JP5093209B2 - 可変ゲイン増幅器 - Google Patents
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Description
請求項3に記載した手段によれば、制御手段は、第2のコンデンサの電荷を初期化する時に、演算増幅器の出力端子と入力端子を接続する。
請求項4に記載した手段によれば、差動入力電圧を2進コード値で規定されたゲインで差動増幅して差動出力する。これにより、コモンモードノイズを有効に除去することができる。また、回路を対称にレイアウトすることにより、接続切替時に発生するフィードスルーなどによる誤差を相殺でき、より高い精度でゲイン設定が可能となる。
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図6を参照しながら説明する。
図1は、可変ゲイン増幅器の構成および各スイッチの切替状態を示している。この可変ゲイン増幅器1は、例えば車両のECUに搭載されたマイコン、車載センサに付随する信号処理回路などに設けられており、不可避的にばらつきを持つセンサの感度やオフセットに対し、各センサごとに指定されるゲインを用いて上記ばらつきを補正しながらセンサ出力信号を増幅するものである。ここで、センサ信号の電圧Vinは信号入力端子2に入力され、2進コード値で規定されたゲインで増幅された信号の電圧Voutは信号出力端子3から出力される。
[設定ゲインが5/4の場合:図2]
本ケースの設定ゲイン5/4(1.25)は1よりも大きいので、最初に、スイッチS1b、S3b、Sfがオンとされ、スイッチS1a、S3aが信号入力端子2(Vin)側に切り替えられ、スイッチ2aが信号出力端子3(Vout)側に切り替えられる。この初期のサンプリング状態Aにおいて、コンデンサC1、C3に入力電圧Vinに応じた電荷CVinがサンプリングされ、残るコンデンサC2の電荷はゼロに初期化される。このときの出力電圧Voutは0Vである。
最初のサンプリング状態Aから電荷分配状態B、電荷初期化状態C′を経て電荷分配状態Bに至るまでの過程は、設定ゲインが5/4の場合(図2)と同様である。本ケースの設定ゲイン9/8(1.125)は5/4(1.25)よりも小さいので、この電荷分配状態BにおけるコンデンサC2の電荷(=1/4・CVin)の加算も不要である。そこで、電荷分配状態Bから再び電荷初期化状態C′になり、コンデンサC1、C3の電荷が保存されたままコンデンサC2の電荷がゼロに初期化される。
最初のサンプリング状態Aから電荷分配状態Bに至る過程は、設定ゲインが5/4の場合(図2)および9/8の場合(図3)と同様である。本ケースの設定ゲイン13/8(1.625)は3/2(1+1/2=1.5)よりも大きいので、この電荷分配状態BにおけるコンデンサC2の電荷(=1/2・CVin)の加算が必要である。そこで、スイッチS1bがオフ、スイッチS3bがオンとされ、スイッチS2aがグランド(Vrefm)側に切り替えられ、電荷分配状態Bから電荷加算状態Cになる。この電荷加算状態Cでは、コンデンサC2とC3との間で電荷分配(電荷転送)が行われ、コンデンサC3の電荷は、自ら持っていた電荷CVinとコンデンサC2の電荷(=1/2・CVin)との和(=3/2・CVin)となる(電荷累積手段7による電荷加算動作)。
本ケースの設定ゲイン7/8(0.875)は1よりも小さいので、初期のサンプリング状態Aにおいて、スイッチS1b、S3b、Sfがオンとされ、スイッチS1aが信号入力端子2(Vin)側に切り替えられ、スイッチ2a、S3aが信号出力端子3(Vout)側に切り替えられる。これにより、コンデンサC1にのみ入力電圧Vinに応じた電荷CVinがサンプリングされ、残るコンデンサC2、C3の電荷はゼロに初期化される。
次に、本発明の第2の実施形態について図7を参照しながら説明する。
図7は、可変ゲイン増幅器の構成および各スイッチの切替状態を示しており、図1と同一構成要素には同一符号を付している。この可変ゲイン増幅器11は、例えば車両のECUに搭載されたマイコン、車載センサに付随する信号処理回路などに設けられている。センサ信号の電圧Vinは信号入力端子2に入力され、増幅信号の電圧Voutは信号出力端子3から出力される。
図7(a)、(b)、(c)は、それぞれ本発明でいう第1の状態、第2の状態、第3の状態に相当し、入力電圧Vinのサンプリング状態A、コンデンサC11からC10への電荷加算状態B(2倍増幅)、増幅電圧のサンプリング状態Cを表している。図中に示す矢印は、増幅過程において当該各状態間での遷移が発生し得ることを示している。
次に、本発明の第3の実施形態について図8および図9を参照しながら説明する。
図8は、D/A変換器の構成および各スイッチの切替状態を示しており、図1と同一構成要素には同一符号を付している。このD/A変換器21は、例えば車両のECUに搭載されたマイコンに設けられている。入力端子22には一定の基準電圧Vrefpが入力されており、2進コード値であるデジタル値をD/A変換して得られるアナログ電圧Voutは信号出力端子3から出力される。
次に、本発明の第4の実施形態について図10ないし図12を参照しながら説明する。
図10および図11は、電圧オフセット機能が付加された可変ゲイン増幅器の構成および各スイッチの切替状態を示しており、図1、図8と同一構成要素には同一符号を付している。この可変ゲイン増幅器31は、図1に示す可変ゲイン増幅器1と図8に示すD/A変換器21とを組み合わせた構成を備えており、mビットのD/A変換動作を行った後、入力電圧VinをこのD/A変換出力電圧だけオフセットし、このオフセット後の電圧をnビットの分解能を持つゲインで増幅するものである。
次に、本発明の第5の実施形態について図13および図14を参照しながら説明する。
図13は、可変ゲイン増幅器の構成および各スイッチの切替状態を示しており、図1、図7と同一または対応する構成要素には同一符号を付している。この可変ゲイン増幅器41は、電荷累積手段42、電荷分割手段43および制御回路45から構成されており、図7においてスイッチS10aを除くとともに、コンデンサC10の一端がオペアンプ4の出力端子に直接接続された回路構成を備えている。ただし、本実施形態ではコンデンサC10は第2のコンデンサに相当し、コンデンサC11は第1のコンデンサに相当する。
図13(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれコンデンサC10の初期化を兼ねたサンプリング状態A、コンデンサC10とC11との間での電荷分配状態B(電荷累積動作、電荷分割動作)、コンデンサC11への入力電圧Vinのサンプリング状態C、コンデンサC11への電圧Vrefm(0V)のサンプリング状態Dを表している。図中に示す矢印は、増幅過程において当該各状態間での遷移が発生し得ることを示している。
次に、本発明の第6の実施形態について図15および図16を参照しながら説明する。
図15は、巡回型D/A変換器の構成および各スイッチの切替状態を示しており、図13と同一の構成要素には同一符号を付している。この巡回型のD/A変換器51は、オペアンプ4、コンデンサC10、C11(第2、第1のコンデンサに相当)およびスイッチS11a、S11b、S11c、Sfが図13に示す可変ゲイン増幅器41と同様に接続されて構成されている。入力端子22には、一定の基準電圧Vrefpが入力されている。
次に、本発明の第7の実施形態について図17を参照しながら説明する。
図17は、上述した可変ゲイン増幅器の適用例を示している。図17(a)は、図示しない車載センサからの入力電圧Vinを可変ゲイン増幅器1(図1参照)により感度補正しながら増幅し、適当なダイナミックレンジにまで増幅した電圧をA/D変換器91によりA/D変換してデジタルデータDoutを得る信号入力回路を示している。
図18は、図1に示した可変ゲイン増幅器1を差動の形態に構成したものである。この可変ゲイン増幅器101の入力端子102、103にはそれぞれ電圧Vinp、Vinmが入力され、この差動入力電圧(Vinp−Vinm)を2進コード値で規定されたゲインで差動増幅した電圧(Voutp−Voutm)は、信号出力端子103、203から出力される。
図19は、図13に示した可変ゲイン増幅器41を差動の形態に構成したものであり、図18と同一構成要素には同一符号を付している。この可変ゲイン増幅器111は、オペアンプ104、コンデンサC110、C210(第2のコンデンサに相当)、コンデンサC111、C211(第1のコンデンサに相当)、およびスイッチS111a、S211a、S111b、S211b、S111c、S211c、Sf1、Sf2から構成されている。
図20は、図8に示したD/A変換器21を差動の形態に構成したものであり、図18と同一構成要素には同一符号を付している。このD/A変換器121の入力端子122、222にはそれぞれ一定の基準電圧Vrefp、Vrefmが入力されており、デジタル値をD/A変換して得られるアナログ電圧(Voutp−Voutm)は、信号出力端子103、203から出力される。
図21は、図15に示したD/A変換器51を差動の形態に構成したものであり、図19と同一構成要素には同一符号を付している。このD/A変換器131は、オペアンプ104、コンデンサC110、C210(第2のコンデンサに相当)、コンデンサC111、C211(第1のコンデンサに相当)、およびスイッチS111a、S211a、S111b、S211b、S111c、S211c、Sf1、Sf2から構成されている。
なお、本発明は上記し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
[第1の実施形態の変形例]
コンデンサC1、C2、C3の各一端は、少なくともオペアンプ4の出力端子に接続または接続可能とされ、他端はオペアンプ4の反転入力端子に接続または接続可能とされていればよい。この場合、少なくともコンデンサC1(必要に応じてコンデンサC3)に入力電圧Vinに応じた電荷を蓄積でき、コンデンサC3の電荷を保存したままコンデンサC1とC2との間で電荷分配ができ、コンデンサC1、C3の電荷を保存したままコンデンサC2を所定の電荷状態にでき、コンデンサC1の電荷を保存したままコンデンサC2の電荷をコンデンサC3に移すことができる構成とする。
コンデンサC1、C2、C3の電荷を保存する場合、コンデンサC1、C2、C3の他端をオペアンプ4の反転入力端子から切り離すことことに替えて、コンデンサC1、C2、C3の一端を開放する構成としてもよい。
電荷累積手段7は、各ビットのデータ値に応じて、コンデンサC3に蓄積された電荷からコンデンサC2の蓄積電荷を減算してその結果を再び蓄積可能に構成してもよい。また、コンデンサC2に替えてコンデンサC1に蓄積された電荷をコンデンサC3に転送してもよい。
コンデンサC10は、オペアンプ4の出力端子と反転入力端子との間に接続可能とされており、コンデンサC11は、一端が少なくともオペアンプ4の出力端子に接続可能とされ、他端が少なくともオペアンプ4の反転入力端子に接続可能とされていればよい。この場合、コンデンサC1、C2に入力電圧Vinに応じた電荷を蓄積でき、コンデンサC2の電荷をコンデンサC1に移すことができ、コンデンサC2に増幅電圧に応じた電荷を蓄積できる構成とする。
コンデンサC10、C11の静電容量は、互いに異なっていてもよい。
コンデンサC1、C2、C3の各一端は、少なくともオペアンプ4の出力端子に接続または接続可能とされ、他端はオペアンプ4の反転入力端子に接続または接続可能とされていればよい。この場合、コンデンサC1に基準電圧Vrefpに応じた電荷を蓄積するとともにコンデンサC2、C3の電荷を初期化でき、コンデンサC3の電荷を保存したままコンデンサC1とC2との間で電荷分配ができ、コンデンサC1、C3の電荷を保存したままコンデンサC2の電荷を初期化でき、コンデンサC1の電荷を保存したままコンデンサC2の電荷をコンデンサC3に移すことができる構成とする。
コンデンサC1、C2、C3の電荷を保存する場合、コンデンサC1、C2、C3の他端をオペアンプ4の反転入力端子から切り離すことことに替えて、コンデンサC1、C2、C3の一端を開放する構成としてもよい。
コンデンサC1、C2、C3の静電容量は、所定の重み付けがなされていてもよい。
第7の実施形態において、可変ゲイン増幅器1に替えて可変ゲイン増幅器11、31または41を用いてもよい。可変ゲイン増幅器31を用いる場合には、図17(b)におけるオフセット補正回路93を省くことができる。
差動動作する各実施形態についても、シングル動作する各実施形態と同様の変形が可能である。
Claims (5)
- 信号入力端子に与えられる入力電圧を2進コード値で規定されたゲインで増幅して信号出力端子から出力する可変ゲイン増幅器であって、
電荷を蓄積可能に構成され、前記2進コードのビットデータ値に応じて前記入力電圧または所定の電圧に応じた電荷を蓄積電荷に累積加算する電荷累積手段と、
前記電荷累積手段の蓄積電荷を予め設定された比で分割してその電荷を再び蓄積する電荷分割手段と、
前記電荷累積手段の蓄積電荷を初期化した後、前記2進コードのLSB側から順に各ビットデータ値に対応して、前記電荷累積手段による電荷の累積動作と前記電荷分割手段による電荷の分割動作とを実行する制御手段とを備え、
前記電荷累積手段および電荷分割手段は、
出力端子が前記信号出力端子に接続された演算増幅器と、
前記演算増幅器の出力端子と入力端子との間に接続可能とされ、前記演算増幅器の入力端子と出力端子とから切り離された状態で前記信号入力端子とグランド線との間または前記所定の電圧を持つ電圧線とグランド線との間に接続可能であって前記入力電圧または所定の電圧に応じた電荷を設定可能な第1のコンデンサと、
前記演算増幅器の出力端子と入力端子との間に接続され、電荷を初期設定可能な第2のコンデンサとから構成され、
前記制御手段は、はじめに前記第2のコンデンサの電荷を初期化し、前記2進コードのLSB側から順に各ビットに対応して、前記第1のコンデンサに当該各ビットのデータ値に応じて前記入力電圧に応じた電荷または所定の電荷を設定し、前記第1および第2のコンデンサを前記演算増幅器の出力端子と入力端子との間に接続することにより、両コンデンサの蓄積電荷の加算と電荷の分割とを実行することを特徴とする可変ゲイン増幅器。 - 前記第2のコンデンサは、前記演算増幅器の出力端子と入力端子との間に常時接続されていることを特徴とする請求項1記載の可変ゲイン増幅器。
- 前記制御手段は、前記第2のコンデンサの電荷を初期化する時に、前記演算増幅器の出力端子と入力端子を接続することを特徴とする請求項1または2記載の可変ゲイン増幅器。
- 差動入力電圧を2進コード値で規定されたゲインで差動増幅して差動出力するように、前記電荷累積手段および前記電荷分割手段が差動の形態に構成されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の可変ゲイン増幅器。
- 前記各コンデンサは、互いに等しい静電容量を有していることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の可変ゲイン増幅器。
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