JP3173473B2 - 乗算型ディジタル/アナログ変換回路 - Google Patents
乗算型ディジタル/アナログ変換回路Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアナログ/ディジタ
ル変換器等に使用される乗算型ディジタル/アナログ変
換回路に関し、特に、動作の高速化を図った乗算型ディ
ジタル/アナログ変換回路に関する。
ル変換器等に使用される乗算型ディジタル/アナログ変
換回路に関し、特に、動作の高速化を図った乗算型ディ
ジタル/アナログ変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディジタル信号処理LSIへの集
積を目的としてCMOS技術による高速動作が可能で低
消費電力のアナログ/ディジタル変換器(ADC)の開
発が行われている。このようなアナログ/ディジタル変
換器を構成する回路の一つに、チャージ分配技術を使用
した乗算型ディジタル/アナログ変換回路(Multiplyin
g Digital-to-Analog Converter回路;以下、MDAC
回路という。)が組み込まれている。チャージ分配技術
を使用したMDAC回路は、特に多段構成のアナログ/
ディジタル変換器に使用され、MOSトランジスタの高
入力インピーダンス及びスイッチ回路の実現容易性を利
用して精度よくアナログ演算及び信号の保持を行うこと
ができるという特徴を有する。
積を目的としてCMOS技術による高速動作が可能で低
消費電力のアナログ/ディジタル変換器(ADC)の開
発が行われている。このようなアナログ/ディジタル変
換器を構成する回路の一つに、チャージ分配技術を使用
した乗算型ディジタル/アナログ変換回路(Multiplyin
g Digital-to-Analog Converter回路;以下、MDAC
回路という。)が組み込まれている。チャージ分配技術
を使用したMDAC回路は、特に多段構成のアナログ/
ディジタル変換器に使用され、MOSトランジスタの高
入力インピーダンス及びスイッチ回路の実現容易性を利
用して精度よくアナログ演算及び信号の保持を行うこと
ができるという特徴を有する。
【0003】チャージ分配技術を使用したMDAC回路
は、例えばStephen H.Lewis et al.,”A Pipelined 9-s
tage video-rate analog-to-digital converter”, IEE
E 1991 CICC、Won-Chul Song et al.,”A 10-b 20-Msam
ple/s Low-Power CMOS ADC”, IEEE Journal of SSC, v
ol.30, No.5, May 1995等に記載されている。これらの
文献に記載されているように、クロック制御されたスイ
ッチの切換えにより容量素子に蓄えられる電荷の分配が
行われ、MDAC回路は入力電位と基準電位との差電圧
を増幅する機能を有する。
は、例えばStephen H.Lewis et al.,”A Pipelined 9-s
tage video-rate analog-to-digital converter”, IEE
E 1991 CICC、Won-Chul Song et al.,”A 10-b 20-Msam
ple/s Low-Power CMOS ADC”, IEEE Journal of SSC, v
ol.30, No.5, May 1995等に記載されている。これらの
文献に記載されているように、クロック制御されたスイ
ッチの切換えにより容量素子に蓄えられる電荷の分配が
行われ、MDAC回路は入力電位と基準電位との差電圧
を増幅する機能を有する。
【0004】また、このようなMDAC回路はサンプリ
ング動作と増幅動作とをクロックにより切換えることが
できるため、縦列接続によりパイプライン型アナログ/
ディジタル変換器に内蔵されて使用される。図5は従来
のパイプライン型アナログ/ディジタル変換器を示すブ
ロック図である。
ング動作と増幅動作とをクロックにより切換えることが
できるため、縦列接続によりパイプライン型アナログ/
ディジタル変換器に内蔵されて使用される。図5は従来
のパイプライン型アナログ/ディジタル変換器を示すブ
ロック図である。
【0005】パイプライン型アナログ/ディジタル変換
器には、入力された電圧Vinを所定の時間保持しその
後増幅して出力するサンプルホールドアンプ(S/Hア
ンプ)21が設けられており、このS/Hアンプ21に
(n−1)個のMDAC回路MDAC1乃至MDAC
(n−1)が縦列接続されている。また、アナログディ
ジタルサブコンバータADSC1乃至ADSCnがS/
Hアンプ21及びMDAC回路MDAC1乃至MDAC
(n−1)の出力端に接続されている。更に、これらの
回路からNビットの信号が送信されこれをディジタル補
正するディジタル補正回路22が設けられている。そし
て、このディジタル補正回路22から補正されたディジ
タル出力Doutが出力される。
器には、入力された電圧Vinを所定の時間保持しその
後増幅して出力するサンプルホールドアンプ(S/Hア
ンプ)21が設けられており、このS/Hアンプ21に
(n−1)個のMDAC回路MDAC1乃至MDAC
(n−1)が縦列接続されている。また、アナログディ
ジタルサブコンバータADSC1乃至ADSCnがS/
Hアンプ21及びMDAC回路MDAC1乃至MDAC
(n−1)の出力端に接続されている。更に、これらの
回路からNビットの信号が送信されこれをディジタル補
正するディジタル補正回路22が設けられている。そし
て、このディジタル補正回路22から補正されたディジ
タル出力Doutが出力される。
【0006】このようなパイプライン型アナログ/ディ
ジタル変換器に使用される従来のMDAC回路について
説明する。図6は1ビットで制御される従来のMDAC
回路を示す回路図である。
ジタル変換器に使用される従来のMDAC回路について
説明する。図6は1ビットで制御される従来のMDAC
回路を示す回路図である。
【0007】従来のMDAC回路には、差動増幅器11
が設けられており、その正転入力端にチャージ容量素子
C11及びC12が相互に並列に接続され、同様に反転
入力端にチャージ容量素子C13及びC14が接続され
ている。正転入力端とチャージ容量素子C11及びC1
2との間には、クロック(図示せず)によりチャージ容
量素子C11及びC12の一端の接続相手を正転入力端
又は共通基準電位Vcomに切換えるように制御される
スイッチSW13が接続されている。同様に、反転入力
端とチャージ容量素子C13及びC14との間には、ス
イッチSW14が接続されている。
が設けられており、その正転入力端にチャージ容量素子
C11及びC12が相互に並列に接続され、同様に反転
入力端にチャージ容量素子C13及びC14が接続され
ている。正転入力端とチャージ容量素子C11及びC1
2との間には、クロック(図示せず)によりチャージ容
量素子C11及びC12の一端の接続相手を正転入力端
又は共通基準電位Vcomに切換えるように制御される
スイッチSW13が接続されている。同様に、反転入力
端とチャージ容量素子C13及びC14との間には、ス
イッチSW14が接続されている。
【0008】また、クロックによりチャージ容量素子C
11の他端の接続相手を差動増幅器11の反転出力端又
は正転入力電位Vin+に切換えるように制御されるス
イッチSW11が設けられ、チャージ容量素子C12の
他端の接続相手を正転基準入力電位Vr11+又は正転
入力電位Vin+に切換えるように制御されるスイッチ
SW15が設けられている。同様に、チャージ容量素子
C14の他端の接続相手を差動増幅器11の正転出力端
又は反転入力電位Vin-に切換えるように制御される
スイッチSW12が設けられ、チャージ容量素子C13
の他端の接続相手を反転基準入力電位Vr11-又は反
転入力電位Vin-に切換えるように制御されるスイッ
チSW16が設けられている。
11の他端の接続相手を差動増幅器11の反転出力端又
は正転入力電位Vin+に切換えるように制御されるス
イッチSW11が設けられ、チャージ容量素子C12の
他端の接続相手を正転基準入力電位Vr11+又は正転
入力電位Vin+に切換えるように制御されるスイッチ
SW15が設けられている。同様に、チャージ容量素子
C14の他端の接続相手を差動増幅器11の正転出力端
又は反転入力電位Vin-に切換えるように制御される
スイッチSW12が設けられ、チャージ容量素子C13
の他端の接続相手を反転基準入力電位Vr11-又は反
転入力電位Vin-に切換えるように制御されるスイッ
チSW16が設けられている。
【0009】なお、チャージ容量素子C11、C12、
C13及びC14の容量はCである。
C13及びC14の容量はCである。
【0010】次に、上述のように構成された従来のMD
AC回路の動作について説明する。図7は従来のMDA
C回路の動作を示す図であって、(a)はサンプリング
時の接続状態を簡易的に示す回路図であり、(b)は増
幅時の接続状態を簡易的に示す回路図である。
AC回路の動作について説明する。図7は従来のMDA
C回路の動作を示す図であって、(a)はサンプリング
時の接続状態を簡易的に示す回路図であり、(b)は増
幅時の接続状態を簡易的に示す回路図である。
【0011】サンプリング時には、図7(a)に示すよ
うに、スイッチSW11及びSW15は夫々チャージ容
量素子C11及びC12の接続相手を正転入力電位Vi
n+に切換え、スイッチSW12及びSW16は夫々チ
ャージ容量素子C14及びC13の接続相手を反転入力
電位Vin-に切換え、スイッチSW13及びSW14
は夫々チャージ容量素子C11及びC12並びにチャー
ジ容量素子C13及びC14の接続相手を共通基準電位
Vcomに切換える。そして、入力電位と共通基準電位
との差電圧により、下記数式1で示される電荷Q+がチ
ャージ容量素子C11及びC12に総量で充電され、数
式2で示される電荷Q-がチャージ容量素子C13及び
C14に総量で充電される。
うに、スイッチSW11及びSW15は夫々チャージ容
量素子C11及びC12の接続相手を正転入力電位Vi
n+に切換え、スイッチSW12及びSW16は夫々チ
ャージ容量素子C14及びC13の接続相手を反転入力
電位Vin-に切換え、スイッチSW13及びSW14
は夫々チャージ容量素子C11及びC12並びにチャー
ジ容量素子C13及びC14の接続相手を共通基準電位
Vcomに切換える。そして、入力電位と共通基準電位
との差電圧により、下記数式1で示される電荷Q+がチ
ャージ容量素子C11及びC12に総量で充電され、数
式2で示される電荷Q-がチャージ容量素子C13及び
C14に総量で充電される。
【0012】
【数1】Q+=2C×(Vin+−Vcom)
【0013】
【数2】Q-=2C×(Vin-−Vcom)
【0014】一方、増幅時には、図7(b)に示すよう
に、スイッチSW11はチャージ容量素子C11の接続
相手を反転出力端に切換え、スイッチSW12はチャー
ジ容量素子C14の接続相手を正転出力端に切換え、ス
イッチSW13及びSW14は夫々チャージ容量素子C
11及びC12並びにチャージ容量素子C13及びC1
4の接続相手を差動増幅器11に切換え、スイッチSW
15はチャージ容量素子C12の接続相手を正転基準入
力電位Vr11+に切替え、スイッチSW16はチャー
ジ容量素子C13の接続相手を反転基準入力電位Vr1
1-に切替える。これにより、チャージ分配が行われ
る。このとき、数式1又は2で表される電荷Q+及びQ-
が共通基準電位が接続される容量と差動増幅器の帰還容
量とに保持及び分配されるため、差動増幅器11の入力
電位をVIとすると、下記数式3及び4が成り立つ。
に、スイッチSW11はチャージ容量素子C11の接続
相手を反転出力端に切換え、スイッチSW12はチャー
ジ容量素子C14の接続相手を正転出力端に切換え、ス
イッチSW13及びSW14は夫々チャージ容量素子C
11及びC12並びにチャージ容量素子C13及びC1
4の接続相手を差動増幅器11に切換え、スイッチSW
15はチャージ容量素子C12の接続相手を正転基準入
力電位Vr11+に切替え、スイッチSW16はチャー
ジ容量素子C13の接続相手を反転基準入力電位Vr1
1-に切替える。これにより、チャージ分配が行われ
る。このとき、数式1又は2で表される電荷Q+及びQ-
が共通基準電位が接続される容量と差動増幅器の帰還容
量とに保持及び分配されるため、差動増幅器11の入力
電位をVIとすると、下記数式3及び4が成り立つ。
【0015】
【数3】2C×(Vin+−Vcom)=C×(Vr+−
VI)+C×(Vout-−VI)
VI)+C×(Vout-−VI)
【0016】
【数4】2C×(Vin-−Vcom)=C×(Vr-−
VI)+C×(Vout+−VI)
VI)+C×(Vout+−VI)
【0017】従って、数式3及び4から、下記数式5が
導かれる。
導かれる。
【0018】
【数5】Vout+−Vout-=−(2×(Vin+−
Vin-)−(Vr11+−Vr11-))
Vin-)−(Vr11+−Vr11-))
【0019】つまり、入力差動信号の2倍と差動基準電
位との差分が得られる。また、信号処理がすべて差分で
行われるので、同相ノイズに対して強い。
位との差分が得られる。また、信号処理がすべて差分で
行われるので、同相ノイズに対して強い。
【0020】次に、2ビット又は3ビットで制御される
従来のMDAC回路について説明する。図8は2ビット
で制御される従来のMDAC回路を示す回路図である。
なお、図8に示す従来のMDAC回路において、図6に
示す従来のMDAC回路と同一の構成要素には、同一の
符号を付してその詳細な説明は省略する。
従来のMDAC回路について説明する。図8は2ビット
で制御される従来のMDAC回路を示す回路図である。
なお、図8に示す従来のMDAC回路において、図6に
示す従来のMDAC回路と同一の構成要素には、同一の
符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0021】2ビットで制御される従来のMDAC回路
には、チャージ容量素子C11及びC12とスイッチS
W13との接続点に接続されたチャージ容量素子C15
及びチャージ容量素子C13及びC14とスイッチSW
14との接続点に接続されたチャージ容量素子C16が
設けられている。更に、チャージ容量素子C15の他端
の接続相手を正転基準入力電位Vr12+又は正転入力
電位Vin+に切替えるように制御されるスイッチSW
17及びチャージ容量素子C16の他端の接続相手を反
転基準入力電位Vr12-又は反転入力電位Vin-に切
替えるように制御されるスイッチSW18が設けられて
いる。
には、チャージ容量素子C11及びC12とスイッチS
W13との接続点に接続されたチャージ容量素子C15
及びチャージ容量素子C13及びC14とスイッチSW
14との接続点に接続されたチャージ容量素子C16が
設けられている。更に、チャージ容量素子C15の他端
の接続相手を正転基準入力電位Vr12+又は正転入力
電位Vin+に切替えるように制御されるスイッチSW
17及びチャージ容量素子C16の他端の接続相手を反
転基準入力電位Vr12-又は反転入力電位Vin-に切
替えるように制御されるスイッチSW18が設けられて
いる。
【0022】なお、チャージ容量素子C15及びC16
の容量は2Cである。
の容量は2Cである。
【0023】このように構成された従来のMDAC回路
においては、下記数式6で示される出力が得られる。
においては、下記数式6で示される出力が得られる。
【0024】
【数6】Vout+−Vout-=−(22×(Vin+−
Vin-)−21×(Vr12+−Vr12-)−20×
(Vr11+−Vr11-))
Vin-)−21×(Vr12+−Vr12-)−20×
(Vr11+−Vr11-))
【0025】また、図9は3ビットで制御される従来の
MDAC回路を示す回路図である。なお、図9に示す従
来のMDAC回路において、図8に示す従来のMDAC
回路と同一の構成要素には、同一の符号を付してその詳
細な説明は省略する。
MDAC回路を示す回路図である。なお、図9に示す従
来のMDAC回路において、図8に示す従来のMDAC
回路と同一の構成要素には、同一の符号を付してその詳
細な説明は省略する。
【0026】3ビットで制御される従来のMDAC回路
には、チャージ容量素子C11及びC12とスイッチS
W13との接続点に接続されたチャージ容量素子C17
及びチャージ容量素子C13及びC14とスイッチSW
14との接続点に接続されたチャージ容量素子C18が
設けられている。更に、チャージ容量素子C17の他端
の接続相手を正転基準入力電位Vr13+又は正転入力
電位Vin+に切替えるように制御されるスイッチSW
19及びチャージ容量素子C18の他端の接続相手を反
転基準入力電位Vr13-又は反転入力電位Vin-に切
替えるように制御されるスイッチSW20が設けられて
いる。
には、チャージ容量素子C11及びC12とスイッチS
W13との接続点に接続されたチャージ容量素子C17
及びチャージ容量素子C13及びC14とスイッチSW
14との接続点に接続されたチャージ容量素子C18が
設けられている。更に、チャージ容量素子C17の他端
の接続相手を正転基準入力電位Vr13+又は正転入力
電位Vin+に切替えるように制御されるスイッチSW
19及びチャージ容量素子C18の他端の接続相手を反
転基準入力電位Vr13-又は反転入力電位Vin-に切
替えるように制御されるスイッチSW20が設けられて
いる。
【0027】なお、チャージ容量素子C17及びC18
の容量は4Cである。
の容量は4Cである。
【0028】このように構成された従来のMDACにお
いては、下記数式7で示される出力が得られる。
いては、下記数式7で示される出力が得られる。
【0029】
【数7】Vout+−Vout-=−(23×(Vin+−
Vin-)−22×(Vr13+−Vr13-)−21×
(Vr12+−Vr12-)−20×(Vr11+−Vr1
1-))
Vin-)−22×(Vr13+−Vr13-)−21×
(Vr12+−Vr12-)−20×(Vr11+−Vr1
1-))
【0030】このように、MDAC回路をその制御をn
ビットで行うような構造とした場合、入力差動信号の2
n倍と2進重み付けした基準電圧との差分が得られる。
ビットで行うような構造とした場合、入力差動信号の2
n倍と2進重み付けした基準電圧との差分が得られる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
MDAC回路においては、図8及び9に示すように、2
ビット、3ビットとビット数が1ビットずつ増大する
と、サンプリングに必要な総入力容量が4C、8Cと2
倍ずつ増加し、前段に接続される増幅器の負荷が極めて
大きくなる。このため、例えば図5に示すパイプライン
型アナログ/ディジタル変換器に使用される場合、前段
に接続される増幅器(S/Hアンプ又はMDAC)の帯
域が大きく制限され、動作速度の向上が困難であるとい
う問題点がある。
MDAC回路においては、図8及び9に示すように、2
ビット、3ビットとビット数が1ビットずつ増大する
と、サンプリングに必要な総入力容量が4C、8Cと2
倍ずつ増加し、前段に接続される増幅器の負荷が極めて
大きくなる。このため、例えば図5に示すパイプライン
型アナログ/ディジタル変換器に使用される場合、前段
に接続される増幅器(S/Hアンプ又はMDAC)の帯
域が大きく制限され、動作速度の向上が困難であるとい
う問題点がある。
【0032】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、縦列接続されてパイプライン型アナログ/
ディジタル変換器に使用される場合に、このパイプライ
ン型アナログ/ディジタル変換器の動作速度を向上させ
ることができる乗算型ディジタル/アナログ変換回路を
提供することを目的とする。
のであって、縦列接続されてパイプライン型アナログ/
ディジタル変換器に使用される場合に、このパイプライ
ン型アナログ/ディジタル変換器の動作速度を向上させ
ることができる乗算型ディジタル/アナログ変換回路を
提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明に係る乗算型ディ
ジタル/アナログ変換回路は、正転入力電位が入力され
る正転入力端子と、反転入力電位が入力される反転入力
端子と、正転基準入力電位が入力されるn個の正転基準
電位端子(nは1又は2以上の整数)と、反転基準入力
電位が入力されるn個の反転基準電位端子と、前記正転
基準電位端子の夫々に1個ずつ接続されたn個の第1の
入力抵抗と、前記反転基準電位端子の夫々に1個ずつ接
続されたn個の第2の入力抵抗と、差動増幅器と、この
差動増幅器の反転出力端とn個の前記第1の入力抵抗と
の間に接続された第1の帰還抵抗と、前記差動増幅器の
正転出力端とn個の前記第2の入力抵抗との間に接続さ
れた第2の帰還抵抗と、第1の容量素子と、第2の容量
素子と、共通基準電位が入力される共通基準電位端子
と、前記第1の容量素子の一端を前記第1の入力抵抗と
前記第1の帰還抵抗との接続点又は前記正転入力端子に
切換えて接続させる第1のスイッチと、前記第2の容量
素子の一端を前記第2の入力抵抗と前記第2の帰還抵抗
との接続点又は前記反転入力端子に切換えて接続させる
第2のスイッチと、前記第1の容量素子の他端を前記差
動増幅器の正転入力端又は前記共通基準電位端子に切換
えて接続させる第3のスイッチと、前記第2の容量素子
の他端を前記差動増幅器の反転入力端又は前記共通基準
電位端子に切換えて接続させる第4のスイッチと、を有
することを特徴とする。
ジタル/アナログ変換回路は、正転入力電位が入力され
る正転入力端子と、反転入力電位が入力される反転入力
端子と、正転基準入力電位が入力されるn個の正転基準
電位端子(nは1又は2以上の整数)と、反転基準入力
電位が入力されるn個の反転基準電位端子と、前記正転
基準電位端子の夫々に1個ずつ接続されたn個の第1の
入力抵抗と、前記反転基準電位端子の夫々に1個ずつ接
続されたn個の第2の入力抵抗と、差動増幅器と、この
差動増幅器の反転出力端とn個の前記第1の入力抵抗と
の間に接続された第1の帰還抵抗と、前記差動増幅器の
正転出力端とn個の前記第2の入力抵抗との間に接続さ
れた第2の帰還抵抗と、第1の容量素子と、第2の容量
素子と、共通基準電位が入力される共通基準電位端子
と、前記第1の容量素子の一端を前記第1の入力抵抗と
前記第1の帰還抵抗との接続点又は前記正転入力端子に
切換えて接続させる第1のスイッチと、前記第2の容量
素子の一端を前記第2の入力抵抗と前記第2の帰還抵抗
との接続点又は前記反転入力端子に切換えて接続させる
第2のスイッチと、前記第1の容量素子の他端を前記差
動増幅器の正転入力端又は前記共通基準電位端子に切換
えて接続させる第3のスイッチと、前記第2の容量素子
の他端を前記差動増幅器の反転入力端又は前記共通基準
電位端子に切換えて接続させる第4のスイッチと、を有
することを特徴とする。
【0034】本発明においては、制御のためのビット数
が増加した場合、第1及び第2の容量素子の容量を増加
させなくとも、適応することが可能である。従って、縦
列接続されてアナログ/ディジタル変換器に組み込まれ
る場合であっても、前段に接続される増幅器の帯域への
制限が緩和される。このため、このようなアナログ/デ
ィジタル変換器の高速動作が可能となる。
が増加した場合、第1及び第2の容量素子の容量を増加
させなくとも、適応することが可能である。従って、縦
列接続されてアナログ/ディジタル変換器に組み込まれ
る場合であっても、前段に接続される増幅器の帯域への
制限が緩和される。このため、このようなアナログ/デ
ィジタル変換器の高速動作が可能となる。
【0035】なお、前記第1乃至第4のスイッチは、外
部に設けられたクロックにより制御されることができ
る。
部に設けられたクロックにより制御されることができ
る。
【0036】また、前記第1の帰還抵抗は、n個の前記
第1の入力抵抗のいずれかと同一の抵抗値を有し、前記
第2の帰還抵抗は、n個の前記第2の入力抵抗のいずれ
かと同一の抵抗値を有することができる。
第1の入力抵抗のいずれかと同一の抵抗値を有し、前記
第2の帰還抵抗は、n個の前記第2の入力抵抗のいずれ
かと同一の抵抗値を有することができる。
【0037】更に、前記第1の帰還抵抗の抵抗値は、n
個の前記第1の入力抵抗のいずれとも相違し、前記第2
の帰還抵抗の抵抗値は、n個の前記第2の入力抵抗のい
ずれとも相違してもよい。
個の前記第1の入力抵抗のいずれとも相違し、前記第2
の帰還抵抗の抵抗値は、n個の前記第2の入力抵抗のい
ずれとも相違してもよい。
【0038】更にまた、前記第1の帰還抵抗と前記第2
の帰還抵抗とは、同一の抵抗値を有し、n個の前記第1
の入力抵抗は、夫々n個の前記第2の入力抵抗と同一の
抵抗値を有することができる。
の帰還抵抗とは、同一の抵抗値を有し、n個の前記第1
の入力抵抗は、夫々n個の前記第2の入力抵抗と同一の
抵抗値を有することができる。
【0039】また、前記第1の容量素子と前記第2の容
量素子とは、同一の容量を有することができる。
量素子とは、同一の容量を有することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係る乗算
型ディジタル/アナログ変換回路について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。第1の実施例は、1ビッ
トで制御されるMDAC回路である。図1は本発明の第
1の実施例に係るMDAC回路を示す回路図である。
型ディジタル/アナログ変換回路について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。第1の実施例は、1ビッ
トで制御されるMDAC回路である。図1は本発明の第
1の実施例に係るMDAC回路を示す回路図である。
【0041】本実施例には、差動増幅器1が設けられて
おり、その正転入力端にチャージ容量素子C1が接続さ
れ、反転入力端にチャージ容量素子C2が接続されてい
る。正転入力端とチャージ容量素子C1との間には、ク
ロック(図示せず)によりチャージ容量素子C1の一端
の接続相手を正転入力端又は共通基準電位Vcomが入
力される共通基準電位端子に切換えるように制御される
スイッチSW3が接続されている。同様に、反転入力端
とチャージ容量素子C2との間には、クロックによりチ
ャージ容量素子C2の一端の接続相手を反転入力端又は
前記共通基準電位端子に切換えるように制御されるスイ
ッチSW4が接続されている。
おり、その正転入力端にチャージ容量素子C1が接続さ
れ、反転入力端にチャージ容量素子C2が接続されてい
る。正転入力端とチャージ容量素子C1との間には、ク
ロック(図示せず)によりチャージ容量素子C1の一端
の接続相手を正転入力端又は共通基準電位Vcomが入
力される共通基準電位端子に切換えるように制御される
スイッチSW3が接続されている。同様に、反転入力端
とチャージ容量素子C2との間には、クロックによりチ
ャージ容量素子C2の一端の接続相手を反転入力端又は
前記共通基準電位端子に切換えるように制御されるスイ
ッチSW4が接続されている。
【0042】また、差動増幅器1の反転出力端に帰還抵
抗Rf1が接続され、正転出力端に帰還抵抗Rf2が接
続されている。そして、クロックによりチャージ容量素
子C1の他端の接続相手を帰還抵抗Rf1又は正転入力
電位Vin+が入力される正転入力端子に切換えるよう
に制御されるスイッチSW1が設けられ、クロックによ
りチャージ容量素子C2の他端の接続相手を帰還抵抗R
f2又は反転入力電位Vin-が入力される反転入力端
子に切換えるように制御されるスイッチSW2が設けら
れている。更に、帰還抵抗Rf1には、正転基準入力電
位Vr1+が入力される正転基準電位端子に接続された
入力抵抗RI1が接続されている。同様に、帰還抵抗R
f2には、反転基準入力電位Vr1-が入力される反転
基準電位端子に接続された入力抵抗RI2が接続されて
いる。
抗Rf1が接続され、正転出力端に帰還抵抗Rf2が接
続されている。そして、クロックによりチャージ容量素
子C1の他端の接続相手を帰還抵抗Rf1又は正転入力
電位Vin+が入力される正転入力端子に切換えるよう
に制御されるスイッチSW1が設けられ、クロックによ
りチャージ容量素子C2の他端の接続相手を帰還抵抗R
f2又は反転入力電位Vin-が入力される反転入力端
子に切換えるように制御されるスイッチSW2が設けら
れている。更に、帰還抵抗Rf1には、正転基準入力電
位Vr1+が入力される正転基準電位端子に接続された
入力抵抗RI1が接続されている。同様に、帰還抵抗R
f2には、反転基準入力電位Vr1-が入力される反転
基準電位端子に接続された入力抵抗RI2が接続されて
いる。
【0043】なお、チャージ容量素子C1及びC2の容
量はCであり、帰還抵抗Rf1及びRf2並びに入力抵
抗RI1及びRI2の抵抗はRである。
量はCであり、帰還抵抗Rf1及びRf2並びに入力抵
抗RI1及びRI2の抵抗はRである。
【0044】次に、上述のように構成された実施例に係
るMDAC回路の動作について説明する。図2は本発明
の実施例に係るMDAC回路の動作を示す図であって、
(a)はサンプリング時の接続状態を簡易的に示す回路
図であり、(b)は増幅時の接続状態を簡易的に示す回
路図である。
るMDAC回路の動作について説明する。図2は本発明
の実施例に係るMDAC回路の動作を示す図であって、
(a)はサンプリング時の接続状態を簡易的に示す回路
図であり、(b)は増幅時の接続状態を簡易的に示す回
路図である。
【0045】サンプリング時には、図2(a)に示すよ
うに、スイッチSW1はチャージ容量素子C1の接続相
手を正転入力端子(電位:Vin+)に切換え、スイッ
チSW2はチャージ容量素子C2の接続相手を反転入力
端子(電位:Vin-)に切換え、スイッチSW3及び
SW4は夫々チャージ容量素子C1及びC2の接続相手
を共通基準電位端子(電位:Vcom)に切換える。そ
して、入力電位と共通基準電位との差電圧により、下記
数式8で示される電荷Q+がチャージ容量素子C1に充
電され、数式9で示される電荷Q-がチャージ容量素子
C2に充電される。
うに、スイッチSW1はチャージ容量素子C1の接続相
手を正転入力端子(電位:Vin+)に切換え、スイッ
チSW2はチャージ容量素子C2の接続相手を反転入力
端子(電位:Vin-)に切換え、スイッチSW3及び
SW4は夫々チャージ容量素子C1及びC2の接続相手
を共通基準電位端子(電位:Vcom)に切換える。そ
して、入力電位と共通基準電位との差電圧により、下記
数式8で示される電荷Q+がチャージ容量素子C1に充
電され、数式9で示される電荷Q-がチャージ容量素子
C2に充電される。
【0046】
【数8】Q+=C×(Vin+−Vcom)
【0047】
【数9】Q-=C×(Vin-−Vcom)
【0048】一方、増幅時には、図2(b)に示すよう
に、スイッチSW1はチャージ容量素子C1の接続相手
を帰還抵抗Rf1に切換え、スイッチSW2はチャージ
容量素子C2の接続相手を帰還抵抗Rf2に切換え、ス
イッチSW3及びSW4は夫々チャージ容量素子C1及
びC2の接続相手を差動増幅器1に切換える。このと
き、正転基準電位端子(電位:Vr1+)に縦列接続さ
れた抵抗間の電位をVp、反転基準電位端子(電位:V
r1-)に縦列接続された抵抗間の電位をVnとする
と、正転出力電位Vout+は下記数式10で示され、
反転出力電位Vout-は下記数式11で示される。
に、スイッチSW1はチャージ容量素子C1の接続相手
を帰還抵抗Rf1に切換え、スイッチSW2はチャージ
容量素子C2の接続相手を帰還抵抗Rf2に切換え、ス
イッチSW3及びSW4は夫々チャージ容量素子C1及
びC2の接続相手を差動増幅器1に切換える。このと
き、正転基準電位端子(電位:Vr1+)に縦列接続さ
れた抵抗間の電位をVp、反転基準電位端子(電位:V
r1-)に縦列接続された抵抗間の電位をVnとする
と、正転出力電位Vout+は下記数式10で示され、
反転出力電位Vout-は下記数式11で示される。
【0049】
【数10】Vout+=2Vp−Vr1+
【0050】
【数11】Vout-=2Vn−Vr1-
【0051】このとき、チャージ容量素子C1及びC2
に充電されている電荷は変化しないので、差動増幅器1
の入力電位をVIとすると、下記数式12及び13が成
り立つ。
に充電されている電荷は変化しないので、差動増幅器1
の入力電位をVIとすると、下記数式12及び13が成
り立つ。
【0052】
【数12】 C×(Vin+−Vcom)=C×(Vp−VI)
【0053】
【数13】 C×(Vin-−Vcom)=C×(Vn−VI)
【0054】従って、数式10乃至13から、下記数式
14が導かれる。
14が導かれる。
【0055】
【数14】Vout+−Vout-=−(2×(Vin+
−Vin-)−(Vr1+−Vr1-))
−Vin-)−(Vr1+−Vr1-))
【0056】つまり、本実施例によっても、従来のMD
AC回路と同様に、入力差動信号の2倍と差動基準電位
との差分が得られる。
AC回路と同様に、入力差動信号の2倍と差動基準電位
との差分が得られる。
【0057】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第2の実施例は2ビットで制御される。図3は本
発明の第2の実施例に係るMDAC回路を示す回路図で
ある。なお、図3に示す第2の実施例において、図1に
示す第1の実施例と同一の構成要素には、同一の符号を
付してその詳細な説明は省略する。
する。第2の実施例は2ビットで制御される。図3は本
発明の第2の実施例に係るMDAC回路を示す回路図で
ある。なお、図3に示す第2の実施例において、図1に
示す第1の実施例と同一の構成要素には、同一の符号を
付してその詳細な説明は省略する。
【0058】本実施例には、帰還抵抗Rf1と入力抵抗
RI1との接続点に接続された入力抵抗RI3が設けら
れており、入力抵抗RI3は正転基準入力電位Vr2+
が入力される正転基準電位端子に接続されている。同様
に、帰還抵抗Rf2と入力抵抗RI2との接続点に接続
された入力抵抗RI4が設けられており、入力抵抗RI
4は反転基準入力電位Vr2-が入力される反転基準電
位端子に接続されている。なお、入力抵抗RI3及びR
I4の抵抗はR/2である。
RI1との接続点に接続された入力抵抗RI3が設けら
れており、入力抵抗RI3は正転基準入力電位Vr2+
が入力される正転基準電位端子に接続されている。同様
に、帰還抵抗Rf2と入力抵抗RI2との接続点に接続
された入力抵抗RI4が設けられており、入力抵抗RI
4は反転基準入力電位Vr2-が入力される反転基準電
位端子に接続されている。なお、入力抵抗RI3及びR
I4の抵抗はR/2である。
【0059】このように構成された第2の実施例におい
ては、下記数式15で示される出力が得られる。
ては、下記数式15で示される出力が得られる。
【0060】
【数15】Vout+−Vout-=−(22×(Vin+
−Vin-)−21×(Vr2+−Vr2-)−20×(V
r1+−Vr1-))
−Vin-)−21×(Vr2+−Vr2-)−20×(V
r1+−Vr1-))
【0061】つまり、従来の2ビット制御のMDAC回
路と同様の出力を得ることができる。また、本実施例で
は、ビット数が増加しても1ビット制御のときよりも大
きなチャージ容量素子は必要とならない。従って、図5
に示す変換器に使用しても前段に接続された増幅器の帯
域の制限が緩和される。従って、前段の負荷容量を小さ
くすることにより、動作を高速化することが可能であ
る。また、信号が差動で処理されるため、同相ノイズに
強い構成である。
路と同様の出力を得ることができる。また、本実施例で
は、ビット数が増加しても1ビット制御のときよりも大
きなチャージ容量素子は必要とならない。従って、図5
に示す変換器に使用しても前段に接続された増幅器の帯
域の制限が緩和される。従って、前段の負荷容量を小さ
くすることにより、動作を高速化することが可能であ
る。また、信号が差動で処理されるため、同相ノイズに
強い構成である。
【0062】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。第3の実施例は3ビットで制御される。図4は本
発明の第3の実施例に係るMDAC回路を示す回路図で
ある。なお、図4に示す第3の実施例において、図3に
示す第2の実施例と同一の構成要素には、同一の符号を
付してその詳細な説明は省略する。
する。第3の実施例は3ビットで制御される。図4は本
発明の第3の実施例に係るMDAC回路を示す回路図で
ある。なお、図4に示す第3の実施例において、図3に
示す第2の実施例と同一の構成要素には、同一の符号を
付してその詳細な説明は省略する。
【0063】本実施例には、帰還抵抗Rf1と入力抵抗
RI1との接続点に接続された入力抵抗RI5が設けら
れており、入力抵抗RI5は正転基準入力電位Vr3+
が入力される正転基準電位端子に接続されている。同様
に、帰還抵抗Rf2と入力抵抗RI2との接続点に接続
された入力抵抗RI6が設けられており、入力抵抗RI
6は反転基準入力電位Vr3-が入力される反転基準電
位端子に接続されている。なお、入力抵抗RI5及びR
I6の抵抗はR/4である。
RI1との接続点に接続された入力抵抗RI5が設けら
れており、入力抵抗RI5は正転基準入力電位Vr3+
が入力される正転基準電位端子に接続されている。同様
に、帰還抵抗Rf2と入力抵抗RI2との接続点に接続
された入力抵抗RI6が設けられており、入力抵抗RI
6は反転基準入力電位Vr3-が入力される反転基準電
位端子に接続されている。なお、入力抵抗RI5及びR
I6の抵抗はR/4である。
【0064】このように構成された第3の実施例におい
ては、下記数式16で示される出力が得られる。
ては、下記数式16で示される出力が得られる。
【0065】
【数16】Vout+−Vout-=−(23×(Vin+
−Vin-)−22×(Vr3+−Vr3-)−21×(V
r2+−Vr2-)−20×(Vr1+−Vr1-))
−Vin-)−22×(Vr3+−Vr3-)−21×(V
r2+−Vr2-)−20×(Vr1+−Vr1-))
【0066】つまり、従来の3ビット制御のMDAC回
路と同様の出力を得ることができる。また、本実施例に
おいても、ビット数が増加しても1ビット制御のときよ
りも大きなチャージ容量素子は必要とならない。従っ
て、図5に示す変換器に使用しても前段に接続された増
幅器の帯域の制限が緩和される。従って、前段の負荷容
量を小さくすることにより、動作を高速化することが可
能である。また、信号が差動で処理されるため、同相ノ
イズに強い構成である。
路と同様の出力を得ることができる。また、本実施例に
おいても、ビット数が増加しても1ビット制御のときよ
りも大きなチャージ容量素子は必要とならない。従っ
て、図5に示す変換器に使用しても前段に接続された増
幅器の帯域の制限が緩和される。従って、前段の負荷容
量を小さくすることにより、動作を高速化することが可
能である。また、信号が差動で処理されるため、同相ノ
イズに強い構成である。
【0067】このように、第1、第2及び第3の実施例
に示すように、ビット数が増加しても、入力容量は常に
一定であるため、縦列接続された場合でも、前段の負荷
容量は小さく高速化につながる。
に示すように、ビット数が増加しても、入力容量は常に
一定であるため、縦列接続された場合でも、前段の負荷
容量は小さく高速化につながる。
【0068】なお、第1乃至第3の実施例においては、
1組の入力抵抗と1組の帰還抵抗との抵抗値が一致して
いるが、入力抵抗と帰還抵抗との間で抵抗値は必ずしも
一致している必要はない。
1組の入力抵抗と1組の帰還抵抗との抵抗値が一致して
いるが、入力抵抗と帰還抵抗との間で抵抗値は必ずしも
一致している必要はない。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
同相ノイズに強い構造で第1及び第2の容量素子の容量
を増加させなくとも、制御ビット数の増加に適応するこ
とができ、アナログ信号の演算及び保持を行うことがで
きる。従って、縦列接続されてアナログ/ディジタル変
換器に組み込まれる場合であっても、前段に接続される
増幅器の帯域への制限を緩和し、このようなアナログ/
ディジタル変換器を高速に動作させることができる。
同相ノイズに強い構造で第1及び第2の容量素子の容量
を増加させなくとも、制御ビット数の増加に適応するこ
とができ、アナログ信号の演算及び保持を行うことがで
きる。従って、縦列接続されてアナログ/ディジタル変
換器に組み込まれる場合であっても、前段に接続される
増幅器の帯域への制限を緩和し、このようなアナログ/
ディジタル変換器を高速に動作させることができる。
【図1】本発明の第1の実施例に係るMDAC回路を示
す回路図である。
す回路図である。
【図2】本発明の実施例に係るMDAC回路の動作を示
す図であって、(a)はサンプリング時の接続状態を簡
易的に示す回路図であり、(b)は増幅時の接続状態を
簡易的に示す回路図である。
す図であって、(a)はサンプリング時の接続状態を簡
易的に示す回路図であり、(b)は増幅時の接続状態を
簡易的に示す回路図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係るMDAC回路を示
す回路図である。
す回路図である。
【図4】本発明の第3の実施例に係るMDAC回路を示
す回路図である。
す回路図である。
【図5】従来のパイプライン型アナログ/ディジタル変
換器を示すブロック図である。
換器を示すブロック図である。
【図6】1ビットで制御される従来のMDAC回路を示
す回路図である。
す回路図である。
【図7】従来のMDAC回路の動作を示す図であって、
(a)はサンプリング時の接続状態を簡易的に示す回路
図であり、(b)は増幅時の接続状態を簡易的に示す回
路図である。
(a)はサンプリング時の接続状態を簡易的に示す回路
図であり、(b)は増幅時の接続状態を簡易的に示す回
路図である。
【図8】2ビットで制御される従来のMDAC回路を示
す回路図である。
す回路図である。
【図9】3ビットで制御される従来のMDAC回路を示
す回路図である。
す回路図である。
1、11;差動増幅器 Rf1、Rf2;帰還抵抗 RI1、RI2、RI3、RI4、RI5、RI6;入
力抵抗 C1、C2、C11、C12、C13、C14、C1
5、C16、C17、C18;チャージ容量素子 MDAC1、MDAC2、MDAC(n−1);MDA
C回路 ADSC1、ADSC2、ADSCn;アナログディジ
タルサブコンバータ 21;サンプリングホールドアンプ 22;ディジタル補正回路
力抵抗 C1、C2、C11、C12、C13、C14、C1
5、C16、C17、C18;チャージ容量素子 MDAC1、MDAC2、MDAC(n−1);MDA
C回路 ADSC1、ADSC2、ADSCn;アナログディジ
タルサブコンバータ 21;サンプリングホールドアンプ 22;ディジタル補正回路
Claims (6)
- 【請求項1】 正転入力電位が入力される正転入力端子
と、反転入力電位が入力される反転入力端子と、正転基
準入力電位が入力されるn個の正転基準電位端子(nは
1又は2以上の整数)と、反転基準入力電位が入力され
るn個の反転基準電位端子と、前記正転基準電位端子の
夫々に1個ずつ接続されたn個の第1の入力抵抗と、前
記反転基準電位端子の夫々に1個ずつ接続されたn個の
第2の入力抵抗と、差動増幅器と、この差動増幅器の反
転出力端とn個の前記第1の入力抵抗との間に接続され
た第1の帰還抵抗と、前記差動増幅器の正転出力端とn
個の前記第2の入力抵抗との間に接続された第2の帰還
抵抗と、第1の容量素子と、第2の容量素子と、共通基
準電位が入力される共通基準電位端子と、前記第1の容
量素子の一端を前記第1の入力抵抗と前記第1の帰還抵
抗との接続点又は前記正転入力端子に切換えて接続させ
る第1のスイッチと、前記第2の容量素子の一端を前記
第2の入力抵抗と前記第2の帰還抵抗との接続点又は前
記反転入力端子に切換えて接続させる第2のスイッチ
と、前記第1の容量素子の他端を前記差動増幅器の正転
入力端又は前記共通基準電位端子に切換えて接続させる
第3のスイッチと、前記第2の容量素子の他端を前記差
動増幅器の反転入力端又は前記共通基準電位端子に切換
えて接続させる第4のスイッチと、を有することを特徴
とする乗算型ディジタル/アナログ変換回路。 - 【請求項2】 前記第1乃至第4のスイッチは、外部に
設けられたクロックにより制御されることを特徴とする
請求項1に記載の乗算型ディジタル/アナログ変換回
路。 - 【請求項3】 前記第1の帰還抵抗は、n個の前記第1
の入力抵抗のいずれかと同一の抵抗値を有し、前記第2
の帰還抵抗は、n個の前記第2の入力抵抗のいずれかと
同一の抵抗値を有することを特徴とする請求項1又は2
に記載の乗算型ディジタル/アナログ変換回路。 - 【請求項4】 前記第1の帰還抵抗の抵抗値は、n個の
前記第1の入力抵抗のいずれとも相違し、前記第2の帰
還抵抗の抵抗値は、n個の前記第2の入力抵抗のいずれ
とも相違することを特徴とする請求項1又は2に記載の
乗算型ディジタル/アナログ変換回路。 - 【請求項5】 前記第1の帰還抵抗と前記第2の帰還抵
抗とは、同一の抵抗値を有し、n個の前記第1の入力抵
抗は、夫々n個の前記第2の入力抵抗と同一の抵抗値を
有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項
に記載の乗算型ディジタル/アナログ変換回路。 - 【請求項6】 前記第1の容量素子と前記第2の容量素
子とは、同一の容量を有することを特徴とする請求項1
乃至5のいずれか1項に記載の乗算型ディジタル/アナ
ログ変換回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26553898A JP3173473B2 (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 乗算型ディジタル/アナログ変換回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26553898A JP3173473B2 (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 乗算型ディジタル/アナログ変換回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000101434A JP2000101434A (ja) | 2000-04-07 |
JP3173473B2 true JP3173473B2 (ja) | 2001-06-04 |
Family
ID=17418525
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26553898A Expired - Fee Related JP3173473B2 (ja) | 1998-09-18 | 1998-09-18 | 乗算型ディジタル/アナログ変換回路 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (4)
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JP4934531B2 (ja) * | 2007-07-11 | 2012-05-16 | 株式会社日立製作所 | アナログデジタル変換器及びその制御方法並びに無線トランシーバ回路 |
JP5252085B2 (ja) * | 2009-09-04 | 2013-07-31 | 富士通株式会社 | スイッチドキャパシタ回路およびad変換回路 |
US8872688B2 (en) * | 2010-07-13 | 2014-10-28 | University Of Washington Through Its Center For Commercialization | Methods and systems for compressed sensing analog to digital conversion |
-
1998
- 1998-09-18 JP JP26553898A patent/JP3173473B2/ja not_active Expired - Fee Related
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