JP3942383B2 - アナログ−デジタル変換回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多段パイプライン(ステップフラッシュ)構成を有するアナログ−デジタル変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオ信号のデジタル処理技術の進歩に伴い、ビデオ信号処理用のアナログ−デジタル変換回路(A/Dコンバータ)の需要が大きくなっている。ビデオ信号処理用のアナログ−デジタル変換回路には高速変換動作が要求されるため、従来、2ステップフラッシュ(2ステップパラレル)方式が広く用いられていた。
【0003】
しかし、変換ビット数の増大に伴い、2ステップフラッシュ方式では十分な変換精度が得られなくなってきたため、多段パイプライン(ステップフラッシュ)構成を有するアナログ−デジタル変換回路が開発された。
【0004】
図16は従来の多段パイプライン構成を有するアナログ−デジタル変換回路の構成を示すブロック図である。図16のアナログ−デジタル変換回路は、10ビット4段パイプライン構成を有する。このアナログ−デジタル変換回路は、例えば特開平9−69777号公報に開示されている。
【0005】
図16において、アナログ−デジタル変換回路101は、サンプルホールド回路102、1段目の回路103、2段目の回路104、3段目の回路105、4段目の回路106、複数のラッチ回路107および出力回路108から構成されている。
【0006】
1段目(初段)〜3段目の回路103〜105は、サブA/Dコンバータ(アナログ−デジタル変換器)109、D/Aコンバータ(デジタル−アナログ変換器)110、および差分増幅器111を備える。4段目(最終段)の回路106はサブA/Dコンバータ109のみを備える。
【0007】
1段目の回路103は4ビット構成、2〜4段目の回路104〜106はそれぞれ2ビット構成である。1〜3段目の回路103〜105において、サブA/Dコンバータ109およびD/Aコンバータ110のビット数(ビット構成)は同じに設定されている。
【0008】
次に、アナログ−デジタル変換回路101の動作を説明する。サンプルホールド回路102は、アナログ入力信号Vinをサンプリングして一定時間保持する。サンプルホールド回路102から出力されたアナログ入力信号Vinは、1段目の回路103へ転送される。
【0009】
1段目の回路3において、サブA/Dコンバータ109はアナログ入力信号Vinに対してA/D変換を行う。サブA/Dコンバータ109のA/D変換結果である上位4ビットのデジタル出力(29 ,28 ,27 ,26 )は、D/Aコンバータ110へ転送されるとともに、4つのラッチ回路107を介して出力回路108へ転送される。差分増幅器111は、D/Aコンバータ110のD/A変換結果とアナログ入力信号Vinとの差分を増幅する。その差分増幅器111の出力は2段目の回路104へ転送される。
【0010】
2段目の回路104においては、1段目の回路103の差分増幅器111の出力に対して、1段目の回路103と同様の動作が行われる。また、3段目の回路105においては、2段目の回路104の差分増幅器111の出力に対して、1段目の回路103と同様の動作が行われる。そして、2段目の回路104から中上位2ビットのデジタル出力(25 ,24 )が得られ、3段目の回路105から中下位2ビットのデジタル出力(23 ,22 )が得られる。
【0011】
4段目の回路106においては、3段目の回路105の差分増幅器111の出力に対して、サブA/Dコンバータ109がA/D変換を行い、下位2ビットのデジタル出力(21 ,20 )が得られる。
【0012】
1〜4段目の回路103〜106のデジタル出力は各ラッチ回路107を経て同時に出力回路108に到達する。すなわち、各ラッチ回路107は各回路103〜106のデジタル出力の同期をとるために設けられている。
【0013】
出力回路108はアナログ入力信号Vinの10ビットのデジタル出力Dout を必要な場合はデジタル補正処理後パラレル出力する。
【0014】
このように、アナログ−デジタル変換回路101においては、各段の回路103〜105において、アナログ入力信号Vinまたは前段の回路103,104の差分増幅器111の出力と、その段の回路103〜105のデジタル出力のD/A変換結果との差分が差分増幅器111によって増幅される。
【0015】
そのため、変換ビット数が増大してLSB(Least Significant Bit )が小さくなっても、サブA/Dコンバータ109を構成する各コンパレータの分解能を実質的に向上させることが可能になり、十分な変換精度が得られる。
【0016】
図17は図16のアナログ−デジタル変換回路101におけるサブA/Dコンバータ109およびD/Aコンバータ110の回路図である。図17のサブA/Dコンバータ109は全並列比較(フラッシュ)方式サブA/Dコンバータであり、D/Aコンバータ110は容量アレイ方式D/Aコンバータである。
【0017】
サブA/Dコンバータ109は、n個の抵抗R、およびn個のコンパレータD1〜Dnから構成される。すべての抵抗Rは同じ抵抗値を有し、高電位側基準電圧VRTを受けるノードN31と低電位側基準電圧VRBを受けるノードN32との間に直列に接続されている。ここで、ノードN32とノードN31との間のn個の抵抗R間のノードN41〜N4nの電位をそれぞれVR(1)〜VR(n)とする。
【0018】
各コンパレータD1〜Dnの正入力端子には入力信号VI(アナログ入力信号Vinまたは前段の回路103〜105の差分増幅器111の出力)が入力される。また、各コンパレータD1〜Dnの負入力端子には、それぞれノードN41〜N4nの電位VR(1)〜VR(n)が印加される。
【0019】
それにより、各コンパレータD1〜Dnの出力は、それぞれ入力信号VIが電位VR(1)〜VR(n)よりも高い場合には、ハイレベルとなり、それぞれ入力信号VIが電位VR(1)〜VR(n)よりも低い場合には、ローレベルとなる。
【0020】
D/Aコンバータ110は、アレイ状に接続されたそれぞれn個のスイッチE1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hn、n個の正側コンデンサB1〜Bn、およびn個の負側コンデンサC1〜Cnから構成される。
【0021】
コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnはすべて同じ容量値cを有する。コンデンサB1〜Bnの一方の端子(以下、出力端子と呼ぶ)からは差動正側出力電圧VDA(+)が生成され、コンデンサC1〜Cnの一方の端子(以下、出力端子という)からは差動負側出力電圧VDA(−)が生成される。なお、各コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの他方の端子を入力端子と呼ぶ。
【0022】
各スイッチE1〜Enの一方の端子はノードN31に接続され、他方の端子はコンデンサB1〜Bnの入力端子に接続されている。各スイッチF1〜Fnの一方の端子はノードN31に接続され、他方の端子はコンデンサC1〜Cnの入力端子に接続されている。各スイッチG1〜Gnの一方の端子はノードN32に接続され、他方の端子はコンデンサB1〜Bnの入力端子に接続されている。各スイッチH1〜Hnの一方の端子はノードN32に接続され、他方の端子はコンデンサC1〜Cnの入力端子に接続されている。
【0023】
各スイッチE1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hnはそれぞれ同一番号のスイッチで4連スイッチを構成する。例えば、スイッチE1,F1,G1,H1は1連であり、スイッチEn,Fn,Gn,Hnも1連である。そして、各スイッチE1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hnはそれぞれ各コンパレータD1〜Dnの出力レベルに従ってオンオフ動作する。例えば、コンパレータDnの出力がハイレベルの場合、スイッチEn,Hnがオンし、スイッチGn,Fnはオフする。逆に、コンパレータDnの出力がローレベルの場合、スイッチEn,Hnがオフし、スイッチGn,Fnがオンする。
【0024】
次に、D/Aコンバータ110の動作を説明する。初期条件では、各コンデンサB1〜Bnの入力端子および出力端子の電位が共に0Vであり、各スイッチE1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hnはすべてオフしている。したがって、初期条件では、すべてのコンデンサB1〜Bn,C1〜Cnに蓄えられた電荷(電気量)Q1=0である。
【0025】
ここで、n個のコンパレータD1〜Dnのうちm個の出力がハイレベルになった場合、各スイッチE1〜Enのうちm個がオンして(n−m)個がオフし、各スイッチG1〜Gnのうち(n−m)個がオンしてm個がオフする。この各スイッチE1〜En,G1〜Gnのオンオフ動作に従って、すべてのコンデンサB1〜Bnに蓄えられる電荷Q2は次式(A1)で表される。
【0026】
Q2=m(VRT−VDA(+))c+(n−m)(VRB−VDA(+))c…(A1)
電荷保存則より、Q1=Q2である。したがって、差動正側出力電圧VDA(+)は次式(A2)で表される。
【0027】
VDA(+)=VRB+m(VRT−VRB)/n…(A2)
一方、n個のコンパレータD1〜Dnのうちm個の出力がハイレベルになった場合、各スイッチH1〜Hnのうちm個がオンして(n−m)個がオフし、各スイッチF1〜Fnのうち(n−m)個がオンしてm個がオフする。この各スイッチH1〜Hn,F1〜Fnのオンオフ動作に従って、すべてのコンデンサC1〜Cnに蓄えられる電荷Q3は次式(A3)で表される。
【0028】
Q3=(n−m)(VRT−VDA(−))c+m(VRB−VDA(−))c…(A3)
電荷保存則より、Q1=Q3である。したがって、差動負側出力電圧VDA(−)は次式(A4)で表される。
【0029】
VDA(−)=VRT−m(VRT−VRB)/n…(A4)
したがって、上式(A2),(A4)より、差分電圧ΔVDAは式(A5)で表される。
【0030】
ΔVDA=VDA(+)−VDA(−)
=VRB−VRT+2m(VRT−VRB)/n…(A5)
図18は図16のアナログ−デジタル変換回路101における差分増幅器111の動作原理を示す回路図である。また、図19は図18の差分増幅器111の動作を説明するための図である。図18の差分増幅器111は完全差動方式の減算増幅回路である。この差分増幅器111の構成は、例えば特開平11−88173号公報に開示されている。
【0031】
図18の差分増幅器111において、演算増幅器100の反転入力端子はノードにNaに接続され、非反転入力端子はノードNbに接続されている。また、演算増幅器100の反転出力端子は、ノードNO1に接続されるとともに、コンデンサ20aを介して反転入力端子に接続されている。非反転出力端子は、ノードNO2に接続されるとともに、コンデンサ20bを介して非反転入力端子に接続されている。
【0032】
ノードNaはスイッチSW11を介して接地され、ノードNbはスイッチSW12を介して接地されている。また、ノードNaは、コンデンサ30aを介してノードN11に接続され、かつコンデンサ40aを介してノードN12に接続されている。ノードNbは、コンデンサ30bを介してノードN21に接続され、かつコンデンサ40bを介してノードN22に接続されている。ノードNO1,NO2間には、スイッチSW13が接続されている。このスイッチSW13は、スイッチSW11,SW12と同じタイミングで作動する。
【0033】
この差分増幅器111には、アナログ入力信号Vinまたは前段の回路103〜105の差分増幅器111の出力が差分電圧ΔVi として与えられる。ΔVi =Vi (+)−Vi (−)である。また、この差分増幅器111には、同じ段のD/Aコンバータ110のD/A変換結果が差分電圧ΔVDAとして与えられる。ΔVDA=VDA(+)−VDA(−)である。
【0034】
ノードN11にはVi (+)からVA1に変化する電圧が入力され、ノードN12にはVA2からVDA(+)に変化する電圧が入力され、ノードN21にはVi (−)からVA1に変化する電圧が入力され、ノードN22にはVA2からVDA(−)に変化する電圧が入力される。
【0035】
次に、図19を参照しながら図18の差分増幅器111の動作を説明する。こでは、コンデンサ20a,20bの容量値をそれぞれCとし、コンデンサ30a,30b,40a,40bの容量値をそれぞれKCとする。Kは定数である。また、接地電位をVG とする。
【0036】
まず、スイッチSW11,SW12をオンにする。このとき、スイッチSW13もオンにする。そして、ノードN11に電圧Vi (+)を入力し、ノードN12に設定電圧VA2を入力し、ノードN21に電圧Vi (−)を入力し、ノードN22に設定電圧VA2を入力する。それにより、ノードNO1,NO2は接地電位VG となる。
【0037】
次に、スイッチSW11,SW12をオフにする。このとき、スイッチSW13もオフにする。そして、ノードN11に設定電圧VA1を入力し、ノードN12に電圧VDA(+)を入力し、ノードN21に設定電圧VA1を入力し、ノードN22に電圧VDA(−)を入力する。それにより、ノードNO1,NO2の電圧はそれぞれVO (+),VO (−)となる。
【0038】
電荷保存則によりノードNO1,NO2の電圧VO (+),VO (−)を求めると次式のようになる。
【0039】
VO (+)=VG +{V1 (+)−VDA(+)}K+(VA1−VA2)K
VO (−)=VG +{V1 (−)−VDA(−)}K+(VA1−VA2)K
したがって、差分電圧ΔVO は次式のようになる。
【0040】
ΔVO =VO (+)−VO (−)
={Vi (+)−Vi (−)}K−{VDA(+)−VDA(−)}K
=(ΔVi −ΔVDA)K
このように、図18の差分増幅器111においては、前段から与えられる差分電圧ΔVi と同じ段のD/Aコンバータ110から与えられる差分電圧ΔVDAとの減算および増幅が行われる。
【0041】
この場合、設定電圧VA1,VA2は任意に設定することができる。したがって、設定電圧VA1として前段のサンプルホールド回路102の出力または差分増幅器111の出力のイコライズ(等電位化)時の電圧を用いることができる。また、設定電圧VA2として外部電圧を用いることができる。
【0042】
このように、アナログ入力信号である電圧Vi (+),Vi (−)をノードN11,N21にスイッチを介することなく入力することができるので、雑音が低減されるとともに、低電圧動作が可能となる。したがって、アナログ−デジタル変換回路101の低電圧化および高精度化を図ることができる。
【0043】
図20は図16のアナログ−デジタル変換回路101に図18の差分増幅器111を用いた場合のD/Aコンバータ110および差分増幅器111の具体的な構成を示す回路図である。このD/Aコンバータ110および差分増幅器111の構成は、例えば特開平11−88173号公報に開示されている。
【0044】
図20において、D/Aコンバータ110のノードN30は、スイッチS1〜Snを介してそれぞれコンデンサB1〜Bnの入力端子に接続されている。また、このノードN30は、スイッチT1〜Tnを介してそれぞれコンデンサC1〜Cnの入力端子に接続されている。ノードN30には設定電圧VA2が入力され、ノードN31には高電位側基準電圧VRTが入力され、ノードN32には低電位側基準電圧VRBが入力される。コンデンサB1〜Bnの出力端子は差分増幅器111のノードNaに接続され、コンデンサC1〜Cnの出力端子は差分増幅器111のノードNbに接続されている。
【0045】
差分増幅器111のノードNaはコンデンサ30aを介してノードN11に接続され、ノードNbはコンデンサ30bを介してノードN21に接続されている。ノードN11には電圧Vi (+)が入力され、ノードN21には電圧Vi (−)が入力される。
【0046】
コンデンサ20a,20bの容量値はそれぞれCであり、コンデンサ30a,30bの容量値はKCである。また、コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの容量値はそれぞれKC/nである。Kは定数である。
【0047】
次に、図20のD/Aコンバータ110および差分増幅器111の動作を説明する。
【0048】
まず、スイッチSW11,SW12をオンにする。このとき、スイッチSW13もオンにする。そして、スイッチS1〜Sn,T1〜Tnをオンにする。それにより、コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの入力端子に設定電圧VA2が入力される。また、ノードN11に電圧Vi (+)が入力され、ノードN21に電圧Vi (−)が入力される。それにより、ノードNO1,NO2は接地電位となる。
【0049】
次に、スイッチSW11,SW12をオフにする。このとき、スイッチSW13もオフにする。そして、スイッチS1〜Sn,T1〜Tnをオフにする。各スイッチE1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hnが、それぞれ図16の各コンパレータD1〜Dnの出力レベルに従ってオンまたはオフし、コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの入力端子にそれぞれ電圧が印加される。
【0050】
このとき、ノードN11,N21に入力される電圧Vi (+),Vi (−)は、図19に示すように、共に等しい電圧VA1にイコライズされている。これにより、ノードNO1,NO2間の差分電圧ΔVO は、図19を用いて説明したように、次式のようになる。
【0051】
ΔVO =VO (+)−VO (−)=(ΔVi −ΔVDA)K
このように、ノードN11,N21に入力する設定電圧VA1として前段の差分増幅器111の出力を用いることができるので、ノードN11にスイッチを用いることなく電圧Vi (+)および設定電圧VA1を入力することができ、かつノードN21にスイッチを用いることなく電圧Vi (−)および設定電圧VA1を入力することができる。
【0052】
また、ノードN30に入力する設定電圧VA2として任意の電圧を用いることができる。例えば、設定電圧VA2として高電位側基準電圧VRTまたは低電位側基準電圧VRBを用いることもできる。
【0053】
また、これらの設定電圧VA1,VA2を電源電圧または接地電圧の付近に設定できる。これにより、CMOSスイッチを使用しても低電圧動作が可能になる。
【0054】
これらの結果、スイッチ雑音が低減されるとともに、低電圧動作が可能な高精度なアナログ−デジタル変換回路が実現される。
【0055】
近年、電子機器の高速化に伴ってアナログ−デジタル変換回路にも変換速度のさらなる高速化が要求されている。そこで、特開平11−88172号公報に変換速度がさらに高速化されたアナログ−デジタル変換回路が提案されている。
【0056】
図21は特開平11−88172号公報に開示された従来のアナログ−デジタル変換回路を示すブロック図である。図21のアナログ−デジタル変換回路102は、10ビット4段パイプライン構成を有する。
【0057】
図21において、アナログ−デジタル変換回路102は、サンプルホールド回路2、1段目の回路3、2段目の回路4、3段目の回路5、4段目の回路6、複数のラッチ回路7および出力回路8から構成されている。
【0058】
1段目(初段)〜3段目の回路3〜5は、サブA/Dコンバータ9、D/Aコンバータ10、演算増幅回路11、減算回路12および演算増幅回路13を備える。減算回路12および演算増幅回路13が差分増幅器14を構成する。各段の回路3〜5内の演算増幅回路11,13の利得は2である。4段目(最終段)の回路6はサブA/Dコンバータ9のみを備える。
【0059】
このように、図21のアナログ−デジタル変換回路102においては、各段の回路3〜5内に2段の演算増幅回路11,13が設けられているので、各演算増幅回路11,13のループ定数を低減することができ、かつ各演算増幅回路11,13の負荷容量が低減される。その結果、各演算増幅回路11,13の性能を向上させることなく、変換速度を高速化することが可能となる。
【0060】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図21のアナログ−デジタル変換回路102においては、アナログ入力信号が各段の回路3〜5の演算増幅回路11により利得2で増幅される。そのため、サブA/Dコンバータ9の入力電圧レンジおよびD/Aコンバータ10の出力電圧レンジが同一に設定されていると、演算増幅回路11から差分増幅器14の一方の入力端子に与えられる出力電圧の範囲とD/Aコンバータ10から差分増幅器14の他方の入力端子に与えられるの出力電圧の範囲とが異なる。この場合、演算増幅回路11の出力電圧の範囲とD/Aコンバータ10の出力電圧の範囲とを一致させるように何らかの方法で補正する必要がある。それにより、アナログ−デジタル変換回路102の各段の回路3〜5の構成が複雑となるとともに回路規模が大きくなる。
【0061】
本発明の目的は、回路構成の複雑化および回路規模の増大を伴うことなく高い変換精度を保ちつつ変換速度が高速化されたアナログ−デジタル変換回路を提供することである。
【0062】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
(1)第1の発明
第1の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、複数段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、複数段の回路に共通の高電位側基準電圧および共通の低電位側基準電圧が与えられ、最終段の回路を除く各段の回路は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器と、演算増幅回路から出力されるアナログ信号とデジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号との差分を増幅する差分増幅器と、抵抗回路とを備え、アナログ−デジタル変換器は、第1の電圧範囲を有する第1の基準電圧に基づいて動作し、デジタル−アナログ変換器は、第2の電圧範囲を有する第2の基準電圧に基づいて動作し、抵抗回路は、高電位側基準電圧を受ける第1のノードと低電位側基準電圧を受ける第2のノードとの間に直列に接続された複数の抵抗を含み、第1の基準電圧は、複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、第2の基準電圧は、複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、演算増幅回路の出力電圧範囲とデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲とが等しくなるように第1の電圧範囲および第2の電圧範囲がそれぞれ独立に設定され、デジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲とアナログ−デジタル変換回路の入力電圧範囲との比が演算増幅回路の利得に等しいものである。
【0063】
本発明に係るアナログ−デジタル変換回路においては、複数段の回路に共通の高電位側基準電圧および共通の低電位側基準電圧が与えられる。アナログ−デジタル変換器が第1の電圧範囲を有する第1の基準電圧に基づいて動作し、デジタル−アナログ変換器が第2の電圧範囲を有する第2の基準電圧に基づいて動作する。抵抗回路は、高電位側基準電圧を受ける第1のノードと低電位側基準電圧を受ける第2のノードとの間に直列に接続された複数の抵抗を含み、第1の基準電圧は、複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、第2の基準電圧は、複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られる。この場合、第1の電圧範囲および第2の電圧範囲をそれぞれ独立に設定し、デジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲とアナログ−デジタル変換回路の入力電圧範囲との比を演算増幅回路の利得に等しくすることにより、演算増幅回路が1よりも大きい利得を有する場合でも、演算増幅回路の出力電圧範囲とデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲とを等しくすることができる。そのため、差分増幅器が等しい電圧範囲のアナログ信号の差分を増幅することができる。それにより、各段の回路の設計の自由度が大きくなる。したがって、消費電力および回路の占有面積を考慮し、各段の回路の構成要素であるアナログ−デジタル変換器、デジタル−アナログ変換器、演算増幅回路および差分増幅器をそれぞれ適切な電圧範囲で設計することが可能となる。
【0064】
また、最終段を除く各段の回路が演算増幅回路および差分増幅器を含むので、演算増幅回路および差分増幅器のループ定数を低減することができ、かつ演算増幅回路および差分増幅器の負荷容量が低減する。それにより、各演算増幅回路および差分増幅器の限界動作周波数が高くなる。したがって、各演算増幅回路および差分増幅器そのものの性能を向上させることなく、高い変換精度を保ちつつ、変換動作を高速化することが可能となる。
【0065】
これらの結果、回路構成の複雑化および回路規模の増大を伴うことなく高い変換精度を保ちつつ変換動作が高速化されたアナログ−デジタル変換回路が実現される。
【0066】
(2)第2の発明
第2の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第1の発明に係るアナログ−デジタル変換回路の構成において、少なくとも1段の回路において、第2の電圧範囲と第1の電圧範囲との比が演算増幅回路の利得に等しいものである。
【0067】
この場合、第2の電圧範囲と第1の電圧範囲との比を演算増幅回路の利得に等しくすることにより、演算増幅回路の出力電圧範囲とデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲とが等しくなる。
【0069】
(3)第3の発明
第3の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第1または第2の発明に係るアナログ−デジタル変換回路の構成において、最終段の回路を除く各段の回路において、第2の基準電圧は、第2のノードと複数の抵抗の他の1つの接続点とから得られるものである。
【0070】
(4)第4の発明
第4の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、複数段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、最終段の回路を除く各段の回路は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器と、演算増幅回路から出力されるアナログ信号とデジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号との差分を増幅する差分増幅器とを備え、最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、デジタル−アナログ変換器は、デジタル信号に応じたアナログ信号の電圧を発生するための複数の容量がアレイ状に接続された容量アレイを有し、差分増幅器は、入力容量、帰還容量、演算増幅器およびスイッチ回路を有し、演算増幅器は、容量アレイが接続される一方の入力端子を有しかつ他方の入力端子および出力端子を有し、帰還容量は、演算増幅器の一方の入力端子と出力端子との間に接続され、入力容量は、演算増幅器の一方の入力端子に容量アレイと並列に接続され、スイッチ回路は、演算増幅器の一方の入力端子と他方の入力端子との間を短絡状態にするとともに、入力容量の入力端に演算増幅回路から出力されるアナログ信号を与え、かつ容量アレイの入力端に任意の第1の設定電圧を与えた後、演算増幅器の一方の入力端子と他方の入力端子との間を開放状態にするとともに、入力容量の入力端に任意の第2の設定電圧を与え、かつ容量アレイの入力端にデジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号を与え、差分増幅器は、演算増幅回路から出力されたアナログ信号を入力容量の値および帰還容量の値により定まる第1の利得で増幅するとともに、デジタル−アナログ変換器により容量アレイに発生されるアナログ信号を容量アレイの値および帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、第1の利得で増幅されたアナログ信号と第2の利得で増幅されたアナログ信号との差分を出力し、演算増幅回路の出力電圧範囲の第1の利得倍とデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の第2の利得倍とが等しくなるように容量アレイの値と入力容量の値との比が演算増幅回路の利得に等しく設定されたものである。
【0071】
この場合、演算増幅回路から出力されるアナログ信号が第1の利得で増幅されるとともに、デジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号が第2の利得で増幅され、増幅されたアナログ信号の差分が出力される。容量アレイの値と入力容量の値との比を演算増幅回路の利得に等しくすることにより、演算増幅回路の出力電圧範囲の第1の利得倍とデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の第2の利得倍とを等しくすることができる。
【0072】
また、演算増幅回路から出力されるアナログ信号およびデジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号をスイッチを用いて切り替えることなく、増幅されたアナログ信号が設定電圧を媒介として減算され、減算値が出力される。それにより、雑音が低減されるとともに、低電圧動作が可能となる。
【0073】
(5)第5の発明
第5の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第4の発明に係るアナログ−デジタル変換回路の構成において、少なくとも1段の回路において、差分増幅器の設定電圧が演算増幅回路から出力されるアナログ信号の所定の電圧であるものである。
【0074】
この場合、設定電圧を与えるためのスイッチまたは回路が不要となるので、雑音がさらに低減されるとともに回路構成が簡単になる。
【0075】
(6)第6の発明
第6の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、複数段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、最終段の回路を除く各段の回路は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器と、演算増幅回路から出力されるアナログ信号とデジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号との差分を増幅する差分増幅器とを備え、最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、差動の第1および第2のアナログ信号を出力し、デジタル−アナログ変換器は、デジタル信号に応じた差動の第3および第4のアナログ信号の電圧をそれぞれ発生するための複数の容量がアレイ状に接続された第1および第2の容量アレイを有し、差分増幅器は、第1および第2の入力容量、第1および第2の帰還容量、演算増幅器およびスイッチ回路を有し、演算増幅器は、第1の容量アレイが接続される一方の入力端子、第2の容量アレイが接続される他方の入力端子、一方の出力端子および他方の出力端子を有し、第1の帰還容量は、演算増幅器の一方の入力端子と一方の出力端子との間に接続され、第2の帰還容量は、演算増幅器の他方の入力端子と他方の出力端子との間に接続され、第1の入力容量は、演算増幅器の一方の入力端子に第1の容量アレイと並列に接続され、第2の入力容量は、演算増幅器の他方の入力端子に第2の容量アレイと並列に接続され、スイッチ回路は、演算増幅器の一方および他方の入力端子を所定の基準電位に接続するとともに、第1および第2の入力容量の入力端に演算増幅回路から出力される差動の第1および第2のアナログ信号をそれぞれ与え、かつ第1および第2の容量アレイの入力端に任意の第1の設定電圧をそれぞれ与えた後、演算増幅器の一方および他方の入力端子を基準電位から遮断するとともに、第1および第2の入力容量の入力端に任意の第2の設定電圧をそれぞれ与え、かつ第1および第2の容量アレイの入力端にデジタル−アナログ変換器から出力される差動の第3および第4のアナログ信号をそれぞれ与え、差分増幅器は、演算増幅回路から出力された第1のアナログ信号を第1の入力容量の値および第1の帰還容量の値により定まる第1の利得で増幅し、演算増幅回路から出力された第2のアナログ信号を第2の入力容量の値および第2の帰還容量の値により定まる第1の利得で増幅するとともに、デジタル−アナログ変換器により第1の容量アレイに発生される第3のアナログ信号を第1の容量アレイの値および第1の帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、デジタル−アナログ変換器により第2の容量アレイに発生される第4のアナログ信号を第2の容量アレイの値および第2の帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、第1の利得で増幅された差動の第1および第2のアナログ信号と第2の利得で増幅された差動の第3および第4のアナログ信号との差分を出力し、演算増幅回路の出力電圧範囲の第1の利得倍とデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の第2の利得倍とが等しくなるように第1の容量アレイの値と第1の入力容量の値との比が演算増幅回路の利得に等しく設定され、第2の容量アレイの値と第2の入力容量の値との比が演算増幅回路の利得に等しく設定されたものである。
【0076】
この場合、演算増幅回路から出力される差動の第1および第2のアナログ信号が第1の利得で増幅されるとともに、デジタル−アナログ変換器から出力される差動の第1および第2のアナログ信号が第2の利得で増幅され、増幅された差動のアナログ信号の差分が出力される。第1の容量アレイの値と第1の入力容量の値との比および第2の容量アレイの値と第2の入力容量の値との比を演算増幅回路の利得に等しくすることにより、差動のアナログ信号を出力する演算増幅回路の出力電圧範囲の第1の利得倍と差動のアナログ信号を出力するデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の第2の利得倍とを等しくすることができる。
【0077】
また、演算増幅回路から出力される差動のアナログ信号およびデジタル−アナログ変換器から出力される差動のアナログ信号をスイッチを用いて切り替えることなく、増幅された差動のアナログ信号が設定電圧を媒介として減算され、減算値が出力される。それにより、雑音が低減されるとともに、低電圧動作が可能となる。
【0078】
(7)第7の発明
第7の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第6の発明に係るアナログ−デジタル変換回路の構成において、少なくとも1段の回路において、差分増幅器の設定電圧が演算増幅回路から出力されるアナログ信号の所定の電圧であるものである。
【0079】
この場合、設定電圧を与えるためのスイッチまたは回路が不要となるので、雑音がさらに低減されるとともに回路構成が簡単になる。
【0080】
(8)第8の発明
第8の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、複数段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、複数段の回路に共通の高電位側基準電圧および共通の低電位側基準電圧が与えられ、最終段の回路を除く各段の回路は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器と、演算増幅回路から出力されるアナログ信号とデジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号との差分を増幅する差分増幅器と、抵抗回路とを備え、アナログ−デジタル変換器は、第1の電圧範囲を有する第1の基準電圧に基づいて動作し、デジタル−アナログ変換器は、第2の電圧範囲を有する第2の基準電圧に基づいて動作し、抵抗回路は、高電位側基準電圧を受ける第1のノードと低電位側基準電圧を受ける第2のノードとの間に直列に接続された複数の抵抗を含み、第1の基準電圧は、複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、第2の基準電圧は、複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、デジタル−アナログ変換器は、デジタル信号に応じたアナログ信号の電圧を発生するための複数の容量がアレイ状に接続された容量アレイを有し、差分増幅器は、入力容量、帰還容量および演算増幅器を有し、演算増幅器は、容量アレイが接続される一方の入力端子を有しかつ他方の入力端子および出力端子を有し、帰還容量は、演算増幅器の一方の入力端子と出力端子との間に接続され、入力容量は、演算増幅器の一方の入力端子に容量アレイと並列に接続され、スイッチ回路は、演算増幅器の一方の入力端子と他方の入力端子との間を短絡状態にするとともに、入力容量の入力端に演算増幅回路から出力されるアナログ信号を与え、かつ容量アレイの入力端に任意の第1の設定電圧を与えた後、演算増幅器の一方の入力端子と他方の入力端子との間を開放状態にするとともに、入力容量の入力端に任意の第2の設定電圧を与え、かつ容量アレイの入力端にデジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号を与え、差分増幅器は、演算増幅回路から出力されたアナログ信号を入力容量の値および帰還容量の値により定まる第1の利得で増幅するとともに、デジタル−アナログ変換器により容量アレイに発生されるアナログ信号を容量アレイの値および帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、第1の利得で増幅されたアナログ信号と第2の利得で増幅されたアナログ信号との差分を出力し、演算増幅回路の出力電圧範囲の第1の利得倍とデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の第2の利得倍とが等しくなるように第1の電圧範囲および第2の電圧範囲がそれぞれ独立に設定されるとともに容量アレイの値および入力容量の値がそれぞれ独立に設定されたものである。
【0081】
この場合、複数段の回路に共通の高電位側基準電圧および共通の低電位側基準電圧が与えられる。アナログ−デジタル変換器が第1の電圧範囲を有する第1の基準電圧に基づいて動作し、デジタル−アナログ変換器が第2の電圧範囲を有する第2の基準電圧に基づいて動作する。抵抗回路は、高電位側基準電圧を受ける第1のノードと低電位側基準電圧を受ける第2のノードとの間に直列に接続された複数の抵抗を含み、第1の基準電圧は、複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、第2の基準電圧は、複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、演算増幅回路が1よりも大きい利得を有する。第1の電圧範囲および第2の電圧範囲をそれぞれ独立に設定するとともに、容量アレイの値および入力容量の値をそれぞれ独立に設定することにより、演算増幅回路の出力電圧範囲の第1の利得倍とデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の第2の利得倍とを等しくすることができる。
【0082】
また、演算増幅回路から出力されるアナログ信号およびデジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号をスイッチを用いて切り替えることなく、増幅されたアナログ信号が設定電圧を媒介として減算され、減算値が出力される。それにより、雑音が低減されるとともに、低電圧動作が可能となる。
【0083】
(9)第9の発明
第9の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、複数段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、複数段の回路に共通の高電位側基準電圧および共通の低電位側基準電圧が与えられ、最終段の回路を除く各段の回路は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器と、演算増幅回路から出力されるアナログ信号とデジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号との差分を増幅する差分増幅器と、抵抗回路とを備え、差動の第1および第2のアナログ信号を出力し、アナログ−デジタル変換器は、第1の電圧範囲を有する第1の基準電圧に基づいて動作し、デジタル−アナログ変換器は、第2の電圧範囲を有する第2の基準電圧に基づいて動作し、抵抗回路は、高電位側基準電圧を受ける第1のノードと低電位側基準電圧を受ける第2のノードとの間に直列に接続された複数の抵抗を含み、第1の基準電圧は、複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、第2の基準電圧は、複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、デジタル−アナログ変換器は、デジタル信号に応じた差動の第3および第4のアナログ信号の電圧をそれぞれ発生するための複数の容量がアレイ状に接続された第1および第2の容量アレイを有し、差分増幅器は、第1および第2の入力容量、第1および第2の帰還容量、演算増幅器およびスイッチ回路を有し、演算増幅器は、第1の容量アレイが接続される一方の入力端子、第2の容量アレイが接続される他方の入力端子、一方の出力端子および他方の出力端子を有し、第1の帰還容量は、演算増幅器の一方の入力端子と一方の出力端子との間に接続され、第2の帰還容量は、演算増幅器の他方の入力端子と他方の出力端子との間に接続され、第1の入力容量は、演算増幅器の一方の入力端子に第1の容量アレイと並列に接続され、第2の入力容量は、演算増幅器の他方の入力端子に第2の容量アレイと並列に接続され、スイッチ回路は、演算増幅器の一方および他方の入力端子を所定の基準電位に接続するとともに、第1および第2の入力容量の入力端に演算増幅回路から出力される差動の第1および第2のアナログ信号をそれぞれ与え、かつ第1および第2の容量アレイの入力端に任意の第1の設定電圧をそれぞれ与えた後、演算増幅器の一方および他方の入力端子を基準電位から遮断するとともに、第1および第2の入力容量の入力端に任意の第2の設定電圧をそれぞれ与え、かつ第1および第2の容量アレイの入力端にデジタル−アナログ変換器から出力される差動の第3および第4のアナログ信号をそれぞれ与え、差分増幅器は、演算増幅回路から出力された第1のアナログ信号を第1の入力容量の値および第1の帰還容量の値により定まる第1の利得で増幅し、演算増幅回路から出力された第2のアナログ信号を第2の入力容量の値および第2の帰還容量の値により定まる第1の利得で増幅するとともに、デジタル−アナログ変換器により第1の容量アレイに発生される第3のアナログ信号を第1の容量アレイの値および第1の帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、デジタル−アナログ変換器により第2の容量アレイに発生される第4のアナログ信号を第2の容量アレイの値および第2の帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、第1の利得で増幅された差動の第1および第2のアナログ信号と第2の利得で増幅された差動の第3および第4のアナログ信号との差分を出力し、演算増幅回路の出力電圧範囲の第1の利得倍とデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の第2の利得倍とが等しくなるように第1の電圧範囲および第2の電圧範囲がそれぞれ独立に設定されるとともに第1および第2の容量アレイの値および第1および第2の入力容量の値がそれぞれ独立に設定されたものである。
【0084】
この場合、複数段の回路に共通の高電位側基準電圧および共通の低電位側基準電圧が与えられる。アナログ−デジタル変換器が第1の電圧範囲を有する第1の基準電圧に基づいて動作し、デジタル−アナログ変換器が第2の電圧範囲を有する第2の基準電圧に基づいて動作する。抵抗回路は、高電位側基準電圧を受ける第1のノードと低電位側基準電圧を受ける第2のノードとの間に直列に接続された複数の抵抗を含み、第1の基準電圧は、複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、第2の基準電圧は、複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、演算増幅回路が1よりも大きい利得を有する。第1の電圧範囲および第2の電圧範囲をそれぞれ独立に設定するとともに、第1の容量アレイの値および第1の入力容量の値をそれぞれ独立に設定しかつ第2の容量アレイの値および第2の入力容量の値をそれぞれ独立に設定することにより、差動のアナログ信号を出力する演算増幅回路の出力電圧範囲の第1の利得倍と差動のアナログ信号を出力するデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の第2の利得倍とを等しくすることができる。
【0085】
また、演算増幅回路から出力される差動のアナログ信号およびデジタル−アナログ変換器から出力される差動のアナログ信号をスイッチを用いて切り替えることなく、増幅された差動のアナログ信号が設定電圧を媒介として減算され、減算値が出力される。それにより、雑音が低減されるとともに、低電圧動作が可能となる。
【0088】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるアナログ−デジタル変換回路の構成を示すブロック図である。図1のアナログ−デジタル変換回路1は、10ビット4段パイプライン構成を有する。
【0089】
図1において、アナログ−デジタル変換回路1は、サンプルホールド回路2、1段目〜4段目の回路3〜6、複数のラッチ回路7および出力回路8から構成されている。
【0090】
1段目(初段)〜3段目の回路3,4,5は、サブA/Dコンバータ9、D/Aコンバータ10、演算増幅回路11、減算回路12および演算増幅回路13を備える。減算回路12および演算増幅回路13が差分増幅器14を構成する。1段目〜3段目の回路3〜5内の演算増幅回路11,13の利得は2である。4段目(最終段)の回路6は、サブA/Dコンバータ9のみを備える。差分増幅器14は、例えば特開平11−88173号公報に開示された公知の回路構成を有する。
【0091】
1段目の回路3は4ビット構成、2〜4段目の回路4〜6はそれぞれ2ビット構成である。1〜3段目の回路3〜5において、サブA/Dコンバータ9およびD/Aコンバータ10のビット数(ビット構成)は同じに設定されている。
【0092】
1段目の回路3内のサブA/Dコンバータ9には第1の中間基準電圧VRT1および低電位側基準電圧VRBが与えられる。1段目の回路3内のD/Aコンバータ10には高電位側基準電圧VRTおよび低電位側基準電圧VRBが与えられる。2段目〜4段目の回路3〜5内のサブA/Dコンバータ9には第2の中間基準電圧VRT2および第3の中間基準電圧VRT3が与えられる。2段目および3段目の回路4,5内のD/Aコンバータ10には、第1の中間基準電圧VRT1および低電位基準電圧VRBが与えられる。
【0093】
後述するように、第1の中間基準電圧VRT1は高電位側基準電圧VRTと低電位側基準電圧VRBとの中間の値に設定されている。それにより、1段目の回路3内のサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジ(基準電圧のフルスケールレンジ)はD/Aコンバータ10の基準電圧レンジの1/2に設定されている。
【0094】
また、第2の中間基準電圧VRT2と第3の中間基準電圧VRT3との差は第1の中間基準電圧VRT1と低電位側基準電圧VRBとの差の1/2に設定されている。それにより、2段目および3段目の回路4,5内のサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジはD/Aコンバータ10の基準電圧レンジの1/2に設定されている。
【0095】
次に、図1のアナログ−デジタル変換回路1の動作を説明する。サンプルホールド回路2は、アナログ入力信号Vinをサンプリングして一定時間保持する。サンプルホールド回路2から出力されたアナログ入力信号Vinは、1段目の回路3へ転送される。
【0096】
1段目の回路3において、サブA/Dコンバータ9は、アナログ入力信号Vinに対してA/D変換を行う。サブA/Dコンバータ9のA/D変換結果である上位4ビットのデジタル出力(29 ,28 ,27 ,26 )は、D/Aコンバータ10へ転送されるとともに、4つのラッチ回路7を介して出力回路8へ転送される。D/Aコンバータ10は、サブA/Dコンバータ9のA/D変換結果である上位4ビットのデジタル出力をアナログ信号に変換する。
【0097】
一方、演算増幅回路11は、アナログ入力信号Vinを増幅する。減算回路12は、演算増幅回路11から出力されたアナログ入力信号VinとD/Aコンバータ10のD/A変換結果とを減算する。演算増幅回路13は、減算回路12の出力を増幅する。演算増幅回路13の出力は、2段目の回路4へ転送される。
【0098】
2段目の回路4においては、サブADコンバータ9が、1段目の回路3の演算増幅回路13の出力に対してA/D変換を行う。サブA/Dコンバータ9のA/D変換結果は、D/Aコンバータ10へ転送されるとともに、3つのラッチ回路7を介して出力回路8へ転送される。これにより、2段目の回路4から中上位2ビットのデジタル出力(25 ,24 )が得られる。
【0099】
一方、演算増幅回路11は、1段目の回路3の演算増幅回路13の出力を増幅する。減算回路12は、演算増幅回路11の出力とD/Aコンバータ10のD/A変換結果とを減算する。演算増幅回路13は、減算回路12の出力を増幅する。演算増幅回路13の出力は、3段目の回路5へ転送される。
【0100】
3段目の回路5においては、2段目の回路3の演算増幅回路13の出力に対して2段目の回路4と同様の動作が行われる。それにより、3段目の回路5から中下位2ビットのデジタル出力(23 ,22 )が得られる。
【0101】
4段目の回路6においては、3段目の回路5の演算増幅回路13の出力に対してサブA/Dコンバータ9がA/D変換を行い、下位2ビットのデジタル出力(21 ,20 )が得られる。
【0102】
1段目〜4段目の回路3〜6のデジタル出力は、各ラッチ回路7を経て同時に出力回路8に到達する。すなわち、各ラッチ回路7は各回路3〜6のデジタル出力の同期をとるために設けられている。
【0103】
出力回路8は、アナログ入力信号Vinの10ビットのデジタル出力Dout を必要な場合はデジタル補正処理後パラレル出力する。
【0104】
上記のように、本実施の形態のアナログ−デジタル変換回路1においては、各段の回路3〜5内のD/Aコンバータ10の基準電圧レンジがサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジの2倍に設定されているので、各段の回路3〜5内のD/Aコンバータ10の出力電圧レンジ(出力電圧のフルスケールレンジ)がサブA/Dコンバータ9の入力電圧レンジ(入力電圧のフルスケールレンジ)の2倍になる。それにより、利得2の演算増幅回路11の出力電圧レンジとD/Aコンバータ10の出力電圧レンジとが一致する。したがって、各段の回路3〜5の回路構成を複雑化せず、かつ回路規模を増大させることなく、差分増幅器14が同じ出力電圧レンジのアナログ信号の差分を増幅することが可能となる。
【0105】
また、各段の回路3〜5内に2段の演算増幅回路11,13が設けられているので、各演算増幅回路11,13のループ定数を低減することができ、かつ各演算増幅回路11,13の負荷容量が低減される。その結果、各演算増幅回路11,13の性能を向上させることなく、変換速度を高速化することが可能となる。
【0106】
また、初段の回路3におけるビット構成が4ビットに構成され、2段から最終段の回路4〜6のビット構成が2ビットずつに均等分割され、4−2−2−2構成が採用されているので、高い変換精度が得られる(例えば特開平9−69776号公報参照)。
【0107】
なお、本実施の形態では、各段の回路3〜5の演算増幅回路11,13の利得が2となっているが、演算増幅回路11,13の利得をそれぞれ他の値に設定してもよい。
【0108】
また、上記実施の形態では、各段の回路3〜5において、2段の演算増幅回路11,13が設けられているが、各段の回路に3段以上の演算増幅回路を設けてもよい。
【0109】
図2は図1のアナログ−デジタル変換回路1における1段目の回路3内のサブA/Dコンバータ9およびD/Aコンバータ10の回路図である。図2のサブA/Dコンバータ9は全並列比較(フラッシュ)方式サブA/Dコンバータであり、D/Aコンバータ10は容量アレイ方式D/Aコンバータである。
【0110】
サブA/Dコンバータ9は、基準電圧を発生する抵抗回路90およびn個のコンパレータD1〜Dnから構成される。抵抗回路90は、抵抗nRおよびn個の抵抗Rからなる。抵抗nRは抵抗Rのn倍の抵抗値を有し、高電位側基準電圧VRTを受けるノードN31と中間ノードN35との間に接続されている。n個の抵抗Rは同じ抵抗値を有し、中間ノードN35と低電位側基準電圧VRBを受けるノードN32との間に直列に接続されている。中間ノードN35には、高電位側基準電圧VRTと低電位側基準電圧VRBとの間の中間の電圧である第1の中間基準電圧VRT1が得られる。ここで、ノードN32と中間ノードN35との間に接続されたn個の抵抗R間のノードN41〜N4nの電位をそれぞれVR(1)〜VR(n)とする。
【0111】
各コンパレータD1〜Dnの正入力端子には入力信号VI(アナログ入力信号Vin)が入力される。また、各コンパレータD1〜Dnの負入力端子には、それぞれノードN41〜N4nの電位VR(1)〜VR(n)が印加される。
【0112】
それにより、各コンパレータD1〜Dnの出力は、それぞれ入力信号VIが電位VR(1)〜VR(n)よりも高い場合には、ハイレベルとなり、それぞれ入力信号VIが電位VR(1)〜VR(n)よりも低い場合には、ローレベルとなる。
【0113】
D/Aコンバータ10は、アレイ状に接続されたそれぞれn個のスイッチE1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hn、n個の正側コンデンサB1〜Bn、およびn個の負側コンデンサC1〜Cnから構成される。
【0114】
コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnはすべて同じ容量値cを有する。コンデンサB1〜Bnの一方の端子(以下、出力端子と呼ぶ)からは差動正側出力電圧VDA(+)が生成され、コンデンサC1〜Cnの一方の端子(以下、出力端子という)からは差動負側出力電圧VDA(−)が生成される。なお、各コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの他方の端子を入力端子と呼ぶ。
【0115】
各スイッチE1〜Enの一方の端子はノードN31に接続され、他方の端子はコンデンサB1〜Bnの入力端子に接続されている。各スイッチF1〜Fnの一方の端子はノードN31に接続され、他方の端子はコンデンサC1〜Cnの入力端子に接続されている。各スイッチG1〜Gnの一方の端子はノードN32に接続され、他方の端子はコンデンサB1〜Bnの入力端子に接続されている。各スイッチH1〜Hnの一方の端子はノードN32に接続され、他方の端子はコンデンサC1〜Cnの入力端子に接続されている。
【0116】
各スイッチE1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hnはそれぞれ同一番号のスイッチで4連スイッチを構成する。例えば、スイッチE1,F1,G1,H1は1連であり、スイッチEn,Fn,Gn,Hnも1連である。そして、各スイッチE1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hnはそれぞれ各コンパレータD1〜Dnの出力レベルに従ってオンオフ動作する。例えば、コンパレータDnの出力がハイレベルの場合、スイッチEn,Hnがオンし、スイッチGn,Fnはオフする。逆に、コンパレータDnの出力がローレベルの場合、スイッチEn,Hnがオフし、スイッチGn,Fnがオンする。
【0117】
次に、D/Aコンバータ10の動作を説明する。初期条件では、各コンデンサB1〜Bnの入力端子および出力端子の電位が共に0Vであり、各スイッチE1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hnはすべてオフしている。したがって、初期条件では、すべてのコンデンサB1〜Bn,C1〜Cnに蓄えられた電荷(電気量)Q1=0である。
【0118】
ここで、n個のコンパレータD1〜Dnのうちm個の出力がハイレベルになった場合、各スイッチE1〜Enのうちm個がオンして(n−m)個がオフし、各スイッチG1〜Gnのうち(n−m)個がオンしてm個がオフする。この各スイッチE1〜En,G1〜Gnのオンオフ動作に従って、すべてのコンデンサB1〜Bnに蓄えられる電荷Q2は次式(A1)で表される。
【0119】
Q2=m(VRT−VDA(+))c+(n−m)(VRB−VDA(+))c…(A1)
電荷保存則より、Q1=Q2である。したがって、差動正側出力電圧VDA(+)は次式(A2)で表される。
【0120】
VDA(+)=VRB+m(VRT−VRB)/n…(A2)
一方、n個のコンパレータD1〜Dnのうちm個の出力がハイレベルになった場合、各スイッチH1〜Hnのうちm個がオンして(n−m)個がオフし、各スイッチF1〜Fnのうち(n−m)個がオンしてm個がオフする。この各スイッチH1〜Hn,F1〜Fnのオンオフ動作に従って、すべてのコンデンサC1〜Cnに蓄えられる電荷Q3は次式(A3)で表される。
【0121】
Q3=(n−m)(VRT−VDA(−))c+m(VRB−VDA(−))c…(A3)
電荷保存則より、Q1=Q3である。したがって、差動負側出力電圧VDA(−)は次式(A4)で表される。
【0122】
VDA(−)=VRT−m(VRT−VRB)/n…(A4)
したがって、上式(A2),(A4)より、差分電圧ΔVDAは式(A5)で表される。
【0123】
ΔVDA=VDA(+)−VDA(−)
=VRB−VRT+2m(VRT−VRB)/n…(A5)
上記の例では、サブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジRA1は、第1の中間基準電圧VRT1と低電位側基準電圧VRBとの間の範囲となり、D/Aコンバータ10の基準電圧レンジRD1は、高電位側基準電圧VRTと低電位側基準電圧VRBとの間の範囲となる。ここで、2RA1=RD1である。
【0124】
この場合、サブA/Dコンバータ9の入力電圧レンジは基準電圧レンジRA1に等しくなり、D/Aコンバータ10の出力電圧レンジは基準電圧レンジRD1に等しくなる。
【0125】
このように、サブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジRA1とD/Aコンバータ10の基準電圧レンジDA1との比を1:2にすることにより、D/Aコンバータ10の出力電圧レンジをサブA/Dコンバータ9の入力電圧レンジの2倍にすることができる。
【0126】
なお、図2においては、理解を容易にするために、単一入力用のサブA/Dコンバータ9の構成を示しているが、本実施の形態では、差動入力用のサブA/Dコンバータ9を用いる。
【0127】
図3は差動入力用のサブA/Dコンバータ9およびD/Aコンバータ10の構成を示す回路図である。
【0128】
図3のサブA/Dコンバータ9において、高電位側基準電圧VRTを受けるノードN31と中間ノードN35との間に抵抗nRが接続されている。中間ノードN35と低電位側基準電圧VRBを受けるノードN32との間にそれぞれn個の抵抗Rからなる2組の直列接続回路が並列に接続されている。中間ノードN35からは第1の中間基準電圧VRT1が得られる。
【0129】
ここで、中間ノードN35とノードN32との間の一方の直列接続回路において、n個の抵抗Rの間のノードの電位を順にVRn(+)〜VR1(+)とする。また、中間ノードN35とノードN32との間の他方の直列接続回路において、n個の抵抗Rの間のノードの電位を順にVR1(1)〜VRn(−)とする。
【0130】
コンパレータD1の正入力端子に接続されるコンデンサには、差動入力信号の一方の電圧Vi (+)がスイッチを介して与えられるとともに、基準電圧VR1(+)がスイッチを介して与えられる。また、コンパレータD1の負入力端子に接続されるコンデンサには、差動入力信号の一方の電圧Vi (−)がスイッチを介して与えられるとともに、基準電圧VR1(−)がスイッチを介して与えられる。
【0131】
同様にして、コンパレータDnの正入力端子に接続されるコンデンサには、差動入力信号の一方の電圧Vi (+)がスイッチを介して与えられるとともに、基準電圧VRn(+)がスイッチを介して与えられる。また、コンパレータDnの負入力端子に接続されるコンデンサには、差動入力信号の他方の電圧Vi (−)がスイッチを介して与えられるとともに、基準電圧VRn(−)がスイッチを介して与えられる。
【0132】
図4は1段目〜4段目の基準電圧を発生するための抵抗回路を示す回路図である。本例では、n=16としている。
【0133】
図4に示すように、1段目の抵抗回路90においては、高電位側基準電圧VRTを受けるノードN31と低電位側基準電圧VRBを受けるノードN32との間に1番目の抵抗16Rおよび2番目〜5番目の抵抗4Rが直列に接続されている。抵抗16Rは、抵抗4Rの4倍の抵抗値を有する。1番目の抵抗16Rと2番目の抵抗4Rとの間の中間ノードN35から第1の中間基準電圧VRT1が得られる。1段目の回路3においては、中間ノードN35とノードN32との間の電圧範囲がサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジRA1となり、ノードN31とノードN32との間の電圧範囲がD/Aコンバータ10の基準電圧レンジRD1となる。
【0134】
2段目および3段目の抵抗回路91,92においては、1番目の抵抗16Rと2番目の抵抗4Rとの間のノードn21,n31から第1の中間基準電圧VRT1が得られ、2番目の抵抗4Rと3番目の抵抗4Rとの間のノードn22,n32から第2の中間基準電圧VRT2が得られ、4番目の抵抗4Rと5番目の抵抗4Rとの間のノードn23,n33から第3の中間基準電圧VRT3が得られる。
【0135】
2段目および3段目の回路4,5において、ノードn22,n32とノードn23,n33との間の電圧範囲がサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジRA2,RA3となり、ノードn21,n31とノードN32との間の電圧範囲がD/Aコンバータ10の基準電圧レンジRD2,RD3となる。
【0136】
4段目の抵抗回路93においては、2番目の抵抗4Rと3番目の抵抗4Rとの間のノードn42から第2の中間基準電圧VRT2が得られ、4番目の抵抗4Rと5番目の抵抗4Rとの間のノードn43から第3の中間基準電圧VRT3が得られる。4段目の回路6において、ノードn42とノードn43との間の電圧範囲がサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジRA4となる。
【0137】
例えば、1段目の抵抗回路90の抵抗値は400Ωであり、2段目〜4段目の抵抗回路91〜93の抵抗値は1200Ωである。
【0138】
図4の抵抗回路90〜92によれば、各段の回路3〜5において、D/Aコンバータ10の基準電圧レンジがサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジの2倍となる。
【0139】
ここで、例えば、高電位側基準電圧VRTと低電位側基準電圧VRBとの差が1Vであるとする。この場合、単一入力(シングルエンド入力)処理では、1段目のD/Aコンバータ10の基準電圧レンジRD1は1Vとなり、1段目のサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジRA1は0.5Vとなる。一方、差動入力(ダブルエンド入力)処理では、1段目のD/Aコンバータ10の基準電圧レンジRD1は1V×2=2Vとなり、1段目のサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジRA1は0.5V×2=1Vとなる。
【0140】
図5は差動入力用の基準電圧レンジを説明するための図である。図5において、VREF(+)およびVREF(−)は、サブA/Dコンバータ9に与えられる差動入力用の基準電圧を示す。
【0141】
基準電圧VREF(+)は0.25V〜0.75Vの範囲内で変化し、基準電圧VREF(−)は0.75V〜0.25Vの範囲内で変化する。したがって、基準電圧VREF(+)と基準電圧VREF(−)との差は−0.5V〜+0.5Vの範囲で変化し、基準電圧レンジのフルスケールは1Vとなる。
【0142】
次に示すように、本実施の形態のアナログ−デジタル変換回路1においては、各段の回路3〜5においてサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジとD/Aコンバータ10の基準電圧レンジとの比を任意に設定することにより、演算増幅回路11の利得および演算増幅回路13の利得を任意に設定することが可能となる。
【0143】
図6および図7はサブA/Dコンバータ9およびD/Aコンバータ10の基準電圧レンジ比と演算増幅回路11,13の利得との関係を示す図である。
【0144】
図6に示すように、演算増幅回路11の利得を1に設定し、演算増幅回路13の利得を4に設定する場合、サブA/Dコンバータ9およびD/Aコンバータ10の基準電圧レンジ比を1:1に設定する。これにより、演算増幅回路11の出力電圧レンジとD/Aコンバータ10の出力電圧レンジとを一致させることができる。
【0145】
また、図7に示すように、演算増幅回路11の利得を2に設定し、演算増幅回路13の利得を2に設定する場合、サブA/Dコンバータ9およびD/Aコンバータ10の基準電圧レンジ比を1:2に設定する。これにより、演算増幅回路11の出力電圧レンジとD/Aコンバータ10の出力電圧レンジとを一致させることができる。
【0146】
このように、本実施の形態のアナログ−デジタル変換回路1においては、サブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジとD/Aコンバータ10の基準電圧レンジとをそれぞれ独立に設定することにより、演算増幅回路11,13の利得を任意に設定することができる。それにより、各段の回路3〜5の設計の自由度が大きくなる。したがって、消費電力および回路の占有面積を考慮し、各段の回路3〜5の構成要素であるサブA/Dコンバータ9、D/Aコンバータ10、演算増幅回路11および差分増幅器14をそれぞれ適切な電圧レンジで設計することが可能となる。
【0147】
図8は本発明の第2の実施の形態におけるアナログ−デジタル変換回路の構成を示すブロック図である。図8のアナログ−デジタル変換回路1aも、10ビット4段パイプライン構成を有する。
【0148】
図8のアナログ−デジタル変換回路1aが図1のアナログ−デジタル変換回路1と異なるのは、1段目〜3段目の回路3〜5において差分増幅器14の代わりに差分増幅器14aが用いられる点である。差分増幅器14aは、減算回路12aおよび演算増幅回路13aにより構成される。
【0149】
また、1段目〜4段目の回路3〜6において、サブA/Dコンバータ9およびD/Aコンバータ10には、図16のアナログ−デジタル変換回路101と同様に、高電位側基準電圧VRTおよび低電位側基準電圧VRBが与えられる。すなわち、サブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジとD/Aコンバータ10の基準電圧レンジとは同一である。
【0150】
図8のアナログ−デジタル変換回路1aのその他の部分の構成および動作は図1のアナログ−デジタル変換回路1の構成および動作と同様である。
【0151】
図9は図8のアナログ−デジタル変換回路1aにおける差分増幅器14aの動作原理を説明するための回路図である。また、図10は図9の差分増幅器14aの動作を説明するための図である。図9の差分増幅器14aは完全差動方式の減算増幅回路である。
【0152】
図9の差分増幅器14aにおいて、演算増幅器100の反転入力端子はノードNaに接続され、非反転入力端子はノードNbに接続されている。また、演算増幅器100の反転出力端子は、ノードNO1に接続されるとともに、コンデンサ20aを介して反転入力端子に接続され、非反転出力端子は、ノードNO2に接続されるとともに、コンデンサ20bを介して非反転入力端子に接続されている。
【0153】
ノードNaはスイッチSW11を介して接地され、ノードNbはスイッチSW12を介して接地されている。また、ノードNaは、コンデンサ30aを介してノードN11に接続され、かつコンデンサ40aを介してノードN12に接続されている。ノードNbは、コンデンサ30bを介してノードN21に接続され、かつコンデンサ40bを介してノードN22に接続されている。ノードNO1はスイッチSW14を介して接地され、ノードNO2はスイッチSW15を介して接地されている。ノードNO1,NO2間には、スイッチSW13が接続されている。このスイッチSW13は、スイッチSW11,SW12,SW14,SW15と同じタイミングで作動する。
【0154】
コンデンサ20a,20bの容量値はそれぞれCであり、コンデンサ30a,30bの容量値はそれぞれ2Cであり、コンデンサ40a,40bの容量値はそれぞれ4Cである。
【0155】
この差分増幅器14aには、同じ段の演算増幅回路11により利得2で増幅された差分電圧2ΔViが与えられる。2ΔVi =2Vi (+)−2Vi (−)である。また、この差分増幅器14aには、同じ段のD/Aコンバータ10のD/A変換結果が差分電圧ΔVDAとして与えられる。ΔVDA=VDA(+)−VDA(−)である。
【0156】
ノードN11には2Vi (+)からVA1に変化する電圧が入力され、ノードN12にはVA2からVDA(+)に変化する電圧が入力され、ノードN21には2Vi (−)からVA1に変化する電圧が入力され、ノードN22にはVA2からVDA(−)に変化する電圧が入力される。
【0157】
次に、図10を参照しながら図9の差分増幅器14aの動作を説明する。ここで、接地電位をVG とする。
【0158】
まず、スイッチSW11,SW12,SW14,SW15をオンにする。このとき、スイッチSW13もオンにする。そして、ノードN11に電圧2Vi (+)を入力し、ノードN12に設定電圧VA2を入力し、ノードN21に電圧2Vi (−)を入力し、ノードN22に設定電圧VA2を入力する。それにより、ノードNO1,NO2は接地電位VG となる。
【0159】
次に、スイッチSW11,SW12,SW14,SW15をオフにする。このとき、スイッチSW13もオフにする。そして、ノードN11に設定電圧VA1を入力し、ノードN12に電圧VDA(+)を入力し、ノードN21に設定電圧VA1を入力し、ノードN22に電圧VDA(−)を入力する。それにより、ノードNO1,NO2の電圧はそれぞれVO (+),VO (−)となる。
【0160】
電荷保存則によりノードNO1,NO2の電圧VO (+),VO (−)を求めると次式のようになる。
【0161】
VO (+)=VG +2Vi (+)・2−VDA(+)・4+VA1・2−VA2・4
VO (−)=VG +2Vi (−)・2−VDA(−)・4+VA1・2−VA2・4
したがって、差分電圧ΔVO は次式のようになる。
【0162】
ΔVO =VO (+)−VO (−)
={Vi (+)−Vi (−)}・4−{VDA(+)−VDA(−)}・4
=(ΔVi −ΔVDA)・4
このように、図9の差分増幅器14aにおいては、同じ段の演算増幅回路11から与えられる差分電圧2ΔVi と同じ段のD/Aコンバータ10から与えられる差分電圧ΔVDAの2倍との減算および利得2の増幅が行われる。すなわち、差分電圧ΔVi の4倍と差分電圧ΔVDAの4倍との差分が算出される。
【0163】
この場合、設定電圧VA1,VA2は任意に設定することができる。したがって、設定電圧VA1として前段の演算増幅回路11の出力のイコライズ(等電位化)時の電圧を用いることができる。また、設定電圧VA2として外部電圧を用いることができる。
【0164】
このように、アナログ入力信号である電圧2Vi (+),2Vi (−)をノードN11,N21にスイッチを介することなく入力することができるので、雑音が低減されるとともに、低電圧動作が可能となる。したがって、アナログ−デジタル変換回路1aの低電圧化および高精度化を図ることができる。
【0165】
図11は図9の差分増幅器14aを図8のアナログ−デジタル変換回路1aに用いた場合のD/Aコンバータ10および差分増幅器14aの具体的な構成を示す回路図である。図12は1段目のサブA/Dコンバータ10の一部、1段目の差分増幅器14aおよび2段目の演算増幅回路11の構成を示す回路図である。なお、図12は、n=16の場合を示す。
【0166】
図11において、D/Aコンバータ10のノードN30は、スイッチS1〜Snを介してそれぞれコンデンサB1〜Bnの入力端子に接続されている。また、このノードN30は、スイッチT1〜Tnを介してそれぞれコンデンサC1〜Cnの入力端子に接続されている。ノードN30には設定電圧VA2が入力され、ノードN31には高電位側基準電圧VRTが入力され、ノードN32には低電位側基準電圧VRBが入力される。コンデンサB1〜Bnの出力端子は差分増幅器111のノードNaに接続され、コンデンサC1〜Cnの出力端子は差分増幅器111のノードNbに接続されている。
【0167】
差分増幅器14aのノードNaはコンデンサ30aを介してノードN11に接続され、かつスイッチSW11を介して所定の電位Vagを受けるノードに接続されている。ノードNbはコンデンサ30bを介してノードN21に接続され、かつスイッチSW12を介して電位Vagを受けるノードに接続されている。ノードN11には電圧2Vi (+)が入力され、ノードN21には電圧2Vi (−)が入力される。また、ノードNO1はスイッチSW14を介して電位Vagを受けるノードに接続され、かつコンデンサCL1を介して接地されている(図12参照)。ノードNO2はスイッチSW15を介して電位Vagを受けるノードに接続され、かつコンデンサCL2を介して接地されている(図12参照)。
【0168】
なお、スイッチSW11,SW12に与えられる電位VagとスイッチSW14,SW15に与えられる電位Vagとが異なってもよい。
【0169】
コンデンサ20a,20bの容量値はそれぞれCであり、コンデンサ30a,30bの容量値は2Cである。また、コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの容量値はそれぞれ4C/nである。例えば、n=16の場合、コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの容量値はそれぞれC/4である。
【0170】
ノードNO1,NO2から出力される電圧V0 (+),V0 (−)は2段目のサブA/Dコンバータ9に与えられる。
【0171】
図12に示すように、演算増幅回路11のノードNcとノードNO11との間にコンデンサ220aが接続されている。また、ノードNdとノードNO21との間にコンデンサ220bが接続されている。ノードNcはコンデンサ230aを介してノードNO1に接続され、かつスイッチSW21を介して電位Vagを受けるノードに接続されている。ノードNdはコンデンサ230bを介してノードNO2に接続され、かつスイッチSW22を介して電位Vagを受けるノードに接続されている。ノードNO11はスイッチSW23を介して電位Vagを受けるノードに接続され、かつコンデンサCL3を介して接地されている。ノードNO21はスイッチSW24を介して電位Vagを受けるノードに接続され、かつコンデンサCL4を介して接地されている。
【0172】
コンデンサ220a,220bの容量値はそれぞれCであり、コンデンサ230a,230bの容量値はそれぞれ2Cである。それにより、ノードNO11から2倍に増幅された電圧Vout(+)が出力され、ノードNO21から増幅された電圧Vout(−)が出力される。
【0173】
なお、スイッチS1〜Sn,G1〜Gn,E1〜En,F1〜Fn,H1〜Hn,T1〜Tn,SW11,SW12,SW13,SW14,SW15,SW21,SW22,SW23,SW24は、CMOS回路からなるアナログスイッチである。
【0174】
次に、図11および図12のD/Aコンバータ10および差分増幅器14aの動作を説明する。
【0175】
まず、スイッチSW11,SW12,SW14,SW15をオンにする。このとき、スイッチSW13もオンにする。そして、スイッチS1〜Sn,T1〜Tnをオンにする。それにより、コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの入力端子に設定電圧VA2が入力される。また、ノードN11に電圧2Vi (+)が入力され、ノードN21に電圧2Vi (−)が入力される。それにより、ノードNO1,NO2は接地電位となる。
【0176】
次に、スイッチSW11,SW12,SW14,SW15をオフにする。このとき、スイッチSW13もオフにする。そして、スイッチS1〜Sn,T1〜Tnをオフにする。各スイッチE1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hnが、それぞれ図3の各コンパレータD1〜Dnの出力レベルに従ってオンまたはオフし、コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの入力端子にそれぞれ電圧が印加される。
【0177】
このとき、ノードN11,N21に入力される電圧2Vi (+),2Vi (−)は、図10に示すように、共に等しい電圧VA1にイコライズされている。これにより、ノードNO1,NO2間の差分電圧ΔVO は、図10を用いて説明したように、次式のようになる。
【0178】
ΔVO =VO (+)−VO (−)=(ΔVi −ΔVDA)・4
このように、ノードN11,N21に入力する設定電圧VA1として前段の演算増幅回路11の出力を用いることができるので、ノードN11にスイッチを用いることなく電圧2Vi (+)および設定電圧VA1を入力することができ、かつノードN21にスイッチを用いることなく電圧2Vi (−)および設定電圧VA1を入力することができる。
【0179】
また、ノードN30に入力する設定電圧VA2として任意の電圧を用いることができる。例えば、設定電圧VA2として高電位側基準電圧VRTまたは低電位側基準電圧VRBを用いることもできる。
【0180】
また、これらの設定電圧VA1,VA2を電源電圧または接地電圧の付近に設定できる。これにより、CMOSスイッチを使用しても低電圧動作が可能になる。
【0181】
これらの結果、スイッチ雑音が低減されるとともに、低電圧動作が可能な高精度なアナログ−デジタル変換回路が実現される。
【0182】
上記のように、本実施の形態のアナログ−デジタル変換回路においては、各段の回路3〜5内の演算増幅回路11によりアナログ信号が2倍に増幅され、差分増幅器14aにおいて演算増幅回路11の出力電圧が2倍に増幅され、かつD/Aコンバータ10の出力電圧が4倍に増幅され、増幅された演算増幅回路11の出力電圧と増幅されたD/Aコンバータ10の出力電圧との差分が算出される。ここで、演算増幅回路11の出力電圧レンジの2倍とD/Aコンバータ10の出力電圧レンジの4倍とは同一の出力電圧レンジとなる。したがって、各段の回路3〜5の回路構成を複雑化せず、かつ回路規模を増大させることなく、差分増幅器14aが同じ出力電圧レンジのアナログ信号の差分を算出することが可能となる。
【0183】
このように、演算増幅回路11の出力電圧の増幅率およびD/Aコンバータ10の出力電圧の増幅率をそれぞれ独立に設定することができるので、演算増幅回路11,13の利得を任意に設定することができる。それにより、各段の回路3〜5の設計の自由度が大きくなる。したがって、消費電力および回路の占有面積を考慮し、各段の回路3〜5の構成要素であるサブA/Dコンバータ9、D/Aコンバータ10、演算増幅回路11および差分増幅器14aをそれぞれ適切な電圧レンジで設計することが可能となる。
【0184】
なお、第1の実施の形態のアナログ−デジタル変換回路1に第2の実施の形態アナログ−デジタル変換回路1aにおける差分増幅器14aを組み合わせて用いてもよい。
【0185】
この場合、演算増幅回路11の出力電圧レンジとD/Aコンバータ10の出力電圧レンジとが等しくなるように、サブA/Dコンバータ9およびD/Aコンバータ10の基準電圧レンジ比ならびにD/Aコンバータ10および差分増幅器14aにおけるコンデンサ30a,30bとコンデンサB1〜Bn,C1〜Cnとの容量比を設定する。
【0186】
図13は図8のアナログ−デジタル変換回路1aにおける単一入力(シングルエンド入力)用の差分増幅器14aの動作原理を説明するための回路図である。また、図14は図13の差分増幅器の動作を説明するための図である。
【0187】
図13において、演算増幅器100の反転入力端子はノードNBに接続され、非反転入力端子は接地されている。また、演算増幅器100の出力端子はノードNOに接続されるとともに、コンデンサ20を介して反転入力端子に接続されている。演算増幅器100の反転入力端子と非反転入力端子との間にはスイッチSW11が接続されている。ノードNBは、コンデンサ30を介してノードN11に接続され、かつコンデンサ40を介してノードN12に接続されている。ノードNOはスイッチSW15を介して接地されている。
【0188】
ノードN11には2Vi からVA に変化する電圧が入力され、ノードN12にはVA からVDA に変化する電圧が入力される。VA は任意の設定電圧である。ノードNOからは電圧VO が出力される。
【0189】
次に、図14を参照しながら図13の差分増幅器の動作を説明する。ここでは、コンデンサ20の容量値をCとし、コンデンサ30の容量値を2Cとし、コンデンサ40の容量値を4Cとする。また、接地電位をVG とする。
【0190】
まず、スイッチSW11,SW15をオンにする。そして、ノードN11に電圧2Vi を入力し、ノードN12に設定電圧VA2 を入力する。ノードNOは接地電位VG となる。このとき、ノードNBの電荷Qaは次式のようになる。
【0191】
Qa=2C(VG −2Vi )+4C(VG −VA2 )
次に、スイッチSW11,SW15をオフにする。そして、ノードN11に設定電圧VA1 を入力し、ノードN12に電圧VDA を入力する。ノードNOの電圧はVO となる。このとき、ノードNBの電荷Qbは次式のようになる。
【0192】
Qb=2C(VG −VA1 )+4C(VG −VDA )+C(VG −VO )
ノードNBには電荷が抜け出る経路がないので、電荷保存則によりQa=Qbとなり、次式が成立する。
【0193】
2C(VG −2Vi )+4C(VG −VA2 )
=2C(VG −VA1 )+4C(VG −VDA)+C(VG −VO )
上式より、ノードNOの電圧VO は次式のようになる。
【0194】
VO =VG +4(Vi −VDA)+4VA2−2VA1
=4(Vi −VDA)+OF
ここで、OFはオフセット電圧である。この場合、オフセット電圧OFを除去する手段を次段との間に設ける必要がある。
【0195】
このように、図13の差分増幅器14aにおいては、同じ段の演算増幅回路11から与えられる電圧2Vi と同じ段のD/Aコンバータ10から与えられる電圧VDAの2倍との減算および利得2の増幅が行われる。すなわち、電圧Vi の4倍と電圧VDAの4倍のとの差分が算出される。
【0196】
この場合、設定電圧VA1 は任意に設定することができる。したがって、設定電圧VA1 として前段の演算増幅回路11の出力の一定電圧を用いることができる。また、設定電圧VA2 として外部電圧を用いることができる。
【0197】
このように、アナログ入力信号である電圧2ViをノードN11にスイッチを介することなく入力することができるので、雑音が低減されるとともに、低電圧動作が可能となる。したがって、アナログ−デジタル変換回路1aの低電圧化および高精度化を図ることができる。
【0198】
図15は図13の差分増幅器14aを図8のアナログ−デジタル変換回路1aに用いた場合のD/Aコンバータ10および差分増幅器14aの具体的な構成を示す回路図である。
【0199】
図15において、D/Aコンバータ10のノードN30は、スイッチS1〜Snを介してそれぞれコンデンサB1〜Bnの入力端子に接続されている。また、ノードN30には設定電圧VA2 が入力され、ノードN31には高電位側基準電圧VRTが入力され、ノードN32には低電位側基準電圧VRBが入力される。コンデンサB1〜Bnの出力端子は差分増幅器111のノードNaに接続されている。
【0200】
差分増幅器14aのノードNaはコンデンサ30を介してノードN11に接続され、かつスイッチSW11を介して所定の電位Vagを受けるノードに接続されている。ノードN11には電圧2Viが入力される。また、ノードNOはスイッチSW15を介して電位Vagを受けるノードに接続されている。
【0201】
コンデンサ20の容量値はCであり、コンデンサ30の容量値は2Cである。また、コンデンサB1〜Bnの容量値はそれぞれ4C/nである。例えば、n=16の場合、コンデンサB1〜Bnの容量値はC/4である。
【0202】
ノードNOから出力される電圧V0は2段目のサブA/Dコンバータ9に与えられる。
【0203】
次に、図15のD/Aコンバータ10および差分増幅器14aの動作を説明する。
【0204】
まず、スイッチSW11,SW15をオンにする。そして、スイッチS1〜Snをオンにする。それにより、コンデンサB1〜Bnの入力端子に設定電圧VA2が入力される。また、ノードN11に電圧2Viが入力される。それにより、ノードNOは接地電位となる。
【0205】
次に、スイッチSW11,SW15をオフにする。そして、スイッチS1〜Snをオフにする。各スイッチE1〜En,G1〜Gnが、それぞれ図3の各コンパレータD1〜Dnの出力レベルに従ってオンまたはオフし、コンデンサB1〜Bnの入力端子にそれぞれ電圧が印加される。
【0206】
このとき、ノードN11に入力される電圧は、図14に示すように、VA2に設定されている。これにより、ノードNOの電圧VO は、図14を用いて説明したように、次式のようになる。
【0207】
VO =VG +4(Vi −VDA)+4VA2−2VA1
このように、ノードN11に入力する設定電圧VA1として前段の演算増幅回路11の出力を用いることができるので、ノードN11にスイッチを用いることなく電圧2Viおよび設定電圧VA1を入力することができる。
【0208】
また、ノードN30に入力する設定電圧VA2として任意の電圧を用いることができる。例えば、設定電圧VA2として高電位側基準電圧VRTまたは低電位側基準電圧VRBを用いることもできる。
【0209】
また、これらの設定電圧VA1,VA2を電源電圧または接地電圧の付近に設定できる。これにより、CMOSスイッチを使用しても低電圧動作が可能になる。
【0210】
これらの結果、スイッチ雑音が低減されるとともに、低電圧動作が可能な高精度なアナログ−デジタル変換回路が実現される。
【0211】
上記のように、単一入力用のアナログ−デジタル変換回路においても、各段の回路3〜5内の演算増幅回路11によりアナログ信号が2倍に増幅され、差分増幅器14aにおいて演算増幅回路11の出力電圧が2倍に増幅され、かつD/Aコンバータ10の出力電圧が4倍に増幅され、増幅された演算増幅回路11の出力電圧と増幅されたD/Aコンバータ10の出力電圧との差分が算出される。ここで、演算増幅回路11の出力電圧レンジの2倍とD/Aコンバータ10の出力電圧レンジの4倍とは同一の出力電圧レンジとなる。したがって、各段の回路3〜5の回路構成を複雑化せず、かつ回路規模を増大させることなく、差分増幅器14aが同じ出力電圧レンジのアナログ信号の差分を算出することが可能となる。
【0212】
このように、演算増幅回路11の出力電圧の増幅率およびD/Aコンバータ10の出力電圧の増幅率をそれぞれ独立に設定することができるので、演算増幅回路11,13の利得を任意に設定することができる。それにより、各段の回路3〜5の設計の自由度が大きくなる。したがって、消費電力および回路の占有面積を考慮し、各段の回路3〜5の構成要素であるサブA/Dコンバータ9、D/Aコンバータ10、演算増幅回路11および差分増幅器14aをそれぞれ適切な電圧レンジで設計することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるアナログ−デジタル変換回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のアナログ−デジタル変換回路における1段目の回路内のサブA/DコンバータおよびD/Aコンバータ回路図である。
【図3】差動入力用のサブA/DコンバータおよびD/Aコンバータの構成を示す回路図である。
【図4】1段目〜4段目の基準電圧を発生するための抵抗回路を示す回路図である。
【図5】差動入力用の基準電圧レンジを説明するための図である。
【図6】サブA/DコンバータおよびD/Aコンバータの基準電圧レンジ比と演算増幅回路の利得との関係を示す図である。
【図7】サブA/DコンバータおよびD/Aコンバータの基準電圧レンジ比と演算増幅回路の利得との関係を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるアナログ−デジタル変換回路の構成を示すブロック図である。
【図9】図8のアナログ−デジタル変換回路における差分増幅器の動作原理を説明するための回路図である。
【図10】図9の差分増幅器の動作を説明するための図である。
【図11】図9の差分増幅器を図8のアナログ−デジタル変換回路に用いた場合のD/Aコンバータおよび差分増幅器の具体的な構成を示す回路図である。
【図12】1段目のサブA/Dコンバータの一部、1段目の差分増幅器および2段目の演算増幅回路の構成を示す回路図である。
【図13】図8のアナログ−デジタル変換回路における単一入力用の差分増幅器の動作原理を説明するための回路図である。
【図14】図13の差分増幅器の動作を説明するための図である。
【図15】図13の差分増幅器を図8のアナログ−デジタル変換回路に用いた場合のD/Aコンバータおよび差分増幅器の具体的な構成を示す回路図である。
【図16】従来の多段パイプライン構成を有するアナログ−デジタル変換回路の構成を示すブロック図である。
【図17】図16のアナログ−デジタル変換回路におけるサブA/DコンバータおよびD/Aコンバータの回路図である。
【図18】アナログ−デジタル変換回路における差分増幅器の動作原理を示す回路図である。
【図19】図18の差分増幅器の動作を説明するための図である。
【図20】図16のアナログ−デジタル変換回路に図18の差分増幅器を用いた場合のD/Aコンバータおよび差分増幅器の具体的な構成を示す回路図である。
【図21】従来のアナログ−デジタル変換回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,1a アナログ−デジタル変換回路
3〜6 1段目〜4段目の回路
9 サブA/Dコンバータ
10 D/Aコンバータ
11,13,13a 演算増幅回路
12,12a 減算回路
14,14a 差分増幅器
VRT 高電位側基準電圧
VRB 低電位側基準電圧
VRT1 第1の中間基準電圧
VRT2 第2の中間基準電圧
VRT3 第3の中間基準電圧
VRT4 第4の中間基準電圧
Claims (9)
- 複数段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、
前記複数段の回路に共通の高電位側基準電圧および共通の低電位側基準電圧が与えられ、
最終段の回路を除く各段の回路は、
入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、
入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、
前記アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器と、
前記演算増幅回路から出力されるアナログ信号と前記デジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号との差分を増幅する差分増幅器と、
抵抗回路とを備え、
前記アナログ−デジタル変換器は、第1の電圧範囲を有する第1の基準電圧に基づいて動作し、前記デジタル−アナログ変換器は、第2の電圧範囲を有する第2の基準電圧に基づいて動作し、
前記抵抗回路は、前記高電位側基準電圧を受ける第1のノードと前記低電位側基準電圧を受ける第2のノードとの間に直列に接続された複数の抵抗を含み、
前記第1の基準電圧は、前記複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、
前記第2の基準電圧は、前記複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、
最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、
前記演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、
前記演算増幅回路の出力電圧範囲と前記デジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲とが等しくなるように前記第1の電圧範囲および前記第2の電圧範囲がそれぞれ独立に設定され、
前記デジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲と前記アナログ−デジタル変換回路の入力電圧範囲との比が前記演算増幅回路の利得に等しいことを特徴とするアナログ−デジタル変換回路。 - 前記少なくとも1段の回路において、
前記第2の電圧範囲と前記第1の電圧範囲との比が前記演算増幅回路の利得に等しいことを特徴とする請求項1記載のアナログ−デジタル変換回路。 - 前記最終段の回路を除く各段の回路において、前記第2の基準電圧は、前記第2のノードと前記複数の抵抗の他の1つの接続点とから得られることを特徴とする請求項1または2記載のアナログ−デジタル変換回路。
- 複数段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、
最終段の回路を除く各段の回路は、
入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、
入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、
前記アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器と、
前記演算増幅回路から出力されるアナログ信号と前記デジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号との差分を増幅する差分増幅器とを備え、
最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、
前記演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、
前記デジタル−アナログ変換器は、デジタル信号に応じたアナログ信号の電圧を発生するための複数の容量がアレイ状に接続された容量アレイを有し、
前記差分増幅器は、入力容量、帰還容量、演算増幅器およびスイッチ回路を有し、
前記演算増幅器は、前記容量アレイが接続される一方の入力端子を有しかつ他方の入力端子および出力端子を有し、
前記帰還容量は、前記演算増幅器の前記一方の入力端子と前記出力端子との間に接続され、
前記入力容量は、前記演算増幅器の前記一方の入力端子に前記容量アレイと並列に接続され、
前記スイッチ回路は、前記演算増幅器の前記一方の入力端子と前記他方の入力端子との間を短絡状態にするとともに、前記入力容量の入力端に前記演算増幅回路から出力されるアナログ信号を与え、かつ前記容量アレイの入力端に任意の第1の設定電圧を与えた後、前記演算増幅器の前記一方の入力端子と前記他方の入力端子との間を開放状態にするとともに、前記入力容量の入力端に任意の第2の設定電圧を与え、かつ前記容量アレイの入力端に前記デジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号を与え、
前記差分増幅器は、前記演算増幅回路から出力されたアナログ信号を前記入力容量の値および前記帰還容量の値により定まる第1の利得で増幅するとともに、前記デジタル−アナログ変換器により前記容量アレイに発生されるアナログ信号を前記容量アレイの値および前記帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、前記第1の利得で増幅されたアナログ信号と前記第2の利得で増幅されたアナログ信号との差分を出力し、
前記演算増幅回路の出力電圧範囲の前記第1の利得倍と前記デジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の前記第2の利得倍とが等しくなるように前記容量アレイの値と前記入力容量の値との比が前記演算増幅回路の利得に等しく設定されたことを特徴とするアナログ−デジタル変換回路。 - 前記少なくとも1段の回路において、
前記差分増幅器の前記設定電圧が前記演算増幅回路から出力されるアナログ信号の所定の電圧であることを特徴する請求項4記載のアナログ−デジタル変換回路。 - 複数段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、
最終段の回路を除く各段の回路は、
入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、
入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、
前記アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器と、
前記演算増幅回路から出力されるアナログ信号と前記デジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号との差分を増幅する差分増幅器とを備え、
最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、
前記演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、差動の第1および第2のアナログ信号を出力し、
前記デジタル−アナログ変換器は、デジタル信号に応じた差動の第3および第4のアナログ信号の電圧をそれぞれ発生するための複数の容量がアレイ状に接続された第1および第2の容量アレイを有し、
前記差分増幅器は、第1および第2の入力容量、第1および第2の帰還容量、演算増幅器およびスイッチ回路を有し、
前記演算増幅器は、前記第1の容量アレイが接続される一方の入力端子、前記第2の容量アレイが接続される他方の入力端子、一方の出力端子および他方の出力端子を有し、
前記第1の帰還容量は、前記演算増幅器の前記一方の入力端子と前記一方の出力端子との間に接続され、
前記第2の帰還容量は、前記演算増幅器の前記他方の入力端子と前記他方の出力端子との間に接続され、
前記第1の入力容量は、前記演算増幅器の前記一方の入力端子に前記第1の容量アレイと並列に接続され、
前記第2の入力容量は、前記演算増幅器の前記他方の入力端子に前記第2の容量アレイと並列に接続され、
前記スイッチ回路は、前記演算増幅器の前記一方および他方の入力端子を所定の基準電位に接続するとともに、前記第1および第2の入力容量の入力端に前記演算増幅回路から出力される差動の第1および第2のアナログ信号をそれぞれ与え、かつ前記第1および第2の容量アレイの入力端に任意の第1の設定電圧をそれぞれ与えた後、前記演算増幅器の前記一方および他方の入力端子を前記基準電位から遮断するとともに、前記第1および第2の入力容量の入力端に任意の第2の設定電圧をそれぞれ与え、かつ前記第1および第2の容量アレイの入力端に前記デジタル−アナログ変換器から出力される差動の第3および第4のアナログ信号をそれぞれ与え、
前記差分増幅器は、前記演算増幅回路から出力された第1のアナログ信号を前記第1の入力容量の値および前記第1の帰還容量の値により定まる第1の利得で増幅し、前記演算増幅回路から出力された第2のアナログ信号を前記第2の入力容量の値および前記第2の帰還容量の値により定まる第1の利得で増幅するとともに、前記デジタル−アナログ変換器により前記第1の容量アレイに発生される第3のアナログ信号を前記第1の容量アレイの値および前記第1の帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、前記デジタル−アナログ変換器により前記第2の容量アレイに発生される第4のアナログ信号を前記第2の容量アレイの値および前記第2の帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、前記第1の利得で増幅された差動の第1および第2のアナログ信号と前記第2の利得で増幅された差動の第3および第4のアナログ信号との差分を出力し、
前記演算増幅回路の出力電圧範囲の前記第1の利得倍と前記デジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の前記第2の利得倍とが等しくなるように前記第1の容量アレイの値と前記第1の入力容量の値との比が前記演算増幅回路の利得に等しく設定され、前記第2の容量アレイの値と前記第2の入力容量の値との比が前記演算増幅回路の利得に等しく設定されたことを特徴とするアナログ−デジタル変換回路。 - 前記少なくとも1段の回路において、
前記差分増幅器の前記第2の設定電圧として前記演算増幅回路においてイコライズされた出力電圧であることを特徴する請求項6記載のアナログ−デジタル変換回路。 - 複数段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、
前記複数段の回路に共通の高電位側基準電圧および共通の低電位側基準電圧が与えられ、
最終段の回路を除く各段の回路は、
入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、
入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、
前記アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器と、
前記演算増幅回路から出力されるアナログ信号と前記デジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号との差分を増幅する差分増幅器と、
抵抗回路とを備え、
前記アナログ−デジタル変換器は、第1の電圧範囲を有する第1の基準電圧に基づいて動作し、前記デジタル−アナログ変換器は、第2の電圧範囲を有する第2の基準電圧に基づいて動作し、
前記抵抗回路は、前記高電位側基準電圧を受ける第1のノードと前記低電位側基準電圧を受ける第2のノードとの間に直列に接続された複数の抵抗を含み、
前記第1の基準電圧は、前記複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、
前記第2の基準電圧は、前記複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、
最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、
前記演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、
前記デジタル−アナログ変換器は、デジタル信号に応じたアナログ信号の電圧を発生するための複数の容量がアレイ状に接続された容量アレイを有し、
前記差分増幅器は、入力容量、帰還容量および演算増幅器を有し、
前記演算増幅器は、前記容量アレイが接続される一方の入力端子を有しかつ他方の入力端子および出力端子を有し、
前記帰還容量は、前記演算増幅器の前記一方の入力端子と前記出力端子との間に接続され、
前記入力容量は、前記演算増幅器の前記一方の入力端子に前記容量アレイと並列に接続され、
前記スイッチ回路は、前記演算増幅器の前記一方の入力端子と前記他方の入力端子との間を短絡状態にするとともに、前記入力容量の入力端に前記演算増幅回路から出力されるアナログ信号を与え、かつ前記容量アレイの入力端に任意の第1の設定電圧を与えた後、前記演算増幅器の前記一方の入力端子と前記他方の入力端子との間を開放状態にするとともに、前記入力容量の入力端に任意の第2の設定電圧を与え、かつ前記容量アレイの入力端に前記デジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号を与え、
前記差分増幅器は、前記演算増幅回路から出力されたアナログ信号を前記入力容量の値および前記帰還容量の値により定まる第1の利得で増幅するとともに、前記デジタル−アナログ変換器により前記容量アレイに発生されるアナログ信号を前記容量アレイの値および前記帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、前記第1の利得で増幅されたアナログ信号と前記第2の利得で増幅されたアナログ信号との差分を出力し、
前記演算増幅回路の出力電圧範囲の前記第1の利得倍と前記デジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の前記第2の利得倍とが等しくなるように前記第1の電圧範囲および前記第2の電圧範囲がそれぞれ独立に設定されるとともに前記容量アレイの値および前記入力容量の値がそれぞれ独立に設定されたことを特徴とするアナログ−デジタル変換回路。 - 複数段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、
前記複数段の回路に共通の高電位側基準電圧および共通の低電位側基準電圧が与えられ、
最終段の回路を除く各段の回路は、
入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、
入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、
前記アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器と、
前記演算増幅回路から出力されるアナログ信号と前記デジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号との差分を増幅する差分増幅器と、
抵抗回路とを備え、
前記アナログ−デジタル変換器は、第1の電圧範囲を有する第1の基準電圧に基づいて動作し、前記デジタル−アナログ変換器は、第2の電圧範囲を有する第2の基準電圧に基づいて動作し、
前記抵抗回路は、前記高電位側基準電圧を受ける第1のノードと前記低電位側基準電圧を受ける第2のノードとの間に直列に接続された複数の抵抗を含み、
前記第1の基準電圧は、前記複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、
前記第2の基準電圧は、前記複数の抵抗の複数の接続点のうち2つの接続点から得られ、
最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、
前記演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、差動の第1および第2のアナログ信号を出力し、
前記デジタル−アナログ変換器は、デジタル信号に応じた差動の第3および第4のアナログ信号の電圧をそれぞれ発生するための複数の容量がアレイ状に接続された第1および第2の容量アレイを有し、
前記差分増幅器は、第1および第2の入力容量、第1および第2の帰還容量、演算増幅器およびスイッチ回路を有し、
前記演算増幅器は、前記第1の容量アレイが接続される一方の入力端子、前記第2の容量アレイが接続される他方の入力端子、一方の出力端子および他方の出力端子を有し、
前記第1の帰還容量は、前記演算増幅器の前記一方の入力端子と前記一方の出力端子との間に接続され、
前記第2の帰還容量は、前記演算増幅器の前記他方の入力端子と前記他方の出力端子との間に接続され、
前記第1の入力容量は、前記演算増幅器の前記一方の入力端子に前記第1の容量アレイと並列に接続され、
前記第2の入力容量は、前記演算増幅器の前記他方の入力端子に前記第2の容量アレイと並列に接続され、
前記スイッチ回路は、前記演算増幅器の前記一方および他方の入力端子を所定の基準電位に接続するとともに、前記第1および第2の入力容量の入力端に前記演算増幅回路から出力される差動の第1および第2のアナログ信号をそれぞれ与え、かつ前記第1および第2の容量アレイの入力端に任意の第1の設定電圧をそれぞれ与えた後、前記演算増幅器の前記一方および他方の入力端子を前記基準電位から遮断するとともに、前記第1および第2の入力容量の入力端に任意の第2の設定電圧をそれぞれ与え、かつ前記第1および第2の容量アレイの入力端に前記デジタル−アナログ変換器から出力される差動の第3および第4のアナログ信号をそれぞれ与え、
前記差分増幅器は、前記演算増幅回路から出力された第1のアナログ信号を前記第1の入力容量の値および前記第1の帰還容量の値により定まる第1の利得で増幅し、前記演算増幅回路から出力された第2のアナログ信号を前記第2の入力容量の値および前記第2の帰還容量の値により定まる第1の利得で増幅するとともに、前記デジタル−アナログ変換器により前記第1の容量アレイに発生される第3のアナログ信号を前記第1の容量アレイの値および前記第1の帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、前記デジタル−アナログ変換器により前記第2の容量アレイに発生される第4のアナログ信号を前記第2の容量アレイの値および前記第2の帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、前記第1の利得で増幅された差動の第1および第2のアナログ信号と前記第2の利得で増幅された差動の第3および第4のアナログ信号との差分を出力し、
前記演算増幅回路の出力電圧範囲の前記第1の利得倍と前記デジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の前記第2の利得倍とが等しくなるように前記第1の電圧範囲および前記第2の電圧範囲がそれぞれ独立に設定されるとともに前記第1および第2の容量アレイの値および前記第1および第2の入力容量の値がそれぞれ独立に設定されたことを特徴とするアナログ−デジタル変換回路。
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