JP2007235379A - デジタル/アナログ変換回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電容量のミスマッチに伴う変換誤差を低減できるサイクリック型のデジタル/アナログ変換回路を提供する。
【解決手段】各ビットのエラー伝達関数が巡回有理式で表されるように、サンプリング動作、電荷分配動作、電荷保持動作、電荷リセット動作からなる動作シーケンスが構成される。すなわち、各ビットのサンプリング電荷が最後の電荷分配動作において分配されるまでの一連の動作の中で、1のキャパシタが電荷分配動作に係わる回数をサンプリング動作又は電荷保持動作に係わる回数の2倍にするように、制御回路10が電圧印加回路20及び接続回路30を制御する。これにより、各ビットのエラー伝達関数を静電容量のミスマッチに関して高次の微少量にすることができるため、バイナリコードDinがどのような値であっても、静電容量のミスマッチに伴う出力誤差を常に微小な値に抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明はデジタル/アナログ変換回路に係り、特に、サイクリック型のデジタル/アナログ変換回路に関するものである。
デジタル/アナログ変換器(以下、DACと記す)は、様々なデジタル処理を経たデジタル信号を実信号として出力するためにアナログ信号へ変換する回路であり、電子機器の基本的な構成要素の1つである。例えば、画像処理や音声処理を経たデジタル信号をアナログ信号に変換してディスプレイやスピーカに出力したり、様々な符号処理を経たデジタル信号をアナログ信号に変換して通信路に送出したりするための回路として、テレビジョン、オーディオ機器、通信機器などに広く用いられている。
DACに対して要求される性能は使用用途に応じて様々であるが、その1つとして小面積及び低消費電流が挙げられる。例えば液晶ディスプレイ(LCD)のドライバ用途において、DACはLCDのカラム数だけ必要であり、その数は多い場合に1000個程度にもなるため、個々のDACの小面積化と低消費電流化は多くのメリットをもたらす。
小面積と低消費電流を満たすDACとして、サイクリックDAC(Cyclic DAC)が古く1970年代より知られている。
図13は一般的なサイクリックDACの構成例を示す図である。サイクリックDACは基本的に、静電容量の等しい2個のキャパシタ(C21、C22)とスイッチ(SW31、SW32、SW33、SW34)により構成されており、シリアルビット列をデジタル/アナログ変換する。
この図13に基づいて、サイクリックDACの動作を簡単に説明する。
スイッチSW31は、入力ビットの値に応じた電圧を選択してスイッチSW32に出力する。例えば、入力ビットの値が「1」のときスイッチSW31は基準電圧(Vref)を選択し、「0」のときはグラウンド(GND)を選択する。
スイッチSW32は、サンプリングの役割を果たす。スイッチSW32がオンのとき、キャパシタC21にはスイッチSW31,SW32を介して入力ビット値に対応した電圧が印加される。このときスイッチSW33はオフしており、キャパシタC22には以前の電圧が保持されている。
スイッチSW33は電荷分配(charge-sharing)の役割を果たす。スイッチSW33がオンすると、キャパシタC21、C22が並列に接続され、2つのキャパシタに蓄積される電荷が等分配される。これにより、デジタル/アナログ変換において最も重要な(1/2)倍の演算が実現される。
スイッチSW34は、キャパシタC22の電荷のリセットを実現する。
図14は、図13に示すサイクリックDACにおけるサンプリングと電荷分配の動作を説明するための図である。
入力ビット値に応じた電荷をキャパシタC21にサンプリングする場合、スイッチSW32がオン、スイッチSW33がオフし、スイッチSW31は入力ビット値に応じた電圧を選択する。例えば図14(A)に示すように入力ビット値が「1」の場合、スイッチSW31は基準電圧Vrefを選択し、キャパシタC22はスイッチSW32を介して基準電圧Vrefを入力する。このときスイッチSW33はオフしているため、キャパシタC22は以前の電圧Vを保持する。
サンプリングが終わると、スイッチSW32がオフ、スイッチSW33がオンし、キャパシタC21及びC22が並列接続される。両者の静電容量は等しいため、全電荷の半分がキャパシタC21、C22にそれぞれ分配され、キャパシタC21,C22の電圧はほぼ「(Vref+V)/2」となる。キャパシタC21において次のサンプリングが行われているとき、キャパシタC22には前回の電荷分配の結果が保持される。
上述したように、図13に示すサイクリックDACでは、入力ビット値に応じた電荷をキャパシタC21に順次サンプリングするとともに、この動作と並行して、キャパシタC22に既に保持される電荷とキャパシタC21に新たにサンプリングされた電荷との和の半分をキャパシタC22に順次充電する。
このサイクリックDACの動作は、図15に示すようなフィードバックシステムによって表現することが可能である。
図15に示すフィードバックシステムにおいて、乗算部102は加算部101から出力される加算結果を(1/2)倍する。遅延部103は、乗算部102の乗算結果を保持し、次に加算部101において演算が行われる際、この保持した乗算結果を加算部101へ出力する。加算部101は、ビットごとに順次入力される信号と遅延部103の出力信号との和を演算する。
図13に示すサイクリックDACの出力電圧Voutは、入力ビット列(Lビット)をLSB側から順にD1,D2,D3,…,DLとすると、理想的には次式で表される。
Figure 2007235379
式(1)から、図13に示す構成のサイクリックDACによって確かにデジタル/アナログ変換を実現できることが分かる。
さて、このサイクリックDACの最大有効ビット数(effective number of bits:ENOB)は、通常2つのキャパシタ(C21,C22)の静電容量のミスマッチによって決まる。すなわち、2つのキャパシタの静電容量は完全に一致しないため、そのことがENOBを制限する要因になっている。キャパシタC21,C22の容量値をそれぞれ「A」,「B」とすると、式(1)に示すサイクリックDACの出力電圧Voutは次式のように表される。
Figure 2007235379
ここで、静電容量Bを「B=A×(1+x)」とし、静電容量AとBのミスマッチを変数xによって表すと、式(2)に示すサイクリックDACの出力電圧Voutは次式のように表される。
Figure 2007235379
この式(3)と式(1)との差から、静電容量A,Bのミスマッチに伴う出力電圧Voutのエラー量ΔVoutは次式のように表される。
Figure 2007235379
図16は、ビット長L=11、ミスマッチx=0.002(0.2%)とした場合のエラー量ΔVoutと入力データとの関係を示す図である。横軸は10進法で表した入力データの値を示し、縦軸は1LSBの電圧値(Vref/2)によって正規化されたエラー量ΔVoutを示す。
この図16の結果を見ると、特定の値の入力データに対してエラー量ΔVoutが1LSBより大きくなっている。したがって、静電容量のミスマッチxが0.2%の場合、ENOBは9ビット程度が限界となる。
近年、デジタル回路の小面積化や高速化に伴って、より分解能の高いすなわちよりビット数の多い信号が扱われるようになっている。このことは必然的に、DACにもより大きなENOBを要求する。また、DACに十分なENOB性能を持たせることは、回路特性の製造ばらつきに対する耐性を高めることにつながるため、回路の歩留り向上にも貢献する。したがってサイクリックDACにおいても、静電容量のミスマッチによるENOBの限界を超えて、より大きなENOBを実現することが望まれている。
サイクリックDACのENOBの増大に関して、以下に2つの関連技術(非特許文献1,2)を説明する。
非特許文献1では、静電容量のミスマッチを検知して補正するシーケンスを加えたサイクリックDACが提案されている。
図17は、この補正シーケンスを説明するための図である。
まず2つのキャパシタC21,C22の容量ミスマッチを検知し、それが一定値以上の場合には容量値の小さい方のキャパシタ(図17の例ではキャパシタC21)に微小容量を付加する。その上で再び2つのキャパシタの容量ミスマッチを検知し、まだミスマッチが一定値以上の場合には更に微小容量を付加する。ミスマッチが一定値以下になるまでこれを繰り返し、その後初めてデジタル/アナログ変換動作に移行する。
他方、非特許文献2では、容量ミスマッチそのものを補正するのではなく、ミスマッチ存在下でもその効果を打ち消すようにスイッチングを行う補償的スイッチング(compensative switching)と呼ばれる手法が提案されている。
図18は、補償的スイッチング手法によりデジタル/アナログ変換を行うサイクリックDACの構成例を示す図である。図18に示すサイクリックDACは、キャパシタC21,C22と、このキャパシタC21,C22にそれぞれ基準電圧Vrefを印加するためのスイッチSW35,SW36と、キャパシタC21,C22の電荷をそれぞれリセットするためのスイッチSW37,SW38と、キャパシタC21,C22を並列接続するためのスイッチSW39とを有する。図18に示すサイクリックDACでは、2つのキャパシタC21,C22にそれぞれサンプリング用のスイッチが設けられているため、いずれのキャパシタでもサンプリングを行うことが可能である。
補償的スイッチング手法では、一般に片方のキャパシタ(図13に示すサイクリックDACではキャパシタC21)のみ行われているサンプリングを両方のキャパシタで行えるようにすることで、静電容量のミスマッチに伴う誤差を補償する。具体的には、入力ビット列のビットごとにその入力時点におけるミスマッチの累積的な誤差を算出し、各ビットのサンプリングによって生じる誤差がそれまでの累積誤差を打ち消すようにサンプリング対象のキャパシタを選択する。
"Reduction Methods of Capacitor Mismatch Errors In Switched−Capacitor A/D, D/A Converters"、 ISCAS’88、 米国、 1988年6月、 vol.3、 p.2813−2816 "Two−capacitor DAC with compensative switching"、 エレクトロニクス レター(Electronics Letter)、 米国、 1995年、 vol.31、 p.1435−1437
非特許文献1の補正シーケンスによれば、サイクリックDACに用いられる2つのキャパシタの容量ミスマッチが小さくなり、結果としてENOBは増大する。しかしながら、この補正シーケンスによるENOBの増大は複数の要素によって制限される。例えば、補正精度を向上するには、追加する微小容量が十分に小さい値を持つ必要がある。ところが、このことによって補正シーケンスにおける繰り返し回数が増大し、容量ミスマッチの補正に要する時間が長くなるという不都合が生じる。また更に重要な問題として、追加する微小容量の値を小さくするほど容量ミスマッチの検出精度を高めなくてはならないことがある。つまり、容量ミスマッチの補正精度がその検出器(例えば電圧比較器)の精度によって制限されることになり、これがENOBの増大を妨げる大きな要素となる。
他方、非特許文献2の補償的スイッチング手法によれば、累積誤差を打ち消すようにサンプリング対象のキャパシタを選択することによって、容量ミスマッチが存在していても出力電圧の平均的な誤差を低減できる。しかしながら、この手法には2つの問題がある。1つ目は、入力ビットごとにキャパシタを選択するという動的なシーケンスに従って動作するという点である。これは、スイッチの制御に係わる回路を大幅に複雑化し、電荷注入などの副次的な問題も引き起こす。また2つ目の問題は、この手法により低減されるのが平均的な誤差のみであるという点である。すなわち、非特許文献2の手法を用いても出力電圧の誤差の最大値は従来型と同等であるため、ENOBを改善することはできない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、キャパシタの静電容量のミスマッチに伴う変換誤差を低減できるサイクリック型のデジタル/アナログ変換回路を提供することにある。
本発明に係るデジタル/アナログ変換回路は、同等な静電容量を持つ複数のキャパシタと、前記複数のキャパシタにそれぞれ第1の電圧又は第2の電圧を印加可能な電圧印加手段と、前記複数のキャパシタからキャパシタ対を選択して並列に接続可能な接続手段と、ビット長L(Lは3以上の整数を示す)のバイナリコードの第K桁(Kは1からLまでの整数を示し、第1桁は前記バイナリコードの最下位桁を示す)の値に応じて1のキャパシタに前記第1の電圧又は前記第2の電圧を印加する電圧印加動作と、2つのキャパシタを並列に接続することによって1のキャパシタに蓄積される電荷を2つのキャパシタに分配する電荷分配動作と、前記並列接続された2つのキャパシタを切り離してその一方に蓄積される電荷を保持する電荷保持動作と、1のキャパシタの電圧を前記第2の電圧に初期化する初期化動作と、を有した所定の動作シーケンスに従って前記電圧印加手段及び前記接続手段を制御する制御手段とを具備する。
前記制御手段は、前記バイナリコードの第K桁の電圧印加動作によって前記電圧印加手段から供給される電荷に対し(L−K+N)回(Nは2以上の整数を示す)の電荷分配動作を行うとともに、前記バイナリコードの各桁の電圧印加動作によって前記電圧印加手段から供給される電荷を前記動作シーケンスの最後の電荷分配動作までに共通のキャパシタへ収集する。
更に、前記制御手段は、少なくとも前記バイナリコードの上位M桁(Mは2以上の整数を示す)については、その電圧印加動作により前記電圧印加手段から供給される電荷が最後の電荷分配動作において分配されるまでの一連の動作の中で1のキャパシタが前記電荷分配動作に係わる回数を、前記電圧印加動作又は前記電荷保持動作に係わる回数の2倍に設定する。
例えば前記複数のキャパシタは、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び第3キャパシタを含み、前記所定の動作シーケンスは、第1シーケンス、第2シーケンス及び第3シーケンスを含んでよい。
この場合、前記制御手段は、前記第1シーケンスにおいて、前記バイナリコードの第(L−2)桁の電圧印加動作により前記第1キャパシタに電圧を印加し、当該電圧印加の後、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、当該電荷分配動作の後、前記第1キャパシタの電荷保持並びに前記第2キャパシタの初期化を行い、当該初期化動作の後、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、当該電荷分配動作の後、前記バイナリコードの第L桁の電圧印加動作により前記第1キャパシタに電圧を印加するとともに前記第2キャパシタの電荷保持を行い、当該電圧印加動作の後、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、当該電荷分配動作の後、前記第2キャパシタの電荷保持を行う。前記第2シーケンスにおいては、前記バイナリコードの第(L−1)桁の電圧印加動作により前記第2キャパシタに電圧を印加し、当該電圧印加動作の後、前記第2キャパシタ及び前記第3キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、当該電荷分配動作の後、前記第3キャパシタの電荷保持並びに前記第1キャパシタの初期化を行い、当該初期化動作の後、前記第3キャパシタと前記第1キャパシタとの並列接続により電荷分配を行い、当該電荷分配動作の後、前記第1キャパシタの電荷保持を行う。前記第3シーケンスにおいては、前記第1シーケンスの最後に電荷を保持された第2キャパシタと前記第2シーケンスの最後に電荷を保持された前記第1キャパシタとの並列接続により電荷分配を行う。
本発明によれば、サイクリック型デジタル/アナログ変換回路におけるキャパシタの静電容量のミスマッチに伴う変換誤差を低減できる。
図1は、本発明の実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路の構成の一例を示す図である。
この図1に示すデジタル/アナログ変換回路について説明する前に、まず一般的なサイクリックDACにおいて生じる誤差の特性と、この誤差を低減する手法の概要、並びにその動作の理解に有用なフローダイアグラムについて述べる。なお、以降の説明では一例として11ビットのサイクリックDACに関して議論を進めるが、本発明はビット数に依存しない。
まず初めに、図13に示した基本的なサイクリックDACの誤差特性を考える。この特性を理解するため、エラー伝達関数(error transfer function、以下では略してETFと記す)E(k)を以下のように定義する。
Figure 2007235379
ただし、式(5)では簡単のため「Vref=1」としている。式(5)の定義から分かるように、ETFは各ビットがどれだけ出力誤差に寄与しているかを表す。
図2は、静電容量のミスマッチxが0.2%の場合における基本的なサイクリックDAC(11ビット)のETFを示す図である。横軸は第1ビット(LSB)から第11ビット(MSB)までの各ビットを示し、縦軸は1LSBの電圧値(Vref/211)によって正規化されたETFの値を示す。
このETFは、サイクリックDACの誤差特性を理解するために極めて有用である。例えば、11ビット全てが「1」(すなわち10進法の「2048」)のとき、図16に示すグラフにおいて出力誤差はほとんど「0」となっている。これは、各ビットによって生じる誤差が打ち消しあっていること、すなわち以下の式が成立することによる。
Figure 2007235379
また他の例を挙げると、図16に示すグラフにおいてMSB以外の全てのビットが「1」(すなわち10進法の「1024」)のとき出力誤差は約−1LSBになるのに対して、MSBのみが「1」のとき出力誤差は約+1LSBになる。これは、以下の式が成立するためである。
Figure 2007235379
このように、サイクリックDACの誤差特性を考える上でETFは本質的である。以下では、このETFに注目して説明を行う。
次に、ETFとENOBの関係について説明する。ENOBは出力誤差の最大値で決まる。これをETFに関連付けて述べると、ENOBはETFの任意の足し合わせの最大値によって決まる。すなわち、ほとんどのビットのETFが「0」であったとしても、ただ1ビットのETFが大きな値を取ればそれによってENOBは制限される。また、各ビットのETFが小さくても、それらを合計した値が大きければ、その合計値によってENOBは制限される。以上をまとめると、ENOBを増大させるためには、エラー伝達関数「E(k)」があらゆるビットkに対してできる限り小さくなるようにしなければならないということになる。
ここで、「E(k)」を任意のビットkに対してできる限り小さくする方法について説明する。まず、基本的なサイクリックDACにおいて第2MSBのETFが非常に0に近いことに着目する。すなわち図2に示すように、11ビットのサイクリックDACにおいて第10ビットのETFは、次式に示すようにほぼゼロになっている。
Figure 2007235379
そこで、第8ビット〜第11ビットのETFを容量ミスマッチxによって表すと、それぞれ次式のようになる。
Figure 2007235379
これらの式を比べると、第8ビット,第9ビット,第11ビットのETFは容量ミスマッチxの1次の項を含んでいるのに対して、第10ビットのETFは1次の項を含んでおらず2次の項によって近似されることが分かる。すなわち、「E(10)」のみが他のETFより高次の微小量となっている。そこで、これが実現した理由を考える。
図3は、第10ビットのサンプリングによってキャパシタC21に供給された電荷がその後に経る過程を説明するための図である。
第10ビットのサンプリングによってキャパシタC21に供給された電荷(図3(A))は、電荷分配によってキャパシタC21及びC22に分配される(図3(B))。この電荷分配によってキャパシタC22に分配された電荷は、第11ビットのサンプリングが行われている間キャパシタC22に保持される(図3(C))。その後再び電荷分配が行われると、キャパシタC22に保持されていた電荷はキャパシタC21及びC22へ更に分配される(図3(D))。
図3(C)における電荷の保持は、図3(B)で分配された電荷がキャパシタC21においてサンプリングされることと等価であると考えられる。したがって、図3に示す過程により「E(10)」は次式のように表される。
Figure 2007235379
ただし式(10)において、「A」,「B」はそれぞれキャパシタC21,C22の静電容量を示す。
この式(10)に示される「E(10)」の第1項において、「A/(A+B)」と「1/2」との大小関係は、「B/(A+B)」と「1/2」との大小関係に対して常に逆になる。すなわち、「A/(A+B)」が「1/2」より大きい場合、「B/(A+B)」は「1/2」より小さくなり、逆に「A/(A+B)」が「1/2」より小さい場合、「B/(A+B)」は「1/2」より大きくなる。
したがって、式(10)の第1項「{A/(A+B)}×{B/(A+B)}」は静電容量A,Bのミスマッチの効果を相殺されて「1/2」に漸近し、ETFは2次の微小量となる。
このことを他のビットに関しても応用できるように一般化すると、それは次のようにまとめられる。つまり、ETF(の第1項)の分母と分子が、同じ静電容量を用いた巡回多項式(cyclic polynomial)によって表現されるようにすれば良い。これを以下では「巡回有理式」(cyclic rational expression)又は「CRE」と呼ぶことにする。
具体的に各ビットの巡回有理式CREを求めてみる。まず、従来のサイクリックDACにおいてMSBのサンプリングと電荷分配はそれぞれ1回しか行われないため、そのままではCREを構成できない。そこで式(1)の代わりに、例えば次式で表される出力電圧Voutを発生するようなサイクリックDACを考える。言い換えるなら、出力の基準電圧が入力の基準電圧(Vref)の半分になるようなサイクリックDACを考える。
Figure 2007235379
この場合、MSBのサンプリングでは2回の電荷分配が行われるため、そのETFは既に説明した次式のCREを用いて表すことができる。
Figure 2007235379
他方、第2MSBのサンプリングでは3回の電荷分配が行われるため、2つのキャパシタのみではCREを構成できず、3つのキャパシタが必要となる。3つのキャパシタによって3回の電荷分配を行う場合、ETFは次式で表されるCREを用いて表すことができる。
Figure 2007235379
ここで、静電容量B,Cをそれぞれ「B=A×(1+x)」,「C=A×(1+y)」とおいて式(13)に代入すると、ETFは次式のように表される。
Figure 2007235379
式(14)から分かるように、CREを用いて表されたETFは確かに容量ミスマッチx,yに関する2次の微小量となる。
第3MSBや第5MSBなど、サンプリング結果に対して偶数回の電荷分配が行われるビットのETFは、式(12)に示すMSBのCREを反復利用することによって、次式のCREを用いて表すことが可能である。式において「n」は正の整数を示す。
Figure 2007235379
一方、第4MSBや第6MSBなど、サンプリング結果に対して奇数回の電荷分配が行われるビットのETFは、式(13)に示すCREと式(14)に示すCREとを組み合わせた次式のCREを用いて表すことが可能である。式において「k」,「l」,「m」,「n」はそれぞれゼロ又は正の整数を示す。
Figure 2007235379
一般に、キャパシタの個数を少なくしたほうが小面積化の点で好ましいため、式(16)では3個(CREを実現できる最小個数)のキャパシタを用いてCREを構成しているが、これに限らず4以上のキャパシタを用いてCREを構成することも可能である。例えば5個のキャパシタを使用すれば、式(16)のようなCRE以外にも、それに次式で表されるような項を掛け合わせたCREを構成可能である。式において「k」はゼロ又は正の整数を示す。
Figure 2007235379
次に、CREの分子と分母の関係について説明する。
上述したCREの分母は、1つ又は複数の巡回多項式の積によって表される。また、その個々の巡回多項式は、電荷分配に係わる2つの静電容量の和を複数掛け合わせることによって表される。
例えば2つの静電容量A,Bによって構成される巡回多項式は「(A+B)×(B+A)」、3つの静電容量A,B,Cによって構成される巡回多項式は「(A+B)×(B+C)×(C+A)」、4つの静電容量A,B,C,Dによって構成される巡回多項式は「(A+B)×(B+C)×(C+D)×(D+A)」、5つの静電容量A,B,C,D,Eによって構成される巡回多項式は、「(A+B)×(B+C)×(C+D)×(D+E)×(E+A)」となる。
この例から分かるように、P個(Pは1より大きい整数を示す。)の静電容量によって構成される巡回多項式は、P個の静電容量から静電容量のペアをP組選択し、その各ペアの和を掛け合わせたものとなる。また、P組のペアの全体(2×P個の静電容量)には、P個の静電容量がそれぞれ2個ずつ含まれている。
一方、上述したCREの分子は、分母の巡回多項式を構成している静電容量の積によって表される。すなわち、分母が1つの巡回多項式によって表される場合、分子はその巡回多項式を構成する静電容量の積によって表され、分母が複数の巡回多項式の積によって表される場合、分子は各々の巡回多項式を構成する静電容量の積を更に掛け合わせたものによって表される。
例えば分母が1つの巡回多項式「(A+B)×(B+C)×(C+D)×(D+E)×(E+A)」で表される場合、分子は静電容量A,B,C,D,Eの積「A・B・C・D・E」で表される。また、分母が2つの巡回多項式「(A+B)×(B+A)」と「(A+B)×(B+C)×(C+A)」の積で表される場合、分子は各々の巡回多項式を構成する静電容量の積を更に掛け合わせたもの「(A・B)×(A・B・C)=A・B・C」で表される。
以上のことから、CREの分子がP個の静電容量の積(P個の中に同一の静電容量を複数含んでもよい)で表されている場合、その分母は、分子を構成するP個の静電容量からP組の静電容量のペアを選択し(P組の中には同一の組合せのペアを含んでもよい)、その各ペアの和を掛け合わせたものとなる。ただし、分母におけるP組のペアの全体(2×P個の静電容量)には、分子を構成するP個の静電容量がそれぞれ2つずつ含まれる。
例えば、分子が静電容量A,A,B,Bの積「A・B」で表される場合、分母は静電容量のペアの和を4組掛け合わせたものとなり、かつそのペア全体に静電容量A,A,B,Bがそれぞれ2つずつ含まれる。この条件を満たすCREの分母は、巡回多項式「(A+B)」と「(A+B)」とを掛け合わせた「(A+B)」になる。
また、分子が静電容量A,B,C,C,Dの積「A・B・C・D」で表される場合、分母は静電容量のペアの和を5組掛け合わせたものとなり、かつそのペア全体に静電容量A,B,C,C,Dがそれぞれ2つずつ含まれる。この条件を満たすCREの分母は、2つの巡回多項式「(A+B)×(B+C)×(C+A)」と「(C+D)×(D+C)」を掛け合わせた「(A+B)×(B+C)×(C+A)×(C+D)」になる。
ところで、CREの分母を構成する静電容量のペアの和は、それぞれ電荷分配動作(図3(B),(D))に係わるキャパシタのペアの静電容量を示す。またCREの分子を構成する静電容量は、それぞれサンプリング動作(図3(A))又は電荷保持動作(図3(C))に係わるキャパシタの静電容量を示す。
したがって、上述したCREの分子と分母の関係は、次のように言い換えることが可能である。
すなわち、あるビットの値に応じた電荷がキャパシタに供給され(サンプリング動作)、その電荷が複数回の分配動作を経て出力電圧(の一部)を発生するとき、この一連の動作の中で1のキャパシタが電荷分配動作に係わる回数(分母に含まれる数)を、サンプリング動作又は電荷保持動作に係わる回数(分子に含まれる数)の2倍に設定した場合、当該ビットのETFはCREによって表現することが可能になる。
以上が、静電容量のミスマッチに伴う出力誤差を低減する手法の概要である。
次に、上述した手法によって出力誤差の低減を図ったデジタル/アナログ変換回路について説明する。
まず初めに、サイクリック型のデジタル/アナログ変換回路におけるサンプリングと電荷分配の動作を表現するためのフローダイアグラム手法を導入する。例として、図13に示す基本的なサイクリックDACのフローダイアグラムを図4に示す。
このフローダイアグラムは、キャパシタごとに所定の動作がどのような順序で行われるかを表すものである。フローダイアグラムによって表現される動作シーケンスは、具体的には4つの基本動作、すなわちサンプリング動作(電圧印加動作)、電荷保持動作、電荷分配動作、電荷リセット動作(初期化動作)を含む。また、サンプリング動作を出発点として矢印を辿っていけば、入力ビットごとに順次どのような処理を経ていくかを容易に理解することができる。
例えば図4に示すフローダイアグラムにおいては、まず第1ビットD1(LSB)の値に応じた電圧が静電容量Aのキャパシタに印加されるとともに(サンプリング動作)、静電容量Bのキャパシタの電荷がリセットされ(初期化動作)、その後、静電容量A,Bのキャパシタ同士が一旦並列接続される(電荷分配動作)。並列接続された2つのキャパシタはその後切り離され、静電容量Bのキャパシタに電荷が保持される(電荷保持動作)。次に第2ビットD2の値に応じた電圧が静電容量Aのキャパシタに印加され(サンプリング動作)、静電容量A,Bのキャパシタ同士が再び並列接続される(電荷分配動作)。この2つのキャパシタは再び切り離され、静電容量Bのキャパシタに電荷が保持される(電荷保持動作)。以下、第3ビットD3及び第4ビットD4についても同様な動作が反復される。
このフローダイアグラムを用いることにより、キャパシタの個数が増えた場合でも、サイクリック型デジタル/アナログ変換回路の処理を明快に記述することが可能になる。
更に、このフローダイアグラムを用いると、各ビットのETF(の第1項)を容易に計算することが可能になる。その計算手法は、次のようにまとめられる。
(1)サンプリング動作においては、サンプリングに用いるキャパシタの静電容量を掛ける;
(2)電荷分配動作においては、並列接続されたキャパシタの静電容量の和で割る;
(3)電荷分配動作後の電荷保持動作においては、電荷保持に用いるキャパシタの静電容量を掛ける;
例えば図4のフローダイアグラムにおいて、第3ビットD3(第2MSB)のサンプリング動作により供給された電荷は、
「A」(サンプリング);
「A+B」(電荷分配);
「B」(電荷保持);
「A+B」(電荷分配);
という経過を経て処理されるため、これに上記の計算手法を適用すると、
A×{1/(A+B)}×B×{1/(A+B)};
となる。これは、式(10)に示す第2MSBのETFの第1項と一致する。
以上ではフローダイアグラムの見方に関して述べたが、逆にこれを用いることによって、実現可能な動作シーケンスを自由に構成することも可能である。動作シーケンスが決まれば、デジタル/アナログ変換回路の構成を決定することができる。
さて次に、上述した巡回有理式の条件を満たす本実施形態の一例として、図1に示すデジタル/アナログ変換回路を説明する。
図1に示すデジタル/アナログ変換回路は、キャパシタC1,C2,C3と、制御回路10と、電圧印加回路20と、接続回路30と、バッファ増幅器40とを有する。
キャパシタC1,C2,C3は、それぞれ本発明のキャパシタの一実施形態である。
電圧印加回路20は、本発明の電圧印加手段の一実施形態である。
接続回路30は、本発明の接続手段の一実施形態である。
制御回路10は、本発明の制御手段の一実施形態である。
キャパシタC1,C2,C3は、それぞれ静電容量A,B,Cを持つ。静電容量A,B,Cはほぼ等しい値を有する。
電圧印加回路20は、制御回路10の制御に従って、キャパシタC1,C2,C3にそれぞれ基準電圧Vref又はゼロ電圧を印加する。
図1の例において、電圧印加回路20は、例えばMOSトランジスタ等のスイッチ素子によって構成されるスイッチSW1,…,SW5を有する。
キャパシタC1,C2,C3の一方の端子とスイッチSW2,SW4,SW5の一方の端子はグラウンドGNDに共通接続される。スイッチSW1,SW3の一方の端子は基準電圧Vrefに共通接続される。スイッチSW2は、キャパシタC1と並列に接続されるとともにスイッチSW1と直列に接続される。スイッチSW4は、キャパシタC2と並列に接続されるとともにスイッチSW3と直列に接続される。スイッチSW5は、キャパシタC3と並列に接続される。
制御回路10によってスイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフに設定された場合、キャパシタC1には基準電圧Vrefが印加される。逆にスイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオンに設定された場合、キャパシタC1にはゼロ電圧が印加される(すなわちキャパシタC1の両端が短絡される)。スイッチSW1,SW2が両方オフに設定された場合、キャパシタC1に対する電圧の印加が停止される。
制御回路10によってスイッチSW3がオン、スイッチSW4がオフに設定された場合、キャパシタC2には基準電圧Vrefが印加される。逆にスイッチSW3がオフ、スイッチSW4がオンに設定された場合、キャパシタC2にはゼロ電圧が印加される(すなわちキャパシタC2の両端が短絡される)。スイッチSW3,SW4が両方オフに設定された場合、キャパシタC2に対する電圧の印加が停止される。
制御回路10によってスイッチSW5がオンに設定された場合、キャパシタC3にはゼロ電圧が印加される(すなわちキャパシタC3の両端が短絡される)。スイッチSW5がオフに設定された場合、キャパシタC3に対する電圧の印加が停止される。
接続回路30は、制御回路10の制御に従って、キャパシタC1,C2,C3からキャパシタ対を選択し並列に接続する。
図1の例において、接続回路30は、例えばMOSトランジスタ等のスイッチ素子によって構成されるスイッチSW6,SW7,SW8を有する。
スイッチSW6,SW7,SW8は、それぞれ、キャパシタC1,C2,C3の各端子間(グランドGNDに接続されていない方の端子間)に接続される。すなわち、スイッチSW6はキャパシタC1及びC2の端子間に接続され、スイッチSW7はキャパシタC2及びC3の端子間に接続され、スイッチSW8はキャパシタC3及びC1の端子間に接続される。
制御回路10によってスイッチSW6がオン、スイッチSW7,SW8がオフに設定された場合、キャパシタC1とC2が並列接続される。スイッチSW7がオン、スイッチSW6,SW8がオフに設定された場合、キャパシタC2とC3が並列接続される。スイッチSW8がオン、スイッチSW6,SW7がオフに設定された場合、キャパシタC3とC1が並列接続される。
バッファ増幅器40は、キャパシタC1に発生する電圧に応じた信号Aoutを発生し、これをデジタル/アナログ変換結果として出力する。
制御回路10は、電圧印加回路20及び接続回路30を所定の動作シーケンスに従って制御することにより、ビット長L(Lは3以上の整数を示す)のバイナリコードDinの値に応じた電圧をキャパシタC1に発生させる。
制御回路10の動作シーケンスには、先述したようにサンプリング動作(電圧印加動作)、電荷分配動作、電荷保持動作及び電荷リセット動作(初期化動作)の4つが含まれる。
サンプリング動作では、バイナリコードDinの第Kビット(Kは1以上の整数を示し、第1ビットはバイナリコードDinの最下位ビットを示す。)の値に応じてキャパシタC1又はC2に基準電圧Vref又はゼロ電圧を印加するように電圧印加回路20を制御する。この電圧印加によって、キャパシタ(C1,C2)には第Kビットの値に応じた電荷が供給される。サンプリング動作においてキャパシタ(C1,C2)に供給される電荷を、以下ではサンプリング電荷と呼ぶ。
電荷分配動作では、キャパシタC1,C2,C3から選択した2つのキャパシタを並列接続するように接続回路30を制御する。2つのキャパシタを並列接続することにより、各々のキャパシタに蓄積される電荷を2つのキャパシタに分配する。
電荷保持動作では、並列接続された2つのキャパシタを切り離してその一方に蓄積される電荷を保持するように接続回路30を制御する。
電荷リセット動作では、キャパシタC1,C2又はC3の電圧をゼロ電圧に初期化する(すなわちキャパシタの両端を短絡する)。
制御回路10は、バイナリコードDinの第Kビットのサンプリング電荷に対して(L−K+N)回(Nは2以上の整数を示す)の電荷分配動作を行うともに、バイナリコードDinの各ビットのサンプリング電荷を動作シーケンスの最後の電荷分配動作までに共通のキャパシタへ収集する。
すなわち、動作シーケンスが完了したとき、各ビットのサンプリング電荷はそれぞれ所定回数の電荷分配動作を経て共通のキャパシタに収集される。このとき各ビットのサンプリング電荷に対してなされた電荷分配動作の回数は下位ビットになるほど多くなり、具体的には1ビット下位になると電荷分配動作の回数が1回多くなる。1回の電荷分配動作によって電荷は約(1/2)倍されることから、サンプリング電荷に乗ぜられる重み係数は1ビット下位になるごとに(1/2)倍になる。
したがって、動作シーケンスの完了時に共通のキャパシタへ収集される各ビットのサンプリング電荷には、ビットごとに「(1/2)のべき乗」の重み係数が乗ぜられることになり、その結果、当該共通のキャパシタにはバイナリコードDinの値に応じた電圧が発生する。
また制御回路10は、各ビットのサンプリング電荷が最後の電荷分配動作において分配されるまでの一連の動作の中で、1のキャパシタが電荷分配動作に係わる回数を、サンプリング動作又は電荷保持動作に係わる回数の2倍に設定する。
例えば、ある特定ビットのサンプリング電荷に対するサンプリング動作と電荷保持動作にそれぞれ1回ずつ(計2回)キャパシタC1を使用する場合、当該サンプリング電荷に対する電荷分配動作にはキャパシタC1を4回使用する。
このような条件を満たすように動作シーケンス構成すると、各ビットのETF(の第1項)は巡回有理式によって表現されるようになり、静電容量A,B,Cのミスマッチに関して高次の微少量となる。
次に、図1に示すデジタル/アナログ変換回路の動作シーケンスについて、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、バイナリコードDinのビット数Lが「11」の場合におけるデジタル/アナログ変換回路の動作シーケンスの一例を示すフローダイアグラムである。
図5に示す動作シーケンスでは、奇数ビット(D1,D3,…,D9,D11)と偶数ビット(D2,D4,…,D8,D10)のサンプリング電荷がそれぞれ独立のシーケンスで処理されており、この各々のシーケンスで処理されたサンプリング電荷が最後の電荷分配動作によって共通のキャパシタ(C1,C2)に収集されている。
図6は、図5に示す動作シーケンスから上述の独立したシーケンスを分離して示した図である。
図6に示す動作シーケンスは、3つのシーケンス(SC1,SC2,SC3)を含んでいる。第1シーケンスSC1では、奇数ビット(D1,D3,…,D9,D11)のサンプリング電荷が処理される。第2シーケンスSC2では、偶数ビット(D2,D4,…,D8,D10)のサンプリング電荷が処理される。第3シーケンスSC3では、シーケンスSC1,SC2で処理されたサンプリング電荷が共通のキャパシタ(C1,C2)に収集される。以下、これらのシーケンスについてそれぞれ説明する。
第1シーケンスSC1は、図6に示すように動作サイクルCL1_1〜CL1_6を含んでおり、このうち動作サイクルCL1_2〜CL1_5では同一の処理が繰り返される。
動作サイクルCL1_1では、第1ビットD1(LSB)のサンプリング動作が行われ、キャパシタC1(静電容量A)には第1ビットD1の値に応じた電圧が印加される。また、このサンプリング動作と並行して、キャパシタC2(静電容量B)の電荷リセットが行われる。次に、キャパシタC1及びC2の並列接続によって電荷分配が行われ、その後キャパシタC1の電荷保持並びにキャパシタC2の電荷リセットが行われる。そして次に、キャパシタC1及びC2の並列接続によって再び電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC2の電荷保持が行われる。
動作サイクルCL1_2,CL1_3,CL1_4,CL1_5では、それぞれ、第3ビットD3,第5ビットD5,第7ビットD7,第9ビットD9のサンプリング動作が行われる。このサンプリング動作により、キャパシタC1には該当するビットの値に応じた電圧が印加される。次に、前回の動作サイクルの最後に電荷を保持されたキャパシタC2と、上述のサンプリング動作によって電圧を印加されたキャパシタC1とが並列に接続され、両者の電荷分配が行われる。この電荷分配の後、キャパシタC1の電荷保持並びにキャパシタC2の電荷リセットが行われる。そして次に、キャパシタC1及びC2の並列接続によって再び電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC2の電荷保持が行われる。
動作サイクルCL1_6では、第11ビットD11(MSB)のサンプリング動作が行われ、キャパシタC1には第11ビットD11の値に応じた電圧が印加される。次に、前回の動作サイクルCL1_5の最後に電荷を保持されたキャパシタC2と、上述のサンプリング動作によって電圧を印加されたキャパシタC1とが並列に接続され、両者の電荷分配が行われる。この電荷分配の後、キャパシタC2の電荷保持が行われる。
第2シーケンスSC2は、図6に示すように動作サイクルCL2_1〜CL2_5を含んでおり、このうち動作サイクルCL2_2〜CL2_4では同一の処理が繰り返される。
動作サイクルCL2_1では、第2ビットD2のサンプリング動作が行われ、キャパシタC2(静電容量B)には第2ビットD2の値に応じた電圧が印加される。また、このサンプリング動作と並行して、キャパシタC3(静電容量C)の電荷リセットが行われる。次に、キャパシタC2及びC3の並列接続によって電荷分配が行われ、その後キャパシタC2の電荷保持並びにキャパシタC3の電荷リセットが行われる。そして次に、キャパシタC2及びC3の並列接続によって再び電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC3の電荷保持が行われる。
動作サイクルCL2_2,CL2_3,CL2_4では、それぞれ、第4ビットD4,第6ビットD6,第8ビットD8のサンプリング動作が行われる。このサンプリング動作により、キャパシタC2には該当するビットの値に応じた電圧が印加される。次に、前回の動作サイクルの最後に電荷を保持されたキャパシタC3と、上述のサンプリング動作によって電圧を印加されたキャパシタC2とが並列に接続され、両者の電荷分配が行われる。この電荷分配の後、キャパシタC2の電荷保持並びにキャパシタC3の電荷リセットが行われる。そして次に、キャパシタC2及びC3の並列接続によって再び電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC3の電荷保持が行われる。
動作サイクルCL2_5では、第10ビットD10のサンプリング動作が行われ、キャパシタC2には第10ビットD10の値に応じた電圧が印加される。次に、前回の動作サイクルCL2_4の最後に電荷を保持されたキャパシタC3と、上述のサンプリング動作によって電圧を印加されたキャパシタC2とが並列に接続され、両者の電荷分配が行われる。この電荷分配の後、キャパシタC3の電荷保持並びにキャパシタC1(静電容量A)の電荷リセットが行われる。そして次に、キャパシタC1及びC3の並列接続によって電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC1の電荷保持が行われる。
第3シーケンスSC3は、第1シーケンスSC1の最後に電荷を保持されたキャパシタC2と第2シーケンスSC2の最後に電荷を保持されたキャパシタC1とが並列接続され、両者の電荷分配が行われる。これにより、第1シーケンスSC1で処理された奇数ビット(D1,D3,…,D9,D11)のサンプリング電荷と、第2シーケンスSC2で処理された偶数ビット(D2,D4,…,D8,D10)のサンプリング電荷とが共通のキャパシタ(C1,C2)へ収集される。
上述した図5,図6に示す動作シーケンスによって、奇数ビット(D1,D3,…,D9,D11)のETFは次式のように表される。
Figure 2007235379
また、偶数ビット(D2,D4,…,D8,D10)のETFは次式のように表される。
Figure 2007235379
これらの式から分かるように、全てのビットにおいてETFの第1項は巡回有理式となっている。そのため、静電容量A,B,Cにミスマッチが存在していても、ETFはそのミスマッチに関して高次の微少量となる。
以上説明したように、本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路によれば、各ビットのETFが巡回有理式で表されるように動作シーケンスが構成されている。すなわち、各ビットのサンプリング電荷が最後の電荷分配動作において分配されるまでの一連の動作の中で、1のキャパシタが電荷分配動作に係わる回数をサンプリング動作又は電荷保持動作に係わる回数の2倍にするように、制御回路10が電圧印加回路20及び接続回路30を制御する。
これにより、各ビットのETFを静電容量のミスマッチに関して高次の微少量にすることができるため、バイナリコードDinがどのような値であっても、静電容量のミスマッチに伴う出力誤差を常に微小な値に抑制することができる。したがって、静電容量のミスマッチに起因する出力誤差を抜本的に改善し、最大有効ビット数(ENOB)の大幅な向上を図ることができる。
また、キャパシタのサイズを大きくすることなく静電容量のミスマッチに起因した出力誤差を改善できるため、回路の小面積化と低消費電流化を図ることができる。
図7は、本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路においてバイナリコードDinのビット長Lを「11」、静電容量のミスマッチを0.2%とした場合の出力誤差とバイナリコードDinとの関係を示す図である。横軸は10進法で表したバイナリコードDin(入力データ)の値を示し、縦軸は1LSBの電圧値(Vref/2(L+1))によって正規化された出力電圧の誤差を示す。
図16と図7を比較して分かるように、本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路の出力誤差は、従来の基本的なサイクリックDACに比べて2桁以上小さくなっている。静電容量のミスマッチを0.2%とした場合、本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路のENOBは約18ビットであり、基本的なサイクリックDACの2倍に高められている。
図8は、図7の場合と同一条件における本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路のETFを示す図である。横軸は第1ビットから第11ビットまでの各ビットを示し、縦軸は1LSBの電圧値(Vref/2(L+1))によって正規化された出力電圧の誤差を示す。
図2と図8を比較して分かるように、本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路のETFは、従来の基本的なサイクリックDACに比べて格段に小さくなっている。
次に、本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路の変形例について説明する。
まず、第1の変形例について図9を参照して説明する。
図9は、図1に示す構成を有したデジタル/アナログ変換回路における動作シーケンスの変形例を示す。
図5に示す動作シーケンスでは、第1シーケンスSC1の動作サイクルCL1_1〜CL1_6と第2シーケンスSC2の動作サイクルCL2_1〜CL2_5とが交互に実行されている。これに対し、図9に示す動作シーケンスでは、第1シーケンスSC1の動作サイクルCL1_5においてキャパシタC1の電荷保持を行っている間に、第2シーケンスSC2の動作サイクルCL2_1〜CL2_5が実行されている。
第1シーケンスSC1と第2シーケンスSC2はサンプリング電荷の処理に関して独立であるため、2つのシーケンスで使用されるキャパシタC2を適切に共有できれば、これらのシーケンスを任意の順序で実行することが可能である。
次に、第2の変形例について図10を参照して説明する。
図10は、図1に示す構成を有したデジタル/アナログ変換回路における動作シーケンスの他の変形例を示す。
図5,図9に示す動作シーケンスは、同一ビット長の基本的なサイクリックDAC(図13)に比べて約2倍の変換時間を要する。多くの場合、これは許容範囲内、若しくはクロック速度を高めることによって解決可能である。
他方、要求されるENOBがあまり大きくない場合には、図5,図9に示す動作シーケンスの一部を簡略化することによって変換時間の短縮を図ることも可能である。図2のグラフから分かるように、ETFは下位ビットほど小さくなる。したがって、一部の上位ビットのみ巡回有理式の条件を満たすようにして、残りの下位ビットには従来の簡易なフローを適用すれば、出力誤差をあまり大きくすることなく、変換時間を短縮することができる。
図10に示す動作シーケンスは、第1ビットD1,…,第9ビットD9,第11ビットD11のサンプリング電荷を処理する第1シーケンスSC1Aと、第10ビットD10のサンプリング電荷を処理する第2シーケンスSC2Aと、この2つのシーケンス(SC1A,SC1A)において処理された電荷を共通のキャパシタ(C1,C2)に収集する第3シーケンスSC3Aとを有する。
第1シーケンスSC1Aは、10の動作サイクル(CL1A_1〜CL1A_10)を有しており、このうち動作サイクルCL1A_9,CL1A_10はそれぞれ図6における動作サイクルCL1_5,CL1_6と同一の処理を行う。
第2シーケンスSC2Aは、図6における動作サイクルCL2_5と同一の処理を行う。
第3シーケンスSC3Aは、図6における第3シーケンスSC3と同一の処理を行う。
したがって、図10に示す動作シーケンスは、図6に示す動作シーケンスにおける動作サイクルCL1_1〜CL1_4及びCL2_1〜CL2_4を、簡易な動作サイクルCL1A_1〜CL1A_8に置き換えたものになっている。すなわち、下位8ビット(D1〜D8)のサンプリング電荷が簡易なフローで処理されている。
動作サイクルCL1A_1では、第1ビットD1(LSB)のサンプリング動作としてキャパシタC1(静電容量A)に電圧が印加されるとともに、キャパシタC2(静電容量B)の電荷リセットが行われる。次いで、キャパシタC1及びC2の並列接続によって電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC2の電荷保持が行われる。
動作サイクルCL1A_2,…,CL1A_8では、それぞれ、第2ビットD2,…,第8ビットD8のサンプリング動作が行われ、キャパシタC1にはビット値に応じた電圧が印加される。次に、前回の動作サイクルの最後に電荷を保持されたキャパシタC2と、上述のサンプリング動作によって電圧を印加されたキャパシタC1とが並列に接続され、両者の電荷分配が行われる。この電荷分配の後、キャパシタC2の電荷保持が行われる。
図5と図10を比較すると、図5に示す動作シーケンスは44ステップを要するのに対し、図10に示す動作シーケンスはこれより16ステップ少ない28ステップで済む。
次に、第3の変形例について図11を参照して説明する。
図11は、本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路の他の構成例を示す図である。
図1に示すデジタル/アナログ変換回路では3つのキャパシタを用いて巡回有理式の条件を満たす動作シーケンスを実現しているが、図11に示すデジタル/アナログ変換回路ではこれを4つのキャパシタで実現する。
図11に示すデジタル/アナログ変換回路は、キャパシタC1,C2,C3,C4と、制御回路10Bと、電圧印加回路20Bと、接続回路30Bと、バッファ増幅器40Bとを有する。
キャパシタC1,C2,C3,C4は、それぞれ静電容量A,B,C,Dを持つ。静電容量A,B,C,Dはほぼ等しい値を有する。
電圧印加回路20Bは、制御回路10Bの制御に従って、キャパシタC1,C2,C3,C4にそれぞれ基準電圧Vref又はゼロ電圧を印加する。
図11の例において、電圧印加回路20BはスイッチSW11,…,SW16を有する。
キャパシタC1,C2,C3,C4の一方の端子とスイッチSW12,SW13,SW15,SW16の一方の端子はグラウンドGNDに共通接続される。スイッチSW11,SW14の一方の端子は基準電圧Vrefに共通接続される。スイッチSW12は、キャパシタC1と並列に接続されるとともにスイッチSW11と直列に接続される。スイッチSW13はキャパシタC2と並列に接続される。スイッチSW15は、キャパシタC3と並列に接続されるとともにスイッチSW14と直列に接続される。スイッチSW16は、キャパシタC4と並列に接続される。
制御回路10BによってスイッチSW11がオン、スイッチSW12がオフに設定された場合、キャパシタC1には基準電圧Vrefが印加される。逆にスイッチSW11がオフ、スイッチSW12がオンに設定された場合、キャパシタC1にはゼロ電圧が印加される(すなわちキャパシタC1の両端が短絡される)。スイッチSW11,SW12が両方オフに設定された場合、キャパシタC1に対する電圧の印加が停止される。
制御回路10BによってスイッチSW14がオン、スイッチSW15がオフに設定された場合、キャパシタC3には基準電圧Vrefが印加される。逆にスイッチSW14がオフ、スイッチSW15がオンに設定された場合、キャパシタC3にはゼロ電圧が印加される(すなわちキャパシタC3の両端が短絡される)。スイッチSW14,SW15が両方オフに設定された場合、キャパシタC3に対する電圧の印加が停止される。
制御回路10BによってスイッチSW13がオンに設定された場合、キャパシタC2にはゼロ電圧が印加される(すなわちキャパシタC2の両端が短絡される)。スイッチSW13がオフに設定された場合、キャパシタC2に対する電圧の印加が停止される。
制御回路10BによってスイッチSW16がオンに設定された場合、キャパシタC4にはゼロ電圧が印加される(すなわちキャパシタC4の両端が短絡される)。スイッチSW16がオフに設定された場合、キャパシタC4に対する電圧の印加が停止される。
接続回路30Bは、制御回路10Bの制御に従って、キャパシタC1,C2,C3,C4からキャパシタ対を選択し並列に接続する。
図11の例において、接続回路30BはスイッチSW17,…,SW22を有する。
スイッチSW17,…,SW22は、それぞれ、キャパシタC1,C2,C3,C4の各端子間(グランドGNDに接続されていない方の端子間)に接続される。すなわち、スイッチSW17はキャパシタC1及びC2の端子間に接続され、スイッチSW18はキャパシタC2及びC3の端子間に接続され、スイッチSW19はキャパシタC3及びC4の端子間に接続され、スイッチSW20はキャパシタC1及びC3の端子間に接続され、スイッチSW21はキャパシタC2及びC4の端子間に接続され、スイッチSW22はキャパシタC1及びC4の端子間に接続される。
制御回路10BによってスイッチSW17がオン、スイッチSW18,SW20,SW21,SW22がオフに設定された場合、キャパシタC1とC2が並列接続される。
制御回路10BによってスイッチSW18がオン、スイッチSW17,SW19,SW20,SW21がオフに設定された場合、キャパシタC2とC3が並列接続される。
制御回路10BによってスイッチSW19がオン、スイッチSW18,SW20,SW21,SW22がオフに設定された場合、キャパシタC3とC4が並列接続される。
制御回路10BによってスイッチSW20がオン、スイッチSW17,SW18,SW19,SW22がオフに設定された場合、キャパシタC1とC3が並列接続される。
制御回路10BによってスイッチSW21がオン、スイッチSW17,SW18,SW19,SW22がオフに設定された場合、キャパシタC2とC4が並列接続される。
制御回路10BによってスイッチSW22がオン、スイッチSW17,SW19,SW20,SW21がオフに設定された場合、キャパシタC1とC4が並列接続される。
バッファ増幅器40Bは、キャパシタC1に発生する電圧に応じた信号Aoutを発生し、これをデジタル/アナログ変換結果として出力する。
制御回路10Bは、電圧印加回路20B及び接続回路30Bを所定の動作シーケンスに従って制御することにより、ビット長L(L≧3以上の整数を示す。)のバイナリコードDinの値に応じた電圧をキャパシタC1に発生させる。
制御回路10Bの動作シーケンスには、先述と同様な4つの動作(サンプリング動作、電荷分配動作、電荷保持動作、電荷リセット動作)が含まれる。
なお制御回路10Bは、電荷分配動作において同時に2組のキャパシタ対を並列接続することも可能である。例えばキャパシタC1及びC2を並列接続しているとき、同時にキャパシタC3及びC4を並列接続することができる。この場合制御回路10Bは、スイッチSW17及びSW19をオン、スイッチSW18,SW20,SW21及びSW22をオフに設定すればよい。
図12は、バイナリコードDinのビット数Lが「11」の場合における図11に示すデジタル/アナログ変換回路の動作シーケンスの一例を示すフローダイアグラムである。
図12に示す動作シーケンスは、3つのシーケンス(SC1B,SC2B,SC3B)を含んでいる。第1シーケンスSC1Bでは、奇数ビット(D1,D3,…,D9,D11)のサンプリング電荷が処理される。第2シーケンスSC2Bでは、偶数ビット(D2,D4,…,D8,D10)のサンプリング電荷が処理される。第3シーケンスSC3Bでは、シーケンスSC1B,SC2Bで処理されたサンプリング電荷が共通のキャパシタ(C1,C3)に収集される。以下、これらのシーケンスについてそれぞれ説明する。
第1シーケンスSC1Bは、図12に示すように動作サイクルCL1B_1〜CL1B_6を含んでおり、このうち動作サイクルCL1B_2〜CL1B_5では同一の処理が繰り返される。
動作サイクルCL1B_1では、第1ビットD1(LSB)のサンプリング動作が行われ、キャパシタC1(静電容量A)には第1ビットD1の値に応じた電圧が印加される。また、このサンプリング動作と並行して、キャパシタC2(静電容量B)の電荷リセットが行われる。次に、キャパシタC1及びC2の並列接続によって電荷分配が行われ、その後キャパシタC1の電荷保持並びにキャパシタC2の電荷リセットが行われる。そして次に、キャパシタC1及びC2の並列接続によって再び電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC2の電荷保持が行われる。
動作サイクルCL1B_2,CL1B_3,CL1B_4,CL1B_5では、それぞれ、第3ビットD3,第5ビットD5,第7ビットD7,第9ビットD9のサンプリング動作が行われる。このサンプリング動作により、キャパシタC1には該当するビットの値に応じた電圧が印加される。次に、前回の動作サイクルの最後に電荷を保持されたキャパシタC2と、上述のサンプリング動作によって電圧を印加されたキャパシタC1とが並列に接続され、両者の電荷分配が行われる。この電荷分配の後、キャパシタC1の電荷保持並びにキャパシタC2の電荷リセットが行われる。そして次に、キャパシタC1及びC2の並列接続によって再び電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC2の電荷保持が行われる。
動作サイクルCL1B_6では、第11ビットD11(MSB)のサンプリング動作が行われ、キャパシタC1には第11ビットD11の値に応じた電圧が印加される。次に、前回の動作サイクルCL1B_5の最後に電荷を保持されたキャパシタC2と、上述のサンプリング動作によって電圧を印加されたキャパシタC1とが並列に接続され、両者の電荷分配が行われる。この電荷分配の後、キャパシタC2の電荷保持並びにキャパシタC3(静電容量C)の電荷リセットが行われる。そして次に、キャパシタC2及びC3の並列接続によって電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC3の電荷保持が行われる。
第2シーケンスSC2Bは、図12に示すように動作サイクルCL2B_1〜CL2B_5を含んでおり、このうち動作サイクルCL2B_2〜CL2B_4では同一の処理が繰り返される。
動作サイクルCL2B_1では、第2ビットD2のサンプリング動作が行われ、キャパシタC3(静電容量C)には第2ビットD2の値に応じた電圧が印加される。また、このサンプリング動作と並行して、キャパシタC4(静電容量D)の電荷リセットが行われる。次に、キャパシタC3及びC4の並列接続によって電荷分配が行われ、その後キャパシタC3の電荷保持並びにキャパシタC4の電荷リセットが行われる。そして次に、キャパシタC3及びC4の並列接続によって再び電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC4の電荷保持が行われる。
動作サイクルCL2B_2,CL2B_3,CL2B_4では、それぞれ、第4ビットD4,第6ビットD6,第8ビットD8のサンプリング動作が行われる。このサンプリング動作により、キャパシタC3には該当するビットの値に応じた電圧が印加される。次に、前回の動作サイクルの最後に電荷を保持されたキャパシタC4と、上述のサンプリング動作によって電圧を印加されたキャパシタC3とが並列に接続され、両者の電荷分配が行われる。この電荷分配の後、キャパシタC3の電荷保持並びにキャパシタC4の電荷リセットが行われる。そして次に、キャパシタC3及びC4の並列接続によって再び電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC4の電荷保持が行われる。
動作サイクルCL2B_5では、第10ビットD10のサンプリング動作が行われ、キャパシタC3には第10ビットD10の値に応じた電圧が印加される。次に、前回の動作サイクルCL2B_4の最後に電荷を保持されたキャパシタC4と、上述のサンプリング動作によって電圧を印加されたキャパシタC3とが並列に接続され、両者の電荷分配が行われる。この電荷分配の後、キャパシタC4の電荷保持並びにキャパシタC2(静電容量B)の電荷リセットが行われる。そして次に、キャパシタC4及びC2の並列接続によって電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC2の電荷保持並びにキャパシタC1(静電容量A)の電荷リセットが行われる。更に続いて、キャパシタC1及びC2の並列接続によって電荷分配が行われ、この電荷分配の後、キャパシタC1の電荷保持が行われる。
第3シーケンスSC3Bは、第1シーケンスSC1Bの最後に電荷を保持されたキャパシタC3と第2シーケンスSC2Bの最後に電荷を保持されたキャパシタC1とが並列接続され、両者の電荷分配が行われる。これにより、第1シーケンスSC1Bで処理された奇数ビット(D1,D3,…,D9,D11)のサンプリング電荷と、第2シーケンスSC2Bで処理された偶数ビット(D2,D4,…,D8,D10)のサンプリング電荷とが共通のキャパシタ(C1,C3)へ収集される。
上述した図5,図6に示す動作シーケンスによって、奇数ビット(D1,D3,…,D9,D11)のETFは次式のように表される。
Figure 2007235379
また、偶数ビット(D2,D4,…,D8,D10)のETFは次式のように表される。
Figure 2007235379
これらの式から分かるように、図12に示す動作シーケンスでも、全てのビットにおいてETFの第1項は巡回有理式となり、静電容量のミスマッチに関して高次の微少量となる。したがって、図5に示す動作シーケンスと同様に、ENOBを向上することができる。
また、図12に示す動作シーケンスは、図5に示す動作シーケンスと比較してサンプリング電荷に対する電荷分配動作の回数が1回多くなり、キャパシタC1に発生する出力電圧が半分になる。しかしながら、2系統の電荷分配動作を同時に実行できるため、図5に示す動作シーケンスより変換速度を高速化できる。例えば11ビットのデジタル/アナログ変換を行う場合、図5に示す動作シーケンスは44ステップを要するのに対し、図12に示す動作シーケンスはこれより14ステップ少ない30ステップで済む。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の形態のみに限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態ではビット長が「11」の場合を例として挙げているが、これに限らず、任意のビット長のデジタル/アナログ変換回路に本発明は適用可能である。
また、上述した実施形態ではサンプリング動作や電荷リセット動作においてキャパシタにゼロ電圧を印加するが、本発明はこれに限定されない。すなわち、基準電圧Vrefと異なる一定の電圧をゼロ電圧の代わりにキャパシタへ印加してもよい。
また、本実施形態において説明したフローダイアグラム手法(図5等)は、素子の特性にミスマッチが存在する下で平均化操作(1/2倍演算)を行う回路の解析や設計において有用である。したがって、本フローダイアグラム手法は、キャパシタのみならず、抵抗や電流源などの任意の回路素子を含む回路の動作シーケンスの記述に広く適用可能である。
本発明の実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路の構成の一例を示す図である。 基本的なサイクリックDAC(11ビット)のエラー伝達関数を示す図である。 基本的なサイクリックDACにおいて、第2MSB(第10ビット)のサンプリング動作によりキャパシタに供給された電荷がその後に経る過程を説明するための図である。 基本的なサイクリックDACの動作シーケンスを示すフローダイアグラムである。 図1に示すデジタル/アナログ変換回路の動作シーケンスの一例を示すフローダイアグラムである。 図5に示す動作シーケンスを3つのシーケンスに分けて表したフローダイアグラムである。 本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路における出力誤差と入力バイナリコードとの関係を示す図である。 本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路のエラー伝達関数を示す図である。 本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路の第1の変形例を示すフローダイアグラムである。 本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路の第2の変形例を示すフローダイアグラムである。 本実施形態に係るデジタル/アナログ変換回路の第3の変形例を示す構成図である。 図11に示すデジタル/アナログ変換回路の動作シーケンスの一例を示すフローダイアグラムである。 一般的なサイクリックDACの構成例を示す図である。 図13に示すサイクリックDACにおけるサンプリングと電荷分配の動作を説明するための図である。 図13に示すサイクリックDACと等価なフィードバックシステムを示す図である。 図13に示すサイクリックDACにおける出力誤差と入力データとの関係の一例を示す図である。 静電容量の補正を行う従来のサイクリックDACについて説明するための図である。 補償的スイッチング手法により変換を行う従来のサイクリックDACについて説明するための図である。
符号の説明
10,10B…制御回路、20,20B…電圧印加回路、30,30B…接続回路、40,40B…バッファ増幅器、SW1〜SW8,SW11〜SW22…スイッチ

Claims (5)

  1. 同等な静電容量を持つ複数のキャパシタと、
    前記複数のキャパシタにそれぞれ第1の電圧又は第2の電圧を印加可能な電圧印加手段と、
    前記複数のキャパシタからキャパシタ対を選択して並列に接続可能な接続手段と、
    ビット長L(Lは3以上の整数を示す)のバイナリコードの第K桁(Kは1からLまでの整数を示し、第1桁は前記バイナリコードの最下位桁を示す)の値に応じて1のキャパシタに前記第1の電圧又は前記第2の電圧を印加する電圧印加動作と、2つのキャパシタを並列に接続することによって1のキャパシタに蓄積される電荷を2つのキャパシタに分配する電荷分配動作と、前記並列接続された2つのキャパシタを切り離してその一方に蓄積される電荷を保持する電荷保持動作と、1のキャパシタの電圧を前記第2の電圧に初期化する初期化動作と、を有した所定の動作シーケンスに従って前記電圧印加手段及び前記接続手段を制御する制御手段と
    を具備し、
    前記制御手段は、
    前記バイナリコードの第K桁の電圧印加動作によって前記電圧印加手段から供給される電荷に対し(L−K+N)回(Nは2以上の整数を示す)の電荷分配動作を行うとともに、前記バイナリコードの各桁の電圧印加動作によって前記電圧印加手段から供給される電荷を前記動作シーケンスの最後の電荷分配動作までに共通のキャパシタへ収集し、更に、
    少なくとも前記バイナリコードの上位M桁(Mは2以上の整数を示す)については、その電圧印加動作により前記電圧印加手段から供給される電荷が最後の電荷分配動作において分配されるまでの一連の動作の中で1のキャパシタが前記電荷分配動作に係わる回数を、前記電圧印加動作又は前記電荷保持動作に係わる回数の2倍に設定する、
    デジタル/アナログ変換回路。
  2. 前記複数のキャパシタは、第1キャパシタ、第2キャパシタ及び第3キャパシタを含み、
    前記所定の動作シーケンスは、第1シーケンス、第2シーケンス及び第3シーケンスを含み、
    前記制御手段は、
    前記第1シーケンスにおいて、
    前記バイナリコードの第(L−2)桁の電圧印加動作により前記第1キャパシタに電圧を印加し、
    当該電圧印加の後、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第1キャパシタの電荷保持並びに前記第2キャパシタの初期化を行い、
    当該初期化動作の後、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記バイナリコードの第L桁の電圧印加動作により前記第1キャパシタに電圧を印加するとともに前記第2キャパシタの電荷保持を行い、
    当該電圧印加動作の後、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第2キャパシタの電荷保持を行い、
    前記第2シーケンスにおいて、
    前記バイナリコードの第(L−1)桁の電圧印加動作により前記第2キャパシタに電圧を印加し、
    当該電圧印加動作の後、前記第2キャパシタ及び前記第3キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第3キャパシタの電荷保持並びに前記第1キャパシタの初期化を行い、
    当該初期化動作の後、前記第3キャパシタと前記第1キャパシタとの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第1キャパシタの電荷保持を行い、
    前記第3シーケンスにおいて、
    前記第1シーケンスの最後に電荷を保持された第2キャパシタと前記第2シーケンスの最後に電荷を保持された前記第1キャパシタとの並列接続により電荷分配を行う、
    請求項1に記載のデジタル/アナログ変換回路。
  3. 前記第1シーケンス及び前記第2シーケンスは、それぞれ複数の動作サイクルを含み、
    前記制御手段は、
    前記第1シーケンスの動作サイクルにおいて、
    前記バイナリコードの第(L−I)桁(IはLより小さい正の偶数を示す)の電圧印加動作により前記第1キャパシタに電圧を印加し、
    当該電圧印加動作の後、前の動作サイクルの最後に電荷を保持された第2キャパシタ(前記バイナリコードの第1桁又は第2桁の電圧印加動作後においては、前記第2の電圧に初期化された第2キャパシタ)と前記第1キャパシタとの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第1キャパシタの電荷保持並びに前記第2キャパシタの初期化を行い、
    当該初期化動作の後、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第2キャパシタの電荷保持を行い、
    前記第2シーケンスの動作サイクルにおいて、
    前記バイナリコードの第(L−J)桁(JはLより小さい正の奇数を示す)の電圧印加動作により前記第2キャパシタに電圧を印加し、
    当該電圧印加動作の後、前の動作サイクルの最後に電荷を保持された第3キャパシタ(前記バイナリコードの第1桁又は第2桁の電圧印加動作後においては、前記第2の電圧に初期化された第3キャパシタ)と前記第2キャパシタとの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第2キャパシタの電荷保持並びに前記第3キャパシタの初期化を行い、
    当該初期化動作の後、前記第2キャパシタ及び前記第3キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第3キャパシタの電荷保持を行う、
    請求項2に記載のデジタル/アナログ変換回路。
  4. 前記複数のキャパシタは、第1キャパシタ、第2キャパシタ、第3キャパシタ及び第4キャパシタを含み、
    前記所定の動作シーケンスは、第1シーケンス、第2シーケンス及び第3シーケンスを含み、
    前記制御手段は、
    前記第1シーケンスにおいて、
    前記バイナリコードの第(L−2)桁の電圧印加動作により前記第1キャパシタに電圧を印加し、
    当該電圧印加の後、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第1キャパシタの電荷保持並びに前記第2キャパシタの初期化を行い、
    当該初期化動作の後、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記バイナリコードの第L桁の電圧印加動作により前記第1キャパシタに電圧を印加するとともに前記第2キャパシタの電荷保持を行い、
    当該電圧印加動作の後、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第2キャパシタの電荷保持並びに前記第3キャパシタの初期化を行い、
    当該初期化動作の後、前記第2キャパシタ及び前記第3キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第3キャパシタの電荷保持を行い、
    前記第2シーケンスにおいて、
    前記バイナリコードの第(L−1)桁の電圧印加動作により前記第3キャパシタに電圧を印加し、
    当該電圧印加動作の後、前記第3キャパシタ及び前記第4キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第4キャパシタの電荷保持並びに前記第2キャパシタの初期化を行い、
    当該初期化動作の後、前記第4キャパシタ及び前記第2キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第2キャパシタの電荷保持並びに前記第1キャパシタの初期化を行い、
    当該初期化動作の後、前記第2キャパシタ及び前記第1キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第1キャパシタの電荷保持を行い、
    前記第3シーケンスにおいて、
    前記第1シーケンスの最後に電荷を保持された第3キャパシタと前記第2シーケンスの最後に電荷を保持された前記第1キャパシタとの並列接続により電荷分配を行う、
    請求項1に記載のデジタル/アナログ変換回路。
  5. 前記第1シーケンス及び前記第2シーケンスは、それぞれ複数の動作サイクルを含み、
    前記制御手段は、
    前記第1シーケンスの動作サイクルにおいて、
    前記バイナリコードの第(L−I)桁(IはLより小さい正の偶数を示す)の電圧印加動作により前記第1キャパシタに電圧を印加し、
    当該電圧印加動作の後、前の動作サイクルの最後に電荷を保持された第2キャパシタ(前記バイナリコードの第1桁又は第2桁の電圧印加動作後においては、前記第2の電圧に初期化された第2キャパシタ)と前記第1キャパシタとの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第1キャパシタの電荷保持並びに前記第2キャパシタの初期化を行い、
    当該初期化動作の後、前記第1キャパシタ及び前記第2キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第2キャパシタの電荷保持を行い、
    前記第2シーケンスの動作サイクルにおいて、
    前記バイナリコードの第(L−J)桁(JはLより小さい正の奇数を示す)の電圧印加動作により前記第3キャパシタに電圧を印加し、
    当該電圧印加動作の後、前の動作サイクルの最後に電荷を保持された第4キャパシタ(前記バイナリコードの第1桁又は第2桁の電圧印加動作後においては、前記第2の電圧に初期化された第4キャパシタ)と前記第3キャパシタとの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第3キャパシタの電荷保持並びに前記第4キャパシタの初期化を行い、
    当該初期化動作の後、前記第3キャパシタ及び前記第4キャパシタの並列接続により電荷分配を行い、
    当該電荷分配動作の後、前記第4キャパシタの電荷保持を行う、
    請求項4に記載のデジタル/アナログ変換回路。
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