JP5086887B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンに代表される内燃機関の燃料噴射制御装置に係る。特に、本発明は、燃料噴射弁からの主噴射(以下、メイン噴射と呼ぶ場合もある)に先立つ副噴射(以下、プレ噴射と呼ぶ場合もある)が実行可能な圧縮自着火式の内燃機関に対し、これら主噴射と副噴射との噴射形態の最適化を図るための対策に関する。
従来から周知のように、自動車用エンジン等として使用されるディーゼルエンジンでは、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等に応じて、燃料噴射弁(以下、インジェクタと呼ぶ場合もある)からの燃料噴射時期や燃料噴射量を調整する燃料噴射制御が行われている(例えば下記の特許文献1を参照)。
ところで、上記ディーゼルエンジンの燃焼は、予混合燃焼と拡散燃焼とによって成り立っている。燃料噴射弁からの燃料噴射が開始されると、まず燃料の気化拡散により可燃混合気が生成される(着火遅れ期間)。次に、この可燃混合気が燃焼室の数ヶ所でほぼ同時に自己着火し、急速に燃焼が進む(予混合燃焼)。さらに、燃焼室内への燃料噴射が継続され、燃焼が継続的に行われる(拡散燃焼)。その後、燃料噴射が終了した後にも未燃燃料が存在するため、しばらくの間、熱発生が続けられる(後燃え期間)。
また、ディーゼルエンジンでは、着火遅れ期間が長くなるほど、あるいは着火遅れ期間における燃料の気化が激しいほど、着火後の火炎伝播速度が増大する。この火炎伝播速度が高くなると、一時に燃える燃料の量が多くなり過ぎて、シリンダ内の圧力が急激に増大し、振動や騒音が発生する。こうした現象はディーゼルノッキングと呼ばれており、特に低負荷運転時に発生することが多い。また、このような状況では、燃焼温度の急激な上昇に伴って窒素酸化物(以下、「NOx」と呼ぶ)の発生量も増大し、排気エミッションが悪化してしまう。
そこで、こうしたディーゼルノッキングを防止したり、NOx発生量を低減するために、各種の燃料噴射制御装置が開発されている。例えば、燃料噴射弁からの燃料噴射を複数回に分割して間欠噴射することなどが一般に行われている。
例えば、下記の特許文献2では、メイン噴射に先立って燃料噴射を行うパイロット噴射の噴射時期として、このパイロット噴射の噴射時期から実際の着火時期までの遅れ期間だけ早めてパイロット噴射時期を設定している。これにより、パイロット噴射による燃料の着火時期とメイン噴射時期とをほぼ一致させて、PM(Paticulate Matter:微粒子)およびHC(Hydrocarbons:炭化水素)の排出量を減少させるようにしている。
特開2002−155791号公報 特開2002−195084号公報
ところで、上述した如くメイン噴射に先立ってプレ噴射やパイロット噴射(以下、プレ噴射で代表して説明する)を実行するものにあっては、これら噴射開始時における吸熱反応によって着火遅れが生じることになるが、この着火遅れの期間はエンジンの運転状態やその他の環境条件によって変化する。
これまでのディーゼルエンジンにおける燃料噴射制御では、この吸熱反応による熱の収支を最小化する各燃料噴射の噴射タイミングと、各燃料噴射のインターバル(噴射間隔)とが定量化されていなかった。そのため、常に最適なタイミングでプレ噴射およびメイン噴射を実行するといった技術については未だ構築されていないのが実情であった。
つまり、燃焼音の低減、NOx発生量の低減、高いエンジントルクの確保といった観点から各制御項目(燃料噴射量や燃料噴射タイミング)を個別に設定し、エンジンの種類毎に試行錯誤で適合(エンジンの種類毎にそれに適したプレ噴射およびメイン噴射の燃料噴射パターンを構築すること)を実施しているのが実情であった。
このように、従来のプレ噴射およびメイン噴射の燃料噴射パターンの設定手法では、これらの噴射タイミングとインターバルとの組み合わせが複数存在することになり、これらの適合を行う作業者の評価のバラツキなどが、最適な燃料噴射パターンに対する乖離量となりそのまま燃料噴射パターンのバラツキとして反映されてしまうことになる。このため、最適な燃料噴射パターン(最適解)を得ることは殆ど不可能であった。
つまり、従来では、試行錯誤で各燃料噴射パターンを決定していたため、種々のエンジンに共通した体系的な燃料噴射制御手法が構築されておらず、燃料噴射制御の最適化を図るためには、未だ改良の余地があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、主噴射に先立つ副噴射が実行可能な圧縮自着火式の内燃機関に対し、これら主噴射と副噴射との噴射形態の最適化を図ることが可能な体系化された燃料噴射制御手法を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、副噴射および主噴射の噴射タイミングを適切に設定し、ピストンが圧縮上死点に達するタイミングで、副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が略最大となり、且つこのタイミング付近で、主噴射で噴射された燃料の燃焼が開始されるようにしている。つまり、副噴射での吸熱による着火遅れを考慮し、予熱発生熱量を最大にして燃焼が最大効率となるように、ピストンの圧縮上死点で副噴射での熱発生率をピークにする。また、主噴射で噴射された燃料が燃焼することによる逆進トルク(ピストンが圧縮上死点に達する前に発生するトルク)を回避するように、この主噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングをピストンの圧縮上死点近傍に設定している。
−解決手段−
具体的に、本発明は、燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、主噴射と、この主噴射に先立って行われる副噴射とが実行可能な圧縮自着火式の内燃機関の燃料噴射制御装置を前提とする。この内燃機関の燃料噴射制御装置に対し、上記副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングと、上記主噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングと、シリンダ内で往復移動するピストンが圧縮上死点に達するタイミングとが互いに略一致するように上記各燃料噴射の噴射タイミングおよび噴射量を制御する高効率燃料噴射制御動作を実行可能な燃料噴射制御手段を備えさせている。
このようなタイミングとなるように副噴射および主噴射の噴射形態を設定することにより、主噴射で噴射された燃料の燃焼開始時には、副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となっており、この副噴射による熱発生量を最大限に利用して、主噴射で噴射された燃料の燃焼を開始させることができる。これにより、主噴射開始時の吸熱反応による温度低下が抑制され、主噴射で噴射された燃料の着火遅れが抑制される。このため、副噴射で噴射する燃料量を必要最小限に抑えながらも主噴射での燃焼を着火遅れの無い安定した拡散燃焼に導くことができ、燃料消費率の改善を図ることができる。また、主噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングはピストンの圧縮上死点に略一致しているため、逆進トルク(クランクシャフトの回転方向に対して逆方向に作用するトルク)が発生することはなく、また、燃焼室が略最小となっている状態からトルク発生のための燃焼が開始されるため、この燃焼により発生するトルクも最大限に確保することができる。
より具体的な燃料噴射制御手段の構成としては以下のものが挙げられる。上記副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングに対して、主噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングを遅れたタイミングに設定する排気エミッション優先燃料噴射制御動作が実行可能となるように上記燃料噴射制御手段を構成する。そして、この燃料噴射制御手段が、上記高効率燃料噴射制御動作と排気エミッション優先燃料噴射制御動作とを内燃機関の運転状態に応じて切り換え可能な構成としている。
この場合における排気エミッション優先燃料噴射制御動作として具体的には、上記副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングを、ピストンが圧縮上死点に達するタイミングに略一致させる場合と、ピストンが圧縮上死点に達するタイミングよりも遅れたタイミングに設定する場合との間で、内燃機関の運転状態に応じて切り換え可能な構成としている。
以上の構成によれば、例えば排気エミッションを悪化させることのない内燃機関の運転領域では、燃料噴射制御手段は、上記高効率燃料噴射制御動作(副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングと、主噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングと、シリンダ内で往復移動するピストンが圧縮上死点に達するタイミングとを互いに略一致させる制御動作)を実行する。一方、排気エミッションの悪化が懸念される内燃機関の運転領域や、実際に排気エミッションが悪化する状況になった場合には、排気エミッション優先燃料噴射制御動作(副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングに対して、主噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングを遅れたタイミングに設定する制御動作)を実行する。このように、内燃機関の運転状態に応じて高効率燃料噴射制御動作と排気エミッション優先燃料噴射制御動作とを切り換えていくことにより、排気エミッションの悪化防止と、高い燃焼効率の実現とを両立することができる。また、排気エミッション優先燃料噴射制御動作の実行時において、副噴射による予熱効果を十分に得たい場合(例えば内燃機関の冷間時等)には、副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングを、ピストンが圧縮上死点に達するタイミングに略一致させることになる。また、上記逆進トルクの発生を確実に回避したい場合には、副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングを、ピストンが圧縮上死点に達するタイミングよりも遅れたタイミングに設定することになる。
本発明では、圧縮自着火式内燃機関の燃料噴射圧力の設定に対し、副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングと、主噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングと、シリンダ内で往復移動するピストンが圧縮上死点に達するタイミングとを略一致させるようにしている。このため、副噴射による熱発生量を最大限に利用して、主噴射で噴射された燃料の燃焼を開始させることができ、また、主噴射で噴射された燃料の燃焼によって逆進トルクが発生することはなく、内燃機関の発生トルクを最大限に確保することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)に本発明を適用した場合について説明する。
−エンジンの構成−
先ず、本実施形態に係るディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)の概略構成について説明する。図1は本実施形態に係るエンジン1およびその制御系統の概略構成図である。また、図2は、ディーゼルエンジンの燃焼室3およびその周辺部を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、燃料供給系2、燃焼室3、吸気系6、排気系7等を主要部とするディーゼルエンジンシステムとして構成されている。
燃料供給系2は、サプライポンプ21、コモンレール22、インジェクタ(燃料噴射弁)23、遮断弁24、燃料添加弁26、機関燃料通路27、添加燃料通路28等を備えて構成されている。
上記サプライポンプ21は、燃料タンクから燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を高圧にした後、機関燃料通路27を介してコモンレール22に供給する。コモンレール22は、サプライポンプ21から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ23に分配する。インジェクタ23は、その内部に圧電素子(ピエゾ素子)を備え、適宜開弁して燃焼室3内に燃料を噴射供給するピエゾインジェクタにより構成されている。このインジェクタ23からの燃料噴射制御の詳細については後述する。
また、上記サプライポンプ21は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を、添加燃料通路28を介して燃料添加弁26に供給する。添加燃料通路28には、緊急時において添加燃料通路28を遮断して燃料添加を停止するための上記遮断弁24が備えられている。
また、上記燃料添加弁26は、後述するECU100による添加制御動作によって排気系7への燃料添加量が目標添加量(排気A/Fが目標A/Fとなるような添加量)となるように、また、燃料添加タイミングが所定タイミングとなるように開弁時期が制御される電子制御式の開閉弁により構成されている。つまり、この燃料添加弁26から所望の燃料が適宜のタイミングで排気系7(排気ポート71から排気マニホールド72)に噴射供給される構成となっている。
吸気系6は、シリンダヘッド15(図2参照)に形成された吸気ポート15aに接続される吸気マニホールド63を備え、この吸気マニホールド63に、吸気通路を構成する吸気管64が接続されている。また、この吸気通路には、上流側から順にエアクリーナ65、エアフローメータ43、スロットルバルブ62が配設されている。上記エアフローメータ43は、エアクリーナ65を介して吸気通路に流入される空気量に応じた電気信号を出力するようになっている。
排気系7は、シリンダヘッド15に形成された排気ポート71に接続される排気マニホールド72を備え、この排気マニホールド72に対して、排気通路を構成する排気管73,74が接続されている。また、この排気通路には、後述するNOx吸蔵触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction触媒)75およびDPNR触媒(Diesel Paticulate−NOx Reduction触媒)76を備えたマニバータ(排気浄化装置)77が配設されている。以下、これらNSR触媒75およびDPNR触媒76について説明する。
NSR触媒75は、吸蔵還元型NOx触媒であって、例えばアルミナ(Al23)を担体とし、この担体上に例えばカリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)のようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)のようなアルカリ土類、ランタン(La)、イットリウム(Y)のような希土類と、白金(Pt)のような貴金属とが担持された構成となっている。
このNSR触媒75は、排気中に多量の酸素が存在している状態においてはNOxを吸蔵し、排気中の酸素濃度が低く、かつ還元成分(例えば燃料の未燃成分(HC))が多量に存在している状態においてはNOxをNO2若しくはNOに還元して放出する。NO2やNOとして放出されたNOxは、排気中のHCやCOと速やかに反応することによってさらに還元されてN2となる。また、HCやCOは、NO2やNOを還元することで、自身は酸化されてH2OやCO2となる。すなわち、NSR触媒75に導入される排気中の酸素濃度やHC成分を適宜調整することにより、排気中のHC、CO、NOxを浄化することができるようになっている。本実施形態のものでは、この排気中の酸素濃度やHC成分の調整を上記燃料添加弁26からの燃料添加動作によって行うことが可能となっている。
一方、DPNR触媒76は、例えば多孔質セラミック構造体にNOx吸蔵還元型触媒を担持させたものであり、排気ガス中のPMは多孔質の壁を通過する際に捕集される。また、排気ガスの空燃比がリーンの場合、排気ガス中のNOxはNOx吸蔵還元型触媒に吸蔵され、空燃比がリッチになると、吸蔵したNOxは還元・放出される。さらに、DPNR触媒76には、捕集したPMを酸化・燃焼する触媒(例えば白金等の貴金属を主成分とする酸化触媒)が担持されている。
ここで、ディーゼルエンジンの燃焼室3およびその周辺部の構成について。図2を用いて説明する。この図2に示すように、エンジン本体の一部を構成するシリンダブロック11には、各気筒(4気筒)毎に円筒状のシリンダボア12が形成されており、各シリンダボア12の内部にはピストン13が上下方向に摺動可能に収容されている。
ピストン13の頂面13aの上側には上記燃焼室3が形成されている。つまり、この燃焼室3は、シリンダブロック11の上部にガスケット14を介して取り付けられたシリンダヘッド15の下面と、シリンダボア12の内壁面と、ピストン13の頂面13aとにより区画形成されている。そして、ピストン13の頂面13aの略中央部には、キャビティ13bが凹設されており、このキャビティ13bも燃焼室3の一部を構成している。
このピストン13は、コネクティングロッド18の小端部18aがピストンピン13cにより連結されており、このコネクティングロッド18の大端部はエンジン出力軸であるクランクシャフトに連結されている。これにより、シリンダボア12内でのピストン13の往復移動がコネクティングロッド18を介してクランクシャフトに伝達され、このクランクシャフトが回転することでエンジン出力が得られるようになっている。また、燃焼室3に向けてグロープラグ19が配設されている。このグロープラグ19は、エンジン1の始動直前に電流が流されることにより赤熱し、これに燃料噴霧の一部が吹きつけられることで着火・燃焼が促進される始動補助装置として機能する。
上記シリンダヘッド15には、燃焼室3へ空気を導入する吸気ポート15aと、燃焼室3から排気ガスを排出する上記排気ポート71とがそれぞれ形成されていると共に、吸気ポート15aを開閉する吸気バルブ16および排気ポート71を開閉する排気バルブ17が配設されている。これら吸気バルブ16および排気バルブ17はシリンダ中心線Pを挟んで対向配置されている。つまり、本エンジン1はクロスフロータイプとして構成されている。また、シリンダヘッド15には、燃焼室3の内部へ直接的に燃料を噴射する上記インジェクタ23が取り付けられている。このインジェクタ23は、シリンダ中心線Pに沿う起立姿勢で燃焼室3の略中央上部に配設されており、上記コモンレール22から導入される燃料を燃焼室3に向けて所定のタイミングで噴射するようになっている。
更に、図1に示す如く、このエンジン1には、過給機(ターボチャージャ)5が設けられている。このターボチャージャ5は、タービンシャフト5Aを介して連結されたタービンホイール5Bおよびコンプレッサホイール5Cを備えている。コンプレッサホイール5Cは吸気管64内部に臨んで配置され、タービンホイール5Bは排気管73内部に臨んで配置されている。このためターボチャージャ5は、タービンホイール5Bが受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサホイール5Cを回転させ、吸気圧を高めるといった所謂過給動作を行うようになっている。本実施形態におけるターボチャージャ5は、可変ノズル式ターボチャージャであって、タービンホイール5B側に可変ノズルベーン機構(図示省略)が設けられており、この可変ノズルベーン機構の開度を調整することにより、エンジン1の過給圧を調整することができる。
吸気系6の吸気管64には、ターボチャージャ5での過給によって昇温した吸入空気を強制冷却するためのインタークーラ61が設けられている。このインタークーラ61よりも更に下流側に設けられた上記スロットルバルブ62は、その開度を無段階に調整することができる電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を絞り、この吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有している。
また、エンジン1には、吸気系6と排気系7とを接続する排気還流通路(EGR通路)8が設けられている。このEGR通路8は、排気の一部を適宜吸気系6に還流させて燃焼室3へ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものである。また、このEGR通路8には、電子制御によって無段階に開閉され、同通路を流れる排気流量を自在に調整することができるEGRバルブ81と、EGR通路8を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ82とが設けられている。
−センサ類−
エンジン1の各部位には、各種センサが取り付けられており、それぞれの部位の環境条件や、エンジン1の運転状態に関する信号を出力する。
例えば、上記エアフローメータ43は、吸気系6内のスロットルバルブ62上流において吸入空気の流量(吸入空気量)に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ49は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気の温度に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ48は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。A/F(空燃比)センサ44は、排気系7のマニバータ77の下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。排気温センサ45は、同じく排気系7のマニバータ77の下流において排気ガスの温度(排気温度)に応じた検出信号を出力する。レール圧センサ41はコモンレール22内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。スロットル開度センサ42はスロットルバルブ62の開度を検出する。
−ECU−
ECU100は、図3に示すように、CPU101、ROM102、RAM103およびバックアップRAM104などを備えている。ROM102は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM103は、CPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM104は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU101、ROM102、RAM103およびバックアップRAM104は、バス107を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース105および出力インターフェース106と接続されている。
入力インターフェース105には、上記レール圧センサ41、スロットル開度センサ42、エアフローメータ43、A/Fセンサ44、排気温センサ45、吸気圧センサ48、吸気温センサ49が接続されている。さらに、この入力インターフェース105には、エンジン1の冷却水温に応じた検出信号を出力する水温センサ46、アクセルペダルの踏み込み量に応じた検出信号を出力するアクセル開度センサ47、および、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力するクランクポジションセンサ40などが接続されている。一方、出力インターフェース106には、上記インジェクタ23、燃料添加弁26、スロットルバルブ62、および、EGRバルブ81などが接続されている。
そして、ECU100は、上記した各種センサの出力に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。さらに、ECU100は、インジェクタ23の燃料噴射制御として、後述するパイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、アフタ噴射、ポスト噴射を実行する。
これらの燃料噴射を実行する際の燃料噴射圧は、コモンレール22の内圧により決定される。このコモンレール内圧として、一般に、コモンレール22からインジェクタ23へ供給される燃料圧力の目標値、すなわち目標レール圧は、エンジン負荷(機関負荷)が高くなるほど、および、エンジン回転数(機関回転数)が高くなるほど高いものとされる。すなわち、エンジン負荷が高い場合には燃焼室3内に吸入される空気量が多いため、インジェクタ23から燃焼室3内に向けて多量の燃料を噴射しなければならず、よってインジェクタ23からの噴射圧力を高いものとする必要がある。また、エンジン回転数が高い場合には噴射可能な期間が短いため、単位時間当たりに噴射される燃料量を多くしなければならず、よってインジェクタ23からの噴射圧力を高いものとする必要がある。このように、目標レール圧は一般にエンジン負荷およびエンジン回転数に基づいて設定される。
上記パイロット噴射やメイン噴射などの燃料噴射における燃料噴射パラメータについて、その最適値はエンジンや吸入空気等の温度条件によって異なるものとなる。
例えば、上記ECU100は、コモンレール圧がエンジン運転状態に基づいて設定される目標レール圧と等しくなるように、即ち燃料噴射圧が目標噴射圧と一致するように、サプライポンプ21の燃料吐出量を調量する。また、ECU100はエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量および燃料噴射形態を決定する。具体的には、ECU100は、クランクポジションセンサ40の検出値に基づいてエンジン回転速度を算出するとともに、アクセル開度センサ47の検出値に基づいてアクセルペダルへの踏み込み量(アクセル開度)を求め、このエンジン回転速度およびアクセル開度に基づいて総燃料噴射量(後述するプレ噴射での噴射量とメイン噴射での噴射量との和)を決定する。
−燃料噴射形態−
以下、本実施形態における上記パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、アフタ噴射、ポスト噴射の各動作の概略について説明する。
(パイロット噴射)
パイロット噴射は、インジェクタ23からのメイン噴射(主噴射)に先立ち、予め少量の燃料を噴射する噴射動作である。つまり、このパイロット噴射の実行後、燃料噴射を一旦中断し、メイン噴射が開始されるまでの間に圧縮ガス温度(気筒内温度)を十分に高めて燃料の自着火温度に到達させるようにし、これによってメイン噴射で噴射される燃料の着火性を良好に確保するようにしている。即ち、本実施形態におけるパイロット噴射の機能は、気筒内の予熱に特化したものとなっている。つまり、本実施形態におけるパイロット噴射は、燃焼室3内でのガスの予熱を行うための噴射動作(予熱用燃料の供給動作)である。
具体的に、本実施形態では、噴霧の分配や局所濃度の適正化を図るために、噴射率としては、最小噴射率(例えば1回当たりの噴射量1.5mm3)とし、複数回数のパイロット噴射を実行することで、このパイロット噴射で必要な総パイロット噴射量を確保するようにしている。より具体的に、パイロット噴射回数としては以下の式(1)により決定される。
N={(Ca・ΔT)・Kc・Kv}/(J・η) …(1)
(N:パイロット噴射の噴射回数、Ca:気筒内に導入された空気の熱容量、ΔT:自着火温度に対する未達分の温度、Kc:EGR率による熱容量補正係数、Kv:燃焼寄与の対象空間、J:1.5mm3の理論発熱量、η:燃料効率)
ここで、自着火温度の未達分の温度ΔTとは、メイン噴射時における燃料の目標着火時期(例えばピストン13が圧縮上死点に達した時期)での圧縮ガス温度と、燃料の自着火温度との差であって、この目標着火時期での圧縮ガス温度を燃料の自着火温度に到達させるのに必要な熱量に相当する。尚、上記式(1)は、1回当たりのパイロット噴射量を固定値(例えば1.5mm3)とし、噴射回数を設定することで必要な総パイロット噴射量を確保するようにしたものである。上記1回当たりのパイロット噴射量の固定値は上記値に限定されるものではない。
また、このようにして分割噴射されるパイロット噴射のインターバルは、インジェクタ23の応答性(開閉動作の速さ)によって決定される。本実施形態のものでは、例えば200μsに設定される。このパイロット噴射のインターバルは、この値に限定されるものではない。尚、以下で言う角度とは、クランクシャフトの回転角度に換算した値を意味している。
更に、このパイロット噴射の噴射開始タイミングとしては、例えばクランク角度で、ピストン13の圧縮上死点前(BTDC)80°以降であって、以下の式(2)によって設定される。
パイロット噴射開始角度=パイロット燃焼終了角度+パイロット噴射期間作用角+(1回のパイロット噴射における燃焼所要時間のクランク角度換算値×N+着火遅れ時間のクランク角度換算値−オーバラップ時間のクランク角度換算値) …(2)
ここで、パイロット燃焼終了角度は、プレ噴射の開始前にパイロット噴射による燃焼を完了するために設定される角度である。また、着火遅れ時間は、パイロット噴射が実行されてからその燃料が着火するまでの時間遅れである。また、オーバラップ時間は、先行して実行されるパイロット噴射による燃料の燃焼期間と、後続して実行されるパイロット噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間(2つの燃焼が同時に行われている時間)および最終のパイロット噴射による燃料の燃焼期間と、後続して実行されるプレ噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間である。
(プレ噴射)
プレ噴射は、メイン噴射による初期燃焼速度を抑制し、安定した拡散燃焼に導くための噴射動作(トルク発生用燃料の供給動作)であって副噴射とも呼ばれる。また、本実施形態におけるプレ噴射は、上述したメイン噴射による初期燃焼速度を抑制する機能ばかりでなく、気筒内温度を高める予熱機能をも有するものとなっている。
具体的に、本実施形態では、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態に応じて決定される要求トルクを得るための総噴射量(プレ噴射での噴射量とメイン噴射での噴射量との和)に対して例えば10%としてプレ噴射量が設定される。この総噴射量に対するプレ噴射量の比率は、気筒内を予熱する際に必要となる熱量等に応じて設定される。
この場合、上記総噴射量が15mm3未満であった場合には、プレ噴射での噴射量が、インジェクタ23の最小限界噴射量(1.5mm3)未満となるため、プレ噴射は実行しないことになる。尚、この場合、インジェクタ23の最小限界噴射量(1.5mm3)だけプレ噴射での燃料噴射を行うようにしてもよい。一方、プレ噴射の噴射総量としてインジェクタ23の最小限界噴射量の2倍以上(例えば3mm3以上)が要求される場合には、複数回数のプレ噴射を実行することで、このプレ噴射で必要な総噴射量を確保するようにしている。これにより、プレ噴射の着火遅れを抑制し、メイン噴射による初期燃焼速度の抑制を確実に行って、安定した拡散燃焼に導くことができる。
また、このプレ噴射の噴射開始角度としては、以下の式(3)によって設定される。
プレ噴射開始角度=プレ燃焼終了角度+プレ噴射期間作用角+(プレ噴射における燃焼所要時間のクランク角度換算値+着火遅れ時間のクランク角度換算値−オーバラップ時間のクランク角度換算値) …(3)
ここで、着火遅れ時間は、プレ噴射が実行されてからその燃料が着火するまでの時間遅れである。また、オーバラップ時間は、複数回のプレ噴射が行われる場合において、先行して実行されるプレ噴射による燃料の燃焼期間と、後続して実行されるプレ噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間(2つの燃焼が同時に行われている時間)、および、最終のプレ噴射による燃料の燃焼期間と、後続して実行されるメイン噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間、並びに、最終のパイロット噴射による燃料の燃焼期間と、プレ噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間である。
また、上記の式(3)に限らず、プレ噴射の着火遅れ時間のクランク角度換算値(着火遅れ角)と、この着火遅れ時間の経過後、プレ噴射開始時の吸熱反応によって気筒内での熱発生量の収支が負になっている状態からこの熱発生量の収支が正に転じた状態になるまでの時間のクランク角度換算値(燃焼開始角)とに応じてプレ噴射の噴射開始角度を設定するようにしてもよい。
(メイン噴射)
メイン噴射は、エンジン1のトルク発生のための噴射動作(トルク発生用燃料の供給動作)である。具体的に、本実施形態では、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態に応じて決定される要求トルクを得るための上記総燃焼噴射量から上記プレ噴射での噴射量を減算した噴射量として設定される。
また、このメイン噴射の噴射開始角度(クランク角度位置)としては、以下の式(4)によって設定される。
メイン噴射開始角度=メイン着火時期+メイン噴射期間作用角+(メイン噴射における燃焼所要時間のクランク角度換算値+着火遅れ時間のクランク角度換算値−オーバラップ時間のクランク角度換算値) …(4)
ここで、着火遅れ時間は、メイン噴射が実行されてからその燃料が着火するまでの時間遅れである。また、オーバラップ時間は、上記プレ噴射による燃料の燃焼期間とメイン噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間、および、メイン噴射による燃料の燃焼期間と、アフタ噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間である。
また、上記の式(4)に限らず、メイン噴射の着火遅れ時間のクランク角度換算値(着火遅れ角)に応じてメイン噴射の噴射開始角度を設定するようにしてもよい。
尚、上述したようなプレ噴射およびメイン噴射の具体的な噴射形態、特に、クランク角度位置との関係の詳細については後述する。
以下、上述したプレ噴射およびメイン噴射の制御プロセスについて簡単に説明する。先ず、エンジン1のトルク要求値に対して、上記プレ噴射での噴射量とメイン噴射での噴射量との和である総燃料噴射量が算出される。つまり、エンジン1に要求されるトルクを発生させるための量として総燃料噴射量が算出される。
上記エンジン1のトルク要求値は、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態、および補機類等の使用状況に応じて決定される。例えば、エンジン回転数(上記クランクポジションセンサ40の検出値に基づいて算出されるエンジン回転数)が高いほど、また、アクセル操作量(アクセル開度センサ47により検出されるアクセルペダルの踏み込み量)が大きいほど(アクセル開度が大きいほど)エンジンのトルク要求値としては高く得られる。
このようにして総燃料噴射量が算出された後、この総燃料噴射量に対するプレ噴射での噴射量の比率(分割率)を設定する。つまり、プレ噴射量は、総燃料噴射量に対して上記分割率で分割された量として設定されることになる。この分割率(プレ噴射量)は、「メイン噴射による燃料の着火遅れの抑制」と「メイン噴射による燃焼の熱発生率のピーク値の抑制」とを両立する値として求められる。これらを抑制することで、高いエンジントルクを確保しながらも、緩慢燃焼の実現による燃焼音の低減やNOx発生量の低減を図ることが可能になる。尚、本実施形態では、上記分割率を10%としている。
(アフタ噴射)
アフタ噴射は、排気ガス温度を上昇させるための噴射動作である。具体的に、本実施形態では、このアフタ噴射により供給された燃料の燃焼エネルギがエンジンのトルクに変換されることなく、その大部分が排気の熱エネルギとして得られるタイミングでアフタ噴射を実行するようにしている。また、このアフタ噴射においても、上述したパイロット噴射の場合と同様に、最小噴射率(例えば1回当たりの噴射量1.5mm3)とし、複数回数のアフタ噴射を実行することで、このアフタ噴射で必要な総アフタ噴射量を確保するようにしている。
(ポスト噴射)
ポスト噴射は、排気系7に燃料を直接的に導入して上記マニバータ77の昇温を図るための噴射動作である。例えば、DPNR触媒76に捕集されているPMの堆積量が所定量を超えた場合(例えばマニバータ77の前後の差圧を検出することにより検知)、ポスト噴射が実行されるようになっている。
−目標燃料圧力の設定手法−
次に、本実施形態において目標燃料圧力を設定する際の技術的思想について説明する。
ディーゼルエンジン1においては、NOx発生量を削減することによる排気エミッションの改善、燃焼行程時の燃焼音の低減、エンジントルクの十分な確保といった各要求を連立することが重要である。本発明の発明者は、これら要求を連立するための手法として、燃焼行程時における気筒内での熱発生率の変化状態(熱発生率波形で表される変化状態)を適切にコントロールすることが有効であることに着目し、この熱発生率の変化状態をコントロールするための手法として以下に述べるような目標燃料圧力の設定手法を見出した。
図4の実線は、横軸をクランク角度、縦軸を熱発生率とし、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼に係る理想的な熱発生率波形を示している。この図4では、メイン噴射単独での熱発生率波形(プレ噴射による熱発生率を加えていない熱発生率波形)を示している。図中のTDCはピストン13の圧縮上死点に対応したクランク角度位置を示している。
この熱発生率波形としては、例えば、ピストン13の圧縮上死点(TDC)からメイン噴射で噴射された燃料の燃焼が開始され、圧縮上死点後の所定ピストン位置(例えば、圧縮上死点後10°(ATDC10°)の時点)で熱発生率が極大値(ピーク値)に達し、更に、圧縮上死点後の所定ピストン位置(例えば、圧縮上死点後25°(ATDC25°)の時点)で上記メイン噴射において噴射された燃料の燃焼が終了するようになっている。この時点までに燃焼を終了させるために、本実施形態では、圧縮上死点後22°(ATDC22°)までにメイン噴射での燃料噴射を終了させるようになっている。このような熱発生率の変化状態で混合気の燃焼を行わせるようにすれば、例えば圧縮上死点後10°(ATDC10°)の時点で気筒内の混合気のうちの50%が燃焼を完了した状況となる。つまり、膨張行程における総熱発生量の約50%がATDC10°までに発生し、高い熱効率でエンジン1を運転させることが可能となる。
また、図4に二点鎖線αで示す波形は、燃料噴射圧力が、適正値よりも高く設定された場合の熱発生率波形であり、燃焼速度およびピーク値が共に高くなりすぎており、燃焼音の増大やNOx発生量の増加が懸念される状態である。一方、図4に二点鎖線βで示す波形は、燃料噴射圧力が、適正値よりも低く設定された場合の熱発生率波形であり、燃焼速度が低く且つピークの現れるタイミングが大きく遅角側に移行していることで十分なエンジントルクが確保できないことが懸念される状態である。
上述したように、本実施形態に係る目標燃料圧力の設定手法は、熱発生率の変化状態の適正化(熱発生率波形の適正化)を図ることで燃焼効率の向上を図るといった技術的思想に基づくものである。
尚、実際の燃料噴射動作としては、このような熱発生率波形となるメイン噴射に先立って、上述したパイロット噴射およびプレ噴射が実行されることになる。これらパイロット噴射およびプレ噴射により、気筒内温度を十分に高めて、メイン噴射で噴射される燃料の着火性を良好に確保し、また、プレ噴射により、メイン噴射による初期燃焼速度を抑制し、安定した拡散燃焼に導くようにしている。
−プレ噴射およびメイン噴射の噴射形態−
次に、本実施形態の特徴である上記プレ噴射およびメイン噴射の噴射形態について具体的に説明する。
本実施形態におけるプレ噴射およびメイン噴射の噴射形態としては、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングと、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングと、シリンダ内で往復移動するピストン13が圧縮上死点に達するタイミングとが互いに略一致するように、プレ噴射およびメイン噴射の噴射タイミングおよび噴射量が制御される(燃料噴射制御手段による燃料噴射タイミングおよび噴射量の制御動作)。言い換えると、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングと、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングとが略一致するようにし、且つこのタイミングがピストン13が圧縮上死点に達するタイミングに略一致するようになっている。以下、このプレ噴射およびメイン噴射の噴射形態での燃料噴射制御を高効率燃料噴射制御動作と呼ぶ。
図5は、この高効率燃料噴射制御動作実行時の熱発生率波形、および、プレ噴射、メイン噴射の各噴射パターンを示している。
この図5に示すように、ピストン13の圧縮上死点(TDC)よりも進角側でプレ噴射を実行し(ピストン13の圧縮上死点よりも進角側にプレ噴射の開始タイミングと終了タイミングとが設定され)、このプレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングが、ピストン13が圧縮上死点に達したタイミングとなるように設定する(図中に一点鎖線で示す、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率の変化波形を参照)。
また、ピストン13の圧縮上死点(TDC)よりも僅かに進角側でメイン噴射を開始すると共に、ピストン13の圧縮上死点よりも遅角側でメイン噴射を終了させ、このメイン噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングが、ピストン13が圧縮上死点に達したタイミングとなるように設定する(図中に破線で示す、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率の変化波形を参照)。
これにより、図中に実線で示す熱発生率波形のように、上記プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率と、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率とは連続した波形(包絡線を形成する波形)を形成することになる。
そして、このようなタイミングでプレ噴射を実行する場合、このプレ噴射で噴射され且つ気筒内のスワール流に沿って流れる燃料は、その後のメイン噴射で噴射される燃料と重畳しないことになる。
具体的に、エンジン1の吸入行程で吸気ポート15aから気筒内に流入する空気の流れは、上記シリンダ中心線Pを回転中心とするスワール流となっており、このスワール流は圧縮行程においても継続して気筒内で生じている。
このため、プレ噴射で噴射された燃料は、このスワール流によって気筒内を周方向に流れることになる。つまり、圧縮行程での時間の経過と共に、プレ噴射で噴射された燃料(噴霧の塊)はインジェクタ23の噴孔に対面する位置(噴射直後の位置)からスワール流に沿った周方向に流されていくことになる。
従って、プレ噴射の後に、後続するメイン噴射を実行する時点にあっては、上記先行して実行されたプレ噴射で噴射されていた燃料は既に気筒内を周方向に流れており、同一噴孔から噴射される2つの噴射同士(プレ噴射とメイン噴射)の燃料は重なり合うことはない(両噴射の燃料塊同士が合体することはない)。
この場合、スワール流れ方向の上流側の噴孔から噴射されたプレ噴射の燃料が、スワール流れ方向の下流側の噴孔に対向する位置に向かって流れているので、後続するメイン噴射の噴射タイミングを調整することで、言い換えると、プレ噴射とメイン噴射との間のインターバルを調整することで、プレ噴射で噴射された燃料とメイン噴射で噴射された燃料とを合体させないようにすることができる。
より具体的には、ピストン13が下死点から上死点に達するまでの間に(クランク角度で180°移動するまでの間に)、スワール流が気筒内を周方向に1回転する場合を考える。つまり、スワール比が「2」の場合である。また、インジェクタ23の噴孔数が「10」である場合を考える。
この場合、プレ噴射とメイン噴射とのインターバルを気筒内の周方向で36°(クランク角度で18°)未満とすれば、プレ噴射で噴射された燃料とメイン噴射で噴射された燃料とを重なり合わせないようにすることができる。
このようにしてプレ噴射で噴射された燃料とメイン噴射で噴射された燃料とを重なり合わせないようにすることで、プレ噴射で噴射された燃料の大部分を気筒内予熱に寄与させることができる(プレ噴射を予熱項にできる)。このため、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生量を最大限に利用して、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼を開始させることが可能になる。
次に、燃料噴射タイミングについてより具体的に説明する。
図6は、プレ噴射の実行タイミングと、その実行タイミングにおいて気筒内で発生する熱発生量との関係を、複数の燃料噴射量(A〜D)に対して解析した結果を示している。例えば、Aは燃料噴射量0.7mm3であり、Bは燃料噴射量1.5mm3であり、Cは燃料噴射量3.0mm3であり、Dは燃料噴射量6.0mm3である。また、図中の一点鎖線は燃料量1.5mm3が完全燃焼した場合の熱量レベルを示している。例えば、図中の点Xは、プレ噴射をピストン13の圧縮上死点前(BTDC)15°のタイミングで実行し且つ燃料噴射量を1.5mm3とした場合に熱発生量がX1[J]であることを表している。また、図中の点Yは、プレ噴射をピストン13の圧縮上死点前(BTDC)7°のタイミングで実行し且つ燃料噴射量を3.0mm3とした場合に熱発生量がY1[J]であることを表している。更に、図中の点Zは、プレ噴射をピストン13の圧縮上死点(TDC)のタイミングで実行し且つ燃料噴射量を6.0mm3とした場合に熱発生量がZ1[J]であることを表している。
この図から分かるように、プレ噴射の噴射タイミングがピストン13の圧縮上死点(TDC)に近付くほど、同一燃料噴射量であっても熱発生量は大きくなっていく。これは、プレ噴射の噴射タイミングがピストン13の圧縮上死点(TDC)から進角されるほど、燃焼室内容積が大きい状態(ピストン13が低い位置にある状態)で微少量のプレ噴射が行われることになり、その後に、ピストン13が圧縮上死点付近に達して気筒内温度が上昇(吸気の圧縮による温度上昇)しても、燃焼室3では、既に燃料が広範囲に拡散しており、混合気が希薄化して着火不可能な状態となっているためである。特に、ピストン13の圧縮上死点前(BTDC)18°よりも進角側のタイミングでプレ噴射を実行した場合には混合気の希薄化が急速に進み、ピストン13の圧縮上死点前(BTDC)30°よりも進角側のタイミングでプレ噴射を実行した場合には燃料噴射量に関わりなく着火不可能な状態となる。
従って、ピストン13が圧縮上死点付近に達していて気筒内温度が上昇している環境下にプレ噴射を実行すれば、局部的に濃度の高い混合気が高温環境下に晒されて燃焼が開始することになるため、プレ噴射の噴射タイミングがピストン13の圧縮上死点(TDC)に近付くほど、同一燃料噴射量であっても熱発生量は大きくなっていくことになる。
しかしながら、ピストン13の圧縮上死点(TDC)付近でプレ噴射を行っても、その噴射量のうち実際に熱発生量に寄与できる燃料量は50%程度である。例えば、ピストン13の圧縮上死点(TDC)のタイミングで燃料噴射を3.0mm3としたプレ噴射の場合、熱発生量は、燃料量1.5mm3が完全燃焼した場合の熱量レベルに相当する(図6参照)。
このため、プレ噴射での熱発生量を増大させるためには、このプレ噴射での燃料噴射量を増大させることが考えられるが、これでは、燃費の悪化や逆進トルクの発生が懸念される。
そこで、本実施形態では、プレ噴射での燃料噴射タイミングとして、このプレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングが、ピストン13が圧縮上死点に達するタイミングに略一致するように設定し、プレ噴射で噴射された燃料が最大限に利用されて必要十分な熱発生量を発生し、且つ、このプレ噴射による逆進トルクが殆ど発生しないようにしている。つまり、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生量を最大限に利用して、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼を開始させることができるようにしている。例えば、プレ噴射の燃料噴射タイミングをピストン13の圧縮上死点前(BTDC)7°のタイミングに設定し、これにより、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングが、ピストン13が圧縮上死点に達するタイミングに略一致するようにしている。
このようなタイミングでプレ噴射を実行するために、予め実験等によってエンジン回転数、アクセル開度(エンジン負荷)、冷却水温度等をパラメータとして、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングが、ピストン13が圧縮上死点に達するタイミングに略一致するようなプレ噴射の実行タイミングをマップ化しておき、このマップを上記ROM102に記憶させておく。そして、プレ噴射を実行するに際して、このマップを参照してその実行タイミングを設定し、プレ噴射を実行させる。これにより、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングが、ピストン13が圧縮上死点に達するタイミングに略一致することになる。尚、上記マップは、エンジン回転数が高いほど、また、アクセル開度が大きいほど、更には、冷却水温度が低いほど、プレ噴射の実行タイミングを進角側に調整するように求められている。このマップにより求められるプレ噴射の実行タイミングと各パラメータとの関係はこれに限るものではない。
同様に、予め実験等によってエンジン回転数、アクセル開度(エンジン負荷)、冷却水温度、プレ噴射での燃料噴射量等をパラメータとして、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングが、ピストン13が圧縮上死点に達するタイミングに略一致するようなメイン噴射の実行タイミングをマップ化しておき、このマップを上記ROM102に記憶させておく。そして、メイン噴射を実行するに際して、このマップを参照してその実行タイミングを設定し、メイン噴射を実行させる。これにより、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングが、ピストン13が圧縮上死点に達するタイミングに略一致することになる。尚、上記マップは、エンジン回転数が高いほど、また、アクセル開度が大きいほど、また、冷却水温度が低いほど、更には、プレ噴射での燃料噴射量が少ないほど、メイン噴射の実行タイミングを進角側に調整するように求められている。このマップにより求められるメイン噴射の実行タイミングと各パラメータとの関係はこれに限るものではない。
また、本実施形態におけるプレ噴射およびメイン噴射の噴射形態としては、上述した高効率燃料噴射制御動作の他に、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングに対して、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングを遅れたタイミング(遅角側)に設定する噴射形態も実行可能となっている。以下、このプレ噴射およびメイン噴射の噴射形態での燃料噴射制御を排気エミッション優先燃料噴射制御動作と呼ぶ。図7は、この排気エミッション優先燃料噴射制御動作実行時の熱発生率波形、および、プレ噴射、メイン噴射の各噴射パターンの一例を示している。
図5(高効率燃料噴射制御動作での熱発生率波形)と図7(排気エミッション優先燃料噴射制御動作での熱発生率波形)とを比較した場合、高効率燃料噴射制御動作では上述した如くプレ噴射での熱発生率波形とメイン噴射での熱発生率波形とが包絡線を形成している(包絡線燃焼方式)。これに対し、排気エミッション優先燃料噴射制御動作ではプレ噴射での熱発生率波形とメイン噴射での熱発生率波形とが互いに独立した波形を形成している(独立燃焼方式)。
そして、本実施形態では、上述した高効率燃料噴射制御動作を実行するための噴射パターンでプレ噴射およびメイン噴射を実施する場合と、上記排気エミッション優先燃料噴射制御動作を実行するための噴射パターンでプレ噴射およびメイン噴射を実施する場合とがエンジン1の運転状態に応じて切り換えられるようになっている。
例えば排気エミッションを悪化させることのないエンジン1の運転領域(例えば低負荷及び中負荷の運転領域)では、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングと、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングと、ピストン13が圧縮上死点に達するタイミングとを互いに略一致させる高効率燃料噴射制御動作を実行する。一方、排気エミッションの悪化(例えばNOx発生量の増大)が懸念されるエンジン1の運転領域(例えば高負荷の運転領域)や、実際に排気エミッションが悪化する状況になった場合には、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングに対して、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングを遅れたタイミング(ピストン13が圧縮上死点に達した後のタイミング)に設定する排気エミッション優先燃料噴射制御動作を実行する。図7に示すものでは、各燃料噴射タイミングを遅角側に移行させて(高効率燃料噴射制御動作の場合よりも遅角側に移行させて)燃焼温度を低下させることでNOx発生量を抑制することになる。
このように、エンジン1の運転状態に応じて高効率燃料噴射制御動作と排気エミッション優先燃料噴射制御動作とを切り換えていくことにより、排気エミッションの悪化防止と、高い燃焼効率の実現とを両立することが可能である。
以上説明してきたように、本実施形態では、プレ噴射およびメイン噴射の噴射形態を一連の制御プロセスによって設定することができ、これまでにない制御ルールの構築により、噴射における各パラメータを固定化することが可能になり、プレ噴射およびメイン噴射の噴射パターンを一義的に決定する統合制御を実現することが可能になる。そして、この制御プロセスによってプレ噴射およびメイン噴射が実行されることにより、燃料消費率を改善しながらも高効率の燃焼状態を得ることが可能になる。
尚、上述した排気エミッション優先燃料噴射制御動作では、プレ噴射およびメイン噴射の各噴射タイミングを、共に、上記高効率燃料噴射制御動作におけるプレ噴射およびメイン噴射の各噴射タイミングよりも遅角側に設定していたが、メイン噴射の噴射タイミングのみを遅角側に設定するようにしてもよい。つまり、排気エミッション優先燃料噴射制御動作におけるプレ噴射の噴射タイミングを、高効率燃料噴射制御動作におけるプレ噴射の噴射タイミングに一致させて、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングを、ピストン13が圧縮上死点に達するタイミングに略一致させるものである。
上述したようなプレ噴射の噴射タイミングを設定する技術的思想としては、排気エミッション優先燃料噴射制御動作の実行時において、プレ噴射による予熱効果を十分に得たい場合(例えば内燃機関の冷間時等)には、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングを、ピストン13が圧縮上死点に達するタイミングに略一致させる。一方、上記逆進トルクの発生を確実に回避したい場合には、プレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングを、ピストン13が圧縮上死点に達するタイミングよりも遅れたタイミングに設定する。尚、この場合のプレ噴射の噴射タイミングとしては、2つのタイミング(プレ噴射での熱発生率が最大となるタイミングをTDCとする場合とATDCとする場合)を切り換える場合に限らず、予熱要求量などに応じて複数段階で切り換え可能としてもよい。
−変形例−
次に、変形例について説明する。上述した実施形態は、メイン噴射に先立って行われるプレ噴射が1回のみ実行される場合について説明した(図5参照)。本変形例では、このプレ噴射が2回実行される場合である。例えば、気筒内に要求される予熱量が大きい場合に実施される燃料噴射パターンである。その他の構成および燃料噴射動作は上述した実施形態の場合と同様であるので、ここでは上記実施形態との相違点についてのみ説明する。
図8は、本変形例における高効率燃料噴射制御動作実行時のプレ噴射およびメイン噴射の各噴射パターンを示している。
この図8に示すような燃料噴射パターンにおいては、2回目のプレ噴射(メイン噴射の直前に実行されるプレ噴射)は、上述した実施形態におけるプレ噴射と同様に実行される。つまり、この2回目のプレ噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングが、ピストン13が圧縮上死点に達するタイミングに略一致するようにしている。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態および変形例では、自動車に搭載される直列4気筒ディーゼルエンジンに本発明を適用した場合について説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンにも適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(直列型エンジン、V型エンジン等の別)についても特に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、マニバータ77として、NSR触媒75およびDPNR触媒76を備えたものとしたが、NSR触媒75およびDPF(Diesel Paticulate Filter)を備えたものとしてもよい。
更に、上述した実施形態および変形例では、エンジン1の運転状態に応じて上記高効率燃料噴射制御動作と排気エミッション優先燃料噴射制御動作とを切り換えるものとしていた。本発明の技術的思想は、これに限定されるものではなく、上記高効率燃料噴射制御動作のみを実施する場合も含むものである。
実施形態に係るエンジンおよびその制御系統の概略構成図である。 ディーゼルエンジンの燃焼室およびその周辺部を示す断面図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 膨張行程時の熱発生率の変化状態を示す波形図である。 高効率燃料噴射制御動作の実行時における気筒内での熱発生量および燃料噴射パターンを示す図である。 プレ噴射の実行タイミングと、その実行タイミングにおいて気筒内で発生する熱発生量との関係を、複数の燃料噴射量に対して解析した結果を示す図である。 排気エミッション優先燃料噴射制御動作の実行時における気筒内での熱発生量および燃料噴射パターンを示す図である。 変形例における高効率燃料噴射制御動作の実行時における燃料噴射パターンを示す図である。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
12 シリンダボア
13 ピストン
23 インジェクタ(燃料噴射弁)

Claims (3)

  1. 燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、主噴射と、この主噴射に先立って行われる副噴射とが実行可能な圧縮自着火式の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングと、上記主噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングと、シリンダ内で往復移動するピストンが圧縮上死点に達するタイミングとが互いに略一致するように上記各燃料噴射の噴射タイミングおよび噴射量を制御する高効率燃料噴射制御動作を実行可能な燃料噴射制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 上記請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記燃料噴射制御手段は、
    上記副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングに対して、主噴射で噴射された燃料の燃焼開始タイミングを遅れたタイミングに設定する排気エミッション優先燃料噴射制御動作が実行可能であり、
    上記高効率燃料噴射制御動作と排気エミッション優先燃料噴射制御動作とを内燃機関の運転状態に応じて切り換え可能な構成とされていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 上記請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記燃料噴射制御手段は、
    上記排気エミッション優先燃料噴射制御動作の実行時、上記副噴射で噴射された燃料の燃焼による熱発生率が最大となるタイミングを、ピストンが圧縮上死点に達するタイミングに略一致させる場合と、ピストンが圧縮上死点に達するタイミングよりも遅れたタイミングに設定する場合との間で、内燃機関の運転状態に応じて切り換え可能な構成とされていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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