JP4093976B2 - アナログデジタル変換器 - Google Patents

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Description

本発明は、アナログデジタル変換器に関する。本発明は特に、パイプライン型およびサイクリック型のアナログデジタル変換器に関する。
近年、携帯電話等の携帯機器に画像撮影機能、画像再生機能、動画撮影機能、および動画再生機能等、様々な付加機能が搭載されるようになってきている。これに伴い、アナログデジタル変換器(以下、「AD変換器」という。)の小型化や省電力化の要求が高まっている。そうしたAD変換器の形態として、循環型に構成されたサイクリックAD変換器が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、サイクリック型の変換部分を含む2ステージからなるパイプライン型のAD変換器が開示されている。
特開平4−26229号公報
上記特許文献1の第1図に示されたAD変換器の第1ステージには、並列型A/D変換器AD1およびD/A変換器DA1からなる系と並列にサンプルホールド回路S/H1が設けられている。この回路の入力アナログ信号は、このサンプルホールド回路S/H1で所定の期間保持される。
しかしながら、サンプルホールド回路の構成要素にオペアンプが含まれるため、低電圧時にはサンプルホールド回路の出力電圧範囲が狭まる。特に、回路構成上、精度的に最も重要視するべき第1ステージにおいて、低電圧時にサンプルホールド回路の出力電圧範囲が狭まることに起因する歪等の特性劣化が大きくなり、AD変換器全体の特性が悪化するという問題点がある。
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、アナログ信号を複数回に分けて、デジタル値に変換するAD変換器において、低電圧時における特性を向上させる点にある。
本発明のある態様は、アナログデジタル変換器である。このアナログデジタル変換器は、自己のステージの入力アナログ信号を所定ビット数のデジタル値に変換するAD変換回路と、AD変換回路の出力をアナログ信号に変換するDA変換回路と、自己のステージの入力アナログ信号から、または自己のステージの入力アナログ信号を所定の増幅率で増幅する増幅回路の出力アナログ信号から、DA変換回路の出力を減算する減算回路と、を含むステージの基本ユニットを有し、この基本ユニットを1回または繰り返して使用することにより、所定のデジタル信号を得るアナログデジタル変換器であって、本アナログデジタル変換器に含まれる1つ以上の増幅回路を1未満の増幅率に設定した。
本態様によれば、1未満の増幅率の増幅回路を設けたことにより、入力電圧範囲が拡大された増幅回路が含まれることになり、AD変換器全体の特性向上に資する。なお、「増幅回路」には、1倍の増幅率、即ちサンプルホールド回路を含む。
本発明のある態様は、アナログデジタル変換器である。このアナログデジタル変換器は、入力アナログ信号を複数回に分けてデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器であって、自己のステージに入力されるアナログ信号を1未満の増幅率で増幅する増幅回路と、前記アナログ信号を並列に受けて、該アナログ信号の一部の成分を所定ビット数のデジタル値に変換するAD変換回路と、AD変換回路の出力をアナログ信号に変換するDA変換回路と、増幅回路の出力から、DA変換回路の出力を減算する減算回路と、を含むステージを有する。
本態様によれば、従来設けられていたサンプルホールド回路の代わりに、1未満の増幅率で増幅する増幅回路を設けたことにより、従来、低電圧時にサンプルホールド回路で発生していた特性劣化をなくし、AD変換器全体の特性を向上させることができる。当該増幅回路は、1未満の増幅率で増幅するため、入力電圧範囲を拡大することができる。
1未満の増幅率の増幅回路は、本アナログデジタル変換器の入力アナログ信号が最初に入力される増幅回路であるとよい。この増幅回路に入力される信号は、最も大きな信号であるため、そこで歪みが発生しやすい。そこで、当該増幅回路の増幅率を1未満にすることにより、特性が向上する。
上述した態様のアナログデジタル変換器は、自己のステージの出力アナログ信号が、自己のステージの入力にフィードバックするステージを含むとよい。これによれば、フィードバックするステージを含むAD変換器の特性が向上する。
DA変換回路は、対応する増幅回路の増幅率と実質的に同一の増幅率で増幅してアナログ信号に変換するとよい。これによれば、上記増幅回路の増幅に対応して、AD変換回路の出力をDA変換回路で増幅することができる。また、DA変換回路は、容量アレイ式であり、実現する増幅率に応じて容量の数を調整するとよい。容量の数を増やして1倍未満の増幅を実現すると、AD変換回路とDA変換回路とに供給される基準電圧のレベルを変えずに、その増幅を行うことができる。よって、基準電圧のレベルが安定し、精度が高い増幅を実現することができる。
本発明のさらに別の態様も、アナログデジタル変換器である。このアナログデジタル変換器は、上述した態様に、自己のステージに入力されるアナログ信号を受ける増幅回路の増幅率および該ステージのDA変換回路の増幅率を制御する増幅率制御回路、をさらに有し、増幅回路とDA変換回路との差分信号が所定の増幅率で増幅されて、増幅回路およびAD変換回路にフィードバックされると、増幅率制御回路は、増幅回路の増幅率およびDA変換回路の増幅率を1以上にする。増幅回路にフィードバックしてくる信号は、差分信号であるため前回入力された信号より小さな信号となる。したがって、増幅回路で歪みが発生する可能性は低くなる。このように、増幅回路への最初に入力される信号は1未満の増幅率で増幅し、2回目以降に入力される信号は、1以上の増幅率で増幅することにより、AD変換器全体の特性向上と高速化の要求を両立することができる。
本発明のさらに別の態様も、アナログデジタル変換器である。このアナログデジタル変換器は、上述した態様に、自己のステージに入力されるアナログ信号を受ける増幅回路に入力されるアナログ信号のレベルを判定する信号レベル判定回路と、信号レベル判定回路の判定の結果、前記アナログ信号が所定のしきい値以内のとき、増幅回路と当該ステージのDA変換回路の増幅率を1以上にする増幅率制御回路と、をさらに有する。これによれば、増幅回路で歪みが発生するレベルの信号の場合は、1未満の増幅率で増幅し、歪みが発生しないレベルの信号の場合は、1以上の増幅率で増幅することにより、アナログデジタル変換器全体の特性向上と高速化の要求を両立することができる。なお、「所定のしきい値」は、増幅回路の出力電圧範囲を基に決定される。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、アナログ信号を複数回に分けて、デジタル値に変換するAD変換器において、低電圧時における特性を向上させる。
(第1実施形態)
本実施形態は、第1ステージのAD変換回路で4ビットを変換し、第2〜4ステージのAD変換回路で2ビットずつを変換する4ステージからなるパイプライン型のAD変換器の例である。
図1は、第1実施形態におけるAD変換器の構成を示す。このAD変換器において、入力アナログ信号Vinは、第1増幅回路11および第1AD変換回路12に入力される。第1増幅回路11は、入力アナログ信号Vinをサンプルし、0.8倍に増幅して第1減算回路14に出力する。第1AD変換回路12は、入力アナログ信号Vinをデジタル値に変換し、上位4ビット(D9〜D6)を取り出す。第1増幅回路11と第1AD変換回路12とは、同じタイミングで入力アナログ信号Vinをサンプルする。第1DA変換回路13は、第1AD変換回路12により変換されたデジタル値をアナログ値に変換する。第1減算回路14は、第1増幅回路11の出力アナログ信号から、第1DA変換回路13の出力アナログ信号を減算する。ここで、第1DA変換回路13の出力アナログ信号は、0.8倍に増幅されている。この詳細な構成については、後述する。第2増幅回路15は、第1減算回路14の出力アナログ信号を2.5倍に増幅する。なお、第1減算回路14および第2増幅回路15の代わりに、一体型の第1減算増幅回路16を用いてもよい。それによれば、回路面積を縮小することができる。
第2増幅回路15の出力アナログ信号は、第3増幅回路17および第2AD変換回路18に入力される。第3増幅回路17は、入力されるアナログ信号を2倍に増幅して、第2減算回路20に出力する。第2AD変換回路18は、入力されるアナログ信号をデジタル値に変換し、上位から5,6ビット(D5〜D4)を取り出す。
第2ステージの変換ビット数は2ビットであるため、本来、第1ステージの出力が実質4(2の2乗)倍に増幅されていなければならない。第1ステージにおいては第1増幅回路11の0.8倍、第2増幅回路15の2.5倍により、合計2倍に増幅している。それに加えて、第2AD変換回路18内の後述する電圧比較素子のリファレンス電圧を、第1AD変換回路12の1/2に設定すれば、上記実質4倍を実現することができる。
第2DA変換回路19は、第2AD変換回路18により変換されたデジタル値をアナログ値に変換する。第2減算回路20は、第3増幅回路17の出力アナログ信号から第2DA変換回路19の出力アナログ信号を減算する。ここで、第2DA変換回路19の出力アナログ信号は、2倍に増幅されている。第4増幅回路21は、第2減算回路20の出力アナログ信号を2倍に増幅する。なお、第2減算回路20および第4増幅回路21の代わりに、一体型の第2減算増幅回路22を用いてもよい。
第4増幅回路21の出力アナログ信号は、第5増幅回路23および第3AD変換回路24に入力される。第5増幅回路23は、入力されるアナログ信号を2倍に増幅して、第3減算回路26に出力する。第3AD変換回路24は、入力されるアナログ信号をデジタル値に変換し、上位から7,8ビット(D3〜D2)を取り出す。
第3DA変換回路25は、第3AD変換回路24により変換されたデジタル値をアナログ値に変換する。第3減算回路26は、第5増幅回路23の出力アナログ信号から第3DA変換回路25の出力アナログ信号を減算する。ここで、第3DA変換回路25の出力アナログ信号は、2倍に増幅されている。第6増幅回路27は、第3減算回路26の出力アナログ信号を2倍に増幅する。なお、第3減算回路26および第6増幅回路27の代わりに、一体型の第3減算増幅回路28を用いてもよい。
第6増幅回路27の出力アナログ信号は、第4AD変換回路29に入力される。第4AD変換回路29は、入力されるアナログ信号をデジタル値に変換し、上位から9,10ビット(D1〜D0)を取り出す。このように、4つのステージで10ビットのデジタル値を得ている。なお、第1AD変換回路12内の後述する電圧比較素子のリファレンス電圧を、第2AD変換回路18の2.5倍に設定すれば、第2増幅回路15の増幅率を2倍に設定することができる。
図2は、オペアンプを用いた増幅回路の出力電圧範囲が十分でない場合の入力電圧に対する出力電圧の特性を示す図である。図2に示すように、オペアンプには出力電圧範囲があり、この出力電圧範囲が十分に確保されない場合、入力電圧に対する出力電圧の線形特性が確保できない領域が存在する。即ち、出力電圧の高い領域と低い領域は、歪んでしまう。これに対し、出力電圧の中央の領域は、歪まない。
図1に示したAD変換器において、最も大きな信号が入力される増幅回路は、入力アナログ信号Vinが入力される第1増幅回路11である。その他の増幅回路15,17,21,23,27は、1回以上の減算を行った後の信号が入力されるため、第1増幅回路11より小さな信号が入力される。したがって、電源電圧の低電圧化による出力電圧範囲の狭小化の影響を最も受ける増幅回路は、第1増幅回路11である。また、AD変換器において、最も精度が要求される増幅回路も、第1増幅回路11である。そこで、第1増幅回路11の出力アナログ信号に歪みが発生しないように、第1増幅回路11の増幅率を1倍未満に設定する。
次に、第1AD変換回路12の出力を第1DA変換回路13で実質0.8倍にする手法について説明する。図3は、第1DA変換回路13、第1減算回路14、および第2増幅回路15の具体的な回路構成を示す図である。前提として、第1DA変換回路13の前段の第1AD変換回路12は、全並列比較、即ちフラッシュ方式である。フラッシュ方式のAD変換回路は、変換ビット数が4ビットの場合、16個の電圧比較素子が必要である。
第1DA変換回路13は、差動構成の容量アレイ式である。第1DA変換回路13は、プラス側に10個のコンデンサC0a〜C9a、およびマイナス側に10個のコンデンサC0b〜C9bを備える。これらのコンデンサC0a,b〜C9a,bは、すべて同じ容量値cを有する。また、プラス側に、10個のVin用スイッチSW0Va〜SW9Va、9個のVRT用スイッチSW1Ta〜SW9Ta、および9個のVRB用スイッチSW0Ba〜SW8Baを備える。プラス側の8個のコンデンサC1a〜C8aには、上記3種類のスイッチが接続され、入力アナログ信号Vin(+)、高電位側基準電圧VRT、および低電位側基準電圧VRBが選択的に入力される。それ以外の1個のコンデンサC0aには、Vin用スイッチSW0Vaと、VRB用スイッチSW0Baのみが接続され、入力アナログ信号Vin(+)と低電位側基準電圧VRBとが選択的に入力される。それ以外のもう1個のコンデンサC9aには、Vin用スイッチSW0Vaと、VRT用スイッチSW9Taのみが接続され、入力アナログ信号Vin(+)と高電位側基準電圧VRTとが選択的に入力される。プラス側の10個のコンデンサC0a〜C9aの出力は、第2増幅回路15の非反転出力端子に入力される。マイナス側も同様の構成であり、10個のコンデンサC0b〜C9bの出力は、第2増幅回路15の反転出力端子に入力される。
図示しない第1AD変換回路12の8個の電圧比較素子は、等間隔に設定されたリファレンス電位と、入力アナログ信号Vinとを比較し、それぞれHi/Loレベルの信号を出力する。この出力をバイナリコードに変換したデータが変換デジタル値になる。それと共に、当該出力は、8組のペアとっているプラス側のVRT用スイッチSW1Ta〜SW8TaおよびVRB用スイッチSW1Ba〜SW8Baのオンオフ制御を行う。同様にマイナス側の8組のオンオフ制御も行う。具体的には、一番の下位の電圧比較素子の出力がHiレベルのとき、それに対応するプラス側のVRT用スイッチSW1Taがオン、VRB用スイッチSW1Baがオフし、それに対応するマイナス側のVRT用スイッチSW1Tbがオフ、VRB用スイッチSW1Bbがオンする。他の電圧比較素子の出力に対しても、対応するスイッチが同様にオンオフする。
次に、動作について説明する。本来は、プラス側およびマイナス側のすべてのVin用スイッチSW1Va〜SW8Vaが先にオンし、入力アナログ信号Vinが各コンデンサC0〜C9に充電される。その後、VRT用スイッチSW1T〜SW8TおよびVRB用スイッチSW1B〜SW8Bが、各コンデンサC0〜C9ごとに選択的にオンオフして、第1AD変換回路12の変換デジタル値が、各コンデンサC1〜C8に充電される。これにより、第1減算回路14の機能を実現する。
以下、説明を簡略化するために、第1AD変換回路12の出力を0.8倍にする部分の動作のみを説明する。まず、プラス側およびマイナス側のそれぞれ10個のコンデンサC0〜C9の電荷が0であると仮定する。次に、上記8個の電圧比較素子のHi/Loレベルの信号の組み合わせにより、これらのコンデンサC0〜C9へ入力される高電位側基準電圧VRTと低電位側基準電圧VRBとの組み合わせが決まる。
図4は、第1DA変換回路13の容量アレイに入力される高電位側基準電圧VRTと低電位側基準電圧VRBとの組み合わせを示す図である。図4の左側半分は、8個の電圧比較素子に対して、プラス側およびマイナス側に8個のコンデンサC1〜C8を設けた場合の例であり、第1AD変換回路12の出力を増幅しない一般的な例である。右半分は、図3の構成であり、8個の電圧比較素子に対して、プラス側およびマイナス側に10個のコンデンサC0〜C9を設けた場合の例であり、第1AD変換回路12の出力を0.8倍に増幅する例である。8個の電圧比較素子の出力の組み合わせは、左側半分に示すように、A〜Iまで9通り考えられる。即ち、プラス側8:0、マイナス側0:8の組み合わせから、プラス側0:8、マイナス側8:0の組み合わせまでとなる。これに対して、図3の構成は、プラス側およびマイナス側双方に常時、高電位側基準電圧VRTが入力されるコンデンサC9と、常時、低電位側基準電圧VRBが入力されるコンデンサC0を設けている。これにより、8個の電圧比較素子の出力の組み合わせに対して、プラス側9:1、マイナス側1:9の組み合わせから、プラス側1:9、マイナス側9:1の組み合わせまでとなる。
左側半分に示した通常の1.0倍モードの場合、プラス側に8個のコンデンサC1a〜C8aが設けられるため、それらコンデンサC1a〜C8aに蓄えられる電荷Q1は、下記式(A1)となる。また、同様にマイナス側の8個のコンデンサC1b〜C8bに蓄えられる電荷Q2は、下記式(A2)となる。
Q1=n{VRT−VDA(+)}c+(8−n){VRB−VDA(+)}c…(A1)
Q2=(8−n){VRT−VDA(−)}c+n{VRB−VDA(−)}c…(A2)
nはVRTの数、(8−n)はVRBの数。
初期条件の電荷が0であることを前提としているので、電荷保存則によりアナログ信号VDA(+)は、下記式(A3)となる。同様に、アナログ信号VDA(−)は、下記式(A4)となる。
VDA(+)=VRB+n(VRT−VRB)/8…(A3)
VDA(−)=VRT+n(VRT−VRB)/8…(A4)
したがって、アナログ信号VDAは、下記式(A5)となる。
VDA=VDA(+)−VDA(−)
=VRB−VRT+2n(VRT−VRB)/8…(A5)
これに対し、右半分に示した0.8倍モードの場合、プラス側に10個のコンデンサC0a〜C9aが設けられるため、それらコンデンサC0a〜C9aに蓄えられる電荷Q3は、下記式(A6)となる。また、同様にマイナス側の10個のコンデンサC0b〜C9bに蓄えられる電荷Q4は、下記式(A7)となる。
Q3=(n+1){VRT−VDA(+)}c+(10−n){VRB−VDA(+)}c…(A6)
Q4=(10−n){VRT−VDA(−)}c+(n+1){VRB−VDA(−)}c…(A7)
(n+1)はVRTの数、(10−n)はVRBの数。
1.0倍の場合と同様の展開により、アナログ信号VDAは、下記式(A8)となる。
VDA=VRB−VRT+2(n+1){VRT−VRB}/10…(A8)
上記式(A5)と式(A8)との間には、以下の関係が成り立つ。
[VRB−VRT+2n(VRT−VRB)/8]*0.8=VRB−VRT+2(n+1){VRT−VRB}/10
このように、通常の1.0倍モードの回路構成に、+側およびマイナス側双方に2つのコンデンサC0,C9を設け、一方に低電位側基準電圧VRBを入力し、他方に高電位側基準電圧VRTを入力することにより、第1AD変換回路12の出力を0.8に増幅することができる。
なお、付け足すコンデンサの数や容量値は、これに限るものではなく、それらの値を操作することにより、種々の増幅率を実現することができる。その場合、プラス側とマイナス側に入力される電圧の合計値が同じになればよい。また、8個の電圧比較素子に限らず、他の個数の電圧比較素子に対しても適用可能である。即ち、4ビット型以外のAD変換回路の出力にも適用可能である。
次に、第1AD変換回路12の出力を第1DA変換回路13で実質0.8倍にする他の手法について説明する。図5は、第1AD変換回路12、第1DA変換回路13、第1減算回路14、および第2増幅回路15の他の具体的な回路構成を示す図である。第1AD変換回路12は、全並列比較、即ちフラッシュ方式である。フラッシュ方式のAD変換回路は、変換ビット数が4ビットの場合、16個の電圧比較素子が必要であるが、以下便宜上8個の例で説明する。第1AD変換回路12は、8個の抵抗R1〜8、および8個の電圧比較素子CMP1〜8を備える。電圧比較素子CMP1〜8の出力は、第1DA変換回路13および図示しないエンコーダに入力される。
抵抗R1〜8は、高電位側基準電圧VRTと、低電位側基準電圧VRBとの間に直列に接続されている。抵抗R1〜8は、同じ抵抗値を有し、等間隔のリファレンス電位を生成する。それらのリファレンス電位は、電圧比較素子CMP1〜8の反転入力端子に入力される。電圧比較素子CMP1〜8の非反転入力端子には、アナログ信号Vinが入力される。電圧比較素子CMP1〜8は、アナログ信号Vinが上記リファレンス電位よりも高い場合にはHiレベルとなり、低い場合にはLoレベルとなる。
第1DA変換回路13は、シングル構成の容量アレイ式である。第1DA変換回路13は、アレイ状に接続された8個のVin用スイッチSW1V〜SW8V、8個のVRT用スイッチSW1T〜SW8T、8個のVRB用スイッチSW1B〜SW8B、および8個のコンデンサC1〜C8を備える。また、第1DA変換回路13には、高電位側基準電圧VRTが抵抗R9により降圧されて供給される。第1DA変換回路13の動作は、図3および図4による説明の1.0倍モードの動作と同様である。
第1DA変換回路13に供給される基準電圧レンジ{VRT−(抵抗R9による電圧降下分)−VRB}は、第1AD変換回路12に供給される基準電圧レンジ(VRT−VRB)の0.8倍に設定される。第1DA変換回路13に供給される高電位側基準電圧VRTを降圧する抵抗R9の抵抗値は、上述の関係が満たされる値に設定される。また、この抵抗値を操作することにより、0.8以外の増幅率も実現することができる。なお、第1DA変換回路13を差動構成にした場合、抵抗R9を接続しない状態で、第1DA変換回路13に供給される基準電圧レンジは、第1AD変換回路12に供給される基準電圧レンジの2倍となる。その場合、それを前提に抵抗R9の抵抗値を設定する。
(第2実施形態)
本実施形態は、第1ステージのAD変換回路で4ビットを変換し、第2ステージのサイクリック型のAD変換回路で3ビットずつ2回に分けて変換することにより合計10ビットを出力するAD変換器の例である。
図6は、第2実施形態におけるAD変換器の構成を示す。このAD変換器において、まず、前段ステージについて説明する。入力アナログ信号Vinは、第1増幅回路31および第1AD変換回路32に入力される。第1AD変換回路32は、フラッシュ型のものであり、その分解能、即ち変換ビット数は4ビットである。第1AD変換回路32は、入力されるアナログ信号をデジタル値に変換し、上位4ビット(D9〜D6)を取り出し、図示しないエンコーダおよび第1DA変換回路33に出力する。第1DA変換回路33は、第1AD変換回路32により変換されたデジタル値をアナログ値に変換する。第1増幅回路11は、入力されたアナログ信号をサンプルし、0.8倍に増幅して第1減算回路34に出力する。第1減算回路34は、第1増幅回路31の出力から、第1DA変換回路33の出力を減算する。ここで、第1DA変換回路33の出力は、0.8倍に増幅されている。第1AD変換回路32および第1DA変換回路33の系で、0.8倍に増幅する手法は、第1実施形態で説明した。第2増幅回路35は、第1減算回路34の出力を2.5倍に増幅する。なお、第1減算回路34および第2増幅回路35は、一体型の第1減算増幅回路36であってもよい。これによれば、回路を簡素化することができる。
次に、後段ステージについて説明する。第1スイッチSW31および第2スイッチSW32は、交互にオンオフするスイッチである。第1スイッチSW31がオン、第2スイッチSW32がオフの状態において、前段ステージから第1スイッチSW31を介して入力されるアナログ信号は、第3増幅回路37および第2AD変換回路38に入力される。第2AD変換回路38も、フラッシュ型のものであり、その分解能、即ち冗長1ビットを含んだビット数は3ビットである。第2AD変換回路38は、入力されるアナログ信号をデジタル値に変換し、上位から5,6ビット(D5〜D4)を取り出し、図示しないエンコーダおよび第2DA変換回路39に出力する。
第2ステージの変換ビット数は2ビットであるため、本来、第1ステージの出力が実質4(2の2乗)倍に増幅されていなければならない。第1ステージにおいては第1増幅回路31の0.8倍、第2増幅回路35の2.5倍により、合計2倍に増幅している。それに加えて、第2AD変換回路38内の上述した電圧比較素子のリファレンス電圧を、第1AD変換回路32の1/2に設定すれば、上記実質4倍を実現することができる。
第2DA変換回路39は、第2AD変換回路38により変換されたデジタル値をアナログ値に変換する。第3増幅回路37は、入力されたアナログ信号をサンプルし、2倍に増幅して第2減算回路40に出力する。第2減算回路40は、第3増幅回路37の出力から、第2DA変換回路39の出力を減算して、第4増幅回路41に出力する。ここで、第2DA変換回路39の出力は、2倍に増幅されている。この2倍に増幅する手法は、上述した0.8倍に増幅する手法で操作したパラメータを、2.0倍になるように設定すればよい。なお、第2減算回路40および第4増幅回路41は、一体型の第2減算増幅回路42であってもよい。
第4増幅回路41は、第2減算回路40の出力を2倍に増幅する。この段階において、第1スイッチSW31がオフ、第2スイッチSW32がオンの状態に遷移している。第4増幅回路41において増幅されたアナログ信号は、第2スイッチSW32を介して第3増幅回路37および第2AD変換回路38へフィードバックされる。以下、上記の処理が繰り返され、第2AD変換回路38は、上位から7,8ビット(D3〜D2)および上位から9,10ビット(D1〜D0)を取り出す。このようにして、10ビットのデジタル値を得ている。上位から5〜10ビットをサイクリック型の後段ステージにより得ている。
図7は、第2実施形態におけるAD変換器の動作過程を示すタイムチャートである。以下、図の上位から順に説明する。3つの信号波形は、第1クロック信号CLK1、第2クロック信号CLK2およびスイッチ信号CLKSWを示す。第1クロック信号CLK1は、第1増幅回路31、第2増幅回路35、第1AD変換回路32および第1DA変換回路33の動作を制御する。第2クロック信号CLK2は、第3増幅回路37、第4増幅回路41、第2AD変換回路38および第2DA変換回路39の動作を制御する。スイッチ信号CLKSWは、第1スイッチSW31および第2スイッチSW32のオンオフ制御を行う。
第2クロック信号CLK2の周波数は、第1クロック信号CLK1の周波数の3倍である。第2クロック信号CLK2は、第1クロック信号CLK1を基本にPLL等を用いて逓倍して生成してもよい。第2クロック信号CLK2は、その立ち上がりが第1クロック信号CLK1の立ち上がりと同期した後、次の2回目の立ち下がりが第1クロック信号CLK1の次の立ち下がりと同期し、さらに次の2回目の立ち上がりが第1クロック信号CLK1の次の立ち上がりと同期する。第2クロック信号CLK2の周波数は第1クロック信号CLK1の周波数の3倍であるため、後段ステージによる変換処理速度も前段ステージによる変換処理速度の3倍である。より上位ビットでの変換処理における減算や増幅等のアナログ処理の精度は全体の変換精度に大きく影響するため、これを担当する前段ステージほど高い精度が要求される。したがって、本実施形態の構成において、前段ステージほどには処理精度が要求されない後段ステージは、前段ステージの処理速度より、その変換処理速度を速めることが可能である。
第1増幅回路31および第1AD変換回路32は、第1クロック信号CLK1の立ち上がりエッジで、入力アナログ信号Vinをサンプルする。第1増幅回路31は、第1クロック信号CLK1がHiのときにサンプルしたアナログ信号を0.8倍に増幅し、第1クロック信号CLK1がLoのときにオートゼロ動作をする。第2増幅回路35は、第1クロック信号CLK1の立ち下がりエッジで、入力されるアナログ信号をサンプルする。第1クロック信号CLK1がLoのときにサンプルしたアナログ信号を増幅して、第3増幅回路37および第2AD変換回路38に出力し、第1クロック信号CLK1がHiのときにオートゼロ動作をする。また、第2増幅回路35の代わりに第1減算増幅回路36を用いた場合は、第1クロック信号CLK1がLoのときにサンプルしたアナログ信号を減算増幅する。第1AD変換回路32は、第1クロック信号CLK1がHiのときに変換動作をしてデジタル値D9〜D6を出力し、第1クロック信号CLK1がLoのときにオートゼロ動作をする。第1DA変換回路33は、第1クロック信号CLK1がLoのときに変換確定データを保持し、第1クロック信号CLK1がHiのときは不定状態となる。
第1スイッチSW31は、スイッチ信号CLKSWがHiのときにオンされ、スイッチ信号CLKSWがLoのときにオフされる。第2スイッチSW32は、スイッチ信号CLKSWがLoのときにオンされ、スイッチ信号CLKSWがHiのときにオフされる。
第3増幅回路37および第2AD変換回路38は、第2クロック信号CLK2の立ち上がりエッジで、入力されるアナログ信号をサンプルする。第3増幅回路37は、第2クロック信号CLK2がHiのときにサンプルしたアナログ信号を増幅し、第2クロック信号CLK2がLoのときにオートゼロ動作をする。第2AD変換回路38が最下位ビットD1〜0を変換する期間は、増幅しない。第4増幅回路41は、第2クロック信号CLK2の立ち下がりエッジで、入力されるアナログ信号をサンプルする。第2クロック信号CLK2がLoのときにサンプルしたアナログ信号を増幅し、第2クロック信号CLK2がHiのときにオートゼロ動作をする。第4増幅回路41の代わりに第2減算増幅回路42を用いた場合は、第2クロック信号CLK2がLoのときにサンプルしたアナログ信号を減算増幅する。第2AD変換回路38がD1〜D0を変換後の次の半クロック期間は、増幅を行わない。
第2AD変換回路38は、第2クロック信号CLK2がHiのときに変換動作をして冗長ビット分を含んで3ビットを出力し、第2クロック信号CLK2がLoのときにオートゼロ動作をする。第2DA変換回路39は、第2クロック信号CLK2がLoのときに変換確定データを保持し、第2クロック信号CLK2がHiのときは不定状態となる。第2AD変換回路38の出力がD1〜D0のときは変換動作を行わない。
第1増幅回路31、第2増幅回路35、第3増幅回路37、第4増幅回路41、第1AD変換回路32および第2AD変換回路38のオートゼロ期間は、入力される信号をサンプル中の状態である。図のように、第2AD変換回路38がD5〜D4およびD3〜D2を変換処理する間、第1AD変換回路32は次に入力された入力アナログ信号Vinを同時に変換処理する。こうしたパイプライン処理により、AD変換器全体としては第1クロック信号CLK1を基準として1周期に1回、10ビットのデジタル値を出力することができる。なお、第1AD変換回路32内の後述する電圧比較素子のリファレンス電圧を、第2AD変換回路38の2.5倍に設定すれば、第2増幅回路35の増幅率を2倍に設定することができる。
このように、最も精度が要求され第1増幅回路31の増幅率を1倍未満に設定したことにより、第1増幅回路31の出力アナログ信号に発生する歪みを除去し、AD変換器全体の特性を向上させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、サイクリック型のAD変換器であり、最初に4ビットを変換し、それ以降3周回して2ビットずつ変換し、合計10ビットを出力する例である。
図8は、第3実施形態におけるAD変換器の構成を示す。第1スイッチSW51よび第2スイッチSW52は、交互にオンオフするスイッチである。初期状態において、第1スイッチSW51がオン、第2スイッチSW52がオフの状態である。入力アナログ信号Vinは、第1スイッチSW51を介して、第1増幅回路51およびAD変換回路52に入力される。第1増幅回路51は、入力されたアナログ信号を0.8倍に増幅して、減算回路54に出力する。AD変換回路52は、フラッシュ型のものであり、その最大分解能、即ち変換ビット数は4ビットである。AD変換回路52は、第1スイッチSW51を介して入力されるアナログ信号をデジタル値に変換し、上位4ビット(D9〜D6)を取り出し、図示しないエンコーダおよびDA変換回路53に出力する。DA変換回路53は、AD変換回路52により変換されたデジタル値をアナログ値に変換する。
減算回路54は、第1増幅回路51の出力から、DA変換回路53の出力を減算する。ここで、DA変換回路53の出力は、実質0.8倍に増幅されている。これは、第1実施形態において説明した手法を用いればよい。第2増幅回路55は、減算回路54の出力を5倍に増幅する。なお、減算回路54および第2増幅回路55は、一体型の減算増幅回路56であってもよい。これによれば、回路を簡素化することができる。
この段階において、第1スイッチSW51がオフ、第2スイッチSW52がオンの状態に遷移している。それと共に、第1増幅率制御回路57は、第1増幅回路51の増幅率を0.8倍から2倍に切り替え、第2増幅回路55の増幅率を5倍から2倍に切り替える。これらの切替は、例えば、第1増幅回路51および第2増幅回路55をスイッチトキャパシタ型で構成した場合、フィードバック系に接続されているコンデンサの容量値を切り替えることにより行うことができる。また、第2増幅率制御回路58は、DA変換回路53のAD変換回路52の出力に対する増幅率を0.8倍から2倍に切り替える。上述したように、DA変換回路53を容量アレイ式で構成した場合、コンデンサの数やその容量値、または基準電圧レンジを調整することにより、AD変換回路52の出力を0.8倍にする回路構成や2倍にする回路構成を構築することができる。よって、これらの回路構成をスイッチのオンオフにより切り替えられるようにしておけば、簡易に増幅率を切り替えることができる。
第2増幅回路55の出力アナログ信号は、第2スイッチSW52を介して、第1増幅回路51およびAD変換回路52にフィードバックされる。第1増幅回路51は、入力されたアナログ信号を2倍に増幅して、減算回路54に出力する。AD変換回路52は、第2スイッチSW52を介して入力されるアナログ信号を、冗長1ビットを除いて2ビット変換し、上位から5,6ビット(D5〜D4)を取り出し、図示しないエンコーダおよびDA変換回路53に出力する。DA変換回路53は、AD変換回路52により変換されたデジタル値をアナログ値に変換する。減算回路54は、第1増幅回路51の出力から、DA変換回路53の出力を減算する。ここで、DA変換回路53の出力は、実質2倍に増幅されている。第2増幅回路55は、減算回路54の出力を2倍に増幅する。以下、2回目の変換処理と同様の処理が繰り返され、AD変換回路52は、上位から7,8ビット(D3〜D2)および上位から9,10ビット(D1〜D0)を取り出す。このようにして、10ビットのデジタル値を得ている。
このように、最も大きな信号が入力され、最も精度が要求される1回目の第1増幅回路51の増幅率を1倍未満に設定し、2回目以降の第1増幅回路51の増幅率を、1倍を超える値に設定することにより、精度と速度の両立を図ることができる。即ち、2回目以降の第1増幅回路51の増幅率を、1倍を超える値に設定することにより、第2増幅回路55の増幅率を下げることができる。よって、第1増幅回路51および第2増幅回路55双方のセトリング時間が短縮し、2回目以降は高速化することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態は、パイプライン型やサイクリック型のAD変換器の入力アナログ信号Vinの信号レベルを判定する回路を付加した例である。
図9は、第4の実施形態におけるAD変換器の一部構成を示す。入力アナログ信号Vinは、増幅回路61およびAD変換回路62に入力される前に、信号レベル判定回路67に入力される。信号レベル判定回路67は、入力アナログ信号Vinと所定のしきい値とを比較する。所定のしきい値は、入力アナログ信号Vinが増幅回路61に入力した際に、歪みが発生するレベルか否かを判定するためのものである。
信号レベル判定回路67は、所定のしきい値を超えた場合、1倍未満のモードを選択するように、第1増幅率制御回路65および第2増幅率制御回路66に指示する。例えば、0.8倍モードである。また、信号レベル判定回路67は、所定のしきい値を以下の場合、1倍以上モードを選択するように第1増幅率制御回路65および第2増幅率制御回路66に指示する。例えば、1倍モードや2倍モードである。第1増幅率制御回路65は、信号レベル判定回路67の指示により、増幅回路61の増幅率を制御する。第2増幅率制御回路66は、信号レベル判定回路67の指示により、AD変換回路62の出力に対するDA変換回路63の増幅率を制御する。この第4実施形態の回路構成は、上述した第1〜第3の実施形態と組み合わせて用いることができる。その場合、第1〜第3の実施形態の第1増幅回路11,31,51の前段に信号レベル判定回路67が接続される形態となる。
このように、入力アナログ信号Vinの信号レベルにより、初段の増幅回路の増幅率を使い分けることにより、精度と速度を両立することができる。即ち、増幅回路の出力電圧範囲に収まるようなレベルの信号の場合、1倍未満に増幅する必要はないため、そのような場合には1倍未満に増幅しない。よって、その後段の増幅回路の増幅率を下げることができ、高速化する。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能である。また、そうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
第1実施形態において、第3増幅回路17や第5増幅回路23は除去されてもよい。第2減算増幅回路22や第3減算増幅回路28の入力アナログ信号のサンプルタイミングを調整するか、第2AD変換回路18や第3AD変換回路24を構成している電圧比較素子への入力アナログ信号Vinとリファレンス電圧との入力タイミングを切り替えれば、第3増幅回路17や第5増幅回路23を除去してもAD変換器全体の動作が保証される。その場合、第2減算増幅回路22や第3減算増幅回路28の増幅率を4倍にすればよい。これによれば、回路面積を縮小することができる。
各実施形態に記載したAD変換回路の変換ビット数とその配分、増幅回路の増幅率、フラッシュ型のAD変換回路の電圧比較素子の数、容量アレイ式のDA変換回路のコンデンサの数、その容量値、高電位側基準電圧VRTを降圧するための抵抗の抵抗値等のパラメータは一例に過ぎず、変形例においてはこれらのパラメータに他の数値を採用してもよい。また、パイプライン型のAD変換器のステージ数、その任意のステージをサイクリック型の構成にする等、任意に設定可能である。
第1実施形態におけるAD変換器の構成を示す図である。 オペアンプを用いた増幅回路の出力電圧範囲が十分でない場合の入力電圧に対する出力電圧の特性を示す図である。 第1DA変換回路、第1減算回路、および第2増幅回路の具体的な回路構成を示す図である。 容量アレイに入力される高電位側基準電圧VRTと低電位側基準電圧VRBとの組み合わせを示す図である。 第1AD変換回路、第1DA変換回路、第1減算回路、および第2増幅回路の他の具体的な回路構成を示す図である。 第2実施形態におけるAD変換器の構成を示す図である。 第2実施形態におけるAD変換器の動作過程を示すタイムチャートである。 第3実施形態におけるAD変換器の構成を示す図である。 第4実施形態におけるAD変換器の一部構成を示す図である。
符号の説明
11 第1増幅回路、 12 第1AD変換回路、 13 第1DA変換回路、 14 第1減算回路、 15 第2増幅回路、 16 第1減算増幅回路、 17 第3増幅回路、 18 第2AD変換回路、 19 第2DA変換回路、 20 第2減算回路、 21 第4増幅回路、 22 第2減算増幅回路、 23 第5増幅回路、 24 第3AD変換回路、 25 第3DA変換回路、 26 第3減算回路、 27 第6増幅回路、 28 第3減算増幅回路、 29 第4AD変換回路、 57 第1増幅率制御回路、 58 第2増幅率制御回路、 67 信号レベル判定回路、 C0〜C10 コンデンサ、 COM1〜8 電圧比較素子、 R1〜9 抵抗、 SW0〜9 スイッチ。

Claims (6)

  1. 入力アナログ信号を複数回に分けてデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器であって、
    自己のステージに入力されるアナログ信号を1未満の増幅率で増幅する増幅回路と、
    前記アナログ信号を並列に受けて、該アナログ信号の一部の成分を所定ビット数のデジタル値に変換するAD変換回路と、
    前記AD変換回路の出力をアナログ信号に変換するDA変換回路と、
    前記増幅回路の出力から、前記DA変換回路の出力を減算する減算回路と、を含むステージを有するアナログデジタル変換器であって、
    前記1未満の増幅率の増幅回路は、本アナログデジタル変換器の入力アナログ信号が最初に入力される増幅回路であることを特徴とするアナログデジタル変換器。
  2. 自己のステージの出力アナログ信号が、自己のステージの入力にフィードバックするステージを含むことを特徴とする請求項1に記載のアナログデジタル変換器。
  3. 前記DA変換回路は、対応する増幅回路の増幅率と実質的に同一の増幅率で増幅してアナログ信号に変換することを特徴とする請求項1または2に記載のアナログデジタル変換器。
  4. 前記DA変換回路は、容量アレイ式であり、実現する増幅率に応じて容量の数を調整したことを特徴とする請求項に記載のアナログデジタル変換器。
  5. 自己のステージに入力されるアナログ信号を受ける増幅回路の増幅率および該ステージのDA変換回路の増幅率を制御する増幅率制御回路、をさらに有し、
    前記増幅回路と前記DA変換回路との差分信号が所定の増幅率で増幅されて、前記増幅回路および前記AD変換回路にフィードバックされると、前記増幅率制御回路は、前記増幅回路の増幅率および前記DA変換回路の増幅率を1以上にすることを特徴とする請求項3または4に記載のアナログデジタル変換器。
  6. 自己のステージに入力されるアナログ信号を受ける増幅回路に入力されるアナログ信号のレベルを判定する信号レベル判定回路と、
    前記信号レベル判定回路の判定の結果、前記アナログ信号が所定のしきい値以内のとき、前記増幅回路と前記ステージのDA変換回路の増幅率を1以上にする増幅率制御回路と、をさらに有することを特徴とする請求項3または4に記載のアナログデジタル変換器。
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