JP2003008439A - アナログ−デジタル変換回路 - Google Patents

アナログ−デジタル変換回路

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JP2003008439A JP2001183898A JP2001183898A JP2003008439A JP 2003008439 A JP2003008439 A JP 2003008439A JP 2001183898 A JP2001183898 A JP 2001183898A JP 2001183898 A JP2001183898 A JP 2001183898A JP 2003008439 A JP2003008439 A JP 2003008439A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路構成の複雑化および回路規模の増大を伴
うことなく高い変換精度を保ちつつ変換速度が高速化さ
れたアナログ−デジタル変換回路を提供することであ
る。 【解決手段】 アナログ−デジタル変換回路1におい
て、1段目〜3段目の回路3,4,5は、サブA/Dコ
ンバータ9、D/Aコンバータ10、演算増幅回路1
1、減算回路12および演算増幅回路13を備える。減
算回路12および演算増幅回路13が差分増幅器14を
構成する。1段目〜3段目の回路3〜5内の演算増幅回
路11,13の利得は2である。各段の回路3〜5内の
サブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジがD/Aコン
バータ10の基準電圧レンジの1/2に設定されること
により、D/Aコンバータ10の出力電圧レンジが演算
増幅回路11の出力電圧レンジに一致する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多段パイプライン
(ステップフラッシュ)構成を有するアナログ−デジタ
ル変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオ信号のデジタル処理技術の
進歩に伴い、ビデオ信号処理用のアナログ−デジタル変
換回路(A/Dコンバータ)の需要が大きくなってい
る。ビデオ信号処理用のアナログ−デジタル変換回路に
は高速変換動作が要求されるため、従来、2ステップフ
ラッシュ(2ステップパラレル)方式が広く用いられて
いた。
【0003】しかし、変換ビット数の増大に伴い、2ス
テップフラッシュ方式では十分な変換精度が得られなく
なってきたため、多段パイプライン(ステップフラッシ
ュ)構成を有するアナログ−デジタル変換回路が開発さ
れた。
【0004】図16は従来の多段パイプライン構成を有
するアナログ−デジタル変換回路の構成を示すブロック
図である。図16のアナログ−デジタル変換回路は、1
0ビット4段パイプライン構成を有する。このアナログ
−デジタル変換回路は、例えば特開平9−69777号
公報に開示されている。
【0005】図16において、アナログ−デジタル変換
回路101は、サンプルホールド回路102、1段目の
回路103、2段目の回路104、3段目の回路10
5、4段目の回路106、複数のラッチ回路107およ
び出力回路108から構成されている。
【0006】1段目(初段)〜3段目の回路103〜1
05は、サブA/Dコンバータ(アナログ−デジタル変
換器)109、D/Aコンバータ(デジタル−アナログ
変換器)110、および差分増幅器111を備える。4
段目(最終段)の回路106はサブA/Dコンバータ1
09のみを備える。
【0007】1段目の回路103は4ビット構成、2〜
4段目の回路104〜106はそれぞれ2ビット構成で
ある。1〜3段目の回路103〜105において、サブ
A/Dコンバータ109およびD/Aコンバータ110
のビット数(ビット構成)は同じに設定されている。
【0008】次に、アナログ−デジタル変換回路101
の動作を説明する。サンプルホールド回路102は、ア
ナログ入力信号Vinをサンプリングして一定時間保持す
る。サンプルホールド回路102から出力されたアナロ
グ入力信号Vinは、1段目の回路103へ転送される。
【0009】1段目の回路3において、サブA/Dコン
バータ109はアナログ入力信号Vinに対してA/D変
換を行う。サブA/Dコンバータ109のA/D変換結
果である上位4ビットのデジタル出力(29 ,28 ,2
7 ,26 )は、D/Aコンバータ110へ転送されると
ともに、4つのラッチ回路107を介して出力回路10
8へ転送される。差分増幅器111は、D/Aコンバー
タ110のD/A変換結果とアナログ入力信号Vinとの
差分を増幅する。その差分増幅器111の出力は2段目
の回路104へ転送される。
【0010】2段目の回路104においては、1段目の
回路103の差分増幅器111の出力に対して、1段目
の回路103と同様の動作が行われる。また、3段目の
回路105においては、2段目の回路104の差分増幅
器111の出力に対して、1段目の回路103と同様の
動作が行われる。そして、2段目の回路104から中上
位2ビットのデジタル出力(25 ,24 )が得られ、3
段目の回路105から中下位2ビットのデジタル出力
(23 ,22 )が得られる。
【0011】4段目の回路106においては、3段目の
回路105の差分増幅器111の出力に対して、サブA
/Dコンバータ109がA/D変換を行い、下位2ビッ
トのデジタル出力(21 ,20 )が得られる。
【0012】1〜4段目の回路103〜106のデジタ
ル出力は各ラッチ回路107を経て同時に出力回路10
8に到達する。すなわち、各ラッチ回路107は各回路
103〜106のデジタル出力の同期をとるために設け
られている。
【0013】出力回路108はアナログ入力信号Vinの
10ビットのデジタル出力Dout を必要な場合はデジタ
ル補正処理後パラレル出力する。
【0014】このように、アナログ−デジタル変換回路
101においては、各段の回路103〜105におい
て、アナログ入力信号Vinまたは前段の回路103,1
04の差分増幅器111の出力と、その段の回路103
〜105のデジタル出力のD/A変換結果との差分が差
分増幅器111によって増幅される。
【0015】そのため、変換ビット数が増大してLSB
(Least Significant Bit )が小さくなっても、サブA
/Dコンバータ109を構成する各コンパレータの分解
能を実質的に向上させることが可能になり、十分な変換
精度が得られる。
【0016】図17は図16のアナログ−デジタル変換
回路101におけるサブA/Dコンバータ109および
D/Aコンバータ110の回路図である。図17のサブ
A/Dコンバータ109は全並列比較(フラッシュ)方
式サブA/Dコンバータであり、D/Aコンバータ11
0は容量アレイ方式D/Aコンバータである。
【0017】サブA/Dコンバータ109は、n個の抵
抗R、およびn個のコンパレータD1〜Dnから構成さ
れる。すべての抵抗Rは同じ抵抗値を有し、高電位側基
準電圧VRTを受けるノードN31と低電位側基準電圧
VRBを受けるノードN32との間に直列に接続されて
いる。ここで、ノードN32とノードN31との間のn
個の抵抗R間のノードN41〜N4nの電位をそれぞれ
VR(1)〜VR(n)とする。
【0018】各コンパレータD1〜Dnの正入力端子に
は入力信号VI(アナログ入力信号Vinまたは前段の回
路103〜105の差分増幅器111の出力)が入力さ
れる。また、各コンパレータD1〜Dnの負入力端子に
は、それぞれノードN41〜N4nの電位VR(1)〜
VR(n)が印加される。
【0019】それにより、各コンパレータD1〜Dnの
出力は、それぞれ入力信号VIが電位VR(1)〜VR
(n)よりも高い場合には、ハイレベルとなり、それぞ
れ入力信号VIが電位VR(1)〜VR(n)よりも低
い場合には、ローレベルとなる。
【0020】D/Aコンバータ110は、アレイ状に接
続されたそれぞれn個のスイッチE1〜En,F1〜F
n,G1〜Gn,H1〜Hn、n個の正側コンデンサB
1〜Bn、およびn個の負側コンデンサC1〜Cnから
構成される。
【0021】コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnはすべ
て同じ容量値cを有する。コンデンサB1〜Bnの一方
の端子(以下、出力端子と呼ぶ)からは差動正側出力電
圧VDA(+)が生成され、コンデンサC1〜Cnの一
方の端子(以下、出力端子という)からは差動負側出力
電圧VDA(−)が生成される。なお、各コンデンサB
1〜Bn,C1〜Cnの他方の端子を入力端子と呼ぶ。
【0022】各スイッチE1〜Enの一方の端子はノー
ドN31に接続され、他方の端子はコンデンサB1〜B
nの入力端子に接続されている。各スイッチF1〜Fn
の一方の端子はノードN31に接続され、他方の端子は
コンデンサC1〜Cnの入力端子に接続されている。各
スイッチG1〜Gnの一方の端子はノードN32に接続
され、他方の端子はコンデンサB1〜Bnの入力端子に
接続されている。各スイッチH1〜Hnの一方の端子は
ノードN32に接続され、他方の端子はコンデンサC1
〜Cnの入力端子に接続されている。
【0023】各スイッチE1〜En,F1〜Fn,G1
〜Gn,H1〜Hnはそれぞれ同一番号のスイッチで4
連スイッチを構成する。例えば、スイッチE1,F1,
G1,H1は1連であり、スイッチEn,Fn,Gn,
Hnも1連である。そして、各スイッチE1〜En,F
1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hnはそれぞれ各コンパ
レータD1〜Dnの出力レベルに従ってオンオフ動作す
る。例えば、コンパレータDnの出力がハイレベルの場
合、スイッチEn,Hnがオンし、スイッチGn,Fn
はオフする。逆に、コンパレータDnの出力がローレベ
ルの場合、スイッチEn,Hnがオフし、スイッチG
n,Fnがオンする。
【0024】次に、D/Aコンバータ110の動作を説
明する。初期条件では、各コンデンサB1〜Bnの入力
端子および出力端子の電位が共に0Vであり、各スイッ
チE1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hnは
すべてオフしている。したがって、初期条件では、すべ
てのコンデンサB1〜Bn,C1〜Cnに蓄えられた電
荷(電気量)Q1=0である。
【0025】ここで、n個のコンパレータD1〜Dnの
うちm個の出力がハイレベルになった場合、各スイッチ
E1〜Enのうちm個がオンして(n−m)個がオフ
し、各スイッチG1〜Gnのうち(n−m)個がオンし
てm個がオフする。この各スイッチE1〜En,G1〜
Gnのオンオフ動作に従って、すべてのコンデンサB1
〜Bnに蓄えられる電荷Q2は次式(A1)で表され
る。
【0026】 Q2=m(VRT−VDA(+))c+(n−m)(VRB−VDA(+)) c…(A1) 電荷保存則より、Q1=Q2である。したがって、差動
正側出力電圧VDA(+)は次式(A2)で表される。
【0027】 VDA(+)=VRB+m(VRT−VRB)/n…(A2) 一方、n個のコンパレータD1〜Dnのうちm個の出力
がハイレベルになった場合、各スイッチH1〜Hnのう
ちm個がオンして(n−m)個がオフし、各スイッチF
1〜Fnのうち(n−m)個がオンしてm個がオフす
る。この各スイッチH1〜Hn,F1〜Fnのオンオフ
動作に従って、すべてのコンデンサC1〜Cnに蓄えら
れる電荷Q3は次式(A3)で表される。
【0028】 Q3=(n−m)(VRT−VDA(−))c+m(VRB−VDA(−)) c…(A3) 電荷保存則より、Q1=Q3である。したがって、差動
負側出力電圧VDA(−)は次式(A4)で表される。
【0029】 VDA(−)=VRT−m(VRT−VRB)/n…(A4) したがって、上式(A2),(A4)より、差分電圧Δ
VDAは式(A5)で表される。
【0030】 ΔVDA=VDA(+)−VDA(−) =VRB−VRT+2m(VRT−VRB)/n…(A5) 図18は図16のアナログ−デジタル変換回路101に
おける差分増幅器111の動作原理を示す回路図であ
る。また、図19は図18の差分増幅器111の動作を
説明するための図である。図18の差分増幅器111は
完全差動方式の減算増幅回路である。この差分増幅器1
11の構成は、例えば特開平11−88173号公報に
開示されている。
【0031】図18の差分増幅器111において、演算
増幅器100の反転入力端子はノードにNaに接続さ
れ、非反転入力端子はノードNbに接続されている。ま
た、演算増幅器100の反転出力端子は、ノードNO1
に接続されるとともに、コンデンサ20aを介して反転
入力端子に接続されている。非反転出力端子は、ノード
NO2に接続されるとともに、コンデンサ20bを介し
て非反転入力端子に接続されている。
【0032】ノードNaはスイッチSW11を介して接
地され、ノードNbはスイッチSW12を介して接地さ
れている。また、ノードNaは、コンデンサ30aを介
してノードN11に接続され、かつコンデンサ40aを
介してノードN12に接続されている。ノードNbは、
コンデンサ30bを介してノードN21に接続され、か
つコンデンサ40bを介してノードN22に接続されて
いる。ノードNO1,NO2間には、スイッチSW13
が接続されている。このスイッチSW13は、スイッチ
SW11,SW12と同じタイミングで作動する。
【0033】この差分増幅器111には、アナログ入力
信号Vinまたは前段の回路103〜105の差分増幅器
111の出力が差分電圧ΔVi として与えられる。ΔV
i =Vi (+)−Vi (−)である。また、この差分増
幅器111には、同じ段のD/Aコンバータ110のD
/A変換結果が差分電圧ΔVDAとして与えられる。Δ
VDA=VDA(+)−VDA(−)である。
【0034】ノードN11にはVi (+)からVA1に変
化する電圧が入力され、ノードN12にはVA2からVD
A(+)に変化する電圧が入力され、ノードN21には
i(−)からVA1に変化する電圧が入力され、ノード
N22にはVA2からVDA(−)に変化する電圧が入力
される。
【0035】次に、図19を参照しながら図18の差分
増幅器111の動作を説明する。こでは、コンデンサ2
0a,20bの容量値をそれぞれCとし、コンデンサ3
0a,30b,40a,40bの容量値をそれぞれKC
とする。Kは定数である。また、接地電位をVG とす
る。
【0036】まず、スイッチSW11,SW12をオン
にする。このとき、スイッチSW13もオンにする。そ
して、ノードN11に電圧Vi (+)を入力し、ノード
N12に設定電圧VA2を入力し、ノードN21に電圧V
i (−)を入力し、ノードN22に設定電圧VA2を入力
する。それにより、ノードNO1,NO2は接地電位V
G となる。
【0037】次に、スイッチSW11,SW12をオフ
にする。このとき、スイッチSW13もオフにする。そ
して、ノードN11に設定電圧VA1を入力し、ノードN
12に電圧VDA(+)を入力し、ノードN21に設定
電圧VA1を入力し、ノードN22に電圧VDA(−)を
入力する。それにより、ノードNO1,NO2の電圧は
それぞれVO (+),VO (−)となる。
【0038】電荷保存則によりノードNO1,NO2の
電圧VO (+),VO (−)を求めると次式のようにな
る。
【0039】VO (+)=VG +{V1 (+)−VDA
(+)}K+(VA1−VA2)K VO (−)=VG +{V1 (−)−VDA(−)}K+
(VA1−VA2)K したがって、差分電圧ΔVO は次式のようになる。
【0040】 ΔVO =VO (+)−VO (−) ={Vi (+)−Vi (−)}K−{VDA(+)−VDA(−)}K =(ΔVi −ΔVDA)K このように、図18の差分増幅器111においては、前
段から与えられる差分電圧ΔVi と同じ段のD/Aコン
バータ110から与えられる差分電圧ΔVDAとの減算
および増幅が行われる。
【0041】この場合、設定電圧VA1,VA2は任意に設
定することができる。したがって、設定電圧VA1として
前段のサンプルホールド回路102の出力または差分増
幅器111の出力のイコライズ(等電位化)時の電圧を
用いることができる。また、設定電圧VA2として外部電
圧を用いることができる。
【0042】このように、アナログ入力信号である電圧
i (+),Vi (−)をノードN11,N21にスイ
ッチを介することなく入力することができるので、雑音
が低減されるとともに、低電圧動作が可能となる。した
がって、アナログ−デジタル変換回路101の低電圧化
および高精度化を図ることができる。
【0043】図20は図16のアナログ−デジタル変換
回路101に図18の差分増幅器111を用いた場合の
D/Aコンバータ110および差分増幅器111の具体
的な構成を示す回路図である。このD/Aコンバータ1
10および差分増幅器111の構成は、例えば特開平1
1−88173号公報に開示されている。
【0044】図20において、D/Aコンバータ110
のノードN30は、スイッチS1〜Snを介してそれぞ
れコンデンサB1〜Bnの入力端子に接続されている。
また、このノードN30は、スイッチT1〜Tnを介し
てそれぞれコンデンサC1〜Cnの入力端子に接続され
ている。ノードN30には設定電圧VA2が入力され、ノ
ードN31には高電位側基準電圧VRTが入力され、ノ
ードN32には低電位側基準電圧VRBが入力される。
コンデンサB1〜Bnの出力端子は差分増幅器111の
ノードNaに接続され、コンデンサC1〜Cnの出力端
子は差分増幅器111のノードNbに接続されている。
【0045】差分増幅器111のノードNaはコンデン
サ30aを介してノードN11に接続され、ノードNb
はコンデンサ30bを介してノードN21に接続されて
いる。ノードN11には電圧Vi (+)が入力され、ノ
ードN21には電圧Vi (−)が入力される。
【0046】コンデンサ20a,20bの容量値はそれ
ぞれCであり、コンデンサ30a,30bの容量値はK
Cである。また、コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの
容量値はそれぞれKC/nである。Kは定数である。
【0047】次に、図20のD/Aコンバータ110お
よび差分増幅器111の動作を説明する。
【0048】まず、スイッチSW11,SW12をオン
にする。このとき、スイッチSW13もオンにする。そ
して、スイッチS1〜Sn,T1〜Tnをオンにする。
それにより、コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの入力
端子に設定電圧VA2が入力される。また、ノードN11
に電圧Vi (+)が入力され、ノードN21に電圧V i
(−)が入力される。それにより、ノードNO1,NO
2は接地電位となる。
【0049】次に、スイッチSW11,SW12をオフ
にする。このとき、スイッチSW13もオフにする。そ
して、スイッチS1〜Sn,T1〜Tnをオフにする。
各スイッチE1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1
〜Hnが、それぞれ図16の各コンパレータD1〜Dn
の出力レベルに従ってオンまたはオフし、コンデンサB
1〜Bn,C1〜Cnの入力端子にそれぞれ電圧が印加
される。
【0050】このとき、ノードN11,N21に入力さ
れる電圧Vi (+),Vi (−)は、図19に示すよう
に、共に等しい電圧VA1にイコライズされている。これ
により、ノードNO1,NO2間の差分電圧ΔVO は、
図19を用いて説明したように、次式のようになる。
【0051】 ΔVO =VO (+)−VO (−)=(ΔVi −ΔVD
A)K このように、ノードN11,N21に入力する設定電圧
A1として前段の差分増幅器111の出力を用いること
ができるので、ノードN11にスイッチを用いることな
く電圧Vi (+)および設定電圧VA1を入力することが
でき、かつノードN21にスイッチを用いることなく電
圧Vi (−)および設定電圧VA1を入力することができ
る。
【0052】また、ノードN30に入力する設定電圧V
A2として任意の電圧を用いることができる。例えば、設
定電圧VA2として高電位側基準電圧VRTまたは低電位
側基準電圧VRBを用いることもできる。
【0053】また、これらの設定電圧VA1,VA2を電源
電圧または接地電圧の付近に設定できる。これにより、
CMOSスイッチを使用しても低電圧動作が可能にな
る。
【0054】これらの結果、スイッチ雑音が低減される
とともに、低電圧動作が可能な高精度なアナログ−デジ
タル変換回路が実現される。
【0055】近年、電子機器の高速化に伴ってアナログ
−デジタル変換回路にも変換速度のさらなる高速化が要
求されている。そこで、特開平11−88172号公報
に変換速度がさらに高速化されたアナログ−デジタル変
換回路が提案されている。
【0056】図21は特開平11−88172号公報に
開示された従来のアナログ−デジタル変換回路を示すブ
ロック図である。図21のアナログ−デジタル変換回路
102は、10ビット4段パイプライン構成を有する。
【0057】図21において、アナログ−デジタル変換
回路102は、サンプルホールド回路2、1段目の回路
3、2段目の回路4、3段目の回路5、4段目の回路
6、複数のラッチ回路7および出力回路8から構成され
ている。
【0058】1段目(初段)〜3段目の回路3〜5は、
サブA/Dコンバータ9、D/Aコンバータ10、演算
増幅回路11、減算回路12および演算増幅回路13を
備える。減算回路12および演算増幅回路13が差分増
幅器14を構成する。各段の回路3〜5内の演算増幅回
路11,13の利得は2である。4段目(最終段)の回
路6はサブA/Dコンバータ9のみを備える。
【0059】このように、図21のアナログ−デジタル
変換回路102においては、各段の回路3〜5内に2段
の演算増幅回路11,13が設けられているので、各演
算増幅回路11,13のループ定数を低減することがで
き、かつ各演算増幅回路11,13の負荷容量が低減さ
れる。その結果、各演算増幅回路11,13の性能を向
上させることなく、変換速度を高速化することが可能と
なる。
【0060】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図21
のアナログ−デジタル変換回路102においては、アナ
ログ入力信号が各段の回路3〜5の演算増幅回路11に
より利得2で増幅される。そのため、サブA/Dコンバ
ータ9の入力電圧レンジおよびD/Aコンバータ10の
出力電圧レンジが同一に設定されていると、演算増幅回
路11から差分増幅器14の一方の入力端子に与えられ
る出力電圧の範囲とD/Aコンバータ10から差分増幅
器14の他方の入力端子に与えられるの出力電圧の範囲
とが異なる。この場合、演算増幅回路11の出力電圧の
範囲とD/Aコンバータ10の出力電圧の範囲とを一致
させるように何らかの方法で補正する必要がある。それ
により、アナログ−デジタル変換回路102の各段の回
路3〜5の構成が複雑となるとともに回路規模が大きく
なる。
【0061】本発明の目的は、回路構成の複雑化および
回路規模の増大を伴うことなく高い変換精度を保ちつつ
変換速度が高速化されたアナログ−デジタル変換回路を
提供することである。
【0062】
【課題を解決するための手段および発明の効果】(1)
第1の発明 第1の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、複数
段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、最終段
の回路を除く各段の回路は、入力されたアナログ信号を
デジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、
入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、ア
ナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル信号を
アナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器と、
演算増幅回路から出力されるアナログ信号とデジタル−
アナログ変換器から出力されるアナログ信号との差分を
増幅する差分増幅器とを備え、最終段の回路を除く少な
くとも1段の回路において、演算増幅回路が1よりも大
きい利得を有し、演算増幅回路の出力電圧範囲とデジタ
ル−アナログ変換器の出力電圧範囲とが等しくなるよう
にデジタル−アナログ変換器の入力電圧範囲およびアナ
ログ−デジタル変換回路の出力電圧範囲がそれぞれ独立
に設定されたものである。
【0063】本発明に係るアナログ−デジタル変換回路
においては、デジタル−アナログ変換器の入力電圧範囲
とアナログ−デジタル変換回路の出力電圧範囲とをそれ
ぞれ独立に設定することにより、演算増幅回路が1より
も大きい利得を有する場合でも、演算増幅回路の出力電
圧範囲とデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲とを
等しくすることができる。それにより、各段の回路の設
計の自由度が大きくなる。したがって、消費電力および
回路の占有面積を考慮し、各段の回路の構成要素である
アナログ−デジタル変換器、デジタル−アナログ変換
器、演算増幅回路および差分増幅器をそれぞれ適切な電
圧範囲で設計することが可能となる。
【0064】また、最終段を除く各段の回路が演算増幅
回路および差分増幅器を含むので、演算増幅回路および
差分増幅器のループ定数を低減することができ、かつ演
算増幅回路および差分増幅器の負荷容量が低減する。そ
れにより、各演算増幅回路および差分増幅器の限界動作
周波数が高くなる。したがって、各演算増幅回路および
差分増幅器そのものの性能を向上させることなく、高い
変換精度を保ちつつ、変換動作を高速化することが可能
となる。
【0065】これらの結果、回路構成の複雑化および回
路規模の増大を伴うことなく高い変換精度を保ちつつ変
換動作が高速化されたアナログ−デジタル変換回路が実
現される。
【0066】(2)第2の発明 第2の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第1
の発明に係るアナログ−デジタル変換回路の構成におい
て、少なくとも1段の回路において、デジタル−アナロ
グ変換器の入力電圧範囲とアナログ−デジタル変換回路
の出力電圧範囲との比が演算増幅回路の利得に等しいも
のである。
【0067】この場合、デジタル−アナログ変換器の入
力電圧範囲とアナログ−デジタル変換回路の出力電圧範
囲との比を演算増幅回路の利得に等しくすることによ
り、演算増幅回路の出力電圧範囲とデジタル−アナログ
変換器の出力電圧範囲とを等しくすることができる。そ
れにより、差分増幅器が等しい電圧範囲のアナログ信号
の差分を増幅することができる。
【0068】(3)第3の発明 第3の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第1
または第2の発明に係るアナログ−デジタル変換回路の
構成において、少なくとも1段の回路において、アナロ
グ−デジタル変換器は、第1の電圧範囲を有する基準電
圧に基づいて動作し、デジタル−アナログ変換器は、第
2の電圧範囲を有する基準電圧に基づいて動作し、演算
増幅回路の出力電圧範囲とデジタル−アナログ変換器の
出力電圧範囲とが等しくなるように第1の電圧範囲およ
び第2の電圧範囲がそれぞれ独立に設定されたものであ
る。
【0069】この場合、アナログ−デジタル変換器が第
1の電圧範囲を有する基準電圧に基づいて動作し、デジ
タル−アナログ変換器が第2の電圧範囲を有する基準電
圧に基づいて動作し、第1の電圧範囲および第2の電圧
範囲をそれぞれ独立に設定することにより、演算増幅回
路の出力電圧範囲とデジタル−アナログ変換器の出力電
圧範囲とを等しくすることができる。
【0070】(4)第4の発明 第4の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第3
の発明に係るアナログ−デジタル変換回路の構成におい
て、少なくとも1段の回路において、第2の電圧範囲と
第1の電圧範囲との比が第1の演算増幅回路の利得に等
しいものである。
【0071】この場合、第2の電圧範囲と第1の電圧範
囲との比を第1の演算増幅回路の利得に等しくすること
により、演算増幅回路の出力電圧範囲とデジタル−アナ
ログ変換器の出力電圧範囲とが等しくなる。
【0072】(5)第5の発明 第5の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、複数
段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、最終段
の回路を除く各段の回路は、入力されたアナログ信号を
デジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器と、
入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、ア
ナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル信号を
アナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換器と、
演算増幅回路から出力されるアナログ信号とデジタル−
アナログ変換器から出力されるアナログ信号との差分を
増幅する差分増幅器とを備え、最終段の回路を除く少な
くとも1段の回路において、演算増幅回路が1よりも大
きい利得を有し、デジタル−アナログ変換器は、デジタ
ル信号に応じたアナログ信号の電圧を発生するための複
数の容量がアレイ状に接続された容量アレイを有し、差
分増幅器は、入力容量、帰還容量および演算増幅器を有
し、演算増幅回路から出力されたアナログ信号を入力容
量の値および帰還容量の値により定まる第1の利得で増
幅するとともに、デジタル−アナログ変換器により容量
アレイに発生されるアナログ信号を容量アレイの値およ
び帰還容量の値により定まる第2の利得で増幅し、第1
の利得で増幅されたアナログ信号と第2の利得で増幅さ
れたアナログ信号との差分を出力し、演算増幅回路の出
力電圧範囲の第1の利得倍とデジタル−アナログ変換器
の出力電圧範囲の第2の利得倍とが等しくなるように容
量アレイの値および入力容量の値がそれぞれ独立に設定
されたものである。
【0073】この場合、演算増幅回路から出力されるア
ナログ信号が第1の利得で増幅されるとともに、デジタ
ル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号が第2
の利得で増幅され、増幅されたアナログ信号の差分が出
力される。容量アレイの値および入力容量の値をそれぞ
れ独立に設定することにより、演算増幅回路の出力電圧
範囲の第1の利得倍とデジタル−アナログ変換器の出力
電圧範囲の第2の利得倍とを等しくすることができる。
【0074】(6)第6の発明 第6の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第5
の発明に係るアナログ−デジタル変換回路の構成におい
て、少なくとも1段の回路において、容量アレイの値と
入力容量の値との比が演算増幅回路の利得に等しいもの
である。
【0075】この場合、容量アレイの値と入力容量の値
との比を演算増幅回路の利得に等しくすることにより、
演算増幅回路の出力電圧範囲の第1の利得倍とデジタル
−アナログ変換器の出力電圧範囲の第2の利得倍とが等
しくなる。
【0076】(7)第7の発明 第7の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第5
または第6の発明に係るアナログ−デジタル変換回路の
構成において、少なくとも1段の回路において、差分増
幅器の演算増幅器は、容量アレイが接続される一方の入
力端子を有しかつ他方の入力端子および出力端子を有
し、帰還容量は、演算増幅器の一方の入力端子と出力端
子との間に接続され、入力容量は、演算増幅器の一方の
入力端子に容量アレイと並列に接続され、差分増幅器
は、演算増幅器の一方の入力端子と他方の入力端子との
間を短絡状態にするとともに、入力容量の入力端に演算
増幅器から出力されるアナログ信号を与え、かつ容量ア
レイの入力端に任意の第1の設定電圧を与えた後、演算
増幅器の一方の入力端子と他方の入力端子との間を開放
状態にするとともに、入力容量の入力端に任意の第2の
設定電圧を与えられ、かつ容量アレイの入力端にデジタ
ル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号を与え
るスイッチ回路をさらに含むものである。
【0077】この場合、演算増幅回路から出力されるア
ナログ信号が第1の利得で増幅されるとともに、デジタ
ル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号が第2
の利得で増幅され、それらのアナログ信号をスイッチを
用いて切り替えることなく、増幅されたアナログ信号が
設定電圧を媒介として減算され、減算値が出力される。
それにより、雑音が低減されるとともに、低電圧動作が
可能となる。
【0078】(8)第8の発明 第8の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第7
の発明に係るアナログ−デジタル変換回路の構成におい
て、少なくとも1段の回路において、差分増幅器の設定
電圧が演算増幅回路から出力されるアナログ信号の所定
の電圧であるものである。
【0079】この場合、設定電圧を与えるためのスイッ
チまたは回路が不要となるので、雑音がさらに低減され
るとともに回路構成が簡単になる。
【0080】(9)第9の発明 第9の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第5
または第6の発明に係るアナログ−デジタル変換回路の
構成において、少なくとも1段の回路において、演算増
幅回路は、差動の第1および第2のアナログ信号を出力
し、デジタル−アナログ変換器の容量アレイは、デジタ
ル信号に応じた差動の第3および第4のアナログ信号の
電圧をそれぞれ発生するための第1および第2の容量ア
レイを含み、差分増幅器の演算増幅器は、第1の容量ア
レイが接続される一方の入力端子、第2の容量アレイが
接続される他方の入力端子、一方の出力端子および他方
の出力端子を有し、帰還容量は、演算増幅器の一方の入
力端子と一方の出力端子との間に接続された第1の帰還
容量と、演算増幅器の他方の入力端子と他方の出力端子
との間に接続された第2の帰還容量とを含み、入力容量
は、演算増幅器の一方の入力端子に第1の容量アレイと
並列に接続された第1の入力容量と、演算増幅器の他方
の入力端子に第2の容量アレイと並列に接続された第2
の入力容量とを含み、差分増幅器は、演算増幅器の一方
および他方の入力端子を所定の基準電位に接続するとと
もに、第1および第2の入力容量の入力端に演算増幅回
路から出力される差動の第1および第2のアナログ信号
をそれぞれ与え、かつ第1および第2の容量アレイの入
力端に任意の第1の設定電圧をそれぞれ与えた後、演算
増幅器の一方および他方の入力端子を基準電位から遮断
するとともに、第1および第2の入力容量の入力端に任
意の第2の設定電圧をそれぞれ与え、かつ第1および第
2の容量アレイの入力端にデジタル−アナログ変換器か
ら出力される差動の第3および第4のアナログ信号をそ
れぞれ与えるスイッチ回路をさらに含み、演算増幅回路
の出力電圧範囲の第1の利得倍とデジタル−アナログ変
換器の出力電圧範囲の第2の利得倍とが等しくなるよう
に第1の容量アレイの値および第1の入力容量の値がそ
れぞれ独立に設定されかつ第2の容量アレイの値および
第2の入力容量の値がそれぞれ独立に設定されたもので
ある。
【0081】この場合、第1の容量アレイの値および第
1の入力容量の値をそれぞれ独立に設定しかつ第2の容
量アレイの値および第2の入力容量の値をそれぞれ独立
に設定することにより、差動のアナログ信号を出力する
演算増幅回路の出力電圧範囲の第1の利得倍と差動のア
ナログ信号を出力するデジタル−アナログ変換器の出力
電圧範囲の第2の利得倍とを等しくすることができる。
【0082】(10)第10の発明 第10の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第
9の発明に係るアナログ−デジタル変換回路の構成にお
いて、少なくとも1段の回路において、第1の容量アレ
イの値と第1の入力容量の値との比が演算増幅回路の利
得に等しく、第2の容量アレイの値と第2の入力容量の
値との比が演算増幅回路の利得に等しいものである。
【0083】この場合、第1の容量アレイの値と第1の
入力容量の値との比および第2の容量アレイの値と第2
の入力容量の値との比を演算増幅回路の利得に等しくす
ることにより、差動のアナログ信号を出力する演算増幅
回路の出力電圧範囲の第1の利得倍と差動のアナログ信
号を出力するデジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲
の第2の利得倍とが等しくなる。
【0084】(11)第11の発明 第11の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、第
9または第10の発明に係るアナログ−デジタル変換回
路の構成において、少なくとも1段の回路において、差
分増幅器の第2の設定電圧として演算増幅回路において
イコライズされた出力電圧であるものである。
【0085】この場合、第2の設定電圧を与えるための
スイッチまたは回路が不要となるので、雑音がさらに低
減されるとともに回路構成が簡単になる。
【0086】(12)第12の発明 第12の発明に係るアナログ−デジタル変換回路は、複
数段の回路からなる多段パイプライン構成を有し、最終
段の回路を除く各段の回路は、入力されたアナログ信号
をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器
と、入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路
と、アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル
信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換
器と、演算増幅回路から出力されるアナログ信号とデジ
タル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号との
差分を増幅する差分増幅器とを備え、最終段の回路を除
く少なくとも1段の回路において、演算増幅回路が1よ
りも大きい利得を有し、アナログ−デジタル変換器は、
第1の電圧範囲を有する基準電圧に基づいて動作し、デ
ジタル−アナログ変換器は、第2の電圧範囲を有する基
準電圧に基づいて動作し、デジタル−アナログ変換器
は、デジタル信号に応じたアナログ信号の電圧を発生す
るための複数の容量がアレイ状に接続された容量アレイ
を有し、差分増幅器は、入力容量、帰還容量および演算
増幅器を有し、演算増幅回路から出力されたアナログ信
号を入力容量の値および帰還容量の値により定まる第1
の利得で増幅するとともに、デジタル−アナログ変換器
により容量アレイに発生されるアナログ信号を容量アレ
イの値および帰還容量の値により定まる第2の利得で増
幅し、第1の利得で増幅されたアナログ信号と第2の利
得で増幅されたアナログ信号との差分を出力し、演算増
幅回路の出力電圧範囲の第1の利得倍とデジタル−アナ
ログ変換器の出力電圧範囲の第2の利得倍とが等しくな
るように第1の電圧範囲および第2の電圧範囲がそれぞ
れ独立に設定されるとともに容量アレイの値および入力
容量の値がそれぞれ独立に設定されたものである。
【0087】この場合、アナログ−デジタル変換器が第
1の電圧範囲を有する基準電圧に基づいて動作し、デジ
タル−アナログ変換器が第2の電圧範囲を有する基準電
圧に基づいて動作し、第1の電圧範囲および第2の電圧
範囲をそれぞれ独立に設定するとともに、容量アレイの
値および入力容量の値をそれぞれ独立に設定することに
より、演算増幅回路の出力電圧範囲の第1の利得倍とデ
ジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の第2の利得倍
とを等しくすることができる。
【0088】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施の形態
におけるアナログ−デジタル変換回路の構成を示すブロ
ック図である。図1のアナログ−デジタル変換回路1
は、10ビット4段パイプライン構成を有する。
【0089】図1において、アナログ−デジタル変換回
路1は、サンプルホールド回路2、1段目〜4段目の回
路3〜6、複数のラッチ回路7および出力回路8から構
成されている。
【0090】1段目(初段)〜3段目の回路3,4,5
は、サブA/Dコンバータ9、D/Aコンバータ10、
演算増幅回路11、減算回路12および演算増幅回路1
3を備える。減算回路12および演算増幅回路13が差
分増幅器14を構成する。1段目〜3段目の回路3〜5
内の演算増幅回路11,13の利得は2である。4段目
(最終段)の回路6は、サブA/Dコンバータ9のみを
備える。差分増幅器14は、例えば特開平11−881
73号公報に開示された公知の回路構成を有する。
【0091】1段目の回路3は4ビット構成、2〜4段
目の回路4〜6はそれぞれ2ビット構成である。1〜3
段目の回路3〜5において、サブA/Dコンバータ9お
よびD/Aコンバータ10のビット数(ビット構成)は
同じに設定されている。
【0092】1段目の回路3内のサブA/Dコンバータ
9には第1の中間基準電圧VRT1および低電位側基準
電圧VRBが与えられる。1段目の回路3内のD/Aコ
ンバータ10には高電位側基準電圧VRTおよび低電位
側基準電圧VRBが与えられる。2段目〜4段目の回路
3〜5内のサブA/Dコンバータ9には第2の中間基準
電圧VRT2および第3の中間基準電圧VRT3が与え
られる。2段目および3段目の回路4,5内のD/Aコ
ンバータ10には、第1の中間基準電圧VRT1および
低電位基準電圧VRBが与えられる。
【0093】後述するように、第1の中間基準電圧VR
T1は高電位側基準電圧VRTと低電位側基準電圧VR
Bとの中間の値に設定されている。それにより、1段目
の回路3内のサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジ
(基準電圧のフルスケールレンジ)はD/Aコンバータ
10の基準電圧レンジの1/2に設定されている。
【0094】また、第2の中間基準電圧VRT2と第3
の中間基準電圧VRT3との差は第1の中間基準電圧V
RT1と低電位側基準電圧VRBとの差の1/2に設定
されている。それにより、2段目および3段目の回路
4,5内のサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジは
D/Aコンバータ10の基準電圧レンジの1/2に設定
されている。
【0095】次に、図1のアナログ−デジタル変換回路
1の動作を説明する。サンプルホールド回路2は、アナ
ログ入力信号Vinをサンプリングして一定時間保持す
る。サンプルホールド回路2から出力されたアナログ入
力信号Vinは、1段目の回路3へ転送される。
【0096】1段目の回路3において、サブA/Dコン
バータ9は、アナログ入力信号Vinに対してA/D変換
を行う。サブA/Dコンバータ9のA/D変換結果であ
る上位4ビットのデジタル出力(29 ,28 ,27 ,2
6 )は、D/Aコンバータ10へ転送されるとともに、
4つのラッチ回路7を介して出力回路8へ転送される。
D/Aコンバータ10は、サブA/Dコンバータ9のA
/D変換結果である上位4ビットのデジタル出力をアナ
ログ信号に変換する。
【0097】一方、演算増幅回路11は、アナログ入力
信号Vinを増幅する。減算回路12は、演算増幅回路1
1から出力されたアナログ入力信号VinとD/Aコンバ
ータ10のD/A変換結果とを減算する。演算増幅回路
13は、減算回路12の出力を増幅する。演算増幅回路
13の出力は、2段目の回路4へ転送される。
【0098】2段目の回路4においては、サブADコン
バータ9が、1段目の回路3の演算増幅回路13の出力
に対してA/D変換を行う。サブA/Dコンバータ9の
A/D変換結果は、D/Aコンバータ10へ転送される
とともに、3つのラッチ回路7を介して出力回路8へ転
送される。これにより、2段目の回路4から中上位2ビ
ットのデジタル出力(25 ,24 )が得られる。
【0099】一方、演算増幅回路11は、1段目の回路
3の演算増幅回路13の出力を増幅する。減算回路12
は、演算増幅回路11の出力とD/Aコンバータ10の
D/A変換結果とを減算する。演算増幅回路13は、減
算回路12の出力を増幅する。演算増幅回路13の出力
は、3段目の回路5へ転送される。
【0100】3段目の回路5においては、2段目の回路
3の演算増幅回路13の出力に対して2段目の回路4と
同様の動作が行われる。それにより、3段目の回路5か
ら中下位2ビットのデジタル出力(23 ,22 )が得ら
れる。
【0101】4段目の回路6においては、3段目の回路
5の演算増幅回路13の出力に対してサブA/Dコンバ
ータ9がA/D変換を行い、下位2ビットのデジタル出
力(21 ,20 )が得られる。
【0102】1段目〜4段目の回路3〜6のデジタル出
力は、各ラッチ回路7を経て同時に出力回路8に到達す
る。すなわち、各ラッチ回路7は各回路3〜6のデジタ
ル出力の同期をとるために設けられている。
【0103】出力回路8は、アナログ入力信号Vinの1
0ビットのデジタル出力Dout を必要な場合はデジタル
補正処理後パラレル出力する。
【0104】上記のように、本実施の形態のアナログ−
デジタル変換回路1においては、各段の回路3〜5内の
D/Aコンバータ10の基準電圧レンジがサブA/Dコ
ンバータ9の基準電圧レンジの2倍に設定されているの
で、各段の回路3〜5内のD/Aコンバータ10の出力
電圧レンジ(出力電圧のフルスケールレンジ)がサブA
/Dコンバータ9の入力電圧レンジ(入力電圧のフルス
ケールレンジ)の2倍になる。それにより、利得2の演
算増幅回路11の出力電圧レンジとD/Aコンバータ1
0の出力電圧レンジとが一致する。したがって、各段の
回路3〜5の回路構成を複雑化せず、かつ回路規模を増
大させることなく、差分増幅器14が同じ出力電圧レン
ジのアナログ信号の差分を増幅することが可能となる。
【0105】また、各段の回路3〜5内に2段の演算増
幅回路11,13が設けられているので、各演算増幅回
路11,13のループ定数を低減することができ、かつ
各演算増幅回路11,13の負荷容量が低減される。そ
の結果、各演算増幅回路11,13の性能を向上させる
ことなく、変換速度を高速化することが可能となる。
【0106】また、初段の回路3におけるビット構成が
4ビットに構成され、2段から最終段の回路4〜6のビ
ット構成が2ビットずつに均等分割され、4−2−2−
2構成が採用されているので、高い変換精度が得られる
(例えば特開平9−69776号公報参照)。
【0107】なお、本実施の形態では、各段の回路3〜
5の演算増幅回路11,13の利得が2となっている
が、演算増幅回路11,13の利得をそれぞれ他の値に
設定してもよい。
【0108】また、上記実施の形態では、各段の回路3
〜5において、2段の演算増幅回路11,13が設けら
れているが、各段の回路に3段以上の演算増幅回路を設
けてもよい。
【0109】図2は図1のアナログ−デジタル変換回路
1における1段目の回路3内のサブA/Dコンバータ9
およびD/Aコンバータ10の回路図である。図2のサ
ブA/Dコンバータ9は全並列比較(フラッシュ)方式
サブA/Dコンバータであり、D/Aコンバータ10は
容量アレイ方式D/Aコンバータである。
【0110】サブA/Dコンバータ9は、基準電圧を発
生する抵抗回路90およびn個のコンパレータD1〜D
nから構成される。抵抗回路90は、抵抗nRおよびn
個の抵抗Rからなる。抵抗nRは抵抗Rのn倍の抵抗値
を有し、高電位側基準電圧VRTを受けるノードN31
と中間ノードN35との間に接続されている。n個の抵
抗Rは同じ抵抗値を有し、中間ノードN35と低電位側
基準電圧VRBを受けるノードN32との間に直列に接
続されている。中間ノードN35には、高電位側基準電
圧VRTと低電位側基準電圧VRBとの間の中間の電圧
である第1の中間基準電圧VRT1が得られる。ここ
で、ノードN32と中間ノードN35との間に接続され
たn個の抵抗R間のノードN41〜N4nの電位をそれ
ぞれVR(1)〜VR(n)とする。
【0111】各コンパレータD1〜Dnの正入力端子に
は入力信号VI(アナログ入力信号Vin)が入力され
る。また、各コンパレータD1〜Dnの負入力端子に
は、それぞれノードN41〜N4nの電位VR(1)〜
VR(n)が印加される。
【0112】それにより、各コンパレータD1〜Dnの
出力は、それぞれ入力信号VIが電位VR(1)〜VR
(n)よりも高い場合には、ハイレベルとなり、それぞ
れ入力信号VIが電位VR(1)〜VR(n)よりも低
い場合には、ローレベルとなる。
【0113】D/Aコンバータ10は、アレイ状に接続
されたそれぞれn個のスイッチE1〜En,F1〜F
n,G1〜Gn,H1〜Hn、n個の正側コンデンサB
1〜Bn、およびn個の負側コンデンサC1〜Cnから
構成される。
【0114】コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnはすべ
て同じ容量値cを有する。コンデンサB1〜Bnの一方
の端子(以下、出力端子と呼ぶ)からは差動正側出力電
圧VDA(+)が生成され、コンデンサC1〜Cnの一
方の端子(以下、出力端子という)からは差動負側出力
電圧VDA(−)が生成される。なお、各コンデンサB
1〜Bn,C1〜Cnの他方の端子を入力端子と呼ぶ。
【0115】各スイッチE1〜Enの一方の端子はノー
ドN31に接続され、他方の端子はコンデンサB1〜B
nの入力端子に接続されている。各スイッチF1〜Fn
の一方の端子はノードN31に接続され、他方の端子は
コンデンサC1〜Cnの入力端子に接続されている。各
スイッチG1〜Gnの一方の端子はノードN32に接続
され、他方の端子はコンデンサB1〜Bnの入力端子に
接続されている。各スイッチH1〜Hnの一方の端子は
ノードN32に接続され、他方の端子はコンデンサC1
〜Cnの入力端子に接続されている。
【0116】各スイッチE1〜En,F1〜Fn,G1
〜Gn,H1〜Hnはそれぞれ同一番号のスイッチで4
連スイッチを構成する。例えば、スイッチE1,F1,
G1,H1は1連であり、スイッチEn,Fn,Gn,
Hnも1連である。そして、各スイッチE1〜En,F
1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hnはそれぞれ各コンパ
レータD1〜Dnの出力レベルに従ってオンオフ動作す
る。例えば、コンパレータDnの出力がハイレベルの場
合、スイッチEn,Hnがオンし、スイッチGn,Fn
はオフする。逆に、コンパレータDnの出力がローレベ
ルの場合、スイッチEn,Hnがオフし、スイッチG
n,Fnがオンする。
【0117】次に、D/Aコンバータ10の動作を説明
する。初期条件では、各コンデンサB1〜Bnの入力端
子および出力端子の電位が共に0Vであり、各スイッチ
E1〜En,F1〜Fn,G1〜Gn,H1〜Hnはす
べてオフしている。したがって、初期条件では、すべて
のコンデンサB1〜Bn,C1〜Cnに蓄えられた電荷
(電気量)Q1=0である。
【0118】ここで、n個のコンパレータD1〜Dnの
うちm個の出力がハイレベルになった場合、各スイッチ
E1〜Enのうちm個がオンして(n−m)個がオフ
し、各スイッチG1〜Gnのうち(n−m)個がオンし
てm個がオフする。この各スイッチE1〜En,G1〜
Gnのオンオフ動作に従って、すべてのコンデンサB1
〜Bnに蓄えられる電荷Q2は次式(A1)で表され
る。
【0119】 Q2=m(VRT−VDA(+))c+(n−m)(VRB−VDA(+)) c…(A1) 電荷保存則より、Q1=Q2である。したがって、差動
正側出力電圧VDA(+)は次式(A2)で表される。
【0120】 VDA(+)=VRB+m(VRT−VRB)/n…(A2) 一方、n個のコンパレータD1〜Dnのうちm個の出力
がハイレベルになった場合、各スイッチH1〜Hnのう
ちm個がオンして(n−m)個がオフし、各スイッチF
1〜Fnのうち(n−m)個がオンしてm個がオフす
る。この各スイッチH1〜Hn,F1〜Fnのオンオフ
動作に従って、すべてのコンデンサC1〜Cnに蓄えら
れる電荷Q3は次式(A3)で表される。
【0121】 Q3=(n−m)(VRT−VDA(−))c+m(VRB−VDA(−)) c…(A3) 電荷保存則より、Q1=Q3である。したがって、差動
負側出力電圧VDA(−)は次式(A4)で表される。
【0122】 VDA(−)=VRT−m(VRT−VRB)/n…(A4) したがって、上式(A2),(A4)より、差分電圧Δ
VDAは式(A5)で表される。
【0123】 ΔVDA=VDA(+)−VDA(−) =VRB−VRT+2m(VRT−VRB)/n…(A5) 上記の例では、サブA/Dコンバータ9の基準電圧レン
ジRA1は、第1の中間基準電圧VRT1と低電位側基
準電圧VRBとの間の範囲となり、D/Aコンバータ1
0の基準電圧レンジRD1は、高電位側基準電圧VRT
と低電位側基準電圧VRBとの間の範囲となる。ここ
で、2RA1=RD1である。
【0124】この場合、サブA/Dコンバータ9の入力
電圧レンジは基準電圧レンジRA1に等しくなり、D/
Aコンバータ10の出力電圧レンジは基準電圧レンジR
D1に等しくなる。
【0125】このように、サブA/Dコンバータ9の基
準電圧レンジRA1とD/Aコンバータ10の基準電圧
レンジDA1との比を1:2にすることにより、D/A
コンバータ10の出力電圧レンジをサブA/Dコンバー
タ9の入力電圧レンジの2倍にすることができる。
【0126】なお、図2においては、理解を容易にする
ために、単一入力用のサブA/Dコンバータ9の構成を
示しているが、本実施の形態では、差動入力用のサブA
/Dコンバータ9を用いる。
【0127】図3は差動入力用のサブA/Dコンバータ
9およびD/Aコンバータ10の構成を示す回路図であ
る。
【0128】図3のサブA/Dコンバータ9において、
高電位側基準電圧VRTを受けるノードN31と中間ノ
ードN35との間に抵抗nRが接続されている。中間ノ
ードN35と低電位側基準電圧VRBを受けるノードN
32との間にそれぞれn個の抵抗Rからなる2組の直列
接続回路が並列に接続されている。中間ノードN35か
らは第1の中間基準電圧VRT1が得られる。
【0129】ここで、中間ノードN35とノードN32
との間の一方の直列接続回路において、n個の抵抗Rの
間のノードの電位を順にVRn(+)〜VR1(+)と
する。また、中間ノードN35とノードN32との間の
他方の直列接続回路において、n個の抵抗Rの間のノー
ドの電位を順にVR1(1)〜VRn(−)とする。
【0130】コンパレータD1の正入力端子に接続され
るコンデンサには、差動入力信号の一方の電圧V
i (+)がスイッチを介して与えられるとともに、基準
電圧VR1(+)がスイッチを介して与えられる。ま
た、コンパレータD1の負入力端子に接続されるコンデ
ンサには、差動入力信号の一方の電圧Vi (−)がスイ
ッチを介して与えられるとともに、基準電圧VR1
(−)がスイッチを介して与えられる。
【0131】同様にして、コンパレータDnの正入力端
子に接続されるコンデンサには、差動入力信号の一方の
電圧Vi (+)がスイッチを介して与えられるととも
に、基準電圧VRn(+)がスイッチを介して与えられ
る。また、コンパレータDnの負入力端子に接続される
コンデンサには、差動入力信号の他方の電圧Vi (−)
がスイッチを介して与えられるとともに、基準電圧VR
n(−)がスイッチを介して与えられる。
【0132】図4は1段目〜4段目の基準電圧を発生す
るための抵抗回路を示す回路図である。本例では、n=
16としている。
【0133】図4に示すように、1段目の抵抗回路90
においては、高電位側基準電圧VRTを受けるノードN
31と低電位側基準電圧VRBを受けるノードN32と
の間に1番目の抵抗16Rおよび2番目〜5番目の抵抗
4Rが直列に接続されている。抵抗16Rは、抵抗4R
の4倍の抵抗値を有する。1番目の抵抗16Rと2番目
の抵抗4Rとの間の中間ノードN35から第1の中間基
準電圧VRT1が得られる。1段目の回路3において
は、中間ノードN35とノードN32との間の電圧範囲
がサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジRA1とな
り、ノードN31とノードN32との間の電圧範囲がD
/Aコンバータ10の基準電圧レンジRD1となる。
【0134】2段目および3段目の抵抗回路91,92
においては、1番目の抵抗16Rと2番目の抵抗4Rと
の間のノードn21,n31から第1の中間基準電圧V
RT1が得られ、2番目の抵抗4Rと3番目の抵抗4R
との間のノードn22,n32から第2の中間基準電圧
VRT2が得られ、4番目の抵抗4Rと5番目の抵抗4
Rとの間のノードn23,n33から第3の中間基準電
圧VRT3が得られる。
【0135】2段目および3段目の回路4,5におい
て、ノードn22,n32とノードn23,n33との
間の電圧範囲がサブA/Dコンバータ9の基準電圧レン
ジRA2,RA3となり、ノードn21,n31とノー
ドN32との間の電圧範囲がD/Aコンバータ10の基
準電圧レンジRD2,RD3となる。
【0136】4段目の抵抗回路93においては、2番目
の抵抗4Rと3番目の抵抗4Rとの間のノードn42か
ら第2の中間基準電圧VRT2が得られ、4番目の抵抗
4Rと5番目の抵抗4Rとの間のノードn43から第3
の中間基準電圧VRT3が得られる。4段目の回路6に
おいて、ノードn42とノードn43との間の電圧範囲
がサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジRA4とな
る。
【0137】例えば、1段目の抵抗回路90の抵抗値は
400Ωであり、2段目〜4段目の抵抗回路91〜93
の抵抗値は1200Ωである。
【0138】図4の抵抗回路90〜92によれば、各段
の回路3〜5において、D/Aコンバータ10の基準電
圧レンジがサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジの
2倍となる。
【0139】ここで、例えば、高電位側基準電圧VRT
と低電位側基準電圧VRBとの差が1Vであるとする。
この場合、単一入力(シングルエンド入力)処理では、
1段目のD/Aコンバータ10の基準電圧レンジRD1
は1Vとなり、1段目のサブA/Dコンバータ9の基準
電圧レンジRA1は0.5Vとなる。一方、差動入力
(ダブルエンド入力)処理では、1段目のD/Aコンバ
ータ10の基準電圧レンジRD1は1V×2=2Vとな
り、1段目のサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジ
RA1は0.5V×2=1Vとなる。
【0140】図5は差動入力用の基準電圧レンジを説明
するための図である。図5において、VREF(+)お
よびVREF(−)は、サブA/Dコンバータ9に与え
られる差動入力用の基準電圧を示す。
【0141】基準電圧VREF(+)は0.25V〜
0.75Vの範囲内で変化し、基準電圧VREF(−)
は0.75V〜0.25Vの範囲内で変化する。したが
って、基準電圧VREF(+)と基準電圧VREF
(−)との差は−0.5V〜+0.5Vの範囲で変化
し、基準電圧レンジのフルスケールは1Vとなる。
【0142】次に示すように、本実施の形態のアナログ
−デジタル変換回路1においては、各段の回路3〜5に
おいてサブA/Dコンバータ9の基準電圧レンジとD/
Aコンバータ10の基準電圧レンジとの比を任意に設定
することにより、演算増幅回路11の利得および演算増
幅回路13の利得を任意に設定することが可能となる。
【0143】図6および図7はサブA/Dコンバータ9
およびD/Aコンバータ10の基準電圧レンジ比と演算
増幅回路11,13の利得との関係を示す図である。
【0144】図6に示すように、演算増幅回路11の利
得を1に設定し、演算増幅回路13の利得を4に設定す
る場合、サブA/Dコンバータ9およびD/Aコンバー
タ10の基準電圧レンジ比を1:1に設定する。これに
より、演算増幅回路11の出力電圧レンジとD/Aコン
バータ10の出力電圧レンジとを一致させることができ
る。
【0145】また、図7に示すように、演算増幅回路1
1の利得を2に設定し、演算増幅回路13の利得を2に
設定する場合、サブA/Dコンバータ9およびD/Aコ
ンバータ10の基準電圧レンジ比を1:2に設定する。
これにより、演算増幅回路11の出力電圧レンジとD/
Aコンバータ10の出力電圧レンジとを一致させること
ができる。
【0146】このように、本実施の形態のアナログ−デ
ジタル変換回路1においては、サブA/Dコンバータ9
の基準電圧レンジとD/Aコンバータ10の基準電圧レ
ンジとをそれぞれ独立に設定することにより、演算増幅
回路11,13の利得を任意に設定することができる。
それにより、各段の回路3〜5の設計の自由度が大きく
なる。したがって、消費電力および回路の占有面積を考
慮し、各段の回路3〜5の構成要素であるサブA/Dコ
ンバータ9、D/Aコンバータ10、演算増幅回路11
および差分増幅器14をそれぞれ適切な電圧レンジで設
計することが可能となる。
【0147】図8は本発明の第2の実施の形態における
アナログ−デジタル変換回路の構成を示すブロック図で
ある。図8のアナログ−デジタル変換回路1aも、10
ビット4段パイプライン構成を有する。
【0148】図8のアナログ−デジタル変換回路1aが
図1のアナログ−デジタル変換回路1と異なるのは、1
段目〜3段目の回路3〜5において差分増幅器14の代
わりに差分増幅器14aが用いられる点である。差分増
幅器14aは、減算回路12aおよび演算増幅回路13
aにより構成される。
【0149】また、1段目〜4段目の回路3〜6におい
て、サブA/Dコンバータ9およびD/Aコンバータ1
0には、図16のアナログ−デジタル変換回路101と
同様に、高電位側基準電圧VRTおよび低電位側基準電
圧VRBが与えられる。すなわち、サブA/Dコンバー
タ9の基準電圧レンジとD/Aコンバータ10の基準電
圧レンジとは同一である。
【0150】図8のアナログ−デジタル変換回路1aの
その他の部分の構成および動作は図1のアナログ−デジ
タル変換回路1の構成および動作と同様である。
【0151】図9は図8のアナログ−デジタル変換回路
1aにおける差分増幅器14aの動作原理を説明するた
めの回路図である。また、図10は図9の差分増幅器1
4aの動作を説明するための図である。図9の差分増幅
器14aは完全差動方式の減算増幅回路である。
【0152】図9の差分増幅器14aにおいて、演算増
幅器100の反転入力端子はノードNaに接続され、非
反転入力端子はノードNbに接続されている。また、演
算増幅器100の反転出力端子は、ノードNO1に接続
されるとともに、コンデンサ20aを介して反転入力端
子に接続され、非反転出力端子は、ノードNO2に接続
されるとともに、コンデンサ20bを介して非反転入力
端子に接続されている。
【0153】ノードNaはスイッチSW11を介して接
地され、ノードNbはスイッチSW12を介して接地さ
れている。また、ノードNaは、コンデンサ30aを介
してノードN11に接続され、かつコンデンサ40aを
介してノードN12に接続されている。ノードNbは、
コンデンサ30bを介してノードN21に接続され、か
つコンデンサ40bを介してノードN22に接続されて
いる。ノードNO1はスイッチSW14を介して接地さ
れ、ノードNO2はスイッチSW15を介して接地され
ている。ノードNO1,NO2間には、スイッチSW1
3が接続されている。このスイッチSW13は、スイッ
チSW11,SW12,SW14,SW15と同じタイ
ミングで作動する。
【0154】コンデンサ20a,20bの容量値はそれ
ぞれCであり、コンデンサ30a,30bの容量値はそ
れぞれ2Cであり、コンデンサ40a,40bの容量値
はそれぞれ4Cである。
【0155】この差分増幅器14aには、同じ段の演算
増幅回路11により利得2で増幅された差分電圧2ΔV
iが与えられる。2ΔVi =2Vi (+)−2V
i (−)である。また、この差分増幅器14aには、同
じ段のD/Aコンバータ10のD/A変換結果が差分電
圧ΔVDAとして与えられる。ΔVDA=VDA(+)
−VDA(−)である。
【0156】ノードN11には2Vi (+)からVA1
変化する電圧が入力され、ノードN12にはVA2からV
DA(+)に変化する電圧が入力され、ノードN21に
は2Vi (−)からVA1に変化する電圧が入力され、ノ
ードN22にはVA2からVDA(−)に変化する電圧が
入力される。
【0157】次に、図10を参照しながら図9の差分増
幅器14aの動作を説明する。ここで、接地電位をVG
とする。
【0158】まず、スイッチSW11,SW12,SW
14,SW15をオンにする。このとき、スイッチSW
13もオンにする。そして、ノードN11に電圧2Vi
(+)を入力し、ノードN12に設定電圧VA2を入力
し、ノードN21に電圧2Vi(−)を入力し、ノード
N22に設定電圧VA2を入力する。それにより、ノード
NO1,NO2は接地電位VG となる。
【0159】次に、スイッチSW11,SW12,SW
14,SW15をオフにする。このとき、スイッチSW
13もオフにする。そして、ノードN11に設定電圧V
A1を入力し、ノードN12に電圧VDA(+)を入力
し、ノードN21に設定電圧V A1を入力し、ノードN2
2に電圧VDA(−)を入力する。それにより、ノード
NO1,NO2の電圧はそれぞれVO (+),V
O (−)となる。
【0160】電荷保存則によりノードNO1,NO2の
電圧VO (+),VO (−)を求めると次式のようにな
る。
【0161】VO (+)=VG +2Vi (+)・2−V
DA(+)・4+VA1・2−VA2・4 VO (−)=VG +2Vi (−)・2−VDA(−)・
4+VA1・2−VA2・4 したがって、差分電圧ΔVO は次式のようになる。
【0162】 ΔVO =VO (+)−VO (−) ={Vi (+)−Vi (−)}・4−{VDA(+)−VDA(−)}・4 =(ΔVi −ΔVDA)・4 このように、図9の差分増幅器14aにおいては、同じ
段の演算増幅回路11から与えられる差分電圧2ΔVi
と同じ段のD/Aコンバータ10から与えられる差分電
圧ΔVDAの2倍との減算および利得2の増幅が行われ
る。すなわち、差分電圧ΔVi の4倍と差分電圧ΔVD
Aの4倍との差分が算出される。
【0163】この場合、設定電圧VA1,VA2は任意に設
定することができる。したがって、設定電圧VA1として
前段の演算増幅回路11の出力のイコライズ(等電位
化)時の電圧を用いることができる。また、設定電圧V
A2として外部電圧を用いることができる。
【0164】このように、アナログ入力信号である電圧
2Vi (+),2Vi (−)をノードN11,N21に
スイッチを介することなく入力することができるので、
雑音が低減されるとともに、低電圧動作が可能となる。
したがって、アナログ−デジタル変換回路1aの低電圧
化および高精度化を図ることができる。
【0165】図11は図9の差分増幅器14aを図8の
アナログ−デジタル変換回路1aに用いた場合のD/A
コンバータ10および差分増幅器14aの具体的な構成
を示す回路図である。図12は1段目のサブA/Dコン
バータ10の一部、1段目の差分増幅器14aおよび2
段目の演算増幅回路11の構成を示す回路図である。な
お、図12は、n=16の場合を示す。
【0166】図11において、D/Aコンバータ10の
ノードN30は、スイッチS1〜Snを介してそれぞれ
コンデンサB1〜Bnの入力端子に接続されている。ま
た、このノードN30は、スイッチT1〜Tnを介して
それぞれコンデンサC1〜Cnの入力端子に接続されて
いる。ノードN30には設定電圧VA2が入力され、ノー
ドN31には高電位側基準電圧VRTが入力され、ノー
ドN32には低電位側基準電圧VRBが入力される。コ
ンデンサB1〜Bnの出力端子は差分増幅器111のノ
ードNaに接続され、コンデンサC1〜Cnの出力端子
は差分増幅器111のノードNbに接続されている。
【0167】差分増幅器14aのノードNaはコンデン
サ30aを介してノードN11に接続され、かつスイッ
チSW11を介して所定の電位Vagを受けるノードに接
続されている。ノードNbはコンデンサ30bを介して
ノードN21に接続され、かつスイッチSW12を介し
て電位Vagを受けるノードに接続されている。ノードN
11には電圧2Vi (+)が入力され、ノードN21に
は電圧2Vi (−)が入力される。また、ノードNO1
はスイッチSW14を介して電位Vagを受けるノードに
接続され、かつコンデンサCL1を介して接地されてい
る(図12参照)。ノードNO2はスイッチSW15を
介して電位Vagを受けるノードに接続され、かつコンデ
ンサCL2を介して接地されている(図12参照)。
【0168】なお、スイッチSW11,SW12に与え
られる電位VagとスイッチSW14,SW15に与え
られる電位Vagとが異なってもよい。
【0169】コンデンサ20a,20bの容量値はそれ
ぞれCであり、コンデンサ30a,30bの容量値は2
Cである。また、コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの
容量値はそれぞれ4C/nである。例えば、n=16の
場合、コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの容量値はそ
れぞれC/4である。
【0170】ノードNO1,NO2から出力される電圧
0 (+),V0 (−)は2段目のサブA/Dコンバー
タ9に与えられる。
【0171】図12に示すように、演算増幅回路11の
ノードNcとノードNO11との間にコンデンサ220
aが接続されている。また、ノードNdとノードNO2
1との間にコンデンサ220bが接続されている。ノー
ドNcはコンデンサ230aを介してノードNO1に接
続され、かつスイッチSW21を介して電位Vagを受け
るノードに接続されている。ノードNdはコンデンサ2
30bを介してノードNO2に接続され、かつスイッチ
SW22を介して電位Vagを受けるノードに接続されて
いる。ノードNO11はスイッチSW23を介して電位
Vagを受けるノードに接続され、かつコンデンサCL3
を介して接地されている。ノードNO21はスイッチS
W24を介して電位Vagを受けるノードに接続され、か
つコンデンサCL4を介して接地されている。
【0172】コンデンサ220a,220bの容量値は
それぞれCであり、コンデンサ230a,230bの容
量値はそれぞれ2Cである。それにより、ノードNO1
1から2倍に増幅された電圧Vout(+)が出力され、
ノードNO21から増幅された電圧Vout(−)が出力
される。
【0173】なお、スイッチS1〜Sn,G1〜Gn,
E1〜En,F1〜Fn,H1〜Hn,T1〜Tn,S
W11,SW12,SW13,SW14,SW15,S
W21,SW22,SW23,SW24は、CMOS回
路からなるアナログスイッチである。
【0174】次に、図11および図12のD/Aコンバ
ータ10および差分増幅器14aの動作を説明する。
【0175】まず、スイッチSW11,SW12,SW
14,SW15をオンにする。このとき、スイッチSW
13もオンにする。そして、スイッチS1〜Sn,T1
〜Tnをオンにする。それにより、コンデンサB1〜B
n,C1〜Cnの入力端子に設定電圧VA2が入力され
る。また、ノードN11に電圧2Vi (+)が入力さ
れ、ノードN21に電圧2Vi (−)が入力される。そ
れにより、ノードNO1,NO2は接地電位となる。
【0176】次に、スイッチSW11,SW12,SW
14,SW15をオフにする。このとき、スイッチSW
13もオフにする。そして、スイッチS1〜Sn,T1
〜Tnをオフにする。各スイッチE1〜En,F1〜F
n,G1〜Gn,H1〜Hnが、それぞれ図3の各コン
パレータD1〜Dnの出力レベルに従ってオンまたはオ
フし、コンデンサB1〜Bn,C1〜Cnの入力端子に
それぞれ電圧が印加される。
【0177】このとき、ノードN11,N21に入力さ
れる電圧2Vi (+),2Vi (−)は、図10に示す
ように、共に等しい電圧VA1にイコライズされている。
これにより、ノードNO1,NO2間の差分電圧ΔVO
は、図10を用いて説明したように、次式のようにな
る。
【0178】 ΔVO =VO (+)−VO (−)=(ΔVi −ΔVD
A)・4 このように、ノードN11,N21に入力する設定電圧
A1として前段の演算増幅回路11の出力を用いること
ができるので、ノードN11にスイッチを用いることな
く電圧2Vi (+)および設定電圧VA1を入力すること
ができ、かつノードN21にスイッチを用いることなく
電圧2Vi (−)および設定電圧VA1を入力することが
できる。
【0179】また、ノードN30に入力する設定電圧V
A2として任意の電圧を用いることができる。例えば、設
定電圧VA2として高電位側基準電圧VRTまたは低電位
側基準電圧VRBを用いることもできる。
【0180】また、これらの設定電圧VA1,VA2を電源
電圧または接地電圧の付近に設定できる。これにより、
CMOSスイッチを使用しても低電圧動作が可能にな
る。
【0181】これらの結果、スイッチ雑音が低減される
とともに、低電圧動作が可能な高精度なアナログ−デジ
タル変換回路が実現される。
【0182】上記のように、本実施の形態のアナログ−
デジタル変換回路においては、各段の回路3〜5内の演
算増幅回路11によりアナログ信号が2倍に増幅され、
差分増幅器14aにおいて演算増幅回路11の出力電圧
が2倍に増幅され、かつD/Aコンバータ10の出力電
圧が4倍に増幅され、増幅された演算増幅回路11の出
力電圧と増幅されたD/Aコンバータ10の出力電圧と
の差分が算出される。ここで、演算増幅回路11の出力
電圧レンジの2倍とD/Aコンバータ10の出力電圧レ
ンジの4倍とは同一の出力電圧レンジとなる。したがっ
て、各段の回路3〜5の回路構成を複雑化せず、かつ回
路規模を増大させることなく、差分増幅器14aが同じ
出力電圧レンジのアナログ信号の差分を算出することが
可能となる。
【0183】このように、演算増幅回路11の出力電圧
の増幅率およびD/Aコンバータ10の出力電圧の増幅
率をそれぞれ独立に設定することができるので、演算増
幅回路11,13の利得を任意に設定することができ
る。それにより、各段の回路3〜5の設計の自由度が大
きくなる。したがって、消費電力および回路の占有面積
を考慮し、各段の回路3〜5の構成要素であるサブA/
Dコンバータ9、D/Aコンバータ10、演算増幅回路
11および差分増幅器14aをそれぞれ適切な電圧レン
ジで設計することが可能となる。
【0184】なお、第1の実施の形態のアナログ−デジ
タル変換回路1に第2の実施の形態アナログ−デジタル
変換回路1aにおける差分増幅器14aを組み合わせて
用いてもよい。
【0185】この場合、演算増幅回路11の出力電圧レ
ンジとD/Aコンバータ10の出力電圧レンジとが等し
くなるように、サブA/Dコンバータ9およびD/Aコ
ンバータ10の基準電圧レンジ比ならびにD/Aコンバ
ータ10および差分増幅器14aにおけるコンデンサ3
0a,30bとコンデンサB1〜Bn,C1〜Cnとの
容量比を設定する。
【0186】図13は図8のアナログ−デジタル変換回
路1aにおける単一入力(シングルエンド入力)用の差
分増幅器14aの動作原理を説明するための回路図であ
る。また、図14は図13の差分増幅器の動作を説明す
るための図である。
【0187】図13において、演算増幅器100の反転
入力端子はノードNBに接続され、非反転入力端子は接
地されている。また、演算増幅器100の出力端子はノ
ードNOに接続されるとともに、コンデンサ20を介し
て反転入力端子に接続されている。演算増幅器100の
反転入力端子と非反転入力端子との間にはスイッチSW
11が接続されている。ノードNBは、コンデンサ30
を介してノードN11に接続され、かつコンデンサ40
を介してノードN12に接続されている。ノードNOは
スイッチSW15を介して接地されている。
【0188】ノードN11には2Vi からVA に変化す
る電圧が入力され、ノードN12にはVA からVDA
に変化する電圧が入力される。VA は任意の設定電圧で
ある。ノードNOからは電圧VO が出力される。
【0189】次に、図14を参照しながら図13の差分
増幅器の動作を説明する。ここでは、コンデンサ20の
容量値をCとし、コンデンサ30の容量値を2Cとし、
コンデンサ40の容量値を4Cとする。また、接地電位
をVG とする。
【0190】まず、スイッチSW11,SW15をオン
にする。そして、ノードN11に電圧2Vi を入力し、
ノードN12に設定電圧VA2 を入力する。ノードNO
は接地電位VG となる。このとき、ノードNBの電荷Q
aは次式のようになる。
【0191】Qa=2C(VG −2Vi )+4C(VG
−VA2 ) 次に、スイッチSW11,SW15をオフにする。そし
て、ノードN11に設定電圧VA1 を入力し、ノードN
12に電圧VDA を入力する。ノードNOの電圧はV
O となる。このとき、ノードNBの電荷Qbは次式のよ
うになる。
【0192】Qb=2C(VG −VA1 )+4C(VG
−VDA )+C(VG −VO ) ノードNBには電荷が抜け出る経路がないので、電荷保
存則によりQa=Qbとなり、次式が成立する。
【0193】 2C(VG −2Vi )+4C(VG −VA2 ) =2C(VG −VA1 )+4C(VG −VDA)+C(VG −VO ) 上式より、ノードNOの電圧VO は次式のようになる。
【0194】 VO =VG +4(Vi −VDA)+4VA2−2VA1 =4(Vi −VDA)+OF ここで、OFはオフセット電圧である。この場合、オフ
セット電圧OFを除去する手段を次段との間に設ける必
要がある。
【0195】このように、図13の差分増幅器14aに
おいては、同じ段の演算増幅回路11から与えられる電
圧2Vi と同じ段のD/Aコンバータ10から与えられ
る電圧VDAの2倍との減算および利得2の増幅が行わ
れる。すなわち、電圧Vi の4倍と電圧VDAの4倍の
との差分が算出される。
【0196】この場合、設定電圧VA1 は任意に設定す
ることができる。したがって、設定電圧VA1 として前
段の演算増幅回路11の出力の一定電圧を用いることが
できる。また、設定電圧VA2 として外部電圧を用いる
ことができる。
【0197】このように、アナログ入力信号である電圧
2ViをノードN11にスイッチを介することなく入力
することができるので、雑音が低減されるとともに、低
電圧動作が可能となる。したがって、アナログ−デジタ
ル変換回路1aの低電圧化および高精度化を図ることが
できる。
【0198】図15は図13の差分増幅器14aを図8
のアナログ−デジタル変換回路1aに用いた場合のD/
Aコンバータ10および差分増幅器14aの具体的な構
成を示す回路図である。
【0199】図15において、D/Aコンバータ10の
ノードN30は、スイッチS1〜Snを介してそれぞれ
コンデンサB1〜Bnの入力端子に接続されている。ま
た、ノードN30には設定電圧VA2 が入力され、ノー
ドN31には高電位側基準電圧VRTが入力され、ノー
ドN32には低電位側基準電圧VRBが入力される。コ
ンデンサB1〜Bnの出力端子は差分増幅器111のノ
ードNaに接続されている。
【0200】差分増幅器14aのノードNaはコンデン
サ30を介してノードN11に接続され、かつスイッチ
SW11を介して所定の電位Vagを受けるノードに接続
されている。ノードN11には電圧2Viが入力され
る。また、ノードNOはスイッチSW15を介して電位
Vagを受けるノードに接続されている。
【0201】コンデンサ20の容量値はCであり、コン
デンサ30の容量値は2Cである。また、コンデンサB
1〜Bnの容量値はそれぞれ4C/nである。例えば、
n=16の場合、コンデンサB1〜Bnの容量値はC/
4である。
【0202】ノードNOから出力される電圧V0は2段
目のサブA/Dコンバータ9に与えられる。
【0203】次に、図15のD/Aコンバータ10およ
び差分増幅器14aの動作を説明する。
【0204】まず、スイッチSW11,SW15をオン
にする。そして、スイッチS1〜Snをオンにする。そ
れにより、コンデンサB1〜Bnの入力端子に設定電圧
A2が入力される。また、ノードN11に電圧2Vi
入力される。それにより、ノードNOは接地電位とな
る。
【0205】次に、スイッチSW11,SW15をオフ
にする。そして、スイッチS1〜Snをオフにする。各
スイッチE1〜En,G1〜Gnが、それぞれ図3の各
コンパレータD1〜Dnの出力レベルに従ってオンまた
はオフし、コンデンサB1〜Bnの入力端子にそれぞれ
電圧が印加される。
【0206】このとき、ノードN11に入力される電圧
は、図14に示すように、VA2に設定されている。これ
により、ノードNOの電圧VO は、図14を用いて説明
したように、次式のようになる。
【0207】 VO =VG +4(Vi −VDA)+4VA2−2VA1 このように、ノードN11に入力する設定電圧VA1とし
て前段の演算増幅回路11の出力を用いることができる
ので、ノードN11にスイッチを用いることなく電圧2
iおよび設定電圧VA1を入力することができる。
【0208】また、ノードN30に入力する設定電圧V
A2として任意の電圧を用いることができる。例えば、設
定電圧VA2として高電位側基準電圧VRTまたは低電位
側基準電圧VRBを用いることもできる。
【0209】また、これらの設定電圧VA1,VA2を電源
電圧または接地電圧の付近に設定できる。これにより、
CMOSスイッチを使用しても低電圧動作が可能にな
る。
【0210】これらの結果、スイッチ雑音が低減される
とともに、低電圧動作が可能な高精度なアナログ−デジ
タル変換回路が実現される。
【0211】上記のように、単一入力用のアナログ−デ
ジタル変換回路においても、各段の回路3〜5内の演算
増幅回路11によりアナログ信号が2倍に増幅され、差
分増幅器14aにおいて演算増幅回路11の出力電圧が
2倍に増幅され、かつD/Aコンバータ10の出力電圧
が4倍に増幅され、増幅された演算増幅回路11の出力
電圧と増幅されたD/Aコンバータ10の出力電圧との
差分が算出される。ここで、演算増幅回路11の出力電
圧レンジの2倍とD/Aコンバータ10の出力電圧レン
ジの4倍とは同一の出力電圧レンジとなる。したがっ
て、各段の回路3〜5の回路構成を複雑化せず、かつ回
路規模を増大させることなく、差分増幅器14aが同じ
出力電圧レンジのアナログ信号の差分を算出することが
可能となる。
【0212】このように、演算増幅回路11の出力電圧
の増幅率およびD/Aコンバータ10の出力電圧の増幅
率をそれぞれ独立に設定することができるので、演算増
幅回路11,13の利得を任意に設定することができ
る。それにより、各段の回路3〜5の設計の自由度が大
きくなる。したがって、消費電力および回路の占有面積
を考慮し、各段の回路3〜5の構成要素であるサブA/
Dコンバータ9、D/Aコンバータ10、演算増幅回路
11および差分増幅器14aをそれぞれ適切な電圧レン
ジで設計することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるアナログ−
デジタル変換回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のアナログ−デジタル変換回路における1
段目の回路内のサブA/DコンバータおよびD/Aコン
バータ回路図である。
【図3】差動入力用のサブA/DコンバータおよびD/
Aコンバータの構成を示す回路図である。
【図4】1段目〜4段目の基準電圧を発生するための抵
抗回路を示す回路図である。
【図5】差動入力用の基準電圧レンジを説明するための
図である。
【図6】サブA/DコンバータおよびD/Aコンバータ
の基準電圧レンジ比と演算増幅回路の利得との関係を示
す図である。
【図7】サブA/DコンバータおよびD/Aコンバータ
の基準電圧レンジ比と演算増幅回路の利得との関係を示
す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるアナログ−
デジタル変換回路の構成を示すブロック図である。
【図9】図8のアナログ−デジタル変換回路における差
分増幅器の動作原理を説明するための回路図である。
【図10】図9の差分増幅器の動作を説明するための図
である。
【図11】図9の差分増幅器を図8のアナログ−デジタ
ル変換回路に用いた場合のD/Aコンバータおよび差分
増幅器の具体的な構成を示す回路図である。
【図12】1段目のサブA/Dコンバータの一部、1段
目の差分増幅器および2段目の演算増幅回路の構成を示
す回路図である。
【図13】図8のアナログ−デジタル変換回路における
単一入力用の差分増幅器の動作原理を説明するための回
路図である。
【図14】図13の差分増幅器の動作を説明するための
図である。
【図15】図13の差分増幅器を図8のアナログ−デジ
タル変換回路に用いた場合のD/Aコンバータおよび差
分増幅器の具体的な構成を示す回路図である。
【図16】従来の多段パイプライン構成を有するアナロ
グ−デジタル変換回路の構成を示すブロック図である。
【図17】図16のアナログ−デジタル変換回路におけ
るサブA/DコンバータおよびD/Aコンバータの回路
図である。
【図18】アナログ−デジタル変換回路における差分増
幅器の動作原理を示す回路図である。
【図19】図18の差分増幅器の動作を説明するための
図である。
【図20】図16のアナログ−デジタル変換回路に図1
8の差分増幅器を用いた場合のD/Aコンバータおよび
差分増幅器の具体的な構成を示す回路図である。
【図21】従来のアナログ−デジタル変換回路を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1,1a アナログ−デジタル変換回路 3〜6 1段目〜4段目の回路 9 サブA/Dコンバータ 10 D/Aコンバータ 11,13,13a 演算増幅回路 12,12a 減算回路 14,14a 差分増幅器 VRT 高電位側基準電圧 VRB 低電位側基準電圧 VRT1 第1の中間基準電圧 VRT2 第2の中間基準電圧 VRT3 第3の中間基準電圧 VRT4 第4の中間基準電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J022 AA15 AB04 BA01 BA05 BA06 CA07 CB01 CB02 CB06 CC00 CE08 CF01 CF02 CF07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数段の回路からなる多段パイプライン
    構成を有し、 最終段の回路を除く各段の回路は、 入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナ
    ログ−デジタル変換器と、 入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、 前記アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル
    信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換
    器と、 前記演算増幅回路から出力されるアナログ信号と前記デ
    ジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号と
    の差分を増幅する差分増幅器とを備え、 最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、 前記演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、 前記演算増幅回路の出力電圧範囲と前記デジタル−アナ
    ログ変換器の出力電圧範囲とが等しくなるように前記デ
    ジタル−アナログ変換器の入力電圧範囲および前記アナ
    ログ−デジタル変換回路の出力電圧範囲がそれぞれ独立
    に設定されたことを特徴とするアナログ−デジタル変換
    回路。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも1段の回路において、 前記デジタル−アナログ変換器の入力電圧範囲と前記ア
    ナログ−デジタル変換回路の出力電圧範囲との比が前記
    演算増幅回路の利得に等しいことを特徴とする請求項1
    記載のアナログ−デジタル変換回路。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも1段の回路において、 前記アナログ−デジタル変換器は、第1の電圧範囲を有
    する基準電圧に基づいて動作し、前記デジタル−アナロ
    グ変換器は、第2の電圧範囲を有する基準電圧に基づい
    て動作し、 前記演算増幅回路の出力電圧範囲と前記デジタル−アナ
    ログ変換器の出力電圧範囲とが等しくなるように前記第
    1の電圧範囲および前記第2の電圧範囲がそれぞれ独立
    に設定されたことを特徴とする請求項1または2記載の
    アナログ−デジタル変換回路。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも1段の回路において、 前記第2の電圧範囲と前記第1の電圧範囲との比が前記
    第1の演算増幅回路の利得に等しいことを特徴とする請
    求項3記載のアナログ−デジタル変換回路。
  5. 【請求項5】 複数段の回路からなる多段パイプライン
    構成を有し、 最終段の回路を除く各段の回路は、 入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナ
    ログ−デジタル変換器と、 入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、 前記アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル
    信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換
    器と、 前記演算増幅回路から出力されるアナログ信号と前記デ
    ジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号と
    の差分を増幅する差分増幅器とを備え、 最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、 前記演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、 前記デジタル−アナログ変換器は、デジタル信号に応じ
    たアナログ信号の電圧を発生するための複数の容量がア
    レイ状に接続された容量アレイを有し、 前記差分増幅器は、入力容量、帰還容量および演算増幅
    器を有し、前記演算増幅回路から出力されたアナログ信
    号を前記入力容量の値および前記帰還容量の値により定
    まる第1の利得で増幅するとともに、前記デジタル−ア
    ナログ変換器により前記容量アレイに発生されるアナロ
    グ信号を前記容量アレイの値および前記帰還容量の値に
    より定まる第2の利得で増幅し、前記第1の利得で増幅
    されたアナログ信号と前記第2の利得で増幅されたアナ
    ログ信号との差分を出力し、 前記演算増幅回路の出力電圧範囲の前記第1の利得倍と
    前記デジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の前記第
    2の利得倍とが等しくなるように前記容量アレイの値お
    よび前記入力容量の値がそれぞれ独立に設定されたこと
    を特徴とするアナログ−デジタル変換回路。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも1段の回路において、 前記容量アレイの値と前記入力容量の値との比が前記演
    算増幅回路の利得に等しいことを特徴とする請求項5記
    載のアナログ−デジタル変換回路。
  7. 【請求項7】 前記少なくとも1段の回路において、 前記差分増幅器の前記演算増幅器は、前記容量アレイが
    接続される一方の入力端子を有しかつ他方の入力端子お
    よび出力端子を有し、 前記帰還容量は、前記演算増幅器の前記一方の入力端子
    と前記出力端子との間に接続され、 前記入力容量は、前記演算増幅器の前記一方の入力端子
    に前記容量アレイと並列に接続され、 前記差分増幅器は、前記演算増幅器の前記一方の入力端
    子と前記他方の入力端子との間を短絡状態にするととも
    に、前記入力容量の入力端に前記演算増幅器から出力さ
    れるアナログ信号を与え、かつ前記容量アレイの入力端
    に任意の第1の設定電圧を与えた後、前記演算増幅器の
    前記一方の入力端子と前記他方の入力端子との間を開放
    状態にするとともに、前記入力容量の入力端に任意の第
    2の設定電圧を与えられ、かつ前記容量アレイの入力端
    に前記デジタル−アナログ変換器から出力されるアナロ
    グ信号を与えるスイッチ回路をさらに含むことを特徴と
    する請求項5または6記載のアナログ−デジタル変換回
    路。
  8. 【請求項8】 前記少なくとも1段の回路において、 前記差分増幅器の前記設定電圧が前記演算増幅回路から
    出力されるアナログ信号の所定の電圧であることを特徴
    する請求項7記載のアナログ−デジタル変換回路。
  9. 【請求項9】 前記少なくとも1段の回路において、 前記演算増幅回路は、差動の第1および第2のアナログ
    信号を出力し、 前記デジタル−アナログ変換器の前記容量アレイは、デ
    ジタル信号に応じた差動の第3および第4のアナログ信
    号の電圧をそれぞれ発生するための第1および第2の容
    量アレイを含み、 前記差分増幅器の前記演算増幅器は、前記第1の容量ア
    レイが接続される一方の入力端子、前記第2の容量アレ
    イが接続される他方の入力端子、一方の出力端子および
    他方の出力端子を有し、 前記帰還容量は、 前記演算増幅器の前記一方の入力端子と前記一方の出力
    端子との間に接続された第1の帰還容量と、 前記演算増幅器の前記他方の入力端子と前記他方の出力
    端子との間に接続された第2の帰還容量とを含み、 前記入力容量は、 前記演算増幅器の前記一方の入力端子に前記第1の容量
    アレイと並列に接続された第1の入力容量と、 前記演算増幅器の前記他方の入力端子に前記第2の容量
    アレイと並列に接続された第2の入力容量とを含み、 前記差分増幅器は、前記演算増幅器の前記一方および他
    方の入力端子を所定の基準電位に接続するとともに、前
    記第1および第2の入力容量の入力端に前記演算増幅回
    路から出力される差動の第1および第2のアナログ信号
    をそれぞれ与え、かつ前記第1および第2の容量アレイ
    の入力端に任意の第1の設定電圧をそれぞれ与えた後、
    前記演算増幅器の前記一方および他方の入力端子を前記
    基準電位から遮断するとともに、前記第1および第2の
    入力容量の入力端に任意の第2の設定電圧をそれぞれ与
    え、かつ前記第1および第2の容量アレイの入力端に前
    記デジタル−アナログ変換器から出力される差動の第3
    および第4のアナログ信号をそれぞれ与えるスイッチ回
    路をさらに含み、 前記演算増幅回路の出力電圧範囲の前記第1の利得倍と
    前記デジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の前記第
    2の利得倍とが等しくなるように前記第1の容量アレイ
    の値および前記第1の入力容量の値がそれぞれ独立に設
    定されかつ前記第2の容量アレイの値および前記第2の
    入力容量の値がそれぞれ独立に設定されたことを特徴と
    する請求項5または6記載のアナログ−デジタル変換回
    路。
  10. 【請求項10】 前記少なくとも1段の回路において、 前記第1の容量アレイの値と前記第1の入力容量の値と
    の比が前記演算増幅回路の利得に等しく、 前記第2の容量アレイの値と前記第2の入力容量の値と
    の比が前記演算増幅回路の利得に等しいことを特徴とす
    る請求項9記載のアナログ−デジタル変換回路。
  11. 【請求項11】 前記少なくとも1段の回路において、 前記差分増幅器の前記第2の設定電圧として前記演算増
    幅回路においてイコライズされた出力電圧であることを
    特徴する請求項9または10記載のアナログ−デジタル
    変換回路。
  12. 【請求項12】 複数段の回路からなる多段パイプライ
    ン構成を有し、 最終段の回路を除く各段の回路は、 入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するアナ
    ログ−デジタル変換器と、 入力されたアナログ信号を増幅する演算増幅回路と、 前記アナログ−デジタル変換器から出力されるデジタル
    信号をアナログ信号に変換するデジタル−アナログ変換
    器と、 前記演算増幅回路から出力されるアナログ信号と前記デ
    ジタル−アナログ変換器から出力されるアナログ信号と
    の差分を増幅する差分増幅器とを備え、 最終段の回路を除く少なくとも1段の回路において、 前記演算増幅回路が1よりも大きい利得を有し、 前記アナログ−デジタル変換器は、第1の電圧範囲を有
    する基準電圧に基づいて動作し、前記デジタル−アナロ
    グ変換器は、第2の電圧範囲を有する基準電圧に基づい
    て動作し、 前記デジタル−アナログ変換器は、デジタル信号に応じ
    たアナログ信号の電圧を発生するための複数の容量がア
    レイ状に接続された容量アレイを有し、 前記差分増幅器は、入力容量、帰還容量および演算増幅
    器を有し、前記演算増幅回路から出力されたアナログ信
    号を前記入力容量の値および前記帰還容量の値により定
    まる第1の利得で増幅するとともに、前記デジタル−ア
    ナログ変換器により前記容量アレイに発生されるアナロ
    グ信号を前記容量アレイの値および前記帰還容量の値に
    より定まる第2の利得で増幅し、前記第1の利得で増幅
    されたアナログ信号と前記第2の利得で増幅されたアナ
    ログ信号との差分を出力し、 前記演算増幅回路の出力電圧範囲の前記第1の利得倍と
    前記デジタル−アナログ変換器の出力電圧範囲の前記第
    2の利得倍とが等しくなるように前記第1の電圧範囲お
    よび前記第2の電圧範囲がそれぞれ独立に設定されると
    ともに前記容量アレイの値および前記入力容量の値がそ
    れぞれ独立に設定されたことを特徴とするアナログ−デ
    ジタル変換回路。
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