JP3941382B2 - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents

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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディーゼルエンジンの制御装置に関し、とくに燃料噴射を分割して行うことによりスモークの低減を図る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平3−160148号公報に示されるように、燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁を備えたディーゼルエンジンにおいて、上記燃料噴射弁からの燃料噴射を分割して行うようにし、例えばパイロット噴射と主噴射とに分割し、あるいはさらに主噴射を複数回に分割するとともに、その噴射間隔及び各噴射パルス幅を制御可能とすることにより、排気ガスに含まれるスモーク、炭化水素、窒素酸化物等の有害物質の低減を図るようにした技術は知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように燃料噴射弁からの燃料噴射を分割し、特にトルク生成のための主燃料噴射を分割して行うようにすれば、スモーク低減に有利であるが、このようにする場合に後段側の噴射の時期(前段側の噴射と後段側の噴射との間隔)はスモーク低減効果に影響を及ぼすとともに、燃費性能や出力性能にも影響を及ぼす。つまり、後に詳述するように、膨張行程前期の特定範囲内で後段側の噴射の時期を遅くすれば、スモークが低減されるが、その一方で燃費性能が悪化し易くなる。しかも、後段側の噴射の時期がスモーク低減効果に影響を及ぼす度合と燃費性能に影響を及ぼす度合とは運転状態によって違ってくる。
【0004】
従来ではこのような点が充分に究明されていなかったため、スモーク低減と燃費改善の両立といった面で改善の余地が残されていた。
【0005】
本発明はこのような点に鑑み、主燃料噴射を分割して行い、かつ、その分割噴射を運転状態に応じて適切に制御することにより、燃費の悪化を防止しつつスモークを低減することができるディーゼルエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ディーゼルエンジンの燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、この燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とを備え、この燃料噴射制御手段は、トルク生成のための主燃料噴射を、アイドル運転領域では一回の噴射で行い、少なくともエンジンの低速域における低負荷側から高負荷側にわたる運転領域では、圧縮上死点付近から膨張行程前期にわたる期間に複数回に分割して行わせるとともに、その分割した主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期を、高負荷側の運転領域では低負荷側の運転領域と比べて遅らせるように制御する構成としたものである。
【0007】
とくに好ましくは、主燃料噴射を複数回に分割して行う運転領域のうちの低負荷領域では主燃料噴射による燃焼が継続し、所定負荷以上の領域では燃焼が途切れるように、主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期をエンジン負荷に応じて変更する。
【0008】
この装置によると、本来的にスモークが少ないエンジンの低負荷側では後段側の噴射の開始時期が比較的早くされることにより燃費の悪化が避けられる。一方、エンジンの高負荷側では後段側の噴射の開始時期が遅らされることにより、後に詳述するように、前段側の噴射燃料の燃焼において生じた炭素粒子が後段側の噴射燃料の燃焼に伴って燃焼すること等でスモークが大幅に低減される。
【0009】
なお、アイドル運転領域では燃料噴射量が少ない(空気過剰率が多い)ためにスモークが少なく、主燃料噴射の分割によるスモーク低減の必要がないので、主燃料噴射は1回で良い。
【0010】
この発明の装置において、エンジンの低、中速域における中負荷および高負荷の運転領域で、主燃料噴射による燃焼が途切れるように主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期を制御すればよい。
【0011】
この発明の装置において、排気エネルギーにより駆動されて吸気を過給するターボ過給機と、排気ガスの一部を吸気系に還流する排気ガス還流装置と、この排気ガス還流装置による排気ガス還流量を制御する排気ガス還流制御手段とをさらに備え、エンジンの低、中速域における過給領域で、燃料噴射制御手段により主燃料噴射による燃焼が途切れるように主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期を制御するとともに、排気ガス還流制御手段により燃焼室内の空気過剰率が運転状態に応じた目標値となるように排気ガス還流量を制御することが好ましい。
【0012】
このようにすれば、エンジンの低、中速域における過給領域で、後段側の噴射の開始時期が遅くされることで排気エネルギーが高められることによりターボ過給機の過給作用が高められる。そして、後段側の噴射の開始時期が遅くされることと過給による吸入空気量の増加とがスモークの低減に有利に作用するとともに、過給による吸入空気量の増加に応じて排気ガス還流量が増加し、それによってNOxも低減されることとなる。
【0013】
また、本発明は、ディーゼルエンジンの燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、この燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とを備え、この燃料噴射制御手段は、トルク生成のための主燃料噴射を、アイドル運転領域では一回の噴射で行い、少なくともエンジンの低速域における低負荷側から高負荷側にわたる運転領域では、圧縮上死点付近から膨張行程前期にわたる期間に複数回に分割して行わせるとともに、主燃料噴射を複数回に分割して行う運転領域のうちの低負荷領域での定常運転時には主燃料噴射による燃焼が継続し、加速運転時には燃焼が途切れるように、主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期を制御する構成としたものである。
【0014】
この発明によると、定常運転時には主燃料噴射による燃焼が継続するように制御されることで燃費の悪化が防止され、一方、加速時には主燃料噴射による燃焼が途切れるように後段噴射の開始時期が遅くされることにより、スモークの発生が充分に抑制される。
【0015】
この発明の装置は、好ましくはターボ過給機を備える。また、燃料噴射制御手段は、燃料噴射弁から主燃料噴射に先立ってパイロット噴射を行わせるとともに、上記加速初期に、パイロット噴射開始時期を早め、かつ、パイロット噴射の増量割合を主燃料噴射の増量割合よりも多くすることが好ましい。
【0016】
このようにすると、加速初期には、後段側の噴射の開始時期が遅くされることによりスモークが低減されるとともに、パイロット噴射による予混燃焼の割合が高められることでトルクアップが図られ、かつ、後段側の噴射が遅らされることで排気エネルギーが高められることによりターボ過給機の過給作用が促進され、加速性能が向上される。
【0017】
さらに上記燃料噴射制御手段は、加速初期を過ぎたとき、主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期を早めるとともに、パイロット噴射量を減少またはカットすることが好ましい。
【0018】
このようにすると、加速初期が過ぎてターボ過給機による過給が充分に行われる状態になれば、出力向上及び燃費低減に有利なように、後段噴射の時期が早められるとともに、パイロット噴射量が減少またはカットされる。
【0019】
また、以上のような装置において、主燃料噴射を複数回に分割して行う運転領域において主燃料噴射のうちの後段側の噴射量を前段側の噴射量よりも少なくし、かつ、高負荷側ほど上記後段側の噴射量の割合を少なくすることが好ましい。
【0020】
このようにすると、可及的に燃費悪化が小さく抑えられる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明が適用されるディーゼルエンジンの全体構成を示している。このディーゼルエンジンのエンジン本体1は、複数の気筒(図には一つのみを示す)2を有し、各気筒2内にはピストン3が往復動可能に嵌挿され、このピストン3によって各気筒2内に燃焼室4が画成されている。また、上記燃焼室4の上面略中央には燃料噴射弁5が配設され、この燃料噴射弁5から燃焼室4内に燃料が噴射されるようになっている。
【0023】
上記各燃料噴射弁5は、高圧の燃料を蓄えるコモンレール6に接続され、このコモンレール6には、内部の燃圧(コモンレール圧)を検出する圧力センサ6aが配設されるとともに、クランク軸7により駆動される高圧供給ポンプ8が接続されている。そして、後述のECUで高圧供給ポンプ8による燃料の供給圧力が制御されることにより、圧力センサ6aで検出されるコモンレール6内の燃圧が運転状態に応じた目標値となるように制御され、例えばエンジンのアイドル運転時に燃圧が約20MPaに保持され、エンジン負荷が高くなる(燃料噴射量が増加する)につれて燃圧が増大するように構成されている。
【0024】
また、上記クランク軸7には、その回転角度を検出するクランク角センサ9が設けられている。このクランク角センサ9は、クランク軸7の端部に設けられた被検出プレートと、その外周に対向するように配設された電磁ピックアップとからなり、この電磁ピックアップが被検出用プレートの外周部に形成された突起部の通過を検出してパルス信号を出力するように構成されている。
【0025】
上記エンジン本体1に対して吸気通路10及び排気通路20が接続されている。
【0026】
上記吸気通路10は、その下流側部分が図示を省略したサージタンクを介して各気筒2毎に分岐し、この分岐部がそれぞれ吸気ポートを介して各気筒2の燃焼室4に接続されている。また、上記サージタンクには、各気筒2内に供給される吸気の圧力を検出する吸気圧センサ10aが設けられている。
【0027】
この吸気通路10には、その上流側から順に、エンジン本体1内に吸入される吸気流量を検出するエアフローセンサ11と、ターボ過給機12のブロワ13と、このブロワ13により圧縮された空気を冷却するインタークーラ15と、吸気の流通面積を変化させる吸気絞り弁16とがそれぞれが設けられている。
【0028】
上記吸気絞り弁16は、全閉状態でも吸気の流通が可能なように切欠きが設けられたバタフライバルブからなり、後述するEGR弁24と同様に、負圧制御用の電磁弁18によってダイヤフラム式アクチュエータ17に作用する負圧の大きさが調節されるのに応じ、弁開度が変更されるように構成されている。また、上記吸気絞り弁16の設置部には、その弁開度を検出するセンサが設けられている。
【0029】
一方、上記排気通路20は、その上流側部分が各気筒2毎に分岐し、この分岐部がそれぞれ排気ポートを介して各気筒2の燃焼室4に接続されている。この排気通路20には、その上流側から順に、ターボ過給機12のタービン14と、排気ガス浄化用の触媒21とが配設されている。
【0030】
上記ターボ過給機12のタービン14とブロア13とは図外の軸を介して連結されており、排気ガス流でタービン14が駆動され、それに連動してブロア13が回転することにより吸気を過給するようになっている。図示のターボ過給機12は、排気通路20のノズル断面積が変化するように構成されたバリアブルジオメトリーターボ(VGT)からなっており、このターボ過給機12に対し、上記ノズル断面積を変化させるためのダイヤフラム式アクチュエータ22と、このダイヤフラム式アクチュエータ22の負圧を制御するための電磁弁23とが設けられている。
【0031】
上記排気通路20に対し、排気ガスの一部を吸気通路10に還流させる排気還流通路(以下EGR通路という)25が、タービン14の上流側部に接続されている。そして、上記EGR通路25の下流端が、上記吸気絞り弁16の下流側において吸気通路10に接続されるとともに、上記EGR通路25の途中に、弁開度が調節可能に構成された負圧作動式の排気還流量調節弁(以下EGR弁という)26が配設され、このEGR弁26と、上記EGR通路25とにより排気ガス環流装置24が構成されている。
【0032】
上記EGR弁26は、図示を省略した弁本体がスプリングによって閉方向に付勢されるとともに、ダイヤフラム式アクチュエータ26aによって開方向に駆動されることにより、EGR通路25の開度をリニアに調節するように構成されている。すなわち、上記ダイヤフラム式アクチュエータ26aには、負圧通路27が接続されるとともに、この負圧通路27が負圧制御用の電磁弁28を介してバキュームポンプ(負圧源)29に接続されている。そして、上記電磁弁28が負圧通路27を連通または遮断することにより、EGR弁駆動用の負圧が調節されてEGR弁26が開閉駆動されるようになっている。また、上記EGR弁26の設置部には、その弁本体の位置を検出するリフトセンサ30が設けられている。
【0033】
上記燃料噴射弁5、高圧供給ポンプ8、吸気絞り弁16、EGR弁26及びターボ過給機12等は、後述するエンジンコントロールユニット(以下ECUという)35から出力される制御信号に応じて作動状態が制御されるように構成されている。また、上記ECU35には、上記圧力センサ6aの出力信号と、クランク角センサ9の出力信号と、エアフローセンサ11の出力信号と、運転者によって操作されるアクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ32の出力信号等が入力されるようになっている。
【0034】
上記ECU35は、エンジンの運転状態を判別する運転状態判別手段36と、燃料噴射弁5からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段37と、排気ガス還流装置24による排気ガス還流量を制御する排気ガス還流制御手段38とを含んでいる。
【0035】
上記運転状態判別手段36は、クランク角センサ9の出力信号の周期を計測することによって求められるエンジン回転数とアクセルセンサ32により検出されるアクセル開度(アクセルペダル操作量)等に基づいてエンジンの運転状態を調べて、運転状態が図2に示すような制御マップ中のどの運転領域に属するかを判別するとともに、アクセル開度変化率等に基づいて加速運転状態か否かを判別するようになっている。
【0036】
上記燃料噴射制御手段37は、少なくともエンジンの低速域における低負荷側から高負荷側にわたる運転領域で、トルク生成のための主燃料噴射を圧縮上死点付近から膨張行程前期にわたる期間に複数回に分割して行わせるとともに、主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期を、高負荷側の運転領域では低負荷側の運転領域と比べて遅らせるように燃料噴射弁5を制御する。
【0037】
特に、主燃料噴射を複数回に分割して行わせる運転領域のうちの低負荷領域では、主燃料噴射による燃焼が継続するように後段側の噴射の開始時期を比較的早くする(前段側の噴射との間隔を短くする)が、所定負荷以上の領域では主燃料噴射による燃焼が途切れるように後段側の噴射の開始時期を遅らせる。また、加速運転時にも主燃料噴射による燃焼が途切れるように後段側の噴射の開始時期を遅らせる。
【0038】
さらに、主噴射に先立ってピストン上死点より前の適当な時期にパイロット噴射を行わせ、このパイロット噴射の噴射量及び噴射タイミングも運転状態に応じて制御するようになっている。
【0039】
具体的には、図2に示すような所定回転数Na(例えば2500rpm)以下の低中速域のうちの各運転領域a〜eで次のように燃料噴射弁5からの燃料噴射が制御される。
【0040】
図3に示すように、所定回転数以下の低、中速域のうちでアイドル運転領域aを除く低負荷領域b、中負荷領域c、高負荷領域d及び全負荷領域eでは、パイロット噴射PIの後に主燃料噴射が前段噴射M1及び後段噴射M2の2回に分割されて行われる。なお、アイドル運転域aでは燃料噴射量が少ない(空気過剰率が多い)ためにスモークが少なく、主燃料噴射の分割によるスモーク低減の必要がないので、パイロット噴射PIの後に主燃料噴射Mが1回だけ行われる。
【0041】
主燃料噴射の分割が行われる運転領域のうちの低負荷領域bでは、パイロット噴射PIが行われてから上死点付近で前段噴射M1が開始され、この前段噴射M1の後に、前段噴射M1による拡散燃焼が終了するまでの比較的早い時期に後段噴射M2が開始され、例えば後段噴射M2の開始時期が約ATDC20°CA(ATDCは上死点後を意味し、CAはクランク角を意味する)までに設定される。
【0042】
中負荷領域c及び高負荷領域dでは、パイロット噴射PIが行われてから前段噴射M1の後、前段噴射M1による拡散燃焼の終了時期もしくはそれより遅い時期に後段噴射M2が開始され、例えば後段噴射M2の開始時期が約ATDC30°CA以後に設定される。そして、燃料噴射量が増加するほど前段噴射による拡散燃焼の終了時期が遅くなるので、中負荷領域cよりも高負荷領域dの方が後段噴射M2の開始時期がさらに遅くされる。なお、極端な燃費の悪化やトルクの落ち込みを避けるため、後段噴射M2の開始時期は約ATDC60°CAまでの範囲で設定することが好ましい。
【0043】
全負荷領域eでは、出力向上を優先させるため、主燃料噴射のうちの後段噴射M2の時期が早められ、前段噴射M1と後段噴射M2との間隔が短くされる。なお、全負荷領域eにおいては排気エネルギーが高いため、主燃料噴射Mを1回(一括噴射)としてもよい。
【0044】
上記主燃料噴射の分割が行われる場合に後段噴射量は前段噴射量よりも小さくされ、かつ、負荷が高くなるにつれて主燃料噴射量のうちの後段噴射量の割合が小さくされる。
【0045】
また、加速運転状態f(図2中に矢印で示す運転状態変化)となったときには、前段噴射による拡散燃焼の終了時期もしくは終了時期付近で実際に各気筒2内に燃料が噴射されるように、後段噴射の開始時期が設定される。とくに、ターボ過給機を備えている場合の好ましい制御として、加速初期には、図4中に実線で示すように、主燃料噴射のうちの後段噴射M2の開始時期が遅らされるとともに、パイロット噴射量及び主燃料噴射量が増量されて、そのうちのパイロット噴射量の増量割合が主燃料噴射量の増量割合よりも大きくされ、かつ、パイロット噴射PIの開始時期が早められてパイロット間隔(パイロット噴射と主燃料噴射の間隔)が大きくされる。そして、加速初期が過ぎたときは、図4中に破線で示すように、主燃料噴射のうちの後段噴射M2の開始時期が早められるとともに、パイロット噴射量及びパイロット間隔が減少され、またはパイロット噴射がカットされる。
【0046】
また、排気ガス還流制御手段38は、燃焼室内の空気過剰率が運転状態に応じた目標値となるように排気ガス還流量を制御する。具体的には、運転状態(例えばアクセル開度等に基づいて設定した目標トルクとエンジン回転数)に応じ、目標空気過剰率を設定するとともに、目標燃料噴射量を設定し、これら目標空気過剰率と目標燃料噴射量とから目標新気量が求められ、この目標新気量とエアフローセンサ11により検出される実新気量との比較に基づき、目標新気量に対して実新気量が多ければ排気ガス還流量を増加させる方向にEGR弁26を制御し、実新気量が少なければ排気ガス還流量を減少させる方向にEGR弁26を制御するようになっている。
【0047】
以上のような当実施形態の装置の作用を、図5〜図9を参照しつつ次に説明する。
【0048】
図5は、運転状態が低中速・低負荷(図2中の領域b内)である場合と、低中速・中負荷(図2中の領域c内)である場合と、中速・中高負荷(図2中の領域d内)である場合とについてそれぞれ、主燃料噴射を分割してその後段噴射の噴射開始時期を種々変えたときのスモーク発生量の変化を調べた実験結果を示すグラフである。この図において、横軸は後段噴射開始時のクランク角、縦軸はスモーク発生量であり、図中の一点鎖線は低中速・低負荷、低中速・中負荷、中速・中高負荷の各場合に主燃料噴射を一括噴射としたときのスモーク発生量SL0、SM0、SH0を示している。また、ΔSL、ΔSM、ΔSHは上記各場合において主燃料噴射の後段噴射開始時期を遅くしたときの一括噴射時と比べたスモーク低減代を示している。
【0049】
この図に示すように、主燃料噴射を分割すると一括噴射と比べてスモークが低減される傾向があり、とくに、低中速・中負荷や中速・中高負荷では、後に詳述する前段噴射の燃料の燃焼終了時点S(図7、図8参照)以後に後段噴射を開始すれば、スモーク低減代ΔSM、ΔSHが大きくなる。これは、次のような理由によるものと思われる。
【0050】
すなわち、噴射された燃料に対しミキシングが不充分で局部的に空気が不足する状態で加熱されると燃料の炭化による煤(スモーク)が生じるが、主燃料噴射を分割すればミキシングが良くなることで煤が低減される。さらに、前段噴射の燃料の燃焼において煤が生じても、その燃焼の終了した時点では筒内流動により煤の成分である炭素粒子と酸素とが充分に混合され、かつ、筒内温度も高くて、燃料が供給されれば非常に着火し易い状態にあるため、この状態で後段噴射が開始されることによりその燃料とともに上記炭素粒子も充分に燃焼される。こうして、スモークがさらに低減されることとなる。
【0051】
ただし、低中速・低負荷では、空気過剰率が大きいために本来的にスモーク発生量が比較的少なく、後段噴射開始時期を前段噴射の燃料の燃焼終了時点S以後に遅らせてもスモーク低減代ΔSLはあまり大きくならない。
【0052】
また、図6は上記各場合についてそれぞれ、主燃料噴射を分割してその後段噴射の噴射開始時期を種々変えたときの燃費率の変化を調べた実験結果を示すグラフである。この図において、横軸は後段噴射開始時のクランク角、縦軸は燃費率であり、図中の一点鎖線は上記各場合に主燃料噴射を一括噴射としたときの燃費率FL0、FM0、FH0を示している。また、ΔFL、ΔFM、ΔFHは上記各場合において主燃料噴射の後段噴射開始時期を遅くしたときの一括噴射時と比べた燃費率増加代を示している。
【0053】
この図のように、主燃料噴射を分割してその後段噴射を遅らせるに伴い、熱発生効率が低下することによって燃費率が増加(悪化)する。とくに、低中速・低負荷では後段噴射開始時期を前段噴射の燃料の燃焼終了時点S以後となる程度に大きく遅らせると燃費率増加代ΔFLが大きくなる。一方、低中速・中負荷や中速・中高負荷では、本来的に、熱発生効率が高くて燃費率が低く、各気筒2内に実際に燃料が噴射される後段噴射開始時期を前段噴射の燃料の燃焼終了時点S以後まで遅らせても、ATDC50°〜60°の間までの範囲であれば、燃費率増加代ΔFM、ΔFHは比較的小さい。
【0054】
これら図5、図6に示すデータから、本来的にスモーク発生量が少ない低中速・低負荷の領域(低噴射量領域)では、後段噴射開始時期を前段噴射の燃料の燃焼終了時点よりも早くする一方、中負荷乃至高負荷の領域では後段噴射開始時期を前段噴射の燃料の燃焼終了時点以後(ただしATDC60°弱までの範囲)となるように、負荷が高くなるにつれて遅らせることにより、燃費の悪化を可及的に小さく抑えつつスモークを充分に低減し得ることがわかる。
【0055】
ここで、前段噴射の燃料の燃焼終了時点は、図7(a)〜(c)に示すように熱発生率が0となる時点Sであり、図8(a)〜(c)のように質量燃焼割合で見るとその増加率が0となる(質量燃焼割合の増加が中断し、そのグラフが略水平に延びるようになる)時点Sである。なお、図7は圧縮上死点付近から膨張行程前期にわたる期間の熱発生率の時間的変化を示し、図8は上記期間の質量燃焼割合の時間的変化を示しており、図7及び図8の各(a)は低中速・低負荷時、各(b)は低中速・中負荷時、各(c)は中速・高負荷時である。これらの図において、熱発生率及び質量燃焼割合の変化を示す曲線のうちで実線は主燃料噴射を一括噴射とした場合のものであり、破線は主燃料噴射を分割してその後段噴射の開始時期を前段噴射の燃焼終了時点Sよりも前の時期(例えばATDC20°CA)とした場合のものであり、また一点鎖線は主燃料噴射を分割してその後段噴射の開始時期を前段噴射の終了時点S付近としたものである。
【0056】
図7及び図8に示すように、上記前段噴射の燃焼終了時点Sは、低、中速域において、低負荷時ではATDC30°CA程度、中負荷時ではATDC35°CA程度、高負荷時ではATDC48°CA程度となる。具体的に前段噴射の燃焼終了時点Sを求める手法は種々考えられ、例えば、燃焼室内の温度を検出する温度センサと、燃焼光を検出する燃焼光センサとを設け、これらのセンサの検出信号に基づいて前段噴射後の燃焼室内温度が所定温度以下まで降下したか否か、及び燃焼光の発光が無くなったか否かを調べることにより、上記時点Sを求めることができる。あるいは、上記温度センサにより検出される燃焼室内温度から断熱膨張温度を減算した値の微分値を求め、この値がマイナスから0になった時点により上記時点Sを求めるようにしてもよい。
【0057】
また、このようにセンサの信号に基づいて前段噴射の燃焼終了時点Sを求める代りに、低、中速域における中負荷乃至高負荷の領域での各種運転状態における前段噴射の燃焼終了時点Sを予め実験的に調べておいて、これをマップとしてメモリに記憶させておき、実際の運転状態に応じて読み出すようにしてもよい。
【0058】
いずれにしても、低、中速域における中負荷乃至高負荷の運転領域では前段噴射の燃焼終了時点Sもしくはこの時点の直後以後に後段噴射が開始され、かつ、負荷が高くなる(燃料噴射量が多くなる)ほど前段噴射の燃焼終了時点Sが遅くなるので後段噴射の開始時期が遅らされる。
【0059】
また、図9は主燃料噴射を前段噴射と後段噴射とに分割してその総主噴射量(T)に対する後段噴射量(P)の比率(P/T)を種々変えたときの燃費率の変化を示している。図9(a)は、低中速・低負荷の運転状態で、後段噴射の開始時期(気筒2内への燃料噴射開始時期)を前段噴射の燃焼終了時点Sより前のATDC8°CAとした場合(一点鎖線)と、後段噴射の開始時期を前段噴射の燃焼終了時点S付近であるATDC30°CAとした場合(実線)とについて示している。図9(b)は、低中速・中負荷の運転状態で、後段噴射の開始時期を前段噴射の燃焼終了時点Sより前のATDC20°CAとした場合(一点鎖線)と、後段噴射の開始時期を前段噴射の燃焼終了時点S付近であるATDC35°CAとした場合(実線)とについて示している。図9(c)は、中速・中高負荷の運転状態において、後段噴射の開始時期を前段噴射の燃焼終了時点Sより前のATDC20°CAとした場合(一点鎖線)と、後段噴射の開始時期を前段噴射の燃焼終了時点S付近であるATDC48°CAとした場合(実線)とについて示している。
【0060】
これらの図に示すように、後段噴射の開始時期を前段噴射の燃焼終了時点Sより前とすれば後段噴射量の比率(P/T)が増大しても燃費率はあまり変化しないが、後段噴射の開始時期を前段噴射の燃焼終了時点S付近もしくはそれ以後とすると、後段噴射量の比率(P/T)の増大に応じて燃費が悪化し、とくに低負荷では後段噴射量の比率(P/T)が25%を越えると燃費の悪化が顕著になり、中負荷では後段噴射量の比率(P/T)が20%を越えると燃費の悪化が顕著になり、中高負荷では後段噴射量の比率(P/T)が15%を越えると燃費の悪化が顕著になる。
【0061】
従って、後段噴射量は前段噴射量よりも少なくし、特に後段噴射の開始時期を前段噴射の燃焼終了時点S以後とする中負荷域乃至高負荷域では後段噴射量の比率(P/T)を10%〜20%の範囲とし、かつ負荷が高くなるに伴って少なくすることが燃費の面から好ましい。
【0062】
このように、低速乃至中速の低負荷から高負荷にわたる運転領域(図2中の領域b,c,d)で主燃料噴射の分割を行うとともに、その後段噴射の開始時期及び噴射量の比率を運転状態に応じて制御し、特に好ましくは、低負荷域で後段噴射の開始時期をATDC30°CA程度よりも早くし、一方、中負荷乃至高負荷の領域では後段噴射の開始時期をATDC30°CA〜ATDC60°CAの範囲、後段噴射量の比率(P/T)を10%〜20%の範囲で制御することにより、燃費悪化を最小限に止めつつ、スモークを充分に低減することができる。
【0063】
その上、中負荷乃至高負荷の領域で後段噴射の開始時期を上記のように遅くすると、全体の燃焼期間は長くなるものの、後段噴射の燃焼が膨張行程で行われ、かつ前段噴射の燃焼と連続しないので、その燃焼温度が比較的低くなり、そのため中負荷乃至高負荷の領域でのNOxの増大も抑制される。
【0064】
さらに、過給領域では上記のような燃料制御が行われることに加えてターボ過給機12により過給が行われ、かつ、排気ガス還流制御手段38により燃焼室内の空気過剰率が運転状態に応じた目標値となるように排気ガス還流量が制御されることにより、スモーク及びNOxの低減に一層有利となる。すなわち、主燃焼が分割されてその後段噴射の開始時期が遅らされると、排気エネルギーが高められることによりターボ過給機12の過給作用が高められ、その過給による吸入空気量の増加等でスモーク低減に有利となるとともに、過給による吸入空気量の増加に応じて排気ガス還流制御手段38により排気ガス還流量が増加し、それによってNOxが低減されることとなる。
【0065】
また、当実施形態の装置では、加速時にも主燃料噴射が分割され、かつ少なくとも加速初期には燃焼が途切れるように後段噴射の開始時期が遅くされ、とくに好ましくは図4に示すように制御されることにより、スモークが低減されつつ加速性能が確保される。
【0066】
すなわち、加速初期には、後段噴射の開始時期が前段噴射の燃焼終了時点S付近もしくはその時点Sの直後まで遅くされることによりスモークが低減されるとともに、パイロット噴射の増量割合が多くされることにより、騒音の増大が防止されつつ、パイロット噴射による予混燃焼の割合が高められることでトルクアップが図られる。この場合に、パイロット噴射量の増大に対応してパイロット噴射時期が早められることで気化、霧化の時間が確保され、良好に予混燃焼が行われる。また、後段噴射が遅らされることによって排気エネルギーが高められ、これによりターボ過給機12の過給作用が促進される。
【0067】
そして、このようにターボ過給機12の過給作用が促進されることにより加速初期が過ぎれば急激に吸入空気量が増加して、吸入空気量の増加及びミキシングの促進によりスモークが低減される。そこで、加速初期が過ぎてターボ過給機による過給が充分に行われる状態になれば、出力向上及び燃費低減に有利なように、後段噴射の時期が早められるとともに、パイロット噴射量が減少またはカットされる。
【0068】
なお、上記実施形態では、主燃料噴射を分割するときに前段噴射と後段噴射の2分割としているが、3分割以上としてもよい。例えば、後段噴射の開始時期を前段噴射終了時点以後とする運転領域(中負荷域乃至高負荷域)のうちの特定負荷より高負荷側の領域で、主燃料噴射を図3中に二点鎖線で示すように3分割(M1′,M2′,M3′)とし、かつ、その最後段の噴射開始時期M3′をそれ以前の主燃料噴射M1′,M2′による拡散燃焼の終了時点S以後とすれば、その分、燃焼期間を長くしつつ炭素を燃焼させることができ、排気エネルギーの増大及びスモーク、NOxの低減の効果をより一層高めることができる。
【0069】
また、エンジンの所定回転数Naより高速側の運転領域での制御については本発明で限定せず、出力性能等を満足するように噴射量及び噴射タイミングを適宜制御すればよく、時間的に分割噴射が困難であれば一括噴射とすればよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明のディーゼルエンジンの制御装置によると、少なくともエンジンの低速域における低負荷側から高負荷側にわたる運転領域(アイドル運転領域を除く)で、主燃料噴射を複数回に分割し、その後段側の噴射の開始時期を、高負荷側の運転領域では低負荷側の運転領域と比べて遅らせるようにしているため、本来的にスモークが少ないエンジンの低負荷側では後段側の噴射の開始時期を比較的早くして燃費の悪化を避ける一方、エンジンの高負荷側では後段側の噴射の開始時期を遅らせることで充分にスモークを低減することができる。従って、燃費の悪化の防止と、スモーク低減とを両立させることができる。
【0071】
とくに、主燃料噴射を複数回に分割して行う運転領域のうちの低負荷領域では主燃料噴射による燃焼が継続し、所定負荷以上の領域では燃焼が途切れるように後段側の噴射の開始時期を制御すれば、燃費悪化の防止及びスモーク低減の効果が高められる。
【0072】
また、請求項5に係る発明のディーゼルエンジンの制御装置によると、主燃料噴射を複数回に分割して行う運転領域のうちの低負荷領域での定常運転時には主燃料噴射による燃焼が継続し、加速運転時には燃焼が途切れるように、後段側の噴射の開始時期を制御するようにしているため、燃費の悪化を防止し、かつ、出力性能を確保しつつ、加速時のスモークの発生を充分に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の制御装置を有するディーゼルエンジンの一実施形態を示す概略図である。
【図2】 燃料噴射制御の運転領域のマップを示す説明図である。
【図3】 各運転領域での燃料噴射の形態及び噴射時期を示す説明図である。
【図4】 加速時の燃料噴射の形態及び噴射時期を示す説明図である。
【図5】 主燃料噴射を分割してその後段噴射の開始時期を種々変えた場合のスモーク発生量の変化を示すグラフである。
【図6】 主燃料噴射を分割してその後段噴射の開始時期を種々変えた場合の燃費率の変化を示すグラフである。
【図7】 運転状態が低負荷、中負荷及び高負荷の各場合について、熱発生率を示すグラフである。
【図8】 運転状態が低負荷域、中負荷域及び高負荷域の各場合について、質量燃焼割合を示すグラフである。
【図9】 燃料の総噴射量に対する後段噴射量の比率と燃費率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン本体
4 燃焼室
5 燃料噴射弁
12 ターボ過給機
24 排気ガス還流装置
35 ECU
36 運転状態判別手段
37 燃料噴射制御手段
38 排気ガス還流制御手段

Claims (9)

  1. ディーゼルエンジンの燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、この燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とを備え、この燃料噴射制御手段は、トルク生成のための主燃料噴射を、アイドル運転領域では一回の噴射で行い、少なくともエンジンの低速域における低負荷側から高負荷側にわたる運転領域では、圧縮上死点付近から膨張行程前期にわたる期間に複数回に分割して行わせるとともに、その分割した主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期を、高負荷側の運転領域では低負荷側の運転領域と比べて遅らせるように制御することを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  2. 主燃料噴射を複数回に分割して行う運転領域のうちの低負荷領域では主燃料噴射による燃焼が継続し、所定負荷以上の領域では燃焼が途切れるように、主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期をエンジン負荷に応じて変更することを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  3. エンジンの低、中速域における中負荷および高負荷の運転領域で、主燃料噴射による燃焼が途切れるように主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期を制御することを特徴とする請求項2記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  4. 排気エネルギーにより駆動されて吸気を過給するターボ過給機と、排気ガスの一部を吸気系に還流する排気ガス還流装置と、この排気ガス還流装置による排気ガス還流量を制御する排気ガス還流制御手段とをさらに備え、エンジンの低、中速域における過給領域で、燃料噴射制御手段により主燃料噴射による燃焼が途切れるように主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期を制御するとともに、排気ガス還流制御手段により燃焼室内の空気過剰率が運転状態に応じた目標値となるように排気ガス還流量を制御することを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  5. ディーゼルエンジンの燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、この燃料噴射弁からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とを備え、この燃料噴射制御手段は、トルク生成のための主燃料噴射を、アイドル運転領域では一回の噴射で行い、少なくともエンジンの低速域における低負荷側から高負荷側にわたる運転領域では、圧縮上死点付近から膨張行程前期にわたる期間に複数回に分割して行わせるとともに、主燃料噴射を複数回に分割して行う運転領域のうちの低負荷領域での定常運転時には主燃料噴射による燃焼が継続し、加速運転時には燃焼が途切れるように、主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期を制御することを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  6. ターボ過給機を備えたことを特徴とする請求項5記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  7. 燃料噴射制御手段は、燃料噴射弁から主燃料噴射に先立ってパイロット噴射を行わせるとともに、上記加速初期に、パイロット噴射開始時期を早め、かつ、パイロット噴射の増量割合を主燃料噴射の増量割合よりも多くすることを特徴とする請求項6記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  8. 燃料噴射制御手段は、加速初期を過ぎたとき、主燃料噴射のうちの後段側の噴射の開始時期を早めるとともに、パイロット噴射量を減少またはカットすることを特徴とする請求項7記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  9. 主燃料噴射を複数回に分割して行う運転領域において、主燃料噴射のうちの後段側の噴射量を前段側の噴射量よりも少なくし、かつ、高負荷側ほど上記後段側の噴射量の割合を少なくすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のディーゼルエンジンの制御装置。
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