JP5818170B2 - A/d変換器、イメージセンサデバイス及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法 - Google Patents

A/d変換器、イメージセンサデバイス及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5818170B2
JP5818170B2 JP2012558044A JP2012558044A JP5818170B2 JP 5818170 B2 JP5818170 B2 JP 5818170B2 JP 2012558044 A JP2012558044 A JP 2012558044A JP 2012558044 A JP2012558044 A JP 2012558044A JP 5818170 B2 JP5818170 B2 JP 5818170B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conversion
reference voltage
output
input
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012558044A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012111821A1 (ja
Inventor
川人 祥二
祥二 川人
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shizuoka University NUC
Original Assignee
Shizuoka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shizuoka University NUC filed Critical Shizuoka University NUC
Priority to JP2012558044A priority Critical patent/JP5818170B2/ja
Publication of JPWO2012111821A1 publication Critical patent/JPWO2012111821A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5818170B2 publication Critical patent/JP5818170B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
    • H03M1/12Analogue/digital converters
    • H03M1/18Automatic control for modifying the range of signals the converter can handle, e.g. gain ranging
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
    • H03M1/12Analogue/digital converters
    • H03M1/14Conversion in steps with each step involving the same or a different conversion means and delivering more than one bit
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
    • H03M1/12Analogue/digital converters
    • H03M1/14Conversion in steps with each step involving the same or a different conversion means and delivering more than one bit
    • H03M1/16Conversion in steps with each step involving the same or a different conversion means and delivering more than one bit with scale factor modification, i.e. by changing the amplification between the steps
    • H03M1/162Conversion in steps with each step involving the same or a different conversion means and delivering more than one bit with scale factor modification, i.e. by changing the amplification between the steps the steps being performed sequentially in a single stage, i.e. recirculation type
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M3/00Conversion of analogue values to or from differential modulation
    • H03M3/30Delta-sigma modulation
    • H03M3/39Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M3/00Conversion of analogue values to or from differential modulation
    • H03M3/30Delta-sigma modulation
    • H03M3/458Analogue/digital converters using delta-sigma modulation as an intermediate step
    • H03M3/46Analogue/digital converters using delta-sigma modulation as an intermediate step using a combination of at least one delta-sigma modulator in series with at least one analogue/digital converter of a different type
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/70SSIS architectures; Circuits associated therewith
    • H04N25/71Charge-coupled device [CCD] sensors; Charge-transfer registers specially adapted for CCD sensors
    • H04N25/75Circuitry for providing, modifying or processing image signals from the pixel array
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
    • H03M1/12Analogue/digital converters
    • H03M1/34Analogue value compared with reference values
    • H03M1/38Analogue value compared with reference values sequentially only, e.g. successive approximation type
    • H03M1/40Analogue value compared with reference values sequentially only, e.g. successive approximation type recirculation type
    • H03M1/403Analogue value compared with reference values sequentially only, e.g. successive approximation type recirculation type using switched capacitors
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M1/00Analogue/digital conversion; Digital/analogue conversion
    • H03M1/12Analogue/digital converters
    • H03M1/50Analogue/digital converters with intermediate conversion to time interval
    • H03M1/56Input signal compared with linear ramp

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Analogue/Digital Conversion (AREA)

Description

本発明は、A/D変換器、イメージセンサデバイス及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法に関する。
特許文献1には、A/D変換器が記載されている。このA/D変換器では、入力されたアナログ信号に対して積分型(又はフォールディング積分型)A/D変換が行われると共に、フォールディング積分型A/D変換の残差アナログ信号に対して巡回型A/D変換が行われる。フォールディング積分型A/D変換では、入力信号の標本化及び標本値の積分を繰り返しながらA/D変換のための演算が行われ、アナログ信号からディジタル値が得られる。このA/D変換における方式では、積分によるノイズ低減を図りながらフォールディング動作によってダイナミックレンジが拡大されるので、低ノイズとダイナミックレンジの両立を図ることができる。
国際公開2008/016049号
特許文献1に記載されたフォールディング積分型A/D変換器では、例えば、入力信号の電圧の範囲が0〜1Vであった場合には、その出力の範囲は、−1V〜1Vというように2倍になる。この場合において、フォールディング積分型A/D変換の後に行う巡回型A/D変換を全差動型の巡回型A/D変換器で構成すれば、同じ参照電圧を用いながら、フォールディング積分における入力電圧範囲の2倍の入力電圧範囲に対応することが可能である。しかしながら、シングルエンド構成のA/D変換器により巡回型A/D変換器を構成する場合には、全差動型の1/2の入力電圧範囲にしか対応できないといった問題がある。即ち、特許文献1に記載されたA/D変換器において、シングルエンド構成のA/D変換器を適用すると、入力電圧の振幅範囲が半分に制限されることとなる。一方、かかるA/D変換器において、小面積化、低消費電力化のためシングルエンド構成を適用したいという要請があった。
そこで、本発明は、フォールディング積分によるA/D変換と、その残差アナログ信号に対する巡回型A/D変換を行うA/D変換器をシングルエンド構成により実現することを目的とする。
本発明の一側面は、シングルエンド構成のA/D変換器である。このA/D変換器は、ディジタル値に変換されるアナログ信号を受ける入力、出力、並びに第1の入力、第2の入力及び出力を有する演算増幅回路を含むゲインステージと、ゲインステージの出力からの信号に基づき、変換参照電圧を参照して、1又は複数のビットを含むディジタル信号を生成するA/D変換回路と、ディジタル信号に応じて、制御信号を生成する論理回路と、第1及び第2の出力を有し、第1の基準参照電圧及び第2の基準参照電圧の少なくともいずれか一方を、制御信号に応じて第1及び第2の出力を介してゲインステージに提供するD/A変換回路とを備え、ゲインステージは、第1〜第3のキャパシタを含み、第3のキャパシタの容量は、第1及び第2のキャパシタの容量より大きく、演算増幅回路の第2の入力は、基準電位を受け、第1の基準参照電圧は、第2の基準参照電圧値より高く、D/A変換回路は、制御信号に応答して、第1の出力に第1及び第2の基準参照電圧のいずれかを提供すると共に第2の出力に第1及び第2の基準参照電圧のいずれかを提供するためのスイッチ回路を含み、当該A/D変換器は、第1のA/D変換動作と、第2のA/D変換動作を行い、第1のA/D変換動作では、ゲインステージは、演算増幅回路及び第1〜第3のキャパシタにより演算値を生成する第1の演算動作と、第1の格納動作と、を行い、第1の格納動作では、第1のキャパシタは、第1の出力から供給される第1若しくは第2の基準参照電圧又はアナログ信号を格納し、第2のキャパシタは、第2の出力から供給される第1又は第2の基準参照電圧を格納し、第3のキャパシタは、演算増幅回路の出力と第1の入力との間に接続され、第1の演算動作では、第1の格納動作において第1又は第2の基準参照電圧が第1のキャパシタに格納された場合には、第1のキャパシタがアナログ信号を受ける入力と第1の入力との間に接続され、格納動作においてアナログ信号が第1のキャパシタに格納された場合には、第1のキャパシタが第1の出力と第1の入力との間に接続され、第2のキャパシタが第2の出力と第1の入力との間に接続され、第3のキャパシタが演算増幅回路の出力と第1の入力との間に接続されることにより、演算値がゲインステージの出力に生成され、第2のA/D変換動作では、ゲインステージは、演算増幅回路及び第1〜第3のキャパシタにより演算値を生成する第2の演算動作と、演算値を第1及び第2のキャパシタに格納する第2の格納動作を行い、第2の演算動作では、第3のキャパシタが演算増幅回路の出力と第1の入力との間に接続されると共に第1及び第2のキャパシタがそれぞれD/A変換回路の第1又は第2の出力と第1の入力との間に接続されて、演算値が当該ゲインステージの出力に生成される。
このA/D変換器によれば、同一の回路構成において動作手順の制御を行うことにより、フォールディング積分型のA/D変換を行うための第1のA/D変換動作と、巡回型のA/D変換を行うための第2のA/D変換動作とが実現される。また、第1のA/D変換動作において、出力信号の積分に用いられる第3のキャパシタの容量は、A/D変換対象のアナログ信号及び基準参照電圧の格納に用いられる第1及び第2のキャパシタの容量より大きいので、フォールディング積分型のA/D変換において入力されるアナログ信号は、その容量比に従って減衰されてサンプリング及び積分される。これ故に、フォールディング積分型のA/D変換において出力されるアナログ信号の電圧範囲も、キャパシタの容量比に従って小さくなるので、シングルエンド構成により当該A/D変換器を構成できる。
本発明に係るA/D変換器では、第3のキャパシタは、第1又は第2のキャパシタの容量の2倍の容量を有する。
このA/D変換器によれば、フォールディング積分型のA/D変換において入力されるアナログ信号は、1/2に減衰されてサンプリング及び積分される。これ故に、フォールディング積分型のA/D変換において出力されるアナログ信号の電圧範囲も、キャパシタの容量比に従って1/2となるので、巡回型のA/D変換において、シングルエンド構成のA/D変換器に適した入力電圧が提供される。
本発明に係るA/D変換器では、変換参照電圧は、第1の基準参照電圧と第2の基準参照電圧値との間の中央値であり、A/D変換回路は、1ビットのディジタル信号を生成し、論理回路は、第1及び第2の値を有する制御信号を生成する。
このA/D変換器によれば、適切に設定された一の変換参照電圧に基づきディジタル信号が生成されるので、A/D変換回路が簡易に構成されると共に、生成されたディジタル信号を受ける回路も簡易な構成なものを採用できる。
本発明に係るA/D変換器では、第2のA/D変換動作における第1の変換参照電圧VRC2Hは及び第2の変換参照電圧VRC2Lはそれぞれ下記式により表される。
RC2H=(5VRH+3VRL)/8
RC2L=(3VRH+5VRL)/8
このA/D変換器によれば、適切に第2のA/D変換動作が実施される。
本発明に係るA/D変換器では、A/D変換回路は、第1及び第2の変換参照電圧を有し、第1の変換参照電圧は、第1の基準参照電圧と第2の基準参照電圧値との間の中央値より高く且つ第1の基準参照電圧より低く、第1のA/D変換動作における第1の変換参照電圧は、第2のA/D変換動作における第1の変換参照電圧より高く、第2の変換参照電圧は、中央値より低く且つ第2の基準参照電圧より高く、第1のA/D変換動作における第2の変換参照電圧は、第2のA/D変換動作における第2の変換参照電圧より低く、A/D変換回路は、3値のディジタル信号を生成し、論理回路は、第1〜第3の値を有する制御信号を生成する。
このA/D変換器によれば、変換参照電圧が適切な電圧に設定されるので、第1のA/D変換動作及び第2のA/D変換動作が適切に実施される。
本発明に係るA/D変換器では、第1の基準参照電圧をVRH、第2の基準参照電圧をVRL、としたときに、第1のA/D変換動作における第1の変換参照電圧VRC1H及び第2の変換参照電圧VRC1Lはそれぞれ下記式により表され、
RC1H=(3VRH+VRL)/4
RC1L=(VRH+3VRL)/4
第2のA/D変換動作における第1の変換参照電圧VRC2Hは及び第2の変換参照電圧VRC2Lはそれぞれ下記式により表される。
RC2H=(5VRH+3VRL)/8
RC2L=(3VRH+5VRL)/8
このA/D変換器によれば、適切に第2のA/D変換動作が実施される。
本発明に係るA/D変換器では、第1の格納動作では、第1のキャパシタは、第1の出力又はゲインステージの入力と基準電位との間に接続され、第2のキャパシタは、第2の出力又はゲインステージの入力と基準電位との間に接続される。
このA/D変換器によれば、第1の出力により供給される基準参照電圧又はゲインステージの入力から供給されるアナログ信号が第1のキャパシタに格納され、第2の出力により供給される基準参照電圧又はゲインステージの入力から供給されるアナログ信号が第2のキャパシタに格納される。
また、本発明の一側面は、シングルエンド構成のA/D変換器であって、ディジタル値に変換されるアナログ信号を受ける入力、出力、並びに第1の入力、第2の入力及び出力を有する演算増幅回路を含むゲインステージと、ゲインステージの出力からの信号に基づき、変換参照電圧を参照して、1又は複数のビットを含むディジタル信号を生成するA/D変換回路と、ディジタル信号に応じて、制御信号を生成する論理回路と、第1及び第2の出力を有し、第1の基準参照電圧及び第2の基準参照電圧の少なくともいずれか一方を、制御信号に応じて第1及び第2の出力を介してゲインステージに提供するD/A変換回路と、第1及び第2の基準参照電圧を分圧して変換参照電圧を生成する参照電圧発生回路と、を備え、ゲインステージは、第1〜第3のキャパシタを含み、第3のキャパシタの容量は、第1及び第2のキャパシタの容量より大きく、演算増幅回路の第2の入力は、基準電位を受け、第1の基準参照電圧は、第2の基準参照電圧値より高く、D/A変換回路は、制御信号に応答して、第1の出力に第1及び第2の基準参照電圧のいずれかを提供すると共に第2の出力に第1及び第2の基準参照電圧のいずれかを提供するためのスイッチ回路を含み、当該A/D変換器は、一の変換参照電圧、又は第1及び第2の変換参照電圧を参照して1ビットまたは3値のディジタル信号をA/D変換回路に生成させる第1のA/D変換動作と、第1及び第2の変換参照電圧を参照して3値のディジタル信号をA/D変換回路に生成させる第2のA/D変換動作とを行い、参照電圧発生回路は、第1の基準参照電圧と第2の基準参照電圧値との間の中央値より高く且つ第1の基準参照電圧より低い電圧を第2のA/D変換動作のための第1の変換参照電圧として生成すると共に、中央値より低く且つ第2の基準参照電圧より高い電圧を第2のA/D変換動作のための第2の変換参照電圧として生成し、中央値を第1のA/D変換のための一の変換参照電圧として生成、又は第2のA/D変換動作のための第1の変換参照電圧より高く且つ第1の基準参照電圧より低い電圧を、第1の変換動作のための第1の変換参照電圧として生成すると共に第2のA/D変換動作のための第2の変換参照電圧より低く且つ第2の基準参照電圧より高い電圧を、第1の変換動作のための第2の変換参照電圧として生成する。
本発明の別の側面は、イメージセンサデバイスである。このイメージセンサデバイスは、イメージセンサセルのアレイを含むセルアレイと、セルアレイに接続されており複数のA/D変換器を含む変換器アレイとを備え、A/D変換器の各々は、セルアレイのカラム線を介してイメージセンサセルに接続されており、A/D変換器の各々は、上記したA/D変換器である。このイメージセンサデバイスによれば、A/D変換器がシングルエンド型で構成されるので、イメージセンサデバイスの面積を小さくできる。
本発明の更なる別の側面は、A/D変換器を用いてアナログ信号からディジタル信号を生成する方法である。この方法は、上記のA/D変換器を用いてアナログ信号からディジタル信号を生成する方法であって、ゲインステージの入力からのアナログ信号を第1のキャパシタに格納し、演算増幅回路の出力と第1の入力とを接続して第1の格納動作を行う第1の初期格納ステップと、第1のキャパシタを第1の出力と第1の入力との間に接続して第1の演算動作を行う第1の演算ステップと、ゲインステージの入力からのアナログ信号を第1のキャパシタに格納して第1の格納動作を行う第1の格納ステップと、第1の演算ステップ及び第1の格納ステップを所定回数繰り返して行う積分型A/D変換ステップと、積分型A/D変換ステップにおける演算値である残差アナログ信号を第1及び第2のキャパシタに格納して第2の格納動作を行う第2の初期格納ステップと、第2の演算動作を行う第2の演算ステップと、第2の演算ステップにおいてゲインステージの出力に生成された演算値を第1及び第2のキャパシタに格納して第2の格納動作を行う第2の格納ステップと、第2の演算ステップ及び第2の格納ステップを所定回数繰り返して行う巡回型A/D変換ステップと、を有する。
この方法によれば、シングルエンド構成のA/D変換器を用いて、入力されたアナログ信号がフォールディング積分によりA/D変換され、その残差アナログ信号が巡回型A/D変換されることにより、両A/D変換の結果からアナログ信号に対応するディジタル信号が生成される。
本発明に係る、A/D変換器を用いてアナログ信号からディジタル信号を生成する方法は、上記のA/D変換器を用いて、イメージセンサセルのアレイを含むイメージセンサデバイスからのアナログ信号からデジタル信号を生成する方法であって、イメージセンサセルは、リセットレベルを示す第1の信号と該リセットレベルに重畳された信号レベルを示す第2の信号とを生成可能であり、ゲインステージの入力を介して受けた第1の信号を第1のキャパシタに格納し、ゲインステージの出力と第1の入力とを接続して第1の格納動作を行う第1の初期格納ステップと、第1のキャパシタを第1の出力と第1の入力との間に接続して第1の演算動作を行う第1のリセットレベル用演算ステップと、ゲインステージの入力からのアナログ信号を第1のキャパシタに格納して第1の格納動作を行う第1のリセットレベル用格納ステップと、第1のリセットレベル用演算ステップ及び第1のリセットレベル用格納ステップを所定回数繰り返して行う第1のリセットレベル用積分型A/D変換ステップと、第1の出力から供給される第1若しくは第2の基準参照電圧を第1のキャパシタに格納して第1の格納動作を行う第1の信号レベル用格納ステップと、第2の信号が供給されたゲインステージの入力と第1の入力との間に第1のキャパシタを接続して第1の演算動作を行う第1の信号レベル用演算ステップと、第1の信号レベル用演算ステップ及び第1の信号レベル用格納ステップを所定回数繰り返して行う第1の信号レベル用積分型A/D変換ステップと、第1の信号レベル用積分型A/D変換ステップにおける演算値である残差アナログ信号を第1及び第2のキャパシタに格納して第2の格納動作を行う第2の初期格納ステップと、第2の演算動作を行う第2の演算ステップと、第2の演算ステップにおいてゲインステージの出力に生成された演算値を第1及び第2のキャパシタに格納して第2の格納動作を行う第2の格納ステップと、第2の演算ステップ及び第2の格納ステップを所定回数繰り返して行う巡回型A/D変換ステップと、を有する。
この方法によれば、第1の信号に対する第1のリセットレベル用積分型A/D変換ステップが実施された後に、アナログ信号が逆位相で積分されるように第2の信号に対する第1の信号レベル用積分型A/D変換ステップが実施されるので、イメージセンサセルからの信号のばらつきをキャンセルできる。
本発明によれば、フォールディング積分によるA/D変換と、その残差アナログ信号に対する巡回型A/D変換を行うA/D変換器をシングルエンド構成により実現することが可能となる。
図1は、本実施の形態に係るA/D変換器の回路ブロックを示す図面である。 図2は、図1に示された巡回型A/D変換器における参照電圧発生回路の回路図である。 図3は、図1に示された巡回型A/D変換器における参照電圧発生回路の回路図である。 図4は、イメージセンサセルを示す図面である。 図5は、図1に示されたA/D変換器における積分型A/D変換の動作を示す図面である。 図6は、シミュレーションによるゲインステージの入出力特性を示す図面である。 図7は、シミュレーションによるゲインステージの入出力特性の比較例を示す図面である。 図8は、アナログCDSを実施する場合の1水平読み出し期間における処理タイミングを示す図、及びディジタルCDSを実施する場合の1水平読み出し期間における処理タイミングを示す図である。 図9は、図1に示されたA/D変換器における巡回型A/D変換の動作を示す図面である。 図10は、図1に示されたA/D変換器における積分型A/D変換の動作を示す図面である。 図11は、図6のシミュレーションに対応する、入力信号であるアナログ信号VINの入力レベルとディジタルカウント値との関係を示す図である。 図12は、A/D変換器における積分型A/D変換の動作を示す図面である。 図13は、図12に示した積分型A/D変換の動作における、シミュレーションによるゲインステージの入出力特性を示す図面である。 図14は、コンパレータの出力信号からディジタル値を生成するための構成を示すブロック図である。 図15は、図14に示した構成の一部の回路図である。 図16は、図14に示した構成の一部の回路図である。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明のA/D変換器、イメージセンサデバイス、及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法の実施の形態を説明する。に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1は、本実施の形態に係るA/D変換器の回路図である。A/D変換器11は、いわゆるフォールディング積分型のA/D変換である第1のA/D変換動作と、巡回型A/D変換である第2のA/D変換動作を、同一の回路構成を用いて実施する。A/D変換器11は、当該A/D変換器11が有するスイッチの時系列の制御パターンの変更により、第1及び第2のA/D変換動作を実現する。
このA/D変換器11は、ゲインステージ15と、A/D変換回路17と、論理回路19と、D/A変換回路21とを備える。また、A/D変換器11は、参照電圧発生回路37及びクロック発生器41を含む。
ゲインステージ15は、ディジタル値に変換されるアナログ信号VINを受ける入力15a、及び演算値VOPを提供する出力15bを含む。また、ゲインステージ15は、シングルエンド型の演算増幅回路23、及び第1〜第3のキャパシタ25、27、29を含む。
演算増幅回路23は、第1の入力23a、出力23b、及び第2の入力23cを有しており、出力23bの信号の位相は、第1の入力23aに与えられた信号の位相と反転している。例えば、第1及び第2の入力23a、23cは、それぞれ、反転入力端子及び非反転入力端子であり、出力23bは、非反転出力端子である。例えば、演算増幅回路23の第2の入力23cは、基準電位線LCOMに接続されており、また基準電位VCOMを受ける。
また、ゲインステージ15は、キャパシタ25、27、29及び演算増幅回路23の接続を行うための複数のスイッチを含む。図1に示されるスイッチ43、47、49、51、53、55の配置は一例である。これらのスイッチ43、47、49、51、53の制御は、クロック発生器41によって行われる。
また、ゲインステージ15は、第1のA/D変換動作において、第1の演算動作及び第1の格納動作を行うことができ、第2のA/D変換動作において、第2の演算動作及び第2の格納動作を行うことができる。
第1の演算動作では、演算増幅回路23及び第1〜第3のキャパシタ25、27、29により演算値VOPを生成する。
第1の格納動作では、第1のキャパシタ25は、D/A変換回路21の第1の出力21aから供給される第1若しくは第2の基準参照電圧VRH,VRL又はゲインステージの入力15aから供給されるアナログ信号VINを格納する。また、第1の格納動作では、第2のキャパシタ27は、D/A変換回路21の第2の出力21bから供給される第1又は第2の基準参照電圧VRH,VRLを格納する。また、第1の格納動作では、第3のキャパシタ29は、演算増幅回路23の出力23bと第1の入力23aとの間に接続されることにより、演算値VOPを保持する。
また、第1の演算動作では、第1の格納動作において第1又は第2の基準参照電圧VRH,VRLが第1のキャパシタ25に格納された場合には、第1のキャパシタ25がアナログ信号VINを受ける入力15aと演算増幅回路23の第1の入力23aとの間に接続され、第1の格納動作においてアナログ信号VINが第1のキャパシタ25に格納された場合には、第1のキャパシタ25がD/A変換回路21の第1の出力21aと演算増幅回路23の第1の入力23aとの間に接続される。また、第1の演算動作では、第2のキャパシタ27がD/A変換回路21の第2の出力21bと演算増幅回路23の第1の入力23aとの間に接続される。さらに、第1の演算動作では、第3のキャパシタ29が演算増幅回路23の出力23bと第1の入力23aとの間に接続されることにより、演算値VOPがゲインステージ23の出力15bに生成される。
第2の格納動作では、演算値VOPを第1及び第2のキャパシタ25、27に格納する。第2の演算動作では、演算増幅回路23及び第1〜第3のキャパシタ25、27、29により演算値VOPを生成する。即ち、第2の演算動作では、第3のキャパシタ29が演算増幅回路23の出力23bと第1の入力23aとの間に接続されると共に第1及び第2のキャパシタ25,27がそれぞれD/A変換回路21の第1の出力21a又は第2の出力21bと第1の入力23aとの間に接続されて、演算値VOPが当該ゲインステージ15の出力15bに生成される。
第1〜第3のキャパシタ25、27、29は、各種の信号値の格納及び演算のための容量である。ここで、第3のキャパシタ29の容量Cは、第1及び第2のキャパシタ25,27の容量C1a,C1bより大きい。これにより、フォールディング積分型A/D変換である第1のA/D変換動作において入力されるアナログ信号VINは、その容量比(C1a/C,C1b/C)に従って減衰されて積分される。これ故に、フォールディング積分型A/D変換において出力されるアナログ信号VINの電圧範囲も、キャパシタの容量比に従って小さくなるので、シングルエンド構成により当該A/D変換器11を構成できる。
なお、第3のキャパシタ29は、第1のキャパシタ25又は第2のキャパシタ27の容量の2倍の容量を有する。即ち、C1a=1/2×C及びC1b=1/2×Cといった関係が成立する。このようなキャパシタを有するA/D変換器11によれば、フォールディング積分型A/D変換において入力されるアナログ信号VINは、1/2に減衰されてサンプリング及び積分される。これ故に、フォールディング積分型A/D変換において出力されるアナログ信号VOPの電圧範囲も、キャパシタの容量比に従って1/2となるので、巡回型A/D変換である第2のA/D変換動作において、シングルエンド構成のA/D変換器に適した入力電圧が提供される。
A/D変換回路17は、ゲインステージ23の出力23bからの信号VOPに基づき、変換参照電圧VRCH,VRCLに応じてディジタル信号Dを生成する。
A/D変換回路17は、例えば2つのコンパレータ17a、17bを含むことができる。コンパレータ17a、17bは、それぞれ、入力アナログ信号をそれぞれの所定の第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLと比較すると共に、図1に示されるように、比較結果信号B、Bを提供する。A/D変換回路17における変換参照電圧VRCH、VRCLは、参照電圧発生回路37によって提供される。ディジタル信号Dは、A/D変換値を示す。ディジタル信号Dは、例えば2ビット(B、B)を有しており、各ビット(B、B)は、「1」または「0」を取りうる。ディジタル信号Dは、(D=B+B)と表される。A/D変換器11では、ビット(B、B)の組み合わせにより1回の積分動作又は一巡回毎のディジタル値は第1〜第3の値(D=0、D=1、D=2)を有する。即ち、コンパレータ17a,17bは、以下のように動作する。
OP>VRCHのとき B=1,B=1
RCL<VOP≦VRCHのとき B=0,B=1
OP≦VRCLのとき B=0,B=0
また、A/D変換回路17は、第1のA/D変換動作において、例えば1つのコンパレータ17aを用いてディジタル信号Dを生成することとしてもよい。この場合には、ディジタル信号Dは、1ビット(B)のみであり、2値を表せる。また、コンパレータ17aにおいて基準として用いられる信号は、変換参照電圧VRCHである。この場合には、コンパレータ17aは、以下のように動作する。
OP>VRCHのとき B=1
OP≦VRCHのとき B=0
参照電圧発生回路37は、第1及び第2の基準参照電圧VRH,VRLに基づき、第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLを生成する回路である。なお、第1の基準参照電圧VRH及び第2の基準参照電圧VRLは、基準電圧源33,35から供給される。図2は、参照電圧発生回路37の回路図の一例である。図2に示すように、参照電圧発生回路37は、例えば、第1及び第2の基準参照電圧をラダー抵抗により分圧して参照電圧を発生する回路であって、第1及び第2の基準参照電圧VRH,VRLに基づき、所定の抵抗値を有する抵抗R〜Rに応じて、電圧VRC1H,VRC2H,VRC2L,VRC1Lを生成する。第1のA/D変換動作では、スイッチSIの動作により、第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLとして電圧VRC1H,VRC1Lが供給される。一方、第2のA/D変換動作では、スイッチSAの動作により、第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLとして電圧VRC2H,VRC2Lが供給される。
この参照電圧発生回路37によれば、第1の変換参照電圧VRCHは、第1の基準参照電圧VRHと第2の基準参照電圧値VRLとの間の中央値より高く且つ第1の基準参照電圧VRHより低い。また、第1のA/D変換動作における第1の変換参照電圧VRCHは、第2のA/D変換動作における第1の変換参照電圧VRCHより高い。また、第2の変換参照電圧VRCLは、第1の基準参照電圧VRHと第2の基準参照電圧値VRLとの間の中央値より低く且つ第2の基準参照電圧VRLより高い。また、第1のA/D変換動作における第2の変換参照電圧VRCLは、第2のA/D変換動作における第2の変換参照電圧VRCLより低い。このように第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLが生成されるので、第1のA/D変換動作及び第2のA/D変換動作が適切に実施される。
また、例えば、抵抗R〜Rの抵抗値を、抵抗R=2R、抵抗R=R、抵抗R=2R、抵抗R=R、抵抗R=2R(Rは所定の抵抗値)といった値に設定することにより、第1のA/D変換動作における第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLとして、以下の式により表される電圧VRC1H,VRC1Lが供給されることが好ましい。
RC1H=(3VRH+VRL)/4
RC1L=(VRH+3VRL)/4
また、第2のA/D変換動作における第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLとして、以下の式により表される電圧VRC2H,VRC2Lが供給されることが好ましい。
RC2H=(5VRH+3VRL)/8
RC2L=(3VRH+5VRL)/8
このように第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLが生成されるので、より適切に第2のA/D変換動作が実施される。
また、第1のA/D変換動作において、A/D変換回路17が1つのコンパレータ17aを用いてディジタル信号Dを生成する場合における参照電圧発生回路37の回路図の一例は、図3に示される。この参照電圧発生回路37によれば、第1のA/D変換動作では、スイッチSIの動作により、第1の変換参照電圧VRCHとして電圧VRC1Hが供給される。一方、第2のA/D変換動作では、スイッチSAの動作により、第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLとして電圧VRC2H,VRC2Lが供給される。
この参照電圧発生回路37によれば、第1のA/D変換動作における第1の変換参照電圧VRCHは、第1の基準参照電圧VRHと第2の基準参照電圧値VRLとの間の中央値である。また、第2のA/D変換動作における第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLとして、以下の式により表される電圧VRC2H,VRC2Lが供給される。
RC2H=(5VRH+3VRL)/8
RC2L=(3VRH+5VRL)/8
論理回路19は、ディジタル信号Dに応じた制御信号VCONT(例えばφDH、φDL、φDS)を生成する。制御信号VCONTの生成については、図4を参照して後述する。
D/A変換回路21は、第1及び第2の出力21a,21bを有し、第1の基準参照電圧VRH及び第2の基準参照電圧VRLの少なくともいずれか一方を、制御信号VCONTに応じて第1及び第2の出力21a,21bを介してゲインステージ15に提供する。第1の基準参照電圧VRH及び第2の基準参照電圧VRLは、基準電圧源33,35から供給される。D/A変換回路21は、制御信号に応答して、第1の出力21aに第1及び第2の基準参照電圧VRH,VRLのいずれかを提供すると共に第2の出力21bに第1及び第2の基準参照電圧VRH,VRLのいずれかを提供するためのスイッチ回路31を含む。
スイッチ回路31は、スイッチ31a,31bを動作させることにより第1及び第2の基準参照電圧VRH,VRLをそれぞれ第1及び第2の出力21a,21bに供給し、スイッチ31a,31cを動作させることにより第1の基準参照電圧VRHを第1及び第2の出力21a,21bの両方に供給し、スイッチ31b,31cを動作させることにより第2の基準参照電圧VRLを第1及び第2の出力21a,21bの両方に供給する。D/A変換回路21の第1及び第2の出力21a、21bは、それぞれ、第1及び第2のキャパシタ25、27の一端25a、27aに接続されている。スイッチ31a〜31cの開閉は、それぞれ、論理回路17からの制御信号φDH、φDS、φDLによって制御されるので、ディジタル信号B1、B0の値は、制御信号φDH、φDS、φDLのうちのいずれがアクティブになるかを決定する。
第1及び第2の出力21a、21bに提供される電圧をそれぞれVDA1,VDA2とすると、D/A変換回路21は、論理回路17からの制御信号VCONTに応答して、例えば、
条件D=2が満たされるとき:VDA1=VDA2=VRH
条件D=1が満たされるとき:VDA1=VRH、VDA2=VRL
条件D=0が満たされるとき:VDA1=VDA2=VRL
といった制御を行う。
また、第1のA/D変換動作において、A/D変換回路17が1つのコンパレータ17aを用いてディジタル信号Dを生成する構成である場合には、D/A変換回路21は、コンパレータ17aからのディジタル信号Bに基づく制御信号VCONTに応じて、以下のような制御を行う。
条件B=1が満たされるとき:VDA1=VRH、VDA2=VRL
条件B=0が満たされるとき:VDA1=VDA2=VRL
本発明の別の側面は、イメージセンサデバイスである。図4は、イメージセンサの画素を示す図面である。このイメージセンサデバイスは、イメージセンサセル2aのアレイを含むセルアレイと、セルアレイに接続されており複数のA/D変換器11を含む変換器アレイとを備える。A/D変換器11の各々は、セルアレイのカラム線8を介してイメージセンサセル2aに接続されている。
イメージセンサセル2aは、例えばCMOSイメージセンサセルの構造を有する。フォトダイオードDFが、イメージに関連する一画素分の光Lを受ける。選択トランジスタMのゲートは、行方向に伸びるロウ選択線Sに接続される。リセットトランジスタMのゲートはリセット線Rに接続される。転送トランジスタMのゲートは、行方向に伸びる転送選択線に接続される。フォトダイオードDFの一端は転送トランジスタMを介して浮遊拡散層FDに接続される。浮遊拡散層FDは、リセットトランジスタMを介してリセット電位線Resetに接続されると共に、トランジスタMのゲートに接続される。トランジスタMの一電流端子(例えばドレイン)は、選択トランジスタMを介してカラム線8に接続される。トランジスタMは、浮遊拡散層FDの電荷量に応じて電位を選択トランジスタMを介してカラム線に提供する。
この構造のイメージセンサセル2aは、リセットレベルを示す第1の信号と該リセットレベルに重畳された信号レベルを示す第2の信号とを生成可能である。即ち、イメージセンサセル2aは、まず、リセット制御信号RをリセットトランジスタMに提供し、浮遊拡散層FDをリセットする。増幅トランジスタMを介して、このリセットレベルを読み出す。次いで、電荷転送制御信号TXを転送トランジスタMに供給し、フォトダイオードDFから光誘起信号電荷を浮遊拡散層に転送する。この後、トランジスタMを介して、この信号レベルを読み出す。このように、画素2aは、リセットレベルを示す第1の信号S1と該リセットレベルに重畳された信号レベルを示す第2の信号S2とを生成可能である。
引き続き、図5を参照して、図1に示されたA/D変換器11における第1のA/D変換動作を説明する。
図5(a)では、A/D変換器11は、第1の初期格納ステップとしての第1の格納動作を行う。このステップでは、ゲインステージ15の入力15aを介して受けたアナログ信号VINを第1のキャパシタ25に格納し、ゲインステージ15の出力23bと第1の入力23aとを接続する。また、第2のキャパシタ27は、第2の出力21bから供給される第2の基準参照電圧VRLを格納し、第3のキャパシタ29は、演算増幅回路23の出力23bと第1の入力23aとの間に接続される。
第1の初期格納ステップ及び以下に説明する各ステップにおける格納及び接続は、スイッチ回路31及びスイッチ43,47,49,51,53により実現される。第1の初期格納ステップでは、制御信号(φDH=0,φDS=0、φDL=1)及びクロック信号(φ=1,φ=0,φ=0,φ=1,φ=1)により、スイッチ31c,47,53,43は導通され、スイッチ31a,31b,49,51は非導通とされる。
このとき、容量C1a,C1bに蓄積される電荷(Q1a,Q1b)は、
1a=C1a(VIN−VCOM) …(1)
1b=C1b(VRL−VCOM) …(2)
となる。
第1の初期格納ステップに引き続き、A/D変換器11は、D(=B+B)の値に従って、図5(b)又は図5(c)に示される、第1の演算ステップとしての第1の演算動作を行う。
このステップでは、第1のキャパシタ25を第1の出力21aと第1の入力23aとの間に接続して第1の演算動作が行われる。また、第2のキャパシタ27が第2の出力21bと第1の入力23aとの間に接続され、第3のキャパシタ29が演算増幅回路23の出力23bと第1の入力23aとの間に接続されることにより、演算値VOPがゲインステージ15の出力15bに生成される。第1の演算ステップでは、クロック信号(φ=0,φ=1,φ=0,φ=0,φ=0)により、スイッチ49は導通され、スイッチ47,51,53,43は非導通とされる。
D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bには、コンパレータ17a,17bからの出力値D(=B+B)に従ったスイッチ回路31の制御により、第1の基準参照電圧VRHまたは第2の基準参照電圧VRLが提供される。
コンパレータ17a,17bは、以下のように動作する。
OP>VRCHのとき B=1,B=1
RCL<VOP≦VRCHのとき B=0,B=1
OP≦VRCLのとき B=0,B=0 …(3)
D=2のときには、D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bから第1の基準参照電圧VRHが提供されるように制御されながら図5(b)の動作が行われる。一方、D=0のときには、D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bから第2の基準参照電圧VRLが提供されるように制御されながら図5(b)の動作が行われる。さらに、D=1のときには、D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bからそれぞれ第1の基準参照電圧VRH及び第2の基準参照電圧VRLが提供されるように制御されながら図5(c)の動作が行われる。この動作の結果の出力値をD(2)とする。
例えば、第1の初期格納ステップでは、VOP=VCOMであるので、B=0,B=1となる。従って、D=1であるので、図5(c)に示される動作が行われる。このときの出力VOPは以下のようになる。
Figure 0005818170
続いて、A/D変換器11は、図5(d)に示される第1の格納動作を第1の格納ステップとして行う。第1の格納ステップでは、第3のキャパシタ29を演算増幅回路23の出力23bと第1の入力23aとの間に接続することで演算値VOPを容量Cに保持したままで、ゲインステージ15の入力15aからのアナログ信号VINを第1のキャパシタ25に格納し、第2の出力21bから供給される第2の基準参照電圧VRLを第2のキャパシタ27に格納する。第1の格納ステップでは、制御信号(φDH=0,φDS=0、φDL=1)及びクロック信号(φ=1,φ=0,φ=0,φ=0,φ=1)により、スイッチ31c,47,43は導通され、スイッチ31a,31b,49,51,53は非導通とされる。
次いで、D(2)の値に応じて、A/D変換器11は、図5(b)又は図5(c)に示される、第1の演算ステップとしての第1の演算動作を行う。即ち、出力値Dの値に応じて図5(b)及び図5(c)に示される第1の演算動作のいずれかを選択しながら、A/D変換器11は、第1の演算ステップ及び第1の格納ステップを所定回数繰り返して行う積分型A/D変換ステップを実施する。
このときの演算値は、以下の式(5)により表される。
Figure 0005818170

ここで、式(5)におけるΔVは以下の式(6)により表される。
Figure 0005818170
積分型A/D変換ステップにおいて、第1の演算ステップ及び第1の格納ステップをM回繰り返して、サンプリング及び積分を行ったときの演算値VOPは、以下の式(7)により表される。
Figure 0005818170
式(7)の右辺第2項に示されるように、入力信号であるアナログ信号VINに1/2のゲインをかけて、M回のサンプリングを行い、フォールディング積分型のA/D変換を行うと、その出力(演算値VOP)の振幅範囲は、入力信号と同じになる。
図6は、シミュレーションにより求めたゲインステージ15の積分型A/D変換器としての動作(フォールディング積分型のA/D変換)時における入出力特性を示す図面である。図6(a)は、(VRH=2V、VRL=1V、演算動作における参照電圧VRI=VRL、VCOM=1.5V、サンプリング回数M=16)の条件における入出力特性を示す図である。図6(a)に示されるように、1.5〜2.5Vの振幅1Vの入力に対して、出力は、1〜2Vとなっており、その振幅は1Vの範囲に収められている。
なお、以上の説明は、演算動作における参照電圧VRIとして第2の基準参照電圧VRLを採用した場合の例である。即ち、図5(a)及び(d)において、第2のキャパシタ27に第2の基準参照電圧VRLが供給されている。これに対して、演算動作における参照電圧VRIとして第1の基準参照電圧VRHを採用してもよい。第1の基準参照電圧VRHを採用した場合には、出力の絶対値は、第2の基準参照電圧VRLを採用した場合と相違する。この場合には、式(7)は、以下の式(8)に変形される。
Figure 0005818170
また、図6(b)は、(VRH=2.5V、VRL=1.5V、演算動作における参照電圧VRI=VRH、VCOM=2.0V、サンプリング回数M=16)の条件における入出力特性を示す図である。図6(b)に示されるように、1.0〜2.0Vの振幅1Vの入力に対して、出力は、1.5〜2.5Vとなっており、その振幅は1Vの範囲に収められている。
ここで、図6(a)に示した入出力特性と対比して、コンパレータ17a,17bに供給される第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLを変更した場合に例を図7に示す。図6(a)に示した入出力特性の例では、第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLは、以下に示す値であった。
RCH=(3VRH+VRL)/4=1.75V
RCL=(VRH+3VRL)/4=1.25V
これに対して、図7に示す入出力特性の例では、第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLは、以下に示す値である。
RCH=(5VRH+3VRL)/8=1.625V
RCL=(3VRH+5VRL)/8=1.375V
図7に示されるように、第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLが変更されると、ゲインステージ15における積分型A/D変換が好適に実施されない。従って、第1及び第2の変換参照電圧VRCH、VRCLは、図6(a)の入出力特性が得られたときのような値に設定されることが好ましい。
イメージセンサセルからの信号に対する相関2重サンプリング(CDS)をアナログ領域で行うか(アナログCDS)、ディジタル領域で行うか(ディジタルCDS)により、いわゆるフォールディング積分型A/D変換である積分型A/D変換ステップにおける入力信号、及び積分型A/D変換の後に行う巡回型A/D変換の実施の仕方が異なる。図8(a)は、アナログCDSを実施する場合の1水平読み出し期間における処理タイミングを示す図である。また、図8(b)は、ディジタルCDSを実施する場合の1水平読み出し期間における処理タイミングを示す図である。
図8(a)に示すように、アナログCDSを実施する場合には、期間Sfr1において、イメージセンサセルから出力されリセットレベルを示す第1の信号をゲインステージ15に入力されるアナログ信号VINとして、積分型A/D変換を実施する(第1のリセットレベル用積分型A/D変換ステップ)。続いて、期間Sfs1において、リセットレベルに重畳された信号レベルを示す第2の信号をゲインステージ15に入力されるアナログ信号VINとして、積分型A/D変換を実施する(第1の信号レベル用積分型A/D変換ステップ)。この第1の信号レベル用積分型A/D変換ステップでは、後に図9を参照して説明するように、積分器である第3のキャパシタ29に転送される電荷の極性が、第1のリセットレベル用積分型A/D変換ステップとは逆になるように演算が行われる。これにより、信号レベルがA/D変換されて得られるディジタル値における上位ビットの値が得られる。ここで得られるディジタル値では、ノイズがキャンセルされている。そして、期間Scs1において、第1の信号レベル用積分型A/D変換ステップの結果として得られる残差アナログ信号を入力信号として巡回型A/D変換が実施される。これにより、信号レベルがA/D変換されて得られるディジタル値における下位ビットの値が得られる。
また、図8(b)に示すように、ディジタルCDSを実施する場合には、期間Sfr2において、イメージセンサセルから出力されリセットレベルを示す第1の信号をゲインステージ15に入力されるアナログ信号VINとして、積分型A/D変換が実施される(第1の信号に対する積分型A/D変換ステップ)。これにより、リセットレベルがA/D変換されて得られるディジタル値における上位ビットの値が得られる。続いて、期間Scr2において、第1の信号に対する積分型A/D変換ステップの結果として得られる残差アナログ信号を入力信号として巡回型A/D変換が実施される(第1の信号に対する巡回型A/D変換ステップ)。これにより、リセットレベルがA/D変換されて得られるディジタル値における下位ビットの値が得られる。従って、期間Sfr2及び期間Scr2において、リセットレベルがA/D変換されたディジタル値が得られる。
続いて、期間Sfs2において、リセットレベルに重畳された信号レベルを示す第2の信号をゲインステージ15に入力されるアナログ信号VINとして、積分型A/D変換を実施する(第2の信号に対する積分型A/D変換ステップ)。これにより、第2の信号がA/D変換されて得られるディジタル値における上位ビットの値が得られる。そして、期間Scs2において、第2の信号に対する積分型A/D変換ステップの結果として得られる残差アナログ信号を入力信号として巡回型A/D変換が実施される。これにより、第2の信号がA/D変換されて得られるディジタル値における下位ビットの値が得られる。従って、期間Sfs2及び期間Scs2において、リセット信号がA/D変換されたディジタル値が得られる。従って、期間Sfs2及び期間Scs2において、第2の信号がA/D変換されたディジタル値が得られる。そして、期間Sfs2及び期間Scs2において得られたディジタル値から、期間Sfr2及び期間Scr2において得られたディジタル値を減ずることにより、セル間の出力のばらつき及びノイズがキャンセルされた、信号レベルのディジタル値が得られる。
次に、図9を参照して、A/D変換器11における、巡回型A/D変換ステップとしての巡回型A/D変換の動作を説明する。この巡回型A/D変換は、例えば、図8における期間Scs1,Scr2,Scs2において行われる。
まず、ゲインステージ15は、図9(a)に示すような、第2の初期格納ステップとしての第2の格納動作を実施する。このステップでは、第1の信号レベル用積分型A/D変換ステップ(期間Sfs1)、又は積分型A/D変換ステップ(期間Sfr2又は期間Sfs2)における演算値VOPである残差アナログ信号を第1、第2及び第3のキャパシタ25,27,29に格納する。このステップでは、制御信号(φDH=0,φDS=1、φDL=0)及びクロック信号(φ=1,φ=0,φ=1,φ=0,φ=0)により、スイッチ31c,47,51は導通され、スイッチ31a,31b,43,49,53は非導通とされる。また、このステップでは、第1の信号レベル用積分型A/D変換ステップ、又は積分型A/D変換ステップにおける演算値VOPがコンパレータ17a,17bに提供される。コンパレータ17a,17bは、提供された演算値VOPに基づき、ディジタル信号B,Bを生成する。
続いて、ゲインステージ15は、第2の初期格納ステップに引き続き、D(=B+B)の値に従って、図9(b)又は図9(c)に示される、第2の演算ステップとしての第2の演算動作を行う。第2の演算動作では、ゲインステージ15は、演算増幅回路23及びキャパシタ25、27、29により演算値VOPを生成する。第2の演算動作では、第3のキャパシタ29が演算増幅回路15の出力15bと入力15aとの間に接続されると共に、第1のキャパシタ25が第1の出力21aと第1の入力23aとの間に接続され、第2のキャパシタ27が第2の出力21bと第1の入力23aとの間に接続される。第2の演算ステップでは、クロック信号(φ=0,φ=1,φ=0,φ=0,φ=0)により、スイッチ49は導通され、スイッチ47,51,53,43は非導通とされる。
D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bには、コンパレータ17a,17bからの出力値D(=B+B)に従ってスイッチ回路31が制御され、第1の基準参照電圧VRHまたは第2の基準参照電圧VRLが提供される。
コンパレータ17a,17bは、以下のように動作する。
OP>VRCHのとき D=2(B=1,B=1)
RCL<VOP≦VRCHのとき D=1(B=0,B=1)
OP≦VRCLのとき D=0(B=0,B=0)
D=2のときには、D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bから第1の基準参照電圧VRHが提供されるように制御されながら図9(b)の動作が行われる。一方、D=0のときには、D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bから第2の基準参照電圧VRLが提供されるように制御されながら図9(b)の動作が行われる。さらに、D=1のときには、D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bからそれぞれ第1の基準参照電圧VRH及び第2の基準参照電圧VRLが提供されるように制御されながら図9(c)の動作が行われる。
続いて、ゲインステージ15は、第2の演算ステップに引き続き、図9(a)に示される、第2の格納ステップとしての第2の格納動作を行う。
第2の格納ステップでは、第2の演算ステップにおける演算値VOPを第1、第2及び第3のキャパシタ25,27,29に格納する点において、第2の初期格納ステップと相違する。
そして、ゲインステージ15は、巡回型A/D変換ステップとして、第2の演算ステップ及び第2の格納ステップを所定回数繰り返して行う。
次に、図10を参照して、例えば図8(a)における期間Sfs1において実施されるような積分型A/D変換動作を説明する。図10は、前述したように、アナログCDSを実施する場合における、リセットレベルに重畳された信号レベルを示す第2の信号に対する積分型A/D変換動作の例を示している。即ち、積分器を構成するキャパシタに転送される電荷の極性が、リセットレベルを示す第1の信号に対して実施された積分型A/D変換(図5参照)とは逆になるように、A/D変換動作が行われる。
まず、ゲインステージ15は、1ステップ前の演算動作における出力値Dの値に従って、A/D変換器11は、図10(a)又は図10(b)に示される第1の信号レベル用格納ステップとしての第1の格納動作を行う。このステップでは、ゲインステージ15は、第3のキャパシタ29を演算増幅回路23の出力23bと第1の入力23aとの間に接続することで第1のリセットレベル用積分型A/D変換ステップにおける演算値VOPを容量Cに保持したままで、第1の出力21aから供給される第1の基準参照電圧VRH又は第2の基準参照電圧VRLを第1のキャパシタ25に格納し、第2の出力21bから供給される第1の基準参照電圧VRH又は第2の基準参照電圧VRLを第2のキャパシタ27に格納する。
D=2のときには、D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bから第2の基準参照電圧VRLが提供されるように制御されながら図10(a)の動作が行われる。一方、D=0のときには、D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bから第1の基準参照電圧VRHが提供されるように制御されながら図10(a)の動作が行われる。さらに、D=1のときには、D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bからそれぞれ第1の基準参照電圧VRH及び第2の基準参照電圧VRLが提供されるように制御されながら図10(b)の動作が行われる。
続いて、ゲインステージ15は、図10(c)に示される第1の信号レベル用演算ステップとしての第1の演算動作を行う。このステップでは、ゲインステージ15は、第2の信号が供給されたゲインステージ15の入力VINと第1の入力23aとの間に第1のキャパシタ25を接続し、第2の出力21bと第1の入力23aとの間に第2のキャパシタ27を接続する。
第1又は第2の基準参照電圧が第1及び第2のキャパシタ25,27に供給された後に、アナログ信号VIN及び演算増幅回路23における参照電圧VRIが第1及び第2のキャパシタ25,27に供給されるので、アナログ信号VINに関する電荷は、図5に示した、積分型A/D変換とは逆の極性により積分器に転送される。
演算増幅回路23における参照電圧VRIが、(VRI=VRL)である場合には、このときの演算値VOP(M+1)は、以下の式(9)により表される。
Figure 0005818170

さらに、第1の信号レベル用演算ステップ及び第1の信号レベル用格納ステップをM回繰り返したときの演算値VOP(2M)は、以下の式(10)により表される。
Figure 0005818170

また、VRI=VRHである場合には、式(10)は、以下の式(11)のように変形される。
Figure 0005818170
また、第1のリセットレベル用積分型A/D変換ステップ(1〜M回目のサンプリング及び積分)において、ゲインステージ15の入力15aに提供されるアナログ信号VINは、リセットレベルの信号VRESであり、第1の信号レベル用積分型A/D変換ステップ(M+1〜2M回目のサンプリング及び積分)において、ゲインステージ15の入力15aに提供されるアナログ信号VINは、信号レベルの信号VSIGであるので、式(10)は、式(12)にように表される。
Figure 0005818170

さらに、式(12)は、以下の式(13)のように表される。
Figure 0005818170

さらに、式(13)は、式(6)を用いて、以下の式(14)のように表される。
Figure 0005818170
式(14)の右辺におけるVOP(2M)に対してmビットの巡回型A/D変換を行うことにより、式(14)の右辺第1項の(VOP(2M)−VCOM)/(VRH−VRL)は、−0.5から0.5までの値をとるディジタル値に変換される。このディジタル値をXとして、以下の式(15)のように表す。
Figure 0005818170

ここで、かっこ[]は、かっこ内の値のディジタル値を意味する。
さらに、値Yを式(16)のように表す。
Figure 0005818170

式(14)は、値X,Yを用いて、以下の式(17)のように表される。
Figure 0005818170
式(17)は、求められるべきM(VRES−VSIG)に対するディジタル値が、巡回型A/D変換の結果とフォールディング積分型A/D変換の結果(ディジタルカウント値)とによって表されることを意味する。フォールディング積分型A/D変換の結果をnビットとすると、本実施形態のA/D変換器11は、(n+m−1)ビットのディジタル値を得るA/D変換を実施できる。なお、フォールディング積分型A/D変換の結果であるディジタルカウント値は、A/D変換回路17の後段に設けられたカウンタ回路により出力値D(B+B又はB)に1が現れた回数が取得されることにより得られる。このカウント値の取得については後述する。
図11は、図6のシミュレーションに対応する入力信号であるアナログ信号VINの入力レベルとディジタルカウント値との関係を示す図である。図11(a)及び(b)に示されるように、積分型A/D変換における16回のサンプリング及び積分及び1.0Vの入力範囲に対し、ディジタルカウント値は、15階調の値を取り得る。従って、このディジタルカウント値の範囲は、約4ビットで表される。
式(13)における
Figure 0005818170

の項は、入力レベルの範囲が1.0Vである場合に、0〜14の範囲の値を取りうるので、4ビットで表される。従って、例えば、巡回型A/D変換を12ビットの出力結果が得られるように実施した場合には、カウンタ値の上位ビットを1ビットシフトして線形の信号を生成することから、本実施形態のA/D変換器11は、15ビット(=(12+4−1)ビット)にほぼ相当するダイナミックレンジを有することができる。以上説明したように、本実施形態のA/D変換器11は、フォールディング積分型のA/D変換である積分型A/D変換によるノイズ低減の効果を十分に得ながら、広いダイナミックレンジを有するディジタル信号の出力をすることができる。
引き続き、図12を参照して、A/D変換回路17が1つのコンパレータ17aを用いてディジタル信号Dを生成する場合における第1のA/D変換動作を説明する。
図12(a)では、ゲインステージ15は、第1の初期格納ステップとしての第1の格納動作を行う。このステップでは、ゲインステージ15の入力15aを介して受けたアナログ信号VINを第1のキャパシタ25に格納し、ゲインステージ15の出力23bと第1の入力23aとを接続する。また、第2のキャパシタ27は、第2の出力21bから供給される第2の基準参照電圧VRLを格納し、第3のキャパシタ29は、演算増幅回路23の出力23bと第1の入力23aとの間に接続される。
第1の初期格納ステップ及び以下に説明する各ステップにおける格納及び接続は、スイッチ回路31及びスイッチ43,47,49,51,53により実現される。第1の初期格納ステップでは、制御信号(φDH=0,φDS=0、φDL=1)及びクロック信号(φ=1,φ=0,φ=0,φ=1,φ=1)により、スイッチ31c,47,53,43は導通され、スイッチ31a,31b,49,51は非導通とされる。
第1の初期格納ステップに引き続き、A/D変換器11は、D(=B)の値に従って、図12(b)又は図12(c)に示される、第1の演算ステップとしての第1の演算動作を行う。
このステップでは、第1のキャパシタ25を第1の出力21aと第1の入力23aとの間に接続して第1の演算動作が行われる。また、第2のキャパシタ27が第2の出力21bと第1の入力23aとの間に接続され、第3のキャパシタ29が演算増幅回路23の出力23bと第1の入力23aとの間に接続されることにより、演算値VOPがゲインステージ15の出力15bに生成される。第1の演算ステップでは、クロック信号(φ=0,φ=1,φ=0,φ=0,φ=0)により、スイッチ49は導通され、スイッチ47,51,53,43は非導通とされる。
D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bには、コンパレータ17aからの出力値D(=B)に従ったスイッチ回路31の制御により、第1の基準参照電圧VRHまたは第2の基準参照電圧VRLが提供される。
コンパレータ17aは、以下のように動作する。
OP>VRCHのとき B=1
OP≦VRCHのとき B=0
D=0(B=0)のときには、D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bからそれぞれ第1の基準参照電圧VRH及び第2の基準参照電圧VRLが提供されるように制御されながら図12(b)の動作が行われる。一方、D=1のときには、D/A変換回路21の第1の出力21a及び第2の出力21bから第2の基準参照電圧VRLが提供されるように制御されながら図12(b)の動作が行われる。
続いて、ゲインステージ15は、図12(d)に示される第1の格納動作を第1の格納ステップとして行う。第1の格納ステップでは、第3のキャパシタ29を演算増幅回路23の出力23bと第1の入力23aとの間に接続することで演算値VOPを容量Cに保持したままで、ゲインステージ15の入力15aからのアナログ信号VINを第1のキャパシタ25に格納し、第2の出力21bから供給される第2の基準参照電圧VRLを第2のキャパシタ27に格納する。第1の格納ステップでは、制御信号(φDH=0,φDS=0、φDL=1)及びクロック信号(φ=1,φ=0,φ=0,φ=0,φ=1)により、スイッチ31c,47,43は導通され、スイッチ31a,31b,49,51,53は非導通とされる。
次いで、ゲインステージ15は、出力値Dの値に応じて図12(b)及び図12(c)に示される第1の演算動作のいずれかを選択しながら、第1の演算ステップ及び第1の格納ステップを所定回数繰り返して行う積分型A/D変換ステップを実施する。
図13は、A/D変換回路17が1つのコンパレータ17aを用いてディジタル信号Dを生成する場合における、ゲインステージ15の積分型A/D変換器としての動作(フォールディング積分型のA/D変換)時のシミュレーションにより求めた入出力特性を示す図面である。このシミュレーションにおける条件は、(VRH=2.5V、VRL=1.5V、演算動作における参照電圧VRI=VRL、VCOM=2.0V、サンプリング及び積分回数M=16)である。図13に示されるように、1.5〜2.5Vの振幅1Vの入力に対して、出力は、1.5〜2.5Vとなっており、その振幅は1Vの範囲に収められている。
次に、図14〜16を参照して、第1のA/D変換動作であるフォールディング積分型A/D変換の出力値Dに基づき、A/D変換の結果としてのディジタル値を生成するためのディジタル部DCの構成を説明する。図14(a)は、A/D変換回路17が2つのコンパレータ17a,17b及び2つの変換参照電圧VRCH,VRCLを用いてディジタル信号Dを生成する場合におけるディジタル部DCを示す図である。ディジタル部DCは、コンプリメント部CP、加算器AD、レジスタRG1A及びレジスタRG2Aを含む。また、図15は、図14(a)に示したコンプリメント部CP、加算器AD、レジスタRG1Aの詳細な構成を示す図である。図15に示す例では、5ビットのディジタル値が得られる。以下、図14(a)及び図15を参照して、これらの構成の動作を説明する。
まず5ビットのレジスタRG1A(5個のフリップフロップFFからなる)にリセット信号resetを与えて、それらの出力を0にする。積分型A/D変換における積分の1サイクル毎に、レジスタRG1Aの出力と、積分型A/D変換の2つのコンパレータ17a,17bからの2ビットの出力(B1,B0)とが加算器AD(5個の全加算器FAからなる)により加算され、更にクロックを加えて、その出力結果をレジスタRG1Aに格納する。これらの加算及び格納を繰り返すことにより、2ビットの出力がディジタル積分されることとなる。リセットレベルを示す第1の信号のA/D変換を実施する場合には、コンプリメント部CPに提供される信号Compを0に設定する。これにより、コンプリメント部CPの出力は、(X=0,X=0,X=0)となる。そして、入力が(B=0,B=0)の時は、出力が(X=0,X=0)となるので、値の加算は行われない。また、入力が(B=1,B=0)の時は、出力が(X=1,X=0)となるので、値が1ずつ加算される。さらに、入力が(B=1,B=1)の時は、出力が(X=0,X=1)となるので、値が2ずつ加算される。
一方、信号レベルを示す第2の信号のA/D変換を実施する場合には、コンプリメント部CPに提供される信号Compを1に設定する。これにより、コンプリメント部CPの出力は、(X=1,X=1,X=1)となる。そして、入力が(B=0,B=0)の時は、出力が(X0=0,X=0,X=0,X=0,X=0)となり、値の加算は行われない。また、入力が(B=1,B=0)の時は、出力が(X0=1,X=1,X=1,X=1,X=1)となり、これを2の補数として考えると、値が−1ずつ加算される。さらに、入力が(B=1,B=1)の時は、出力が(X0=0,X=1,X=1,X=1,X=1)となり、これを2の補数として考えると、値が−2ずつ加算される。
以上のような構成により、リセットレベル及び信号レベルのそれぞれに対して積分を繰り返す毎に、参照電圧を引き戻す回数を数え上げ、両者の差に相当する回数が最終的にレジスタRG1Aに格納される。即ち、このような構成は、図8(b)を参照して説明したような、ディジタルCDSによるディジタル値の取得において採用されることができる。なお、レジスタRG2Aは、巡回型A/D変換の結果として得られるディジタル値を格納する。
図14(b)は、A/D変換回路17が1つのコンパレータ17a及び1つの変換参照電圧VRCHを用いてディジタル信号Dを生成する場合におけるディジタル部DCを示す図である。ディジタル部DCは、コンプリメント部CP、加算器AD、レジスタRG1B及びレジスタRG2Bを含む。また、図16は、図14(b)に示したコンプリメント部CPの詳細な構成を示す図である。なお、加算器AD及びレジスタRG1Bの構成は、図15に示したものと同様である。図16に示す例では、5ビットのディジタル値が得られる。以下、図14(b)及び図16を参照して、これらの構成の動作を説明する。
まず5ビットのレジスタRG1B(5個のフリップフロップFFからなる)にリセット信号resetを与えて、それらの出力を0にする。積分型A/D変換における積分の1サイクル毎に、レジスタRG1Bの出力と、積分型A/D変換の1つのコンパレータ17aからの1ビットの出力(B1)とが加算器AD(5個の全加算器FAからなる)により加算され、更にクロックを加えて、その出力結果をレジスタRG1Bに格納する。これらの加算及び格納を繰り返すことにより、1ビットの出力がディジタル積分されることとなる。リセットレベルを示す第1の信号のA/D変換を実施する場合には、コンプリメント部CPに提供される信号Compを0に設定する。これにより、コンプリメント部CPの出力は、(X=0,X=0,X=0,X=0)となる。そして、入力が(B=0)の時は、出力が(X=0)となるので、値の加算は行われない。また、入力が(B=1)の時は、出力が(X=1)となるので、値が1ずつ加算される。
一方、信号レベルを示す第2の信号のA/D変換を実施する場合には、コンプリメント部CPに提供される信号Compを1に設定する。これにより、コンプリメント部CPの出力は、(X=0,X=1,X=1,X=1)となる。そして、入力が(B=0)の時は、出力が(X0=0,X=0,X=0,X=0,X=0)となり、値の加算は行われない。また、入力が(B=1)の時は、出力が(X0=1,X=1,X=1,X=1,X=1)となり、これを2の補数として考えると、値が−1ずつ加算される。
以上のような構成により、リセットレベル及び信号レベルのそれぞれに対して積分を繰り返す毎に、参照電圧を引き戻す回数を数え上げ、両者の差に相当する回数が最終的にレジスタRG1Bに格納される。即ち、このような構成は、図8(b)を参照して説明したような、ディジタルCDSによるディジタル値の取得において採用されることができる。なお、レジスタRG2Bは、巡回型A/D変換の結果として得られるディジタル値を格納する。
以上説明した本実施形態のA/D変換器11によれば、同一の回路構成において動作手順の制御を行うことにより、フォールディング積分型のA/D変換を行うための第1のA/D変換動作と、巡回型のA/D変換を行うための第2のA/D変換動作とが実現される。また、第1のA/D変換動作において、出力信号の積分に用いられる第3のキャパシタ29の容量は、A/D変換対象のアナログ信号及び基準参照電圧の格納に用いられる第1及び第2のキャパシタ25,27の容量より大きいので、フォールディング積分型のA/D変換において入力されるアナログ信号VINは、その容量比に従って減衰されてサンプリング及び積分される。これ故に、フォールディング積分型のA/D変換において出力されるアナログ信号の電圧範囲も、キャパシタの容量比に従って小さくなるので、シングルエンド構成により当該A/D変換器を構成できる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、フォールディング積分によるA/D変換と、その残差アナログ信号に対する巡回型A/D変換を行うA/D変換器をシングルエンド構成により実現することが可能となる。
,B…ディジタル信号、C1a,C1b,C…容量、D…ディジタル信号、SA…スイッチ、SI…スイッチ、VCOM…基準電位、VCONT…制御信号、VIN…アナログ信号、VOP…演算値、VRCH…第1の変換参照電圧、VRCL…第2の変換参照電圧、VRH…第1の基準参照電圧、VRL…第2の基準参照電圧、31a-31c…スイッチ、2a…イメージセンサセル、11…D/A変換器、15…ゲインステージ、15a…入力、15b…出力、17…A/D変換回路、17a,17b…コンパレータ、19…論理回路、21…D/A変換回路、21a…第1の出力、21b…第2の出力、23…演算増幅回路、23a…第1の入力、23b…出力、23c…第2の入力、25…第1のキャパシタ、27…第2のキャパシタ、29…第3のキャパシタ、31…スイッチ回路、31a,31b,31c,43,49,51,53…スイッチ、33,35…基準電圧源、37…参照電圧発生回路、41…クロック発生器。

Claims (11)

  1. シングルエンド構成のA/D変換器であって、
    ディジタル値に変換されるアナログ信号を受ける入力、出力、並びに第1の入力、第2の入力及び出力を有する演算増幅回路を含むゲインステージと、
    前記ゲインステージの前記出力からの信号に基づき、変換参照電圧を参照して、1又は複数のビットを含むディジタル信号を生成するA/D変換回路と、
    前記ディジタル信号に応じて、制御信号を生成する論理回路と、
    第1及び第2の出力を有し、第1の基準参照電圧及び第2の基準参照電圧の少なくともいずれか一方を、前記制御信号に応じて前記第1及び第2の出力を介して前記ゲインステージに提供するD/A変換回路とを備え、
    前記ゲインステージは、第1〜第3のキャパシタを含み、
    前記第3のキャパシタの容量は、前記第1及び第2のキャパシタの容量より大きく、
    前記演算増幅回路の前記第2の入力は、基準電位を受け、
    前記第1の基準参照電圧は、前記第2の基準参照電圧値より高く、
    前記D/A変換回路は、前記制御信号に応答して、前記第1の出力に前記第1及び第2の基準参照電圧のいずれかを提供すると共に前記第2の出力に前記第1及び第2の基準参照電圧のいずれかを提供するためのスイッチ回路を含み、
    当該A/D変換器は、第1のA/D変換動作と、第2のA/D変換動作を行い、
    前記第1のA/D変換動作では、前記ゲインステージは、前記演算増幅回路及び前記第1〜第3のキャパシタにより演算値を生成する第1の演算動作と、第1の格納動作と、を行い、
    前記第1の格納動作では、
    前記第1のキャパシタは、前記第1の出力から供給される第1若しくは第2の基準参照電圧又は前記アナログ信号を格納し、
    前記第2のキャパシタは、前記第2の出力から供給される第1又は第2の基準参照電圧を格納し、
    前記第3のキャパシタは、前記演算増幅回路の前記出力と前記第1の入力との間に接続され、
    前記第1の演算動作では、
    前記第1の格納動作において第1又は第2の基準参照電圧が前記第1のキャパシタに格納された場合には、前記第1のキャパシタが前記アナログ信号を受ける入力と前記第1の入力との間に接続され、前記第1の格納動作において前記アナログ信号が前記第1のキャパシタに格納された場合には、前記第1のキャパシタが前記第1の出力と前記第1の入力との間に接続され、
    前記第2のキャパシタが前記第2の出力と前記第1の入力との間に接続され、
    前記第3のキャパシタが前記演算増幅回路の前記出力と前記第1の入力との間に接続されることにより、前記演算値が前記ゲインステージの前記出力に生成され、
    前記第2のA/D変換動作では、
    前記ゲインステージは、前記演算増幅回路及び前記第1〜第3のキャパシタにより演算値を生成する第2の演算動作と、前記演算値を前記第1及び第2のキャパシタに格納する第2の格納動作を行い、
    前記第2の演算動作では、前記第3のキャパシタが前記演算増幅回路の前記出力と前記第1の入力との間に接続されると共に前記第1及び第2のキャパシタがそれぞれ前記D/A変換回路の前記第1又は第2の出力と前記第1の入力との間に接続されて、前記演算値が当該ゲインステージの前記出力に生成される、
    A/D変換器。
  2. 前記第3のキャパシタは、前記第1又は第2のキャパシタの容量の2倍の容量を有する、
    請求項1に記載のA/D変換器。
  3. 前記第1のA/D変換動作における前記変換参照電圧は、前記第1の基準参照電圧と前記第2の基準参照電圧値との間の中央値であり、
    前記A/D変換回路は、1ビットのディジタル信号を生成し、
    前記論理回路は、第1及び第2の値を有する制御信号を生成する、
    請求項1又は2に記載のA/D変換器。
  4. 前記第2のA/D変換動作において参照される第1の変換参照電圧VRC2Hは及び第2の変換参照電圧VRC2Lはそれぞれ下記式により表される、
    RC2H=(5VRH+3VRL)/8
    RC2L=(3VRH+5VRL)/8
    請求項3に記載のA/D変換器。
  5. 前記A/D変換回路は、第1及び第2の変換参照電圧を有し、
    前記第1の変換参照電圧は、前記第1の基準参照電圧と前記第2の基準参照電圧値との間の中央値より高く且つ前記第1の基準参照電圧より低く、
    前記第1のA/D変換動作における前記第1の変換参照電圧は、前記第2のA/D変換動作における前記第1の変換参照電圧より高く、
    前記第2の変換参照電圧は、前記中央値より低く且つ前記第2の基準参照電圧より高く、
    前記第1のA/D変換動作における前記第2の変換参照電圧は、前記第2のA/D変換動作における前記第2の変換参照電圧より低く、
    前記A/D変換回路は、3値のディジタル信号を生成し、
    前記論理回路は、第1〜第3の値を有する制御信号を生成する、
    請求項1又は2に記載のA/D変換器。
  6. 前記第1の基準参照電圧をVRH、前記第2の基準参照電圧をVRL、としたときに、
    前記第1のA/D変換動作における前記第1の変換参照電圧VRC1H及び前記第2の変換参照電圧VRC1Lはそれぞれ下記式により表され、
    RC1H=(3VRH+VRL)/4
    RC1L=(VRH+3VRL)/4
    前記第2のA/D変換動作における前記第1の変換参照電圧VRC2Hは及び前記第2の変換参照電圧VRC2Lはそれぞれ下記式により表される、
    RC2H=(5VRH+3VRL)/8
    RC2L=(3VRH+5VRL)/8
    請求項5に記載のA/D変換器。
  7. 前記第1の格納動作では、前記第1のキャパシタは、前記第1の出力又は前記ゲインステージの入力と前記基準電位との間に接続され、前記第2のキャパシタは、前記第2の出力又は前記ゲインステージの入力と前記基準電位との間に接続される、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のA/D変換器。
  8. シングルエンド構成のA/D変換器であって、
    ディジタル値に変換されるアナログ信号を受ける入力、出力、並びに第1の入力、第2の入力及び出力を有する演算増幅回路を含むゲインステージと、
    前記ゲインステージの前記出力からの信号に基づき、変換参照電圧を参照して、1又は複数のビットを含むディジタル信号を生成するA/D変換回路と、
    前記ディジタル信号に応じて、制御信号を生成する論理回路と、
    第1及び第2の出力を有し、第1の基準参照電圧及び第2の基準参照電圧の少なくともいずれか一方を、前記制御信号に応じて前記第1及び第2の出力を介して前記ゲインステージに提供するD/A変換回路と、
    前記第1及び第2の基準参照電圧を分圧して前記変換参照電圧を生成する参照電圧発生回路と、を備え、
    前記ゲインステージは、第1〜第3のキャパシタを含み、
    前記第3のキャパシタの容量は、前記第1及び第2のキャパシタの容量より大きく、
    前記演算増幅回路の前記第2の入力は、基準電位を受け、
    前記第1の基準参照電圧は、前記第2の基準参照電圧値より高く、
    前記D/A変換回路は、前記制御信号に応答して、前記第1の出力に前記第1及び第2の基準参照電圧のいずれかを提供すると共に前記第2の出力に前記第1及び第2の基準参照電圧のいずれかを提供するためのスイッチ回路を含み、
    当該A/D変換器は、一の変換参照電圧、又は第1及び第2の変換参照電圧を参照して1ビットまたは3値のディジタル信号を前記A/D変換回路に生成させる第1のA/D変換動作と、第1及び第2の変換参照電圧を参照して3値のディジタル信号を前記A/D変換回路に生成させる第2のA/D変換動作とを行い、
    前記参照電圧発生回路は、
    前記第1の基準参照電圧と前記第2の基準参照電圧値との間の中央値より高く且つ前記第1の基準参照電圧より低い電圧を前記第2のA/D変換動作のための前記第1の変換参照電圧として生成すると共に、前記中央値より低く且つ前記第2の基準参照電圧より高い電圧を前記第2のA/D変換動作のための前記第2の変換参照電圧として生成し、
    前記中央値を前記第1のA/D変換のための前記一の変換参照電圧として生成、又は前記第2のA/D変換動作のための前記第1の変換参照電圧より高く且つ前記第1の基準参照電圧より低い電圧を、前記第1の変換動作のための前記第1の変換参照電圧として生成すると共に前記第2のA/D変換動作のための前記第2の変換参照電圧より低く且つ前記第2の基準参照電圧より高い電圧を、前記第1の変換動作のための前記第2の変換参照電圧として生成する、
    A/D変換器。
  9. イメージセンサデバイスであって、
    イメージセンサセルのアレイを含むセルアレイと、
    前記セルアレイに接続されており複数のA/D変換器を含む変換器アレイとを備え、
    前記A/D変換器の各々は、前記セルアレイのカラム線を介して前記イメージセンサセルに接続されており、
    前記A/D変換器の各々は、請求項1〜8のいずれか1項に記載されたものである、
    イメージセンサデバイス。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のA/D変換器を用いてアナログ信号からディジタル信号を生成する方法であって、
    前記ゲインステージの入力からの前記アナログ信号を前記第1のキャパシタに格納し、前記演算増幅回路の出力と前記第1の入力とを接続して前記第1の格納動作を行う第1の初期格納ステップと、
    前記第1のキャパシタを前記第1の出力と前記第1の入力との間に接続して前記第1の演算動作を行う第1の演算ステップと、
    前記ゲインステージの入力からの前記アナログ信号を前記第1のキャパシタに格納して前記第1の格納動作を行う第1の格納ステップと、
    前記第1の演算ステップ及び第1の格納ステップを所定回数繰り返して行う積分型A/D変換ステップと、
    前記積分型A/D変換ステップにおける演算値である残差アナログ信号を前記第1及び第2のキャパシタに格納して前記第2の格納動作を行う第2の初期格納ステップと、
    前記第2の演算動作を行う第2の演算ステップと、
    前記第2の演算ステップにおいて前記ゲインステージの出力に生成された前記演算値を前記第1及び第2のキャパシタに格納して前記第2の格納動作を行う第2の格納ステップと、
    前記第2の演算ステップ及び第2の格納ステップを所定回数繰り返して行う巡回型A/D変換ステップと、
    を有する方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のA/D変換器を用いて、イメージセンサセルのアレイを含むイメージセンサデバイスからのアナログ信号からデジタル信号を生成する方法であって、
    前記イメージセンサセルは、リセットレベルを示す第1の信号と該リセットレベルに重畳された信号レベルを示す第2の信号とを生成可能であり、
    前記ゲインステージの入力を介して受けた前記第1の信号を前記第1のキャパシタに格納し、前記演算増幅回路の出力と前記第1の入力とを接続して前記第1の格納動作を行う第1の初期格納ステップと、
    前記第1のキャパシタを前記第1の出力と前記第1の入力との間に接続して前記第1の演算動作を行う第1のリセットレベル用演算ステップと、
    前記ゲインステージの入力からの前記アナログ信号を前記第1のキャパシタに格納して前記第1の格納動作を行う第1のリセットレベル用格納ステップと、
    前記第1のリセットレベル用演算ステップ及び第1のリセットレベル用格納ステップを所定回数繰り返して行う第1のリセットレベル用積分型A/D変換ステップと、
    前記第1の出力から供給される第1若しくは第2の基準参照電圧を前記第1のキャパシタに格納して前記第1の格納動作を行う第1の信号レベル用格納ステップと、
    前記第2の信号が供給された前記ゲインステージの入力と前記第1の入力との間に前記第1のキャパシタを接続して前記第1の演算動作を行う第1の信号レベル用演算ステップと、
    前記第1の信号レベル用演算ステップ及び第1の信号レベル用格納ステップを所定回数繰り返して行う第1の信号レベル用積分型A/D変換ステップと、
    前記第1の信号レベル用積分型A/D変換ステップにおける演算値である残差アナログ信号を前記第1及び第2のキャパシタに格納して前記第2の格納動作を行う第2の初期格納ステップと、
    前記第2の演算動作を行う第2の演算ステップと、
    前記第2の演算ステップにおいて前記ゲインステージの出力に生成された前記演算値を前記第1及び第2のキャパシタに格納して前記第2の格納動作を行う第2の格納ステップと、
    前記第2の演算ステップ及び第2の格納ステップを所定回数繰り返して行う巡回型A/D変換ステップと、
    を有する方法。
JP2012558044A 2011-02-18 2012-02-17 A/d変換器、イメージセンサデバイス及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法 Active JP5818170B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012558044A JP5818170B2 (ja) 2011-02-18 2012-02-17 A/d変換器、イメージセンサデバイス及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011033718 2011-02-18
JP2011033718 2011-02-18
JP2012558044A JP5818170B2 (ja) 2011-02-18 2012-02-17 A/d変換器、イメージセンサデバイス及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法
PCT/JP2012/053868 WO2012111821A1 (ja) 2011-02-18 2012-02-17 A/d変換器、イメージセンサデバイス及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012111821A1 JPWO2012111821A1 (ja) 2014-07-07
JP5818170B2 true JP5818170B2 (ja) 2015-11-18

Family

ID=46672731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012558044A Active JP5818170B2 (ja) 2011-02-18 2012-02-17 A/d変換器、イメージセンサデバイス及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9236879B2 (ja)
EP (1) EP2677661A4 (ja)
JP (1) JP5818170B2 (ja)
KR (1) KR101743800B1 (ja)
WO (1) WO2012111821A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6327937B2 (ja) * 2013-05-09 2018-05-23 株式会社ブルックマンテクノロジ A/d変換回路用ディジタル補正回路、a/d変換回路及びイメージセンサデバイス
US9560523B2 (en) * 2013-08-23 2017-01-31 General Electric Company Mobile device authentication
JP6205215B2 (ja) * 2013-09-09 2017-09-27 オリンパス株式会社 撮像装置
US9148481B1 (en) 2014-09-04 2015-09-29 Sandia Corporation Embedded instrumentation architecture
KR101723624B1 (ko) 2015-10-08 2017-04-06 동국대학교 산학협력단 싸이클릭 디지털-아날로그 변환기의 코어 회로 및 이를 포함하는 디지털-아날로그 변환기
JP6681616B2 (ja) * 2016-02-02 2020-04-15 国立大学法人静岡大学 A/d変換器、イメージセンサデバイス及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法
US10715757B2 (en) * 2016-11-11 2020-07-14 National University Corporation Shizuoka University A/D converter
TWI638529B (zh) * 2017-10-25 2018-10-11 瑞昱半導體股份有限公司 可彈性切換候選電容的運算放大器
TWI645681B (zh) * 2017-10-25 2018-12-21 瑞昱半導體股份有限公司 運算放大器可供不同電路級共用的管線式類比數位轉換器
EP3557767B1 (en) * 2018-04-19 2023-01-11 ams AG Light-to-digital converter arrangement and method for light-to-digital conversion

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004096636A (ja) 2002-09-03 2004-03-25 Sanyo Electric Co Ltd アナログ−デジタル変換回路
EP2037583B1 (en) * 2006-06-08 2012-08-08 National University Corporation Shizuoka University Converter circuit, analog/digital converter, and method for generating digital signals corresponding to analog signals
US8553112B2 (en) 2006-07-31 2013-10-08 National University Corporation Shizuoka University A/D converter and readout circuit

Also Published As

Publication number Publication date
EP2677661A4 (en) 2017-08-23
EP2677661A1 (en) 2013-12-25
US20140014821A1 (en) 2014-01-16
WO2012111821A1 (ja) 2012-08-23
US9236879B2 (en) 2016-01-12
JPWO2012111821A1 (ja) 2014-07-07
KR20140006885A (ko) 2014-01-16
KR101743800B1 (ko) 2017-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5818170B2 (ja) A/d変換器、イメージセンサデバイス及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法
JP4793602B2 (ja) A/d変換器および読み出し回路
JP5769178B2 (ja) A/d変換器
US8797455B2 (en) Analog-to-digital converter, image sensor including the same, and apparatus including image sensor
JP2010104002A (ja) X線画素検出器の読出し回路及び集積回路
JP6327937B2 (ja) A/d変換回路用ディジタル補正回路、a/d変換回路及びイメージセンサデバイス
WO2018088476A1 (ja) A/d変換器
JP2005072844A (ja) A/dコンバータ
JP2007013885A (ja) パイプラインa/d変換器およびパイプラインa/d変換方法
JP5962636B2 (ja) 電圧検出装置
US20140252207A1 (en) Analog-to-digital converter and solid-state imaging device
JP2020088500A (ja) A/d変換器
JP6903154B2 (ja) 増幅回路及びそれを備えるアナログデジタル変換システム
KR101902119B1 (ko) 스위치드-커패시터 d/a 변환기를 사용한 축차 비교형 a/d 변환기
JPWO2010044444A1 (ja) 巡回型a/d変換器、イメージセンサデバイス、及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法
JP4478798B2 (ja) オフセット低減機能をもつ巡回型a/d変換器、およびオフセット電圧を低減する方法
JP4917618B2 (ja) 相関二重サンプリング装置及びイメージセンサシステム
JP6771758B2 (ja) A/d変換器
JP2017139583A (ja) A/d変換器、イメージセンサデバイス及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法
JP2010022047A (ja) 可変ゲイン増幅器およびd/a変換器
JP4328863B2 (ja) 巡回型a/d変換器およびイメージセンサ
JP2013038661A (ja) A/d変換器、固体撮像装置および電子情報機器
JP2009033634A (ja) スイッチト・キャパシタ回路、およびそれを搭載した信号処理回路
WO2011048725A1 (ja) 固体撮像装置、ad変換方法及びad変換器
JPWO2020095393A1 (ja) A/d変換器、イメージセンサデバイス、及びアナログ信号からディジタル信号を生成する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150908

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150917

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5818170

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250