換後のL1’相はSSRなどの電力制御器を通ってランプ207−1A(ゾーン1 負荷A)、ランプ207−2A(ゾーン2 負荷A)、ランプ2073−A(ゾーン3 負荷A)およびランプ207−4A(ゾーン4 負荷A)に接続されている。同様に、L2’相はランプ223−1B(ゾーン1 負荷B)、ランプ223−2B(ゾーン2 負荷B)、223−2Cランプ(ゾーン3 負荷B)およびランプ223−4B(ゾーン4 負荷B)に接続されている。また、コントローラ310からランプ207−1Aおよび223−1B(ゾーン1)の2つの電力制御器361Aおよび361Bへゾーン1の制御指示値321が別々に出力されている。同様に、ランプ207−2Aおよび223−2B(ゾーン2)の2つの電力制御器362Aおよび362Bへゾーン2の制御指示値322が、ランプ207−3Aおよび223−3B(ゾーン3)の2つの電力制御器363Aおよび363Bへゾーン3の制御指示値323が、ランプ207−4Aおよび223−4B(ゾーン4)の2つの電力制御器364Aおよび364Bへゾーン4の制御指示値324が別々に出力されている。制御指示値は、ゾーン間で異なるが、各ゾーン内の負荷間では同一である。
【0023】
各ゾーン間での負荷A、負荷Bの容量がほぼ同一であることと、各ゾーン内での負荷A、負荷Bの制御指示値が同一であることにより、位相が90度異なる2つの相の電力をバランスよく(L1’相電流=L2’相電流)使用することができる。これにより、三相交流電源をバランスよく(L1相電流=L2相電流=L3相電流)使用することができる。
【0024】
以上、本発明を実施することにより、三相交流電源をバランスよく(L1相電流=L2相電流=L3相電流)使用することができ、欠相や装置停止を防ぐことを可能にする点で、実用上極めて大きな効果がある。
【0025】
次に、図5および図6を参照して、本発明が適用される基板処理装置の概要を説明する。
【0026】
なお、本発明が適用される基板処理装置においてはウエハなどの基板を搬送するキャリヤとしては、FOUP(front opening unifiedpod。以下、ポッドという。)が使用されている。また、以下の説明において、前後左右は図5を基準とする。すなわち、図5が示されている紙面に対して、前は紙面の下、後は紙面の上、左右は紙面の左右とする。
【0027】
図5および図6に示されているように、基板処理装置は真空状態などの大気圧未満の圧力(負圧)に耐えるロードロックチャンバ構造に構成された第1の搬送室103を備えており、第1の搬送室103の筐体101は平面視が六角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。第1の搬送室103には負圧下でウエハ200を移載する第1のウエハ移載機112が設置されている。前記第1のウエハ移載機112は、エレベータ115によって、第1の搬送室103の気密性を維持しつつ昇降できるように構成されている。
【0028】
筐体101の六枚の側壁のうち前側に位置する2枚の側壁には、搬入用の予備室122と搬出用の予備室123とがそれぞれゲートバルブ244、127を介して連結されており、それぞれ負圧に耐え得るロードロックチャンバ構造に構成されている。さらに、予備室122には搬入室用の基板置き台140が設置され、予備室123には搬出室用の基板置き台141が設置されている。
【0029】
予備室122および予備室123の前側には、略大気圧下で用いられる第2の搬送室121がゲートバルブ128、129を介して連結されている。第2の搬送室121にはウエハ200を移載する第2のウエハ移載機124が設置されている。第2のウエハ移載機124は第2の搬送室121に設置されたエレベータ126によって昇降されるように構成されているとともに、リニアアクチュエータ132によって左右方向に往復移動されるように構成されている。
【0030】
図5に示されているように、第2の搬送室121の左側にはオリフラ合わせ装置106が設置されている。また、図6に示されているように、第2の搬送室121の上部にはクリーンエアを供給するクリーンユニット118が設置されている。
【0031】
図5および図6に示されているように、第2の搬送室121の筐体125には、ウエハ200を第2の搬送室121に対して搬入搬出するためのウエハ搬入搬出口134と、ウエハ搬入搬出口を閉塞する蓋142と、ポッドオープナ108がそれぞれ設置されている。ポッドオープナ108は、IOステージ105に載置されたポッド100のキャップ及びウエハ搬入搬出口134を閉塞する蓋142を開閉するキャップ開閉機構136とを備えており、IOステージ105に載置されたポッド100のキャップ及びウエハ搬入搬出口134を閉塞する蓋142をキャップ開閉機構136によって開閉することにより、ポッド100のウエハ出し入れを可能にする。また、ポッド100は図示しない工程内搬送装置(RGV)によって、前記IOステージ105に、供給および排出されるようになっている。
【0032】
図5に示されているように、筐体101の六枚の側壁のうち背面側に位置する2枚の側壁には、ウエハに所望の処理を行う第1の処理炉202と、第2の処理炉137とがそれぞれ隣接して連結されている。第1の処理炉202および第2の処理炉137はいずれもコールドウォール式の処理炉によってそれぞれ構成されている。また、筐体101における六枚の側壁のうちの残りの互いに対向する2枚の側壁には、第3の処理炉としての第1のクーリングユニット138と、第4の処理炉としての第2のクーリングユニット139とがそれぞれ連結されており、第1のクーリングユニット138および第2のクーリングユニット139はいずれも処理済みのウエハ200を冷却するように構成されている。
【0033】
以下、上記構成をもつ基板処理装置を使用した処理工程を説明する。
【0034】
未処理のウエハ200は25枚がポッド100に収納された状態で、処理工程を実施する基板処理装置へ工程内搬送装置によって搬送されて来る。図5および図6に示されているように、搬送されて来たポッド100はIOステージ105の上に工程内搬送装置から受け渡されて載置される。ポッド100のキャップ及びウエハ搬入搬出口134を開閉する蓋142がキャップ開閉機構136によって取り外され、ポッド100のウエハ出し入れ口が開放される。
【0035】
ポッド100がポッドオープナ108により開放されると、第2の搬送室121に設置された第2のウエハ移載機124はポッド100からウエハ200をピックアップし、予備室122に搬入し、ウエハ200を基板置き台140に移載する。この移載作業中には、第1の搬送室103側のゲートバルブ244は閉じられており、第1の搬送室103の負圧は維持されている。ウエハ200の基板置き台140への移載が完了すると、ゲートバルブ128が閉じられ、予備室122が排気装置(図示せず)によって負圧に排気される。
【0036】
予備室122が予め設定された圧力値に減圧されると、ゲートバルブ244、130が開かれ、予備室122、第1の搬送室103、第1の処理炉202が連通される。続いて、第1の搬送室103の第1のウエハ移載機112は基板置き台140からウエハ200をピックアップして第1の処理炉202に搬入する。そして、第1の処理炉202内に処理ガスが供給され、所望の処理がウエハ200に行われる。
【0037】
第1の処理炉202で前記処理が完了すると、処理済みのウエハ200は第1の搬送室103の第1のウエハ移載機112によって第1の搬送室103に搬出される。
【0038】
そして、第1のウエハ移載機112は第1の処理炉202から搬出したウエハ200を第1のクーリングユニット138へ搬入し、処理済みのウエハを冷却する。
【0039】
第1のクーリングユニット138にウエハ200を移載すると、第1のウエハ移載機112は予備室122の基板置き台140に予め準備されたウエハ200を第1の処理炉202に前述した作動によって移載し、第1の処理炉202内に処理ガスが供給され、所望の処理がウエハ200に行われる。
【0040】
第1のクーリングユニット138において予め設定された冷却時間が経過すると、冷却済みのウエハ200は第1のウエハ移載機112によって第1のクーリングユニット138から第1の搬送室103に搬出される。
【0041】
冷却済みのウエハ200が第1のクーリングユニット138から第1の搬送室103に搬出されたのち、ゲートバルブ127が開かれる。そして、第1のウエハ移載機112は第1のクーリングユニット138から搬出したウエハ200を予備室123へ搬送し、基板置き台141に移載した後、予備室123はゲートバルブ127によって閉じられる。
【0042】
予備室123がゲートバルブ127によって閉じられると、前記排出用予備室123内が不活性ガスにより略大気圧に戻される。前記予備室123内が略大気圧に戻されると、ゲートバルブ129が開かれ、第2の搬送室121の予備室123に対応したウエハ搬入搬出口134を閉塞する蓋142と、IOステージ105に載置された空のポッド100のキャップがポッドオープナ108によって開かれる。続いて、第2の搬送室121の第2のウエハ移載機124は基板置き台141からウエハ200をピックアップして第2の搬送室121に搬出し、第2の搬送室121のウエハ搬入搬出口134を通じてポッド100に収納して行く。処理済みの25枚のウエハ200のポッド100への収納が完了すると、ポッド100のキャップとウエハ搬入搬出口134を閉塞する蓋142がポッドオープナ108によって閉じられる。閉じられたポッド100はIOステージ105の上から次の工程へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。
【0043】
以上の作動が繰り返されることにより、ウエハが、順次、処理されて行く。以上の作動は第1の処理炉202および第1のクーリングユニット138が使用される場合を例にして説明したが、第2の処理炉137および第2のクーリングユニット139が使用される場合についても同様の作動が実施される。
【0044】
なお、上述の基板処理装置では、予備室122を搬入用、予備室123を搬出用としたが、予備室123を搬入用、予備室122を搬出用としてもよい。また、第1の処理炉202と第2の処理炉137は、それぞれ同じ処理を行ってもよいし、別の処理を行ってもよい。第1の処理炉202と第2の処理炉137で別の処理を行う場合、例えば第1の処理炉202でウエハ200にある処理を行った後、続けて第2の処理炉137で別の処理を行わせてもよい。また、第1の処理炉202でウエハ200にある処理を行った後、第2の処理炉137で別の処理を行わせる場合、第1のクーリングユニット138(又は第2のクーリングユニット139)を経由するようにしてもよい。
【0045】
図7を参照し、本発明が適用される基板処理装置で好適に用いられる処理炉を詳細に説明する。
【0046】
処理炉はその全体が符号202で示される。例示の様態においては、処理炉202は、半導体ウエハ等の基板200(以下、ウエハという。)の様々な処理工程を実行するのに適した枚葉式の処理炉である。また処理炉202は、特に半導体ウエハの熱処理に適している。こうした熱処理の例としては、半導体デバイスの処理における、半導体ウエハの熱アニール、ホウ素−リンから成るガラスの熱リフロー、高温酸化膜、低温酸化膜、高温窒化膜、ドープポリシリコン、未ドープポリシリコン、シリコンエピタキシャル、タングステン金属、又はケイ化タングステンから成る薄膜を形成するための化学蒸着が挙げられる。
【0047】
処理炉202は、回転筒279に囲まれた上ランプ207群および下ランプ群223から成るヒータアッセンブリ500を含む。このヒータアッセンブリ500は、基板温度がほぼ均一になるように放射熱をウエハ200に供給する。好ましい形態においては、ヒータアッセンブリ500は、放射ピーク0.95ミクロンで照射し、複数の加熱ゾーンを形成し、ウエハ中心部より多くの熱を基板周辺部に加える集中的加熱プロファイルを提供する一連のタングステン−ハロゲン直線ランプ207、223等の加熱要素を含む。
【0048】
上ランプ207群および下ランプ223群にはそれぞれ電極224が接続され、各ランプに電力を供給するとともに、各ランプの加熱具合は主制御部300に支配される加熱制御部301にて制御されている。
【0049】
ヒータアッセンブリ500は、平ギア277に機械的に接続された回転筒279内に収容されている。この回転筒279は、セラミック、グラファイト、より好ましくはシリコングラファイトで被覆したグラファイト等から成る。ヒータアッセンブリ500、回転筒279は、チャンバ本体227内に収容されて真空密封され、更にチャンバ本体227のチャンバ底228の上に保持される。チャンバ本体227は様々な金属材料から形成することができる。例えば、幾つかのアプリケーションではアルミニウムが適しており、他のアプリケーションではステンレス鋼が適している。材料の選択は、当業者であれば分かるように、蒸着処理に用いられる化学物質の種類、及び選択された金属に対するこれら化学物質の反応性に左右される。通常前記チャンバ壁は、本技術分野では周知であるように、周知の循環式冷水フローシステムにより華氏約45〜47度まで水冷される。
【0050】
回転筒279は、チャンバ底228の上に回転自在に保持される。具体的には、平ギア276、277とがボールベアリング278によりチャンバ底228に回転自在に保持され、平ギア276と平ギア277とは噛み合うように配置されている。更に、平ギア276は主制御部にて支配される駆動制御部304にて制御されるサセプタ駆動機構267にて回転せしめられ、平ギア276、平ギア277を介して回転筒279を回転させている。回転ベース18の回転速度は、当業者であれば分かるように、個々の処理に応じて5〜60rpmであることが好ましい。
【0051】
処理炉202は、チャンバ本体227、チャンバ蓋226およびチャンバ底228から成るチャンバ225を有し、チャンバ225にて囲われた空間にて処理室201を形成している。
【0052】
ウエハ200は、円周方向において複数に分割された(実施例においては4つに分割)炭化ケイ素で被覆したグラファイト、クォーツ、純炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、アルミニウム、又は鋼等の好適な材料から成る基板保持手段であるサセプタ217の上に保持される。
【0053】
なお、サセプタ217は円形形状をしており、具体的には中心のサセプタは円板状形状であり、それ以外はドーナッツ形の平板形状であって、回転筒279にて支持されている。
【0054】
チャンバ蓋226にはガス供給管232が貫通して設けられ、処理室201に処理ガス230を供給し得るようになっている。ガス供給管232は、開閉バルブ243、流量制御手段であるマスフローコントローラ(以下、MFCという。)241を介し、ガスA、ガスBのガス源に接続されている。ここで使用されるガスは、窒素等の不活性ガスや水素、アルゴン、六フッ化タングステン等の所望のガスが用いられ、ウエハ200上に所望の膜を形成させて半導体装置を形成されるものである。
【0055】
また、開閉バルブ243およびMFC241は、主制御部300にて支配されるガス制御部302にて制御され、ガスの供給、停止およびガスの流量が制御される。
【0056】
なお、ガス供給管232から供給された処理ガス230は処理室201内にてウエハ200と反応し、残余ガスはチャンバ本体227に設けられた排気口であるガス排気口235から図示しない真空ポンプ等からなる排気装置を介し、処理室外へ排出される。
【0057】
処理炉202は、様々な製造工程においてウエハ200の放射率(エミシビティ)を測定し、その温度を計算するための非接触式の放射率測定手段をも含む。この放射率測定手段は、主として放射率測定用プローブ260、放射率測定用リファレンスランプ(参照光)265、温度検出部303およびプローブ260と温度検出部303とを結ぶ光ファイバー通信ケーブルを含む。このケーブルはサファイア製の光ファイバー通信ケーブルから成ることが好ましい。
【0058】
プローブ260はプローブ回転機構274により回転自在に設けられ、プローブ260の一端をウエハ200または参照光であるリファレンスランプ265の方向に方向付けられる。また、プローブ260は光ファイバー通信ケーブルとスリップ結合にて結合されているので、前述したようにプローブ260が回転しても接続状態は維持される。
【0059】
即ち、プローブ回転機構274は放射率測定用プローブ260を回転させ、これによりプローブ260の先端が放射率測定用リファレンスランプ265に向けてほぼ上側に向けられる第1ポジションと、プローブ260がウエハ200に向けてほぼ下側に向けられる第2ポジションとのプローブ260の向きが変えられる。従って、プローブ260の先端は、プローブ260の回転軸に対し直角方向に向けられていることが好ましい。このようにして、プローブ260はリファレンスランプ265から放射された光子の密度とウエハ200から反射された光子の密度を検知することができる。リファレンスランプ265は、ウエハ200における光の透過率が最小となる波長、好ましくは0.95ミクロンの波長の光を放射する白色光源から成ることが好ましい。上述の放射率測定手段は、リファレンスランプ265からの放射とウエハ200からの放射を比較することにより、ウエハ200の放射率を測定する。
【0060】
ヒータアッセンブリは回転筒279、サセプタ217およびウエハ200に完全に包囲されているので、放射率測定用プローブ260による読み取りに影響を与え得るヒータアッセンブリから処理室201への光の漏れはない。
【0061】
仕切弁であるゲートバルブ244を開放し、チャンバ本体227に設けられたウエハ搬入搬出口247を通ってウエハ(基板)200を処理室201内に搬入し、ウエハ200をサセプタ217上に配置後、サセプタ回転機構(回転手段)267は処理中に回転筒279とサセプタ217を回転させる。ウエハ200の放射率の測定時には、プローブ260はウエハ200の真上のリファレンスランプ265に向くように回転し、リファレンスランプ265が点灯する。そして、プローブ260はリファレンスランプ265からの入射光子密度を測定する。リファレンスランプ265が点灯している間、プローブ260は第1ポジションから第2ポジションへと回転し、回転している間にリファレンスランプ265真下のウエハ200に向く。このポジションにおいて、プローブ260はウエハ200のデバイス面(ウエハ200の表面)の反射光子密度を測定する。続いてリファレンスランプ265が消灯される。ウエハ200に直接向いている間、プローブ260は、加熱されたウエハ200からの放射光子を測定する。プランクの法則によれば、特定の表面に放出されたエネルギーは表面温度の四乗に関係する。その比例定数はシュテファン・ボルツマン定数と表面放射率との積から成る。従って、非接触法における表面温度の決定時には、表面放射率を使用するのが好ましい。以下の式を用いてウエハ200のデバイス面の全半球反射率を計算し、引き続きキルヒホッフの法則により放射率が得られる。
(1)ウエハ反射率=反射光強度/入射光強度
(2)放射率=(1−ウエハ反射率)
【0062】
一旦ウエハの放射率が得られると、プランクの式からウエハ温度が得られる。この技法は、ウエハが高温で、且つこのような適用において上記計算の実行前に基本熱放射が減算される場合にも用いられる。プローブ260は、第2ポジション即ちウエハに向けられるポジションに留まって、リファレンスランプ265の点灯時には常に放射率データを提供し続けることが好ましい。
【0063】
ウエハ200は回転しているので、プローブ260は、その回転中にウエハ200のデバイス面から反射される光子密度を測定し、基板にリトグラフされるであろう変化するデバイス構造の平均表面トポロジーからの反射を測定する。また放射率測定は薄膜蒸着過程を含む処理サイクルにわたって行われるので、放射率の瞬時の変化がモニターされ、温度補正が動的且つ連続的に行われる。
【0064】
処理炉202は更に温度検出手段である複数の温度測定用プローブ261を含む。これらのプローブ261はチャンバ蓋226に固定され、すべての処理条件においてウエハ200びデバイス面から放射される光子密度を常に測定する。プローブ261によって測定された光子密度に基づき温度検出部303にてウエハ温度に算出され、主制御部300にて設定温度と比較される。主制御部300は比較の結果、あらゆる偏差を計算し、加熱制御部301を介してヒータアッセンブリ500内の加熱手段である上ランプ207群、下ランプ群223の複数のゾーンへの電力供給量を制御する。好ましくは、ウエハ200の異なる部分の温度を測定するために位置決めされた3個のプローブ261を含む。これによって処理サイクル中の温度の均一性が確保される。
【0065】
なお、温度測定用プローブ261にて算出されたウエハ温度は、放射率測定用プローブ260にて算出されたウエハ放射率により、補正されることでより正確なウエハ温度の検出を可能としている。
【0066】
ウエハ200の処理後、ウエハ200は、複数の突上げピン266によりサセプタ217の真中にあるサセプタとともに真中以外のサセプタから持ち上げられ、処理炉202内でウエハ200を自動的にローディング及びアンローディングできるようにするために、ウエハ200の下に空間を形成する。突上げピン266は駆動制御部304の制御のもと、昇降機構275によって上下する。
【0067】
なお、上記においては、第2の実施の形態のヒータアセンブリ500を例にして、本発明が適用される基板処理装置で好適に用いられる処理炉を説明したが、第1の実施の形態のヒータアセンブリ400を使用した場合も同様である。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、多相電源のバランス悪化を解決し、多相電力のそれぞれの相の電力が同じ値となるように加熱できる基板処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の基板処理装置のヒータ部を示す概略図であり、図1Aは概略縦断面図、図1Bは概略横断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の基板処理装置のヒータ制御方法を説明するための概略図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の基板処理装置の加熱部を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の基板処理装置のランプ制御方法を説明するための概略図である。
【図5】本発明が好適に適用される基板処理装置の一例の概略横断面図である。
【図6】本発明が好適に適用される基板処理装置の一例の概略縦断面図である。
【図7】本発明で好適に用いられる処置室を説明するための概略縦断面図である。
【図8】従来の基板処理装置のヒータ部を示す概略図であり、図8Aは概略縦断面図、図8Bは概略横断面図である。
【図9】従来の基板処理装置のヒータ制御例を示す概略図である。
【符号の説明】
200…ウエハ
201…処理室
202…処理炉
207…上側ランプ群
207−1A…上側ランプ(ゾーン1負荷A)
207−2A…上側ランプ(ゾーン2負荷A)
207−3A…上側ランプ(ゾーン2負荷A)
207−4A…上側ランプ(ゾーン2負荷A)
217…サセプタ
223…下側ランプ群
223−1B…下側ランプ(ゾーン1負荷B)
223−2B…下側ランプ(ゾーン2負荷B)
223−3B…下側ランプ(ゾーン3負荷B)
223−4B…下側ランプ(ゾーン4負荷B)
225…チャンバ
300…主制御部
301…加熱制御部
302…ガス制御部
303…温度検出部
304…駆動制御部
310…コントローラ
311…ゾーン1制御指示値
312…ゾーン2制御指示値
313…ゾーン3制御指示値
321…ゾーン1制御指示値
322…ゾーン2制御指示値
323…ゾーン3制御指示値
324…ゾーン4制御指示値
330…三相交流電源
351、352、353、351A、351B、351C、352A、352B、352C、353A、353B、353C…電力制御器
360、361A、361B、362A、362B、363A、363B、364A、364B…電力制御器
370…トランスフォーマ
400…ヒータアッセンブリ
401…ヒータ(ゾーン1)
401A…ヒータ(ゾーン1負荷A)
401B…ヒータ(ゾーン1負荷B)
401C…ヒータ(ゾーン1負荷C)
402…ヒータ(ゾーン2)
402A…ヒータ(ゾーン2負荷A)
402B…ヒータ(ゾーン2負荷B)
402C…ヒータ(ゾーン2負荷C)
403…ヒータ(ゾーン3)
403A…ヒータ(ゾーン3負荷A)
403B…ヒータ(ゾーン3負荷B)
403C…ヒータ(ゾーン3負荷C)
500…ヒータアッセンブリ
Claims (1)
- 基板を加熱し、前記基板に所定の処理を行う基板処理装置であって、
同一の制御指示値の領域を1つ以上有する加熱部と、
前記領域にそれぞれ等分可能な負荷とを備え、
前記各領域に等分した前記負荷に、多相電力のそれぞれの相の電力、または前記多相電力から変換した第2の多相電力のそれぞれの相の電力を供給することを特徴とする基板処理装置。
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