JP4793381B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンに代表される内燃機関の燃料噴射制御装置に係る。特に、本発明は、内燃機関のトルク発生に寄与する燃料噴射量を分割して噴射する際の分割手法の改良に関する。
従来から周知のように、自動車用エンジン等として使用されるディーゼルエンジンでは、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態に応じて、燃料噴射弁(以下、インジェクタと呼ぶ場合もある)からの燃料噴射時期や燃料噴射量を調整する燃料噴射制御が行われている(下記の特許文献1および特許文献2を参照)。
ところで、ディーゼルエンジンの燃焼は、予混合燃焼と拡散燃焼とによって成り立っている。燃料噴射弁からの燃料噴射が開始されると、まず燃料の気化拡散により可燃混合気が生成される(着火遅れ期間)。次に、この可燃混合気が燃焼室の数ヶ所でほぼ同時に自己着火し、急速に燃焼が進む(予混合燃焼)。さらに、燃焼室内への燃料噴射が継続され、燃焼が継続的に行われる(拡散燃焼)。その後、燃料噴射が終了した後にも未燃燃料が存在するため、しばらくの間、熱発生が続けられる(後燃え期間)。
また、ディーゼルエンジンでは、着火遅れ期間が長くなるほど、あるいは着火遅れ期間における燃料の気化が激しいほど、着火後の火炎伝播速度が増大する。この火炎伝播速度が高くなると、一時に燃える燃料の量が多くなり過ぎて、シリンダ内の圧力が急激に増大し、振動や騒音が発生する。こうした現象はディーゼルノッキングと呼ばれており、特に低負荷運転時に発生することが多い。また、このような状況では、燃焼温度の急激な上昇に伴って窒素酸化物(以下、「NOx」と呼ぶ)の発生量も増大し、排気エミッションが悪化してしまう。
そこで、こうしたディーゼルノッキングを防止したり、NOx発生量を低減するために、各種の燃料噴射制御装置が開発されている。例えば、燃料噴射弁からの燃料噴射を複数回に分割して間欠噴射することなどが一般に行われている。
また、特許文献1には、主噴射に先立って燃料噴射を行うパイロット噴射として、気筒内に予混合気を形成するためのパイロット噴射と、主噴射による燃料を着火燃焼させるための着火源を形成するためのパイロット噴射とを行うことが開示されている。
更に、特許文献2には、主噴射を複数回に分割して実行することが開示されており、内燃機関の高負荷時には、主噴射による燃焼が途切れるように後段側の噴射の開始時期を遅らせ、これによりスモークの発生を抑制するようにしている。
特開2001−254645号公報 特開2002−155791号公報
ところで、これまでのディーゼルエンジンにおける燃料噴射制御では、燃焼音の低減、NOx発生量の低減、高いエンジントルクの確保といった観点から各制御項目(燃料噴射量や燃料噴射タイミング)を個別に設定し、エンジンの種類毎に試行錯誤で適合(エンジンの種類毎にそれに適した燃料噴射パターンを構築すること)を実施しているのが実情であった。
このため、例えば、燃焼音の低減およびNOx発生量の低減を優先して燃料噴射制御を行った場合には、燃焼効率が悪化して十分なエンジントルクを得ることができなくなったり、逆に、高いエンジントルクの確保を優先して燃料噴射制御を行った場合には、燃焼音の増大およびNOx発生量の増大を招いてしまう可能性があった。燃焼音の低減およびNOx発生量の低減と、高いエンジントルクの確保とを両立するために、従来では、上述した如く、試行錯誤で燃料噴射パターンを決定していたため、種々のエンジンに共通した体系的な燃料噴射制御手法が構築されておらず、燃料噴射制御の最適化を図るためには、未だ改良の余地があった。
より具体的に説明すると、ディーゼルエンジンにおける燃料の着火遅れとしては、物理的遅れと化学的遅れとがある。物理的遅れは、燃料液滴の蒸発・混合に要する時間であり、燃焼場のガス温度に左右される。一方、化学的遅れは、燃料蒸気の化学的結合分解かつ酸化発熱に要する時間である。燃料噴射弁の特性上、この燃料噴射弁からの燃料噴射は局所集中的噴射となるため、上記着火遅れは、燃料噴射量の増加に比例して大きくなっていく。
そして、この着火遅れが大きくなると、上述した如く同時燃焼する燃料量が増加し、燃焼室内の圧力および温度の急峻な上昇によって、燃焼音が増大し、NOx発生量も増大することになる。また、このような状況では、燃料の着火タイミングが不安定になり、この着火タイミングを目標着火時期に合わせることが困難になる。
このような状況を回避するために、燃料の多段分割噴射といった手法が用いられる。そして、この多段分割噴射のパラメータとしては、噴射回数、総燃料噴射量、噴射タイミング、噴射間インターバルが挙げられる。
これまでの燃料噴射制御では、これらパラメータを統合する物理則は構築されておらず、排気エミッションやエンジントルク等の変化に基づいて燃料噴射パターンを決定しているに過ぎなかった。言い換えると、これまでの燃料噴射制御では、適合パラメータ要素が多く、それらの組み合わせが多岐に渡っているため、適合プロセスの統一化が図れないまま試行錯誤で燃料噴射パターンを決定していた。
尚、上記各特許文献の技術的思想においても、燃料噴射の単純な回数分割や噴射量調整を行っているに過ぎず、種々のエンジンに共通した燃料噴射制御手法の体系化については何ら考慮されていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料の分割噴射を行うことが可能な内燃機関に対し、体系化された燃料噴射制御手法を提供することにある。
上記の目的を達成するための解決手段は、内燃機関のトルク発生に寄与させるための燃料噴射量を、燃料噴射弁によって、主噴射と、この主噴射に先立って行われる副噴射とに分割して噴射可能な圧縮自着火式の内燃機関の燃料噴射制御装置を前提とする。この燃料噴射制御装置に対し、総燃料噴射量算出手段、分割噴射量算出手段、上下限制限手段、副噴射タイミング設定手段を備えさせている。総燃料噴射量算出手段は、上記内燃機関に要求されるトルクに基づいてトルク発生に寄与させる総燃料噴射量を算出する。分割噴射量算出手段は、上記主噴射で噴射される燃料の吸熱反応による吸熱量と、燃料が着火して燃焼することによる発熱量との熱の収支として、発熱量の方が多くなるようにするための副噴射実行時の必要噴射量である熱発生量確保噴射量と、主噴射で噴射された燃料が燃焼する際の燃焼音およびNOx発生量を予め設定された許容値以下にするために必要となる、上記総燃料噴射量に対する副噴射量の分割率であるピーク値抑制分割率とを求め、上記熱発生量確保噴射量が、上記総燃料噴射量に上記ピーク値抑制分割率を乗算することで得られるピーク値抑制噴射量よりも多い場合には、この熱発生量確保噴射量を、上記総燃料噴射量から分割した副噴射量である分割噴射量として設定する一方、上記ピーク値抑制噴射量が上記熱発生量確保噴射量よりも多い場合には、このピーク値抑制噴射量を、上記総燃料噴射量から分割した副噴射量である分割噴射量として設定する。上下限制限手段は、上記分割噴射量算出手段によって求められた分割噴射量に対して所定の上下限値での制限を与える。副噴射タイミング設定手段は、上記上下限制限手段により制限を与えられることで求められた分割噴射量の上記副噴射実行時における噴射タイミングを設定する。
上記主噴射における初期噴射時の吸熱反応(着火遅れの原因)を抑制して、この際の吸熱量よりも発熱量の方を多くするためには、主噴射で噴射される燃料の吸熱反応における吸熱量を低減させる必要がある。つまり、主噴射実行時の筒内の熱エネルギの大きさが着火遅れの発生を左右するため、この着火遅れを抑制するためには、副噴射での燃料噴射量(熱発生量確保噴射量)を規定する必要がある。
一方、主噴射で噴射された燃料の燃焼に伴う熱発生率のピーク値を抑制するためには、上記総燃料噴射量に対してどの程度の燃料量を副噴射で噴射させるかが問題となる。つまり、上記総燃料噴射量に対する副噴射の比率(ピーク値抑制分割率)の大きさによって熱発生率のピーク値が左右されるため、熱発生率のピーク値を抑制するためには、このピーク値抑制分割率を規定する必要がある。
このため、熱発生量確保噴射量と、ピーク値抑制分割率から得られるピーク値抑制噴射量とを比較し、これらのうち大きい方の燃料噴射量を分割噴射量として設定する。これにより、主噴射における初期噴射時の吸熱反応の抑制と、主噴射で噴射された燃料の燃焼に伴う熱発生率のピーク値の抑制とを共に図ることが可能な副噴射時の分割噴射量を求めることができる。
そして、この分割噴射量での副噴射を主噴射に先立って実行しておくことで、内燃機関のトルクを十分に確保しながらも、燃焼音の低減やNOx発生量の低減を図ることが可能になる。
この場合、上記ピーク値抑制分割率の一例としては、約10%に設定される。
上記上下限制限手段による分割噴射量の下限値としては、燃料噴射弁の最小限界噴射量に設定される
このように分割噴射量に制限を与えることで、副噴射による効果(燃焼音の低減やNOx発生量の低減を図ること)を得ながらも、この副噴射自身の着火遅れや燃焼音の増大を招くことを回避することが可能になる
また、上記副噴射タイミング設定手段の具体構成としては、上記分割噴射量が燃料噴射弁の最小限界噴射量に対してその2倍以上である場合には、副噴射を多段噴射により実行する構成とされている。
これにより、副噴射実行時に一時に比較的大量の燃料が噴射されてしまうことを回避し、これによって副噴射自身の着火遅れや燃焼音の増大を回避することができる。
また、上記分割噴射量を補正するための構成としては以下のものが挙げられる。つまり、上記主噴射で噴射される燃料の目標着火タイミングが、ピストンが圧縮上死点に達した位置よりも遅角側に設定されている場合に、副噴射で噴射される上記分割噴射量を増量補正する増量補正手段を備えさせるものである。
これは、主噴射で噴射された燃料が着火するタイミングでは、既にピストンは下死点に向かって下降し始めており、その燃焼室容積の拡大に伴う温度低下分の熱エネルギを副噴射で噴射される燃料によって補給するためである。これにより、目標着火タイミングが、ピストンが圧縮上死点に達した位置よりも遅角側(ATDC)にあったとしても高いエンジントルクを発生させることが可能になる。
本発明によれば、内燃機関のトルクを十分に確保しながらも、燃焼音の低減やNOx発生量の低減を図ることが可能になると共に、このような制御ルールの構築により、燃料噴射における各パラメータを固定化することが可能になり、噴射パターンを一義的に決定する統合制御を実現することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)に本発明を適用した場合について説明する。
−エンジンの構成−
先ず、本実施形態に係るディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)の概略構成について説明する。図1は本実施形態に係るエンジン1およびその制御系統の概略構成図である。また、図2は、ディーゼルエンジンの燃焼室3およびその周辺部を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、燃料供給系2、燃焼室3、吸気系6、排気系7等を主要部として構成されるディーゼルエンジンシステムである。
燃料供給系2は、サプライポンプ21、コモンレール22、インジェクタ(燃料噴射弁)23、遮断弁24、燃料添加弁26、機関燃料通路27、添加燃料通路28等を備えて構成されている。
上記サプライポンプ21は、燃料タンクから燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を高圧にした後、機関燃料通路27を介してコモンレール22に供給する。コモンレール22は、サプライポンプ21から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ23に分配する。インジェクタ23は、その内部に圧電素子(ピエゾ素子)を備え、適宜開弁して燃焼室3内に燃料を噴射供給するピエゾインジェクタにより構成されている。このインジェクタ23からの燃料噴射制御の詳細については後述する。
また、上記サプライポンプ21は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を、添加燃料通路28を介して燃料添加弁26に供給する。添加燃料通路28には、緊急時において添加燃料通路28を遮断して燃料添加を停止するための上記遮断弁24が備えられている。
また、上記燃料添加弁26は、後述するECU100による添加制御動作によって排気系7への燃料添加量が目標添加量(排気A/Fが目標A/Fとなるような添加量)となるように、また、燃料添加タイミングが所定タイミングとなるように開弁時期が制御される電子制御式の開閉弁により構成されている。つまり、この燃料添加弁26から所望の燃料が適宜のタイミングで排気系7(排気ポート71から排気マニホールド72)に噴射供給される構成となっている。
吸気系6は、シリンダヘッド15(図2参照)に形成された吸気ポート15aに接続される吸気マニホールド63を備え、この吸気マニホールド63に、吸気通路を構成する吸気管64が接続されている。また、この吸気通路には、上流側から順にエアクリーナ65、エアフローメータ43、スロットルバルブ62が配設されている。上記エアフローメータ43は、エアクリーナ65を介して吸気通路に流入される空気量に応じた電気信号を出力するようになっている。
排気系7は、シリンダヘッド15に形成された排気ポート71に接続される排気マニホールド72を備え、この排気マニホールド72に対して、排気通路を構成する排気管73,74が接続されている。また、この排気通路には、後述するNOx吸蔵触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction触媒)75およびDPNR触媒(Diesel Paticulate−NOx Reduction触媒)76を備えたマニバータ(排気浄化装置)77が配設されている。以下、これらNSR触媒75およびDPNR触媒76について説明する。
NSR触媒75は、吸蔵還元型NOx触媒であって、例えばアルミナ(Al23)を担体とし、この担体上に例えばカリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)のようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)のようなアルカリ土類、ランタン(La)、イットリウム(Y)のような希土類と、白金(Pt)のような貴金属とが担持された構成となっている。
このNSR触媒75は、排気中に多量の酸素が存在している状態においてはNOxを吸蔵し、排気中の酸素濃度が低く、かつ還元成分(例えば燃料の未燃成分(HC))が多量に存在している状態においてはNOxをNO2若しくはNOに還元して放出する。NO2やNOとして放出されたNOxは、排気中のHCやCOと速やかに反応することによってさらに還元されてN2となる。また、HCやCOは、NO2やNOを還元することで、自身は酸化されてH2OやCO2となる。すなわち、NSR触媒75に導入される排気中の酸素濃度やHC成分を適宜調整することにより、排気中のHC、CO、NOxを浄化することができるようになっている。本実施形態のものでは、この排気中の酸素濃度やHC成分の調整を上記燃料添加弁26からの燃料添加動作によって行うことが可能となっている。
一方、DPNR触媒76は、例えば多孔質セラミック構造体にNOx吸蔵還元型触媒を担持させたものであり、排気ガス中のPMは多孔質の壁を通過する際に捕集される。また、排気ガスの空燃比がリーンの場合、排気ガス中のNOxはNOx吸蔵還元型触媒に吸蔵され、空燃比がリッチになると、吸蔵したNOxは還元・放出される。さらに、DPNR触媒76には、捕集したPMを酸化・燃焼する触媒(例えば白金等の貴金属を主成分とする酸化触媒)が担持されている。
ここで、ディーゼルエンジンの燃焼室3およびその周辺部の構成について。図2を用いて説明する。この図2に示すように、エンジン本体の一部を構成するシリンダブロック11には、各気筒(4気筒)毎に円筒状のシリンダボア12が形成されており、各シリンダボア12の内部にはピストン13が上下方向に摺動可能に収容されている。
ピストン13の頂面13aの上側には上記燃焼室3が形成されている。つまり、この燃焼室3は、シリンダブロック11の上部にガスケット14を介して取り付けられたシリンダヘッド15の下面と、シリンダボア12の内壁面と、ピストン13の頂面13aとにより区画形成されている。そして、ピストン13の頂面13aの略中央部には、キャビティ13bが凹設されており、このキャビティ13bも燃焼室3の一部を構成している。
このピストン13は、コネクティングロッド18の小端部18aがピストンピン13cにより連結されており、このコネクティングロッド18の大端部はエンジン出力軸であるクランクシャフトに連結されている。これにより、シリンダボア12内でのピストン13の往復移動がコネクティングロッド18を介してクランクシャフトに伝達され、このクランクシャフトが回転することでエンジン出力が得られるようになっている。また、燃焼室3に向けてグロープラグ19が配設されている。このグロープラグ19は、エンジン1の始動直前に電流が流されることにより赤熱し、これに燃料噴霧の一部が吹きつけられることで着火・燃焼が促進される始動補助装置として機能する。
上記シリンダヘッド15には、燃焼室3へ空気を導入する吸気ポート15aと、燃焼室3から排気ガスを排出する上記排気ポート71とがそれぞれ形成されていると共に、吸気ポート15aを開閉する吸気バルブ16および排気ポート71を開閉する排気バルブ17が配設されている。これら吸気バルブ16および排気バルブ17はシリンダ中心線Pを挟んで対向配置されている。つまり、本エンジン1はクロスフロータイプとして構成されている。また、シリンダヘッド15には、燃焼室3の内部へ直接的に燃料を噴射する上記インジェクタ23が取り付けられている。このインジェクタ23は、シリンダ中心線Pに沿う起立姿勢で燃焼室3の略中央上部に配設されており、上記コモンレール22から導入される燃料を燃焼室3に向けて所定のタイミングで噴射するようになっている。
更に、図1に示す如く、このエンジン1には、過給機(ターボチャージャ)5が設けられている。このターボチャージャ5は、タービンシャフト5Aを介して連結されたタービンホイール5Bおよびコンプレッサホイール5Cを備えている。コンプレッサホイール5Cは吸気管64内部に臨んで配置され、タービンホイール5Bは排気管73内部に臨んで配置されている。このためターボチャージャ5は、タービンホイール5Bが受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサホイール5Cを回転させ、吸気圧を高めるといった所謂過給動作を行うようになっている。本実施形態におけるターボチャージャ5は、可変ノズル式ターボチャージャであって、タービンホイール5B側に可変ノズルベーン機構(図示省略)が設けられており、この可変ノズルベーン機構の開度を調整することにより、エンジン1の過給圧を調整することができる。
吸気系6の吸気管64には、ターボチャージャ5での過給によって昇温した吸入空気を強制冷却するためのインタークーラ61が設けられている。このインタークーラ61よりも更に下流側に設けられた上記スロットルバルブ62は、その開度を無段階に調整することができる電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を絞り、この吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有している。
また、エンジン1には、吸気系6と排気系7とを接続する排気還流通路(EGR通路)8が設けられている。このEGR通路8は、排気の一部を適宜吸気系6に還流させて燃焼室3へ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものである。また、このEGR通路8には、電子制御によって無段階に開閉され、同通路を流れる排気流量を自在に調整することができるEGRバルブ81と、EGR通路8を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ82とが設けられている。
−センサ類−
エンジン1の各部位には、各種センサが取り付けられており、それぞれの部位の環境条件や、エンジン1の運転状態に関する信号を出力する。
例えば、上記エアフローメータ43は、吸気系6内のスロットルバルブ62上流において吸入空気の流量(吸入空気量)に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ49は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気の温度に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ48は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。A/F(空燃比)センサ44は、排気系7のマニバータ77の下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。排気温センサ45は、同じく排気系7のマニバータ77の下流において排気ガスの温度(排気温度)に応じた検出信号を出力する。レール圧センサ41はコモンレール22内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。スロットル開度センサ42はスロットルバルブ62の開度を検出する。
−ECU−
ECU100は、図3に示すように、CPU101、ROM102、RAM103およびバックアップRAM104などを備えている。ROM102は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM103は、CPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM104は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU101、ROM102、RAM103およびバックアップRAM104は、バス107を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース105および出力インターフェース106と接続されている。
入力インターフェース105には、上記レール圧センサ41、スロットル開度センサ42、エアフローメータ43、A/Fセンサ44、排気温センサ45、吸気圧センサ48、吸気温センサ49が接続されている。さらに、この入力インターフェース105には、エンジン1の冷却水温に応じた検出信号を出力する水温センサ46、アクセルペダルへの踏み込み量に応じた検出信号を出力するアクセル開度センサ47、および、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力するクランクポジションセンサ40などが接続されている。一方、出力インターフェース106には、上記インジェクタ23、燃料添加弁26、スロットルバルブ62、および、EGRバルブ81などが接続されている。
そして、ECU100は、上記した各種センサの出力に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。さらに、ECU100は、インジェクタ23の燃料噴射制御として、後述するパイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、アフタ噴射、ポスト噴射を実行する。
これらの燃料噴射を実行する際の燃料噴射圧は、コモンレール22の内圧により決定される。このコモンレール内圧として、一般に、コモンレール22からインジェクタ23へ供給される燃料圧力の目標値、すなわち目標レール圧は、エンジン負荷(機関負荷)が高くなるほど、および、エンジン回転数(機関回転数)が高くなるほど高いものとされる。すなわち、エンジン負荷が高い場合には燃焼室3内に吸入される空気量が多いため、インジェクタ23から燃焼室3内に向けて多量の燃料を噴射しなければならず、よってインジェクタ23からの噴射圧力を高いものとする必要がある。また、エンジン回転数が高い場合には噴射可能な期間が短いため、単位時間当たりに噴射される燃料量を多くしなければならず、よってインジェクタ23からの噴射圧力を高いものとする必要がある。このように、目標レール圧は一般にエンジン負荷およびエンジン回転数に基づいて設定される。
上記パイロット噴射やメイン噴射などの燃料噴射における燃料噴射パラメータについて、その最適値はエンジンや吸入空気等の温度条件によって異なるものとなる。
例えば、上記ECU100は、コモンレール圧がエンジン運転状態に基づいて設定される目標レール圧と等しくなるように、即ち燃料噴射圧が目標噴射圧と一致するように、サプライポンプ21の燃料吐出量を調量する。また、ECU100はエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量および燃料噴射形態を決定する。具体的には、ECU100は、クランクポジションセンサ40の検出値に基づいてエンジン回転速度を算出するとともに、アクセル開度センサ47の検出値に基づいてアクセルペダルへの踏み込み量(アクセル開度)を求め、このエンジン回転速度およびアクセル開度に基づいて総燃料噴射量(後述するプレ噴射での噴射量とメイン噴射での噴射量との和)を決定する。
−燃料噴射形態−
以下、本実施形態における上記パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、アフタ噴射、ポスト噴射の各動作の概略について説明する。
(パイロット噴射)
パイロット噴射は、インジェクタ23からのメイン噴射(主噴射)に先立ち、予め少量の燃料を噴射する噴射動作である。つまり、このパイロット噴射の実行後、燃料噴射を一旦中断し、メイン噴射が開始されるまでの間に圧縮ガス温度(気筒内温度)を十分に高めて燃料の自着火温度に到達させるようにし、これによってメイン噴射で噴射される燃料の着火性を良好に確保するようにしている。即ち、本実施形態におけるパイロット噴射の機能は、気筒内の予熱に特化したものとなっている。つまり、本実施形態におけるパイロット噴射は、燃焼室3内でのガスの予熱を行うための噴射動作(予熱用燃料の供給動作)である。
具体的に、本実施形態では、噴霧の分配や局所濃度の適正化を図るために、噴射率としては、最小噴射率(例えば1回当たりの噴射量1.5mm3)とし、複数回数のパイロット噴射を実行することで、このパイロット噴射で必要な総パイロット噴射量を確保するようにしている。より具体的に、パイロット噴射回数としては以下の式(1)により決定される。
N={(Ca・ΔT)・Kc・Kv}/(J・η) …(1)
(N:パイロット噴射の噴射回数、Ca:気筒内に導入された空気の熱容量、ΔT:自着火温度に対する未達分の温度、Kc:EGR率による熱容量補正係数、Kv:燃焼寄与の対象空間、J:1.5mm3の理論発熱量、η:燃料効率)
ここで、自着火温度の未達分の温度ΔTとは、メイン噴射時における燃料の目標着火時期(例えばピストン13が圧縮上死点に達した時期)での圧縮ガス温度と、燃料の自着火温度との差であって、この目標着火時期での圧縮ガス温度を燃料の自着火温度に到達させるのに必要な熱量に相当する。尚、上記式(1)は、1回当たりのパイロット噴射量を固定値(例えば1.5mm3)とし、噴射回数を設定することで必要な総パイロット噴射量を確保するようにしたものである。上記1回当たりのパイロット噴射量の固定値は上記値に限定されるものではない。
また、このようにして分割噴射されるパイロット噴射のインターバルは、インジェクタ23の応答性(開閉動作の速さ)によって決定される。本実施形態のものでは、例えば200μsに設定される。このパイロット噴射のインターバルは、この値に限定されるものではない。
更に、このパイロット噴射の噴射開始タイミングとしては、例えばクランク角度で、ピストン13の圧縮上死点前(BTDC)80°以降であって、以下の式(2)によって設定される。
パイロット噴射開始角度=パイロット燃焼終了角度+パイロット噴射期間作用角+(1回のパイロット噴射における燃焼所要時間のクランク角度換算値×N+着火遅れ時間のクランク角度換算値−オーバラップ時間のクランク角度換算値) …(2)
ここで、パイロット燃焼終了角度は、プレ噴射の開始前にパイロット噴射による燃焼を完了するために設定される角度である。また、着火遅れ時間は、パイロット噴射が実行されてからその燃料が着火するまでの時間遅れである。また、オーバラップ時間は、先行して実行されるパイロット噴射による燃料の燃焼期間と、後続して実行されるパイロット噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間(2つの燃焼が同時に行われている時間)および最終のパイロット噴射による燃料の燃焼期間と、後続して実行されるプレ噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間である。
(プレ噴射)
プレ噴射は、メイン噴射による初期燃焼速度を抑制し、安定した拡散燃焼に導くための噴射動作(トルク発生用燃料の供給動作)であって、本発明でいう副噴射である。つまり、上記メイン噴射の噴射量が増加すると、この噴射された燃料による気化潜熱吸収に要する時間が増加し、その結果、同時燃焼に寄与する燃料量も増加することになる。プレ噴射を実行しない場合、つまり、総燃料噴射量の全てをメイン噴射で噴射する場合には、初期燃焼で同時燃焼に寄与する燃料量は総燃料噴射量に比例して増加する。
図4は、燃料噴射動作1回当たりの噴射量と、その燃料噴射が行われた際の気筒内における噴霧温度分布との関係を示している。図中の実線、一点鎖線、破線の順で総燃料噴射量は多くなっている(図4の下段に示した噴霧形状を参照)。この図のように、燃料噴射量が多いほど、自着火温度以上の帯域に存在する燃料量が多くなっており、その結果、同時燃焼を行う燃料量も多くなっている。このような状況では、燃焼音およびNOx発生量が共に増大してしまう。このため、メイン噴射に先立ってプレ噴射を実行し(所謂、事前燃焼を行って)、メイン噴射による初期燃焼速度を抑制して、安定した拡散燃焼に導くようにしている。つまり、このプレ噴射を実行することで、このプレ噴射での燃料が燃焼して筒内圧力が上昇し、これに伴って燃料の自着火温度が低下する。そして、圧縮ガス温度と燃料の自着火温度との差が小さくなることで、メイン噴射での燃料の自着火遅れ時間が短縮されることになって、その結果、同時燃焼燃料量が低減されて燃焼音およびNOx発生量が共に抑制されることになる。
具体的に、本実施形態では、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態に応じて決定される要求トルクを得るための総燃料噴射量(プレ噴射での噴射量とメイン噴射での噴射量との和)に対して例えば10%としてプレ噴射量が設定される。具体的なプレ噴射量の設定動作については後述する。
また、このプレ噴射の噴射開始角度(クランク角度位置)としては、以下の式(3)によって設定される。
プレ噴射開始角度=プレ燃焼終了角度+プレ噴射期間作用角+(プレ噴射における燃焼所要時間のクランク角度換算値+着火遅れ時間のクランク角度換算値−オーバラップ時間のクランク角度換算値) …(3)
ここで、着火遅れ時間は、プレ噴射が実行されてからその燃料が着火するまでの時間遅れである。また、オーバラップ時間は、複数回のプレ噴射が行われる場合において、先行して実行されるプレ噴射による燃料の燃焼期間と、後続して実行されるプレ噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間(2つの燃焼が同時に行われている時間)、および、最終のプレ噴射による燃料の燃焼期間と、後続して実行されるメイン噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間、並びに、最終のパイロット噴射による燃料の燃焼期間と、プレ噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間である。
(メイン噴射)
メイン噴射は、エンジン1のトルク発生のための噴射動作(トルク発生用燃料の供給動作)である。具体的に、本実施形態では、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態に応じて決定される要求トルクを得るための上記総燃焼噴射量から上記プレ噴射での噴射量を減算した噴射量として設定される。
また、このメイン噴射の噴射開始角度(クランク角度位置)としては、以下の式(4)によって設定される。
メイン噴射開始角度=メイン着火時期+メイン噴射期間作用角+(メイン噴射における燃焼所要時間のクランク角度換算値+着火遅れ時間のクランク角度換算値−オーバラップ時間のクランク角度換算値) …(4)
ここで、着火遅れ時間は、メイン噴射が実行されてからその燃料が着火するまでの時間遅れである。また、オーバラップ時間は、上記プレ噴射による燃料の燃焼期間とメイン噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間、および、メイン噴射による燃料の燃焼期間と、アフタ噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間である。
(アフタ噴射)
アフタ噴射は、排気ガス温度を上昇させるための噴射動作である。具体的に、本実施形態では、このアフタ噴射により供給された燃料の燃焼エネルギがエンジンのトルクに変換されることなく、その大部分が排気の熱エネルギとして得られるタイミングでアフタ噴射を実行するようにしている。また、このアフタ噴射においても、上述したパイロット噴射の場合と同様に、最小噴射率(例えば1回当たりの噴射量1.5mm3)とし、複数回数のアフタ噴射を実行することで、このアフタ噴射で必要な総アフタ噴射量を確保するようにしている。
(ポスト噴射)
ポスト噴射は、排気系7に燃料を直接的に導入して上記マニバータ77の昇温を図るための噴射動作である。例えば、DPNR触媒76に捕集されているPMの堆積量が所定量を超えた場合(例えばマニバータ77の前後の差圧を検出することにより検知)、ポスト噴射が実行されるようになっている。
−プレ噴射およびメイン噴射の制御プロセス−
次に、本実施形態の特徴部分であるプレ噴射およびメイン噴射の制御(処理)プロセスについて図5を用いて説明する。
図5に示すように、プレ噴射およびメイン噴射の制御プロセスでは、先ず、エンジンのトルク要求値に対して、上記プレ噴射での噴射量とメイン噴射での噴射量との和である総燃料噴射量が算出される(図5におけるプロセスP1,P2)。つまり、エンジンに要求されるトルクを発生させるための量として総燃料噴射量が算出される(総燃料噴射量算出手段による総燃料噴射量の算出動作)。
上記エンジンのトルク要求値は、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態、および補機類等の使用状況に応じて決定される。例えば、エンジン回転数(上記クランクポジションセンサ40の検出値に基づいて算出されるエンジン回転数)が高いほど、また、アクセル操作量(アクセル開度センサ47により検出されるアクセルペダルの踏み込み量)が大きいほど(アクセル開度が大きいほど)エンジンのトルク要求値としては高く得られる。
このようにして総燃料噴射量が算出された後、この総燃料噴射量に対するプレ噴射での噴射量(以下、プレ噴射量と呼ぶ場合もある)の比率(以下、分割率と呼ぶ)を算出する(P3)。つまり、プレ噴射量は、総燃料噴射量に対して上記分割率で分割された量として設定されることになる。以下、この分割率の算出動作について説明する。
<分割率算出のための技術的思想>
上記分割率の算出は、以下の技術的思想に基づいて行われる。つまり、この分割率(プレ噴射量)は、「メイン噴射による燃料の着火遅れの抑制」と「メイン噴射による燃焼の熱発生率のピーク値の抑制」とを両立する値として求められる。これらを抑制することで、高いエンジントルクを確保しながらも、燃焼音の低減やNOx発生量の低減を図ることが可能になる。以下、「メイン噴射による燃料の着火遅れの抑制」と「メイン噴射による燃焼の熱発生率のピーク値の抑制」とを両立するための技術的思想について具体的に説明する。
・メイン噴射による燃料の着火遅れの抑制
メイン噴射による燃料の着火遅れ(以下、単に着火遅れと呼ぶ)は、メイン噴射において順次追加される噴霧による吸熱反応(燃料の噴霧が気筒内の熱エネルギを気化熱として奪うこと)が原因であって、気筒内温度の着火温度到達よりも熱エネルギの低下が先行することで発生する。このため、熱エネルギの低下を抑制するように、メイン噴射の燃料噴射後、最初に着火可能となる燃料量には上限が存在することになる。この上限は、燃焼場(気筒内)の圧力・温度・噴霧形状・混合気形成場の状態によって変化する。また、インジェクタ23の噴孔数、噴孔径、噴霧角度が固定である場合には、噴射圧力によって単位時間当たりに生成される混合気量が決定されることになる。
これらを考慮し、メイン噴射における初期噴霧の温度上昇を単調増加させるためには、連続した吸熱反応を抑制し、これによって上記着火遅れを抑制することが必要となる。
そこで、この着火遅れを抑制する手法として、メイン噴射とは別に、このメイン噴射に先立つ上記プレ噴射を実行し、燃料噴射を間欠化する。これにより、連続した吸熱反応を抑制し、また、先行分割量(プレ噴射での燃料噴射量)を少量化(例えばインジェクタ23の最小限界噴射量に設定)することで、このプレ噴射で噴射される燃料自身の吸熱反応における吸熱量を低減させる。これによって上記着火遅れが抑制可能となる。つまり、連続した吸熱反応(メイン噴射で噴射される燃料による吸熱反応)の発生前に、プレ噴射の実行に伴って燃焼場を予熱しておくことで、メイン噴射における初期噴霧の着火に必要な熱エネルギを確保して上記着火遅れを抑制する。言い換えると、メイン噴射の噴射開始初期の期間における、メイン噴射で噴射される燃料の吸熱反応による吸熱量と、この燃料が着火して燃焼することによる発熱量との熱の収支として、発熱量の方が多くなるように(本発明でいう、「主噴射の噴射初期時における熱発生量が所定値以下に低下しないよう」)、プレ噴射の実行によって燃焼場を予熱しておく。
・メイン噴射による燃焼の熱発生率のピーク値の抑制
燃焼室内で短期間に連続して混合気供給が行われた場合、つまり、短期間で比較的大量の燃料が燃焼室内に噴射され、比較的大量の可燃混合気が生成される状況となった場合、メイン噴射による燃焼の熱発生率のピーク値の上昇を招いてしまう。このため、上述した如く、メイン噴射に先立ってプレ噴射を実行し、燃料噴射を間欠化(混合気供給を多段化)する。これにより、燃焼期間が拡張して分割燃焼が行われ、メイン噴射による燃焼の熱発生率のピーク値を所定値未満(メイン噴射で噴射された燃料が燃焼する際の燃焼音およびNOx発生量を十分に低下させることができるピーク値未満)に抑制できることになる。
<分割率の算出>
・分割率の算出手法の概念
上述した分割率算出のための技術的思想を踏まえ、本実施形態では、以下の動作により分割率を算出する。つまり、以下の式(5)が成立するよう、メイン噴射における初期噴霧の燃焼寄与分の熱エネルギをメイン噴射の開始前にプレ噴射の実行によって準備しておく。
新規発生熱エネルギ≧新規供給混合気による吸熱エネルギ …(5)
ここで、新規発生熱エネルギとは、プレ噴射で噴射された燃料が燃焼することにより発生した熱エネルギである。また、新規供給混合気による吸熱エネルギとは、メイン噴射で噴射される燃料の吸熱反応によって奪われる気筒内の熱エネルギである。この式(5)を成立させることで、メイン噴射の噴射初期時における熱発生量(噴射された燃料による吸熱量(負側の熱量)と燃料の燃焼による発熱量(正側の熱量)との収支)が所定値以下に低下しないようにすることができる。
燃圧が同一であれば燃料噴射率の増加速度も同一であるため、燃焼室3の形状、スワール流、スキッシュ流が同一であれば、混合気形成速度も同一となる。また、混合気が可燃混合気となるためには、適切な燃焼場の熱エネルギ供給、酸素供給量が必要である。上記新規供給混合気の一部が燃焼せず、その残余が発生した場合、この残余分が次回の燃焼に回されることになるため、見かけ上、供給混合気は増加することになる。更に、インジェクタ23の閉弁動作によって燃料噴射率が低下すると、新規供給混合気の供給量も低下していくことになる。また、上記拡散燃焼は、メイン噴射における初期燃焼の関与のみで発生している。これらを考慮して上記式(5)における新規供給混合気による吸熱エネルギの量を求め、この吸熱エネルギ以上の熱エネルギが新規発生熱エネルギによって得られるように上記分割率の算出が行われる。
・メイン噴射における初期燃焼に必要な熱エネルギの算出
上記メイン噴射における初期の燃焼に必要な熱エネルギを以下の技術的思想に基づいて算出する。
上記メイン噴射による燃料の着火遅れを抑制するためには、メイン噴射で噴射される燃料の吸熱反応における吸熱量を低減させる必要がある。つまり、メイン噴射実行時の筒内の熱エネルギの大きさが着火遅れの発生を左右する。このため、この着火遅れを抑制するためには、プレ噴射での燃料噴射量を規定する必要がある。
一方、メイン噴射による燃焼の熱発生率のピーク値を抑制するためには、上記総燃料噴射量に対してどの程度の燃料量をプレ噴射で噴射させるかが問題となる。つまり、上記総燃料噴射量に対するプレ噴射の比率が小さいほど上記熱発生率のピーク値は上昇することになり、このプレ噴射の比率を大きくしていくと熱発生率のピーク値は降下していく。つまり、総燃料噴射量に対するプレ噴射量の比率の大きさによって熱発生率のピーク値が左右される。このため、熱発生率のピーク値を抑制するためには、総燃料噴射量に対するプレ噴射量の比率(分割率)を規定する必要がある。このため、熱発生率のピーク値を抑制するためには、総燃料噴射量に対するプレ噴射量の比率(分割率)として特定の値(例えば10%)があり、この分割率を総燃料噴射量に乗算して分割噴射量(プレ噴射量)を求めることになる。
以上のことから本実施形態の場合、「メイン噴射による燃料の着火遅れの抑制」と「メイン噴射による燃焼の熱発生率のピーク値の抑制」とを両立するための具体的手法として以下に述べる分割率算出動作を行う。
つまり、熱発生率のピーク値の抑制を図るために要求されるプレ噴射での分割率と、着火遅れの抑制を図るために要求されるプレ噴射での燃料噴射量とを比較する。そして、上記熱発生率のピーク値の抑制を図るために要求されるプレ噴射での分割率から得られる燃料噴射量(総燃料噴射量によって変化する)と、着火遅れの抑制を図るために要求されるプレ噴射での燃料噴射量とのうち大きい方の燃料噴射量が得られるようにする。
具体的には、熱発生率のピーク値の抑制よりも着火遅れの抑制が要求される状況、例えば、総燃料噴射量が比較的少量であって、着火遅れの発生が生じやすい状況にある場合は、この着火遅れの抑制を図るために要求されるプレ噴射での燃料噴射量の方が、熱発生率のピーク値の抑制を図るために要求されるプレ噴射での燃料噴射量よりも多くなる。この場合、上記着火遅れの抑制を図るために要求されるプレ噴射での燃料噴射量でプレ噴射が実行されるように設定される(着火遅れの抑制を優先したプレ噴射の設定)。
一方、着火遅れの抑制よりも熱発生率のピーク値の抑制が要求される状況、例えば、総燃料噴射量が比較的多量であって、熱発生率のピーク値が上昇しやすい状況にある場合は、この熱発生率のピーク値の抑制を図るために要求されるプレ噴射での燃料噴射量の方が、着火遅れの抑制を図るために要求されるプレ噴射での燃料噴射量よりも多くなる。この場合、上記熱発生率のピーク値の抑制を図るために設定される上記分割率を採用し、この分割率に基づいて(総燃料噴射量に対して分割率を乗算することによって)得られたプレ噴射量でプレ噴射が実行されるようにする(熱発生率のピーク値の抑制を優先したプレ噴射の設定)。
尚、上記分割率を算出するにあたっての補正項としては、気筒内における攪拌能力や酸素供給量とその濃度(EGR率)などが挙げられる。これらにより分割率は補正されて算出されることになる。
図5のP4では、以上のようにして設定されたプレ噴射におけるプレ噴射量を算出する。つまり、上記着火遅れの抑制を優先したプレ噴射の場合には、着火遅れの抑制を図るために要求されるプレ噴射量がそのまま採用される。一方、熱発生率のピーク値の抑制を優先したプレ噴射の場合には、上記総燃料噴射量に分割率を乗算することによって得られたプレ噴射量が採用される(分割噴射量算出手段による分割噴射量の算出動作)。
尚、この場合、求められたプレ噴射量が1.5mm3未満であった場合には、インジェクタ23の最小限界噴射量未満となるため、プレ噴射での燃料噴射量はインジェクタ23の最小限界噴射量(1.5mm3)に設定されることになる。一方、プレ噴射の噴射総量としてインジェクタ23の最小限界噴射量を超える量が要求される場合には、複数回数のプレ噴射を実行することで、このプレ噴射で必要な総噴射量を確保することになる。例えば、プレ噴射量が5mm3であった場合には、インジェクタ23の最小限界噴射量である1.5mm3の噴射が2回行われ、その後、2.0mm3の噴射が1回行われることになる。更に、プレ噴射量が2.0mm3であった場合には、インジェクタ23の最小限界噴射量である1.5mm3の噴射が2回行われ、必要噴射量以上のプレ噴射量が確保されるようにする。
また、本実施形態では、メイン噴射の目標着火時期がピストン13の圧縮上死点(TDC)近傍であった場合には上記分割率(熱発生率のピーク値の抑制を優先する場合における分割率)は一律に例えば10%に設定している。この値は、これに限定されるものではない。
また、メイン噴射の目標着火時期がピストン13の圧縮上死点(TDC)よりも離間して、ピストン13が圧縮上死点に達した後(ATDC)に設定されている場合には、プレ噴射量としては増量補正される(増量補正手段による分割噴射量の増量補正動作)。これは、メイン噴射で噴射された燃料が着火するタイミングでは、既にピストン13は下死点に向かって下降し始めており、その燃焼室容積の拡大に伴う温度低下分の熱エネルギをプレ噴射で噴射される燃料によって補給するためである。これにより、目標着火時期が上記ATDCにあったとしても高いエンジントルクを発生させることができる。また、この場合、膨張行程での着火遅れは失火発生に繋がる可能性があるため、この着火遅れの発生を回避可能とするプレ噴射を実行することになる。つまり、目標着火時期での気筒内温度を十分に高めておき、気筒内圧力の低下に伴って燃料の自着火温度が高くなっても、十分にメイン噴射での燃料が着火可能となる熱エネルギを筒内に確保しておくようにプレ噴射量は増量補正される。
<分割量の上下限ガード>
上述の如く算出された分割量(プレ噴射量)には、以下に述べるような上限値および下限値のガードが与えられる(上下限制限手段による上下限値制限動作:図5のP5)。
・分割噴射量の下限値設定
(A)この分割噴射量の下限値として、まず、インジェクタ23の精度保証が可能な最小噴射量が挙げられる。本実施形態では、インジェクタ23の最小限界噴射量として1.5mm3が挙げられる。つまり、分割噴射量が1.5mm3未満として算出された場合には、分割噴射量は1.5mm3として設定される。
(B)また、燃焼拡散速度が着火温度到達速度を上回ると可燃空燃比よりもリーンになり、また、噴射空間の体積(ピストンの位置により変化)、酸素濃度、酸素量、スワール流とスキッシュ流の影響、燃料量などによって拡散速度は変化する。
これらを考慮し、可燃空燃比を形成可能とする必要最小限の燃料噴射量が分割噴射量の下限値として設定される。つまり上記(A)、(B)で設定される各下限値のうち、高い方の値を分割噴射量の下限値として採用することになる。
・分割噴射量の上限値設定
(C)この分割噴射量の上限値としては、燃料の着火遅れを最小化するための上限噴射量として設定される。
(D)また、燃焼音を抑制するために設定される必要最小限の値としても上限噴射量が設定される。
(E)更に、燃焼効率を考慮して上限噴射量が設定される。例えば、ピストン13が圧縮上死点に達する前(BTDC)に燃焼が行われることは非効率となるため、このタイミングでプレ噴射が実行される場合には、ピストン13が圧縮上死点に達する前にトルク(逆トルク)が発生しないように上限噴射量が設定される。
これらを考慮し、分割噴射量の上限値が設定される。つまり上記(C)、(D)、(E)で設定される各上限値のうち、最も低い値を分割噴射量の上限値として採用することになる。
更に、この分割噴射量の上限値としては、プレ噴射の噴射タイミングとエンジン1の負荷状態とに応じて変化させるようにしてもよい。図6は、この場合の分割噴射量の上限値を示す図である。つまり、プレ噴射の噴射タイミングがピストン13の圧縮上死点(TDC)近傍であるほど、分割噴射量の上限値としては低く設定され、これにより、気筒内における圧力および温度の許容上昇量に制限が加えられることになる。また、エンジン1が高負荷状態である場合よりも軽負荷状態である場合の方が分割噴射量の上限値としては低く設定される。これは、エンジン1が軽負荷状態である場合、メイン噴射での燃焼音は小さい状況であるため、この場合にプレ噴射量が多くなると、エンジン1の燃焼音全体におけるプレ噴射に起因する燃焼音の割合が大きくなってしまう可能性があるので、これを回避して、エンジン1の静粛性を高めるためである。
<メイン噴射量の算出>
以上のようにして上下限ガードが与えられて設定された分割噴射量を利用し、以下の式(6)によってメイン噴射量が算出される(図5のP6)。
メイン噴射量=総燃料噴射量−分割噴射量 …(6)
<燃焼効率の算出>
プレ噴射の実行に際しては、その燃焼効率を考慮し、以下の2タイプの多段噴射形態が選択される(図5のP7)。
・熱発生率が独立した多段噴射形態
この噴射形態は、予熱に必要な熱エネルギを最大限に確保するための噴射形態であって、プレ噴射の実行開始時における急速燃焼終了後の緩慢燃焼部で次噴射(後続するプレ噴射)での燃焼を開始させるようにする。これにより、熱発生率としては、図7に示すように、個々のプレ噴射(第1および第2プレ噴射)で噴射された燃料と、メイン噴射で噴射された燃料とがそれぞれ独立した熱発生率を構成する状態となる。
・熱発生率が従属した多段噴射形態
この噴射形態は、熱発生率を単調化し、熱発生率の変化が包絡線を形成する噴射形態であって、プレ噴射の実行開始時における急速燃焼の終了前に次噴射(後続するプレ噴射)での燃焼を開始させるようにする。これにより、熱発生率としては、図8に示すように、個々のプレ噴射(第1および第2プレ噴射)で噴射された燃料と、メイン噴射で噴射された燃料とがそれぞれ連続した熱発生率を構成する状態となる。図中の破線は、先行するプレ噴射(第2プレ噴射に対して先行する第1プレ噴射、メイン噴射に対して先行する第2プレ噴射)で噴射された燃料の燃焼に伴う熱発生率の変化を示している。
また、このような多段噴射形態の独立性および従属性に関し、プレ噴射およびメイン噴射それぞれで噴射される燃料の燃焼の全てを独立させたり、または、全てを従属させたりするものに限らず、以下のような独立性および従属性を持たせるようにしてもよい。
例えば、2回のプレ噴射を実行させる場合において、先行するプレ噴射(第1プレ噴射)での燃焼と後続するプレ噴射(第2プレ噴射)での燃焼とを独立させ、且つ第2プレ噴射での燃焼とメイン噴射での燃焼とを従属させるようにする。この場合、第1プレ噴射の噴射タイミングは、ピストン13の圧縮上死点よりもかなり進角側において実行され、気筒内の広範囲に亘って噴霧が拡散することになる。このため、この第1プレ噴射で噴射された燃料により予混合状態を形成することができる。この場合、気筒内では部分的に空燃比がリーン状態となって着火しない領域が発生するため、第1プレ噴射で噴射された燃料の一部(例えば60%程度)は、ピストン13が圧縮上死点近傍に達するまで燃焼しない残余燃料となり、この残余燃料が第2プレ噴射の実行に伴って、この第2プレ噴射で噴射された燃料と共に燃焼することになる。その結果、第2プレ噴射での燃焼とメイン噴射での燃焼との従属性を増すことができる。
また、第1プレ噴射での燃焼と第2プレ噴射での燃焼とを従属させ、且つ第2プレ噴射での燃焼とメイン噴射での燃焼とを独立させるようにすることも可能である。
以上のように、プレ噴射の噴射タイミングとメイン噴射の噴射タイミングとを調整することが可能であるので、プレ噴射で噴射された燃料(噴霧の塊)とメイン噴射で噴射された燃料(噴霧の塊)とを重ね合わせる状態としたり、重ね合わせない状態としたりすることができる。ここでは、前者の噴射形態における燃焼を「重畳燃焼」と呼び、後者の噴射形態における燃焼を「隣接燃焼」と呼ぶこととする。これら燃焼の詳細については後述する。
<メイン燃焼タイミングの算出>
メイン燃焼タイミングとしては、以下のように設定される(主噴射タイミング設定手段によるメイン噴射の噴射タイミング設定動作:図5のP8)。
上述したような多段分割噴射によって着火遅れを抑制し、ピーク熱の発生率を低下可能な場合には、メイン燃焼タイミングとしてはピストン13の圧縮上死点(TDC)近傍に設定される。つまり、最も熱効率の高いタイミングを目標着火時期として設定する。
一方、熱発生率のピーク値を抑制するためのプレ噴射量が不足している場合には、メイン燃焼タイミングを固定化し、EGR率を増加させることで酸素濃度を低減させ、燃圧の低減、ガス充填量の低減等を行って混合気供給速度を低下させるようにする。
また、排気エミッションの改善要求などに応じてメイン燃焼タイミングをピストン13の圧縮上死点(TDC)よりも遅角側(ATDC)に設定する場合もある。例えば、NOxの排出量が多くなった場合には、メイン燃焼タイミングを遅角側に設定し、燃焼温度を低下させる。
<分割噴射量の多段制御>
以上のようにして求められたプレ噴射量に対し、これを必要に応じて多段噴射により間欠的に燃料噴射を行う。つまり、上記図5におけるP4で求められたプレ噴射量に基づいて、噴射タイミング、噴射インターバルを設定し、これによりプレ噴射の噴射パターンを決定する(副噴射タイミング設定手段による噴射タイミングの設定動作:図5のP9)。
上記噴射インターバルとしては、要求予熱エネルギと噴射量とから所要時間が算出される。具体的には、以下の式(7)によって噴射インターバルが算出される。
メイン着火時期+分割噴射燃焼期間+着火遅れ時間(噴射期間を含む) …(7)
例えば、上述した如く、プレ噴射の総噴射量が1.5mm3(インジェクタ23の最小限界噴射量)未満であった場合には、プレ噴射での燃料噴射量は1.5mm3に設定される。また、プレ噴射の噴射総量が5mm3であった場合には、インジェクタ23の最小限界噴射量である1.5mm3の噴射が2回行われ、その後、2.0mm3の噴射が1回行われることになる。この場合の噴射インターバルとしては例えば200μsに設定される。
以上説明したようなプレ噴射およびメイン噴射の制御プロセスによってプレ噴射およびメイン噴射が実行されることにより、高いエンジントルクを確保しながらも、燃焼音の低減やNOx発生量の低減を図ることが可能になる。
図9は、本実施形態に係る制御プロセスによってプレ噴射およびメイン噴射が実行された場合における気筒内での燃焼に伴う熱発生率の変化(図中の実線)と、プレ噴射を実行しない場合における気筒内での燃焼に伴う熱発生率の変化(図中の破線)とを示す図である。この図からも明らかなように、本実施形態のものによれば、単位時間当たりの熱発生率の上昇量は抑制されており、且つ熱発生率のピーク値も低く抑えられている。このため、燃焼音の低減やNOx発生量の低減を図ることが可能であることが確認できる。
また、図10は、メイン噴射実行タイミング近傍における熱発生量の変化を示す図であって、本実施形態に係る制御プロセスによってプレ噴射およびメイン噴射が実行された場合における気筒内での燃焼に伴う熱発生量の変化(図中の実線)と、プレ噴射を実行しない場合における気筒内での燃焼に伴う熱発生量の変化(図中の破線)とを示す図である。この図からも明らかなように、従来のものでは、メイン噴射の実行に伴って、燃料の吸熱反応により、熱発生量の落ち込みが確認でき、その後に、急激に熱発生量が上昇し、燃焼音やNOx発生量のが増大することになる。これに対し、本実施形態のものによれば、メイン噴射の実行タイミングでの熱発生量の落ち込みは殆ど無く、熱発生量が緩やかに上昇し、燃焼音の低減やNOx発生量の低減を図ることが可能であることが確認できる。
−隣接燃焼および重畳燃焼−
本実施形態におけるプレ噴射およびメイン噴射では、このプレ噴射(複数回数のプレ噴射が実行される場合には最後のプレ噴射)とメイン噴射との噴射間インターバルを調整することにより、燃焼室3内での燃焼形態として上記「隣接燃焼」と「重畳燃焼」とが切り換えられるようになっている。以下、この隣接燃焼および重畳燃焼について説明する。
エンジン1の吸入行程では吸気ポート15aから気筒内に流入する空気の流れとしては上記シリンダ中心線Pを回転中心とするスワール流が発生しており、このスワール流は圧縮行程においても継続して気筒内で生じている。
このため、プレ噴射で噴射された燃料は、このスワール流によって気筒内を周方向に流れることになる。つまり、圧縮行程での時間の経過と共に、プレ噴射で噴射された燃料(噴霧の塊)はインジェクタ23の噴孔に対面する位置(噴射直後の位置)からスワール流に沿った周方向に流されていくことになる。
従って、メイン噴射を実行する時点にあっては、プレ噴射で噴射されていた燃料は既に気筒内を周方向に流れており、同一噴孔から噴射されるプレ噴射の燃料とメイン噴射の燃料とは重なり合うことはない(両噴射の燃料塊同士が合体することはない)。
この場合、スワール流れ方向の上流側の噴孔から噴射されたプレ噴射の燃料が、スワール流れ方向の下流側の噴孔に対向する位置に向かって流れているので、メイン噴射の噴射タイミングを調整することで、このメイン噴射の燃料と、スワール流れ方向の上流側の噴孔から噴射されたプレ噴射の燃料とを合体させたり、合体させなかったりすることができる。このメイン噴射の燃料とプレ噴射の燃料とを合体させた状態で燃料の燃焼を行わせる形態を重畳燃焼と呼び、このメイン噴射の燃料とプレ噴射の燃料とを合体させない状態で燃料の燃焼を行わせる形態を隣接燃焼と呼ぶ。
より具体的には、ピストン13が下死点から上死点に達するまでの間に(クランク角度で180°移動するまでの間に)、スワール流が気筒内を周方向に1回転する場合を考える。つまり、スワール比が「2」の場合である。また、インジェクタ23の噴孔数が「10」であって、プレ噴射として2回の燃料噴射(第1プレ噴射および第2プレ噴射)が行われる場合を考える。
この場合、各プレ噴射同士のインターバルおよびプレ噴射とメイン噴射との間のインターバルを気筒内の周方向で18°(クランク角度で9°)とすれば、第1プレ噴射で噴射された燃料に対して、メイン噴射で噴射された燃料が重なり合って燃焼を行うといった重畳燃焼が実現できる。
また、プレ噴射として3回の燃料噴射が行われる場合には、各プレ噴射同士のインターバルおよびプレ噴射とメイン噴射との間のインターバルを気筒内の周方向で12°(クランク角度で6°)とした場合にも、第1プレ噴射で噴射された燃料に対して、メイン噴射で噴射された燃料が重なり合って燃焼を行うといった重畳燃焼が実現できる。
つまり、上記インターバルを設定するための気筒内の周方向での角度(オフセットアングル)としては、以下の式(8)により決定されることになる。
オフセットアングル=(360/インジェクタの噴孔数)/スワール比 …(8)
一方、上記重畳燃焼が行われるインターバル以外のインターバルに設定した場合には、プレ噴射で噴射された燃料とメイン噴射で噴射された燃料とが重なり合わない状態で燃焼が行われる隣接燃焼となる。
特に、上記重畳燃焼を行った場合、メイン噴射が実行される前に、そのメイン噴射において燃料が噴射される領域では、プレ噴射での燃料の燃焼により酸素が消費されており、メイン噴射が実行された時点におけるこの領域での酸素濃度が低下しており、メイン噴射直後の燃焼が緩慢になり燃焼温度の急激な上昇を抑制することができる。これにより、メイン噴射で噴射された燃料の燃焼による燃焼音の低減やNOx発生量の低減を図ることが可能になる。
これに対し、上記隣接燃焼を行った場合には、メイン噴射が実行された時点における燃料の噴射領域での酸素濃度は十分に確保されており、メイン噴射後、短時間のうちに拡散燃焼に移行させることができ、高いトルクを出力することが可能になる。
以上説明したように、本実施形態では、プレ噴射およびメイン噴射の噴射形態を図5に示した一連の制御プロセスによって設定することができ、これまでに無い制御ルールの構築により、噴射における各パラメータを固定化することが可能になり、プレ噴射およびメイン噴射の噴射パターンを一義的に決定する統合制御を実現することが可能になる。そして、この制御プロセスによってプレ噴射およびメイン噴射が実行されることにより、高いエンジントルクを確保しながらも、燃焼音の低減やNOx発生量の低減を図ることが可能になる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態は、自動車に搭載される直列4気筒ディーゼルエンジンに本発明を適用した場合について説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンにも適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(直列型エンジン、V型エンジン等の別)についても特に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、マニバータ77として、NSR触媒75およびDPNR触媒76を備えたものとしたが、NSR触媒75およびDPF(Diesel Paticulate Filter)を備えたものとしてもよい。
実施形態に係るエンジンおよびその制御系統の概略構成図である。 ディーゼルエンジンの燃焼室およびその周辺部を示す断面図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 総燃料噴射量と噴霧温度分布との関係を示す図である。 プレ噴射およびメイン噴射の制御プロセスを示す図である。 プレ噴射の噴射タイミング、エンジン負荷、分割噴射量上限値の関係を示す図である。 熱発生率が独立した多段噴射形態における熱発生率の変化を示す図である。 熱発生率が従属した多段噴射形態における熱発生率の変化を示す図である。 実施形態に係る制御プロセスによってプレ噴射およびメイン噴射が実行された場合における気筒内での燃焼に伴う熱発生率の変化と、プレ噴射を実行しない場合における気筒内での燃焼に伴う熱発生率の変化とを示す図である。 実施形態に係る制御プロセスによってプレ噴射およびメイン噴射が実行された場合における気筒内での燃焼に伴う熱発生量の変化と、プレ噴射を実行しない場合における気筒内での燃焼に伴う熱発生量の変化とを示す図である。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
13 ピストン
23 インジェクタ(燃料噴射弁)

Claims (5)

  1. 内燃機関のトルク発生に寄与させるための燃料噴射量を、燃料噴射弁によって、主噴射と、この主噴射に先立って行われる副噴射とに分割して噴射可能な圧縮自着火式の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記内燃機関に要求されるトルクに基づいてトルク発生に寄与させる総燃料噴射量を算出する総燃料噴射量算出手段と、
    上記主噴射で噴射される燃料の吸熱反応による吸熱量と、燃料が着火して燃焼することによる発熱量との熱の収支として、発熱量の方が多くなるようにするための副噴射実行時の必要噴射量である熱発生量確保噴射量と、主噴射で噴射された燃料が燃焼する際の燃焼音およびNOx発生量を予め設定された許容値以下にするために必要となる、上記総燃料噴射量に対する副噴射量の分割率であるピーク値抑制分割率とを求め、上記熱発生量確保噴射量が、上記総燃料噴射量に上記ピーク値抑制分割率を乗算することで得られるピーク値抑制噴射量よりも多い場合には、この熱発生量確保噴射量を、上記総燃料噴射量から分割した副噴射量である分割噴射量として設定する一方、上記ピーク値抑制噴射量が上記熱発生量確保噴射量よりも多い場合には、このピーク値抑制噴射量を、上記総燃料噴射量から分割した副噴射量である分割噴射量として設定する分割噴射量算出手段と、
    上記分割噴射量算出手段によって求められた分割噴射量に対して所定の上下限値での制限を与える上下限制限手段と、
    上記上下限制限手段により制限を与えられることで求められた分割噴射量の上記副噴射実行時における噴射タイミングを設定する副噴射タイミング設定手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 上記請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記ピーク値抑制分割率は約10%に設定されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 上記請求項1または2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記上下限制限手段は、分割噴射量の下限値を、燃料噴射弁の最小限界噴射量に設定していることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 上記請求項1、2または3記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記副噴射タイミング設定手段は、上記分割噴射量が燃料噴射弁の最小限界噴射量に対してその2倍以上である場合には、副噴射を多段噴射により実行するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 上記請求項1〜4のうち何れか一つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記主噴射で噴射される燃料の目標着火タイミングが、ピストンが圧縮上死点に達した位置よりも遅角側に設定されている場合に、副噴射で噴射される上記分割噴射量を増量補正する増量補正手段を備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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