JP2000101434A - 乗算型ディジタル/アナログ変換回路 - Google Patents

乗算型ディジタル/アナログ変換回路

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JP2000101434A
JP2000101434A JP10265538A JP26553898A JP2000101434A JP 2000101434 A JP2000101434 A JP 2000101434A JP 10265538 A JP10265538 A JP 10265538A JP 26553898 A JP26553898 A JP 26553898A JP 2000101434 A JP2000101434 A JP 2000101434A
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resistors
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縦列接続されてパイプライン型アナログ/デ
ィジタル変換器に使用される場合に、このパイプライン
型アナログ/ディジタル変換器の動作速度を向上させる
ことができる乗算型ディジタル/アナログ変換回路を提
供する。 【解決手段】 差動増幅器1の正転入力端にチャージ容
量素子C1が接続され、正転入力端とチャージ容量素子
C1との間には、チャージ容量素子C1の一端の接続相
手を正転入力端又は共通基準電位Vcomが入力される
共通基準電位端子に切換えるスイッチSW3が接続され
ている。また、差動増幅器1の反転出力端に帰還抵抗R
f1が接続され、チャージ容量素子C1の他端の接続相
手を帰還抵抗Rf1又は正転入力電位Vin+が入力さ
れる正転入力端子に切換えるスイッチSW1が設けられ
ている。更に、帰還抵抗Rf1には、正転基準入力電位
Vr1+が入力される正転基準電位端子に接続された入
力抵抗RI1が接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアナログ/ディジタ
ル変換器等に使用される乗算型ディジタル/アナログ変
換回路に関し、特に、動作の高速化を図った乗算型ディ
ジタル/アナログ変換回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディジタル信号処理LSIへの集
積を目的としてCMOS技術による高速動作が可能で低
消費電力のアナログ/ディジタル変換器(ADC)の開
発が行われている。このようなアナログ/ディジタル変
換器を構成する回路の一つに、チャージ分配技術を使用
した乗算型ディジタル/アナログ変換回路(Multiplyin
g Digital-to-Analog Converter回路;以下、MDAC
回路という。)が組み込まれている。チャージ分配技術
を使用したMDAC回路は、特に多段構成のアナログ/
ディジタル変換器に使用され、MOSトランジスタの高
入力インピーダンス及びスイッチ回路の実現容易性を利
用して精度よくアナログ演算及び信号の保持を行うこと
ができるという特徴を有する。
【0003】チャージ分配技術を使用したMDAC回路
は、例えばStephen H.Lewis et al.,”A Pipelined 9-s
tage video-rate analog-to-digital converter”, IEE
E 1991 CICC、Won-Chul Song et al.,”A 10-b 20-Msam
ple/s Low-Power CMOS ADC”, IEEE Journal of SSC, v
ol.30, No.5, May 1995等に記載されている。これらの
文献に記載されているように、クロック制御されたスイ
ッチの切換えにより容量素子に蓄えられる電荷の分配が
行われ、MDAC回路は入力電位と基準電位との差電圧
を増幅する機能を有する。
【0004】また、このようなMDAC回路はサンプリ
ング動作と増幅動作とをクロックにより切換えることが
できるため、縦列接続によりパイプライン型アナログ/
ディジタル変換器に内蔵されて使用される。図5は従来
のパイプライン型アナログ/ディジタル変換器を示すブ
ロック図である。
【0005】パイプライン型アナログ/ディジタル変換
器には、入力された電圧Vinを所定の時間保持しその
後増幅して出力するサンプルホールドアンプ(S/Hア
ンプ)21が設けられており、このS/Hアンプ21に
(n−1)個のMDAC回路MDAC1乃至MDAC
(n−1)が縦列接続されている。また、アナログディ
ジタルサブコンバータADSC1乃至ADSCnがS/
Hアンプ21及びMDAC回路MDAC1乃至MDAC
(n−1)の出力端に接続されている。更に、これらの
回路からNビットの信号が送信されこれをディジタル補
正するディジタル補正回路22が設けられている。そし
て、このディジタル補正回路22から補正されたディジ
タル出力Doutが出力される。
【0006】このようなパイプライン型アナログ/ディ
ジタル変換器に使用される従来のMDAC回路について
説明する。図6は1ビットで制御される従来のMDAC
回路を示す回路図である。
【0007】従来のMDAC回路には、差動増幅器11
が設けられており、その正転入力端にチャージ容量素子
C11及びC12が相互に並列に接続され、同様に反転
入力端にチャージ容量素子C13及びC14が接続され
ている。正転入力端とチャージ容量素子C11及びC1
2との間には、クロック(図示せず)によりチャージ容
量素子C11及びC12の一端の接続相手を正転入力端
又は共通基準電位Vcomに切換えるように制御される
スイッチSW13が接続されている。同様に、反転入力
端とチャージ容量素子C13及びC14との間には、ス
イッチSW14が接続されている。
【0008】また、クロックによりチャージ容量素子C
11の他端の接続相手を差動増幅器11の反転出力端又
は正転入力電位Vin+に切換えるように制御されるス
イッチSW11が設けられ、チャージ容量素子C12の
他端の接続相手を正転基準入力電位Vr11+又は正転
入力電位Vin+に切換えるように制御されるスイッチ
SW15が設けられている。同様に、チャージ容量素子
C14の他端の接続相手を差動増幅器11の正転出力端
又は反転入力電位Vin-に切換えるように制御される
スイッチSW12が設けられ、チャージ容量素子C13
の他端の接続相手を反転基準入力電位Vr11-又は反
転入力電位Vin-に切換えるように制御されるスイッ
チSW16が設けられている。
【0009】なお、チャージ容量素子C11、C12、
C13及びC14の容量はCである。
【0010】次に、上述のように構成された従来のMD
AC回路の動作について説明する。図7は従来のMDA
C回路の動作を示す図であって、(a)はサンプリング
時の接続状態を簡易的に示す回路図であり、(b)は増
幅時の接続状態を簡易的に示す回路図である。
【0011】サンプリング時には、図7(a)に示すよ
うに、スイッチSW11及びSW15は夫々チャージ容
量素子C11及びC12の接続相手を正転入力電位Vi
+に切換え、スイッチSW12及びSW16は夫々チ
ャージ容量素子C14及びC13の接続相手を反転入力
電位Vin-に切換え、スイッチSW13及びSW14
は夫々チャージ容量素子C11及びC12並びにチャー
ジ容量素子C13及びC14の接続相手を共通基準電位
Vcomに切換える。そして、入力電位と共通基準電位
との差電圧により、下記数式1で示される電荷Q+がチ
ャージ容量素子C11及びC12に総量で充電され、数
式2で示される電荷Q-がチャージ容量素子C13及び
C14に総量で充電される。
【0012】
【数1】Q+=2C×(Vin+−Vcom)
【0013】
【数2】Q-=2C×(Vin-−Vcom)
【0014】一方、増幅時には、図7(b)に示すよう
に、スイッチSW11はチャージ容量素子C11の接続
相手を反転出力端に切換え、スイッチSW12はチャー
ジ容量素子C14の接続相手を正転出力端に切換え、ス
イッチSW13及びSW14は夫々チャージ容量素子C
11及びC12並びにチャージ容量素子C13及びC1
4の接続相手を差動増幅器11に切換え、スイッチSW
15はチャージ容量素子C12の接続相手を正転基準入
力電位Vr11+に切替え、スイッチSW16はチャー
ジ容量素子C13の接続相手を反転基準入力電位Vr1
-に切替える。これにより、チャージ分配が行われ
る。このとき、数式1又は2で表される電荷Q+及びQ-
が共通基準電位が接続される容量と差動増幅器の帰還容
量とに保持及び分配されるため、差動増幅器11の入力
電位をVIとすると、下記数式3及び4が成り立つ。
【0015】
【数3】2C×(Vin+−Vcom)=C×(Vr+
VI)+C×(Vout-−VI)
【0016】
【数4】2C×(Vin-−Vcom)=C×(Vr-
VI)+C×(Vout+−VI)
【0017】従って、数式3及び4から、下記数式5が
導かれる。
【0018】
【数5】Vout+−Vout-=−(2×(Vin+
Vin-)−(Vr11+−Vr11-))
【0019】つまり、入力差動信号の2倍と差動基準電
位との差分が得られる。また、信号処理がすべて差分で
行われるので、同相ノイズに対して強い。
【0020】次に、2ビット又は3ビットで制御される
従来のMDAC回路について説明する。図8は2ビット
で制御される従来のMDAC回路を示す回路図である。
なお、図8に示す従来のMDAC回路において、図6に
示す従来のMDAC回路と同一の構成要素には、同一の
符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0021】2ビットで制御される従来のMDAC回路
には、チャージ容量素子C11及びC12とスイッチS
W13との接続点に接続されたチャージ容量素子C15
及びチャージ容量素子C13及びC14とスイッチSW
14との接続点に接続されたチャージ容量素子C16が
設けられている。更に、チャージ容量素子C15の他端
の接続相手を正転基準入力電位Vr12+又は正転入力
電位Vin+に切替えるように制御されるスイッチSW
17及びチャージ容量素子C16の他端の接続相手を反
転基準入力電位Vr12-又は反転入力電位Vin-に切
替えるように制御されるスイッチSW18が設けられて
いる。
【0022】なお、チャージ容量素子C15及びC16
の容量は2Cである。
【0023】このように構成された従来のMDAC回路
においては、下記数式6で示される出力が得られる。
【0024】
【数6】Vout+−Vout-=−(22×(Vin+
Vin-)−21×(Vr12+−Vr12-)−20×
(Vr11+−Vr11-))
【0025】また、図9は3ビットで制御される従来の
MDAC回路を示す回路図である。なお、図9に示す従
来のMDAC回路において、図8に示す従来のMDAC
回路と同一の構成要素には、同一の符号を付してその詳
細な説明は省略する。
【0026】3ビットで制御される従来のMDAC回路
には、チャージ容量素子C11及びC12とスイッチS
W13との接続点に接続されたチャージ容量素子C17
及びチャージ容量素子C13及びC14とスイッチSW
14との接続点に接続されたチャージ容量素子C18が
設けられている。更に、チャージ容量素子C17の他端
の接続相手を正転基準入力電位Vr13+又は正転入力
電位Vin+に切替えるように制御されるスイッチSW
19及びチャージ容量素子C18の他端の接続相手を反
転基準入力電位Vr13-又は反転入力電位Vin-に切
替えるように制御されるスイッチSW20が設けられて
いる。
【0027】なお、チャージ容量素子C17及びC18
の容量は4Cである。
【0028】このように構成された従来のMDACにお
いては、下記数式7で示される出力が得られる。
【0029】
【数7】Vout+−Vout-=−(23×(Vin+
Vin-)−22×(Vr13+−Vr13-)−21×
(Vr12+−Vr12-)−20×(Vr11+−Vr1
-))
【0030】このように、MDAC回路をその制御をn
ビットで行うような構造とした場合、入力差動信号の2
n倍と2進重み付けした基準電圧との差分が得られる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
MDAC回路においては、図8及び9に示すように、2
ビット、3ビットとビット数が1ビットずつ増大する
と、サンプリングに必要な総入力容量が4C、8Cと2
倍ずつ増加し、前段に接続される増幅器の負荷が極めて
大きくなる。このため、例えば図5に示すパイプライン
型アナログ/ディジタル変換器に使用される場合、前段
に接続される増幅器(S/Hアンプ又はMDAC)の帯
域が大きく制限され、動作速度の向上が困難であるとい
う問題点がある。
【0032】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、縦列接続されてパイプライン型アナログ/
ディジタル変換器に使用される場合に、このパイプライ
ン型アナログ/ディジタル変換器の動作速度を向上させ
ることができる乗算型ディジタル/アナログ変換回路を
提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明に係る乗算型ディ
ジタル/アナログ変換回路は、正転入力電位が入力され
る正転入力端子と、反転入力電位が入力される反転入力
端子と、正転基準入力電位が入力されるn個の正転基準
電位端子(nは1又は2以上の整数)と、反転基準入力
電位が入力されるn個の反転基準電位端子と、前記正転
基準電位端子の夫々に1個ずつ接続されたn個の第1の
入力抵抗と、前記反転基準電位端子の夫々に1個ずつ接
続されたn個の第2の入力抵抗と、差動増幅器と、この
差動増幅器の反転出力端とn個の前記第1の入力抵抗と
の間に接続された第1の帰還抵抗と、前記差動増幅器の
正転出力端とn個の前記第2の入力抵抗との間に接続さ
れた第2の帰還抵抗と、第1の容量素子と、第2の容量
素子と、共通基準電位が入力される共通基準電位端子
と、前記第1の容量素子の一端を前記第1の入力抵抗と
前記第1の帰還抵抗との接続点又は前記正転入力端子に
切換えて接続させる第1のスイッチと、前記第2の容量
素子の一端を前記第2の入力抵抗と前記第2の帰還抵抗
との接続点又は前記反転入力端子に切換えて接続させる
第2のスイッチと、前記第1の容量素子の他端を前記差
動増幅器の正転入力端又は前記共通基準電位端子に切換
えて接続させる第3のスイッチと、前記第2の容量素子
の他端を前記差動増幅器の反転入力端又は前記共通基準
電位端子に切換えて接続させる第4のスイッチと、を有
することを特徴とする。
【0034】本発明においては、制御のためのビット数
が増加した場合、第1及び第2の容量素子の容量を増加
させなくとも、適応することが可能である。従って、縦
列接続されてアナログ/ディジタル変換器に組み込まれ
る場合であっても、前段に接続される増幅器の帯域への
制限が緩和される。このため、このようなアナログ/デ
ィジタル変換器の高速動作が可能となる。
【0035】なお、前記第1乃至第4のスイッチは、外
部に設けられたクロックにより制御されることができ
る。
【0036】また、前記第1の帰還抵抗は、n個の前記
第1の入力抵抗のいずれかと同一の抵抗値を有し、前記
第2の帰還抵抗は、n個の前記第2の入力抵抗のいずれ
かと同一の抵抗値を有することができる。
【0037】更に、前記第1の帰還抵抗の抵抗値は、n
個の前記第1の入力抵抗のいずれとも相違し、前記第2
の帰還抵抗の抵抗値は、n個の前記第2の入力抵抗のい
ずれとも相違してもよい。
【0038】更にまた、前記第1の帰還抵抗と前記第2
の帰還抵抗とは、同一の抵抗値を有し、n個の前記第1
の入力抵抗は、夫々n個の前記第2の入力抵抗と同一の
抵抗値を有することができる。
【0039】また、前記第1の容量素子と前記第2の容
量素子とは、同一の容量を有することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係る乗算
型ディジタル/アナログ変換回路について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。第1の実施例は、1ビッ
トで制御されるMDAC回路である。図1は本発明の第
1の実施例に係るMDAC回路を示す回路図である。
【0041】本実施例には、差動増幅器1が設けられて
おり、その正転入力端にチャージ容量素子C1が接続さ
れ、反転入力端にチャージ容量素子C2が接続されてい
る。正転入力端とチャージ容量素子C1との間には、ク
ロック(図示せず)によりチャージ容量素子C1の一端
の接続相手を正転入力端又は共通基準電位Vcomが入
力される共通基準電位端子に切換えるように制御される
スイッチSW3が接続されている。同様に、反転入力端
とチャージ容量素子C2との間には、クロックによりチ
ャージ容量素子C2の一端の接続相手を反転入力端又は
前記共通基準電位端子に切換えるように制御されるスイ
ッチSW4が接続されている。
【0042】また、差動増幅器1の反転出力端に帰還抵
抗Rf1が接続され、正転出力端に帰還抵抗Rf2が接
続されている。そして、クロックによりチャージ容量素
子C1の他端の接続相手を帰還抵抗Rf1又は正転入力
電位Vin+が入力される正転入力端子に切換えるよう
に制御されるスイッチSW1が設けられ、クロックによ
りチャージ容量素子C2の他端の接続相手を帰還抵抗R
f2又は反転入力電位Vin-が入力される反転入力端
子に切換えるように制御されるスイッチSW2が設けら
れている。更に、帰還抵抗Rf1には、正転基準入力電
位Vr1+が入力される正転基準電位端子に接続された
入力抵抗RI1が接続されている。同様に、帰還抵抗R
f2には、反転基準入力電位Vr1-が入力される反転
基準電位端子に接続された入力抵抗RI2が接続されて
いる。
【0043】なお、チャージ容量素子C1及びC2の容
量はCであり、帰還抵抗Rf1及びRf2並びに入力抵
抗RI1及びRI2の抵抗はRである。
【0044】次に、上述のように構成された実施例に係
るMDAC回路の動作について説明する。図2は本発明
の実施例に係るMDAC回路の動作を示す図であって、
(a)はサンプリング時の接続状態を簡易的に示す回路
図であり、(b)は増幅時の接続状態を簡易的に示す回
路図である。
【0045】サンプリング時には、図2(a)に示すよ
うに、スイッチSW1はチャージ容量素子C1の接続相
手を正転入力端子(電位:Vin+)に切換え、スイッ
チSW2はチャージ容量素子C2の接続相手を反転入力
端子(電位:Vin-)に切換え、スイッチSW3及び
SW4は夫々チャージ容量素子C1及びC2の接続相手
を共通基準電位端子(電位:Vcom)に切換える。そ
して、入力電位と共通基準電位との差電圧により、下記
数式8で示される電荷Q+がチャージ容量素子C1に充
電され、数式9で示される電荷Q-がチャージ容量素子
C2に充電される。
【0046】
【数8】Q+=C×(Vin+−Vcom)
【0047】
【数9】Q-=C×(Vin-−Vcom)
【0048】一方、増幅時には、図2(b)に示すよう
に、スイッチSW1はチャージ容量素子C1の接続相手
を帰還抵抗Rf1に切換え、スイッチSW2はチャージ
容量素子C2の接続相手を帰還抵抗Rf2に切換え、ス
イッチSW3及びSW4は夫々チャージ容量素子C1及
びC2の接続相手を差動増幅器1に切換える。このと
き、正転基準電位端子(電位:Vr1+)に縦列接続さ
れた抵抗間の電位をVp、反転基準電位端子(電位:V
r1-)に縦列接続された抵抗間の電位をVnとする
と、正転出力電位Vout+は下記数式10で示され、
反転出力電位Vout-は下記数式11で示される。
【0049】
【数10】Vout+=2Vp−Vr1+
【0050】
【数11】Vout-=2Vn−Vr1-
【0051】このとき、チャージ容量素子C1及びC2
に充電されている電荷は変化しないので、差動増幅器1
の入力電位をVIとすると、下記数式12及び13が成
り立つ。
【0052】
【数12】 C×(Vin+−Vcom)=C×(Vp−VI)
【0053】
【数13】 C×(Vin-−Vcom)=C×(Vn−VI)
【0054】従って、数式10乃至13から、下記数式
14が導かれる。
【0055】
【数14】Vout+−Vout-=−(2×(Vin+
−Vin-)−(Vr1+−Vr1-))
【0056】つまり、本実施例によっても、従来のMD
AC回路と同様に、入力差動信号の2倍と差動基準電位
との差分が得られる。
【0057】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第2の実施例は2ビットで制御される。図3は本
発明の第2の実施例に係るMDAC回路を示す回路図で
ある。なお、図3に示す第2の実施例において、図1に
示す第1の実施例と同一の構成要素には、同一の符号を
付してその詳細な説明は省略する。
【0058】本実施例には、帰還抵抗Rf1と入力抵抗
RI1との接続点に接続された入力抵抗RI3が設けら
れており、入力抵抗RI3は正転基準入力電位Vr2+
が入力される正転基準電位端子に接続されている。同様
に、帰還抵抗Rf2と入力抵抗RI2との接続点に接続
された入力抵抗RI4が設けられており、入力抵抗RI
4は反転基準入力電位Vr2-が入力される反転基準電
位端子に接続されている。なお、入力抵抗RI3及びR
I4の抵抗はR/2である。
【0059】このように構成された第2の実施例におい
ては、下記数式15で示される出力が得られる。
【0060】
【数15】Vout+−Vout-=−(22×(Vin+
−Vin-)−21×(Vr2+−Vr2-)−20×(V
r1+−Vr1-))
【0061】つまり、従来の2ビット制御のMDAC回
路と同様の出力を得ることができる。また、本実施例で
は、ビット数が増加しても1ビット制御のときよりも大
きなチャージ容量素子は必要とならない。従って、図5
に示す変換器に使用しても前段に接続された増幅器の帯
域の制限が緩和される。従って、前段の負荷容量を小さ
くすることにより、動作を高速化することが可能であ
る。また、信号が差動で処理されるため、同相ノイズに
強い構成である。
【0062】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。第3の実施例は3ビットで制御される。図4は本
発明の第3の実施例に係るMDAC回路を示す回路図で
ある。なお、図4に示す第3の実施例において、図3に
示す第2の実施例と同一の構成要素には、同一の符号を
付してその詳細な説明は省略する。
【0063】本実施例には、帰還抵抗Rf1と入力抵抗
RI1との接続点に接続された入力抵抗RI5が設けら
れており、入力抵抗RI5は正転基準入力電位Vr3+
が入力される正転基準電位端子に接続されている。同様
に、帰還抵抗Rf2と入力抵抗RI2との接続点に接続
された入力抵抗RI6が設けられており、入力抵抗RI
6は反転基準入力電位Vr3-が入力される反転基準電
位端子に接続されている。なお、入力抵抗RI5及びR
I6の抵抗はR/4である。
【0064】このように構成された第3の実施例におい
ては、下記数式16で示される出力が得られる。
【0065】
【数16】Vout+−Vout-=−(23×(Vin+
−Vin-)−22×(Vr3+−Vr3-)−21×(V
r2+−Vr2-)−20×(Vr1+−Vr1-))
【0066】つまり、従来の3ビット制御のMDAC回
路と同様の出力を得ることができる。また、本実施例に
おいても、ビット数が増加しても1ビット制御のときよ
りも大きなチャージ容量素子は必要とならない。従っ
て、図5に示す変換器に使用しても前段に接続された増
幅器の帯域の制限が緩和される。従って、前段の負荷容
量を小さくすることにより、動作を高速化することが可
能である。また、信号が差動で処理されるため、同相ノ
イズに強い構成である。
【0067】このように、第1、第2及び第3の実施例
に示すように、ビット数が増加しても、入力容量は常に
一定であるため、縦列接続された場合でも、前段の負荷
容量は小さく高速化につながる。
【0068】なお、第1乃至第3の実施例においては、
1組の入力抵抗と1組の帰還抵抗との抵抗値が一致して
いるが、入力抵抗と帰還抵抗との間で抵抗値は必ずしも
一致している必要はない。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
同相ノイズに強い構造で第1及び第2の容量素子の容量
を増加させなくとも、制御ビット数の増加に適応するこ
とができ、アナログ信号の演算及び保持を行うことがで
きる。従って、縦列接続されてアナログ/ディジタル変
換器に組み込まれる場合であっても、前段に接続される
増幅器の帯域への制限を緩和し、このようなアナログ/
ディジタル変換器を高速に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るMDAC回路を示
す回路図である。
【図2】本発明の実施例に係るMDAC回路の動作を示
す図であって、(a)はサンプリング時の接続状態を簡
易的に示す回路図であり、(b)は増幅時の接続状態を
簡易的に示す回路図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係るMDAC回路を示
す回路図である。
【図4】本発明の第3の実施例に係るMDAC回路を示
す回路図である。
【図5】従来のパイプライン型アナログ/ディジタル変
換器を示すブロック図である。
【図6】1ビットで制御される従来のMDAC回路を示
す回路図である。
【図7】従来のMDAC回路の動作を示す図であって、
(a)はサンプリング時の接続状態を簡易的に示す回路
図であり、(b)は増幅時の接続状態を簡易的に示す回
路図である。
【図8】2ビットで制御される従来のMDAC回路を示
す回路図である。
【図9】3ビットで制御される従来のMDAC回路を示
す回路図である。
【符号の説明】
1、11;差動増幅器 Rf1、Rf2;帰還抵抗 RI1、RI2、RI3、RI4、RI5、RI6;入
力抵抗 C1、C2、C11、C12、C13、C14、C1
5、C16、C17、C18;チャージ容量素子 MDAC1、MDAC2、MDAC(n−1);MDA
C回路 ADSC1、ADSC2、ADSCn;アナログディジ
タルサブコンバータ 21;サンプリングホールドアンプ 22;ディジタル補正回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正転入力電位が入力される正転入力端子
    と、反転入力電位が入力される反転入力端子と、正転基
    準入力電位が入力されるn個の正転基準電位端子(nは
    1又は2以上の整数)と、反転基準入力電位が入力され
    るn個の反転基準電位端子と、前記正転基準電位端子の
    夫々に1個ずつ接続されたn個の第1の入力抵抗と、前
    記反転基準電位端子の夫々に1個ずつ接続されたn個の
    第2の入力抵抗と、差動増幅器と、この差動増幅器の反
    転出力端とn個の前記第1の入力抵抗との間に接続され
    た第1の帰還抵抗と、前記差動増幅器の正転出力端とn
    個の前記第2の入力抵抗との間に接続された第2の帰還
    抵抗と、第1の容量素子と、第2の容量素子と、共通基
    準電位が入力される共通基準電位端子と、前記第1の容
    量素子の一端を前記第1の入力抵抗と前記第1の帰還抵
    抗との接続点又は前記正転入力端子に切換えて接続させ
    る第1のスイッチと、前記第2の容量素子の一端を前記
    第2の入力抵抗と前記第2の帰還抵抗との接続点又は前
    記反転入力端子に切換えて接続させる第2のスイッチ
    と、前記第1の容量素子の他端を前記差動増幅器の正転
    入力端又は前記共通基準電位端子に切換えて接続させる
    第3のスイッチと、前記第2の容量素子の他端を前記差
    動増幅器の反転入力端又は前記共通基準電位端子に切換
    えて接続させる第4のスイッチと、を有することを特徴
    とする乗算型ディジタル/アナログ変換回路。
  2. 【請求項2】 前記第1乃至第4のスイッチは、外部に
    設けられたクロックにより制御されることを特徴とする
    請求項1に記載の乗算型ディジタル/アナログ変換回
    路。
  3. 【請求項3】 前記第1の帰還抵抗は、n個の前記第1
    の入力抵抗のいずれかと同一の抵抗値を有し、前記第2
    の帰還抵抗は、n個の前記第2の入力抵抗のいずれかと
    同一の抵抗値を有することを特徴とする請求項1又は2
    に記載の乗算型ディジタル/アナログ変換回路。
  4. 【請求項4】 前記第1の帰還抵抗の抵抗値は、n個の
    前記第1の入力抵抗のいずれとも相違し、前記第2の帰
    還抵抗の抵抗値は、n個の前記第2の入力抵抗のいずれ
    とも相違することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    乗算型ディジタル/アナログ変換回路。
  5. 【請求項5】 前記第1の帰還抵抗と前記第2の帰還抵
    抗とは、同一の抵抗値を有し、n個の前記第1の入力抵
    抗は、夫々n個の前記第2の入力抵抗と同一の抵抗値を
    有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項
    に記載の乗算型ディジタル/アナログ変換回路。
  6. 【請求項6】 前記第1の容量素子と前記第2の容量素
    子とは、同一の容量を有することを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれか1項に記載の乗算型ディジタル/アナ
    ログ変換回路。
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