JP4793382B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンに代表される内燃機関の燃料噴射制御装置に係る。特に、本発明は、燃料噴射弁からの主噴射(以下、メイン噴射と呼ぶ場合もある)に先立つ副噴射(以下、パイロット噴射と呼ぶ場合もある)が実行可能な圧縮自着火式の内燃機関に対し、この副噴射の適正化を図るための対策に関する。
従来から周知のように、自動車用エンジン等として使用されるディーゼルエンジンでは、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態に応じて、燃料噴射弁(以下、インジェクタと呼ぶ場合もある)からの燃料噴射時期や燃料噴射量を調整する燃料噴射制御が行われている。
ところで、ディーゼルエンジンの燃焼は、予混合燃焼と拡散燃焼とによって成り立っている。燃料噴射弁からの燃料噴射が開始されると、まず燃料の気化拡散により可燃混合気が生成される(着火遅れ期間)。次に、この可燃混合気が燃焼室の数ヶ所でほぼ同時に自己着火し、急速に燃焼が進む(予混合燃焼)。さらに、燃焼室内への燃料噴射が継続され、燃焼が継続的に行われる(拡散燃焼)。その後、燃料噴射が終了した後にも未燃燃料が存在するため、しばらくの間、熱発生が続けられる(後燃え期間)。
また、ディーゼルエンジンでは、着火遅れ期間が長くなるほど、あるいは着火遅れ期間における燃料の気化が激しいほど、着火後の火炎伝播速度が増大する。この火炎伝播速度が大きくなると、一時に燃える燃料の量が多くなり過ぎて、シリンダ内の圧力が急激に増大し、振動や騒音が発生する。こうした現象はディーゼルノッキングとよばれており、特に低負荷運転時に発生することが多い。また、このような状況では、燃焼温度の急激な上昇に伴って窒素酸化物(以下、「NOx」と呼ぶ)の発生量も増大し、排気エミッションが悪化してしまう。
そこで、こうしたディーゼルノッキングを防止したり、NOx発生量を低減するために、各種の燃料噴射制御装置が開発されている。例えば、エンジントルク発生に寄与する燃焼を行わせるメイン噴射に先立って、少量の燃料を噴射するパイロット噴射を行うものが挙げられる。つまり、このパイロット噴射の実行後、燃料噴射を一旦中断し、その燃料が着火状態(いわゆる火種)になったところでメイン噴射を実行することが提案されている(下記の特許文献1〜3を参照)。
こうしたパイロット噴射の実行により、その後のメイン噴射の開始に伴う初期燃焼を緩和でき、ディーゼルノッキングの発生を抑制することができる。また、メイン噴射実行時にはパイロット噴射時の燃料が既に着火しており、予め火種ができた状態となっているため、失火の発生を回避することもできる。このため、パイロット噴射によって低温始動性が向上するようになるとともに、低温時における白煙の発生も低減されるようになる。さらに、このパイロット噴射によって着火遅れ期間中の燃料噴射量が減少するため、予混合燃焼も抑制される。また、予混合燃焼中は熱発生率が高くなるためNOxの生成が促進される可能性があるが、上記パイロット噴射により予混合燃焼が抑制されることで、NOxの発生、並びに予混合燃焼に伴う騒音の発生も、同様に低減されることになる。
ただし、少量の燃料をパイロット噴射するには、高い精度でこのパイロット噴射量をコントロールする必要がある。例えば特許文献2では、エンジンの圧縮行程で筒内に生じる最高圧力である圧縮端圧力を目標圧縮端圧力に近付けるようにパイロット噴射を実行するようにしている。そして、この場合、パイロット噴射量として、上記目標圧縮端圧力と実圧縮端圧力との差が小さいほどパイロット噴射量を減量するようにしている。
また、特許文献3では、吸入空気温度が低いほど、また、吸入空気圧力が高いほどパイロット噴射量を多くすることが開示されている。
特開2004−308440号公報 特開2000−154757号公報 特開2006−274997号公報
しかしながら、これまでのパイロット噴射の制御に関しては、その噴射量の増減調整を行うことに関しては考慮されていたものの、このパイロット噴射の必要性の有無を適切に判断するといったパイロット噴射に対する制御ロジックを構築したものは無く、必ずしも適正なパイロット噴射制御が行われているとは言い難いものであった。
その原因として次のものが挙げられる。一般に、パイロット噴射はメイン噴射時の着火性や熱発生率を適切に制御する機能を有するものであるが、これまでのパイロット噴射は、それらの機能が明確には分離されていなかった。その結果、メイン噴射のみ、つまり、パイロット噴射を実行しなくても、十分な着火性が確保できる状況となっているにも拘わらずパイロット噴射を実行している場合が多く、必要以上にパイロット噴射を実行している可能性が高いものであった。このように、必要以上にパイロット噴射を実行している場合、排気エミッションの悪化(過剰なパイロット噴射によって局所的な酸素不足が発生することに起因するHCやPMの発生量の増大)や、燃料消費率の悪化が懸念されることになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を実行可能とした内燃機関に対し、パイロット噴射の必要性の有無を適切に判断することができるパイロット噴射実行のための制御ロジックを提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、副噴射の機能として気筒内の予熱に特化させることとし、気筒内に吸入されたガス(空気)が、圧縮行程における圧縮動作のみで燃料の自着火温度にまで到達する状況にある場合には主噴射に先立つ副噴射は必要ないと判断し、この副噴射を禁止して、無駄な副噴射を回避できるようにしている。一方、気筒内に吸入されたガスが、圧縮行程における圧縮動作のみで燃料の自着火温度にまで到達しない状況にある場合には主噴射に先立って副噴射を実行し、主噴射時における燃料の着火性を良好に確保できるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射が実行可能な圧縮自着火式の内燃機関の燃料噴射制御装置を前提とする。この燃料噴射制御装置に対し、上記プレ噴射での噴射量と上記メイン噴射での噴射量との和が、内燃機関運転状態に応じて決定される要求トルクを得るための総噴射量として設定される一方、上記プレ噴射及び上記メイン噴射に先立って上記パイロット噴射が実行されることで、このパイロット噴射で噴射された燃料の燃焼により筒内予熱が行われるようになっており、上記筒内予熱のためのパイロット噴射を実行しないと仮定した場合に、圧縮行程時の気筒内ガスの圧縮のみにより上昇する圧縮ガス温度を推定または検出する圧縮ガス温度認識手段と、この圧縮ガス温度認識手段によって推定または検出された圧縮ガス温度と、燃料の自着火温度とを比較し、上記圧縮ガス温度が燃料の自着火温度よりも低い場合に限り、上記プレ噴射、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を実行させる副噴射制御手段とを備えさせている。
この特定事項により、例えば内燃機関の圧縮行程において圧縮ガス温度認識手段による圧縮ガス温度の推定動作または検出動作が行われる。つまり、パイロット噴射を実行しないと仮定した場合に、圧縮行程時の気筒内ガスの圧縮のみにより上昇する圧縮ガス温度を推定または検出することになる。この圧縮ガス温度が燃料の自着火温度以上であれば、この圧縮行程の後のメイン噴射のみで燃料は自着火可能である。一方、上記圧縮ガス温度が燃料の自着火温度未満であれば、この圧縮行程の後のメイン噴射のみで燃料の良好な自着火は得られない可能性が高い。このため、副噴射制御手段は、上記圧縮ガス温度認識手段によって推定または検出された圧縮ガス温度と、燃料の自着火温度とを比較し、上記圧縮ガス温度が燃料の自着火温度よりも低い場合に限り、上記プレ噴射、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を実行させ、このパイロット噴射に伴う燃焼室内でのガスの予熱動作を行い、メイン噴射の実行タイミングに達した時点では、気筒内のガス温度が燃料の自着火温度以上となっているようにする。これにより、パイロット噴射の機能として、燃焼室内への熱エネルギの供給による温度上昇に特化させて他の燃料噴射動作と機能分離させると共に、燃料の着火性を確保するために予熱が必要となる状況である場合に限ってパイロット噴射を実行させ、無駄なパイロット噴射を回避している。その結果、必要以上にパイロット噴射を実行することに起因する排気エミッションの悪化や、燃料消費率の悪化を防止することができる。
尚、上記圧縮ガス温度認識手段によって推定または検出された圧縮ガス温度の情報は、この推定または検出が行われた圧縮行程直後のメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に使用される。つまり、圧縮行程中に取得した圧縮ガス温度の情報を使用し、その圧縮行程直後のメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に使用するものである。また、これに限らず、この圧縮ガス温度の情報を、次気筒(圧縮ガス温度の情報を取得した気筒の膨張行程の次に膨張行程を迎える気筒)においてメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に使用してもよいし、自気筒の次回の圧縮行程(4気筒内燃機関の場合は上記圧縮ガス温度の情報を取得した後の4回後の圧縮行程)直後のメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に使用してもよい。
上記の目的を達成するための他の手段としては以下のものも挙げられる。つまり、燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射が実行可能な圧縮自着火式の内燃機関の燃料噴射制御装置を前提とする。この燃料噴射制御装置に対し、上記プレ噴射での噴射量と上記メイン噴射での噴射量との和が、内燃機関運転状態に応じて決定される要求トルクを得るための総噴射量として設定される一方、上記プレ噴射及び上記メイン噴射に先立って上記パイロット噴射が実行されることで、このパイロット噴射で噴射された燃料の燃焼により筒内予熱が行われるようになっており、上記筒内予熱のためのパイロット噴射を実行しないと仮定した場合に、圧縮行程時の気筒内ガスの圧縮のみにより上昇する圧縮ガス温度を推定または検出する圧縮ガス温度認識手段と、上記圧縮ガス温度認識手段によって推定または検出された圧縮ガス温度と、燃料の自着火温度とを比較し、上記圧縮ガス温度が燃料の自着火温度以上である場合、上記パイロット噴射の実行を禁止する副噴射制御手段とを備えさせている。
この特定事項によっても、上述した解決手段の場合と同様に、燃料の着火性を確保するために必要な状況である場合に限ってパイロット噴射を実行させ、無駄なパイロット噴射を回避することができる。その結果、必要以上にパイロット噴射を実行することに起因する排気エミッションの悪化や、燃料消費率の悪化を防止することができる。
上記圧縮ガス温度認識手段による圧縮ガス温度の推定または検出を行う際の具体構成としては以下のものが挙げられる。つまり、上記メイン噴射によって燃料を着火させる目標着火時期を設定する目標着火時期設定手段を備えさせ、上記圧縮ガス温度認識手段が、この目標着火時期設定手段によって設定された目標着火時期での圧縮ガス温度を推定または検出する構成としている。例えば、目標着火時期が、シリンダ内で往復動するピストンが圧縮上死点に達した時点に設定されている場合(例えば内燃機関の出力トルクを重視した運転の場合)には、この圧縮上死点に達した時点での圧縮ガス温度を推定または検出する。一方、目標着火時期が、ピストンが圧縮上死点よりも遅角側(ATDC側)に達した時点に設定されている場合(例えばNOx排出量の抑制を重視した運転の場合)には、この圧縮上死点よりも遅角側に達した時点での圧縮ガス温度を推定または検出する。尚、上記目標着火時期は、燃料噴射期間とその後の動作遅れとを考慮して設定される。
これによれば、実際に燃料を着火させるタイミング(目標着火時期)での圧縮ガス温度を認識し、そのタイミングにおける圧縮ガス温度と燃料の自着火温度とを比較した上で、パイロット噴射の必要性を判断することができる。つまり、目標着火時期から外れたタイミングにおける圧縮ガス温度と燃料の自着火温度とを比較してパイロット噴射の要否を判断した場合、パイロット噴射が必要であるにも拘わらずパイロット噴射が実行されなかったり、無用なパイロット噴射が実行されてしまって、目標着火時期での燃料の着火動作が行えなくなる可能性がある。この点を考慮し、本解決手段によれば、実際にメイン噴射が行われて燃料を着火させるタイミング(目標着火時期)での圧縮ガス温度を、燃料の自着火温度と比較することにより、より高い精度でパイロット噴射の必要性が判断でき、燃料の着火タイミングを上記目標着火時期に一致させることが可能になる。
上記パイロット噴射を実行する場合の噴射量の設定動作としては以下のものが挙げられる。つまり、パイロット噴射を実行させる場合、上記副噴射制御手段が、上記圧縮ガス温度と燃料の自着火温度との差が大きいほどパイロット噴射による総燃料噴射量を多く設定するようにしている。
つまり、パイロット噴射を実行する場合とは、圧縮ガス温度(例えば目標着火時期での圧縮ガス温度)が燃料の自着火温度よりも低くなっている場合であり、この両者の差が大きいということは、圧縮ガス温度を燃料の自着火温度まで上昇させるための熱量が多く必要であることを意味している。このため、上記圧縮ガス温度と燃料の自着火温度との差が大きいほどパイロット噴射による燃料噴射量を多く設定しておき、パイロット噴射の実行後、短期間のうちに圧縮ガス温度を燃料の自着火温度まで上昇させ、メイン噴射の実行時点では、燃料の着火性が良好に確保できている状況を実現している。
この場合、上記副噴射制御手段による燃料噴射弁からのパイロット噴射制御動作として具体的には、上記圧縮ガス温度と燃料の自着火温度との差に基づいて設定されるパイロット噴射の総燃料噴射量を複数回に分割して間欠的に噴射するようにしている。
例えば、上記圧縮ガス温度と燃料の自着火温度との差が大きく、パイロット噴射による総燃料噴射量も多い場合、1回のパイロット噴射で多量の燃料を噴射してしまうと、このパイロット噴射で噴射された燃料自体の着火遅れが発生し、メイン噴射実行時の筒内温度(ガス温度)を十分に上昇させることができなくなったり、パイロット噴射の着火遅れが原因となって排気エミッションの悪化や燃焼音の増大を招いてしまう可能性がある。このため、本解決手段では、パイロット噴射の総燃料噴射量を複数回に分割して間欠的に噴射することで、パイロット噴射1回当たりの着火遅れを小さくし、先行して行われたパイロット噴射で得られた熱量が、後続するパイロット噴射で噴射された燃料の着火遅れを更に小さくすることに寄与するようにしている。このため、パイロット噴射による総燃料噴射量が多い場合であっても、このパイロット噴射による予熱機能を良好に発揮させることで、このパイロット噴射による効果を確実に得ることが可能になる。
本発明では、圧縮自着火式の内燃機関に対し、圧縮行程における圧縮動作のみで圧縮室内が燃料の自着火温度にまで到達する状況にある場合にはプレ噴射及びメイン噴射に先立つパイロット噴射は必要ないと判断し、このパイロット噴射を禁止して、無駄なパイロット噴射を回避できるようにしている。このため、メイン噴射で噴射された燃料の着火性を確保するために必要な状況である場合に限ってパイロット噴射を実行させ、無駄なパイロット噴射を回避することができ、必要以上にパイロット噴射を実行することに起因する排気エミッションの悪化や、燃料消費率の悪化を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車に搭載されたコモンレール式筒内直噴型多気筒(例えば直列4気筒)ディーゼルエンジン(圧縮自着火式内燃機関)に本発明を適用した場合について説明する。
−エンジンの構成−
先ず、本実施形態に係るディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)の概略構成について説明する。図1は本実施形態に係るエンジン1及びその制御系統の概略構成図である。また、図2は、ディーゼルエンジンの燃焼室3及びその周辺部を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るエンジン1は、燃料供給系2、燃焼室3、吸気系6、排気系7等を主要部として構成されるディーゼルエンジンシステムである。
燃料供給系2は、サプライポンプ21、コモンレール22、インジェクタ(燃料噴射弁)23、遮断弁24、燃料添加弁26、機関燃料通路27、添加燃料通路28等を備えて構成されている。
上記サプライポンプ21は、燃料タンクから燃料を汲み上げ、この汲み上げた燃料を高圧にした後、機関燃料通路27を介してコモンレール22に供給する。コモンレール22は、サプライポンプ21から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各インジェクタ23に分配する。インジェクタ23は、その内部に圧電素子(ピエゾ素子)を備え、適宜開弁して燃焼室3内に燃料を噴射供給するピエゾインジェクタにより構成されている。このインジェクタ23からの燃料噴射制御の詳細については後述する。
また、上記サプライポンプ21は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を、添加燃料通路28を介して燃料添加弁26に供給する。添加燃料通路28には、緊急時において添加燃料通路28を遮断して燃料添加を停止するための上記遮断弁24が備えられている。
また、上記燃料添加弁26は、後述するECU100による添加制御動作によって排気系7への燃料添加量が目標添加量(排気A/Fが目標A/Fとなるような添加量)となるように、また、燃料添加タイミングが所定タイミングとなるように開弁時期が制御される電子制御式の開閉弁により構成されている。つまり、この燃料添加弁26から所望の燃料が適宜のタイミングで排気系7(排気ポート71から排気マニホールド72)に噴射供給される構成となっている。
吸気系6は、シリンダヘッド15(図2参照)に形成された吸気ポート15aに接続される吸気マニホールド63を備え、この吸気マニホールド63に、吸気通路を構成する吸気管64が接続されている。また、この吸気通路には、上流側から順にエアクリーナ65、エアフローメータ43、スロットルバルブ62が配設されている。上記エアフローメータ43は、エアクリーナ65を介して吸気通路に流入される空気量に応じた電気信号を出力するようになっている。
排気系7は、シリンダヘッド15に形成された排気ポート71に接続される排気マニホールド72を備え、この排気マニホールド72に対して、排気通路を構成する排気管73,74が接続されている。また、この排気通路には、後述するNOx吸蔵触媒(NSR触媒:NOx Storage Reduction触媒)75及びDPNR触媒(Diesel Paticulate−NOx Reduction触媒)76を備えたマニバータ(排気浄化装置)77が配設されている。以下、これらNSR触媒75及びDPNR触媒76について説明する。
NSR触媒75は、吸蔵還元型NOx触媒であって、例えばアルミナ(Al23)を担体とし、この担体上に例えばカリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)のようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)のようなアルカリ土類、ランタン(La)、イットリウム(Y)のような希土類と、白金(Pt)のような貴金属とが担持された構成となっている。
このNSR触媒75は、排気中に多量の酸素が存在している状態においてはNOxを吸蔵し、排気中の酸素濃度が低く、かつ還元成分(例えば燃料の未燃成分(HC))が多量に存在している状態においてはNOxをNO2若しくはNOに還元して放出する。NO2やNOとして放出されたNOxは、排気中のHCやCOと速やかに反応することによってさらに還元されてN2となる。また、HCやCOは、NO2やNOを還元することで、自身は酸化されてH2OやCO2となる。すなわち、NSR触媒75に導入される排気中の酸素濃度やHC成分を適宜調整することにより、排気中のHC、CO、NOxを浄化することができるようになっている。本実施形態のものでは、この排気中の酸素濃度やHC成分の調整を上記燃料添加弁26からの燃料添加動作によって行うことが可能となっている。
一方、DPNR触媒76は、例えば多孔質セラミック構造体にNOx吸蔵還元型触媒を担持させたものであり、排気ガス中のPMは多孔質の壁を通過する際に捕集される。また、排気ガスの空燃比がリーンの場合、排気ガス中のNOxはNOx吸蔵還元型触媒に吸蔵され、空燃比がリッチになると、吸蔵したNOxは還元・放出される。さらに、DPNR触媒76には、捕集したPMを酸化・燃焼する触媒(例えば白金等の貴金属を主成分とする酸化触媒)が担持されている。
ここで、ディーゼルエンジンの燃焼室3及びその周辺部の構成について。図2を用いて説明する。この図2に示すように、エンジン本体の一部を構成するシリンダブロック11には、各気筒(4気筒)毎に円筒状のシリンダボア12が形成されており、各シリンダボア12の内部にはピストン13が上下方向に摺動可能に収容されている。
ピストン13の頂面13aの上側には上記燃焼室3が形成されている。つまり、この燃焼室3は、シリンダブロック11の上部にガスケット14を介して取り付けられたシリンダヘッド15の下面と、シリンダボア12の内壁面と、ピストン13の頂面13aとにより区画形成されている。そして、ピストン13の頂面13aの略中央部には、キャビティ13bが凹設されており、このキャビティ13bも燃焼室3の一部を構成している。
このピストン13は、コネクティングロッド18の小端部18aがピストンピン13cにより連結されており、このコネクティングロッド18の大端部はエンジン出力軸であるクランクシャフトに連結されている。これにより、シリンダボア12内でのピストン13の往復移動がコネクティングロッド18を介してクランクシャフトに伝達され、このクランクシャフトが回転することでエンジン出力が得られるようになっている。また、燃焼室3に向けてグロープラグ19が配設されている。このグロープラグ19は、エンジン1の始動直前に電流が流されることにより赤熱し、これに燃料噴霧の一部が吹きつけられることで着火・燃焼が促進される始動補助装置として機能する。
上記シリンダヘッド15には、燃焼室3へ空気を導入する吸気ポート15aと、燃焼室3から排気ガスを排出する上記排気ポート71とがそれぞれ形成されていると共に、吸気ポート15aを開閉する吸気バルブ16及び排気ポート71を開閉する排気バルブ17が配設されている。これら吸気バルブ16及び排気バルブ17はシリンダ中心線Pを挟んで対向配置されている。つまり、本エンジンはクロスフロータイプとして構成されている。また、シリンダヘッド15には、燃焼室3の内部へ直接的に燃料を噴射する上記インジェクタ23が取り付けられている。このインジェクタ23は、シリンダ中心線Pに沿う起立姿勢で燃焼室3の略中央上部に配設されており、上記コモンレール22から導入される燃料を燃焼室3に向けて所定のタイミングで噴射するようになっている。
更に、図1に示す如く、このエンジン1には、過給機(ターボチャージャ)5が設けられている。このターボチャージャ5は、タービンシャフト5Aを介して連結されたタービンホイール5B及びコンプレッサホイール5Cを備えている。コンプレッサホイール5Cは吸気管64内部に臨んで配置され、タービンホイール5Bは排気管73内部に臨んで配置されている。このためターボチャージャ5は、タービンホイール5Bが受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサホイール5Cを回転させ、吸気圧を高めるといった所謂過給動作を行うようになっている。本実施形態におけるターボチャージャ5は、可変ノズル式ターボチャージャであって、タービンホイール5B側に可変ノズルベーン機構(図示省略)が設けられており、この可変ノズルベーン機構の開度を調整することにより、エンジン1の過給圧を調整することができる。
吸気系6の吸気管64には、ターボチャージャ5での過給によって昇温した吸入空気を強制冷却するためのインタークーラ61が設けられている。このインタークーラ61よりも更に下流側に設けられた上記スロットルバルブ62は、その開度を無段階に調整することができる電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を絞り、この吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有している。
また、エンジン1には、吸気系6と排気系7とを接続する排気還流通路(EGR通路)8が設けられている。このEGR通路8は、排気の一部を適宜吸気系6に還流させて燃焼室3へ再度供給することにより燃焼温度を低下させ、これによってNOx発生量を低減させるものである。また、このEGR通路8には、電子制御によって無段階に開閉され、同通路を流れる排気流量を自在に調整することができるEGRバルブ81と、EGR通路8を通過(還流)する排気を冷却するためのEGRクーラ82とが設けられている。
−センサ類−
エンジン1の各部位には、各種センサが取り付けられており、それぞれの部位の環境条件や、エンジン1の運転状態に関する信号を出力する。
例えば、上記エアフローメータ43は、吸気系6内のスロットルバルブ62上流において吸入空気の流量(吸入空気量)に応じた検出信号を出力する。吸気温センサ49は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気の温度に応じた検出信号を出力する。吸気圧センサ48は、吸気マニホールド63に配置され、吸入空気圧力に応じた検出信号を出力する。A/F(空燃比)センサ44は、排気系7のマニバータ77の下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。排気温センサ45は、同じく排気系7のマニバータ77の下流において排気ガスの温度(排気温度)に応じた検出信号を出力する。レール圧センサ41はコモンレール22内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。スロットル開度センサ42はスロットルバルブ62の開度を検出する。
−ECU−
ECU100は、図3に示すように、CPU101、ROM102、RAM103及びバックアップRAM104などを備えている。ROM102は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU101は、ROM102に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて各種の演算処理を実行する。また、RAM103は、CPU101での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM104は、例えばエンジン1の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
以上のCPU101、ROM102、RAM103及びバックアップRAM104は、バス107を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース105及び出力インターフェース106と接続されている。
入力インターフェース105には、上記レール圧センサ41、スロットル開度センサ42、エアフローメータ43、A/Fセンサ44、排気温センサ45、吸気圧センサ48、吸気温センサ49が接続されている。さらに、この入力インターフェース105には、エンジン1の冷却水温に応じた検出信号を出力する水温センサ46、アクセルペダルへの踏み込み量に応じた検出信号を出力するアクセル開度センサ47、及び、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力するクランクポジションセンサ40などが接続されている。一方、出力インターフェース106には、上記インジェクタ23、燃料添加弁26、スロットルバルブ62、及び、EGRバルブ81などが接続されている。
そして、ECU100は、上記した各種センサの出力に基づいて、エンジン1の各種制御を実行する。さらに、ECU100は、インジェクタ23の燃料噴射制御として、後述するパイロット噴射制御を実行する。
−パイロット噴射制御−
次に、上記インジェクタ23のパイロット噴射制御について説明する。
このパイロット噴射(副噴射)とは、インジェクタ23からのメイン噴射(主噴射)に先立ち、予め少量の燃料を噴射する噴射動作である。つまり、このパイロット噴射の実行後、燃料噴射を一旦中断し、メイン噴射が開始されるまでの間に圧縮ガス温度(気筒内温度)を十分に高めて燃料の自着火温度に到達させるようにし、これによってメイン噴射で噴射される燃料の着火性を良好に確保するようにしている。つまり、本実施形態におけるパイロット噴射の機能は、気筒内の予熱に特化したものとなっている。
上記パイロット噴射を実行する際の燃料噴射圧は、コモンレール22の内圧により決定される。このコモンレール内圧としては、一般に、コモンレール22からインジェクタ23へ供給される燃料圧力の目標値、すなわち目標レール圧は、エンジン負荷(機関負荷)が高くなるほど及びエンジン回転数(機関回転数)が高くなるほど高いものとされる。すなわち、エンジン負荷が高い場合には燃焼室3内に吸入される空気量が多いため、インジェクタ23における燃焼室3内の圧力が高いと共に多量の燃料を噴射しなければならず、よってインジェクタ23からの噴射圧力を高いものとする必要がある。また、エンジン回転数が高い場合には噴射時間が短いため、単位時間当たりに噴射される燃料量を多くしなければならず、よってインジェクタ23からの噴射圧力を高いものとする必要がある。このように、目標レール圧は一般にエンジン負荷及びエンジン回転数に基づいて設定される。
上記パイロット噴射やメイン噴射などの燃料噴射における燃料噴射パラメータについて、その最適値はエンジンや吸入空気等の温度条件によって異なるものとなる。
例えば、上記ECU100は、コモンレール圧がエンジン運転状態に基づいて設定される目標レール圧と等しくなるように、即ち燃料噴射圧が目標噴射圧と一致するように、サプライポンプ21の燃料吐出量を調量する。また、ECU100はエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量及び燃料噴射形態を決定する。具体的には、ECU100は、クランクポジションセンサ40の検出値に基づいてエンジン回転速度を算出するとともに、アクセル開度センサ47の検出値に基づいてアクセルペダルへの踏み込み量(アクセル開度)を求め、このエンジン回転速度及びアクセル開度に基づいて燃料噴射量を決定する。
更に、ECU100は、これらエンジン回転速度及び燃料噴射量に基づいて、燃料噴射形態を、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、アフタ噴射、ポスト噴射が適宜組み合わされた各種噴射モードに設定する。以下、本実施形態における上記パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射、アフタ噴射、ポスト噴射の各動作の概略について説明する。
(パイロット噴射)
パイロット噴射は、上述した如く、燃焼室3内でのガスの予熱を行うための噴射動作(予熱用燃料の供給動作)である。具体的に、本実施形態では、噴霧の分配や局所濃度の適正化を図るために、噴射率としては、最小噴射率(例えば1回当たりの噴射量1.5mm3)とし、複数回数のパイロット噴射を実行することで、このパイロット噴射で必要な総パイロット噴射量を確保するようにしている。より具体的に、パイロット噴射回数としては以下の式(1)により決定される。
N={(Ca・ΔT)・Kc・Kv}/(J・η) …(1)
(N:パイロット噴射の噴射回数、Ca:気筒内に導入された空気の熱容量、ΔT:自着火温度の未達分の温度、Kc:EGR率による熱容量補正係数、Kv:燃焼寄与の対象空間、J:1.5mm3の理論発熱量、η:燃料効率)
ここで、自着火温度の未達分の温度ΔTとは、メイン噴射時における燃料の目標着火時期(例えばピストン13が圧縮上死点に達した時期)での圧縮ガス温度と、燃料の自着火温度との差であって、この目標着火時期での圧縮ガス温度を燃料の自着火温度に到達させるのに必要な熱量に相当する。尚、上記式(1)は、1回当たりのパイロット噴射量を固定値(例えば1.5mm3)とし、噴射回数を設定することで必要な総パイロット噴射量を確保するようにしたものである。このパイロット噴射量の固定値は上記値に限定されるものではない。
また、このようにして分割噴射されるパイロット噴射のインターバルは、インジェクタ23の応答性(開閉動作の速さ)によって決定される。本実施形態のものでは、例えば200μsに設定される。このパイロット噴射のインターバルは上記値に限定されるものではない。
更に、このパイロット噴射の噴射開始タイミングとしては、例えばクランク角度で、ピストン13の圧縮上死点前(BTDC)80°以降であって、以下の式(2)によって設定される。
パイロット噴射開始角度=パイロット燃焼終了角度+パイロット噴射期間作用角+(1回のパイロット噴射における燃焼所要時間のクランク角度換算値×N+着火遅れ時間のクランク角度換算値−オーバラップ時間のクランク角度換算値) …(2)
ここで、パイロット燃焼終了角度は、プレ噴射の開始前にパイロット噴射による燃焼を完了するために設定される角度である。また、着火遅れ時間は、パイロット噴射が実行されてからその燃料が着火するまでの時間遅れである。また、オーバラップ時間は、先行して実行されるパイロット噴射による燃料の燃焼期間と、後続して実行されるパイロット噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間(2つの燃焼が同時に行われている時間)および最終のパイロット噴射による燃料の燃焼期間と、後続して実行されるプレ噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間である。
(プレ噴射)
プレ噴射は、メイン噴射による初期燃焼速度を抑制し、安定した拡散燃焼に導くための噴射動作(トルク発生用燃料の供給動作)である。具体的に、本実施形態では、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態に応じて決定される要求トルクを得るための総噴射量(プレ噴射での噴射量とメイン噴射での噴射量との和)に対して10%としてプレ噴射量が設定される。
この場合、上記総噴射量が15mm3未満であった場合には、プレ噴射での噴射量が、インジェクタ23の最小限界噴射量(1.5mm3)未満となるため、プレ噴射は実行しないことになる。一方、プレ噴射の噴射総量としてインジェクタ23の最小限界噴射量の2倍以上(例えば3mm3以上)が要求される場合には、複数回数のプレ噴射を実行することで、このプレ噴射で必要な総噴射量を確保するようにしている。これにより、プレ噴射の着火遅れを抑制し、メイン噴射による初期燃焼速度の抑制を確実に行って、安定した拡散燃焼に導くことができる。
また、このプレ噴射の噴射開始角度としては、以下の式(3)によって設定される。
プレ噴射開始角度=プレ燃焼終了角度+プレ噴射期間作用角+(プレ噴射における燃焼所要時間のクランク角度換算値+着火遅れ時間のクランク角度換算値−オーバラップ時間のクランク角度換算値) …(3)
ここで、着火遅れ時間は、プレ噴射が実行されてからその燃料が着火するまでの時間遅れである。また、オーバラップ時間は、複数回のプレ噴射が行われる場合において、先行して実行されるプレ噴射による燃料の燃焼期間と、後続して実行されるプレ噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間(2つの燃焼が同時に行われている時間)、および、最終のプレ噴射による燃料の燃焼期間と、後続して実行されるメイン噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間、並びに、最終のパイロット噴射による燃料の燃焼期間と、プレ噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間である。
(メイン噴射)
メイン噴射は、エンジン1のトルク発生のための噴射動作(トルク発生用燃料の供給動作)である。具体的に、本実施形態では、エンジン回転数、アクセル操作量、冷却水温度、吸気温度等の運転状態に応じて決定される要求トルクを得るための上記総噴射量から上記プレ噴射での噴射量を減算した噴射量として設定される。
また、このメイン噴射の噴射開始角度としては、以下の式(4)によって設定される。
メイン噴射開始角度=メイン着火時期+メイン噴射期間作用角+(メイン噴射における燃焼所要時間のクランク角度換算値+着火遅れ時間のクランク角度換算値−オーバラップ時間のクランク角度換算値) …(4)
ここで、着火遅れ時間は、メイン噴射が実行されてからその燃料が着火するまでの時間遅れである。また、オーバラップ時間は、上記プレ噴射による燃料の燃焼期間とメイン噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間、及び、メイン噴射による燃料の燃焼期間と、アフタ噴射による燃料の燃焼期間とのオーバラップ時間である。
(アフタ噴射)
アフタ噴射は、排気ガス温度を上昇させるための噴射動作である。具体的に、本実施形態では、このアフタ噴射により供給された燃料の燃焼エネルギがエンジンのトルクに変換されることなく、その大部分が排気の熱エネルギとして得られるタイミングでアフタ噴射を実行するようにしている。また、このアフタ噴射においても、上述したパイロット噴射の場合と同様に、最小噴射率(例えば1回当たりの噴射量1.5mm3)とし、複数回数のアフタ噴射を実行することで、このアフタ噴射で必要な総アフタ噴射量を確保するようにしている。
(ポスト噴射)
ポスト噴射は、排気系7に燃料を直接的に導入して上記マニバータ77の昇温を図るための噴射動作である。例えば、DPNR触媒76に捕集されているPMの堆積量が所定量を超えた場合(例えばマニバータ77の前後の差圧を検出することにより検知)、ポスト噴射が実行されるようになっている。
−パイロット噴射制御動作−
次に、本実施形態の特徴とする動作であるパイロット噴射制御動作について説明する。具体的に本実施形態では、パイロット噴射を実行するか否かを以下の制御ロジックにより判断するようにしている。
つまり、先ず、エンジン1の圧縮行程において、上記パイロット噴射を実行しないと仮定した場合に、目標着火時期における気筒内ガスの圧縮のみにより上昇する圧縮ガス温度を推定する。そして、この推定した圧縮ガス温度と、燃料の自着火温度とを比較し、上記圧縮ガス温度が燃料の自着火温度よりも低い場合に限り、上記メイン噴射に先立ってパイロット噴射を実行させるようにしている。
言い換えると、上記推定された目標着火時期での圧縮ガス温度と、燃料の自着火温度とを比較し、上記圧縮ガス温度が燃料の自着火温度以上である場合には、上記パイロット噴射の実行を禁止するようにしている。
以下、このパイロット噴射を実行するか否かを判定し、それに応じてパイロット噴射の実行の有無を切り換えるパイロット噴射制御動作の手順について図4および図5に示したフローチャートに沿って説明する。
図4は、パイロット噴射を実行するか否かを判定するパイロット噴射実行判定動作の手順を示すフローチャートであり、図5は、パイロット噴射を実行する際のパイロット噴射量を決定するためのパイロット噴射量算出動作の手順を示すフローチャートである。
先ず、図4に沿ってパイロット噴射実行判定動作について説明する。
ステップST1では、燃料着火前における目標着火温度(Treq)を取得する。この目標着火温度は、エンジン1に使用されている燃料の自着火温度に相当する。尚、この燃料の自着火温度は燃焼室3内の圧力に応じて変化する。つまり、燃焼室3内の圧力が高いほど燃料の自着火温度は低くなる。このため、例えば燃焼室3内の圧力に応じた目標着火温度を求めるための目標着火温度マップを上記ROM102に記憶させておき、この目標着火温度マップを参照することで上記目標着火温度(Treq)を取得する。
その後、ステップST2において、目標着火時期(Aign)を取得する。これは、メイン噴射が行われた際に、それに伴う燃料の着火開始タイミングにおけるピストン位置として取得される。例えば圧縮上死点(クランク角度CA=0°)等として設定される(目標着火時期設定手段による目標着火時期の設定)。尚、この目標着火時期(Aign)としてはピストン13の圧縮上死点に限られるものではなく、例えば排気エミッションに応じて適宜遅角させる場合もある。つまり、エンジン1のトルクを重視した運転の場合には、目標着火時期は上記圧縮上死点付近に設定され、NOx排出量の抑制を重視した運転の場合には、目標着火時期は圧縮上死点よりも遅角側に設定される。
ステップST3では、上記ステップST2で取得した目標着火時期における圧縮ガス温度(Treal)を推定する(圧縮ガス温度認識手段による圧縮ガス温度の推定動作)。この圧縮ガス温度は、パイロット噴射を実行しないと仮定した場合、つまり、パイロット噴射に起因するガス温度の上昇がないと仮定した場合であって、圧縮行程時の気筒内ガスの圧縮のみにより上昇する圧縮ガス温度である。上述した如く、目標着火時期(Aign)がピストン13の圧縮上死点として取得されている場合には、圧縮室容積が最小となった時点での圧縮ガス温度として取得されることになる。
具体的に、この圧縮ガス温度の推定動作としては、上記吸気圧センサ48によって検出された吸入空気圧力と、吸気温センサ49によって検出された吸入空気温度とによって、目標着火時期における圧縮ガス温度(Treal)を推定するようにしている。この推定は、所定の演算式による算出、または、予めROM102に記憶されたマップを参照することで行われる。
以上のようにして、目標着火温度(Treq)および目標着火時期における圧縮ガス温度(Treal)が取得された後、ステップST4に移る。このステップST4では、目標着火温度と圧縮ガス温度とを比較し、圧縮ガス温度が目標着火温度未満(Treq>Treal)であるか否かを判定する
圧縮ガス温度が目標着火温度未満であって、ステップST4でYes判定された場合には、ステップST5に移り、パイロット噴射実行フラグ(Flgpilot)をONする。つまり、メイン噴射に先立ってパイロット噴射が実行されるようにする(副噴射制御手段によるパイロット噴射の実行設定動作)。一方、圧縮ガス温度が目標着火温度以上であって、ステップST4でNo判定された場合には、ステップST6に移り、パイロット噴射実行フラグ(Flgpilot)をOFFする。つまり、メイン噴射に先立つパイロット噴射を実行しないようにする(パイロット噴射の禁止:副噴射制御手段によるパイロット噴射の非実行設定動作)。
図6は、目標着火時期(Aign)をピストン13の圧縮上死点(TDC)に設定した場合における目標着火温度(Treq)と圧縮ガス温度(Treal)の変化状態とを示した図である。図中の一点鎖線は、目標着火温度(Treq)を示している。また、図6では、圧縮ガス温度(Treal)として、ピストン13の圧縮上死点での圧縮ガス温度が目標着火温度未満である場合の圧縮ガス温度の変化を実線で示し、ピストン13の圧縮上死点での圧縮ガス温度が目標着火温度以上である場合の圧縮ガス温度の変化を破線で示している。
つまり、図中に実線で示すように、目標着火時期(TDC)における圧縮ガス温度(Treal)が目標着火温度(Treq)未満である場合には、パイロット噴射が実行されるようにして、図中に矢印Aで示すように、圧縮ガス温度(Treal)が目標着火温度(Treq)に近付くようにする。一方、図中に破線で示すように、目標着火時期(TDC)における圧縮ガス温度(Treal)が目標着火温度(Treq)以上である場合には、パイロット噴射が実行されないようにする。
以上のようにしてパイロット噴射実行フラグが設定された上で、図5に示すパイロット噴射量算出動作を実行する。
このパイロット噴射量算出動作では、先ずステップST11において、上記パイロット噴射実行フラグ(Flgpilot)がON状態となっているか否かを判定する。パイロット噴射実行フラグがOFF状態となっており、ステップST11でNo判定された場合には、ステップST12に移ってパイロット噴射量(Qp)を「0」に設定する。つまり、パイロット噴射量を非実行とする。
一方、パイロット噴射実行フラグがON状態となっており、ステップST11でYes判定された場合には、ステップST13に移って筒内ガス量(Gcyl)を取得する。
その後、ステップST14に移って筒内に存在するガスの比熱(Cg)を取得する。
更にその後、ステップST15に移って必要温度差(dT)を以下の式(5)より求める。
dT=Treq−Treal …(5)
そして、ステップST16に移り、使用している燃料の単位体積当たりの発熱量(Efuel)を算出する。
このようにして、筒内ガス量(Gcyl)およびガスの比熱(Cg)をそれぞれ取得すると共に、必要温度差(dT)および燃料の単位体積当たりの発熱量(Efuel)をそれぞれ算出した後、ステップST17において、以下の式(6)よりパイロット噴射量(Qp)を算出する。
Qp=Gcyl・dT・Cg/Efuel …(6)
以上の動作によりパイロット噴射量を求め、所定のパイロット噴射タイミングにおいて、この算出されたパイロット噴射量でパイロット噴射が実行されるようにインジェクタ23の制御が行われる。つまり、上述した如く、最小噴射率(例えば1回当たりの噴射量1.5mm3)で複数回に亘ってパイロット噴射を実行することで、このパイロット噴射で必要な総パイロット噴射量(Qp)を確保するようにインジェクタ23の制御が行われる。
このようにしてパイロット噴射が実行される際、インジェクタ23の最小限界噴射量の2倍以上のパイロット総噴射量が要求される場合には、上述したように、複数回数のパイロット噴射を実行することで、このパイロット噴射で必要な総噴射量を確保するようにしている。これにより、メイン噴射が開始されるまでの間に圧縮ガス温度を十分に高めることができ、圧縮ガス温度を燃料の自着火温度に到達させることが可能になる。
以上説明したように、本実施形態では、パイロット噴射を実行しないと仮定した場合に、目標着火時期における気筒内ガスの圧縮のみにより上昇する圧縮ガス温度を推定し、この推定した圧縮ガス温度と、燃料の自着火温度とを比較し、上記圧縮ガス温度が燃料の自着火温度よりも低い場合に限り、上記メイン噴射に先立ってパイロット噴射を実行させるようにしている。このため、メイン噴射での燃料の着火性を確保するために必要な状況である場合に限ってパイロット噴射を実行させることができ、無駄なパイロット噴射を回避することができる。その結果、必要以上にパイロット噴射を実行することに起因する排気エミッションの悪化や、燃料消費率の悪化を防止することが可能になる。
(変形例1)
次に、本発明の変形例1について説明する。上述した実施形態では、推定された圧縮ガス温度の情報が、この推定が行われた圧縮行程直後のメイン噴射に対して先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に使用されるものであった。つまり、圧縮行程中に取得した圧縮ガス温度の情報を使用し、その圧縮行程直後のメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に使用するものであった。
本変形例1では、それに代えて、この圧縮ガス温度の情報を、次気筒(圧縮ガス温度の情報を取得した気筒の膨張行程の次に膨張行程を迎える気筒)においてメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に使用するものとしている。
この場合、圧縮ガス温度の推定動作としては、上述した実施形態の場合と同様に、上記吸気圧センサ48によって検出された吸入空気圧力と、吸気温センサ49によって検出された吸入空気温度とによって、目標着火時期における圧縮ガス温度(Treal)を推定する。
また、この推定動作に代えて、気筒内に筒内圧センサを備えさせ、この筒内圧センサによって検出された筒内圧力と、上記吸気温センサ49によって検出された吸入空気温度とによって、目標着火時期における圧縮ガス温度(Treal)を求めることも可能である。特に、パイロット噴射を実行しない状態で且つ燃料(例えばメイン噴射で噴射された燃料)の着火前の筒内圧力を筒内圧センサによって検出し、その情報を、次気筒においてメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に使用するようにした場合には、上記筒内圧センサによって実際の筒内圧力を検出し、それに基づいて圧縮ガス温度(Treal)を求めることができ、その情報を次気筒に反映させるため、制御動作の時間的な遅れが生じることもない。
(変形例2)
次に、本発明の変形例2について説明する。上述した実施形態では、推定された圧縮ガス温度の情報が、この推定が行われた圧縮行程直後のメイン噴射に対して先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に使用されるものであった。つまり、圧縮行程中に取得した圧縮ガス温度の情報を使用し、その圧縮行程直後のメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に使用するものであった。また、上記変形例1では、この圧縮ガス温度の情報を、次気筒においてメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に使用するものであった。
本変形例2では、それに代えて、この圧縮ガス温度の情報を、自気筒(圧縮ガス温度を取得した気筒と同一の気筒)の次回の圧縮行程直後のメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に使用するものとしている。
本変形例2の場合にも、上述した変形例1と同様に、気筒内に筒内圧センサを備えさせ、この筒内圧センサによって検出された筒内圧力と、上記吸気温センサ49によって検出された吸入空気温度とによって、目標着火時期における圧縮ガス温度(Treal)を求めることが可能である。つまり、本変形例2においても、上記変形例1の場合と同様に、上記筒内圧センサによって実際の筒内圧力を検出し、それに基づいて圧縮ガス温度(Treal)を求めることができ、その情報を、自気筒の次回の圧縮行程直後のメイン噴射に先立って行われるパイロット噴射を実行するか否かの判定に反映させるため、制御動作の時間的な遅れが生じることはない。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態および変形例は、自動車に搭載される直列4気筒ディーゼルエンジンに本発明を適用した場合について説明した。本発明は、自動車用に限らず、その他の用途に使用されるエンジンにも適用可能である。また、気筒数やエンジン形式(直列型エンジン、V型エンジン等の別)についても特に限定されるものではない。
また、上記実施形態および変形例では、マニバータ77として、NSR触媒75及びDPNR触媒76を備えたものとしたが、NSR触媒75及びDPF(Diesel Paticulate Filter)を備えたものとしてもよい。
また、上記実施形態および変形例では、各気筒の圧縮行程の度に圧縮ガス温度と燃料の自着火温度とを比較することでパイロット噴射が必要であるか否かを判定するようにしていた。本発明はこれに限らず、所定時間毎、または、所定の圧縮行程毎に、圧縮ガス温度と燃料の自着火温度とを比較することでパイロット噴射が必要であるか否かを判定するようにしてもよい。これは、例えばエンジン1の冷間時などにあっては、上記圧縮ガス温度が燃料の自着火温度未満となっている状況が継続される可能性が高く、パイロット噴射が必要である状況が継続されることになる。このような状況では、圧縮行程毎にパイロット噴射が必要であるか否かを判定する必要がないため、所定時間毎、または、所定の圧縮行程毎に、パイロット噴射が必要であるか否かを判定するようにし、判定動作の効率化を図ることが可能になる。
実施形態に係るエンジン及びその制御系統の概略構成図である。 ディーゼルエンジンの燃焼室及びその周辺部を示す断面図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 パイロット噴射実行判定動作の手順を示すフローチャート図である。 パイロット噴射量算出動作の手順を示すフローチャート図である。 目標着火時期をピストンの圧縮上死点に設定した場合における目標着火温度と圧縮ガス温度の変化状態とを示した図である。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
11 シリンダブロック
13 ピストン
23 インジェクタ(燃料噴射弁)

Claims (5)

  1. 燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射が実行可能な圧縮自着火式の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記プレ噴射での噴射量と上記メイン噴射での噴射量との和が、内燃機関運転状態に応じて決定される要求トルクを得るための総噴射量として設定される一方、上記プレ噴射及び上記メイン噴射に先立って上記パイロット噴射が実行されることで、このパイロット噴射で噴射された燃料の燃焼により筒内予熱が行われるようになっており、
    上記筒内予熱のためのパイロット噴射を実行しないと仮定した場合に、圧縮行程時の気筒内ガスの圧縮のみにより上昇する圧縮ガス温度を推定または検出する圧縮ガス温度認識手段と、
    上記圧縮ガス温度認識手段によって推定または検出された圧縮ガス温度と、燃料の自着火温度とを比較し、上記圧縮ガス温度が燃料の自着火温度よりも低い場合に限り、上記プレ噴射及びメイン噴射に先立ってパイロット噴射を実行させる副噴射制御手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 燃料噴射弁からの燃料噴射動作として、少なくとも、パイロット噴射、プレ噴射、メイン噴射が実行可能な圧縮自着火式の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記プレ噴射での噴射量と上記メイン噴射での噴射量との和が、内燃機関運転状態に応じて決定される要求トルクを得るための総噴射量として設定される一方、上記プレ噴射及び上記メイン噴射に先立って上記パイロット噴射が実行されることで、このパイロット噴射で噴射された燃料の燃焼により筒内予熱が行われるようになっており、
    上記筒内予熱のためのパイロット噴射を実行しないと仮定した場合に、圧縮行程時の気筒内ガスの圧縮のみにより上昇する圧縮ガス温度を推定または検出する圧縮ガス温度認識手段と、
    上記圧縮ガス温度認識手段によって推定または検出された圧縮ガス温度と、燃料の自着火温度とを比較し、上記圧縮ガス温度が燃料の自着火温度以上である場合、上記パイロット噴射の実行を禁止する副噴射制御手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 上記請求項1または2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記メイン噴射によって燃料を着火させる目標着火時期を設定する目標着火時期設定手段を備え、
    上記圧縮ガス温度認識手段は、上記目標着火時期設定手段によって設定された目標着火時期での圧縮ガス温度を推定または検出するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 上記請求項1〜3のうち何れか一つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記副噴射制御手段は、パイロット噴射を実行させる場合、上記圧縮ガス温度と燃料の自着火温度との差が大きいほどパイロット噴射の総燃料噴射量を多く設定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 上記請求項4記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    上記副噴射制御手段は、上記圧縮ガス温度と燃料の自着火温度との差に基づいて設定されるパイロット噴射の総燃料噴射量を複数回に分割して間欠的に噴射するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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