JP2005056929A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板処理装置で用いられる基板加熱用のランプのメンテナンス性を向上する。
【解決手段】基板処理装置は、ウェハ200を加熱して所定の処理を行う処理室201と、処理室201内にガスを供給するガス供給管232と、処理室201内を排気するガス排気口235と、ウェハ200を加熱するためのランプアッセンブリ221とを備える。ランプアッセンブリ221は、複数本のU字状ランプ210を組合わせて構成される。U字状ランプ210は、1本のランプをU字状に折り曲げて一体的に構成する。複数のU字状ランプ210を、その2本の平行な上段ランプ207および下段ランプ223が上下に千鳥状にならぶように、ウェハ200の主面に対して面状に配列する。
【選択図】 図1
【解決手段】基板処理装置は、ウェハ200を加熱して所定の処理を行う処理室201と、処理室201内にガスを供給するガス供給管232と、処理室201内を排気するガス排気口235と、ウェハ200を加熱するためのランプアッセンブリ221とを備える。ランプアッセンブリ221は、複数本のU字状ランプ210を組合わせて構成される。U字状ランプ210は、1本のランプをU字状に折り曲げて一体的に構成する。複数のU字状ランプ210を、その2本の平行な上段ランプ207および下段ランプ223が上下に千鳥状にならぶように、ウェハ200の主面に対して面状に配列する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は基板処理装置に係り、特にランプ加熱法を用いて基板を加熱するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ランプ加熱法は、基板(ウェハ)の直接加熱を行うため、ウェハ内での熱勾配による歪が少なく、スリップの発生が少ないので、枚葉式の基板処理装置に用いられている。この枚葉式の基板処理装置は、ウェハの大口径化により大型のシリンダ形サセプタを備え、そのシリンダ内にランプを配置して、ランプの上方に載置されるサセプタ上のウェハを加熱するようになっている。大型のシリンダ形サセプタを加熱する必要があるため、シリンダ内のランプ本数を増やす必要がある。
そこで従来は、ランプ本数を増やすために、図7に示すように、上下二段にランプ11、12をクロス状に配列していた。
しかしながら、このようにランプをクロス状配列すると、ランプ11、12のメンテナンス性、ランプコスト、ランプ放射効率のいずれにも問題点があった。
【0003】
メンテナンス性については、上方からランプ交換を行わなければならない場合、上段ランプ11を交換するときには問題ないのであるが、下段ランプ12を交換するときに問題が生じる。交換する下段ランプ12の本数がたとえ1本であっても、その交換すべき下段ランプ12の上に全ての上段ランプ11が覆い被さっているので、上段ランプ11を全て取り外さければ、下段ランプ12を交換することができない。また、下段ランプ12の交換後は、再度上段ランプ11を全て取り付けなければならない。
このことは、下方からランプ交換を行わなければならない場合でも、同様な問題が生じる。
従って、上段ランプ11又は下段ランプ12の交換の際は、下段ランプ12又は上段ランプ11を取り外す必要があり、メンテナンスが複雑でメンテナンス性が悪かった。
【0004】
ランプコストについても、並列接続される上下段ランプ11、12の本数が50数本にもなるうえ、装置側の電極も100数本にもなることから、非常に高価になっている。また、本数の増加に伴ってランプハウスの構造も複雑になる。
【0005】
ランプの放射効率についても、図8(a)に示すように、上段ランプ11と下段ランプ12とがクロスして、上下段のフィラメント11a、12aが重なるクロス部が生じるため、クロス部13で下段ランプ12の光が上段ランプ11により強められる。ランプ配列面上の放射熱分布を見ると、図8(b)に示すように、上下段ランプ11、12のクロス部13の温度が高くなる傾向があり、ランプ配列面上の放射効率が不均一でよくない。この傾向は、ランプ11、12の通電制御によって、ある程度は制御可能であるが、照射されるウェハ面内を均一加熱するには限界があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の技術では、上段ランプ又は下段ランプを交換する際は、下段ランプ又は上段ランプを取り外す必要が有り、メンテナンス性が悪かった。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、ランプのメンテナンス性を向上することが可能な基板処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、基板を加熱して所定の処理を行う処理室と、前記処理室内にガスを供給する供給系と、前記処理室内を排気する排気系と、前記基板を加熱するランプ加熱手段とを備え、前記ランプ加熱手段は、1本のランプをU字状に折り曲げて一体的に構成したU字状ランプを有し、前記U字状ランプを複数本面状に配列して、各U字状ランプの2本の平行なランプ部が上段ランプおよび下段ランプとして上下に千鳥状に並ぶようにしたものであることを特徴とする基板処理装置である。
【0008】
本発明では、上下段ランプが一体となっており、ランプ交換時、U字状ランプ単位で交換が行えるため、ランプ交換が容易に行えてメンテナンス性を向上することができる。
【0009】
また、本発明では、複数本のU字状ランプの上下段ランプを千鳥状に並べているので、ランプフィラメントが重ならないように、U字状ランプの下段ランプの上に隣のU字状ランプの上段ランプを部分的に重ねることができる。したがって、上下段ランプをクロス状に配列するものと異なり、上下段ランプのフィラメントに重なるクロス部が存在しないので、ランプ加熱手段の放射熱分布を均一化でき、基板面内を均一に加熱することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、上下段ランプのうちのいずれか一方のランプのフィラメントを取り除いた基板処理装置である。
基板の処理条件によっては、ランプ加熱による発熱量を全面的あるいは部分的に調整する必要がある。そのような場合に、上下段ランプのうちのいずれか一方のランプのフィラメントを取り除いてやれば、発熱量を減らすことができる。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、U字状ランプの上下段ランプ間の距離を加減することによって、基板の加熱量を制御するようにした基板処理装置である。
U字状ランプの上下段ランプ間の距離、例えば上下段ランプ間の垂直方向の距離、または上下段ランプ間の水平方向の距離を調整することによって、ランプの本数を変えることなく、基板へのランプ加熱量を調整することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
【0013】
図2において、本発明が適用される基板処理装置の概要を説明する。
【0014】
なお、本発明が適用される基板処理装置においてはウェハなどの基板を搬送するキャリヤとしては、FOUP(front opening unified pod、以下、ポッドという。)が使用されている、また、以下の説明において、前後左右は図2を基準とする。すなわち、図2が示されている紙面に対して、前は紙面の下、後ろは紙面の上、左右は紙面の左右とする。
【0015】
図2に示されているように、基板処理装置は真空状態などの大気圧未満の圧力(負圧)に耐えるロードロックチャンバ構造に構成された第一の搬送室103を備えており、第一の搬送室103の筐体101は平面視が六角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。第一の搬送室103には負圧下でウェハ200を移載する第一のウェハ移載機112が設置されている。前記第一のウェハ移載機112は、エレベータ115によって、第一の搬送室103の気密性を維持しつつ昇降できるように構成されている。
【0016】
筐体101の六枚の側壁のうち前側に位置する二枚の側壁には、搬入用の予備室122と搬出用の予備室123とがそれぞれゲートバルブ244,127を介して連結されており、それぞれ負圧に耐え得るロードロックチャンバ構造に構成されている。さらに、予備室122には搬入室用の基板置き台140が設置され、予備室123には搬出室用の基板置き台141が設置されている。
【0017】
予備室122および予備室123の前側には、略大気圧下で用いられる第二の搬送室121がゲートバルブ128,129を介して連結されている。第二の搬送室121にはウェハ200を移載する第二のウェハ移載機124が設置されている。第二のウェハ移載機124は第二の搬送室121に設置されたエレベータ(図示略)によって昇降されるように構成されているとともに、リニアアクチュエータ(図示略)によって左右方向に往復移動されるように構成されている。
【0018】
図2に示されているように、第二の搬送室121の左側にはオリフラ合わせ装置106が設置されている。
【0019】
図2に示されているように、第二の搬送室121の筐体125には、ウェハ200を第二の搬送室121に対して搬入搬出するためのウェハ搬入搬出口134と、前記ウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋(図示略)と、ポッドオープナ108がそれぞれ設置されている。ポッドオープナ108は、IOステージ105に載置されたポッド100のキャップ及びウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋を開閉するキャップ開閉機構(図示略)とを備えており、IOステージ105に載置されたポッド100のキャップ及びウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋をキャップ開閉機構によって開閉することにより、ポッド100のウェハ出し入れを可能にする。また、ポッド100は図示しない工程内搬送装置(RGV)によって、前記IOステージ105に、供給および排出されるようになっている。
【0020】
図2に示されているように、筐体101の六枚の側壁のうち背面側に位置する二枚の側壁には、ウェハに所望の処理を行う第一の処理炉202と、第二の処理炉137とがそれぞれ隣接して連結されている。第一の処理炉202および第二の処理炉137はいずれもコールドウォール式の処理炉によってそれぞれ構成されている。また、筐体101における六枚の側壁のうちの残りの互いに対向する二枚の側壁には、第三の処理炉としての第一のクーリングユニット138と、第四の処理炉としての第二のクーリングユニット139とがそれぞれ連結されており、第一のクーリングユニット138および第二のクーリングユニット139はいずれも処理済みのウェハ200を冷却するように構成されている。
【0021】
以下、前記構成をもつ基板処理装置を使用した処理工程を説明する。
【0022】
未処理のウェハ200は25枚がポッド100に収納された状態で、処理工程を実施する基板処理装置へ工程内搬送装置によって搬送されて来る。図2に示されているように、搬送されて来たポッド100はIOステージ105の上に工程内搬送装置から受け渡されて載置される。
ポッド100のキャップ及びウェハ搬入搬出口134を開閉する蓋がキャップ開閉機構によって取り外され、ポッド100のウェハ出し入れ口が開放される。
【0023】
ポッド100がポッドオープナ108により開放されると、第二の搬送室121に設置された第二のウェハ移載機124はポッド100からウェハ200をピックアップし、予備室122に搬入し、ウェハ200を基板置き台140に移載する。この移載作業中には、第一の搬送室103側のゲートバルブ244は閉じられており、第一の搬送室103の負圧は維持されている。ウェハ200の基板置き台140への移載が完了すると、ゲートバルブ128が閉じられ、予備室122が排気装置(図示せず)によって負圧に排気される。
【0024】
予備室122が予め設定された圧力値に減圧されると、ゲートバルブ244,130が開かれ、予備室122、第一の搬送室103、第一の処理炉202が連通される。続いて、第一の搬送室103の第一のウェハ移載機112は基板置き台140からウェハ200をピックアップして第一の処理炉202に搬入する。
そして、第一の処理炉202内に処理ガスが供給され、所望の処理がウェハ200に行われる。
【0025】
第一の処理炉202で前記処理が完了すると、処理済みのウェハ200は第一の搬送室103の第一のウェハ移載機112によって第一の搬送室103に搬出される。
そして、第一のウェハ移載機112は第一の処理炉202から搬出したウェハ200を第一のクーリングユニット138へ搬入し、処理済みのウェハを冷却する。
【0026】
第一のクーリングユニット138にウェハ200を移載すると、第一のウェハ移載機112は予備室122の基板置き台140に予め準備されたウェハ200を第一の処理炉202に前述した作動によって移載し、第一の処理炉202内に処理ガスが供給され、所望の処理がウェハ200に行われる。
【0027】
第一のクーリングユニット138において予め設定された冷却時間が経過すると、冷却済みのウェハ200は第一のウェハ移載機112によって第一のクーリングユニット138から第一の搬送室103に搬出される。
【0028】
冷却済みのウェハ200が第一のクーリングユニット138から第一の搬送室103に搬出されたのち、ゲートバルブ127が開かれる。そして、第一のウェハ移載機112は第一のクーリングユニット138から搬出したウェハ200を予備室123へ搬送し、基板置き台141に移載した後、予備室123はゲートバルブ127によって閉じられる。
【0029】
予備室123がゲートバルブ127によって閉じられると、前記排出用予備室123内が不活性ガスにより略大気圧に戻される。前記予備室123内が略大気圧に戻されると、ゲートバルブ129が開かれ、第二の搬送室121の予備室123に対応したウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋と、IOステージ105に載置された空のポッド100のキャップがポッドオープナ108によって開かれる。続いて、第二の搬送室121の第二のウェハ移載機124は基板置き台141からウェハ200をピックアップして第二の搬送室121に搬出し、第二の搬送室121のウェハ搬入搬出口134を通してポッド100に収納して行く。処理済みの25枚のウェハ200のポッド100への収納が完了すると、ポッド100のキャップとウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋がポッドオープナ108によって閉じられる。閉じられたポッド100はIOステージ105の上から次の工程へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。
【0030】
以上の作動が繰り返されることにより、ウェハが、順次、処理されて行く。以上の作動は第一の処理炉202および第一のクーリングユニット138が使用される場合を例にして説明したが、第二の処理炉137および第二のクーリングユニット139が使用される場合についても同様の作動が実施される。
【0031】
なお、上述の基板処理装置では、予備室122を搬入用、予備室123を搬出用としたが、予備室123を搬入用、予備室122を搬出用としてもよい。また、第一の処理炉202と第二の処理炉137は、それぞれ同じ処理を行ってもよいし、別の処理を行ってもよい。第一の処理炉202と第二の処理炉137で別の処理を行う場合、例えば第一の処理炉202でウェハ200にある処理を行った後、続けて第二の処理炉137で別の処理を行わせてもよい。また、第一の処理炉202でウェハ200にある処理を行った後、第二の処理炉137で別の処理を行わせる場合、第一のクーリングユニット138(又は第二のクーリングユニット139)を経由するようにしてもよい.
【0032】
次に、図1を参照して、本実施の形態で好適に用いられる第一の処理炉を詳細に説明する。
【0033】
処理炉はその全体が符号202で示される。例示の態様においては、処理炉202は、半導体ウェハ等の基板(以下、ウェハ200という。)の様々な処理工程を実行するのに適した枚葉式の処理炉である。また処理炉202は、特に半導体ウェハの熱処理に適している。こうした熱処理の例としては、半導体デバイスの処理における、半導体ウェハの熱アニール、ホウ素−リンから成るガラスの熱リフロー、高温酸化膜、低温酸化膜、高温窒化膜、ドープポリシリコン、未ドープポリシリコン、シリコンエピタキシャル、タングステン金属、又はケイ化タングステンから成る薄膜を形成するための化学蒸着が挙げられる。
【0034】
処理炉202は、回転筒(シリンダ)279に囲まれた上段ランプ207および下段ランプ223から成るランプアッセンブリ221を含む。このランプアッセンブリ221は、基板温度がほぼ均一になるように放射熱をウェハ200に供給する。好ましい形態においては、ランプアッセンブリ221は、放射ピーク0.95ミクロン(赤外線)で照射し、複数の加熱ゾーンを形成し、ウェハ中心部より多くの熱を基板周辺部に加える集中的加熱プロファイルを提供する一連のタングステン−ハロゲン直線ランプからなる上段ランプ207、下段ランプ223等の加熱要素を、含む。
上段ランプ207および下段ランプ223にはそれぞれ電極224が接続され、各ランプに電力を供給するとともに、各ランプの加熱具合は主制御部300に支配される加熱制御部303にて制御されている。
【0035】
ランプアッセンブリ221は、平ギア277に機械的に接続された回転筒279内に収容されている。この回転筒279は、セラミック、グラファイト、より好ましくはシリコングラファイトで被覆したグラファイト等から成る。ランプアッセンブリ221、回転筒279は、チャンバ本体227内に収容されて真空密封され、更にチャンバ本体227のチャンバ底228の上に保持される。チャンバ本体227は様々な金属材料から形成することができる。
例えば、幾つかのアプリケーションではアルミニウムが適しており、他のアプリケーションではステンレス鋼が適している。材料の選択は、当業者であれば分かるように、蒸着処理に用いられる化学物質の種類、及び選択された金属に対するこれら化学物質の反応性に左右される。通常前記チャンバ壁は、本技術分野では周知であるように、周知の循環式冷水フローシステムにより水冷される。
【0036】
回転筒279は、チャンバ底228の上に回転自在に保持される。具体的には、平ギア276,277とがボールベアリング278によりチャンバ底228に回転自在に保持され、平ギア276と平ギア277とは噛み合うように配置されている。更に、平ギア276は主制御部300にて支配される駆動制御部302にて制御されるサセプタ駆動機構267にて回転せしめられ、平ギア276、平ギア277を介して回転筒279を回転させている。回転ベースの回転速度は、当業者であれば分かるように、個々の処理に応じて5〜60rpmであることが好ましい。
処理炉202は、チャンバ本体227、チャンバ蓋226およびチャンバ底228から成るチャンバ225を有し、チャンバ225にて囲われた空間にて処理室201を形成している。
【0037】
ウェハ200は、円周方向において複数に分割された(実施例においては4つに分割)炭化ケイ素で被覆したグラファイト、クォーツ、純炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、アルミニウム、又は鋼等の好適な材料から成る基板保持手段であるサセプタ217の上に保持される。
なお、サセプタ217は円形形状をしており、具体的には中心のサセプタは円板状形状であり、それ以外はドーナッツ形の平板形状であって、回転筒279にて支持されている。したがって、サセプタ217は回転筒279に支持されることにより、シリンダ形サセプタとなる。
【0038】
チャンバ蓋226にはガス供給管232が貫通して設けられ、処理室201に処理ガス230を供給し得るようになっている。ガス供給管232は、開閉バルブ243、流量制御手段であるマスフローコントローラ(以下、MFCという。
)241を介し、ガスA、ガスBのガス源に接続されている。ここで使用されるガスは、窒素等の不活性ガスや水素、アルゴン、六フッ化タングステン等の所望のガスが用いられ、ウェハ200上に所望の膜を形成させて半導体装置を形成するものである。
【0039】
また、開閉バルブ243およびMFC241は、主制御部300にて支配されるガス制御部304にて制御され、ガスの供給、停止およびガスの流量が制御される。
【0040】
なお、ガス供給管232から供給された処理ガス230は処理室201内にてウェハ200と反応し、残余ガスはチャンバ本体227に設けられた排気口であるガス排気口235から図示しない真空ポンプ等からなる排気装置を介し、処理室外へ排出される。
【0041】
上述したガス供給管232、開閉バルブ243、MFC241、ガスA、ガスBのガス源及びガス制御部304のうち、少なくともガス供給管232を含むものから、処理室201内にガスを供給する供給系が構成される。また、上述したガス排気口235、排気装置のうち、少なくともガス排気口235を含むものから、処理室201内を排気する排気系が構成される。
【0042】
処理炉202は、様々な製造工程においてウェハ200の放射率(エミシビティ)を測定し、その温度を計算するための非接触式の放射率測定手段をも含む。
この放射率測定手段は、主として放射率測定用プローブ260、放射率測定用リファレンスランプ(参照光)265、主制御部300に支配される温度検出部301およびプローブ260と温度検出部301とを結ぶ光ファイバー通信ケーブルを含む。このケーブルはサファイア製の光ファイバー通信ケーブルから成ることが好ましい。
プローブ260はプローブ回転機構274により回転自在に設けられ、プローブ260の一端をウェハ200または参照光であるリファレンスランプ265の方向に方向付けられる。また、プローブ260は光ファイバー通信ケーブルとスリップ結合にて結合されているので、前述したようにプローブ260が回転しても接続状態は維持される。
【0043】
即ち、プローブ回転機構274は放射率測定用プローブ260を回転させ、これによりプローブ260の先端が放射率測定用リファレンスランプ265に向けてほぼ上側に向けられる第1ポジションと、プローブ260がウェハ200に向けてほぼ下側に向けられる第2ポジションとのプローブ260の向きが変えられる。従って、プローブ260の先端は、プローブ260の回転軸に対し直角方向に向けられていることが好ましい。このようにして、プローブ260はリファレンスランプ265から放射された光子の密度とウェハ200から反射された光子の密度を検知することができる。リファレンスランプ265は、ウェハ200における光の透過率が最小となる波長、好ましくは0.95ミクロンの波長の光を放射する白色光源から成ることが好ましい。上述の放射率測定手段は、リファレンスランプ265からの放射とウェハ200からの放射を比較することにより、ウェハ200の温度を測定する。
【0044】
ランプアッセンブリ221は回転筒279、サセプタ217およびウェハ200に完全に包囲されているので、放射率測定用プローブ260による読み取りに影響を与える得るランプアッセンブリ221から処理室201への光の漏れはない。
【0045】
仕切弁であるゲートバルブ244を開放し、チャンバ本体227に設けられたウェハ搬入搬出口247を通ってウェハ(基板)200を処理室201内に搬入し、ウェハ200をサセプタ217上に配置後、サセプタ回転機構(回転手段)267は処理中に回転筒279とサセプタ217を回転させる。ウェハ200の放射率の測定時には、プローブ260はウェハ200の真上のリファレンスランプ265に向くように回転し、リファレンスランプ265が点灯する。そして、プローブ260はリファレンスランプ265からの入射光子密度を測定する。リファレンスランプ265が点灯している間、プローブ260は第1ポジションから第2ポジションヘと回転し、回転している間にリファレンスランプ265真下のウェハ200に向く。
【0046】
このポジションにおいて、プローブ260はウェハ200のデバイス面(ウェハ200の表面)の反射光子密度を測定する。続いてリファレンスランプ265が消灯される。ウェハ200に直接向いている間、プローブ260は、加熱されたウェハ200からの放射光子を測定する。プランクの法則によれば、特定の表面に放出されたエネルギーは表面温度の四乗に関係する。その比例定数はシュテファン・ボルツマン定数と表面放射率との積から成る。従って、非接触法における表面温度の決定時には、表出放射率を使用するのが好ましい。以下の式を用いてウェハ200のデバイス面の全半球反射率を計算し、引き続きキルヒホッフの法則により放射率が得られる。
【0047】
(1)ウェハ反射率=反射光強度/入射光強度
(2)放射率=(1−ウェハ反射率)
一旦、ウェハの放射率が得られると、プランクの式からウェハ温度が得られる。この技法は、ウェハが高温で、且つこのような適用において、上記計算の実行前に基本熱放射が減算される場合にも用いられる。プローブ260は、第2ポジション即ちウェハに向けられるポジションに留まって、リファレンスランプ265の点灯時には常に放射率データを提供し続けることが好ましい。
【0048】
ウェハ200は回転しているので、プローブ260は、その回転中にウェハ200のデバイス面から反射される光子密度を測定し、基板にリトグラフされるであろう変化するデバイス構造の平均表面トポロジーからの反射を測定する。また放射率測定は薄膜蒸着過程を含む処理サイクルにわたって行われるので、放射率の瞬時の変化がモニターされ、温度補正が動的且つ連続的に行われる。
【0049】
処理炉202は更に温度検出手段である複数の温度測定用プローブ261を含む。これらのプローブ261はチャンバ蓋226に固定され、すべての処理条件においてウェハ200のデバイス面から放射される光子密度を常に測定する。プローブ261によって測定された光子密度に基づき温度検出部301にてウェハ温度に算出され、主制御部300にて設定温度と比較される。主制御部300は比較の結果、あらゆる偏差を計算し、加熱制御部303を介してランプアッセンブリ221内の加熱手段である上段ランプ207、下段ランプ223の複数のゾーンヘの電力供給量を制御する。好ましくは、ウェハ200の異なる部分の温度を測定するために位置決めされた3個のプローブ261を含む。これによって処理サイクル中の温度の均一性が確保される。
なお、温度測定用プローブ261にて算出されたウェハ温度は、放射率測定用プローブ260にて算出されたウェハ温度と比較され、補正されることでより正確なウェハ温度の検出を可能としている。
【0050】
ウェハ200の処理後、ウェハ200は、複数の突上げピン266によりサセプタ217の真中にあるサセプタとともに真中以外のサセプタから持ち上げられ、処理炉202内でウェハ200を自動的にローディング及びアンローディングできるようにするために、ウェハ200の下に空間を形成する。突上げピン266は駆動制御部302の制御のもと、昇降機構275によって上下する。
【0051】
さて、次に上述したランプアッセンブリ221について具体的に説明する。
ランプアッセンブリ221を構成する上段ランプ207および下段ランプ223は段違い平行棒のように、高さの異なる2つの水平面上に配列されている。この水平面はウェハ200の主面(表裏面)と平行である。しかも、ここでは平行棒を一体化するように、隣接する上段ランプ207と下段ランプ223をU字状に一体的に構成している。
【0052】
具体的には、図3の斜視図に示すように、両端に口金229を有する1本の直線ランプを折り曲げて形成している。すなわち、水平に延ばした直線ランプをU字状に折り曲げる。そのとき折曲げ部211に傾斜を設けてU字状ランプ210の直線部を段違いに配置するようにする。すなわち、上下二段の水平面を想定したとき、上段水平板面上を通る一方の直線部(以下、上段ランプ207)と、下段水平面上を通る他方の直線部(以下、下段ランプ223)とが垂直方向で重ならず斜めに段違いに配置されるように、折曲げ部211を折り曲げる。そして、口金229を有する上段ランプ207の端部207aを上段水平面に対して垂直に垂らすように折り曲げる。また、口金229を有する下段ランプ223の端部223aを下段水平面に対して垂直に垂らすように折り曲げて、U字状ランプ210の両端部207a、223aを横並びになるように揃える。
【0053】
このU字状ランプ210を複数本水平面状に密に並べる。すると、U字状ランプ210の下段ランプ223の上の隙間に、隣のU字状ランプ210の上段ランプ207を部分的に重ねることができる。すなわち、上段ランプ207と下段ランプ223は段違いで平行になっているので、下段ランプ223のガラス管に対して隣の上段ランプ207のガラス管をオーバラップさせても、上下段ランプ207、223のフィラメント207b、223bは重ねないようにすることができる。
【0054】
ランプアッセンブリ221を上段ランプ207および下段ランプ223の軸方向から見れば、図4に示すようになる。ランプ配列の隙間212を有効に使用して、複数本の上下段ランプ223を水平面状に沿って上下に千鳥状配列とすることができるので、ランプ配列の密度を上げることができる。
【0055】
なお、U字状ランプ210を作製するには、直線ランプの中央部を加熱しつつU字状に折り曲げるとともに、口金229を有する両端部207a、223aも同様にして垂直に折り曲げる。
【0056】
また、実施の形態では、組立てに先立って、予め上段ランプ207と下段ランプ223とが段違いになるようにU字状に折り曲げておき、U字状ランプを傾斜して配置しなくても、上下段ランプが段違いになるようにしたものを用いている。しかし、本発明はこれに限定されない。上段ランプ207と下段ランプ223とはU字状に折り曲げてあるが、組立て時に上段ランプ207と下段ランプ223とが段違い状になるようにU字状ランプを傾斜して配置するようにしてもよい。例えば、同一平面上にU字状に折り曲げられているU字状ランプ210を、その口金で装置側の電極224に組み付ける際に、U字状折曲げ部211が水平面に対して傾斜するように、全体を傾けて取り付けるようにしてもよい。
【0057】
上述したような構造のランプアッセンブリ221を用いれば、ウェハ温度分布の均一性の向上、ランプメンテナンス性の向上、およびランプ本数の低減によるコストダウンをはかることができる。
【0058】
図6(a)に示した上段ランプ11と下段ランプ12とをクロス状にアッセンブリした従来のものは、図6(b)に示したようにクロス部13でフィラメントの干渉が起こって温度が他の部分と比べて高くなる。したがって、ランプ配列面上の放射熱分布が不均一となり(図6(c))、その結果、ウェハ面内を裏面から均一に加熱することができない。
この点で実施の形態では、図5(a)、(b)に示すように、ランプをU字状にすることで、クロス状にランプを配置することなく、平行に配置することができる。これにより上段ランプ207と下段ランプ223との間にフィラメントの干渉部分が存在しなくなるので、図5(c)に示すように、ランプアッセンブリ221のランプ配列面上の放射熱分布が均一化され、その結果、ウェハ200を裏面から均一に加熱することができ、ウェハ面内温度分布の均一性を改善することができる。
【0059】
また、複数本のU字状ランプを配列するとき、段違いに配置した上下段ランプ207、223の隙間を利用し、相隣る上下段ランプをオーバラップするように千鳥状に配列している。このときU字状ランプとして、上下段ランプ207、223も上下方向にオーバラップさせたものを用いるようにすれば、ウェハ200と下段ランプ223のフィラメントライン間の距離A’(図5(a))が、従来のものの距離A(図6(a))よりも短くなるため、ウェハのランプレート(加熱速度)を向上することができる。
【0060】
また、上下段ランプ207、223が一体構成となっており、ランプ交換時、U字状ランプ単位で交換が行えるため上下空間が自由に使え、例えば下段ランプ交換時に、本来必要のない上段ランプの取り外しが不要になるので、ランプ交換が容易に行えてメンテナンスを向上することができる。
【0061】
また、実施の形態によれば、上下段ランプが一体であるので、上下段ランプが別体のものと比べて、ランプ本数を半減できるので、ランプアッセンブリのコストを格段に低減できる。また、ランプ本数の半減に伴ってシリンダ内の電極数も半減するから、構造も簡素化できる。
また、1本の直線ランプをU字状に一体的に構成しても、U字状ランプの直線部が同一平面に並んでいると、U字状ランプを面状に複数並べても、ランプ配列に隙間ができない。したがって、複数のU字状ランプの直状部は横並びになるだけなので、ランプ配列の密度を上げることができない。
この点で、実施の形態では、U字状ランプの折曲げ部を傾斜し、上下段ランプを段違いに配置させ、段違いによりランプ間に形成された隙間を有効利用して、複数のU字状ランプを上下に千鳥状に配列している。したがって、ランプ配列の密度を上げることができる。
また、複数本のU字状ランプを水平方向にオーバラップさせて千鳥状に配列するにあたって、上下段ランプ207、223も上下方向にオーバラップさせたU字状ランプを用いるようにすれば、ウェハ200と下段ランプ223のフィラメントライン間の距離A’(図5(a))が、従来のものの距離A(図6(a))よりも短くなるため、ランプアッセンブリの厚みを低減できる。したがって、シリンダの高さを低減できる。
【0062】
ところで、基板処理によっては、上段ランプのみの熱源が十分である場合もある。そのような場合には、下段ランプ223内にフィラメントに代えてリード線のみとすることで、下段ランプから発光を行わないようにすることができる。このように一部のフィラメントを省略すれば、大型のシリンダ形サセプタを加熱するため電力損失を低減できる。
【0063】
また、基板処理によっては、温度分布をかならずしも均一ではなく、所望の分布にしたい場合もある。そのような所望の温度分布を形成するには、図4に示す隣接する上段ランプ207、207間の距離B、またはU字状ランプの上下段ランプ207、223間の距離Cの寸法を変更することによって、容易に実現することができる。特に、距離Cについては、U字状ランプ製作時に折曲げ部の曲率Rを指示することによって容易に達成できる。また、距離Cを小さくすることで、クロス状配列のアッセンブリよりも加熱効率を上げることができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、上下段ランプをU字状に一体形成したので、別体で形成したものと比べて、ランプ加熱手段のメンテナンス性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による処理炉の概略を示す略断面図である。
【図2】実施の形態による基板処理装置の概要図である。
【図3】実施の形態による基板処理装置で用いるU字状ランプの斜視図である。
【図4】実施の形態によるU字状ランプの配列図を示し、(a)は平面図、(b)は管軸方向から見た側面図である。
【図5】実施の形態によるウェハに対するU字状ランプの説明図であって、(a)は配列側面図、(b)はランプ配列の平面図、(C)はランプ配列に対応した分布特性図である。
【図6】従来例によるウェハに対するランプの説明図であって、(a)は配列側面図、(b)はランプ配列の平面図、(c)はランプ配列に対応した分布特性図である。
【図7】従来例による基板処理装置で用いるクロス状に配列したランプの斜視図である。
【図8】従来例の効率低下の原因を説明する図であって、(a)はランプ配列の側面図、(b)はランプ配列の平面図である。
【符号の説明】
200 ウェハ(基板)
201 処理室
207 上段ランプ
210 U字状ランプ
221 ランプアッセンブリ(ランプ加熱手段)
223 下段ランプ
232 ガス供給管(供給系)
235 ガス排気口(排気気)
【発明の属する技術分野】
本発明は基板処理装置に係り、特にランプ加熱法を用いて基板を加熱するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ランプ加熱法は、基板(ウェハ)の直接加熱を行うため、ウェハ内での熱勾配による歪が少なく、スリップの発生が少ないので、枚葉式の基板処理装置に用いられている。この枚葉式の基板処理装置は、ウェハの大口径化により大型のシリンダ形サセプタを備え、そのシリンダ内にランプを配置して、ランプの上方に載置されるサセプタ上のウェハを加熱するようになっている。大型のシリンダ形サセプタを加熱する必要があるため、シリンダ内のランプ本数を増やす必要がある。
そこで従来は、ランプ本数を増やすために、図7に示すように、上下二段にランプ11、12をクロス状に配列していた。
しかしながら、このようにランプをクロス状配列すると、ランプ11、12のメンテナンス性、ランプコスト、ランプ放射効率のいずれにも問題点があった。
【0003】
メンテナンス性については、上方からランプ交換を行わなければならない場合、上段ランプ11を交換するときには問題ないのであるが、下段ランプ12を交換するときに問題が生じる。交換する下段ランプ12の本数がたとえ1本であっても、その交換すべき下段ランプ12の上に全ての上段ランプ11が覆い被さっているので、上段ランプ11を全て取り外さければ、下段ランプ12を交換することができない。また、下段ランプ12の交換後は、再度上段ランプ11を全て取り付けなければならない。
このことは、下方からランプ交換を行わなければならない場合でも、同様な問題が生じる。
従って、上段ランプ11又は下段ランプ12の交換の際は、下段ランプ12又は上段ランプ11を取り外す必要があり、メンテナンスが複雑でメンテナンス性が悪かった。
【0004】
ランプコストについても、並列接続される上下段ランプ11、12の本数が50数本にもなるうえ、装置側の電極も100数本にもなることから、非常に高価になっている。また、本数の増加に伴ってランプハウスの構造も複雑になる。
【0005】
ランプの放射効率についても、図8(a)に示すように、上段ランプ11と下段ランプ12とがクロスして、上下段のフィラメント11a、12aが重なるクロス部が生じるため、クロス部13で下段ランプ12の光が上段ランプ11により強められる。ランプ配列面上の放射熱分布を見ると、図8(b)に示すように、上下段ランプ11、12のクロス部13の温度が高くなる傾向があり、ランプ配列面上の放射効率が不均一でよくない。この傾向は、ランプ11、12の通電制御によって、ある程度は制御可能であるが、照射されるウェハ面内を均一加熱するには限界があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の技術では、上段ランプ又は下段ランプを交換する際は、下段ランプ又は上段ランプを取り外す必要が有り、メンテナンス性が悪かった。
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解消して、ランプのメンテナンス性を向上することが可能な基板処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、基板を加熱して所定の処理を行う処理室と、前記処理室内にガスを供給する供給系と、前記処理室内を排気する排気系と、前記基板を加熱するランプ加熱手段とを備え、前記ランプ加熱手段は、1本のランプをU字状に折り曲げて一体的に構成したU字状ランプを有し、前記U字状ランプを複数本面状に配列して、各U字状ランプの2本の平行なランプ部が上段ランプおよび下段ランプとして上下に千鳥状に並ぶようにしたものであることを特徴とする基板処理装置である。
【0008】
本発明では、上下段ランプが一体となっており、ランプ交換時、U字状ランプ単位で交換が行えるため、ランプ交換が容易に行えてメンテナンス性を向上することができる。
【0009】
また、本発明では、複数本のU字状ランプの上下段ランプを千鳥状に並べているので、ランプフィラメントが重ならないように、U字状ランプの下段ランプの上に隣のU字状ランプの上段ランプを部分的に重ねることができる。したがって、上下段ランプをクロス状に配列するものと異なり、上下段ランプのフィラメントに重なるクロス部が存在しないので、ランプ加熱手段の放射熱分布を均一化でき、基板面内を均一に加熱することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、上下段ランプのうちのいずれか一方のランプのフィラメントを取り除いた基板処理装置である。
基板の処理条件によっては、ランプ加熱による発熱量を全面的あるいは部分的に調整する必要がある。そのような場合に、上下段ランプのうちのいずれか一方のランプのフィラメントを取り除いてやれば、発熱量を減らすことができる。
【0011】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、U字状ランプの上下段ランプ間の距離を加減することによって、基板の加熱量を制御するようにした基板処理装置である。
U字状ランプの上下段ランプ間の距離、例えば上下段ランプ間の垂直方向の距離、または上下段ランプ間の水平方向の距離を調整することによって、ランプの本数を変えることなく、基板へのランプ加熱量を調整することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
【0013】
図2において、本発明が適用される基板処理装置の概要を説明する。
【0014】
なお、本発明が適用される基板処理装置においてはウェハなどの基板を搬送するキャリヤとしては、FOUP(front opening unified pod、以下、ポッドという。)が使用されている、また、以下の説明において、前後左右は図2を基準とする。すなわち、図2が示されている紙面に対して、前は紙面の下、後ろは紙面の上、左右は紙面の左右とする。
【0015】
図2に示されているように、基板処理装置は真空状態などの大気圧未満の圧力(負圧)に耐えるロードロックチャンバ構造に構成された第一の搬送室103を備えており、第一の搬送室103の筐体101は平面視が六角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。第一の搬送室103には負圧下でウェハ200を移載する第一のウェハ移載機112が設置されている。前記第一のウェハ移載機112は、エレベータ115によって、第一の搬送室103の気密性を維持しつつ昇降できるように構成されている。
【0016】
筐体101の六枚の側壁のうち前側に位置する二枚の側壁には、搬入用の予備室122と搬出用の予備室123とがそれぞれゲートバルブ244,127を介して連結されており、それぞれ負圧に耐え得るロードロックチャンバ構造に構成されている。さらに、予備室122には搬入室用の基板置き台140が設置され、予備室123には搬出室用の基板置き台141が設置されている。
【0017】
予備室122および予備室123の前側には、略大気圧下で用いられる第二の搬送室121がゲートバルブ128,129を介して連結されている。第二の搬送室121にはウェハ200を移載する第二のウェハ移載機124が設置されている。第二のウェハ移載機124は第二の搬送室121に設置されたエレベータ(図示略)によって昇降されるように構成されているとともに、リニアアクチュエータ(図示略)によって左右方向に往復移動されるように構成されている。
【0018】
図2に示されているように、第二の搬送室121の左側にはオリフラ合わせ装置106が設置されている。
【0019】
図2に示されているように、第二の搬送室121の筐体125には、ウェハ200を第二の搬送室121に対して搬入搬出するためのウェハ搬入搬出口134と、前記ウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋(図示略)と、ポッドオープナ108がそれぞれ設置されている。ポッドオープナ108は、IOステージ105に載置されたポッド100のキャップ及びウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋を開閉するキャップ開閉機構(図示略)とを備えており、IOステージ105に載置されたポッド100のキャップ及びウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋をキャップ開閉機構によって開閉することにより、ポッド100のウェハ出し入れを可能にする。また、ポッド100は図示しない工程内搬送装置(RGV)によって、前記IOステージ105に、供給および排出されるようになっている。
【0020】
図2に示されているように、筐体101の六枚の側壁のうち背面側に位置する二枚の側壁には、ウェハに所望の処理を行う第一の処理炉202と、第二の処理炉137とがそれぞれ隣接して連結されている。第一の処理炉202および第二の処理炉137はいずれもコールドウォール式の処理炉によってそれぞれ構成されている。また、筐体101における六枚の側壁のうちの残りの互いに対向する二枚の側壁には、第三の処理炉としての第一のクーリングユニット138と、第四の処理炉としての第二のクーリングユニット139とがそれぞれ連結されており、第一のクーリングユニット138および第二のクーリングユニット139はいずれも処理済みのウェハ200を冷却するように構成されている。
【0021】
以下、前記構成をもつ基板処理装置を使用した処理工程を説明する。
【0022】
未処理のウェハ200は25枚がポッド100に収納された状態で、処理工程を実施する基板処理装置へ工程内搬送装置によって搬送されて来る。図2に示されているように、搬送されて来たポッド100はIOステージ105の上に工程内搬送装置から受け渡されて載置される。
ポッド100のキャップ及びウェハ搬入搬出口134を開閉する蓋がキャップ開閉機構によって取り外され、ポッド100のウェハ出し入れ口が開放される。
【0023】
ポッド100がポッドオープナ108により開放されると、第二の搬送室121に設置された第二のウェハ移載機124はポッド100からウェハ200をピックアップし、予備室122に搬入し、ウェハ200を基板置き台140に移載する。この移載作業中には、第一の搬送室103側のゲートバルブ244は閉じられており、第一の搬送室103の負圧は維持されている。ウェハ200の基板置き台140への移載が完了すると、ゲートバルブ128が閉じられ、予備室122が排気装置(図示せず)によって負圧に排気される。
【0024】
予備室122が予め設定された圧力値に減圧されると、ゲートバルブ244,130が開かれ、予備室122、第一の搬送室103、第一の処理炉202が連通される。続いて、第一の搬送室103の第一のウェハ移載機112は基板置き台140からウェハ200をピックアップして第一の処理炉202に搬入する。
そして、第一の処理炉202内に処理ガスが供給され、所望の処理がウェハ200に行われる。
【0025】
第一の処理炉202で前記処理が完了すると、処理済みのウェハ200は第一の搬送室103の第一のウェハ移載機112によって第一の搬送室103に搬出される。
そして、第一のウェハ移載機112は第一の処理炉202から搬出したウェハ200を第一のクーリングユニット138へ搬入し、処理済みのウェハを冷却する。
【0026】
第一のクーリングユニット138にウェハ200を移載すると、第一のウェハ移載機112は予備室122の基板置き台140に予め準備されたウェハ200を第一の処理炉202に前述した作動によって移載し、第一の処理炉202内に処理ガスが供給され、所望の処理がウェハ200に行われる。
【0027】
第一のクーリングユニット138において予め設定された冷却時間が経過すると、冷却済みのウェハ200は第一のウェハ移載機112によって第一のクーリングユニット138から第一の搬送室103に搬出される。
【0028】
冷却済みのウェハ200が第一のクーリングユニット138から第一の搬送室103に搬出されたのち、ゲートバルブ127が開かれる。そして、第一のウェハ移載機112は第一のクーリングユニット138から搬出したウェハ200を予備室123へ搬送し、基板置き台141に移載した後、予備室123はゲートバルブ127によって閉じられる。
【0029】
予備室123がゲートバルブ127によって閉じられると、前記排出用予備室123内が不活性ガスにより略大気圧に戻される。前記予備室123内が略大気圧に戻されると、ゲートバルブ129が開かれ、第二の搬送室121の予備室123に対応したウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋と、IOステージ105に載置された空のポッド100のキャップがポッドオープナ108によって開かれる。続いて、第二の搬送室121の第二のウェハ移載機124は基板置き台141からウェハ200をピックアップして第二の搬送室121に搬出し、第二の搬送室121のウェハ搬入搬出口134を通してポッド100に収納して行く。処理済みの25枚のウェハ200のポッド100への収納が完了すると、ポッド100のキャップとウェハ搬入搬出口134を閉塞する蓋がポッドオープナ108によって閉じられる。閉じられたポッド100はIOステージ105の上から次の工程へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。
【0030】
以上の作動が繰り返されることにより、ウェハが、順次、処理されて行く。以上の作動は第一の処理炉202および第一のクーリングユニット138が使用される場合を例にして説明したが、第二の処理炉137および第二のクーリングユニット139が使用される場合についても同様の作動が実施される。
【0031】
なお、上述の基板処理装置では、予備室122を搬入用、予備室123を搬出用としたが、予備室123を搬入用、予備室122を搬出用としてもよい。また、第一の処理炉202と第二の処理炉137は、それぞれ同じ処理を行ってもよいし、別の処理を行ってもよい。第一の処理炉202と第二の処理炉137で別の処理を行う場合、例えば第一の処理炉202でウェハ200にある処理を行った後、続けて第二の処理炉137で別の処理を行わせてもよい。また、第一の処理炉202でウェハ200にある処理を行った後、第二の処理炉137で別の処理を行わせる場合、第一のクーリングユニット138(又は第二のクーリングユニット139)を経由するようにしてもよい.
【0032】
次に、図1を参照して、本実施の形態で好適に用いられる第一の処理炉を詳細に説明する。
【0033】
処理炉はその全体が符号202で示される。例示の態様においては、処理炉202は、半導体ウェハ等の基板(以下、ウェハ200という。)の様々な処理工程を実行するのに適した枚葉式の処理炉である。また処理炉202は、特に半導体ウェハの熱処理に適している。こうした熱処理の例としては、半導体デバイスの処理における、半導体ウェハの熱アニール、ホウ素−リンから成るガラスの熱リフロー、高温酸化膜、低温酸化膜、高温窒化膜、ドープポリシリコン、未ドープポリシリコン、シリコンエピタキシャル、タングステン金属、又はケイ化タングステンから成る薄膜を形成するための化学蒸着が挙げられる。
【0034】
処理炉202は、回転筒(シリンダ)279に囲まれた上段ランプ207および下段ランプ223から成るランプアッセンブリ221を含む。このランプアッセンブリ221は、基板温度がほぼ均一になるように放射熱をウェハ200に供給する。好ましい形態においては、ランプアッセンブリ221は、放射ピーク0.95ミクロン(赤外線)で照射し、複数の加熱ゾーンを形成し、ウェハ中心部より多くの熱を基板周辺部に加える集中的加熱プロファイルを提供する一連のタングステン−ハロゲン直線ランプからなる上段ランプ207、下段ランプ223等の加熱要素を、含む。
上段ランプ207および下段ランプ223にはそれぞれ電極224が接続され、各ランプに電力を供給するとともに、各ランプの加熱具合は主制御部300に支配される加熱制御部303にて制御されている。
【0035】
ランプアッセンブリ221は、平ギア277に機械的に接続された回転筒279内に収容されている。この回転筒279は、セラミック、グラファイト、より好ましくはシリコングラファイトで被覆したグラファイト等から成る。ランプアッセンブリ221、回転筒279は、チャンバ本体227内に収容されて真空密封され、更にチャンバ本体227のチャンバ底228の上に保持される。チャンバ本体227は様々な金属材料から形成することができる。
例えば、幾つかのアプリケーションではアルミニウムが適しており、他のアプリケーションではステンレス鋼が適している。材料の選択は、当業者であれば分かるように、蒸着処理に用いられる化学物質の種類、及び選択された金属に対するこれら化学物質の反応性に左右される。通常前記チャンバ壁は、本技術分野では周知であるように、周知の循環式冷水フローシステムにより水冷される。
【0036】
回転筒279は、チャンバ底228の上に回転自在に保持される。具体的には、平ギア276,277とがボールベアリング278によりチャンバ底228に回転自在に保持され、平ギア276と平ギア277とは噛み合うように配置されている。更に、平ギア276は主制御部300にて支配される駆動制御部302にて制御されるサセプタ駆動機構267にて回転せしめられ、平ギア276、平ギア277を介して回転筒279を回転させている。回転ベースの回転速度は、当業者であれば分かるように、個々の処理に応じて5〜60rpmであることが好ましい。
処理炉202は、チャンバ本体227、チャンバ蓋226およびチャンバ底228から成るチャンバ225を有し、チャンバ225にて囲われた空間にて処理室201を形成している。
【0037】
ウェハ200は、円周方向において複数に分割された(実施例においては4つに分割)炭化ケイ素で被覆したグラファイト、クォーツ、純炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、アルミニウム、又は鋼等の好適な材料から成る基板保持手段であるサセプタ217の上に保持される。
なお、サセプタ217は円形形状をしており、具体的には中心のサセプタは円板状形状であり、それ以外はドーナッツ形の平板形状であって、回転筒279にて支持されている。したがって、サセプタ217は回転筒279に支持されることにより、シリンダ形サセプタとなる。
【0038】
チャンバ蓋226にはガス供給管232が貫通して設けられ、処理室201に処理ガス230を供給し得るようになっている。ガス供給管232は、開閉バルブ243、流量制御手段であるマスフローコントローラ(以下、MFCという。
)241を介し、ガスA、ガスBのガス源に接続されている。ここで使用されるガスは、窒素等の不活性ガスや水素、アルゴン、六フッ化タングステン等の所望のガスが用いられ、ウェハ200上に所望の膜を形成させて半導体装置を形成するものである。
【0039】
また、開閉バルブ243およびMFC241は、主制御部300にて支配されるガス制御部304にて制御され、ガスの供給、停止およびガスの流量が制御される。
【0040】
なお、ガス供給管232から供給された処理ガス230は処理室201内にてウェハ200と反応し、残余ガスはチャンバ本体227に設けられた排気口であるガス排気口235から図示しない真空ポンプ等からなる排気装置を介し、処理室外へ排出される。
【0041】
上述したガス供給管232、開閉バルブ243、MFC241、ガスA、ガスBのガス源及びガス制御部304のうち、少なくともガス供給管232を含むものから、処理室201内にガスを供給する供給系が構成される。また、上述したガス排気口235、排気装置のうち、少なくともガス排気口235を含むものから、処理室201内を排気する排気系が構成される。
【0042】
処理炉202は、様々な製造工程においてウェハ200の放射率(エミシビティ)を測定し、その温度を計算するための非接触式の放射率測定手段をも含む。
この放射率測定手段は、主として放射率測定用プローブ260、放射率測定用リファレンスランプ(参照光)265、主制御部300に支配される温度検出部301およびプローブ260と温度検出部301とを結ぶ光ファイバー通信ケーブルを含む。このケーブルはサファイア製の光ファイバー通信ケーブルから成ることが好ましい。
プローブ260はプローブ回転機構274により回転自在に設けられ、プローブ260の一端をウェハ200または参照光であるリファレンスランプ265の方向に方向付けられる。また、プローブ260は光ファイバー通信ケーブルとスリップ結合にて結合されているので、前述したようにプローブ260が回転しても接続状態は維持される。
【0043】
即ち、プローブ回転機構274は放射率測定用プローブ260を回転させ、これによりプローブ260の先端が放射率測定用リファレンスランプ265に向けてほぼ上側に向けられる第1ポジションと、プローブ260がウェハ200に向けてほぼ下側に向けられる第2ポジションとのプローブ260の向きが変えられる。従って、プローブ260の先端は、プローブ260の回転軸に対し直角方向に向けられていることが好ましい。このようにして、プローブ260はリファレンスランプ265から放射された光子の密度とウェハ200から反射された光子の密度を検知することができる。リファレンスランプ265は、ウェハ200における光の透過率が最小となる波長、好ましくは0.95ミクロンの波長の光を放射する白色光源から成ることが好ましい。上述の放射率測定手段は、リファレンスランプ265からの放射とウェハ200からの放射を比較することにより、ウェハ200の温度を測定する。
【0044】
ランプアッセンブリ221は回転筒279、サセプタ217およびウェハ200に完全に包囲されているので、放射率測定用プローブ260による読み取りに影響を与える得るランプアッセンブリ221から処理室201への光の漏れはない。
【0045】
仕切弁であるゲートバルブ244を開放し、チャンバ本体227に設けられたウェハ搬入搬出口247を通ってウェハ(基板)200を処理室201内に搬入し、ウェハ200をサセプタ217上に配置後、サセプタ回転機構(回転手段)267は処理中に回転筒279とサセプタ217を回転させる。ウェハ200の放射率の測定時には、プローブ260はウェハ200の真上のリファレンスランプ265に向くように回転し、リファレンスランプ265が点灯する。そして、プローブ260はリファレンスランプ265からの入射光子密度を測定する。リファレンスランプ265が点灯している間、プローブ260は第1ポジションから第2ポジションヘと回転し、回転している間にリファレンスランプ265真下のウェハ200に向く。
【0046】
このポジションにおいて、プローブ260はウェハ200のデバイス面(ウェハ200の表面)の反射光子密度を測定する。続いてリファレンスランプ265が消灯される。ウェハ200に直接向いている間、プローブ260は、加熱されたウェハ200からの放射光子を測定する。プランクの法則によれば、特定の表面に放出されたエネルギーは表面温度の四乗に関係する。その比例定数はシュテファン・ボルツマン定数と表面放射率との積から成る。従って、非接触法における表面温度の決定時には、表出放射率を使用するのが好ましい。以下の式を用いてウェハ200のデバイス面の全半球反射率を計算し、引き続きキルヒホッフの法則により放射率が得られる。
【0047】
(1)ウェハ反射率=反射光強度/入射光強度
(2)放射率=(1−ウェハ反射率)
一旦、ウェハの放射率が得られると、プランクの式からウェハ温度が得られる。この技法は、ウェハが高温で、且つこのような適用において、上記計算の実行前に基本熱放射が減算される場合にも用いられる。プローブ260は、第2ポジション即ちウェハに向けられるポジションに留まって、リファレンスランプ265の点灯時には常に放射率データを提供し続けることが好ましい。
【0048】
ウェハ200は回転しているので、プローブ260は、その回転中にウェハ200のデバイス面から反射される光子密度を測定し、基板にリトグラフされるであろう変化するデバイス構造の平均表面トポロジーからの反射を測定する。また放射率測定は薄膜蒸着過程を含む処理サイクルにわたって行われるので、放射率の瞬時の変化がモニターされ、温度補正が動的且つ連続的に行われる。
【0049】
処理炉202は更に温度検出手段である複数の温度測定用プローブ261を含む。これらのプローブ261はチャンバ蓋226に固定され、すべての処理条件においてウェハ200のデバイス面から放射される光子密度を常に測定する。プローブ261によって測定された光子密度に基づき温度検出部301にてウェハ温度に算出され、主制御部300にて設定温度と比較される。主制御部300は比較の結果、あらゆる偏差を計算し、加熱制御部303を介してランプアッセンブリ221内の加熱手段である上段ランプ207、下段ランプ223の複数のゾーンヘの電力供給量を制御する。好ましくは、ウェハ200の異なる部分の温度を測定するために位置決めされた3個のプローブ261を含む。これによって処理サイクル中の温度の均一性が確保される。
なお、温度測定用プローブ261にて算出されたウェハ温度は、放射率測定用プローブ260にて算出されたウェハ温度と比較され、補正されることでより正確なウェハ温度の検出を可能としている。
【0050】
ウェハ200の処理後、ウェハ200は、複数の突上げピン266によりサセプタ217の真中にあるサセプタとともに真中以外のサセプタから持ち上げられ、処理炉202内でウェハ200を自動的にローディング及びアンローディングできるようにするために、ウェハ200の下に空間を形成する。突上げピン266は駆動制御部302の制御のもと、昇降機構275によって上下する。
【0051】
さて、次に上述したランプアッセンブリ221について具体的に説明する。
ランプアッセンブリ221を構成する上段ランプ207および下段ランプ223は段違い平行棒のように、高さの異なる2つの水平面上に配列されている。この水平面はウェハ200の主面(表裏面)と平行である。しかも、ここでは平行棒を一体化するように、隣接する上段ランプ207と下段ランプ223をU字状に一体的に構成している。
【0052】
具体的には、図3の斜視図に示すように、両端に口金229を有する1本の直線ランプを折り曲げて形成している。すなわち、水平に延ばした直線ランプをU字状に折り曲げる。そのとき折曲げ部211に傾斜を設けてU字状ランプ210の直線部を段違いに配置するようにする。すなわち、上下二段の水平面を想定したとき、上段水平板面上を通る一方の直線部(以下、上段ランプ207)と、下段水平面上を通る他方の直線部(以下、下段ランプ223)とが垂直方向で重ならず斜めに段違いに配置されるように、折曲げ部211を折り曲げる。そして、口金229を有する上段ランプ207の端部207aを上段水平面に対して垂直に垂らすように折り曲げる。また、口金229を有する下段ランプ223の端部223aを下段水平面に対して垂直に垂らすように折り曲げて、U字状ランプ210の両端部207a、223aを横並びになるように揃える。
【0053】
このU字状ランプ210を複数本水平面状に密に並べる。すると、U字状ランプ210の下段ランプ223の上の隙間に、隣のU字状ランプ210の上段ランプ207を部分的に重ねることができる。すなわち、上段ランプ207と下段ランプ223は段違いで平行になっているので、下段ランプ223のガラス管に対して隣の上段ランプ207のガラス管をオーバラップさせても、上下段ランプ207、223のフィラメント207b、223bは重ねないようにすることができる。
【0054】
ランプアッセンブリ221を上段ランプ207および下段ランプ223の軸方向から見れば、図4に示すようになる。ランプ配列の隙間212を有効に使用して、複数本の上下段ランプ223を水平面状に沿って上下に千鳥状配列とすることができるので、ランプ配列の密度を上げることができる。
【0055】
なお、U字状ランプ210を作製するには、直線ランプの中央部を加熱しつつU字状に折り曲げるとともに、口金229を有する両端部207a、223aも同様にして垂直に折り曲げる。
【0056】
また、実施の形態では、組立てに先立って、予め上段ランプ207と下段ランプ223とが段違いになるようにU字状に折り曲げておき、U字状ランプを傾斜して配置しなくても、上下段ランプが段違いになるようにしたものを用いている。しかし、本発明はこれに限定されない。上段ランプ207と下段ランプ223とはU字状に折り曲げてあるが、組立て時に上段ランプ207と下段ランプ223とが段違い状になるようにU字状ランプを傾斜して配置するようにしてもよい。例えば、同一平面上にU字状に折り曲げられているU字状ランプ210を、その口金で装置側の電極224に組み付ける際に、U字状折曲げ部211が水平面に対して傾斜するように、全体を傾けて取り付けるようにしてもよい。
【0057】
上述したような構造のランプアッセンブリ221を用いれば、ウェハ温度分布の均一性の向上、ランプメンテナンス性の向上、およびランプ本数の低減によるコストダウンをはかることができる。
【0058】
図6(a)に示した上段ランプ11と下段ランプ12とをクロス状にアッセンブリした従来のものは、図6(b)に示したようにクロス部13でフィラメントの干渉が起こって温度が他の部分と比べて高くなる。したがって、ランプ配列面上の放射熱分布が不均一となり(図6(c))、その結果、ウェハ面内を裏面から均一に加熱することができない。
この点で実施の形態では、図5(a)、(b)に示すように、ランプをU字状にすることで、クロス状にランプを配置することなく、平行に配置することができる。これにより上段ランプ207と下段ランプ223との間にフィラメントの干渉部分が存在しなくなるので、図5(c)に示すように、ランプアッセンブリ221のランプ配列面上の放射熱分布が均一化され、その結果、ウェハ200を裏面から均一に加熱することができ、ウェハ面内温度分布の均一性を改善することができる。
【0059】
また、複数本のU字状ランプを配列するとき、段違いに配置した上下段ランプ207、223の隙間を利用し、相隣る上下段ランプをオーバラップするように千鳥状に配列している。このときU字状ランプとして、上下段ランプ207、223も上下方向にオーバラップさせたものを用いるようにすれば、ウェハ200と下段ランプ223のフィラメントライン間の距離A’(図5(a))が、従来のものの距離A(図6(a))よりも短くなるため、ウェハのランプレート(加熱速度)を向上することができる。
【0060】
また、上下段ランプ207、223が一体構成となっており、ランプ交換時、U字状ランプ単位で交換が行えるため上下空間が自由に使え、例えば下段ランプ交換時に、本来必要のない上段ランプの取り外しが不要になるので、ランプ交換が容易に行えてメンテナンスを向上することができる。
【0061】
また、実施の形態によれば、上下段ランプが一体であるので、上下段ランプが別体のものと比べて、ランプ本数を半減できるので、ランプアッセンブリのコストを格段に低減できる。また、ランプ本数の半減に伴ってシリンダ内の電極数も半減するから、構造も簡素化できる。
また、1本の直線ランプをU字状に一体的に構成しても、U字状ランプの直線部が同一平面に並んでいると、U字状ランプを面状に複数並べても、ランプ配列に隙間ができない。したがって、複数のU字状ランプの直状部は横並びになるだけなので、ランプ配列の密度を上げることができない。
この点で、実施の形態では、U字状ランプの折曲げ部を傾斜し、上下段ランプを段違いに配置させ、段違いによりランプ間に形成された隙間を有効利用して、複数のU字状ランプを上下に千鳥状に配列している。したがって、ランプ配列の密度を上げることができる。
また、複数本のU字状ランプを水平方向にオーバラップさせて千鳥状に配列するにあたって、上下段ランプ207、223も上下方向にオーバラップさせたU字状ランプを用いるようにすれば、ウェハ200と下段ランプ223のフィラメントライン間の距離A’(図5(a))が、従来のものの距離A(図6(a))よりも短くなるため、ランプアッセンブリの厚みを低減できる。したがって、シリンダの高さを低減できる。
【0062】
ところで、基板処理によっては、上段ランプのみの熱源が十分である場合もある。そのような場合には、下段ランプ223内にフィラメントに代えてリード線のみとすることで、下段ランプから発光を行わないようにすることができる。このように一部のフィラメントを省略すれば、大型のシリンダ形サセプタを加熱するため電力損失を低減できる。
【0063】
また、基板処理によっては、温度分布をかならずしも均一ではなく、所望の分布にしたい場合もある。そのような所望の温度分布を形成するには、図4に示す隣接する上段ランプ207、207間の距離B、またはU字状ランプの上下段ランプ207、223間の距離Cの寸法を変更することによって、容易に実現することができる。特に、距離Cについては、U字状ランプ製作時に折曲げ部の曲率Rを指示することによって容易に達成できる。また、距離Cを小さくすることで、クロス状配列のアッセンブリよりも加熱効率を上げることができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、上下段ランプをU字状に一体形成したので、別体で形成したものと比べて、ランプ加熱手段のメンテナンス性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による処理炉の概略を示す略断面図である。
【図2】実施の形態による基板処理装置の概要図である。
【図3】実施の形態による基板処理装置で用いるU字状ランプの斜視図である。
【図4】実施の形態によるU字状ランプの配列図を示し、(a)は平面図、(b)は管軸方向から見た側面図である。
【図5】実施の形態によるウェハに対するU字状ランプの説明図であって、(a)は配列側面図、(b)はランプ配列の平面図、(C)はランプ配列に対応した分布特性図である。
【図6】従来例によるウェハに対するランプの説明図であって、(a)は配列側面図、(b)はランプ配列の平面図、(c)はランプ配列に対応した分布特性図である。
【図7】従来例による基板処理装置で用いるクロス状に配列したランプの斜視図である。
【図8】従来例の効率低下の原因を説明する図であって、(a)はランプ配列の側面図、(b)はランプ配列の平面図である。
【符号の説明】
200 ウェハ(基板)
201 処理室
207 上段ランプ
210 U字状ランプ
221 ランプアッセンブリ(ランプ加熱手段)
223 下段ランプ
232 ガス供給管(供給系)
235 ガス排気口(排気気)
Claims (1)
- 基板を加熱して所定の処理を行う処理室と、
前記処理室内にガスを供給する供給系と、
前記処理室内を排気する排気系と、
前記基板を加熱するランプ加熱手段とを備え、
前記ランプ加熱手段は、
1本のランプをU字状に折り曲げて一体的に構成したU字状ランプを有し、
前記U字状ランプを複数本面状に配列して、各U字状ランプの2本の平行なランプ部が上段ランプおよび下段ランプとして上下に千鳥状に並ぶようにしたものであることを特徴とする基板処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003206319A JP2005056929A (ja) | 2003-08-06 | 2003-08-06 | 基板処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003206319A JP2005056929A (ja) | 2003-08-06 | 2003-08-06 | 基板処理装置 |
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JP2005056929A true JP2005056929A (ja) | 2005-03-03 |
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JP2003206319A Pending JP2005056929A (ja) | 2003-08-06 | 2003-08-06 | 基板処理装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108054115A (zh) * | 2017-11-14 | 2018-05-18 | 上海华力微电子有限公司 | 刻蚀腔体的聚合物清洁方法 |
-
2003
- 2003-08-06 JP JP2003206319A patent/JP2005056929A/ja active Pending
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